JP2002139847A - 露光装置、露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、露光方法及びデバイス製造方法

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JP2002139847A
JP2002139847A JP2000333770A JP2000333770A JP2002139847A JP 2002139847 A JP2002139847 A JP 2002139847A JP 2000333770 A JP2000333770 A JP 2000333770A JP 2000333770 A JP2000333770 A JP 2000333770A JP 2002139847 A JP2002139847 A JP 2002139847A
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Manabu Toguchi
学 戸口
Masanori Kato
正紀 加藤
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Nikon Corp
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスク及び基板の位置情報の計測に要する時
間を短縮することができ、その結果として生産効率の向
上を図ることができる露光装置、露光方法及びデバイス
製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 プレートアライメントセンサ18a,1
8bは基準となる指標を備え、この指標の像をプレート
P上のマークに投影して指標の像とマークとの相対関係
からプレートPの位置情報を求める。空間像検出装置2
0a,20bは投影光学系PLを介して投影される画像
処理用マークIMの空間像を計測するとともに、プレー
トアライメントセンサ18a,18bから投影される指
標の空間像を計測する。主制御系15は、プレートアラ
イメントセンサ18a,18b及び空間像検出装置20
a,20bの計測結果からベースライン量を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置、露光方
法、及びデバイス製造方法に係り、特にリソグラフィー
工程で大型の基板を用いてマイクロデバイスを製造する
際に用いられる露光装置、露光方法及びデバイス製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、
又は薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスの製造におい
ては、マスクやレチクル(以下、マスクと称する)に形
成されたパターンの像をウェハやガラスプレート等(以
下、これらを総称する場合は、基板と称する)に転写す
る露光装置が用いられる。例えば、液晶表示素子(LC
D)を製造する際には、所謂ステップ・アンド・リピー
ト方式の露光装置(以下、ステッパと称する)が用いら
れることが多い。このステッパは、マスク上に形成され
たLCDのパターンを基板としてのガラスプレート(以
下、プレートと称する)の所定の領域に露光した後、プ
レートが載置されているプレートステージを一定距離だ
けステッピング移動させて、プレートの別の領域に再び
露光を行い、かかる動作をプレートに設定された全ての
領域に対して繰り返し行うことにより、マスクに形成さ
れたパターンの像をプレート全体に転写する装置であ
る。
【0003】マスクに形成されたパターンの像をプレー
トに転写する際には、プレートの位置とパターンの像の
位置とを精密に合わせる必要がある。近年、プレートに
形成されるパターンの微細化に伴ってマスクとプレート
との高い位置合わせ精度が要求され、例えばプレートに
形成されるパターンの最小線幅の数分の1から数十分の
1程度の位置合わせ精度が要求される。このため、マス
クやプレートには位置計測用のマークが形成されてお
り、露光装置はこれらのマークの位置情報を高い精度で
計測する位置計測装置を備えている。
【0004】マスク又はプレートに形成された位置計測
用のマークを用いて位置情報を計測する位置計測装置の
主なものとしては、計測原理の観点から分類すると、L
SA(Laser Step Alignment)方式やFIA(Field Im
age Alignment)方式のものがある。LSA方式の位置
計測装置は、レーザ光をプレート上に形成されたドット
列のマークに照射し、回折・散乱された光を利用してそ
のマークの位置情報を計測する位置計測装置である。F
IA方式の位置計測装置は、ハロゲンランプ等の波長帯
域幅の広い光源を用いてマークを照明し、その結果得ら
れたマークの像を画像信号に変換した後、画像処理して
マークの位置情報を求める位置計測装置であり、アルミ
ニウム層やプレート上に形成された非対称なマークの計
測に効果的である。
【0005】また、位置計測における観察方法の観点か
ら位置計測装置を分類すると、投影光学系を介してプレ
ート上のマークの位置情報を計測するTTL(スルー・
ザ・レンズ)方式、投影光学系を介してプレートに形成
されたマークとマスクに形成されたマークとを同時に観
察し、両者の相対位置関係を検出するTTM(スルー・
ザ・マスク)方式、及び投影光学系を介することなく直
接プレート上のマークの位置情報を計測するオフ・アク
シス方式等がある。
【0006】液晶表示素子を製造する場合には、大型の
プレートを扱うため、一般的にはオフ・アクシス方式の
位置計測装置を用いてプレートの位置情報を計測する。
また、マスクとプレートとの相対的な位置関係は、上記
のTTM方式の位置計測装置で計測される。尚、プレー
トの位置情報計測用にオフ・アクシス方式の位置計測装
置を備える露光装置では、マスクに形成されたパターン
の像をプレートに照射する投影光学系の投影領域外に計
測視野が設定されているため、位置計測装置の計測中心
と、マスクに形成されたパターンの投影像の中心(露光
中心)との間隔であるベースライン量を予め求めておく
必要がある。ベースライン量の計測は、プレートを載置
するプレートステージ上に設けられた基準部材を用いて
行われる。
【0007】ベースライン量を計測する際には、まずプ
レートステージを移動させて基準部材を投影光学系の投
影領域内の所定位置に配置し、上記のTTM方式の位置
計測装置を用いて投影光学系を介して基準部材に形成さ
れた基準マークとマスクに形成された位置計測用のマー
クとを同時に観察してマスクに形成されたパターンの投
影像の中心(露光中心)を求める。次に、プレートステ
ージを移動させて基準部材をオフ・アクシス方式の位置
計測装置の計測視野内に配置し、基準マークの位置情報
を計測して位置計測装置の計測中心を求める。そして、
得られた露光中心及び計測中心、並びに露光中心及び計
測中心を求めたときのプレートステージ位置に基づいて
露光中心と計測中心との距離を求めることによりベース
ライン量が求められる。
【0008】露光処理を行う場合には、プレートをプレ
ートステージ上に搬送した後、位置計測装置によってプ
レートに形成されたマークを計測し、マークの計測中心
からのずれ量を求め、このずれ量をベースライン量で補
正した距離だけプレートを移動することによってプレー
トとマスクとの相対位置を正確に位置合わせした後に、
露光光をマスクに照射してマスクに形成されたパターン
の像を投影光学系を介してプレートに転写する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したT
TM方式の位置計測装置を用いてマスクとプレートとの
相対的な位置関係を計測する前に、プレートが載置され
るプレートステージとマスクとの相対的な位置関係を予
め計測する必要がある。マスクとプレートステージとの
相対的な位置関係は、プレートステージ上の基準部材に
形成された基準マークの一種であるスリットマークとマ
スクに形成された位置計測用のマークとを用いて行われ
る。つまり、基準部材の下方から検知光を照射し、基準
部材に形成されたスリットマークから射出され、投影光
学系を介した検知光の内、マスクに形成されたスリット
マークを透過する検知光の光量を計測してマスクとプレ
ートステージとの相対的な位置関係を求める。
【0010】このとき、投影光学系やマスクに対してプ
レートステージを走査移動させ、プレートステージの位
置に対する検知光の光量の変化に基づいて、基準部材に
対するマスクの位置情報を求めている。このように、マ
スクとプレートステージとの相対的な位置関係を計測す
る際には、プレートステージを走査移動させる必要があ
る。また、基準部材に対するマスクの位置情報を高精度
に計測するためには、プレートステージの走査移動を数
回行う必要がある。通常、位置情報の計測はプレートス
テージ表面内に設定されたX軸方向の位置情報とX軸に
直交するY軸方向の位置情報とを計測する必要がある
が、これら2方向各々についてプレートステージを走査
移動させて位置情報を計測する必要があり、計測精度も
考慮すると走査移動の回数が多くなり計測に要する時間
が長くなるという問題があった。
【0011】また、プレートに形成されたマークの位置
情報の計測は前述したオフ・アクシス方式であってLS
A方式の位置計測装置で行われる。LSA方式の位置計
測装置でマークの位置情報を計測するためには、照射さ
れるレーザ光に対してプレートに形成されたマークを走
査し、その結果得られた回折光の光量の変化とプレート
ステージの位置とに基づいてマークの位置情報を計測し
ている。マークの位置情報を計測する場合においても、
プレートステージをX軸方向とY軸方向との2方向に走
査移動させなければならない。しかも、プレートには複
数のマークが形成されており、計測するマーク毎にプレ
ートステージをX軸方向及びY軸方向へ走査移動させな
ければならない。よって、プレートに形成されたマーク
の位置情報の計測に要する時間が長くなるという問題が
あった。
【0012】更に、オフ・アクシス方式の位置計測装置
を備える露光装置では、前述したベースライン量を管理
しなければならない。このベースライン量は、プレート
に形成されたマークをオフ・アクシス方式の位置計測装
置で計測してプレートの位置情報を求めた後に、プレー
ト上の所定領域を投影光学系の露光領域に位置合わせす
る際に用いられる操作量であるため高い精度で計測する
必要があり、変動を考慮すると頻繁に計測する必要があ
る。このため、ベースライン量は一定の処理時間又は一
定数のプレートを処理する毎に高い精度をもって計測さ
れる。ベースライン量の計測は、前述した基準部材に形
成されたスリットパターンとマスクに形成されたスリッ
トパターンとの観察を行って露光中心を求め、基準部材
に形成された基準パターンをオフ・アクシス方式の位置
計測装置で計測して計測中心を求めることにより算出さ
れる。従って、露光中心等を求める場合及び計測中心を
求める場合の何れの場合であってもプレートステージを
操作移動する必要があるため、ベースライン量の計測に
要する時間が長くなるという問題があった。
【0013】特に、大面積のプレートを露光する露光装
置では、マスクに形成されたパターンの像をプレートに
転写する処理自体に時間を要するため、単位時間に処理
することができるプレートの枚数が少ない(スループッ
トが低い)。よって、高スループット化を図ることが製
造効率を高めるとともに製造コストを低減するために極
めて重要である。パターンの像をプレートに転写する際
に必要な時間の短縮は難しいため、転写に要する時間以
外のマーク計測に要する時間等を短縮することが重要と
なる。
【0014】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、マスク及び基板の位置情報の計測に要する時間を
短縮することができ、その結果として生産効率の向上を
図ることができる露光装置、露光方法及びデバイス製造
方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の観点による露光装置は、照明光をマ
スク(M)に照射し、該マスク(M)に形成されたパタ
ーン(DP)の像を、投影光学系(PL)を介して基板
(P)に転写する露光装置において、基準となる指標
(37b)を備え、前記基板(P)に前記指標(37
b)の像(Im)を投影すると共に、前記基板(P)上
に形成されたマーク(AM、AM1〜AM4)を照明
し、前記指標(37b)の像(Im)に対する前記マー
ク(AM、AM1〜AM4)の位置を計測する第1の位
置計測手段(18a〜18d)と、前記投影光学系(P
L)で投影されたマスク(M)のパターンの空間像を計
測して、前記パターンの位置を計測する第2の位置計測
手段(20a、20b)と、前記第1の位置計測手段
(18a〜18d)で投影された前記指標の像を前記第
2の位置計測手段(20a、20b)で計測し、前記マ
スク(M)のパターンと前記基板(P)との相対的位置
を求める演算手段(15)とを備えたことを特徴として
いる。この発明によれば、マスクのパターンの空間像を
第2の位置計測手段で計測してマスクに形成されたパタ
ーンの位置を求め、第1の位置計測手段から投影される
指標の像を第2の位置計測手段で計測して第1の位置計
測手段の位置を求めている。また、第1の位置計測手段
は基板に形成されたマークの指標に対する位置を計測し
ている。よって、第2の位置計測手段の計測結果からマ
スクに形成されたパターンと第1の位置計測手段との相
対的位置が求められ、更に第1の位置計測手段の計測結
果を用いるとマスクMに形成されたパターンと基板との
位置関係を求めることができる。また、マスクに形成さ
れたパターンの位置及び第1の位置計測手段の位置は何
れも空間像を第2の位置計測装置で計測され、計測に機
械的な移動を伴わないため計測に要する時間を短縮する
