JP2002138324A - 金属含有活性炭素繊維の製造方法 - Google Patents

金属含有活性炭素繊維の製造方法

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Tatsuo Katayama
竜男 片山
Hiroshi Mamiya
広志 間宮
Michihiko Kojima
道彦 故島
Takeshi Maeda
武士 前田
Yukio Shimizu
幸夫 清水
Shigeji Mizutori
重司 水取
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた特性を有する金属含有活性炭素繊維を安
定して製造する方法を提供する。 【解決手段】ピッチを溶融紡糸して得られたピッチ繊維
を不融化処理及び賦活処理することにより活性炭素繊維
を製造する方法において、金属成分を含有するピッチ及
び金属成分を含有しないピッチを溶融押出機に供給する
ことによって、混合及び溶融紡糸することを特徴とする
金属含有活性炭素繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属含有活性炭素
繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】金属を含有させた活性炭素繊維の製造方法
としては、金属化合物溶液を活性炭素繊維に含浸させ
る、いわゆる添着法が古くから実施されている。添着法
は、活性炭素繊維のみならず、広く活性炭の能力を強化
するための手段として一定の成果をあげている。ところ
が、添着法で得られる活性炭素繊維においては、金属成
分の溶出又は物理的剥落という問題も指摘されている。
【0003】これに関し、本発明者は、すでに活性炭素
繊維の前駆体の調製時に所定量の金属を含有させる、い
わゆる練込法を開発している(特開平8−259957
号)。練込法では、添着法に比べて物理的剥落がより有
効に防止されているほか、金属の分散性においても飛躍
的な改良がなされており、その応用範囲が拡大しつつあ
る。
【0004】練込法により金属含有活性炭素繊維を製造
するに際し、活性炭素繊維の前駆体としてピッチ、ノボ
ラック樹脂(特開昭62−117822号)等を用いる
ことが知られている。とりわけ上記前駆体としてピッチ
を選択した場合、金属を低軟化点ピッチに混合した後、
減圧重合反応することにより活性炭素繊維前駆体(すな
わち、紡糸用高軟化点ピッチ)を製造する。減圧重合反
応の終了時点は反応生成物の軟化点で管理されているた
め、反応が早く終了する場合もあれば長くかかる場合も
ある。このため、活性炭素繊維前駆体によって金属含有
量が多くなったり、少なくなったりすることがある。こ
のような金属含有量の変化は、時として目的の活性炭素
繊維の物性にデメリットをもたらす。例えば、金属含有
量が少なくなれば、所望の物性を十分付与できなくな
る。また、含有される金属が活性炭素繊維の焼成時の活
性炭細孔の形成に関与する場合は、金属含有率の微妙な
変化が活性炭素繊維の細孔構造に大きな変化をもたらす
場合もある。
【0005】一方、金属を低軟化点ピッチに混合するに
は、有機金属錯体を溶媒に溶解した後、溶融ピッチに添
加する必要がある。使用された溶媒の大部分は減圧重合
反応中に除去されるが、幾分かは紡糸用高軟化点ピッチ
に残留する。この残留した溶媒は、紡糸及び熱処理工程
で揮発することによって、紡糸工程での繊維切れや活性
炭素繊維の繊維強度低下をひきおこす。また、紡糸用高
軟化点ピッチとして光学的等方性ピッチを製造する場
合、残留した溶媒を除去するために減圧時間を長くする
とピッチ中で光学的異方性組織が多量に生成し、紡糸性
の悪化をもたらすこともある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来技
術による製造方法では、所望の特性を有する活性炭素繊
維を安定して供給することが困難な状況にある。
【0007】従って、本発明の主な目的は、優れた特性
を有する金属含有活性炭素繊維を安定して製造する方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これら従来
