JP2002139112A - 無端状ベルト駆動装置および画像形成装置 - Google Patents

無端状ベルト駆動装置および画像形成装置

Info

Publication number
JP2002139112A
JP2002139112A JP2000338116A JP2000338116A JP2002139112A JP 2002139112 A JP2002139112 A JP 2002139112A JP 2000338116 A JP2000338116 A JP 2000338116A JP 2000338116 A JP2000338116 A JP 2000338116A JP 2002139112 A JP2002139112 A JP 2002139112A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
endless belt
roller
photosensitive drum
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000338116A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Koide
博 小出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000338116A priority Critical patent/JP2002139112A/ja
Priority to US09/985,741 priority patent/US6914619B2/en
Publication of JP2002139112A publication Critical patent/JP2002139112A/ja
Priority to US11/135,280 priority patent/US20050220491A1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/007Conveyor belts or like feeding devices
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/04Scanning arrangements, i.e. arrangements for the displacement of active reading or reproducing elements relative to the original or reproducing medium, or vice versa
    • H04N1/047Detection, control or error compensation of scanning velocity or position
    • H04N1/0473Detection, control or error compensation of scanning velocity or position in subscanning direction, e.g. picture start or line-to-line synchronisation
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/04Scanning arrangements, i.e. arrangements for the displacement of active reading or reproducing elements relative to the original or reproducing medium, or vice versa
    • H04N1/12Scanning arrangements, i.e. arrangements for the displacement of active reading or reproducing elements relative to the original or reproducing medium, or vice versa using the sheet-feed movement or the medium-advance or the drum-rotation movement as the slow scanning component, e.g. arrangements for the main-scanning
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N2201/00Indexing scheme relating to scanning, transmission or reproduction of documents or the like, and to details thereof
    • H04N2201/04Scanning arrangements
    • H04N2201/0402Arrangements not specific to a particular one of the scanning methods covered by groups H04N1/04 - H04N1/207
    • H04N2201/0458Additional arrangements for improving or optimising scanning resolution or quality
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N2201/00Indexing scheme relating to scanning, transmission or reproduction of documents or the like, and to details thereof
    • H04N2201/04Scanning arrangements
    • H04N2201/047Detection, control or error compensation of scanning velocity or position
    • H04N2201/04701Detection of scanning velocity or position
    • H04N2201/04715Detection of scanning velocity or position by detecting marks or the like, e.g. slits
    • H04N2201/04722Detection of scanning velocity or position by detecting marks or the like, e.g. slits on a photoconductive drum or belt
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N2201/00Indexing scheme relating to scanning, transmission or reproduction of documents or the like, and to details thereof
    • H04N2201/04Scanning arrangements
    • H04N2201/047Detection, control or error compensation of scanning velocity or position
    • H04N2201/04701Detection of scanning velocity or position
    • H04N2201/04732Detecting at infrequent intervals, e.g. once or twice per line for main-scan control
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N2201/00Indexing scheme relating to scanning, transmission or reproduction of documents or the like, and to details thereof
    • H04N2201/04Scanning arrangements
    • H04N2201/047Detection, control or error compensation of scanning velocity or position
    • H04N2201/04753Control or error compensation of scanning position or velocity
    • H04N2201/04758Control or error compensation of scanning position or velocity by controlling the position of the scanned image area
    • H04N2201/04767Control or error compensation of scanning position or velocity by controlling the position of the scanned image area by controlling the timing of the signals, e.g. by controlling the frequency o phase of the pixel clock
    • H04N2201/04768Controlling the frequency of the signals
    • H04N2201/04772Controlling the frequency of the signals using a phase-locked loop

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光体ドラムなどの回転体に偏心があって
も、搬送ベルトあるいは転写ベルトなどの無端状のベル
トと滑ることなく安定に振動なく一体となって動作する
無端状ベルト駆動装置を提供する。 【解決手段】 駆動ローラ3と感光体ドラム5側に隣接
し、かつ搬送ベルト1に接するようにローラ対62を設
置し、駆動ローラ3と隣接するローラ対62の偏心を減
らすことにより、駆動ローラ3が一定角速度で制御され
ているときの搬送ベルト1の速度変動を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無端状ベルトを移
動させるベルト駆動手段と、無端状ベルトの移動に伴い
回転するようにベルト移動方向に並設される回転体など
を具備した無端状ベルト駆動装置に関するものであり、
さらには無端状の中間転写ベルトあるいは用紙搬送ベル
トを移動させるベルト駆動手段と、無端状のベルトの移
動に伴い回転するようにベルト移動方向に並設される感
光体ドラムなどを具備したタンデム型を含むカラーレー
ザプリンタあるいは複写機などの画像形成装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーコピーのニーズが高まり、
低速印字において印字部としてインクジェット方式が主
流になっているが、中高速印字においては電子写真方式
が普及しようとしている。特に高速化に適した方式とし
てタンデム型カラー複写機がある。
【0003】タンデム型カラー複写機は、特開平10−
246995号公報あるいは特開昭63−81373号
公報に開示されているように、光走査ユニットを備える
4個の感光体ドラムを、搬送ベルト上において用紙(記
録シート)搬送方向に配置し、光走査ユニットから出射
された光ビームにより、回転している感光体ドラム上を
露光走査(主走査と呼ばれている動作)する構成であ
る。この動作より各感光体ドラム上に静電潜像が形成さ
れる。各感光体ドラムには、異なった色(シアン,マゼ
ンタ,イエロー,ブラック)のトナーが各現像器から供
給され、静電潜像がトナーにより現像される。そして搬
送ベルトで各感光体ドラムへ用紙が搬送され、その搬送
途中で、転写チャージャにより各感光体ドラム上のトナ
ー像が同じ走査ライン上に重なり合うように用紙に順次
転写される。その後、定着されて、排紙トレイ上に排紙
される。
【0004】以上のように、タンデム型カラー複写機
は、4個の感光体ドラム上に4つの画像を並列的に描
き、用紙を各感光体ドラム下に対して1回通過させるだ
けで4色の画像を形成できるため、高速のカラーコピー
に適した画像形成方式である。
【0005】ところで、例えば特開平10−24699
5号公報に記載されたタンデム型カラー複写機では、搬
送ベルトの搬送速度と各感光体ドラム周面の周速度を一
致させ、各感光体ドラムを一定のタイミングで主走査
し、色ずれを防止するために、各感光体ドラムと搬送ベ
ルトとを圧接ローラを用いて圧接し、搬送ベルトを駆動
し、各感光体ドラムを従動させる方式を採用している。
【0006】前記圧接ローラを用いる方式では、感光体
ドラムの回転軸に偏心がないときは、搬送ベルトが一定
速度の場合に感光体ドラムの回転角速度は一定となる
が、軸が偏心しているときは、後述するように回転角速
度は一定とならない。したがって、圧接ローラを用いる
方式では、偏心のみ考慮するだけでなく、感光体におけ
る回転角速度の変動まで考慮しなければ、用紙上に形成
される画像に色ずれ、あるいは画像ひずみを発生する。
【0007】今後、ますます高解像度(1200dpi以
上)が要求されてくるとき、それに対応した感光体ドラ
ムにおける径の加工精度を低コストで実現することが困
難になる。偏心があった場合、圧接ローラを用いる方式
では、上述したように感光体ドラムの回転角速度が変化
してしまって、高解像度が要求されると従来技術では簡
単に対応することができない。
【0008】さらに、従来技術では、感光体ドラムの偏
心を検出して感光体ドラム上の副走査方向の潜像を等ピ
ッチになるように露光画像データの発生を調整している
が、この方式では転写時に感光体ドラムの偏心により、
転写画像の疎密が発生するという問題が発生する。
【0009】本発明者は、上述の問題に鑑みて既に検討
し、発明をしている。ただし、ベルトを駆動する駆動ロ
ーラの機構,ベルト機構,駆動ローラを駆動する回転モ
ータを含む駆動機構の課題については、問題がない領域
について検討しており、さらなる高精度が要求される
と、これらの課題を解決しなければならない。このよう
に、さらなる高精度が要求されてきたことにより、駆動
ローラの偏心による搬送ベルトの速度変動を無視するこ
とができなくなってきた。
【0010】また、搬送ベルトは感光体ドラムに偏心が
あると、感光体ドラムの1回転の間に搬送ベルトをベル
ト走行方向と直交する方向に押し付けたり、押し付けを
緩めたりしている。この現象は偏心が小さいときは許容
することができるが、これが大きくなったときに各感光