ことができる。また、本発明の第1の観点による露光装
置は、前記第1の位置計測手段(18a〜18d)が、
検出した前記指標(37b)の像(Im)と前記マーク
(AM、AM1〜AM4)との相対位置関係に基づい
て、前記基板(P)の位置を計測することを特徴として
いる。この発明によれば、第1の位置計測手段がマーク
上に指標の像を投影し、その結果得られる指標の像とマ
ークとの相対位置関係に基づいて基板の位置を計測して
いる。指標の像は第1の位置計測手段の基準を定めるも
のであり、基板の位置をこの指標の像とマークとの相対
位置関係から求めることで、精度良く基板の位置を計測
できる。ここで、前記第1の位置計測手段(18a〜1
8d)が、予め前記指標(37b)の像(Im)を計測
して得られた位置情報に基づき、前記マーク(AM、A
M1〜AM4)の位置を計測することを特徴としてい
る。特に、前記第1の位置計測手段(18a〜18d)
が、前記基板(P)を載置するステージ(11)に設け
られた反射部材(RF1、RF3)に前記指標(37
b)の像(Im)を投影し、該指標(37b)の像(I
m)の位置を計測して記憶することが好適である。この
発明によれば、指標の像とマークとの相対関係を求める
場合には、各々が良好な状態で計測される必要がある
が、指標の像は基板上に投影されており基板表面状態に
よっては良好な状態で計測されない場合(例えば、指標
の像のコントラストが低い場合)が考えられる。そこ
で、予め前記指標の像を計測して位置情報を正確に得て
おくことにより、基板上のマークを計測する際にマーク
の像が良好な状態で計測されない場合であっても基板上
のマークを高い精度で計測できる。しかも、予め指標の
像を計測するときには、反射部材に指標の像を投影する
ことで指標の像を良好な状態で計測できるため、計測精
度を維持する上で好適である。また、本発明の第1の観
点による露光装置は、前記演算手段(15)が、前記マ
スク(M)と前記基板(P)との位置ずれ量から、前記
基板(P)の位置補正を求めることを特徴としている。
また、本発明の第1の観点による露光装置は、前記第1
の位置計測手段(18a〜18d)が、前記基板(P)
に前記指標(37b)の像(Im)を投影すると共に、
前記基板(P)上に形成されたマーク(AM、AM1〜
AM4)を照明する照明手段(30、31、32、3
3、34、35)を備え、該照明手段(30、31、3
2、33、34、35)は前記基板(P)に応じて照明
光の波長成分を変更することを特徴としている。また、
本発明の第1の観点による露光装置は、前記第1の位置
計測手段(18a〜18d)及び前記第2の位置計測手
段(20a、20b)をそれぞれ複数設け、前記マスク
(M)のパターンの空間像を計測して、前記複数の第2
の位置計測手段(20a、20b)の相対的な位置関係
を求め、該複数の第2の位置計測手段(20a、20
b)の相対的位置関係及び前記複数の第2の位置計測手
段(20a、20b)で計測された前記複数の第1の位
置計測手段(18a〜18d)の位置情報から、前記複
数の第1の位置計測手段(18a〜18d)の相対的な
位置関係を求める制御手段(15)を備えることを特徴
としている。この発明によれば、第1の位置計測手段を
複数設けて基板上のマークの計測に要する時間を短縮
し、更に第2の位置計測手段を複数設けて第1の位置計
測手段から投射される指標の像の計測に要する時間を短
縮している。また、第2の位置計測手段各々でマスクの
パターンの空間像を計測することにより、第2の位置計
測手段の相対的な位置関係が精度良く求められ、第2の
位置計測手段各々が第1の位置計測手段の少なくとも1
つの位置を計測しているので、第1の位置計測手段間の
相対的な位置関係を高い精度で求めることができる。ま
た、上記課題を解決するために、本発明の第2の観点に
よる露光装置は、照明光をマスク(M)に照射し、該マ
スク(M)に形成されたパターン(DP)の像を、投影
光学系(PL)を介して基板(P)に転写する露光装置
において、前記パターン(DP)の像が投影される前記
基板(P)の位置を検出する基板位置計測手段(18a
〜18d)と、前記投影光学系(PL)を介して前記基
板(P)に投影されるパターン(DP)が設けられた前
記マスク(M)の基準点と、前記基板位置計測手段の基
準点とを計測する位置整合手段(20a、20b)とを
備えたことを特徴としている。この発明によれば、基板
位置計測手段が基板の位置を計測し、位置整合手段がマ
スクの基準点と基板位置計測手段の基準点とを計測して
いる。従って、これらの計測結果に基づいてマスクの基
準点と基板との相対位置関係を求めることができる。ま
た、本発明の第2の観点による露光装置は、前記位置整
合手段(20a、20b)が、前記基板(P)を載置す
る移動可能なステージ手段(PS)に設けられ、該ステ
ージ手段(PS)は、位置を計測するステージ位置計測
手段(13X、13Y)を備えることを特徴としてい
る。上記課題を解決するために、本発明の露光方法は、
照明光をマスク(M)に照射し、該マスク(M)に形成
されたパターン(DP)の像を、投影光学系(PL)を
介して基板(P)に転写する露光方法において、基準と
なる指標(37b)を前記基板(P)に前記指標(37
b)の像(Im)を投影すると共に、前記基板(P)上
に形成されたマーク(AM、AM1〜AM4)を照明す
る第1の位置計測手段(18a〜18d)を用いて、前
記指標(37b)の像(Im)と前記マーク(AM、A
M1〜AM4)とを検出して前記基板(P)の位置を計
測する第1の計測工程と、前記投影光学系(PL)で投
影されたマスク(M)のパターンの空間像を計測する第
2の位置計測手段(20a、20b)を用いて、前記マ
スク(M)の位置を求める第2の位置計測工程と、前記
第1の位置計測手段(18a〜18d)で投影した前記
指標(37b)の像(Im)を前記第2の位置計測手段
(20a、20b)で計測し、前記マスク(M)のパタ
ーンと前記基板(P)との相対的位置を求める演算工程
とを有することを特徴としている。また、本発明の露光
方法は、前記第1の計測工程に先だって、予め所定の位
置に前記指標(37b)の像(Im)を投影し、該指標
(37b)の像(Im)の位置を計測する指標(37
b)位置計測工程(S51a〜S51g)を有すること
を特徴としている。また、本発明の露光方法は、上記の
露光方法を用いて基板(P)に対して露光処理を行う露
光工程と、前記露光工程を経た基板(P)の現像を行う
現像工程とを有することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態による露光装置、露光方法及びデバイス製造方法
について詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に
よる露光装置の概略構成を示す斜視図であり、図2は、
本発明の実施形態による露光装置の概略構成を示す正面
図である。本実施形態においては、液晶表示素子のパタ
ーンが形成された複数枚のマスクを用い、ステップ・ア
ンド・リピート方式により、上記パターンの像をプレー
トPに転写する場合を例に挙げて説明する。尚、以下の
説明においては、図1中に示されたXYZ直交座標系を
設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位
置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及
びY軸がプレートプレートステージPSに対して平行と
なるよう設定され、Z軸がプレートステージPSに対し
て直交する方向(投影光学系PLの光軸に平行な方向)
に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはX
Y平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方
向に設定される。
【0017】楕円鏡1の第1焦点位置には、例えばg線
(436nm)及びi線(365nm)の露光光(照明
光)を供給する超高圧水銀ランプ等の光源2が配置され
ており、この光源2からの露光光は、楕円鏡1により集
光されてミラー3で反射された後、楕円鏡1の第2焦点
位置に収斂され、波長選択フィルタ4に入射する。波長
選択フィルタ4は、露光に必要な波長(g線やh線やi
線)のみを通過させるものである。この波長選択フィル
タ4を通過した照明光は、フライアイ・インテグレータ
6にて均一な照度分布の光束にされる。
【0018】波長選択フィルタ4とフライアイインテグ
レータ6との間には、光路に対して進退自在に減光フィ
ルタ5が配置される。減光フィルタ5は、波長選択フィ
ルタ4を通過した露光光の光量を抑制するものである。
フライアイ・インテグレータ6は、多数の正レンズ要素
からなるものであり、その射出側に正レンズ要素の数の
等しい数の光源像を形成して実質的な面光源を形成す
る。尚、図1においては図示を省略しているが、フライ
アイ・インテグレータ6の射出面には、照明条件を決定
するσ値(後述する投影光学系PLの瞳の開口径に対す
る、その瞳面上での光源像の口径の比)を設定するため
の絞り部材が配置されている。
【0019】フライアイ・インテグレータ6により形成
された多数の光源像からの光束は、開口Sの大きさを増
減させて露光光の照射範囲を調整するブラインド7を照
射する。ブラインド7の開口Sを通過した露光光は、ミ
ラー8で反射されてコンデンサレンズ9に入射し、この
コンデンサレンズ9によってブラインド7の開口Sの像
がマスクステージMS上に載置されたマスクM上で結像
し、マスクMの所望範囲が照明される。マスクステージ
MS上に載置されるマスクMの交換は、不図示のマスク
チェンジャによって行われる。マスクチェンジャは、例
えば特開平6−310398号公報、特開平9−283
416号公報、特開平11−204431号公報等にレ
チクルチェンジャとして開示されているものを用いるこ
とが好適である。尚、楕円鏡1、光源2、ミラー3、波
長選択フィルタ4、減光フィルタ5、フライアイ・イン
テグレータ6、ブラインド7、ミラー8、及びコンデン
サレンズ9は照明光学系をなす。
【0020】マスクMの照明領域に存在するデバイスパ
ターンDPの像は、投影光学系PLを介してプレートス
テージPS上に設けられたプレートホルダ11に載置さ
れた基板としてのプレートP(図2参照)上に転写され
る。投影光学系PLには、温度、気圧等の環境変化に対
応して、結像特性等の光学特性を一定に制御するレンズ
コントローラ部10が設けられている。尚、図2におい
ては、プレートPの上面を破線で示してあるが、これは
プレートPがプレートステージPS上に載置されたとき
の上面を示すものである。プレートステージPSは、図
中X軸方向及びY軸方向にそれぞれ移動可能な一対のブ
ロックPSX、PSYを重ね合わせたものであり、XY平
面内での位置が調整自在になっている(尚、図2では、
便宜上ブロックSX、PSYを一体のものとして図示して
いる)。また、図示は省略しているが、プレートステー
ジPSは、Z軸方向にプレートPを移動させるZステー
ジ、プレートPをXY平面内で微小回転させるステー
ジ、及びZ軸に対する角度を変化させてXY平面に対す
るプレートPの傾きを調整するステージ等から構成され
る。プレートホルダ11の上面の一端にはプレートステ
ージPSの移動可能範囲以上の長さを有する移動鏡12
X,12Yが取り付けられ、移動鏡12X,12Yの鏡
面に対向した位置にレーザ干渉計13X,13Yがそれ
ぞれ配置されている。
【0021】尚、図1及び図2では簡略化して図示して
いるが、レーザ干渉計13Xは、X軸に沿って移動鏡1
2Xにレーザビームを照射する2個のX軸用のレーザ干
渉計を備え、X軸用の1個のレーザ干渉計及びレーザ干
渉計13Yにより、プレートホルダ11のX座標及びY
座標が計測される。また、X軸用の2個のレーザ干渉計
の計測値の差により、プレートホルダ11のXY平面内
における回転角が計測される。レーザ干渉計13X,1
3Yにより計測されたX座標、Y座標、及び回転角の情
報はステージ位置情報として主制御系15に供給され
る。主制御系15は供給されたステージ位置情報をモニ
ターしつつステージ駆動系14X,14Yへ出力し、プ
レートステージPSの位置決め動作を制御する。
【0022】ここで、各種の位置情報を計測するために
プレートホルダ11に設けられた部材の配置について説
明する。図3は、各種の位置情報を計測する際に用いら
れるプレートホルダ11に設けられた部材の配置を示す
図である。図3に示したように、プレートホルダ11に
は、基準部材FM、反射板RF1〜RF4、及び検出孔
AS1,AS2が設けられている。基準部材FM及び反
射板RF1〜RF4は、プレートホルダ11に対して突
出・没入自在に構成されており、プレートホルダ11上
に突出した際にはその上面がプレートPの上面と略面一
になるよう設計されている。また、これらをプレートス
テージPS内に没入することでプレートPをプレートホ
ルダ11上に載置可能となる。基準部材FM及び反射板
RF1〜RF4を突出・没入自在とする理由は、プレー
トステージPSを小型化するためである。つまり、プレ
ートPが載置される部分以外にこれらを形成すると、そ
の分プレートステージPSが大型化してしまうためであ
る。尚、基準部材FM、反射板RF1〜RF4、及び検
出孔AS1,AS2が何の位置情報を計測する際に用い
られるかは以下で随時説明する。尚、図3においては、
図1に示したプレートアライメントセンサ18a〜18
dの配置関係も図示している。プレートステージPSが
XY面内で移動すると、プレートアライメントセンサ1
8a〜18dに対して基準部材FM、反射板RF1〜R
F4、及び検出孔AS1,AS2が移動する。
【0023】図1に戻り、マスクMの位置情報は、マス
クMの上方に設けられたマスク観察系16a,16bで
計測される。マスク観察系16a,16bは、マスクM
のデバイスパターンDPが形成された領域外に描画され