技術の問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定工程を
有する製造方法により上記目的を達成できることを見出
し、ついに本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、ピッチを溶融紡糸し
て得られたピッチ繊維を不融化処理及び賦活処理するこ
とにより活性炭素繊維を製造する方法において、金属成
分を含有するピッチ及び金属成分を含有しないピッチを
溶融押出機に供給することによって、混合及び溶融紡糸
することを特徴とする金属含有活性炭素繊維の製造方法
に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の金属含有活性炭素繊維の
製造方法は、ピッチを溶融紡糸して得られたピッチ繊維
を不融化処理及び賦活処理することにより活性炭素繊維
を製造する方法において、金属成分を含有するピッチ
(金属含有ピッチ)及び金属成分を含有しないピッチ
(金属フリーピッチ)を溶融押出機に供給することによ
って、混合及び溶融紡糸することを特徴とする。
【0011】本発明で使用するピッチは特に限定され
ず、公知の活性炭素繊維の製造において使用されている
ものを使用することができる。従って、石油系、石炭
系、ナフタレン重合物等のいずれの材料から由来するピ
ッチも使用することができる。例えば、コールタール等
を原料として用い、公知の方法に従って減圧蒸留及び酸
素含有気体吹き込み処理して得られるピッチ等を使用す
ることができる。なお、本発明では、ピッチの光学的性
質が等方性及び異方性のいずれであっても良いが、紡糸
性の点から光学的等方性が好ましい。
【0012】本発明において、金属成分を含有しないピ
ッチとしては上記ピッチをそのまま使用することができ
る。また、本発明では、低軟化点ピッチ、高軟化点ピッ
チ等のいずれも使用できる。
【0013】一方、金属成分を含有するピッチとして
は、金属成分が均一に分散されているものであればいず
れも使用することができ、またその調製方法も限定され
ない。例えば、上記ピッチと金属化合物が溶解した溶液
とを混合したもの、コールタール等の前駆体に予め上記
溶液を混合し、この混合物から得られたピッチ等が使用
できる。金属成分を含有するピッチ中における金属成分
の含有量は、金属成分の種類等に応じて適宜設定すれば
良いが、通常は0.5〜10重量%程度、好ましくは
0.5〜4重量%とすれば良い。
【0014】上記の金属化合物としては、使用する溶媒
に対して可溶性のものであれば良く。金属の有機酸塩
(酢酸塩、シュウ酸塩等)、無機酸塩(硝酸塩、硫酸
塩、塩化物等)のほか、金属錯体(金属錯塩)、金属の
水酸化物等から用いる溶媒の種類等に応じて適宜選択す
れば良い。なお、本発明では、金属単体の使用を妨げる
ものではない。
【0015】金属成分の種類も限定的でなく、ピッチ中
に分散できる限り制限されず、最終製品の特性、使用目
的、用途等に応じて適宜選択することができる。例え
ば、抗菌性を付与する場合には銀、銅等の金属成分を採
用できる。また、有害ガス成分の分解機能を付与する場
合にはマンガン、銅、チタン等の金属成分を採用でき
る。活性炭素繊維の細孔構造を変化させる場合には、イ
ットリウム、イッテルビウム、ガドリニウム等の金属成
分を使用すれば良い。
【0016】本発明方法では、金属含有ピッチの軟化点
と、金属フリーピッチの軟化点との差が通常100℃以
下、特に10℃以下、さらには5℃以下とすることが好
ましい。このような組み合わせを採用することによっ
て、繊維切れ等をより確実に回避できるとともに、より
高強度の活性炭素繊維を製造することができる。
【0017】金属成分を含有するピッチ及び金属成分を
含有しないピッチを溶融押出機に供給することによっ
て、混合及び溶融紡糸する。
【0018】金属含有ピッチと金属フリーピッチとの配
合割合は限定的でなく、金属成分の種類、金属成分の含
有量等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は混合ピッ
チ中における金属含有ピッチの割合が通常1〜60重量
%程度、好ましくは5〜20重量%となるようにすれば