体ドラムの偏心の位相が異なると、搬送ベルトに弛みが
出るような現象が発生し、結果的に搬送ベルトと感光体
ドラム間に滑りが発生するという問題が生じる。
【0011】また、駆動ローラを駆動するモータをギア
あるいは駆動伝達用ベルトを介して駆動する場合には、
ギアあるいはこの駆動伝達用ベルトを保持するローラ
(あるいはプーリ)の偏心による伝達速度の変動、ある
いはギアの噛み合わせによって発生する振動、さらには
ベルトなどにおける伝達剛性の劣化の問題がある。さら
に、駆動モータのトルクリップル、あるいはゴギングに
よる発生トルク変動は、ギアあるいはローラによる減速
比分、増大して駆動ローラへ伝わるという問題もある。
【0012】特開平10−63059号公報には、モー
タをギアからなる伝達機構を使って減速し、制御対象物
である感光体ドラムの回転軸に大きなフライホイールを
取り付け、伝達系などにおいて発生する振動を抑えてい
る。この構成では、ギアなどで発生する高域の振動を軽
減することができるが、駆動系における伝達系のギアの
偏心による速度変動を抑えること、また駆動系の剛性の
低下により高精度に制御することが困難になるという問
題がある。
【0013】特開平6−271130号公報には、前記
問題を解決するためにギアなどからなる伝達機構を取り
除き、駆動ローラとモータが一体構造となる、いわゆる
ダイレクト駆動方式の従来例と発明の実施例が記載され
ている。前者は、駆動軸を通して駆動ローラとモータが
接続され、後者は駆動ローラ内全域(ベルト幅相当)に
モータを設け、モータ外周部が回転するアウターロータ
型のモータで構成されている。そしてモータとしてはパ
ルスモータを使用している。また前者は、駆動軸の剛性
が低いため軸の捻れ振動を考慮すると、制御系のゲイン
を上げられないため、外部振動に弱い装置となる。後者
は、駆動ローラ内にモータが構成されているため、熱が
ベルトに伝わって画像品質劣化の要因となり、また長い
駆動ローラ内にモータを構成することになるので、製作
が困難でコストアップとなる。さらに、パルスモータを
使用しているのでモータ自体で発生する振動の影響を受
けて画像品質が劣化する。
【0014】本発明者は、高解像度が要求されたとき、
感光体ドラムの加工精度が低くても、画像の副走査方向
における歪み,色ずれ、そして画像の疎密を防止するこ
とができ、特にタンデム型の画像形成装置において有効
な、以下のような制御方式と制御装置を提案した。
【0015】すなわち、感光体ドラム周面を用紙の搬送
方向とは直交する方向に1ラインずつ主走査して画像デ
ータを書き込む手段を備え、感光体ドラム周面に形成さ
れる画像を用紙上に転写する画像形成装置に関するもの
であって、感光体ドラムに圧接されながら用紙を搬送す
る記録シート搬送手段(搬送ベルト)を含み、感光体ド
ラムと搬送ベルトとの接触面が一体的に滑ることなく動
き、搬送ベルトと感光体ドラムとの接触部が、感光体ド
ラムの円断面におけるベルト側方向の極大値(頂点)と
なるような構成にして、転写ベルトの移動に同期して副
走査ピッチに対応する信号(副走査ピッチの1/N:N
は自然数)を発生する信号発生手段(回転角検出用エン
コーダ)と、搬送ベルトに露光開始位置を検出する検出
手段を設け、各感光体ドラムにそれぞれ回転角の基準位
置を検出する(1回転に1回パルスを発生して検出す
る)検出手段を設け、搬送ベルト移動用の駆動源と、前
記副走査ピッチに対応する信号発生手段を備えて、移動
あるいは回転制御を行い、公知の静電複写方式に不可欠
な各感光ドラムの周囲に設置されたドラム・クリーナな
どにより発生する過渡的な負荷変動を補正するための駆
動源を各感光体ドラムに設けて、感光体ドラムと搬送ベ
ルトとの接触面が一体的に滑ることなく安定に動くよう
にしたものである。
【0016】感光体ドラムは、搬送ベルトが一定速度で
移動し、かつ前記搬送ベルトと感光体ドラムとの接触部
が、感光体ドラムの円断面におけるベルト側方向の極大
値(頂点)となるような構成になっているときは、一定
回転角速度で回転する。しかし、ドラム径のばらつきに
より、それぞれの感光体ドラムの回転速度はばらつく。
したがって、各ドラム径に合わせて搬送ベルトと一体に
なって動くように、負荷変動を補正するための駆動源を
回転制御する。すなわち、前記各感光体ドラムのそれぞ
れの回転角の基準位置を検出する(1回転に1回パルス
を出力して検出する)検出手段からの出力パルスの時間
が搬送ベルトと一体になって動く速度に対応する時間間
隔となるように、負荷変動を補正するための駆動源を回
転制御する。
【0017】以下に、本発明者の発明に係る画像形成装
置、すなわち感光体ドラムに圧接されながら用紙を搬送
する搬送ベルトを含み、感光体ドラムと搬送ベルトとの
接触面が一体的に滑ることなく動くようにしたタンデム
型の画像形成装置における画像形成について説明する。
感光体ドラムと搬送ベルト間を用紙が通過する場合は用
紙を介在して一体的に動く。この方式は用紙を搬送する
ベルト方式のみならず中間転写ベルト方式にも同様に応
用することができる。
【0018】図23に画像形成装置における搬送部の構
成例を示す。図23において、搬送部である無端状ベル
ト(搬送ベルト)1は、従動ローラ2と駆動ローラ3と
テンションローラ4とに巻かれるように配設されてお
り、搬送ベルト1を介して4個の感光体ドラム(シアン
(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック
(BK))5が、転写コロナ・チャージャ6にそれぞれ
対向設置されている。テンションローラ4は、図24に
示すように構成され、移動可能な搬送ベルト1に対して
ばね7がレバー8を介して付勢力を与えており、このば
ね圧によって搬送ベルト1が弛むことを防止すると共
に、感光体ドラム5の接線上に搬送ベルト1が圧接する
ようにしている。
【0019】この構成例では、搬送ベルト1を駆動する
駆動ローラ3の機構,ベルト機構、および駆動ローラ3
を駆動する回転モータを含む駆動機構については問題が
ない場合を考えており、用紙搬送路を形成する搬送ベル
ト1と感光体ドラム5との圧接を補助するために、感光
体ドラム5間に圧接ローラ9がそれぞれ配設されてい
る。圧接ローラ9は、回転自在に軸支され無端状ベルト
1に対してばね付勢されている。このため、図示してな
い駆動モータによって駆動ローラ3を定速回転すると、
搬送ベルト1が一定速度で動き、搬送ベルト1上の用紙
が一定速度で搬送され、搬送ベルト1により駆動されて
感光体ドラム5が回転する。
【0020】ここでは、公知のカラー複写機あるいはカ
ラープリンタに必要な原稿画像読取部,光走査ユニッ
ト,給紙カセットを含む給紙部,定着部,排紙部,静電
方式電子写真/画像形成プロセス部における感光体ドラ
ム以外の感光体ドラム周囲にあるクリーナ,帯電チャー
ジャ,現像器などは図示していない。
【0021】この構成例の特徴は、感光体ドラム5に偏
心があっても、搬送ベルト1と感光体ドラム5の接触部
が、感光体ドラム5の円断面におけるベルト側方向にお
いてほぼ極大値(頂点)となることを前提としている。
【0022】次に、前記構成例の基本となる搬送ベルト
の移動速度と感光体ドラムの回転角速度の関係、そして
その結果を基に感光体ドラムの偏心,径のばらつき,取
り付け位置にばらつきがあるときの画像形成における色
ずれと画像歪みの補正方法について具体的に説明する。 ・感光体ドラム回転角速度とベルト移動速度の関係 図23における各感光体ドラム5と搬送ベルト1の関係
は、図25に示すようにモデル化することができる。図
25において、εを偏心量、θを偏心位置のx軸からの
角度とすると、感光体ベルト5と無端状ベルト1の接点
Tの移動速度は、座標表示すると(数1)のようにな
る。
【0023】
【数1】 (−εsinθ・ω,εcosθ・ω), ω=dθ/dt したがって、ドラム回転中心O回りを回転する方向Sの
速度Vsは(数2)から得られる。
【0024】
【数2】Vs=Vcosα−εsinθ・ω・cosα+εcosθ
・ω・sinα ただし、Vはベルト移動速度、αは接点Tの位置でのド
ラム回転中心Oから接点Tを結ぶ線rと直交する線とベ
ルトとのなす角度である。したがって、
【0025】
【数3】ω=Vs/r=(Vcosα−εsinθ・ω・cosα
+εcosθ・ω・sinα)/r となり、余弦の公式より、
【0026】
【数4】r2=R2+ε2−2Rεcos(π/2−θ)=R
2+ε2−2Rεsinθ ただし、Rはドラム半径である。ここで、正弦の定理よ
り、
【0027】
【数5】 ε/sinα=r/sin(π/2−θ)=r/cosθ
【0028】
【数6】 sinα=εcosθ/r,cosα=(R−εsinθ)/r (数3)の式に(数4),(数5)の式を代入すると、
【0029】
【数7】ω={VR−(V+ωR)εsinθ+ωε2}/
(R2+ε2−2Rεsinθ)(εsinθ−R)(V−R
ω)=0 ここで、εsinθ−R≠0が成り立つため、V=Rωの
関係が成立する。
【0030】すなわち、感光体ドラム5に偏心があって
もドラム回転角速度は、滑りがなくベルト移動速度Vが
一定であると同様に一定となる。
【0031】したがって、各感光体ドラム5に絶対角度
位置が検出できる回転角度検出用エンコーダを設置しな
くても、搬送ベルト1の動きあるいは絶対位置を検出す
る検出器(例えば搬送ベルト1上における紙が通過しな
い端部に一定間隔のマークを付し、またベルト上の基準
位置を示すマークをも付し、それらを検出して絶対位置
を認識するリニアエンコーダ)、および感光体ドラムの
回転の回転角基準位置検出(1回転に1回パルス出力を
発生して検出)ができる検出器があれば、感光体ドラム
の回転角度位置を予測することができることになる。す
なわち、感光体ドラム5を回転させ、回転角・基準位置
検出器のドラム回転1周期をリニアエンコーダで計測す
れば、この結果によりリニアエンコーダ出力の1パルス
当りの感光体ドラム回転角度が分かる。ここでは、リニ
アエンコーダを使用した例で説明したが、駆動ローラの
偏心が画像要求品質に対して小さく、かつ回転角エンコ
ーダがエンコーダ自体の偏心の影響がないシステムのと
きには回転角エンコーダを使用することができる。
【0032】そして、各感光体ドラム5の回転角速度を
ドラム径に合わせて一定回転角速度制御を行えば、滑り
をなくすことができる。
【0033】ところが、感光体ドラム5に偏心があって
も、搬送ベルト1と感光体ドラム5の接触部(接点)T
が、感光体ドラム5の円断面におけるベルト側の極大値
(頂点)にならないような従来技術の図26に示すよう
な構成では、搬送ベルト1の速度が一定でも感光体ドラ
ム5の回転速度が一定とならないため、上述したことが
言えなくなる。
【0034】すなわち、図26に示す構成では、図24
と同様なばね付勢構造によって圧接ローラ9に加わる付
勢ばね力により、感光体ドラム5と圧接ローラ9間にあ
る搬送ベルト1を圧接して、搬送ベルト1から感光体ド
ラム5へ駆動力を伝達している。搬送ベルト1と感光体
ベルト5の接触部Tは、感光体ドラム5の回転軸(回転
中心O)の下部、つまりy軸に近いところにあるので、
感光体ドラム5の回転角速度が偏心によって変動するの
である。 ・露光位置から転写位置までの角度 図27の説明図において露光時の瞬間に決まる破線の三
角形OGE(転写に係る注目すべき゜“転写三角形”)
で転写位置が決まる。つまり感光体ドラム5の重心(感
光体ドラムの円断面における中心)Gが回転角θ(角G
Ox)の位置(ここでは偏心位置と呼ぶ)Eで露光され
た(図27において破線で示された感光ドラム5上)画
像は、回転角Θt回転後、理想転写位置(x=0)から
外れた位置(x=−s)Tで転写される。
【0035】そして露光されてから転写するまでの回転
角度Θtは(数8)の関係にある。
【0036】
【数8】Θt=π−β だだし、βは角GEOである。さらに、
【0037】
【数9】sinβ=(ε/R)cosθ
【0038】
【数10】Θt=π−sin- 1{(ε/R)cosθ} であるため、転写位置を示すsは、
【0039】
【数11】s=εcos(θ−β)=εcosθ(ε/R)
[{(R/ε)2−cos2θ}1/2+sinθ] となる。
【0040】この結果により、感光体ドラム5と搬送ベ
ルト1との接触部Tが、一体的に滑ることなく動き、か
つ、感光体ドラム5の円断面におけるベルト側方向の極
大値(頂点)となるような構成にすると、安定に露光さ
れてから転写するまでの回転角度Θtは、露光時の偏心
角度θと偏心量εが分かれば、(数10)により求めら
れ、画像のひずみと色ずれが補正できる画像データを発
生することができる。 ・画像データの発生法 この補正方法は、常に搬送ベルト上の理想位置にデータ
が転写されるように主走査画像の発生タイミングを調整
するようにする補正方法である。偏心のない理想の感光
体ドラム半径R0のときは、露光後に搬送ベルトがπR0
移動した後に転写される。しかし、偏心があり、かつド
ラム径がばらつくと、露光後においてドラム回転角Θt
後に転写され、転写位置は理想の感光体ドラムのときの
転写位置Tから−sずれている。搬送ベルト上の転写画
像は転写後に速度Vで移動していく。露光データは、Θ
t/ω=τ時間後、理想転写位置Tから−sずれて転写
される。すなわち、露光後にVτの距離を搬送ベルトが
移動した後に転写される。
【0041】理想ドラムの半径をR0とし、そのときの
ドラム回転角速度をω0とすると(数12)が成り立
つ。
【0042】
【数12】V=R0ω0 よって、理想ドラムであれば、π/ω0=τ0時間後に転
写されるはずである。
【0043】したがって、無端状ベルト上では、露光後
のベルト移動距離x=Vτ0にあるべき画像がx=Vτ
に形成されてしまう。したがって、x=Vτに相当する
画像データを露光側で発生させれば、理想画像ができる
ことになる。画像発生の基準データは理想的な感光体ド
ラムを基準に作成されるため、このような考え方が必要
になる。つまり、d=V(τ0−τ)前のデータを発生
させればよい。すなわち、
【0044】
【数13】V=Rω=R0ω0
【0045】
【数14】Θt=π−sin- 1{(ε/R)cosθ}
【0046】
【数15】d=V(π/ω0−Θt/ω)=R[πω/ω
0−π+sin- 1{(ε/R)cosθ}]
【0047】
【数16】d=π(R0−R)+Rsin- 1{(ε/R)co
sθ} となるため、(数16)に従ってd分データを遅らせれ
ばよい(角度θによってはデータを前倒して送る(進め
る))。
【0048】偏心がない場合はd=π(R0−R)だけ
ずらせてデータを発生させればよいということになる。
このときは、感光体ドラムの周速度は一定速度Vである
ので、転写画像の副走査ピッチは一定である(疎密が出
ない)ことはすぐ理解できる。図27に示すように、感
光体ドラム5に偏心がある場合において、転写位置(接
触位置)Tでは、感光体ドラム5の周速はドラム回転中
心Oからの距離eによって決定され、この周速が速度V
でなくても転写位置では、常に滑りなく搬送ベルト1と
感光体ドラム5とが協働し、搬送ベルト1が等速Vで移
動している。すなわち、感光体ドラム5と搬送ベルト1