た位置計測用のマークRMに検知光を照射し、その反射
光を受光することにより、位置計測用のマークRMの位
置を計測するものであって、その計測結果を主制御系1
5に出力する。主制御系15は、マスク観察系16a,
16bの計測結果に基づいて、マスクMを保持するマス
クステージMS(図2参照)を、リニアモータ等の駆動
手段17をサーボ制御することにより、XY平面上の所
望の位置に移動させることができる構成になっている。
同様に、マスクMの上方には、基準部材FMを介して後
述するマスクMの画像処理用マークIMをTTL方式で
検出するアライメント系(不図示)が設けられている。
【0024】ここで、マスクMに形成される画像処理用
マークIMの例について説明する。図4は、マスクMに
形成される画像処理用マークIMの形状の例を示す図で
ある。画像処理用マークIMは、X軸方向及びY軸方向
の2方向について位置情報を同時に処理することを目的
として使用される同時計測用マークMA,MBや、X軸
方向又はY軸方向の1方向についてのみ処理することを
目的として使用される単方向計測用マークMC,MD等
が設定され、状況に応じて適用できる。同時計測用マー
クMAは、所謂ライン・アンド・スペースマークをX軸
方向及びY軸方向に配列した形状であり、同時計測用マ
ークMBは、長手方向がX軸方向に設定された線状のパ
ターンと長手方向がX軸方向に設定された線状のパター
ンとを交差した十字形状である。また、単方向計測用マ
ークMCは、上記ライン・アンド・スペースマークをX
軸方向に配列した形状であり、単方向計測用マークMD
は、上記ライン・アンド・スペースマークをY軸方向に
配列した形状である。
【0025】尚、画像処理用マークIMの例として挙げ
た同時計測用マークMA,MB及び端方向計測用マーク
MC,MDは、上記アライメント系や後述する空間像検
出装置20a,20bの計測視野VF内に収まればマー
ク線幅及びマーク本数は任意に設定可能である。通常、
デバイスパターンDP、位置計測用のマークRM、及び
画像処理用マークIMは描画誤差が存在し、更にマスク
Mの位置によっては、投影光学系PLのディストーショ
ンの影響を考慮する必要があるため、位置計測用のマー
クRM及び画像処理用マークIMはデバイスパターンD
Pが描画された領域の近傍に配置される。
【0026】一方、プレートステージPSのXY面内に
おける位置情報はプレートアライメントセンサ18a〜
18dを用いて計測され、Z軸方向の位置は、プレート
ステージPSの上方であって投影光学系PLの側方に配
設された投光系19aと受光系19bとからなるオート
フォーカス機構19によって計測される。オートフォー
カス機構19は、投光系19aから射出された検知光
を、プレートステージPS上に設けられた基準部材FM
(図3参照)に対して斜め方向から照射し、その反射光
を受光系19bで受光することで、投影光学系PLの光
軸方向(Z軸方向)について、プレートPの上面をマス
クステージMS上に載置されたマスクMと光学的に共役
な位置に位置合わせをする構成になっている。また、図
1においては図示を省略しているが、基準部材FM及び
反射板RF2〜RF4の少なくとも2つに対して斜め方
向から順次検知光を照射してプレートステージPSのZ
軸方向の位置情報やプレートステージPSの傾斜を計測
する計測装置も設けられている。
【0027】ここで、プレートアライメントセンサ18
a〜18dの構成について説明する。図5は、プレート
アライメントセンサ18a〜18dの光学系の構成を示
す図である。尚、プレートアライメントセンサ18a〜
18d各々の構成は同一であるため、図5においては、
プレートアライメントセンサ18aの構成のみを代表し
て図示してある。図5において、30は400〜800
nm程度の波長帯域幅を有する光を射出するハロゲンラ
ンプである。ハロゲンランプ30から射出された光は、
コンデンサレンズ31によって平行光に変換された後、
ダイクロイックフィルタ32に入射する。ダイクロイッ
クフィルタ32はハロゲンランプ30から射出される光
の光路に進出・挿入自在に構成された複数のフィルタか
らなり、光路に挿入されるフィルタの組み合わせを変え
ることにより、入射する光の内、所定の波長帯域の光の
みを選択して透過させる。例えば、上記ハロゲンランプ
30から射出される光の内、青色領域の光(波長領域:
約420〜530nm程度)、赤色領域の光(波長領
域:約580〜730nm程度)、黄色領域の光のみ、
又は白色の光(ハロゲンランプ30から射出される光の
波長帯域のほぼ全て)の光を通過させることができる。
【0028】ダイクロイックフィルタ32を透過した光
は、焦点の一方が光ファイバ34の入射端34aの位置
にほぼ配置されるように設定された集光レンズ33に入
射する。光ファイバ34は、1つの入射端と4つの射出
端を備え、射出端各々はプレートアライメントセンサ1
8a〜18d各々の内部に導かれている。尚、上記ハロ
ゲンランプ30、コンデンサレンズ31、ダイクロイッ
クフィルタ32、及び集光レンズ33は熱的な影響を避
けるため露光装置のチャンバ外に設けられ、ダイクロイ
ックフィルタ32を透過した光を光ファイバ34でプレ
ートアライメントセンサ18a〜18d各々に導くよう
構成されてる。
【0029】光ファイバ34の1つの射出端34bから
射出された光は検出光IL1として用いられる。検出光
IL1はコンデンサレンズ35を介して所定形状の指標
マーク37が形成された指標板36を照明する。ここ
で、指標板36の構成について説明する。図6は、指標
板36に形成された指標マーク37の形状の一例を示す
図である。指標マーク37は、入射する検出光IL1を
矩形形状に整形する第1遮光部37aと、矩形形状に整
形された検出光IL1の一部を、四辺を有する環状形状
に遮光する第2遮光部37bとが形成されてなる。遮光
部37aは、プレートPに形成されたマークに検出光I
L1を照射した際の照射領域を規定するために形成され
る。また、第2遮光部37bは計測するマークの位置情
報を計測する際の基準位置を定めるために形成されてい
る。つまり、指標マーク37は視野絞りと、マークの位
置情報を計測する際に用いられる基準位置を定めるマー
クとを兼用する。
【0030】図7は、第2遮光部37bの拡大図であ
る。図7に示したように、第2遮光部37bは、その形
状が4辺を有する環状形状に形成されており、その四隅
には十字形状の遮光部q1〜q4が形成されている。こ
の遮光部q1〜q4はプレートアライメントセンサ18
a〜18dに設けられる指標板36の配置調整を行う際
に用いられる。指標板36の配置調整は、第2遮光部3
7bの像を後述する撮像素子42(図5参照)で撮像
し、図示しないモニタ内における像の位置を観察しなが
ら行う。このとき、モニタの走査線方向に、又は走査線
に対して直交する方向に線状のテストパターンを表示さ
せ、このテストパターンと、第2遮光部37bの各辺と
が平行となるように調整を行う。
【0031】通常、第2遮光部37bの各辺の幅に対し
てテストパターンは細いため、テストパターンに対して
第2遮光部37bの各辺を直接平行とする場合にばらつ
きが生ずることがある。そこで、第2遮光部37bの四
隅に図7に示した十字形状の遮光部q1〜q4を設け、
モニタに表示されたテストパターンが十字形状の遮光部
q1〜q4の隣接する少なくとも2つを通過するように
調整する。十字形状の遮光部q1〜q4は、第2遮光部
37bの各辺の3分の1程度の幅に設定されているため
調整の精度が向上するとともに、容易に調整を行うこと
ができる。図5に示した指標マーク37が形成された指
標板36は、検出光ILの結像面FCと光学的に共役と
なる位置に配置される。結像面FCには、プレートPに
形成されたマークが配置され、マーク上に第2遮光部3
7bの像が含まれる検出光ILが照射される。また、結
像面FCに空間像検出装置20aの焦点面が配置された
場合には、第2遮光部37bの像の空間像が検出され
る。尚、以下の説明においては、説明の簡単化のため第
2遮光部37bの像を指標マークの像と称する。
【0032】図5に戻り、標板36を通過した検出光I
L1はリレーレンズ38を介して送光と受光を分岐する
ハーフミラー39に入射する。ハーフミラー39で反射
された検出光IL1は、対物レンズ40を介して結像面
FCに結像される。以上説明した光ファイバ34、コン
デンサレンズ35、指標板36、リレーレンズ38、ハ
ーフミラー39、及び対物レンズ40は、照射光学系を
なす。プレートPに形成されたマークが結像面FCに配
置されている場合には、反射光が対物レンズ40、ハー
フミラー39、及び第2対物レンズ41を順に介してC
CD等を備える撮像素子42の撮像面に結像する。尚、
以上の対物レンズ40、ハーフミラー39、第2対物レ
ンズ41、及び撮像素子42は受光光学系をなす。
【0033】撮像素子42は、各々の撮像面に結像した
光学像を所定の走査方向に走査しつつ順次画像信号に変
換し、主制御系15に画像信号を出力する。主制御系1
5は、撮像素子42から出力される画像信号の画像処理
を行い、例えば撮像素子42の撮像面の中心位置からの
指標マークの中心位置及びマークの中心位置のずれ量を
求める。レーザ干渉計13X,13Yから主制御系15
には、プレートホルダ11のX軸方向及びY軸方法の位
置及びプレートホルダ11の回転量を示すステージ位置
情報が常時入力されているので、主制御系15は、ステ
ージ位置情報と撮像素子42の撮像面の中心位置からの
指標マークの中心位置及びマークの中心位置のずれ量と
に基づいて、計測しているマークの位置情報を求める。
【0034】ここで、プレートアライメントセンサ18
a〜18dの計測視野の大きさはある程度限られている
ため、計測を行う際にプレートPに形成されたAM1〜
AM4を正確にプレートアライメントセンサ18a〜1
8dの計測中心に配置することは困難な場合が多い。そ
こで、本実施形態では、まずマークの大まかな位置情報
を求め、この位置情報に基づいてプレートPを移動させ
てプレートアライメントセンサ18a〜18dの計測中
心にマークを配置してから高い精度で位置情報を求めて
いる。従来、撮像素子を備えるプレートアライメントセ
ンサでは、受光光学系の光学的な倍率を低く設定してマ
ークの大まかな位置情報を計測し、次に光学的な倍率を
高く設定して高い精度で位置情報の計測を行っていた
が、倍率の切り換えに時間を要し、スループットの低下
を招くという不具合があった。本実施形態が備えるプレ
ートアライメントセンサ18a〜18bは、大まかな位
置情報を計測する場合(以下、サーチ計測と称する)と
高精度で位置情報を計測する場合(以下、ファイン計測
と称する)とで、撮像素子42の撮像面に異なる計測領
域を設けて計測処理を工夫することによりスループット
の低下を防止している。
【0035】図8は、サーチ計測用の計測領域及びファ
イン計測用の計測領域を示す図である。図8においてF
Pは撮像素子42の撮像面を示しており、撮像素子42
の走査方向は例えばX軸方向に設定される。図示したよ
うに、撮像面FPの中央部を含んでX軸方向に長手方向
が設定されたファイン計測用の計測領域SC1と、撮像
面FPの中央部を含んでY軸方向に長手方向が設定され
たファイン計測用の計測領域SC2とが設定されてい
る。また、撮像面FPの周辺にはサーチ計測用の計測領
域である計測領域W11,W12及び計測領域W21,
W22が設定される。計測領域W11,W12は長手方
向がX軸方向に設定され、計測領域W2,W22は長手
方向がY軸方向に設定されている。サーチ計測の場合に
は、主制御系15は撮像素子42から出力される画像信
号の画像処理を行って、計測領域W11,W12,W2
1,W22に結像したマークの像の端部(エッジ位置)
を検出してマークの中心位置を算出し、撮像面FPの中
心位置からのずれ量を求める。また、ファイン計測の場
合には、計測領域SC1,SC2に結像したマークの像
の端部(エッジ位置)を検出してマークの中心位置を算
出し、撮像面FPの中心位置からのずれ量を求める。
尚、この計測動作の詳細については後述する。
【0036】ここで、プレートPに形成されるマークA
Mの形状について説明する。図9は、プレートPに形成
されるマークAMの形状を示す図である。図9に示した
ように、マークAMは、コ字形状のマーク要素50aと
コ字形状のマーク要素50bとをX軸方向に配列すると
ともに、コ字形状のマーク要素50cとコ字形状のマー
ク要素50dとをY軸方向に配列して形成される。ここ
で、コ字形状のマーク要素50aの開口部51aとコ字
形状のマーク要素50bの開口部51bとが互いに逆方
向を向くように設定され、コ字形状のマーク要素50c
の開口部51cとコ字形状のマーク要素50dの開口部
51dとが互いに逆方向を向くように設定される。更
に、マークAMは、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ長
手方向が設定されたL字形状のマーク要素52aをコ字
形状のマーク要素50a,50cに隣接して配置し、同
様に、L字形状のマーク要素52bをマーク要素50b
とマーク要素50cに隣接して配置し、L字形状のマー
ク要素52cをマーク要素50bとマーク要素50dに
隣接して配置し、L字形状のマーク要素52dをマーク
要素50cとマーク要素50dに隣接して配置してい
る。マークAMは、前述した計測領域W11,W12,
W21,W22が形成されている撮像素子42を用いて
位置情報を計測する際に、X軸方向の位置情報とY軸方
向の位置情報を誤計測なく且つ高速に計測するために好
適な形状である。
【0037】再度図1及び図2に戻り、本実施形態の露
光装置は、投影光学系PLを介して投影される空間像、
又は前出したプレートアライメントセンサ18a〜18
dそれぞれから照射される指標マークの像を検出する空
間像検出装置20a,20bをウェハホルダ11内に備
える。空間像検出装置20aは図3に示した検出孔AS
1が形成された位置に備えられ、空間像検出装置20b