良い。
【0019】本発明で混合・溶融紡糸に用いる溶融押出
機は、ピッチを溶融する機能と混練する機能を兼ね備え
ているものであれば限定されず、公知のもの又は市販品
も使用することができる。市販品としては、例えば商品
名「TEM」シリーズ(東芝機械社製)、商品名「TE
X」シリーズ(日本製鋼所社製)等のような二軸タイプ
の溶融押出機を用いることができる。これら溶融押出機
は、少なくとも二種類のピッチを所望の比率で供給する
装置が備え付けられていることが好ましい。このような
装置も公知のもの又は市販品を使用できる。例えば、商
品名「STF」シリーズ(日本製鋼所社製)の重量制御
式フィーダーを溶融押出機に設置すれば良い。具体的に
は、溶融押出機に上記フィーダーを少なくとも2台設置
し、各フィーダーから金属含有ピッチと金属フリーピッ
チとを別々に供給し、溶融押出機で両ピッチを混合し、
溶融混練すれば良い。
【0020】続いて、得られた混合ピッチを溶融紡糸す
る。溶融紡糸方法は、公知の活性炭素繊維における溶融
紡糸方法に従って行えば良い。例えば、公知の紡糸装置
に混合ピッチを供給し、孔径0.01〜3mm程度の口
金から紡糸すれば良い。
【0021】紡糸後、得られたピッチ繊維は常法に従っ
て不融化処理及び賦活処理を行えば良い。不融化処理に
おいては、ピッチ繊維を酸化性雰囲気中、例えば空気中
で軟化温度以下の温度から昇温し、400℃までの温度
で必要時間保持すれば良い。賦活処理においては、不融
化処理された繊維を水蒸気、二酸化炭素、酸素、これら
の混合物、これらを不活性ガス(窒素ガス等)で希釈し
たガス等の雰囲気中800〜1200℃程度の温度で5
〜120分程度保持することにより行う。これによって
金属含有活性炭素繊維を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明では、金属成分を含有するピッチ
及び金属成分を含有しないピッチを溶融押出機で混合し
て溶融紡糸するので、繊維強度等の特性に優れた金属含
有活性炭素繊維を安定して製造することができる。ま
た、本発明の製造方法では、金属成分を含有するピッチ
のみから製造する場合に比べて、不融化の進行度が高め
られる結果(すなわち、不融化繊維の酸素捕捉量が高め
られる結果)、賦活収率を高めることができ、生産効率
の向上に貢献することができる。
【0023】さらに、本発明の製造方法によれば、金属
成分の含有量が一定した活性炭素繊維を安定して供給す
ることができる。
【0024】このように本発明の製造方法によって、金
属含有活性炭素繊維を低コストで量産することが可能と
なる。
【0025】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴とするところをより一層明確にする。但し、本発明の
範囲は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中における物性は、以下のようにして測定し
た値を示す。 (1)ピッチ軟化点 メトラー法により測定した。 (2)金属含有量 ICP発光分析法により測定した。 (3)比表面積 窒素吸着量からBET式で求めた。 (4)繊維強度 JIS−K−1477に準拠して測定した。 (5)細孔容積 窒素吸着量から求めた。 (6)光学的特性の確認 反射偏向顕微鏡により観察した。 (7)不融化繊維の酸素捕捉量 酸素直接定量式元素分析装置で測定した。 (8)賦活収率 賦活処理前後の繊維の重量比を算出することにより求め
た。
【0026】実施例1 水分及びキノリン不溶分を除去したコールタール110
0kgを窒素雰囲気下80℃に加熱し、そこに酢酸銀
(CH3COOAg)5.0kgをキノリン100リッ
トル及び酢酸50リットルの混合溶媒に加熱溶解した溶
液を徐々に滴下して5時間攪拌した。次に、これを減圧
蒸留し、さらに1000リットル/分の割合で空気を吹
き込みながら330℃で3時間反応することにより銀含
有ピッチを得た。得られたピッチの軟化点は278.4
℃、銀含有量は1.0重量%であり、光学的等方性組織
を有していた。
【0027】上記銀含有ピッチと軟化点280.0℃の
コールタールピッチとをそれぞれ重量式フィーダー(ケ