の接点である転写位置Tが移動しているので、この移動
が感光体ドラム5と搬送ベルト1との速度差を吸収して
いる。
【0049】ここで、露光位置が搬送ベルト1に対向し
て設置されているとき、例えば感光体ドラム回転中心O
からの距離eで露光が行われた画像は、距離eの位置で
転写されるため、このときの露光位置と転写位置とにお
ける周速は等しい。つまり、露光位置で露光された線密
度の潜像が転写位置で同じ周速のときに転写される。こ
の潜像の線密度は、転写位置が移動しているので、搬送
ベルト1からは偏心がないときの周速度Vで露光した潜
像を形成したときと同一の線密度になる。すなわち、転
写される画像の線密度は一定になる。言い換えると転写
位置での感光体ドラムの周速に相当する位置で露光する
ということは、偏心がないときの状態で露光していると
きと等価である。
【0050】図27に示す状態では、露光位置Eの周速
は速いため潜像の線密度が粗くなる。この粗い線密度の
潜像は、転写位置Tにおいて速度Vの搬送ベルト1より
速い速度で搬送ベルト1上を走査しているので、転写画
像は線密度が高い方向に補正されるのである。
【0051】したがって、感光体ドラム5に偏心があっ
ても露光位置が搬送ベルト1に対向し設置されていると
きは、画像の疎密がでない。 ・偏心εと感光体ドラムの半径Rの検出法 自己計測する方式 感光体ドラムの半径は、無端状の転写ベルトを理想ドラ
ムの周長に相当する長さL=2πR0分移動し、そのと
きの感光体ドラムに直結されている回転角検出用エンコ
ーダの回転角θiを検出することによって求られる。す
なわち、
【0052】
【数17】R=L/θi より求まる。
【0053】あるいは、回転エンコーダがなく、回転角
度の基準位置しか検出することができないときは、感光
体ドラムが1回転したときのベルト移動距離Lbを求め
ればよい。すなわち、
【0054】
【数18】R=Lb/(2π) より求めればよい。
【0055】偏心εの位置検出は、例えば感光体ドラム
の偏心に基づく周面変位を検出することによって可能と
なる。検出器としては、例えば感光体ドラム周面の変位
検出位置に対して光ビームを出射する発光素子と、感光
体ドラムによって反射された光ビームを受光する受光素
子(たとえば2分割フォトダイオード素子)と、感光体
ドラム周面が偏心によって変動することによって、前記
受光素子上で検知される光が変化するような光学系(例
えば光ディスク装置において実施されているようなフォ
ーカス誤差検出方式などを用いた光学系)などによって
構成する。このようにすることによって、検出器と前記
検出位置間の距離の変化に応じた光電流が受光素子に流
れることになる。したがって、これを検出することによ
って偏心の位置を検出することができる。例えば前記検
出器を図27におけるx軸上のプラス側に設けて感光体
ドラムが回転したときの出力信号変化のゼロクロス点と
ピーク点を検出し、ピーク点の振幅εとx軸からの角度
θを求めれば、x軸からの偏心位置(θ,ε)が分か
る。
【0056】この方式では、偏心位置(θ,ε)が感光
体ドラムの回転角のどこにあるかを検出することができ
ればよい(当然、偏心の振幅ε情報も必要である)。す
なわち、感光体ドラムの回転角は別の手段で検出する場
合でも、検出される偏心位置が感光体ドラム回転角のど
こにあり、そして振幅εがどの位あるかが分かればよ
い。
【0057】工場で計測する方式 工場で感光体ドラムの半径Rと偏心ε、および偏心εを
有する感光体ドラムの回転と連動する回転エンコーダあ
るいは回転角基準位置検出器の基準位置(ホームポジシ
ョン)からの角度θ0情報を計測して、これらの情報
を、タンデム型画像形成装置内に搭載されたメモリ(フ
ラッシュメモリなど)に記録し、前記補正値dの導出な
どのために用いることによっても実現することができ
る。感光体ドラムを交換するときは、サービスマンある
いはユーザが、交換用感光体ドラムに記入されている
か、あるいは添付されているデータに基づいて、このデ
ータを入力して前記メモリに記録すればよい。 ・動作シーケンスの説明 図28に画像形成装置における制御構成を説明するため
の構成例の平面状態を示す説明図であり、基本的には図
23と同様な搬送部の構成をしており、無端状の搬送ベ
ルト1上に4個の感光体ドラム(シアン(C),マゼン
タ(M),イエロー(Y),ブラック(BK))5が設
置されており、各感光体ドラム5には、図示しない回転
角の基準位置を検出する検出器と、感光体ドラム5の面
変位を検出して偏心位置を検出する検出器が設置されて
いる。
【0058】図28において、まず電源がオンされたと
き、用紙を給紙しないで搬送ベルト1を駆動する。搬送
ベルト1と感光体ドラム5は滑ることなく一体的に動く
ような構造となっているので感光体ドラム5が回転す
る。そして感光体ドラム5の1回転を、回転角の基準位
置を検出する検出器出力で検出し、このときのベルト移
動検出リニアエンコーダの出力パルス数(場合によって
はパルス間隔の位相も計測して精度を向上する)を検出
して、感光体ドラム5の径を計測する。また図示しない
前記偏心位置検出器の出力を検出して、感光体ドラム5
の1回転の回転角基準位置を検出する検出器出力とベル
ト移動検出リニアエンコーダの出力によって偏心位置を
計測する。感光体ドラム5の1回転に相当するベルト移
動検出リニアエンコーダの出力パスル数が分かっている
ため、回転角度を演算することができる。偏心振幅は、
偏心位置検出器出力波形の交流振幅を検出することによ
って検出できる。
【0059】以上の情報を同様な動作をさせて各感光体
ドラム5について検出する。そして各検出データによっ
て(数16)の補正値d=π(R0−R)+Rsin
- 1{(ε/R)cosθ}を各感光体ドラム5について1
周分(θ=0〜2π)計算して、参照テーブルとして図
示しないコントローラ内のメモリに記憶する。
【0060】次に、搬送ベルト1上の端部に設けられた
先端位置検出器12により基準マーク13を検出し、各
感光体ドラム5が理想位置にあり、かつ理想形状になっ
ているとして、基準マーク13上にテストマークを転写
するような主走査データを各感光体ドラム5上に記録す
る。
【0061】ここでは、感光体ドラム5を露光する光学
系を構成するポリゴンミラーの主走査のタイミング位相
は、搬送ベルト1の移動と同期している副走査のタイミ
ング位相と一致していない場合について考察する。主走
査の開始タイミングは、搬送ベルト1上のベルト移動検
出リニアエンコーダ用タイミングマーク14をベルト移
動検出リニアエンコーダ用検出器11で検出したパルス
信号に基づいて行うが、ポリゴンミラーの主走査タイミ
ングと合致するとは限らない。したがって、理想のテス
トマーク記録発生タイミングが来たときポリゴンミラー
の主走査タイミングが来てないときは、遅れて来るポリ
ゴンミラー駆動用のポリゴンモータの主走査タイミング
によりテストマークを記録する。
【0062】そして、図29に示すように、搬送ベルト
1上に記録されたテストマーク15の基準マーク13と
の誤差を検出した後、偏心εと径Rのばらつき分によっ
て発生するd(補正値)分と、ここでの遅れ分を補正す
れば、感光体ドラム5の取り付け誤差を補正することが
できる。このようにして、感光体ドラム5の取り付け位
置,感光体ドラム5の偏心εと径Rのばらつきによる補
正値dが求まるので、この補正値dのデータを用いて画
像データを発生すれば、色ずれ,ひずみのない画像を形
成することができる。
【0063】なお、図28において。16は紙先端位置
通過検出器、17は基準位置誤差検出器、18は紙通過
領域を示している。
【0064】以上説明したことが実現できる基本事項と
しては、感光体ドラムと搬送ベルトが滑らないで同期し
て動くことである。搬送ベルトと感光体ドラムの接触部
は、感光体ドラムの円断面におけるベルト側方向の極大
値(頂点)となるような構成にして、画像の色ずれと画
像ひずみの補正という面では大変有効であるが、図23
に示す構成例では、図26に示す圧接ローラ方式の構成
例に比較すると滑りが発生しやすい。
【0065】このことを解決するため、負荷変動補正用
の駆動源を各感光体ドラムに設け、それぞれの感光体ド
ラムの周囲に設けられたクリーナなどにより発生する負
荷変動によって搬送ベルトと感光体ドラムの接触面で滑
りが生じないようにすることが考えられる。すなわち、
感光体ドラムのそれぞれで発生する負荷変動は、その系
内において搬送ベルトを経て他へ伝わらないようにす
る。図30に示す構成例に基づいて説明する。
【0066】図30において、図23,図28にて説明
した部材に対応する部材には同一符号を付しており、全
体の系の速度制御は、搬送ベルト1の駆動ローラ3の軸
3aに直結されている回転角検出用のエンコーダ21と
全体駆動用モータ22を用いることによって制御してい
る。この構成例においては、まだ駆動ローラ3の偏心
が、ベルト速度変動に影響しない領域で検討する。また
各感光体ドラム5にそれぞれ設けられた負荷変動補正用
モータ23は、小型化を図るために後述するように感光
体ドラム5における画像形成部外の外周面に小型のロー
ラを介して駆動力が伝達される構成になっている。また
各感光体ドラム5には、1回転に1回パルスを発生する
回転角基準位置検出用の回転角基準位置検出器24が設
けられている。また搬送ベルト1上には図示されていな
い基準マークが付され、これを先端位置検出器25で検
出するようになっている。
【0067】図31は前記負荷変動補正用モータ近傍の
構成図であり、負荷変動補正用モータ23の出力軸23
aには、ばね付勢力を受けて感光体ドラム5に圧接する
ローラ28が設けられている。ローラ28にはレバー2
6を介してばね27の付勢力が加わる構成になってい
る。
【0068】図30に示す各検出手段からの検出データ
は、既に説明した制御に使われるとともに搬送ベルト1
と感光ドラム5間で滑りが生じたときの異常検知にも用
いられる。すなわち、感光体ドラム5が1回転して検知
される検出器24の出力の周期と、全体駆動用モータ2
2によって回転するエンコーダ21の回転角とが規定の
関係から外れているか否かにより異常か正常かを検知す
る。
【0069】次に、図30に示した構成例における全体
駆動用モータ22とエンコーダ21による制御について
説明する。
【0070】図32は前記駆動ローラの駆動系に関する
回路構成の説明図であり、搬送ベルト1の目標速度をV
とし、駆動ローラ3の半径をRrとすると、全体駆動用
モータ22の回転速度ωrはωr=V/Rrとなる。エン
コーダ21の一回転のパルス数をNrとすると、搬送ベ
ルト1の速度がVで移動しているときのエンコーダ21
の出力パルス周波数frは、
【0071】
【数19】 fr=Nr・ωr/(2π)=Nr・V/(2πRr) となる。この周波数に等しいパルス(クロック)frを
図32に示す制御回路の基準パルス入力へ入れる。
【0072】このパルス信号とエンコーダパルス検出器
30の出力を位相比較器31で比較し、その誤差出力を
チャージポンプ回路32とローパスフィルタ(LPF)
33を通過させ電圧(アナログ)信号とし、パワーアン
プ34に入力する。これは公知のPLL(Phase Locked
Loop)方式に基くモータの等速制御である。そしてエ
ンコーダパルス検出器30の出力を周波数−電圧(f−
V)変換器35に入力してパルス信号を電圧に変換し、
回転角速度に比例した電圧信号を得る。この信号は位相
補償器36を通してパワーアンプ34の入力へフィード
バックすることによって、この速度制御系における制御
特性を向上させている。フィードフォワード信号は、予
め搬送ベルト1の周囲の負荷変動のタイミングと量が確
実に分かっている場合、制御をより高精度にできるよう
に、この分をフィードフォワード制御する。
【0073】前記負荷変動補正用モータの回転制御系の
構成の一例を図33に示す。この制御系では基本的に、
負荷変動分を負荷変動補正用モータ23のトルクで対抗
させて、搬送ベルトを経て伝達される負荷変動を最小に
しようというものである。以下に負荷変動補正用モータ
回転制御のための演算について説明する。
【0074】移動速度Vの搬送ベルトと一体的に感光体
ドラムが回転するために、回転角速度ω=V/Rで感光
体ドラムが回転する。したがって、各感光体ドラムの各
回転速度をω=V/Rに回転制御することができれば、
滑りが発生しないことになる。理想感光体ドラム径Ro
のとき、この感光体ドラムが1回転したときの前記エン
コーダ出力パルス数Noは、
【0075】
【数20】No=Ro・Nr/Rr となる。機構的にはRo/Rrが自然数となるように設計
されていれば、より高精度な制御が容易になる。そし
て、実際の感光体ドラムの径Rを計測するために、感光
体ドラムを1回転させたときのエンコーダ出力を計測す
る。そのとき、検出パルス数をN、パルスとパルスの間
隔を示す位相を2πP(ただし0<P<1)とすると、
感光体ドラムが1回転したときのエンコーダパルス出力
数は、N+Pと表せる。このときの感光体ドラムの径R
は、R=Rr(N+P)/Nrとなる。したがって、速
度Vの搬送ベルトと感光体ドラムとが一体と動くために
は、回転角速度ω=V/R=V・Nr/{Rr(N+
P)}で感光体ドラムが回転すればよい。理想形状の感
光体ドラムの回転角速度ω0はω0=V/Roである。
【0076】以上のことより、
【0077】
【数21】ω={No(N+P)}ω0 が成り立つ。このときの感光体ドラムの回転角基準位置
検出器24の出力パルス周波数fdは、
【0078】
【数22】fd=ω/(2π) であり、理想形状の感光体ドラム回転角基準位置検出器
24の出力パルス周波数fdoは、
【0079】
【数23】fdo=ω0/(2π) である。そしてfrとfdoの関係を求めると
【0080】
【数24】fr=Nr・V/(2πRr)=(Nr・Ro/
Rr)fdoよりfdo={Rr/(Nr・Ro)}frとなる。
【0081】以上の関係を利用してPLL制御系を構成
する。
【0082】負荷変動補正回転制御系の基準入力のクロ
ック周波数fdを求める回路の構成を図34に示す。
【0083】図34において、まず周波数fdoを周波数
シンセサイザ40によりエンコーダ出力パルスと比較す
る基準パルス周波数frに基づいて形成する。この周波
数frは(数19)によって決まる周波数を発振する発
振器(図示せず)によって得られる。図34においてk
は自然数であり、エンコーダの位相情報の検出精度に合
わせて決める。例えば位相検出分解能が、0.2×2π
のときは、kとしては5以上の適当な数字を選べばよ
い。fdoは、位相検出器,チャージポンプ,ループフィ
ルタ,VOC、そしてk・Noカウンタより構成される
PLL系41で、k・No・fdoに逓倍される。そして
k(N+P)カウンタ42で割り算されfdが求まる。
k(N+P)カウンタ42は、カウント値を設定するこ
とができるカウンタである。カウント値の決定は前記計
測値によって決まる。このときkPとして自然数に丸め
られた数字を使うことは当然である。図34の回路は、
各感光体ドラムに対応して別々に設けられている。ただ
し、図34において各感光体ドラムごとの回路を簡易化