は図3に示した検出孔AS2が形成された位置に備えら
れる。図10は、空間像検出装置20a,20bの構成
を示す断面図である。空間像検出装置20a,20bの
構成は同一であるため、図10においては空間像検出装
置20aのみを図示している。図10に示したように、
空間像検出装置22aは、ステージホルダ11の上面に
形成された数ミリ程度の内径を有する検出孔AS1、第
1リレーレンズ21、第2リレーレンズ22、及びCC
D等の撮像素子23からなる。
【0038】第1リレーレンズ21及び第2リレーレン
ズ22は、プレートPがステージPS上に載置されたと
きのプレートPの上面とほぼ同一となるように設定され
た焦点面PP1と撮像素子23の撮像面とを光学的に共
役にする。よって、焦点面PP1が投影光学系PLの結
像面と一致しているときに、投影光学系PLを介して投
影される位置計測用のマークRMや画像処理用マークI
Mの空間像のコントラストが最も鮮明になり、焦点面P
P1がプレートアライメントセンサ18a〜18dの結
像面FC(図5参照)と一致しているときに、指標マー
クの像のコントラストが最も鮮明になる。撮像素子23
で撮像された空間像の画像信号は主制御系15へ出力さ
れて後述する各種画像処理が施される。尚、2つの空間
像検出装置20a,20bを備える理由は、プレートス
テージPSの移動量を少なくしてスループットの低下を
防止するためである。
【0039】以上、本発明の一実施形態による露光装置
及び本発明の一実施形態による露光装置の構成について
説明したが、次に、本発明の一実施形態による露光装置
の動作、つまり本発明の実施形態による露光方法につい
て説明する。最初に露光装置の動作の概略を簡単に説明
すると、露光装置はマスクステージMS上にマスクMを
搬入してベースライン量を求め、次にプレートホルダ1
1上にプレートPを載置してプレートPの位置情報を求
め、マスクMとプレートPとの相対的な位置合わせを行
ってマスクMに形成されたデバイスパターンDPを、投
影光学系PLを介してプレートPに転写する動作を行
う。以下、各動作の詳細について説明する。
【0040】〔ベースライン量の計測〕図11、図12
は、本発明の一実施形態による露光装置のベースライン
量計測時の概略動作を示すフローチャートである。本実
施形態の露光装置は、まずマスクホルダMS上にマスク
Mを載置し、図1に示したマスク観察系16a,16b
でマスクM上のデバイスパターンDPが形成された領域
外に描画された位置計測用のマークRMに検知光を照射
し、その反射光を受光することにより、位置計測用のマ
ークRMの位置情報を計測する。計測された位置情報は
主制御系15へ出力され、主制御系15はこの位置情報
に基づいてマスクステージMSの微動を行ってマスクM
の位置を調整し、マスクMの位置を調整し、そのときの
位置情報(例えば、マスクMの中心位置を示す位置情
報)を記憶する(ステップS10)。また、プレートス
テージPS上に設けられた基準部材FM及び反射板RF
1〜RF4をプレートホルダ11に対して突出させ、こ
れらの部材の上面をプレートPがプレートステージPS
上に載置された場合のプレートPの上面と略面一に設定
する。
【0041】次に、主制御系15は、プレートステージ
PSを移動させて基準部材FMを投影光学系PLの投影
領域の中心に配置し、オートフォーカス機構19により
プレートステージPSのZ軸方向の位置情報を計測する
(ステップS12)。プレートステージPSのZ軸方向
の位置情報を検出する場合には、オートフォーカス機構
19が備える投光系19aが基準部材FMの斜め方向か
ら基準部材FM上に検知光を照射し、その反射光を受光
系19bで受光する。主制御系15は受光系19bから
出力される受光結果に基づいて、プレートステージPS
のZ軸方向の位置を調整することにより、基準部材FM
(プレートPの上面に相当)をマスクステージMS上に
載置されたマスクMと共役な位置に位置合わせする。
【0042】尚、以下の説明においては、説明の簡単化
のために、空間像検出装置20a,20bの焦点面PP
1、プレートホルダ11にして基準部材FMが突出した
状態にあるときの基準部材FMの上面、及びプレートア
ライメントセンサ18a〜18dの結像面FCとがZ軸
に垂直な同一面内に含まれるよう設定されているとす
る。これらが異なる場合には、予めそのずれ量を検出し
ておき、適宜ずれ量が零となるようにプレートステージ
PSのZ軸方向の位置を調整する。例えば、投影光学系
PLを介してマスクMに形成された画像処理用マークI
Mの像を空間像検出装置20a,20bで検出する場合
には、空間像検出装置20a,20bの焦点面PP1と
投影光学系PLの結像面とを一致させ、プレートアライ
メントセンサ18a〜18dから射出される指標マーク
の像を空間像検出装置20a,20bで検出する場合に
は、空間像検出装置20a,20bの焦点面PP1とプ
レートアライメントセンサ18a〜18d各々の結像面
FCとを一致させる。
【0043】以上の処理が終了すると、主制御系15が
処理対象のプレートPに対して初めてパターンを形成す
るのか(1層面の処理か)又は既にパターンが形成され
たプレートPに対して重ねてパターンを形成するのか
(2層目以降の処理か)を判断する(ステップS1
4)。次の処理ではプレートアライメントセンサ18a
〜18bの計測中心が計測されるが、プレートPに対し
て1層目の処理を行う場合には、プレートP上にマーク
AMが形成されておらず、プレートアライメントセンサ
18a〜18dの配置関係は設計値から得られるためプ
レートライメントセンサ18a〜18d全ての計測中心
を精密に計測する必要はない。ステップS14は、1層
目の処理か又は2層目の処理かを判断して、不要な計測
処理を省き計測に要する時間を短縮するために設けられ
る。
【0044】ステップS14において、2層目の処理で
あると判断された場合(判断結果が「NO」の場合)に
は、プレートアライメントセンサ18a〜18dの計測
中心を計測する処理が行われる(ステップS16)。以
下、この処理の詳細を図3を参照しつつ説明する。まず
主制御系15はステージ駆動系14X,14Yを介して
ステージPSを移動させて、検出孔AS1をプレートア
ライメントセンサ18aの計測領域内に配置する。配置
が完了すると、プレートアライメントセンサ18aは指
標マークの像を含む検出光IL1を検出孔AS1上に照
射する。指標マークの像は、検出光AS1を介して空間
像検出装置20aが備える撮像素子23で撮像され、画
像信号として主制御系15へ出力される。図13は、空
間像検出装置20aが備える撮像素子23で撮像された
指標マークの像を示す図である。指標マークの位置情報
は、例えば撮像素子23から出力された画像信号に対し
て画像処理を施して指標マークの像の中心位置CP2を
求め、計測視野VFの中心CP1からのずれ量を算出す
ることによって計測される。
【0045】プレートアライメントセンサ18aの計測
中心を計測すると、次に主制御系15はステージPSを
移動させて、検出孔AS1をプレートアライメントセン
サ18dの計測領域内に配置し、プレートアライメント
センサ18aの計測中心を計測した処理と同様の処理を
行って、プレートアライメントセンサ18dの計測中心
を計測する。次に、主制御系15は、ステージPSを移
動させて検出孔AS2をプレートアライメントセンサ1
8cの計測領域内に配置して空間像検出装置20bを用
いて上記と同様な処理を行ってプレートアライメントセ
ンサ18cの計測中心を計測する。最後に、主制御系1
5は、ステージPSを移動させて検出孔AS2をプレー
トアライメントセンサ18bの計測領域内に配置してプ
レートアライメントセンサ18bの計測中心を計測す
る。以上で図10に示したプレートアライメントセンサ
18a〜18dの計測中心を計測するステップS16の
処理が終了する。
【0046】このように、プレートアライメントセンサ
18a,18dの計測中心を計測する場合には、検出光
AS1を介して指標マークの像を空間像検出装置20a
で撮像して計測中心を求め、プレートアライメントセン
サ18c,18bの計測中心を計測する場合には、検出
光AS2を介して指標マークの像を空間像検出装置20
bで撮像して計測中心を求めている。2つの空間像検出
装置20a,20bを用いてプレートアライメントセン
サ18a〜18dの計測中心を計測すると、1つの空間
像計測装置のみを用いてプレートアライメントセンサ1
8a〜18dの計測中心全てを計測する場合に比べて、
ステージPSの移動量を低減することができる。よっ
て、ステージPSを小型化することができ、更にステー
ジPSの移動量が少ないため、その分計測に要する時間
を短縮することができる。また、本実施形態では検出孔
AS1,AS2の配置を完了した後でプレートアライメ
ントセンサ18a〜18dの計測中心全てを計測する際
に、従来のようにステージPSを走査移動させる必要が
ない。従って、計測に要する時間を極めて短縮すること
ができる。
【0047】一方、図10のステップS14において、
1層目の処理であると判断された場合(判断結果が「Y
ES」の場合)には、プレートアライメントセンサ18
aのみの計測中心を計測する処理が行われ(ステップS
18)、この計測結果とプレートアライメントセンサ1
8a〜18dの設計値からプレートアライメントセンサ
18b〜18cの計測中心を算出する処理が求められ
る。プレートPに対して1層目の処理が行われないとプ
レートP上にはマークAMが形成されない。従って、こ
こではプレートアライメントセンサ18a〜18dの計
測中心を計測する必要はないが、本実施形態ではプレー
トアライメントセンサ18aから照射される指標マーク
の像が設計値から大幅にずれているか否かを確認するた
めプレートアライメントセンサ18aの計測中心を計測
している。
【0048】ステップS16又はステップS18の処理
が終了すると、次に空間像検出装置20bで露光中心を
計測する処理が行われる(ステップS20)。この処理
では、まず主制御系15がステージ駆動系14X,14
Yを介してステージPSを移動させて、検出孔AS2を
マスクMに形成された画像処理用マークIMの像が投影
光学系PLを介して照射される位置(この位置は画像処
理用マークIMの設計値や投影光学系PLの設計上の倍
率等から求められる位置である)に移動させる。移動が
完了すると、照明光学系から露光光を照射し、マスクM
に形成された画像処理用マークIMを照明する。画像処
理用マークIMの像は投影光学系PLを介して検出孔A
S2上に照射され、検出孔AS2を介して空間像検出装
置20bが備える撮像素子23で撮像され、画像信号と
して主制御系15へ出力される。主制御系15は、撮像
素子23から出力された画像信号に対して画像処理を施
して画像処理用マークIMの位置情報を求める訳である
が、以下これらの処理について具体的に説明する。
【0049】[相関法によるパターンマッチング(テン
プレートマッチング)]ここでは画像処理用のマークI
Mとして、図4に示すXY同時計測用マークMAを用い
る場合の例で説明する。この処理では、予め画像処理用
のマークIMの一部又は全体を、図14(a)、(b)
に示すテンプレート55Y,55Xとして登録してお
く。図14は、相関法で用いられるテンプレートの一例
を示す図である。図14に示したテンプレートは、XY
同時計測用マークMAの一部をテンプレート55Y,5
5Xとして登録している。ここで、図14(a)に示し
たテンプレート55YはY軸方向の位置を、図14
(b)に示したテンプレート55XはX軸方向の位置を
それぞれ検出する際に用いられ、各テンプレート55
Y,55Xには原点Gが設定されている。尚、登録する
テンプレートとしては、一本のラインに限られず、複数
本のラインからなるものであってもよい。
【0050】図15は、空間像検出装置20bが備える
撮像素子23で撮像された画像処理用マークIMの像を
示す図である。図15(a)に示すように、マスクMに
形成される画像処理用マークIMが撮像素子23の撮像
面に結像したとき、撮像素子23の計測視野VF内でテ
ンプレート55X、55Yと近似している画像を、X軸
方向及びY軸方向からそれぞれ指定された個数ずつ検出
する。尚、画像処理用マークIMがローテーション等に
より傾いていた場合は、テンプレート55X,55Yの
中、何れか近い方が選択される。そして、全てのテンプ
レートの原点Gの平均値から、図15(b)に示すよう
に、撮像素子23上に結像したマークMのマーク中心C
P3を求め、このマーク中心CP3と計測視野VFの中
心CP1との差分を計測する。このとき、計測視野VF
の中心CP1は所望される位置、即ち設計値であり、プ
レートホルダ11の位置はレーザ干渉計13X,13Y
で検出されているため、視野中心CP1とマーク中心C
P3との差分からプレートホルダ11の座標系における
マーク中心CP3の座標位置が検出される。
【0051】[微分信号のピーク間の中点検出]ここで
も画像処理用マークIMとして、図4に示すXY同時計
測用マークMAを用いる場合の例で説明する。まず、図
16(a)に示すように、予め撮像素子23の計測視野
VFの中心CP1を基準として、十字形状の画像処理範
囲VAを配置・設定しておく。図16は、空間像計測装
置23を用いた画像処理用マークのIMの位置情報計測
の処理を説明するための図である。図16(b)に示す
ように、マスクMに形成された画像処理用のマークIM
の像が撮像素子23上に結像されたとき、撮像素子23
の計測視野VF内でX軸方向及びY軸方向の2方向の処
理範囲VAから、それぞれ指定された個数ずつ画像処理
用マークIMの信号強度を検出する。そして、図17
(a)、(b)に示すように、処理範囲VAで捕捉した
マーク画像の生信号に対して微分処理を施し、図17
(c)に示すような強度を有する信号を求める。図17
は、画像信号に対して施される微分処理を説明するため
の図である。図17(c)は画像信号に対して微分処理
を施し、画像処理用マークIMのエッジ位置の中点から
画像処理用マークIMの位置情報を求める処理を説明す
るための図である。この後、求めた微分信号のピークと
ピークの中点により各ラインの中心を割り出すことによ
り、マークの中心CP4の座標位置を検出する。このマ
ーク中心CP4と撮像素子23の視野中心CP1との差
分を計測することにより、上記パターンマッチングのと
きと同様に、プレートホルダ11の座標系におけるマー
ク中心CP4の座標位置が検出される。
【0052】[生信号による像強度分布スライス]ここ
でも画像処理用のマークIMとして、図4に示すXY同
時計測用マークMAを用いる場合の例で説明する。ま
ず、図16(a)及び図16(b)に示したように、上
記微分信号の中点検出と同様に、撮像素子23の計測視
野VFの中心CP1を基準として画像処理範囲VAを設
定しておき、マスクM上のマークMが撮像素子23上に
結像されたとき、撮像素子23の計測視野VF内でX軸
方向及びY軸方向の2方向の処理範囲VAから、それぞ
れ指定された個数ずつマークMの信号強度を検出する。
そして、図18(a)、(b)に示すように、処理範囲
VAで捕捉したマークMの画像の生信号に対して、各ラ
イン毎にボトムから任意の位置(例えば、全高の70
%)でスライスし、スライスした点での中心点を検出す
る。図18は、画像信号に対して施されるスライス処理
を説明するための図である。この場合、複数の位置でス
ライスし、検出された中心点の平均値を用いてもよい。
この後、検出されたラインの中心点からマークの中心C
P4の座標位置を検出する。そして、上記微分信号の中
点検出と同様の手順を踏むことにより、プレートホルダ
11の座標系におけるマーク中心CP4の座標位置が検
出される。
【0053】以上の処理が行われて、マスクMに形成さ
れた画像処理用マークIMの位置情報が計測される。画
像処理用マークIMはマスクM上に複数形成されてお
り、各々の画像処理用マークIMの位置情報が順次計測
される。この際、検出する画像処理用マークIMの数を
増やすことにより、マスクMの位置情報をより高精度に
求めることができる。次に、空間像検出装置20aで露
光中心を計測する処理が行われる(ステップS22)。
このステップS22の処理ではステップS20の処理と
同様の手順で空間像検出装置20aでマスクMに形成さ
れた複数の画像処理用マークIMが計測される。そし
て、ステップS22の計測結果に対して、例えば最小二
乗近似等の統計計算を行うことにより、露光時に必要な
ローテーション、シフト、倍率等の補正値が求められ
(ステップS24)、プレートホルダ11の座標系にお
けるマスクMの中心位置(露光中心)が求められる。こ
のように、本実施形態では、露光中心を計測する際にマ
スクMに形成された画像処理用マークIMの像が投影さ
れる位置に検出孔AS1,AS2を配置した後で、従来
のようにステージPSを走査移動させる必要がない。従
って、計測に要する時間を極めて短縮することができ
る。
【0054】以上で、空間像検出装置20a及び空間像
検出装置20b各々で露光中心が計測された訳である
が、次に、空間像検出装置20aと空間像検出装置20
bとの相対的な位置関係が求められる(ステップS2
6)。ベースライン量を求めるためには、空間像検出装
置20aの計測結果に基づいて露光中心を求めるだけで
足りる。本実施形態では、プレートアライメントセンサ
18a〜18dの計測中心を空間像検出装置20aと空
間像検出装置20bとを用いて計測しているため、空間
像検出装置20aと空間像検出装置20bとの相対的な
位置関係を正確に求めるために、マスクMに形成された
複数の画像処理用マークIMを空間像検出装置20a及
び空間像検出装置20bでそれぞれ計測している。空間
像検出装置20aと空間像検出装置20bとの相対的な
位置関係が求められると、主制御系15は、この位置関
係とステップS16で求めたプレートアライメントセン
サ18a〜18d各々の計測中心とからプレートアライ
メントセンサ18a〜18dの相対的な位置関係を演算
する。
【0055】次に、ステップS24で算出された回転量
及び倍率が予め設定された許容値以内であるか否かが判
断される(ステップS28)。許容値外であると判断さ
れた場合(判断結果が「NO」の)場合には、主制御系
15は駆動手段17(図2参照)に対して制御信号を出
力し、マスクMを回転させ、更にレンズコントローラ部
10に制御信号を出力して倍率を制御する(ステップS
30)。一方、ステップS28の判断結果が「YES」
の場合には、露光処理にマスクMが2枚以上使用される
か否かが判断される(ステップS32)。複数枚のマス
クMが用いられる場合には判断結果が「YES」とな
り、不図示のマスクチェンジャによりマスクMが交換さ
れる(ステップS34)。
【0056】マスクM交換が終了すると、新たにマスク
ステージMS上に載置されたマスクMに形成された画像
処理用マークIMを空間像検出装置20aで計測する処
理が行われる(ステップS36)。そして、ステップS
36の計測結果に対して、例えば最小二乗近似等の統計
計算を行うことにより、露光時に必要なローテーショ
ン、シフト、倍率等の補正値が求められ(ステップS3
8)、プレートホルダ11の座標系におけるマスクMの
中心位置(露光中心)が求められる。尚、本実施形態に
おいては、複数枚のマスクを用いて露光処理を行う場合
に、ベースライン量を求めるのは最初にマスクステージ
MSに載置されたマスクMに対してだけである。2枚目
以降のマスクに対してはベースライン量の計測は行わな
わず、最初にマスクステージMSに載置されたマスクM
の位置情報に対する差を求め、計測したベースライン量
をこの差で補正したベースライン量を用いる。次に、露
光処理で用いられる全マスクMに対して画像処理用のマ
ークを計測する処理が終了したか否かが判断され(ステ
ップS40)、判断結果が「NO」の場合にはステップ
S34に戻り、新たなマスクMに形成された画像処理用
マークIMの計測が行われる。
【0057】一方、ステップS40の判断結果が「YE
S」の場合、又は前述のステップS32において、露光
処理に用いられるマスクが1枚のみであると判断された
場合(ステップS32の判断結果が「NO」の場合)に
は、ステップS16又はステップS18の処理で得られ
たプレートアライメントセンサ18a〜18dの計測中
心とステップS24の処理で求められた露光中心とに基
づいてベースライン量が算出される(ステップS4
2)。以上の処理を経てベースライン量が算出される
が、プレートアライメントセンサ18a〜18dの計測
中心を計測する場合及び露光中心を計測する場合の何れ
の場合であっても、検出孔AS1,AS2を所定位置に
配置した後、従来のようにステージPSを走査移動させ
る必要がない。従って、計測に要する時間を極めて短縮
することができる。また、検出光AS1に対応させて空
間像検出装置20aを配置し、検出光AS2に対応させ
て空間像検出装置20bを配置し、2つの空間像検出装
置20a,20bを用いて計測を行っている。従って、
1つの空間像計測装置のみ設けられている場合に比べて
ステージPSの移動量が少なくなり、その分計測に要す
る時間を短縮することができる。
【0058】〔プレートPの位置情報の計測〕以上、ベ
ースライン量の計測方法について説明したが、次にプレ
ートステージPS上にプレートPを載置して、プレート
Pの位置情報を計測する際の動作について説明する。以
下の説明では、プレートアライメントセンサ18a〜1
8dを用いてプレートPに形成されたマークAMの位置
情報を計測する訳であるが、本実施形態においてはプレ
ートP上のマークは各プレートアライメントセンサ18
a〜18dに対応した位置に形成されている場合を例に
挙げて説明する。図19は、プレートP上に形成される
マークの配置関係を示す模式図である。図19に示した
ように、プレートPの四隅であって、プレートアライメ
ントセンサ18a〜18dそれぞれに対応した位置には
図9に示した形状のマークAM1〜AM4が形成されて
いる。尚、図19中における領域SA1〜SA4は4枚
のマスクMに形成されたパターンの像がそれぞれ転写さ
れる領域を示している。以下の説明では、プレートPの
全体を4枚のマスクMを用いて露光する場合を例に挙げ
て説明する。尚、図18においては、マークAM1〜A
M4の大きさを誇張して図示している。
【0059】図20は、プレートアライメントセンサ1
8a〜18dを用いてプレートPに形成されたマークA
M1〜AM4の位置情報を計測する際の動作を示すフロ
ーチャートである。プレートPがプレートステージPS
上に搬送される前に、プレートPの回転等を予め機械的
に調整するプリアライメントが行われ、プリアライメン
トされたプレートPがプレートプレートステージPS上
に搬送されて載置される。尚、基準部材FM及び反射板
RF1〜RF4は、プレートPがプレートプレートステ
ージPS上に載置される前にプレートステージPSに没
入状態とされる。プレートPをプレートステージPS上
に載置する場合、主制御系15は、ステージPSを移動
させてプレートPに形成されたマークAM1〜AM4が
プレートアライメントセンサ18a〜18dの計測視野
近傍に配置する。このとき、プレートアライメントセン
サ18a〜18dに対してマークAM1〜AM4を所定
量(例えば、数十μm)だけずれた位置に配置する(ス
テップS50)。
【0060】これは、主制御系15がプレートアライメ
ントセンサ18a〜18d各々から出力される画像信号
に対して行う画像処理に要する時間を短縮するためであ
る。つまり、サーチ計測においては図8に示した計測領
域W11,W12,W21,W22に結像したマークの
像の画像信号に基づいてマークの位置情報を求める訳で
あるが、計測領域W11,W12,W21,W22全て
に対して画像処理を行うと時間を要する。そこで、X軸
方向については計測領域W11又は計測領域W12、Y
軸方向については計測領域W21又は計測領域W22か
ら得られる画像信号のみを処理することによりサーチ計
測に要する時間を短縮している。このように、計測領域
の数を減じるとプレートPの倍率(スケーリング)等の
影響により、マークがプレートセンサ18a〜18dに
対してどの位置に配置されるかはプレートP毎(計測対
象のマーク毎)に異なるため、マーク毎に計測領域を設
定する処理が必要になり、その分処理に要する時間が長
くなる。このため、予めプレートアライメントセンサ1
8a〜18dに対してマークAM1〜AM4を所定量だ
けずれた位置に配置することにより、アライメントセン
サ20a〜18dに対するマークAM1〜AM4の配置
方向及び距離が一定になるのでマーク毎に計測領域を設
定する処理が必要になり、その結果として計測処理に要
する時間を短縮することができる。
【0061】マークAM1〜AM4の配置が完了する
と、プレートアライメントセンサ18aを用いてプレー
トPに形成されたマークAM1のY軸方向の位置情報及
びプレートアライメントセンサ18bを用いてプレート
Pに形成されたマークAM2のY軸方向の位置情報を同
時に計測することができるか否かが判断される(ステッ
プS52)。このステップS52は、プレートPに形成
されたマークAM1とマークAM2との間隔が、プレー
トアライメントセンサ18aとプレートアライメントセ
ンサ18bとの間隔と異なる間隔で形成されている場合
に対応するために設けられるステップである。尚、以下
の説明及び図20では、マークAM1のX軸方向及びY
軸方向の位置情報をP1x,P1yとそれぞれ表し、マ
ークAM2のX軸方向及びY軸方向の位置情報をP2
x,P2yとそれぞれ表し、マークAM3のX軸方向及
びY軸方向の位置情報をP3x,P3yと表す。
【0062】ステップS52における判断結果が「YE
S」の場合には、マークAM1のX軸方向の位置情報P
1x及びy軸方向の位置情報P1y、並びにマークAM
2のY軸方向の位置情報P2yをサーチ計測する処理が
行われる(ステップS54)。図21は、プレートアラ
イメントセンサ18a,18bを用いてサーチ計測を行
う様子を示す図である。図21において、FP1はプレ
ートアライメントセンサ18aが備える撮像素子42の
撮像面を示し、Im11は撮像面FP1に結像するマー
クAM1の像を示している。また、FP2はプレートア
ライメントセンサ18bが備える撮像素子42の撮像面
を示し、Im12は撮像面FP2に結像するマークAM
2の像を示している。尚、プレートアライメントセンサ
18a,18bからマークAM1,マークAM2上へは
指標マークの像が照射されるが、図21では図示を省略
している。
【0063】図21に示した例では、図20のステップ
S50の処理によりマークAM1及びマークAM2がプ
レートアライメントセンサ18a,18bそれぞれに対
して+X軸方向及び+Y軸方向にずれて配置されてい
る。この場合、プレートアライメントセンサAM1,A
M2が備える撮像素子42には、計測領域W11及び計
測領域W21が設定される。また、図21に示した例で
は、撮像面FP2に対する像Im12のY軸方向の位置
が撮像面FP1に対する像Im11のY軸方向の位置よ
りも−Y軸方向に配置されている。これはアライメント
センサ18a〜18dに対してプレートPが回転した状
態で配置された場合に得られるものである。プレートP
が回転していると、厳密には像Im11,Im12も撮
像面FP1,FP2各々に対して回転した状態で結像す
る。しかしながら、マークAM1及びマークAM2はプ
レートPの隅に形成されるため、その距離は数百ミリメ
ートル程度の距離になるが、マークAM1,AM2の寸
法は、数十〜数百ミクロン程度であるので、プレートP
が僅かに回転していたとしても、マークAM1,AM2
の像Im11,Im12は殆ど回転してない状態で撮像
面FP1,FP2に結像する。
【0064】プレートアライメントセンサ18aが備え
る撮像素子42の撮像面FP1に結像した像は撮像素子
42にて画像信号に変換されて主制御系15に出力され