するために入力frから出力k・Noまでの回路は共通に
使える。
【0084】図33に示す回路には、図34によって出
力される基準入力fdを有するPLL系39が構成され
ている。図33の回路は各感光体ドラムを駆動するため
にそれぞれ必要である。この基準入力fdと回転角基準
位置検出器24の出力とを位相比較して等速回転制御す
る。以上のことより、感光体ドラムの径のばらつきに応
じて、前記すべりが発生しないような適正な速度に制御
される。
【0085】そして、予め感光体ドラム周囲の負荷変
動、あるいは搬送ベルトの負荷変動がタイミングと量が
確実に分かっている場合、制御をより高精度にするた
め、この分、個々にフィードフォワード制御するよう
に、コントローラからフィードフォワード信号FFが出
力される。
【0086】また、より安定な制御をするために、感光
体ドラムの回転速度に比例した信号を負荷変動補正用モ
ータ23より検出して、速度フィードバック系を追加す
る。すなわち、この例では、PLL系は感光体ドラムの
1回転に1回出力されるパルスに対して制御しているの
で、このパルス間隔内に生じる変動を補正するために、
この速度フィードバック系を設置している。
【0087】コントローラより、(数21)に対応する
基準速度データを発生し、D−A変換器38に入力し、
この出力と負荷変動補正用モータ23の速度に比例して
発生する逆起電力出力を比較する。ここでモータの逆起
電力は、モータ端子の電圧より、モータ内部抵抗rを引
くことによって検出される。また、この例において電流
源にパワーアンプ37を採用しているのは、制御系の特
性をよくすることができるからである。位相補償器36
もまた、この制御系の特性をよくするために設置されて
いる。この例における制御の特徴は、全体の速度の制御
は全体駆動用モータ22で行い、個々の負荷変動は負荷
変動補正用モータ23で補正してしまうことである。
【0088】ここで、さらに考慮しなければならないこ
とは、感光体ドラムと搬送ベルト間、あるいは感光体ド
ラムと用紙、さらには用紙と搬送ベルト間の摩擦力が小
さいときには滑りが生じやすいため、負荷変動補正用モ
ータの制御系の制御誤差によって生ずる全体駆動制御に
伝わる負荷変動を、さらに小さくするように制御する必
要があることである。
【0089】このように負荷変動補正用モータの制御系
の誤差が搬送ベルト駆動系への負荷となるため、搬送ベ
ルトの駆動モータの電流波形を観測し、負荷変動補正用
モータの補正が過剰か、不足か、適正かを判断して、負
荷変動補正用モータの制御系の基準クロックあるいは基
準信号振幅を補正する必要がある。本発明者は、この制
御方法についても検討しているが、ここでは説明を省略
する。
【0090】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術にて説
明した画像形成装置においては、搬送ベルトあるいは中
間転写ベルトを含むベルトが安定かつ高精度に等速制御
できるようにするために、ベルトを駆動する駆動ローラ
機構,ベルト機構,駆動ローラを駆動する回転モータを
含む駆動機構が有する以下の課題を解決し、高画質なプ
リンタあるいは複写機等の画像装置を実現するためにな
されたものである。
【0091】しかしながら、さらに高精度が要求されて
くると、駆動ローラの偏心によるベルトの速度変動が無
視できなくなる。またベルトは感光体ドラムに偏心があ
ると、感光体ドラムの1回転の間にベルトをベルト走行
方向と直交する方向に押し付けたり押し付けを緩めたり
している。このため、偏心が小さいときはよいが、これ
が大きくなると各感光体ドラムの偏心の位相が異なると
ベルトに弛みが出るような現象が発生し、結果的にベル
トと感光体ドラム間にすべりが発生する。
【0092】また、駆動ローラを駆動するモータをギア
あるいは駆動伝達用ベルトを介して駆動すると、ギアあ
るいはこのベルト保持用ローラの偏心による伝達速度の
変動,ギアの噛み合わせによって発生する振動、さらに
はベルト等による伝達剛性の劣化が発生するという解決
課題に対処すること、さらには、モータのトルクリップ
ルあるいはコギングによって発生するトルク変動が減速
分増大するという解決課題にも対処し、しかも、感光体
ドラムの円断面における頂点位置でベルトがより高精度
に接触するようにし、装置の簡易化と低価格化の課題も
解決することが必要となる。
【0093】本発明の目的は、前記従来の技術をさらに
改良し、具体的にはタンデム型を含むカラーレーザプリ
ンタあるいは複写機などの画像形成装置に適し、例えば
感光体ドラムなどの回転体と、搬送ベルトあるいは転写
ベルトなどの無端状のベルトとが滑ることなく安定に振
動なく一体となって動作する無端状ベルト駆動装置を提
供することにあり、特に感光体ドラムに偏心があっても
搬送ベルトが一定速度であれば、感光体ドラムの回転角
速度が安定に一定に動作することができ、色ずれと画像
ひずみ、および疎密が少ない画像形成装置を実現し、さ
らにベルトを駆動する駆動ローラを等角速度に制御すれ
ばベルトが等速になる機構と、画像劣化に起因する駆動
ローラを駆動する回転モータを含む機構の低振動化技術
を提供することにある。この低振動化技術は感光体ドラ
ムを駆動する機構にも適用することができる。
【0094】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、無端状ベルトの端部に設置
されて該無端状ベルトを移動させるベルト駆動手段と、
前記無端状ベルトの移動に伴い回転するように該無端状
ベルト上に直接あるいは間接に圧接され、かつベルト移
動方向に並設される少なくとも1つの回転体とを備えた
無端状ベルト駆動装置において、前記ベルト駆動手段を
構成する駆動ローラの許容偏心をベルト速度変動に影響
しない範囲に小さく設定し、また前記回転体側に前記駆
動ローラに隣接し、かつ前記無端状ベルトに接するロー
ラを設け、該ローラの許容偏心をベルト速度変動に影響
しない範囲に小さく設定したことを特徴とし、この構成
によって、駆動ローラと、駆動ローラに隣接するローラ
とにおける許容偏心を規制することによって、駆動ロー
ラを等角度制御さえすれば、無端状ベルトを安定かつ高
精度に等速制御することができるようになる。
【0095】請求項2記載の発明は、請求項1記載の無
端状ベルト駆動装置において、駆動ローラおよび/また
は該駆動ローラに隣接するローラに偏心調整機構を設け
たことを特徴とし、この構成によって、駆動ローラおよ
び/または隣接するローラの偏心を目標以内の精度に容
易に収めることができるようになり、無端状ベルトを安
定かつ高精度に等速制御することができるようになる。
【0096】請求項3記載の発明は、無端状ベルトの端
部に設置されて該無端状ベルトを移動させるベルト駆動
手段と、前記無端状ベルトの移動に伴い回転するように
該無端状ベルト上に直接あるいは間接に圧接され、かつ
ベルト移動方向に並設される少なくとも1つの回転体と
を備えた無端状ベルト駆動装置において、前記ベルト駆
動手段を構成する駆動ローラの許容偏心をベルト速度変
動に影響しない範囲に小さく設定し、また前記回転体側
方向に前記駆動ローラに隣接し、かつ前記無端状ベルト
に接する固定ガイド体を設けたことを特徴とし、駆動ロ
ーラにおける許容偏心を規制し、駆動ローラに隣接する
固定ガイド体により無端状ベルトのベルト移動方向と直
交する方向(上下方向)の移動規制を行うことによっ
て、駆動ローラを等角度制御さえすれば、無端状ベルト
を安定かつ高精度に等速制御することができるようにな
る。
【0097】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項記載の無端状ベルト駆動装置において、駆動
ローラと、該駆動ローラの駆動軸とを一体に加工し形成
したことを特徴とし、この構成によって、駆動ローラの
偏心を少なくすることができ、無端状ベルトを安定かつ
高精度に等速制御することができるようになる。
【0098】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか1項記載の無端状ベルト駆動装置において、ベル
ト駆動手段を構成するモータ回転部と駆動ローラとに対
して一体的にダイナミックバランスをとることを特徴と
し、この構成によって、高精度なダイナミックバランス
が取れ、安定な等角速度制御ができるようになり、無端
状ベルトを安定に等速制御できるようになる。
【0099】請求項6記載の発明は、無端状ベルトの一
端部に設置されて該無端状ベルトを移動させるベルト駆
動手段と、該ベルト駆動手段と反対側の前記無端状ベル
トの他端部に設置された従動ローラと、前記無端状ベル
トの移動に伴い回転するように該無端状ベルト上に直接
あるいは間接に圧接され、かつベルト移動方向に並設さ
れる複数の回転体とを備えた無端状ベルト駆動装置にお
いて、前記回転体間、あるいは前記ベルト移動駆動手段
と回転体間、あるいは前記従動ローラと回転体間の少な
くとも1箇所にテンションローラを設置したことを特徴
とし、この構成によって、回転体に偏心があって無端状
ベルトに弛みがでるような現象の発生を防止し、結果的
に無端状ベルトと回転体間の滑りの発生を防止すること
ができ、回転体と無端状ベルトとの安定した一体的運動
が可能になる。
【0100】請求項7記載の発明は、無端状ベルトの端
部に設置されて該無端状ベルトを移動させるベルト駆動
手段と、前記無端状ベルトの移動に伴い回転するように
該無端状ベルト上に直接あるいは間接に圧接され、かつ
ベルト移動方向に並設される少なくとも1つの回転体と
を備えた無端状ベルト駆動装置において、前記無端状ベ
ルトにおける前記回転体と接触する位置の両側にテンシ
ョンローラを配設したことを特徴とし、この構成によっ
て、回転体円断面頂点位置で無端状ベルトがより高精度
に接触することができるようになり、無端状ベルトが等
速であれば、回転体に偏心があっても回転体を等角速度
に制御すれば連れ回り運動が可能となる。言い換えれば
連れ回り運動をさせるために回転体は制御が容易な等角
速度運動をさせればよくなる。
【0101】請求項8記載の発明は、無端状の中間転写
ベルトあるいは用紙搬送ベルトの端部に設置されて該無
端状のベルトを移動させるベルト駆動手段と、前記無端
状のベルトの移動に伴い回転するように該無端状のベル
トの上に直接あるいは間接に圧接され、かつベルト移動
方向に並設される少なくとも1つの感光体ドラムとを備
えた画像形成装置において、前記ベルト駆動手段を構成
する駆動ローラあるいは前記感光体ドラムをアウターロ
ータ型コアレスモータによって直接駆動したことを特徴
とし、この構成によって、モータのロータの慣性モーメ
ントが大きくなりフライホイール効果を得ることがで
き、またコアレスモータ方式を採用することによりコギ
ングによる振動発生をなくし、また駆動手段のギアある
いは駆動伝達用ベルトによる伝達速度の変動,振動、さ
らには伝達剛性の劣化が解消されるため、画像品質のよ
い画像形成装置が実現することになる。
【0102】請求項9記載の発明は、請求項8記載の画
像形成装置において、アウターロータ型コアレスモータ
の発生トルクリップルが、画質品質に影響しない許容低
域側トルクリップル空間周波数範囲のうち最大値近傍の
空間周波数に設定したことを特徴とし、この構成によっ
て、トルクリップルによる画像品質の劣化の影響がな
く、かつ発生トルクリップル空間周波数を大きく選ぶの
でモータトルクを大きくすることができる構成を採用で
き、モータ効率をよくすることができるため、小型で画
像品質のよい画像形成装置が実現することになる。
【0103】請求項10記載の発明は、請求項8または
9記載の画像形成装置において、アウターロータ型コア
レスモータのアウターロータを駆動ローラと共用する構
成にしたことを特徴とし、この構成によって、アウター
ロータ型コアレスモータによる駆動トルクがモータの同
軸上の軸を伝わって駆動ローラに伝達する場合に発生す
る捻り剛性の劣化をなくして高剛性化を実現でき、きわ
めて安定した高精度制御を行うことができ、かつ構成が
簡易になり、小型化と低価格化を図ることができる。
【0104】請求項11記載の発明は、請求項8または
9記載の画像形成装置において、アウターロータ型コア
レスモータのアウターロータと駆動ローラとを一体に形
成したことを特徴とし、この構成によって、高剛性化が
実現でき、ダイナミックバランス調整が容易になり画像
品質のよい画像形成装置が提供することができ、また使
用ベアリングの個数を減らせることによる低価格化を期
待することができ、また加工の容易化と小型化とを図る
ことができる。
【0105】請求項12記載の発明は、請求項8または
9記載の画像形成装置において、アウターロータ型コア
レスモータを、各相のコイルに流す電流が空隙部磁界の
磁束密度が略一定のときで、かつ各相のコイルに流す電
流のタイミングが互いにほぼ重ならないようにして駆動
することを特徴とし、この構成によって、モータのトル
クリップル発生によるトルク変動を軽減することがで
き、かつモータ効率も向上することができ、低消費電力
化と画像品質のよい画像形成装置が実現する。
【0106】請求項13記載の発明は、請求項8〜12
のいずれか1項記載の画像形成装置において、アウター
ロータ型コアレスモータのアウターロータにエンコーダ
盤を設け、該エンコーダ盤に、回転制御などの信号を検
出するためのタイミンング検出用マーク、あるいはアウ
ターロータ型コアレスモータの各相のコイルに流す電流
の相切替信号を検出するための相切替信号検出用マーク
の少なくとも1つのマークを設けたことを特徴とし、こ
の構成によって、エンコーダ盤支持用のベアリングが不
要となり、また従来のようなモータ相切替用のホール素
子が不要になり、モータコイルをホール素子の位置を考
慮しないで配置できるため、コイル利用効率が上がるこ
とによるモータ効率が上がると共に、ホール素子の配線
用引出し線を考慮しなくてよく、かつ光学的検出器を、
ほとんど集中して配置するこことができるようになるた
め、実装が容易に行えることになる。
【0107】請求項14記載の発明は、請求項13記載
の画像形成装置において、相切替信号検出用マークを、
1回転ごとに1回出力するスタート信号を検出するマー
クとして共用したことを特徴とし、この構成によって、
独立したスタート角度位置検出器を新たに設ける必要が
なくなり、かつ検出器のエンコーダ用ベアリングも不要
になるため、低価格な画像形成装置が実現することにな
る。
【0108】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0109】高解像度(2400dpi,1200dpi)の
タンデム方式のカラープリンタあるいはカラー複写機に
おいては、感光体ドラムの偏心と径のばらつきは無視で
きない。そして、線密度のばらつき,色合わせを考慮す
ると、感光体ドラムの円断面における頂点が常に搬送ベ
ルトに接触するように制御する必要がある。つまり、こ
のような条件を満たした連れ回り制御が必要である。こ
のことを安定に実現するためには搬送ベルトを等速に制
御するのが最も好ましい。
【0110】すなわち、上記の条件で等速に搬送ベルト