る。同様にプレートアライメントセンサ18bが備える
撮像素子42の撮像面FP2に結像した像は撮像素子4
2にて画像信号に変換されて主制御系15に出力され
る。主制御系15は、プレートアライメントセンサ18
a,18bから出力される画像信号に対して画像処理を
施し、計測領域W11,W12にそれぞれに結像した像
Im11,Im12のエッジ位置を求める。撮像面FP
1に設定された計測領域W11からは信号SX1が得ら
れ、計測領域W21からは信号SY1が得られる。ま
た、撮像面FP2に設定された計測領域W12からは信
号SX2が得られ、計測領域W21からは信号SY2が
得られる。
【0065】図21を参照すると、撮像面FP1に対す
る像Im11の結像位置及び撮像面FP2に対する像I
m12の結像位置に応じて、計測領域W11,W21で
計測されるエッジ位置(信号強度が変化する位置)及び
エッジの数が異なることが分かる。主制御系15は、プ
レートアライメントセンサ18aが備える撮像素子42
の撮像面FP1に設定した計測領域W11,W21及び
プレートアライメントセンサ18bが備える撮像素子4
2の撮像面FP2に設定した計測領域W11,W21を
把握しており、マークAM1,AM2の形状の情報も予
め記憶している。よって、計測されたエッジ位置からマ
ークAM1の中心CP11を算出するとともに、マーク
AM2の中心位置CP12を算出する。尚、サーチ計測
においては、プレートPの回転量及びシフト量を求めれ
ば良いので、サーチ計測に要する時間を更に短縮するた
めに、マークAM1のX軸方向の位置情報及びY軸方向
の位置情報並びにマークAM2のX軸方向の位置情報及
びY軸方向の位置情報の計4つの位置情報の内の3つの
みを計測するようにしても良い、
【0066】以上、図20に示したステップS54の処
理において、撮像面FP1,FP2について計測領域W
11,W21を設定してマークAM1,AM2のサーチ
計測により位置情報を求める場合について説明したが、
計測領域W11,W21を設定した場合にエッジ位置を
求めることができない場合がある。例えば、マークAM
1,AM2がプレートアライメントセンサ18a,18
bに対して大きくずれて配置された場合である。かかる
場合には、計測領域を切り換えてエッジ位置を求める処
理が行われる。図22は、計測領域を切り換えてエッジ
位置を求める処理の一例を示すフローチャートである。
尚、図22に示したフローは、図20のフローでサーチ
計測を行う場合にマークAM1,AM2の位置情報を求
めることができない場合に、個々のプレートアライメン
トセンサ18a〜18dで個別に行われる。
【0067】処理が開始すると、まず主制御系15は計
測領域W11,W12を設定し(ステップS90)、計
測領域W11,W21内でエッジを求める処理を行う
(ステップS92)。次に、計測領域W11内でエッジ
位置が求められたか否かを判断し(ステップS94)、
求められた場合(判断結果が「YES」の場合)にはス
テップ102へ進む。一方、求められない場合(ステッ
プS94の判断結果が「NO」の場合)には、計測領域
を計測領域W11から計測領域W12に切り換える設定
を行い、計測領域W12内でエッジ位置を求める(ステ
ップS96)。次に、新たに設定された計測領域W12
内でエッジ位置が求められたか否かを判断する(ステッ
プS98)。エッジ位置が求められた場合(判断結果が
「YES」の場合)にはステップS102へ進み、求め
られない場合(判断結果が「NO」の場合)には、例え
ばエラー表示や警告音を発する等のエラー処理を行う
(ステップS100)。
【0068】ステップ102では、ステップS92の処
理において計測領域W21内でエッジ位置が求められた
か否かが判断される。この判断結果が「YES」の場合
には、ステップS108へ進む。一方、ステップS10
2の判断結果が「NO」の場合には計測領域を計測領域
W21から計測領域W22に切り換える設定を行い、計
測領域W22内でエッジ位置を求める(ステップS10
4)。次に、新たに設定された計測領域W22内でエッ
ジ位置が求められたか否かを判断する(ステップS10
6)。エッジ位置が求められた場合(判断結果が「YE
S」の場合)にはステップS108へ進み、求められな
い場合(判断結果が「NO」の場合)には、ステップS
100へ進んでエラー処理を行う。ステップS108で
は、求められたX軸方向のエッジ位置及びY軸方向のエ
ッジ位置からマークの中心位置を算出する処理が行われ
る。このように、本実施形態では、エッジ位置が求めら
れない場合には、計測領域W11と計測領域W12とを
切り換え、又は計測領域W21と計測領域W22とを切
り換える処理を行っている。
【0069】尚、図21に示したフローチャートは、エ
ッジ位置が求められなかった場合に、求められなかった
計測領域を切り換えてエッジ位置を求める処理を行って
いた。この処理ではステップS92の処理で計測領域W
11,W21において共にエッジ位置が求められない場
合には、ステップS96によって新たな計測領域W12
を設定して計測領域W12内でエッジ位置を求めた後
に、ステップS104によって新たな計測領域W22を
設定して計測領域W22内でエッジ位置を求める処理が
行われる。しかしながら、処理に要する時間を考慮する
と、計測領域W11,W21において共にエッジ位置が
求められない場合には、計測領域W11及び計測領域W
21を、同時に計測領域W12及び計測領域W22にそ
れぞれ切り換えて各計測領域W12,W22で並列して
エッジ位置を求める方が好ましい。
【0070】図20に戻り、ステップS54の処理が終
了すると、ステップS54で計測された位置情報P1
x,P1y,P2yを用いてプレートPのシフト量及び
回転量を算出する処理が行われる(ステップS56)。
次に、プレートPの回転量が次の計測処理に影響を与え
るのを防止するために、プレートPの回転量が予め定め
られた許容範囲内であるか否かが判断される(ステップ
S58)。
【0071】ステップS58における判断結果が「N
O」の場合には、ステップS60にてプレートPの回転
量が許容値内に収まるようプレートステージPSを回転
してステップS62へ進む。一方、ステップS58にお
ける判断結果が「YES」の場合には、そのままステッ
プS62へ進む。ステップS62では、プレートアライ
メントセンサ18aを用いてプレートPに形成されたマ
ークAM1のY軸方向の位置情報並びにプレートアライ
メントセンサ18bを用いてプレートPに形成されたマ
ークAM2のX軸方向の位置情報及びY軸方向の位置情
報をファイン計測する処理が行われる。
【0072】図23は、ファイン計測時に撮像素子42
の撮像面に結像するマークAM1の像Im11及び指標
マークの像Imの一例を示す図である。図23は、理解
の容易のため、撮像面FP内において、マークAM1の
像Im11の中心位置に指標マークの像Imが配置され
た状態で結像している様子を示している。指標マークの
像Imは図7に示した第2遮光部37bにより検出光I
L1を遮光して形成されるため、周囲よりも暗い像とな
る。図23に示したように、ファイン計測では、主制御
系15が、撮像素子52の撮像面FP内に設定された検
出領域SC1内におけるX軸方向の信号強度の変化及び
検出領域SC2内におけるY軸方向の信号強度の変化に
基づいて撮像面FPに結像した像のエッジ位置を検出
し、各エッジ位置の間隔から撮像面FPに結像した指標
マークの像Imの中心位置に対するマークAM1の像I
m11の中心位置のX軸方向及びY軸方向のずれ量を求
めることにより、マークAM1の位置情報を計測する。
マークAM2に関しても同様な処理が行われて位置情報
が計測される。以上の処理によって、主制御系15は、
位置情報P1y,P2x,P2yを求める。
【0073】そして、ステップS62で計測された位置
情報P1y,P2x,P2yを用いてシフト量及び回転
量を求める処理が行われる(ステップS64)。次に、
ステップS64で求めた回転量が許容範囲内であるか否
かが判断される(ステップS66)。判断結果が「N
O」である場合には、プレートPの回転量が許容範囲内
に収まる程度にステージを回転し(ステップS68)、
処理はステップS62へ戻る。一方、ステップS66の
判断結果が「YES」の場合には、プレートアライメン
トセンサ18cを用いてプレートPに形成されたマーク
AM3をファイン計測する処理が行われる(ステップS
70)。
【0074】一方、ステップS52の判断結果が「N
O」である場合には、ステップS54で計測したよう
に、2つのプレートアライメントセンサ18a,18b
を用いてマークAM1,MA2の位置情報を同時に計測
するのではなく、まずプレートアライメントセンサ18
aを用いてマークAM1のX軸方向の位置情報P1x及
びY軸方向の位置情報P1yをサーチ計測する(ステッ
プS72)。次に、プレートアライメントセンサ18b
を用いてマークAM2のY軸方向の位置情報をサーチ計
測する(ステップS74)。そして、ステップS72で
計測された位置情報P1x,P1y及びステップS74
で計測された位置情報P2yを用いてプレートPのシフ
ト量及び回転量を算出する処理が行われる(ステップS
76)。次に、プレートPの回転量が次の計測処理に影
響を与えるのを防止するために、プレートPの回転量が
予め定められた許容範囲内であるか否かが判断される
(ステップS78)。
【0075】ステップS78における判断結果が「N
O」の場合には、ステップS80にてプレートPの回転
量が許容値内に収まるようプレートステージPSを回転
してステップS82へ進む。一方、ステップS78にお
ける判断結果が「YES」の場合には、そのままステッ
プS82へ進む。ステップS82では、プレートアライ
メントセンサ18aを用いてプレートPに形成されたマ
ークAM1のY軸方向の位置情報P1yをファイン計測
する処理が行われる。次に、プレートアライメントセン
サ18bを用いてプレートPに形成されたマークAM2
のX軸方向の位置情報P2x及びY軸方向の位置情報P
2yをファイン計測する処理が行われる(ステップS8
4)。そして、ファイン計測を行って得られた回転量が
許容範囲内であるか否かが判断される(ステップS8
6)。判断結果が「NO」である場合には、プレートP
の回転量が許容範囲内に収まる程度にステージを回転し
(ステップS88)、処理はステップS82へ戻る。一
方、ステップS86の判断結果が「YES」の場合に
は、プレートアライメントセンサ18cを用いてプレー
トPに形成されたマークAM3をファイン計測する処理
が行われる(ステップS70)。
【0076】以上の処理を経てプレートアライメントセ
ンサ18a〜18cを用いてプレートPに形成されたマ
ークAM1〜AM3の位置情報を計測する処理は終了す
る。このように、プレートアライメントセンサ18a〜
18dでプレートP上に形成されたマークAM1〜AM
4の位置情報を計測する場合には、マークAM1〜AM
4をプレートアライメントセンサ18a〜18dの直下
に配置した後、従来のようにステージPSを走査移動さ
せる必要がない。従って、計測に要する時間を極めて短
縮することができる。
【0077】以上の計測で得られた4つの位置情報、つ
まりマークAM1のY軸方向の位置情報P1y、マーク
AM2のX軸方向の位置情報P2x、マークAM2のy
軸方向の位置情報P2y、及びマークAM3のX軸方向
の位置情報P3xを用いて所謂エンハンスト・グローバ
ル・アライメント(EGA)計測と称される統計演算処
理を行って、露光領域SA1〜SA4の配列座標を算出
する。次に、主制御系15は、EGA計測にて得られた
露光領域SA1〜SA4の配列座標及び予め求めてある
ベースライン量に基づいて、プレートPの露光領域SA
1と露光中心との位置合わせを行い、照明光学系からの
露光光をマスクM上に照射してマスクMに形成されたパ
ターンの像を、投影光学系PLを介してプレートPの露
光領域SA1に転写する。次に、主制御系15は、マス
クステージMS上に載置されているマスクMを交換する
とともに、プレートステージPSをステッピング駆動し
てプレートP露光領域SA2を露光中心に位置合わせし
てマスクステージMSに新たに載置されたマスクMに形
成されたパターンの像を、投影光学系PLを介して露光
領域SA2に転写する。以下、同様に、他のマスクMに
対しても同様な処理を行って、プレートPに設定された
全露光領域SA1〜SA4を露光する。以上で、露光処
理の一連の動作は終了する。
【0078】以上、本発明の実施形態による位置計測装
置及び露光装置の動作について説明したが、以上の説明
ではプレートP上に形成されたマークAM1〜AM4の
位置情報を形成する場合に、図23に示したように撮像
素子42の撮像面に結像したマークの像Im11の中心
位置及び指標マークの像Imの中心位置を共に求めて、
その相対的なずれ量を求めることによりマークAM1〜
AM4や検出孔AS1,AS2に形成されたマークAM
の位置情報を算出していた。
【0079】ところで、図5を参照するとプレートPに
形成されたマークAM1〜AM4上に照射される指標マ
ークの像は、コンデンサレンズ35を透過した検出光I
L1を図7に示した第2遮光部37bで遮光して形成さ
れる。この指標マークの像がマークAM1〜AM4に照
射されると、プレートを透過してプレートステージPS
の表面に至ったときにプレートステージPSの表面状態
に応じて僅かながら回折される。プレートステージPS
の表面において生じた回折光は、指標マークの像を僅か
に明るくし、撮像素子42の撮像面に結像する指標マー
クの像Imのコントラストが低下する。指標マークの像
Imのコントラストが低下すると、指標マークの像Im
の中心位置を検出する際に計測誤差が生じたり、最悪の
場合には指標マークの像Imの中心位置を検出すること
ができないという事態が考えられる。また、LSA方式
の位置計測装置で用いられるマークの形状は矩形ドット
を配列してなるものであり、指標マークの像Imとこの
マークの像とを撮像素子で撮像するとマークの位置情報
を検出することができなくなる虞がある。
【0080】この不具合を解消するため、予め撮像素子
42の撮像面に対する指標マークの像Imの中心位置を
計測して求めておくことが好ましい。そして、マークA
M1〜AM4の計測を行う場合には、マークAM1〜A
M4の像の位置情報のみを計測して、この計測結果と予
め計測しておいた指標マークの像Imの位置情報とのず
れ量からマークAM1〜AM4の位置情報を求めるのが
好適である。このため、図20に示したステップS50
とステップS52との間において、各プレートアライメ
ントセンサ18a〜18dで撮像素子42の撮像面に対
する指標マークの像Imの中心位置を予め求める処理が
行われる。
【0081】図24は、プレートアライメントセンサ1
8a〜18dで撮像素子42の撮像面に対する指標マー
クの像Imの中心位置を求める処理を示すフローチャー
トである。ステップS50のプリアライメントが終了す
ると、主制御系15はプレートステージPSを移動させ
て、反射板RF1をプレートアライメントセンサ18a
の位置に配置する(ステップS51a)。反射板RF1
の配置が完了すると、主制御系15はプレートアライメ
ントセンサ18aから反射板RF1に検出光IL1を照
射したときに撮像素子42の撮像面に結像した指標マー
クの像Imの、撮像面に対する中心位置を計測して記憶
する(ステップS51b)。次に、主制御系15はプレ
ートステージPSを移動させて、反射板RF1をプレー
トアライメントセンサ18dの位置に配置し(ステップ
S51c)、プレートアライメントセンサ18dから、
反射板RF1に検出光IL1を照射したときに撮像素子
42の撮像面に結像した指標マークの像Imの、撮像面
に対する中心位置を計測して記憶する(ステップS51
d)。
【0082】次に、主制御系15は、プレートステージ
PSを移動させて、反射板RF3をプレートアライメン
トセンサ18cの位置に配置する(ステップS51
e)。ここで、反射板RF3を使用する理由は、プレー
トステージPSの移動量を少なくしてスループットの低
下を防止するためである。反射板RF3の配置が完了す
ると、主制御系15はプレートアライメントセンサ18
cから反射板RF3に検出光IL1を照射したときに撮
像素子42の撮像面に結像した指標マークの像Imの、
撮像面に対する中心位置を計測して記憶する(ステップ
S51f)。最後に、主制御系15はプレートステージ
PSを移動させて、反射板RF3をプレートアライメン
トセンサ18bの位置に配置し(ステップS51g)、
プレートアライメントセンサ18bから、反射板RF3
に検出光IL1を照射したときに撮像素子42の撮像面
に結像した指標マークの像Imの、撮像面に対する中心
位置を計測して記憶する(ステップS51h)。以上の
処理によって、プレートアライメントセンサ18a〜1
8d各々で撮像素子42の撮像面に対する指標マークの
像の中心位置が計測される。そして、図12に示したフ
ローでプレートPに形成されたマークAM1〜AM3の
位置情報を計測する場合(例えば、ステップS54、S
42等)には、撮像素子42の撮像面に結像したマーク
の像Im11の中心位置を求め、ステップS51a〜S
51hの処理を行って予め求めた指標マークの像Imの
中心位置のずれ量からマークAM1〜AM3の位置情報
を計測する。
【0083】以上説明した処理により得られる撮像素子
42の撮像面に対する指標マークの像Imの中心位置
は、プレートPに計測されたマークAM1〜AM4の位
置情報を計測する処理内で計測されていたが、図11及
び図12を用いて説明したベースライン量を計測する処
理内で求めても良い。この場合には、図24に示したス
テップS51a〜ステップS51hの処理が図11中の
ステップS20とステップS22との間で行われる。
【0084】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範
囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態
ではステップ・アンド・リピート方式の露光装置を例に
挙げて説明したが、ステップ・アンド・スキャン方式の
露光装置にも適用可能である。また、本実施形態の露光
装置の照明光学系の光源は、超高圧水銀ランプから射出
されるg線(436nm)及びi線(365nm)等を
用いていたが、これに限らず、KrFエキシマレーザ
(248nm)、ArFエキシマレーザ(193n
m)、F2レーザ(157nm)から射出されるレーザ
光、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができ
る。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱
電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タ
ンタル(Ta)を用いることができる。また、前述した
実施形態においては、液晶表示素子を製造する場合を例
に挙げて説明したが、もちろん、液晶表示素子の製造に
用いられる露光装置だけではなく、半導体素子等を含む
ディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンを半
導体基板上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造
に用いられてデバイスパターンをセラミックウェハ上へ
転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用
いられる露光装置等にも本発明を適用することができ
る。
【0085】また、本発明の位置計測装置が備える指標
板に形成される指標マークは図7に示したものに制限さ
れない。また、プレートPに形成されるマークAM1〜
AM4も図9に示した形状に制限されることはない。指
標マーク及びプレートPに形成されるマークAM1〜A
M4の形状は、画像処理等の処理に合わせて適宜設計す
ることができる。例えば、上記実施形態では、撮像素子
の撮像面に結像されたときのマークの像Im11と指標
マークの像Imとの関係は、図23に示されるように指
標マークの像Imがマークの像Im11に囲まれた関係
となっていたが、逆に、マークの像Im11を指標マー
クの像Imが囲む関係となるよう設計されていても良
い。また、プレートPに形成されたマークAMの位置情
報をプレートアライメントセンサAM1〜AM4で計測
する場合、プレートPの表面状態(例えば、表面に形成
されるパターンの形状や表面に塗布される感光剤の膜厚
等)に応じて図5中のダイクロイックフィルタ32の組
み合わせを変えて、プレートP上に照射する検出光IL
の波長を変更することが好適である。
【0086】次に本発明の一実施形態による露光装置を
リソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方
法の実施形態について説明する。図25は、マイクロデ
バイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、
CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例
のフローチャートを示す図である。図25に示すよう
に、まず、ステップS110(設計ステップ)におい
て、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導
体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現する
ためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11
1(マスク製作ステップ)において、設計した回路パタ
ーンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、
ステップS112(ウェハ製造ステップ)において、シ
リコン等の材料を用いてウェハを製造する。
【0087】次に、ステップS113(ウェハ処理ステ
ップ)において、ステップS110〜ステップS112
で用意したマスクとウェハを使用して、後述するよう
に、リソグラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路
等を形成する。次いで、ステップS114(デバイス組
立ステップ)において、ステップS113で処理された
ウェハを用いてデバイス組立を行う。このステップS1
14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパ
ッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じ
て含まれる。最後に、ステップS115(検査ステッ
プ)において、ステップS114で作製されたマイクロ
デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行
う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成
し、これが出荷される。
【0088】図26は、半導体デバイスの場合におけ
る、図25のステップS113の詳細なフローの一例を
示す図である。図25において、ステップS121(酸
化ステップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ス
テップS122(CVDステップ)においてはウェハ表
面に絶縁膜を形成する。ステップS123(電極形成ス
テップ)においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成
する。ステップS124(イオン打込みステップ)にお
いてはウェハにイオンを打ち込む。以上のステップS1
21〜ステップS124のそれぞれは、ウェハ処理の各
段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要
な処理に応じて選択されて実行される。
【0089】ウェハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS
125(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感
光剤を塗布する。引き続き、ステップS126(露光ス
テップ)において、上で説明したリソグラフィシステム
(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パター
ンをウェハに転写する。次に、ステップS127(現像
ステップ)においては露光されたウェハを現像し、ステ
ップS128(エッチングステップ)において、レジス
トが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチン
グにより取り去る。そして、ステップS129(レジス
ト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要と
なったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処
理工程とを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重
に回路パターンが形成される。
【0090】以上説明した本実施形態のマイクロデバイ
ス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS126)
において上記の露光装置及び上で説明した露光方法が用
いられ、真空紫外域の照明光により解像力の向上が可能
となり、しかも露光量制御を高精度に行うことができる
ので、結果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度の
デバイスを歩留まり良く生産することができる。
【0091】また、半導体素子等のマイクロデバイスだ
けではなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装
置、及び電子線露光装置等で使用されるレチクル又はマ
スクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板
やシリコンウェハ等ヘ回路パターンを転写する露光装置
にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)や
VUV(真空紫外)光等を用いる露光装置では、一般的
に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石
英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フ
ッ化マグネシウム、又は水晶等が用いられる。また、プ
ロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置等で
は、透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマス
ク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウェハ等
が用いられる。なお、このような露光装置は、WO99
/34255号、WO99/50712号、WO99/
66370号、特開平11−194479号、特開2000−12453
号、特開2000−29202号等に開示されている。
【0092】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、マスクのパターンの空間像を第2の位置計測手段で
計測してマスクに形成されたパターンの位置を求め、第
1の位置計測手段から投影される指標の像を第2の位置