を制御することができれば、感光体ドラムに偏心があっ
ても感光体ドラムを等角速度に制御すればよい。等角速
度は制御することが容易である。搬送ベルトあるいは中
間転写ベルトが高精度に等速に制御することができれ
ば、高画質が要求され高精度駆動が必要になっても、前
記従来技術の項で説明した構成例も対応することができ
ることになる。
【0111】本実施形態では、駆動ローラを駆動して無
端状の搬送ベルトを等速に動かすために、回転角度エン
コーダのみを使用して実施することができる条件を考察
する。
【0112】駆動モータを等角速度で回転させるとき、
駆動ローラに偏心があると搬送ベルトの速度が変動す
る。ただし、以下に説明するが、搬送ベルトが常に駆動
ローラの円断面における頂点に接するようにすればベル
ト速度変動がなくなる。この“搬送ベルトが常に駆動ロ
ーラの円断面における頂点に接する”という意味は、駆
動ローラの円断面中心を通る一定の方向の直線(この直
線は平行にのみ移動する条件)に対して常に直交して搬
送ベルトが接するということである。
【0113】以下、実施形態によって考察,解析結果を
説明する。 ・ベルトの移動速度と駆動ローラの回転角速度の関係
(その1) −ベルト1が常に駆動ローラ3の円断面における頂点に
接する場合−図1においてεを偏心量、θを偏心位置の
x軸からの角度とし、ベルト1と駆動ローラの接点Tの
移動速度は、座標表示すると、
【0114】
【数25】 (−εsinθ・ω,εcosθ・ω), ω=dθ/dt となる。
【0115】したがって、駆動ローラ3の回転中心Oの
回りを回転する方向Sの速度Vsは、
【0116】
【数26】Vs=Vcosα−εsinθ・ω・cosα+εcos
θ・ω・sinα となる。ただし、Vはベルト移動速度、αは接点Tの位
置における駆動ローラ3の回転中心Oから接点Tを結ぶ
線rと直交する線とベルトとのなす角度である。
【0117】したがって、
【0118】
【数27】ω=Vs/r=(Vcosα−εsinθ・ω・co
sα+εcosθ・ω・sinα)/r となる。ここで余弦の公式より、
【0119】
【数28】r2=R2+ε2−2Rεcos(π/2−θ)=
2+ε2−2Rεsinθ となる。ただし、Rは駆動ローラ半径である。
【0120】ここで、正弦の定理より、
【0121】
【数29】 ε/sinα=r/sin(π/2−θ)=r/cosθ
【0122】
【数30】 sinα=εcosθ/r,cosα=(R−εsinθ)/r (数27)の式に(数28),(数29),(数30)
の式を代入すると、
【0123】
【数31】ω={VR−(V+ωR)εsinθ+ωε2}/
(R2+ε2−2Rεsinθ)ω(R2+ε2−2Rεsin
θ)=VR−(V+ωR)εsinθ+ωε2(εsinθ−
R)(V−Rω)=0 εsinθ−R≠0 したがって、V=Rωとなる。
【0124】すなわち、偏心があってもローラ回転角速
度が一定であれば、搬送ベルト1に滑りがなければ、ベ
ルト速度Vが一定となる。ただし、搬送ベルト1を水平
に保つという条件が必要である。一般的に、図23に示
すような感光体ドラム5と搬送ベルト1の関係の場合
は、搬送ベルト1が接点部に対して両側に伸びているの
で、この条件に近い状態を実現しやすいが、駆動ローラ
3の場合は片側にしかベルトが伸びていないので、この
条件を実現するには工夫が必要である。
【0125】その第1の実施例としては、駆動ローラと
感光体ドラムに隣接し、かつ搬送ベルトに接するように
ローラを設置し、そのローラの径を駆動ローラの径と同
一として偏心の位相を合せて設置するようにする。この
ようにすれば、駆動ローラが一定角速度で制御されてい
るときのベルト速度変動は軽減される。偏心量も同じで
あれば速度変動はなくなる。ただし、この場合、隣接す
るローラの径にわずかなばらつきがあると時間の経過に
伴って位相がずれていくので、駆動ローラと隣接するロ
ーラをギアなどに接続して位相がずれないようにする。
【0126】第2の実施例としては、駆動ローラの偏心
の角度と大きさを計測し、感光体ドラムに隣接する前記
ローラを走行する搬送ベルトに対して直交する方向に上
下運動させて制御する方法もある。この場合、隣接する
ローラの偏心を極力抑える必要がある。
【0127】第3の実施例としては、第1〜第2の実施
例の方式を採用したくない場合に、感光体ドラムに隣接
するローラと駆動ローラの偏心が、搬送ベルトが目標の
速度変動以内に収まるように、駆動ローラとローラとの
加工精度と組立精度を確保する方法がある。そして隣接
するローラは、ベルトを挟むように2つのローラで構成
する方法でもよい。
【0128】さらに第4の実施例としては、駆動ローラ
の偏心が、搬送ベルトが目標とする速度変動以内に収ま
るように、駆動ローラの加工精度と組立精度を確保し、
感光体ドラムに隣接するローラに相当する部位に回転し
ない支持ガイドを固定する方法がある。 ・ベルトの移動速度と駆動ローラの回転角速度の関係
(その2) −ベルト1が常には駆動ローラ3の円断面における頂点
に接しない場合− 図2に示すように、偏心εにより図1と同様にベルト1
と駆動ローラ3の接点Tは変動する。この場合は、先の
条件が成立してないので、駆動ローラ3が一定角速度で
回転していても、ベルト速度は変動する。 ・偏心が0になるような駆動ローラと感光体ドラム側に
隣接するローラの組立・加工法 前記実施例において、偏心が0近傍になるようなベルト
の感光体ドラム側で駆動ローラに隣接するローラ(隣接
ローラ)と前記駆動ローラの組立・加工法を検討するの
が最も機構が簡単になる。駆動ローラと隣接ローラは、
通常、ユーザによる取り外しがないため調整機構を入れ
るような構成を採用することができる。これが目標仕様
より精度高くできるのであれば、回転角エンコーダ方式
で充分精度高くベルトを等速に制御することができる。
感光体ドラムの場合は、メンテナンスなどで取り外すこ
とがあるため、ここで検討する方法が採用することがで
きない。そして隣接ローラは、図7のように、ベルトを
挟んで2つのローラ62で構成してもよい。
【0129】高精度に駆動ローラと隣接ローラとを加
工後に組み立て調整する。
【0130】駆動ローラと隣接ローラは真円度と径の精
度を高くして製作し、図3に示すように、二次元的に位
置調整することができるようにし、偏心調整後にダイナ
ミックバランスを取るという構成を採用する。図3にお
いて、駆動ローラ3の側面に圧接する補助ローラ50を
設け、この補助ローラ50に連結され、かつ図示しない
モータにより駆動される駆動回転軸51をベアリング5
2にて回転可能に支持し、補助ローラ50を介して駆動
ローラ3を回転駆動する構成にし、補助ローラ50の当
接側面を駆動ローラ3の側面に対して二次元的に移動可
能な構成にしている。
【0131】駆動ローラ3のダイナミックバランスはモ
ータ組付け後が望ましい。ただし、回転速度が遅い場合
は、モータ組付け前にダイナミックバランスを取るだけ
でもよい。さらに低速の場合は、このダイナミックバラ
ンスを除くことができる。ただし、消費電力を下げたけ
ればダイナミックバランス調整は必要である。 ベアリングを貫通する回転軸と駆動ローラあるいは隣
接ローラを一体加工 図4に示すように、駆動ローラ3に、図示しないモータ
により駆動される駆動回転軸55を一体に形成し、駆動
回転軸55をベアリング52にて回転可能に支持する構
成にすれば、駆動ローラ3の偏心を小さくすることがで
きる。また隣接ローラの場合も同様にすればよい。
【0132】前記駆動ローラ3の場合では、駆動回転軸
51,55にモータのロータを直結してもよい。モータ
をギアあるいはベルトを通して駆動する場合は、駆動回
転軸51,55にギアかプーリを設ける。 ・回転角エンコーダの偏心 回転角を検出するエンコーダにおいて、検出タイミング
マークが付されている円盤が偏心を持っていると、これ
を検出して行われる等速回転角の制御では、駆動ローラ
を等速に制御することはできない。この場合は、円盤上
のタイミングマークを回転軸に対して等角度に配置した
複数のタイミングマーク検出器で検出した信号の全てを
フィードバックして制御すれば、エンコーダの偏心によ
る影響を除くことができる。2つのタイミングマーク検
出器を用いてエンコーダの偏心による影響を取り除くた
めには、円盤の回転軸に対向して検出器を配置する。 ・ベルトにタイミングマークを付した制御方式 最終的なベルトの動きを検出して回転モータを制御する
ことにより、ベルトの等速制御が可能となる。ただし、
駆動プーリの偏心が大きいと、それを補正するための制
御系のゲインが必要となる。つまり、制御帯域は広くな
るので必要機械剛性は高くなる。したがって、前記駆動
ローラと隣接ローラの偏心は小さければ小さいほどよ
い。 ・タンデム型画像形成装置における感光体ドラムの偏心
によるベルト走行の安定化 タンデム型画像形成装置において感光体ドラムに偏心が
あると感光体ドラムのベルトとの接触面が上下運動す
る。そのために、見かけ上、各感光体ドラム間の距離が
ばらつくことになり、ベルトが引っ張られたり、弛んだ
りする。高画質を得るため感光体ドラムの円断面におけ
る頂点位置でベルトが接触する条件を可能な限り維持
し、この見かけ上のドラム間距離のばらつきを補正する
必要がある。
【0133】すなわち、図5に示すように、感光体ドラ
ム5にベルト1を押し付けるローラ60と、感光体ドラ
ム5が偏心によりベルト1を上下に動くことによるベル
ト1の引張力を調整するテンションローラ61を配設
し、そしてベルト1の一定の走行位置を保持する回転軸
が固定されたローラ対62を設置する。テンションロー
ラ61は付勢力を与えるスプリング64を構成する。こ
のように構成することによって、ベルト1の弛み、ある
いは引張り状態を一定に保つことができ、ベルト1を感
光体ドラムの円断面における頂点位置でベルトが接触す
る状態を維持することができる。そしてローラ60は、
感光体ドラム5の円断面における頂点位置でベルト1が
より高精度に接触するように、感光体ドラム5の転写位
置の両側に設けられるスプリング63を持つテンション
ローラ構造としている。
【0134】図6はスプリング力の関係を適正にとるこ
とにより固定ローラ対62を省略したものであって、感
光体ドラム5にベルト1を押し付けるローラ65と、ベ
ルト1の引張力を調整するテンションローラ66とを配
設し、ローラ65とテンションローラ66はスプリング
67,68を構成する。図6において、感光体ドラム5
における画像の転写位置に圧力をかける感光体ドラム転
写位置を挟むように設けられているローラ65は回転軸
が固定された回転しない固定ローラにしてもよい。この
場合は、感光体ドラム5の円断面における頂点位置でベ
ルト1が接触する条件が若干緩くなるが、これでも目標
品質が維持できる場合に採用することができる。
【0135】ローラ60,65およびテンションローラ
61,66の具体的な構成例を図24に示す。この構成
におけるばね力付勢機構は、ベルト1の両端(ベルト走
行方向に対して直交する方向、すなわち図において奥行
き方向)か、あるいは片側に設置される。なお、ローラ
60,65と、テンションローラ61,66、あるいは
駆動ローラ3の長さはベルト1の幅より等しいか、それ
以上である。あるいは、別の実施例として、前記各ロー
ラ60,65,61,66,3は、ベルトの両端部に分
散させて構成してもよい。
【0136】図7に偏心と径が目標精度に収まっている
精度の高い駆動ローラを用いた構成を示している。駆動
ローラ3に最も近いローラ対62も偏心と径が目標精度
に収まっている精度の高いものである。このようにして
駆動ローラ3を一定回転制御したとき、感光体ドラム5
に偏心があっても、ベルト1を等速に安定に動かすこと
がきる。駆動ローラ3の反対側にある従動ローラ側も図
7に示すような構成とする。このようにすれば、従動ロ
ーラ側は、偏心と径の精度については駆動ローラ側より
低くても問題ない。ただし、高い精度の方が負荷変動を
小さくすることができる。図5〜図7において、ローラ
60,65および61,66の構造として、スプリング
と同様な効果を持たせるために、前記ローラのベルトと
接触する外周部を弾性のある部材で構成して実現しても
よい。 ・高精度な駆動ローラ駆動機構 従来技術には、モータをギアあるいはベルトのような伝
達機構を使って減速し、制御対象物である駆動ローラあ
るいは特開平10−63059号公報に記載されたよう
に感光体ドラムの回転軸に大きなフライホイールを取り
付け、伝達系などで発生する振動を抑えるという構成が
採用されている。この構成はモータ効率がよくなるとい
う利点があるが、駆動系に伝達系が入るために、伝達系
の剛性の低下と偏心の問題を含むようになり、高精度な
一定回転制御が困難になる。
【0137】また、駆動用のモータとして、ステータの
スロットヨークにコイルを巻いたコアを具備したモータ
が一般的に用いられるようになっているが、このモータ
はコギングを発生する。特開平6−271130号公報
には、パルスモータを使った構成例が記載されている。
このモータも同様な現象を持つ。したがって、この構成
のモータを駆動ローラに直結すると速度変動がそのまま
現れる。よって、コギングを発生しないコアレスのブラ
シレスモータを直結することが理想的な構成である。伝
達機構を持つ駆動方式に比較して直結する方式は、モー
タ効率は下がるが、各感光体ドラムへの各種負荷変動を
各感光体ドラムに設置するモータによって吸収すること
によって、タンデム型のカラープリンタあるいはカラー
複写機におけベルト駆動系の消費電力は軽減することが
できる。したがって、直結方式は、高精度の駆動制御が
でき、駆動ローラの駆動機構が小型化かつ簡易化する。
【0138】ベアリングは、モータ,駆動ローラ,エン
コーダの回転部の支持に共通して使う。また、モータを
アウターロータ型とすることによりイナーシャを大きく
することができ、従来技術であるフライホイール効果が
期待でき、また以下に説明する効果が得られる。
【0139】その実施例の1つとして、図8に示すよう
に、モータのアウターロータの外側(外周面)を駆動ロ
ーラとして用いることができる。またエンコーダをロー
タに取り付けるようにする。図8において、70bは回
転軸(固定軸)、71はベルト1が外周に巻かれたアウ
ターロータ、72はステータ、73はコイル、74は永
久磁石とヨーク、75は固定軸70b上を回転するベア
リング、76はベアリング75の保持部材、77はタイ
ミングマークが付設されたエンコーダ盤、78は光反射
検出方式のエンコーダ用検出器、100はアウターロー
タ71と同一径を有する同心円状に形成されているロー
ラである。ローラ100はベルト1を保持すると共に、
ベルト1に摩擦により駆動力を伝達する。
【0140】このようにすれば、精度の高い多機能部品
を一体化することができる。そして、このモータ部があ
るベルト1端部の反対側の端部には、前記と同様な構造
を設ける構成も可能である。両側で駆動する場合は、片
側で駆動する場合に比較して捻れが発生しないので、ロ
ーラ100の剛性を低く設定することができる。つまり
ローラ100の肉厚を薄くすることができる。駆動ロー
ラ3を、図9に示すように(なお、以下の説明におい