計測手段で計測して第1の位置計測手段の位置を求めて
いる。また、第1の位置計測手段は基板に形成されたマ
ークの指標に対する位置を計測している。よって、第2
の位置計測手段の計測結果からマスクに形成されたパタ
ーンと第1の位置計測手段との相対的位置が求められ、
更に第1の位置計測手段の計測結果を用いるとマスクM
に形成されたパターンと基板との位置関係を求めること
ができる。また、マスクに形成されたパターンの位置及
び第1の位置計測手段の位置は何れも空間像を第2の位
置計測装置で計測され、計測に機械的な移動を伴わない
ため計測に要する時間を短縮することができるという効
果がある。マスクのパターンの空間像を第2の位置計測
手段で計測してマスクに形成されたパターンの位置を求
め、第1の位置計測手段から投影される指標の像を第2
の位置計測手段で計測して第1の位置計測手段の位置を
求めている。また、第1の位置計測手段は基板に形成さ
れたマークの指標に対する位置を計測している。よっ
て、第2の位置計測手段の計測結果からマスクに形成さ
れたパターンと第1の位置計測手段との相対的位置が求
められ、更に第1の位置計測手段の計測結果を用いると
マスクMに形成されたパターンと基板との位置関係を求
めることができるという効果がある。また、マスクに形
成されたパターンの位置及び第1の位置計測手段の位置
は何れも空間像を第2の位置計測装置で計測して計測さ
れ、計測に機械的な移動を伴わないため計測に要する時
間を短縮することができるという効果がある。また、本
発明によれば、第1の位置計測手段がマーク上に指標の
像を投影し、その結果得られる指標の像とマークとの相
対位置関係に基づいて基板の位置を計測している。指標
の像は第1の位置計測手段の基準を定めるものであり、
基板の位置をこの指標の像とマークとの相対位置関係か
ら求めることで、精度良く基板の位置を計測できるとい
う効果がある。また、本発明によれば、指標の像とマー
クとの相対関係を求める場合には、各々が良好な状態で
計測される必要があるが、指標の像は基板上に投影され
ており基板表面状態によっては良好な状態で計測されな
い場合(例えば、指標の像のコントラストが低い場合)
が考えられる。そこで、予め前記指標の像を計測して位
置情報を正確に得ておくことにより、基板上のマークを
計測する際にマークの像が良好な状態で計測されない場
合であっても基板上のマークを高い精度で計測できる。
しかも、予め指標の像を計測するときには、反射部材に
指標の像を投影することで指標の像を良好な状態で計測
できるため、計測精度を維持する上で好適であるという
効果がある。指標の像とマークとの相対関係を求める場
合には、各々が良好な状態で計測される必要があるが、
指標の像は基板上に投影されており基板表面状態によっ
ては良好な状態で計測されない場合(例えば、指標の像
のコントラストが低い場合)が考えられる。そこで、予
め前記指標の像を計測して位置情報を正確に得ておくこ
とにより、基板上のマークを計測する際にマークの像が
良好な状態で計測されない場合であっても基板上のマー
クを高い精度で計測できる。しかも、反射部材に指標の
像を投影することで指標の像を良好な状態で計測できる
ため、計測精度を維持する上で好適であるという効果が
ある。また、本発明によれば、第1の位置計測手段を複
数設けて基板上のマークの計測に要する時間を短縮し、
更に第2の位置計測手段を複数設けて第1の位置計測手
段から投射される指標の像の計測に要する時間を短縮し
ている。また、第2の位置計測手段各々でマスクのパタ
ーンの空間像を計測することにより、第2の位置計測手
段の相対的な位置関係が精度良く求められ、第2の位置
計測手段各々が第1の位置計測手段の少なくとも1つの
位置を計測しているので、第1の位置計測手段間の相対
的な位置関係を高い精度で求めることができるという効
果がある。また、本発明によれば、基板位置計測手段が
基板の位置を計測し、位置整合手段がマスクの基準点と
基板位置計測手段の基準点とを計測している。従って、
これらの計測結果に基づいてマスクの基準点と基板との
相対位置関係を求めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による露光装置の概略構成
を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態による露光装置の概略構成
を示す正面図である。
【図3】 各種の位置情報を計測する際に用いられるプ
レートホルダ11に設けられた部材の配置を示す図であ
る。
【図4】 マスクMに形成される画像処理用マークIM
の形状の例を示す図である。
【図5】 プレートアライメントセンサ18a〜18d
の光学系の構成を示す図である。
【図6】 指標板36に形成された指標マーク37の形
状の一例を示す図である。
【図7】 第2遮光部37bの拡大図である。
【図8】 サーチ計測用の計測領域及びファイン計測用
の計測領域を示す図である。
【図9】 プレートPに形成されるマークAMの形状を
示す図である。
【図10】 空間像検出装置20a,20bの構成を示
す断面図である。
【図11】 本発明の一実施形態による露光装置のベー
スライン量計測時の概略動作を示すフローチャートであ
る。
【図12】 本発明の一実施形態による露光装置のベー
スライン量計測時の概略動作を示すフローチャートであ
る。
【図13】 空間像検出装置20aが備える撮像素子2
3で撮像された指標マークの像を示す図である。
【図14】 相関法で用いられるテンプレートの一例を
示す図である。
【図15】 空間像検出装置20bが備える撮像素子2
3で撮像された画像処理用マークIMの像を示す図であ
る。
【図16】 空間像計測装置23を用いた画像処理用マ
ークのIMの位置情報計測の処理を説明するための図で
ある。
【図17】 画像信号に対して施される微分処理を説明
するための図である。
【図18】 画像信号に対して施されるスライス処理を
説明するための図である。
【図19】 プレートP上に形成されるマークの配置関
係を示す模式図である。
【図20】 プレートアライメントセンサ18a〜18
dを用いてプレートPに形成されたマークAM1〜AM
4の位置情報を計測する際の動作を示すフローチャート
である。
【図21】 プレートアライメントセンサ18a,18
bを用いてサーチ計測を行う様子を示す図である。
【図22】 計測領域を切り換えてエッジ位置を求める
処理の一例を示すフローチャートである。
【図23】 ファイン計測時に撮像素子42の撮像面に
結像するマークAM1の像Im11及び指標マークの像
Imの一例を示す図である。
【図24】 プレートアライメントセンサ18a〜18
dで撮像素子42の撮像面に対する指標マークの像Im
の中心位置を求める処理を示すフローチャートである。
【図25】 マイクロデバイスの製造手順を示すフロー
チャートを示す図である。
【図26】 半導体デバイスの場合における、図25の
ステップS113の詳細なフローの一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
11 プレートホルダ(ステージ) 13X,13Y レーザ干渉計(ステージ位置
計測手段) 15 主制御系(演算手段、制御手
段) 18a〜18d プレートアライメントセンサ
(第1の位置計測手段、基板位置計測手段) 20a,20b 空間像検出装置(第2の位置
計測手段、位置整合手段) 30 ハロゲンランプ(照明手段) 31 コンデンサレンズ(照明手
段) 32 ダイクロイックフィルタ(照
明手段) 33 集光レンズ(照明手段) 34 光ファイバ(照明手段) 35 コンデンサレンズ(照明手
段) 37b 第2遮光部(指標) AM,AM1〜AM4 マーク DP デバイスパターン(パター
ン) Im 指標の像 M マスク P プレート(基板) PL 投影光学系 PS プレートステージ(ステージ
手段) RF1,RF3 反射板(反射部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H097 AB09 BA10 GB01 KA03 KA13 KA20 KA29 LA10 LA12 5F046 BA03 CC01 CC02 CC03 CC05 CC16 DA05 EA02 EA03 EA04 EB02 EB03 FA03 FA10 FA16 FA17 FA18 FC04 FC05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明光をマスクに照射し、該マスクに形
    成されたパターンの像を、投影光学系を介して基板に転
    写する露光装置において、 基準となる指標を備え、前記基板に前記指標の像を投影
    すると共に、前記基板上に形成されたマークを照明し、
    前記指標の像に対する前記マークの位置を計測する第1
    の位置計測手段と、 前記投影光学系で投影されたマスクのパターンの空間像
    を計測して、前記パターンの位置を計測する第2の位置
    計測手段と、 前記第1の位置計測手段で投影された前記指標の像を前
    記第2の位置計測手段で計測し、前記マスクのパターン
    と前記基板との相対的位置を求める演算手段とを備えた
    ことを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の露光装置において、 前記第1の位置計測手段は、検出した前記指標の像と前
    記マークとの相対位置関係に基づいて、前記基板の位置
    を計測することを特徴とする露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の露光装置において、 前記第1の位置計測手段は、予め前記指標の像を計測し
    て得られた位置情報に基づき、前記マークの位置を計測
    することを特徴とする露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の露光装置において、 前記第1の位置計測手段は、前記基板を載置するステー
    ジに設けられた反射部材に前記指標の像を投影し、該指
    標の像の位置を計測して記憶することを特徴とする露光
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の露光装置において、 前記演算手段は、前記マスクと前記基板との位置ずれ量
    から、前記基板の位置補正を求めることを特徴とする露
    光装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の露光装置において、 前記第1の位置計測手段は、前記基板に前記指標の像を
    投影すると共に、前記基板上に形成されたマークを照明
    する照明手段を備え、 該照明手段は前記基板に応じて照明光の波長成分を変更
    することを特徴とする露光装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    の露光装置において、 前記第1の位置計測手段及び前記第2の位置計測手段を
    それぞれ複数設け、 前記マスクのパターンの空間像を計測して、前記複数の
    第2の位置計測手段の相対的な位置関係を求め、該複数
    の第2の位置計測手段の相対的位置関係及び前記複数の
    第2の位置計測手段で計測された前記複数の第1の位置
    計測手段の位置情報から、前記複数の第1の位置計測手
    段の相対的な位置関係を求める制御手段を備えることを
    特徴とする露光装置。
  8. 【請求項8】 照明光をマスクに照射し、該マスクに形
    成されたパターンの像を、投影光学系を介して基板に転
    写する露光装置において、 前記パターンの像が投影される前記基板の位置を検出す
    る基板位置計測手段と、 前記投影光学系を介して前記基板に投影されるパターン
    が設けられた前記マスクの基準点と、前記基板位置計測
    手段の基準点とを計測する位置整合手段とを備えたこと
    を特徴とする露光装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の露光装置において、 前記位置整合手段は、前記基板を載置する移動可能なス
    テージ手段に設けられ、 該ステージ手段は、位置を計測するステージ位置計測手
    段を備えることを特徴とする露光装置。
  10. 【請求項10】 照明光をマスクに照射し、該マスクに
    形成されたパターンの像を、投影光学系を介して基板に
    転写する露光方法において、 基準となる指標を前記基板に前記指標の像を投影すると
    共に、前記基板上に形成されたマークを照明する第1の
    位置計測手段を用いて、前記指標の像と前記マークとを
    検出して前記基板の位置を計測する第1の計測工程と、 前記投影光学系で投影されたマスクのパターンの空間像
    を計測する第2の位置計測手段を用いて、前記マスクの
    位置を求める第2の位置計測工程と、 前記第1の位置計測手段で投影した前記指標の像を前記
    第2の位置計測手段で計測し、前記マスクのパターンと
    前記基板との相対的位置を求める演算工程とを有するこ
    とを特徴とする露光方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の露光方法において、 前記第1の計測工程に先だって、予め所定の位置に前記
    指標の像を投影し、該指標の像の位置を計測する指標位
    置計測工程を有することを特徴とする露光方法。
  12. 【請求項12】 請求項10又は請求項11記載の露光
    方法を用いて基板に対して露光処理を行う露光工程と、 前記露光工程を経た基板の現像を行う現像工程とを有す
    ることを特徴とするデバイスの製造方法。
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