て、図8で説明した部材には同一符号を付して詳しい説
明は省略する)、アウターロータ71と離して設ける構
成に比べて、図9の伝達軸70aの捻れ剛性が低いこと
による共振の問題を軽減することができる。
【0141】特開平6―271130号公報では、駆動
ローラ内部全域(一端部から他端部まで)にわたってモ
ータを形成している。つまり、ローラの画像形成領域内
までもモータが形成されている。このようにすると、モ
ータの熱によりベルトが熱せられ、中間転写ベルト方式
における転写されたトナー像が影響を受け、結果的に画
像品質が劣化する。しかし本実施形態の構成では、この
ようなことが避けられると共に、モータのアウターロー
タ部でもベルトを保持しているので装置幅を小さくする
ことができる。
【0142】他の実施例として、図10,図11に示す
ように、アウターロータ71の端面に駆動ローラ3(1
00)を連結してもよい。特に駆動ローラ3の径を大き
くすることができない場合には、アウターロータ71の
端面で連結する構成の方がよい。モータの駆動トルクを
大きくしたいときも図10,図11に示すような構成が
よい。モータ径を大きくするとフライホイール効果も大
きくなる。また伝達軸70aを通して駆動ローラ3を駆
動する従来の構成よりも伝達軸70aにおける剛性の課
題を軽減することができる。インナーロータ方式で駆動
ローラを直結する構成は、アウターロータ71と同一外
形でモータを構成するとして比較すると、連結部分の面
積が小さくなるため連結上の剛性は低くなる。
【0143】エンコーダは熱の問題を考慮して設計され
るため、エンコーダ盤77の材質は耐熱性を考慮して選
択する必要があり、例えば金属盤がよい。
【0144】図8と図10および図11におけるエンコ
ーダ盤77,エンコーダ用検出器78は図9のように外
部に設置する構成にしてもよい。モータ内部の熱の影響
を軽減するためにはこの構成がよい。ただし、駆動ロー
ラ3がモータのアウターロータ71と離れるため、伝達
軸70aの剛性を充分考慮(材料,太さ)する必要があ
る。
【0145】図8,図10はアウターロータ型のベアリ
ング配置の構成例を示しているが、図11に示す構成の
ようにすれば、インナーロータ型のベアリングを使うこ
とができる。図8,図10のアウターロータ型のベアリ
ングを使う場合は、軸70bは回転せず固定されてい
る。また、図10と図11においてモータのアウターロ
ータ71のヨーク74と駆動ローラ3を磁性体で一体的
に加工するか、アウターロータ71のヨークおよび永久
磁石74を保持する部材を一体的に加工すれば、精度高
くダイナミックバランスが取れ、より安定な駆動が可能
になる。
【0146】また、モータと駆動ローラとを一体にした
状態でダイナミックバランスを取るようにすれば、さら
に精度が向上する。
【0147】ベルト駆動のみならず、この考え方は感光
体ドラムにおける駆動にも採用することができる。図9
〜図11における駆動ローラ3を感光体ドラム5に置き
換えた構成を考えればよい。図8においてはベルト1が
感光体ドラム5になるような構成とすればよい。ただ
し、感光体ドラムは劣化するので交換する必要がある。
図10と図11の構成においては、アウターロータ端面
に複数のタップ(凸部)を立て、そこに感光体ドラムの
端面の孔(凹部)を嵌め込むことで実現できる。図8の
構成においては、アウターロータが感光体ドラムの空洞
内に入り込むようにして、回転方向のすべり防止用のネ
ジを使用して固定するような構成にすればよい。 ・アウターロータ方式のコアレスブラシレスモータの構
造 図12と図13にアウターロータ型コアレスブラシレス
モータの構造例を示す。図12は一部切出状態にしたヨ
ーク74aと永久磁石74bを持つアウターロータ71
を示す。内周側に永久磁石74bを配設し、中心に向け
ての磁極が円周方向にN極とS極を交互に変えて磁化し
ているか、その極性を備えた磁石が並べられている。ヨ
ーク74aは外周側に配設されている。
【0148】図13はヨーク80とコイル81を持つス
テータの構造例を示す。この例では、図14に示すよう
なコイルの束を重ねて並べている。その並べ方を図15
に示してある。すなわち、図14に示すようなコイルの
束を、ステータの周辺にアウターロータの移動方向に位
相をずらせて並べる。この例では3相のコイルA,B,
Cを並べる例を示している。アウターロータを構成する
永久磁石は極を交互に変えてヨークの周囲上にあり、モ
ータ回転時、図15の矢印のように移動する。
【0149】モータにおける永久磁石の一極(S極ある
いはN極)のピッチをPとすると、図14において、コ
イル束の束幅Cw(ロータ回転方向と直交する方向の
幅)はP/3あり、コイル束の図における左右にある前
記束幅Cwの中心間距離はPとなる。図におけるコイル
束の重ね状態を表わす両端は、分かりやすくするために
重ね合せ止めた状態で示してあるが、実際は連続して重
なっている。これらコイル束を接続して3相にするた
め、1つの相に対して2つおきにコイルが接続される。
【0150】図15において、コイルCについての接続
方法のみを示している。コイルCの接続において電流の
流れ方向に対しての推力発生方向を揃えるために、奇数
番目と偶数番目のコイル束では、電流の流れ方向を交互
に変えるために、図14における2つのコイル端子への
接続を偶数番目と奇数番目では変えている。これは、偶
数番目のコイル束と奇数番目のコイル束では、鎖交する
磁界の方向が反対になるからである。
【0151】さらに、図15において、83はホールセ
ンサ(ホール素子)を示しており、センサ上を通過する
磁界の強さと方向を検知する。ロータ上のヨーク74a
と永久磁石74b、さらにステータヨークで発生される
移動磁界の強さを示しており、図では正弦的な波形と台
形的な波形を示している。コアレスモータは、コギング
トルクは発生しないが、磁界の強さの形状変化によって
トルクリップルを発生する。後述するが、この形状を直
線部の長い台形に極力近づけることによって、トルクリ
ップルの小さい効率の良いモータを構成することができ
る。一般的に画像品質は、駆動系の振動による変動空間
周波数が低いときは影響を受けにくく、この周波数が高
くなるにつれ影響を受けやすくなり、そして極値を持
ち、さらに周波数が高くなっていくと、また影響が少な
くなるという特性を持つことが知られている。画像品質
上は当然、トルクリップルが小さい程よい。
【0152】また、3相モータであるので、ロータの永
久磁石部の周長をLとするとL/2P=n(自然数)組
の一対のN極とS極が構成できるため、トルクリップル
の基本空間周波数fsは、(数32)のようになる。
【0153】
【数32】fs=6n/(πD) (ただし、Dは駆動
ローラの直径) nは小さいほどトルクリップルの基本周波数が小さくな
り、画像品質劣化への影響度が小さくなる。ただし、n
を小さくし過ぎるとアウターロータのヨーク74aを厚
くしなければならない。つまり、図16のように一極の
永久磁石74bの幅が大きくなると、ヨーク74a内を
通り隣りの永久磁石74bへ行く磁束の量が多くなり、
それを通すために磁路を太くする必要がある。図16の
矢印は、磁束の流れを示している。このためロータのイ
ナーシャが大きくなる。
【0154】しかし、例えばプリンタあるいは複写機の
駆動系は、一定速度に回転する定常動作の安定度の方が
重要であるので、このことは欠点とはならない。むしろ
イナーシャを大きくした方が都合よい。同じ推力を得よ
うとしたとき、インナーロータ型よりアウターロータ型
の方が回転する部分が外側にあるため、回転するイナー
シャは当然大きくなる。プリンタあるいは複写機の場合
は、この面でもアウターロータ方式の方が有利である。
【0155】また、駆動ローラの径が大きい程、トルク
リップルの基本空間周波数fsは小さくなるが、この径
は駆動ローラにベルトから伝達される負荷をも考慮する
必要がある。同じモータトルクに対し駆動ローラが大き
くなると、ベルト引張り力が弱くなる。
【0156】一方、システム上、許容されるモータの外
径が決まっている場合、モータ効率の面では、同じ推力
に対してトルク発生を大きくするため、可能な限り磁気
回路空隙部は外周部に近い方にある方がよい。この面で
は(数32)のn値を大きくしなければならない。
【0157】したがって、駆動ローラ径の設定にもよる
が、各トルクリップル周波数におけるトルクリップル振
幅値が許容されるトルクリップル基本空間周波数fsの
可能な限り大きいところがnの最適値となる。nを大き
くしてトルクリップル周波数を上げて実現する方法も考
えられるが、磁石の磁極ピッチが小さくなり過ぎ、かつ
コイル束も細くなり過ぎるためにモータ製作が困難であ
り、またモータ駆動周波数が高くなるため各種損失が増
えると共に制御も困難になる。
【0158】図17は高画像品質を得るための副走査方
向(ベルト移動方向)の許容振動振幅を示す図である。
図17において縦軸は振動振幅を示し、横軸は駆動系の
振動空間周波数を示し、太線は許容振動振幅領域を示
す。図17の振動空間周波数は(数32)により求めら
れるトルクリップル空間周波数fsに対応する。従来技
術のようにギアを伝達機構として持つ場合、モータのト
ルクリップルあるいはゴギングによるトルク変動周波数
はギア比分増大するため、図17における低域側に設定
するのは困難になる。したがって、高域側に設定させる
ためには、ギア比を大きくしなければならない。なぜな
らば、ギアによる伝達機構は振動振幅が大きくなるから
である。ギア比を大きく取るということは装置が複雑に
なるということを意味する。本実施形態では、従来技術
と異なりトルクリップルを低域側に設定している。ここ
における検討は感光体ドラムを駆動する場合にも同様に
適用することができる。つまり、トルクリップル周波数
は、(数32)において駆動ローラの直径を感光体ドラ
ムの直径に置き換えることにより求めることができる。
【0159】図18はコイルと磁界の関係を示す図であ
り、原理的な説明を容易にするために各相のコイル束の
一方の側のみ(図14において左側のみ)を示し、さら
に、図を分かりやすくするため奇数番目の位置を下側
に、偶数番目の位置を上側に示し、磁界の波形を三角波
にしている。ステータヨーク上のコイルは移動しないの
で、モータ回転時は、磁界が図のように移動する(磁界
は右から左へ移動しているとしている)。図18では示
していないコイル束のリターン側(図14において右
側)は、図示した左側のコイル束と電流の流れと鎖交す
る磁束が丁度反対方向になるよう配置されているため発
生する推力は同じになる。
【0160】図18の矢印のように偶数番目のコイル束
では、磁界波形立ち上がり部のゼロクロスとコイル束の
左側端部が交叉するタイミングから、磁界が2P/3移
動して磁界波形立ち下がり部のゼロクロスがコイル束の
右側端部を通過するまで電流を流せば、回転する推力が
得られ、このとき奇数番目のコイル束では磁界の立ち下
がりから立ち上がりまで電流が流れ、コイル束間の接続
を前記したようにしてあるため、電流の流れが偶数番目
とは逆方向になり鎖交する磁束も逆なので、発生する推
力の方向が偶数番目のコイル束と一致する。磁界がここ
からP/3進んだ後、偶数番目のコイル束では、磁界の
立ち下がりから立ち上がりまで、先程とは逆方向の電流
を流す。コイルはステータヨークに固定されているの
で、ロータの移動方向は、この発生推力の逆になる。こ
のことを考慮して、フレミングの左手の法則に従った方
向に電流を流す。
【0161】図15に示したように各相のコイル束が接
続されているため、モータを等速で回転させたときの各
コイルに流す電流のON−OFFタイミングと方向は図
19に示すようになる。このタイミングの検出と電流を
流す方向は、各相当たり1つのホールセンサ83を、前
記磁束がホールセンサ83を通過することができるコイ
ル束端部位置に設けることによって実現できる。
【0162】図15にはホールセンサ83の具体的な設
置位置の例を示しており、このホールセンサ83の出力
は、磁束の強さに比例した出力を発生するため、この出
力を検出して図19のような各コイル相に流す電流のO
N−OFFタイミングと方向を制御することができる。
【0163】図20は一相のコイル相(図ではA相を示
す)に流す電流のON−OFFタイミングと方向と電流
値を制御する一般的なH型回路であって、A1,A2入
力をほぼ同時にONすればコイルに電流が流れ、INV
A1とINVA2をほば同時にONすれば逆方向に電流
が流れる。CNT入力はモータへ流す電流値を制御す
る。図33の制御系においては、モータの逆起電力を検
出することが必要になっている。図20において各コイ
ルに直列に抵抗を付設し、各コイルにおけるコイル端電
圧と前記抵抗の端子電圧を検出し、演算と合成を行うこ
とによってモータの回転速度に比例した電圧を検出する
ことができる。
【0164】図21は、移動磁界波形を三角形と台形と
したとき、コイルと鎖交する磁束の強さを図19に重ね
て示した図である。駆動電流値を一定とすれば、図21
において電流波形と磁界の積がそのまま推力になる。実
現は困難であるが、例えば理想的な三角波形であれば、
コイル3相の合成推力は常に一定となる。ただし、磁界
の強さが弱いところでも電流を一定に流しているため、
この分、効率が落ちている。磁界が正弦波に近い形状の
ときは、モータの効率が下がり、かつ合成推力にリップ
ルが発生する。
【0165】図21に示す台形の場合も推力リップルが
発生するが、図に示すように各コイル相に同時に電流が
流れないように独立に流し、かつ相間の電流切り替え時
間を極力短くすると、効率がよく、かつ推力リップルが
小さいモータが実現できる。
【0166】前記実施形態ではホールセンサ83を用い
た例を説明したが、他の実施形態として、ホールセンサ
と同機能のセンサをエンコーダ上に構成することも考え
られる。すなわち、エンコーダ盤上にマークを付し、そ
れを検出することによって実現できる。この場合、エン
コーダの光学的検出器は相切換え用に前記ホールセンサ
と同数設置すればよく、本例では3個である。そして回
転する磁気回路の空隙部の磁束に合わせてマークを付設
する。
【0167】すなわち、図15において磁束がプラス方
向(N方向)に向いているときは反射マークを付し、マ
イナスのときは光が透過するように構成する。磁束の向
きとマークの関係は逆にしてもよい。またマーク検出は
反射式でも透過方式でもよい。そして、エンコーダ盤上
にマークを構成し、このエンコーダ盤をアウターロータ
に組み付けるときは、空隙部の磁界の方向と磁界のゼロ
クロス点が、マークの有り無しとマークとマークのない
ところの切換え点に一致するように取り付ける。エンコ
ーダの検出器は、ホールセンサと同様に各コイル相の配
置に対応して設置する。光学式検出器を採用する場合
は、磁束と鎖交する位置に検出器を設ける必要がないの
で、ホール素子を設けるときのように、取り付けを考慮
してコイルの配置をする必要がないため、推力発生に関
るコイル長を長くレイアウトすることができるため、よ
り効率のよいモータを製作することができる。
【0168】さらに、光学的に検出する構成の場合で
は、マークを検出する検出器の1つを1回転の基準角度
位置検出器(スタート位置検出器)としても使うことが
できる。ホールセンサでも可能であるが、波形を急激に
立ち上げて位置精度を上げることは困難である。したが
って、高精度が要求される場合は、別に検出器を設けな
ければならないが、光学的な構成では、エンコーダ盤を
照射するビームを絞ったり、検出側にスリットを設ける
などの工夫をすることができるため、高精度な基準角度
位置検出器が検出器を増加することなく構成することが
できる。
【0169】図22に具体的に以上のことを実現したn
=2のエンコーダの構成例を示しており、図22(a)
はエンコーダ盤90を示す図であり、円周方向に複数個
設けられる回転角度検出用タイミングマーク(図では一
部のみを記載してある)91と、ロータが発生する磁界
に対応したマーク92が設けられている。図22(b)
はエンコーダ盤90に対する検出器の配置レイアウトを
示す図であり、磁界の変化位置を検出する3個の検出器
93と1個のタイミング検出器94が配設されている。
磁界の変化位置を検出する検出器93のうち1個はスタ
ート角度位置検出器として構成する。
【0170】検出器を集中して配置することができるた
め、配線が簡単になるため、実装が容易になるという効
果がある。図22(b)において破線で示した検出器9
5は、従来から知られているように、エンコーダに偏心
が大きい場合に取り付けられるものであって、180度
位相のずれたタイミング信号を同時に検出して、これら
二つのタイミング信号を使用して制御することによって
偏心の影響を取り除くためのものである。
【0171】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ローラの許容偏心をベルト速度変動に影響しない範囲に
小さく設定することによって、駆動ローラを等角度制御
することにより、安定かつ高精度なベルトの等速制御が
実現する。
【0172】また、ベルト上にある駆動ローラ部分にお
いて高精度なダイナミックバランスをとることができ、
安定な等角速度制御を行うことができるため、ベルトを
より安定に等速制御することができる。
【0173】また、ベルトの回転体に偏心があってもベ
ルトに弛みが出るような現象の発生を防止し、結果的に
ベルトと回転体間のすべりの発生を防止することができ
るため、回転体とベルトとの安定な一体運動が行われ
る。
【0174】また、回転体の円断面における頂点位置
で、ベルトがより高精度に接触することができるように
なり、ベルトが等速であれば、回転体に偏心があっても
回転体を等角速度に制御することにより、連れ回り運動
が可能となり、言いかえれば連れ回り運動させるために
回転体を、制御が容易な等角速度により運動させること
ができる。
【0175】また、回転駆動力伝達系であるギアあるい
は駆動伝達用ベルトによる伝達速度の変動,振動、さら
には伝達剛性の劣化の課題を解消することができ、しか
も、トルクリップルの振幅と変動周波数による画像品質
の劣化の影響がなく、モータ効率のよい領域に設定する
ことができるため、小型で画像品質のよい画像形成装置
が実現する。
【0176】また、モータによる駆動トルクが、このモ
ータの同軸上の軸を伝わって駆動ローラに伝達する場合
に発生する捻り剛性の劣化をなくすことができ、高剛性
化を実現でき、高安定な高精度制御を行うことができ、
またモータのアウターロータと駆動ローラを一体化する
ことによってダイナミックバランス調整が容易になり、
画像品質のよい画像形成装置が実現し、さらに使用ベア
リングの個数を減らせることによる低価格化と共に、加
工の容易化と小型化を図ることができる。
【0177】また、モータのトルクリップル発生による
トルク変動を軽減することができ、かつモータ効率も向
上できるため、低消費電力化と画像品質のよい画像形成
装置が実現する。
【0178】また、エンコーダ盤に、回転制御などの信
号を検出するための制御用タイミンング検出用マーク、
あるいはアウターロータ型コアレスモータの各相のコイ
ルに流す電流の相切替信号を検出するための相切替信号
検出用マーク、あるいは前記相切替信号検出用マーク
を、1回転ごとに1回出力するスタート信号を検出する
マークとして共用することによって、モータ相切替用の
ホールセンサを不要にすることができ、コイルをホール
センサの位置を考慮しないで配置することができるた
め、コイル利用効率が上がることによってモータ効率が
上がると共に、ホールセンサの配線用引出し線を考慮し
なくてよくなり、かつ光学的検出器のほとんどを集中し
て配置するこことができるため、実装が容易になり、ま
た、スタート角度位置検出用のセンサを独立して設ける
必要がなくなり、しかもエンコーダ用ベアリングも不要
になるため、低価格な画像形成装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するためのベルトと駆
動ローラとの関係の説明図(ベルトが常に駆動ローラの
円断面における頂点に接する場合)
【図2】ベルトが常には駆動ローラの円断面における頂
点に接しない場合のベルトと駆動ローラとの関係の説明
【図3】本発明の実施形態における駆動ローラと補助ロ
ーラの構成例の説明図
【図4】本発明の実施形態における駆動ローラと補助ロ
ーラの他の構成例の説明図
【図5】本発明の実施形態における感光体ドラムとロー
ラとベルトとの関連を示す構成例の説明図
【図6】本発明の実施形態における感光体ドラムとロー
ラとベルトとの関連を示す他の構成例の説明図
【図7】本発明の実施形態における感光体ドラムとロー
ラと駆動ローラとベルトとの関連を示す構成例の説明図
【図8】本発明の実施形態におけるアウターロータ型コ
アレスモータとベルトとの関係構成を示す断面図
【図9】従来のアウターロータ型コアレスモータとベル
トと駆動ローラとの関係構成を示す断面図
【図10】本発明の実施形態におけるアウターロータ型
コアレスモータとベルトと駆動ローラとの関係構成を示
す断面図
【図11】本発明の実施形態におけるアウターロータ型
コアレスモータとベルトと駆動ローラとの関係構成を示
す断面図
【図12】本発明の実施形態におけるアウターロータ型
コアレスモータのアウターロータを示す斜視図
【図13】本発明の実施形態におけるアウターロータ型
コアレスモータのステータを示す斜視図
【図14】本発明の実施形態におけるアウターロータ型
コアレスモータのコイルの説明図
【図15】本発明の実施形態におけるアウターロータ型
コアレスモータのコイル設置部分を説明するための構成
【図16】アウターロータ型コアレスモータにおけるヨ
ークと磁石における磁束の流れを示す説明図
【図17】高画像品質を得るための駆動系振動の許容限
界振幅と空間周波数の関係を示す説明図
【図18】アウターロータ型コアレスモータにおけるコ
イルと磁界の関係を示す図
【図19】アウターロータ型コアレスモータの各コイル
に流す電流のON−OFFタイミングと流す電流の方向
の説明図
【図20】アウターロータ型コアレスモータの各コイル
に流す電流値とON−OFFタイミングと方向を制御す
る回路の構成図
【図21】アウターロータ型コアレスモータにおいて移
動磁界波形を三角形と台形としたときのコイルと鎖交す
る磁束の強さを図19に重ねて示した図
【図22】本発明の実施形態における検出マークを付設
したエンコーダの構成を説明するための図
【図23】タンデム型画像形成装置における感光体ドラ
ムと搬送部の構成例を示す図
【図24】図23のテンションローラにおけるばね付勢
機構の構成図
【図25】感光体ドラムと搬送ベルトとの関連構成の説
明図
【図26】感光体ドラムと搬送ベルトあるいは中間転写
ベルトとの従来技術の関連構成の説明図
【図27】感光体ドラムに偏心と径のばらつきがある場
合の露光時から転写位置までの回転角の説明図
【図28】タンデム型画像形成装置における制御構成を
説明するための構成例の平面状態を示す説明図
【図29】搬送ベルトにおける基準マークとテストマー
クの説明図
【図30】タンデム型画像形成装置における感光体ドラ
ムとベルト駆動系の信号検出系とモータとローラを含む
駆動系の構成例を示す図
【図31】図30の負荷変動補正用モータのばね付勢機
構の構成図
【図32】図30の駆動ローラにおける制御系の構成図
【図33】図30の負荷変動補正用モータにおける回転
制御系の構成図
【図34】図30の負荷変動補正回転制御系における基
準入力のクロック周波数を求めるための回路の構成図
【符号の説明】
1 搬送ベルト 2 従動ローラ 3 駆動ローラ 4 テンションローラ 5 感光体ドラム 9 圧接ローラ 50 補助ローラ 51,55 駆動回転軸 60,65 ローラ 61,66 テンションローラ 62 ローラ対 70a 回転駆動軸(伝達軸) 70b 回転支持軸(固定軸) 71 アウターロータ 72 ステータ 73,81 コイル 74a ヨーク 74b 永久磁石 77,90 エンコーダ盤 78 エンコーダ用検出器 80 ステータヨーク 83 ホールセンサ 91 回転角度検出用タンミングマーク 92 磁界対応マーク 93 検出器 94 タイミング検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02P 6/10 H02P 6/02 351G Fターム(参考) 2H032 AA15 BA09 BA18 BA19 CA02 2H072 AB07 CA02 CA05 JA03 3F049 AA10 BB07 BB12 DA03 LA02 LA07 LB03 3J049 AA01 BA07 BB13 BD01 CA10 5H560 AA10 BB04 BB12 DA02 DA07 DB13 DC13 EB01 RR01 SS02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端状ベルトの端部に設置されて該無端
    状ベルトを移動させるベルト駆動手段と、前記無端状ベ
    ルトの移動に伴い回転するように該無端状ベルト上に直
    接あるいは間接に圧接され、かつベルト移動方向に並設
    される少なくとも1つの回転体とを備えた無端状ベルト
    駆動装置において、前記ベルト駆動手段を構成する駆動
    ローラの許容偏心をベルト速度変動に影響しない範囲に
    小さく設定し、また前記回転体側に前記駆動ローラに隣
    接し、かつ前記無端状ベルトに接するローラを設け、該
    ローラの許容偏心をベルト速度変動に影響しない範囲に
    小さく設定したことを特徴とする無端状ベルト駆動装
    置。
  2. 【請求項2】 前記駆動ローラおよび/または該駆動ロ
    ーラに隣接する前記ローラに偏心調整機構を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の無端状ベルト駆動装置。
  3. 【請求項3】 無端状ベルトの端部に設置されて該無端
    状ベルトを移動させるベルト駆動手段と、前記無端状ベ
    ルトの移動に伴い回転するように該無端状ベルト上に直
    接あるいは間接に圧接され、かつベルト移動方向に並設
    される少なくとも1つの回転体とを備えた無端状ベルト
    駆動装置において、前記ベルト駆動手段を構成する駆動
    ローラの許容偏心をベルト速度変動に影響しない範囲に
    小さく設定し、また前記回転体側に前記駆動ローラに隣
    接し、かつ前記無端状ベルトに接する固定ガイド体を設
    けたことを特徴とする無端状ベルト駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動ローラと、該駆動ローラの駆動
    軸とを一体に形成したことを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項記載の無端状ベルト駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記ベルト駆動手段を構成するモータ回
    転部と前記駆動ローラとに対して一体的にダイナミック
    バランスをとることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項記載の無端状ベルト駆動装置。
  6. 【請求項6】 無端状ベルトの一端部に設置されて該無
    端状ベルトを移動させるベルト駆動手段と、該ベルト駆
    動手段と反対側の前記無端状ベルトの他端部に設置され
    た従動ローラと、前記無端状ベルトの移動に伴い回転す
    るように該無端状ベルト上に直接あるいは間接に圧接さ
    れ、かつベルト移動方向に並設される複数の回転体とを
    備えた無端状ベルト駆動装置において、前記回転体間、
    あるいは前記ベルト移動駆動手段と回転体間、あるいは
    前記従動ローラと回転体間の少なくとも1箇所にテンシ
    ョンローラを設置したことを特徴とする無端状ベルト駆
    動装置。
  7. 【請求項7】 無端状ベルトの端部に設置されて該無端
    状ベルトを移動させるベルト駆動手段と、前記無端状ベ
    ルトの移動に伴い回転するように該無端状ベルト上に直
    接あるいは間接に圧接され、かつベルト移動方向に並設
    される少なくとも1つの回転体とを備えた無端状ベルト
    駆動装置において、前記無端状ベルトにおける前記回転
    体と接触する位置の両側にテンションローラを配設した
    ことを特徴とする無端状ベルト駆動装置。
  8. 【請求項8】 無端状の中間転写ベルトあるいは用紙搬
    送ベルトの端部に設置されて該無端状のベルトを移動さ
    せるベルト駆動手段と、前記無端状のベルトの移動に伴
    い回転するように該無端状のベルトの上に直接あるいは
    間接に圧接され、かつベルト移動方向に並設される少な
    くとも1つの感光体ドラムとを備えた画像形成装置にお
    いて、前記ベルト駆動手段を構成する駆動ローラあるい
    は前記感光体ドラムをアウターロータ型コアレスモータ
    によって直接駆動したことを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記アウターロータ型コアレスモータの
    発生トルクリップルが、画質品質に影響しない許容低域
    側トルクリップル空間周波数範囲のうち最大値近傍の空
    間周波数に設定したことを特徴とする請求項8記載の画
    像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記アウターロータ型コアレスモータ
    のアウターロータを前記駆動ローラと共用する構成にし
    たことを特徴とする請求項8または9記載の画像形成装
    置。
  11. 【請求項11】 前記アウターロータ型コアレスモータ
    のアウターロータと前記駆動ローラとを一体に形成した
    ことを特徴とする請求項8または9記載の画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】 前記アウターロータ型コアレスモータ
    を、各相のコイルに流す電流が空隙部磁界の磁束密度が
    略一定のときで、かつ各相のコイルに流す電流のタイミ
    ングが互いにほぼ重ならないようにして駆動することを
    特徴とする請求項8または9記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記アウターロータ型コアレスモータ
    のアウターロータにエンコーダ盤を設け、該エンコーダ
    盤に、回転制御などの信号を検出するための制御用タイ
    ミンング検出用マーク、あるいはアウターロータ型コア
    レスモータの各相のコイルに流す電流の相切替信号を検
    出するための相切替信号検出用マークの少なくとも1つ
    のマークを設けたことを特徴とする請求項8〜12のい
    ずれか1項記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記相切替信号検出用マークを、1回
    転ごとに1回出力するスタート信号を検出するマークと
    して共用したことを特徴とする請求項13記載の画像形
    成装置。
JP2000338116A 2000-11-06 2000-11-06 無端状ベルト駆動装置および画像形成装置 Pending JP2002139112A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000338116A JP2002139112A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 無端状ベルト駆動装置および画像形成装置
US09/985,741 US6914619B2 (en) 2000-11-06 2001-11-06 Device for driving an endless belt and image forming apparatus using the same
US11/135,280 US20050220491A1 (en) 2000-11-06 2005-05-24 Device for driving an endless belt and image forming apparatus using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000338116A JP2002139112A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 無端状ベルト駆動装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002139112A true JP2002139112A (ja) 2002-05-17

Family

ID=18813378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000338116A Pending JP2002139112A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 無端状ベルト駆動装置および画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (2) US6914619B2 (ja)
JP (1) JP2002139112A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1602985A1 (en) * 2004-06-01 2005-12-07 Ricoh Co., Ltd. Driving control of a belt apparatus in an image forming apparatus
JP2007153549A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Noritsu Koki Co Ltd 画像形成装置

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002139112A (ja) * 2000-11-06 2002-05-17 Ricoh Co Ltd 無端状ベルト駆動装置および画像形成装置
US6771919B2 (en) * 2001-07-18 2004-08-03 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus with reduced variation of rotation speed of image carrier
JP4354169B2 (ja) * 2002-10-11 2009-10-28 シャープ株式会社 ギア駆動系設計システム
DE102004007069A1 (de) * 2004-02-13 2005-08-25 Goss International Montataire S.A. Rotationselement einer Druckmaschine, mit einem Encoder
JP4541024B2 (ja) * 2004-04-26 2010-09-08 株式会社リコー 回転体駆動制御装置および画像形成装置
US7684740B2 (en) * 2005-05-30 2010-03-23 Ricoh Company, Ltd. Belt driving controller, belt rotating device, and image forming apparatus
US7907872B2 (en) * 2005-07-29 2011-03-15 Ricoh Company, Ltd. Imprinting apparatus and an image formation apparatus
DE102005045406B4 (de) * 2005-09-23 2007-09-27 Siempelkamp Maschinen- Und Anlagenbau Gmbh & Co. Kg Verwendung eines elektromotorischen Direktantriebes als Antrieb einer kontinuierlichen Presse
JP2007137535A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Ricoh Co Ltd ベルト駆動制御装置及びこれを備えた画像形成装置
JP4265655B2 (ja) * 2007-01-12 2009-05-20 セイコーエプソン株式会社 インクジェットプリンタ
US8488186B2 (en) * 2007-01-24 2013-07-16 Xerox Corporation Gradual charge pump technique for optimizing phase locked loop (PLL) function in sub-pixel generation for high speed laser printers switching between different speeds
JP5003420B2 (ja) * 2007-11-09 2012-08-15 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 画像形成装置
DE102010001734B3 (de) * 2010-02-10 2011-07-21 Siemens Aktiengesellschaft, 80333 Maschine mit Auswertung des Schwingungsspektrums eines Riemens der Maschine
US9044974B1 (en) 2014-02-18 2015-06-02 Xerox Corporation System and method for online web control in a tandem web printing system
CN113098339B (zh) * 2021-05-20 2022-12-20 神华准格尔能源有限责任公司 无编码永磁同步电机的带速启动方法、存储介质及电子设备

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5315322A (en) * 1990-02-21 1994-05-24 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus with anti-banding implementation
US5321477A (en) * 1991-04-12 1994-06-14 Hitachi, Ltd. Image forming apparatus capable of preventing the winding on the image carrier
US5499093A (en) * 1993-06-18 1996-03-12 Xeikon Nv Electrostatographic single-pass multiple station printer with register control
JPH07210839A (ja) * 1994-01-21 1995-08-11 Victor Co Of Japan Ltd モータ内蔵型回転ドラム装置
JP3307105B2 (ja) * 1994-10-12 2002-07-24 富士ゼロックス株式会社 カラー画像形成装置
JP3186610B2 (ja) * 1996-07-08 2001-07-11 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
JPH10260590A (ja) * 1997-03-18 1998-09-29 Fuji Xerox Co Ltd 無端ベルトの蛇行補正装置、および画像形成装置
US5998952A (en) * 1997-04-09 1999-12-07 Trw Inc. Method and apparatus for reducing torque ripple in an electric motor using anticasual filtering
JP2000227725A (ja) * 1999-02-05 2000-08-15 Konica Corp 画像形成装置
US6463247B1 (en) * 1999-06-15 2002-10-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Color image formation apparatus using plural photosensitive drums
US6507713B2 (en) 2000-03-27 2003-01-14 Ricoh Company, Ltd. Image-formation apparatus, controlling method thereof and image-formation method
JP2002139112A (ja) * 2000-11-06 2002-05-17 Ricoh Co Ltd 無端状ベルト駆動装置および画像形成装置
US6560434B2 (en) * 2001-01-18 2003-05-06 Lexmark International, Inc. Intermediate transfer member motion control via surface wheel feedback

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1602985A1 (en) * 2004-06-01 2005-12-07 Ricoh Co., Ltd. Driving control of a belt apparatus in an image forming apparatus
JP2007153549A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Noritsu Koki Co Ltd 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20050220491A1 (en) 2005-10-06
US6914619B2 (en) 2005-07-05
US20020085086A1 (en) 2002-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6771919B2 (en) Image forming apparatus with reduced variation of rotation speed of image carrier
US20050220491A1 (en) Device for driving an endless belt and image forming apparatus using the same
US6507713B2 (en) Image-formation apparatus, controlling method thereof and image-formation method
JP4866671B2 (ja) 画像形成装置
US8503910B2 (en) Drive device and image forming apparatus including same
US7343119B2 (en) Belt drive control method, belt-drive control device, and image forming apparatus
JP4980733B2 (ja) 画像形成装置
JP2009223083A (ja) 画像形成装置
JP2006227192A (ja) 画像形成装置
JPH11136974A (ja) アクチュエータの駆動方法、駆動装置および画像形成装置
JP2011232645A (ja) 画像形成装置
JP2003029483A (ja) 画像形成装置
US20200374416A1 (en) Image forming apparatus
JP5300455B2 (ja) 画像形成装置
JP4386401B2 (ja) 画像形成装置
JP4298390B2 (ja) 画像形成装置
JP5039433B2 (ja) 画像形成装置
JP5203823B2 (ja) 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体
JP2008070801A (ja) 画像形成装置
JP4632703B2 (ja) 画像形成装置
JP2001337561A (ja) 画像形成装置およびその制御方法
JP2000035700A (ja) 画像形成装置
JP2001249595A (ja) 画像形成装置および画像形成装置の回転制御方法
JPH02235071A (ja) 感光体ドラム駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080408

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080805