ートロン社製)を用いてそれぞれ毎分0.1kg及び
0.9kgの速度でTEM48型二軸溶融押出機(東芝
機械社製)に供給し、スクリュー回転数を毎分300
回、溶融温度320℃で溶融混合し、次いで孔径0.3
5mmの口金を通して紡糸することによりピッチ繊維を
製造した。ピッチ繊維1000kg当たりのピッチ合成
用溶媒の使用量及び紡糸時の繊維切れ頻度はそれぞれ2
7リットル及び3回であった。
【0028】得られたピッチ繊維を空気中常温から37
5℃まで2℃/分の割合で昇温し、375℃で15分保
持することにより不融化処理した後、さらに窒素雰囲気
下850℃で40分間飽和水蒸気に曝露して賦活処理を
行い、銀分散活性炭素繊維を得た。得られた銀分散活性
炭素繊維は、比表面積:1324m2/g、銀含有量:
0.21重量%及び繊維強度:2.17GPaであっ
た。
【0029】また、上記不融化処理後の不融化繊維の酸
素捕捉量は8.6%であり、上記賦活処理後の賦活収率
は48%であった。
【0030】実施例2 水分及びキノリン不溶分を除去したコールタール110
0kgを窒素雰囲気下80℃に加熱し、そこにトリスア
セチルアセトナトジアコイットリウム{Y(CH3CO
CHCOCH33・H2O}20kgをキノリン100
リットル及び酢酸50リットルの混合溶媒に加熱溶解し
た溶液を徐々に滴下して5時間攪拌した。次に、これを
減圧蒸留し、さらに1000リットル/分の割合で空気
を吹き込みながら330℃で3時間反応することにより
イットリウム含有ピッチを得た。得られたピッチの軟化
点は281.2℃、イットリウム含有量は1.5重量%
であり、光学的等方性組織を有していた。
【0031】上記イットリウム含有ピッチと軟化点28
0.0℃のコールタールピッチとをそれぞれSTF−4
5型フィーダー(日本製鋼所社製)を用いてそれぞれ毎
分0.2kg及び0.8kgの速度でTEX44型二軸
溶融押出機(日本製鋼所社製)に供給し、スクリュー回
転数を毎分400回、溶融温度320℃で溶融混合し、
次いで孔径0.35mmの口金を通して紡糸することに
よりピッチ繊維を製造した。ピッチ繊維1000kg当
たりのピッチ合成用溶媒の使用量及び紡糸時の繊維切れ
頻度はそれぞれ36リットル及び5回であった。
【0032】得られたピッチ繊維を実施例1と同様に不
融化処理及び賦活処理することによりイットリウム分散
活性炭素繊維を得た。得られたイットリウム分散活性炭
素繊維は、比表面積:1068m2/g、細孔容積:
0.63ml/g、イットリウム含有量:0.79重量
%及び繊維強度:1.82GPaであった。
【0033】また、上記不融化処理後の不融化繊維の酸
素捕捉量は8.4%であり、上記賦活処理後の賦活収率
は38%であった。
【0034】比較例1 酢酸銀の使用量を0.50kgとしたほかは実施例1と
同様にして銀含有ピッチを得た。得られたピッチの軟化
点は281.9℃、銀含有量は0.10重量%であり、
光学的等方性組織を有していた。
【0035】上記銀含有ピッチをAS−30型溶融押出
機(ナカタニ機械社製)で溶融し、次いで孔径0.35
mmの口金を通して紡糸することによりピッチ繊維を製
造した。ピッチ繊維1000kg当たりのピッチ合成用
溶媒の使用量及び紡糸時の繊維切れ頻度はそれぞれ27
2リットル及び52回であった。
【0036】得られたピッチ繊維を実施例1と同様に不
融化処理及び賦活処理することによって銀分散活性炭素
繊維を得た。得られた銀分散活性炭素繊維は、比表面
積:1489m2/g、銀含有量:0.22重量%及び
繊維強度:1.02GPaであった。
【0037】また、上記不融化処理後の不融化繊維の酸
素捕捉量は6.9%であり、上記賦活処理後の賦活収率
は46%であった。
【0038】比較例2 比較例1と同様にして銀含有ピッチを製造したところ、
銀含有量が0.07%と比較例1の場合と大きく異な
り、銀含有量にバラツキがあることが判明した。
【0039】上記銀含有ピッチを用いて比較例1と同様
にしてピッチ繊維を製造した。さらに、得られたピッチ
繊維を実施例1と同様に不融化処理及び賦活処理するこ
とにより銀分散活性炭素繊維を得た。得られた銀分散活
性炭素繊維は、比表面積:1437m2/g、銀含有
量:0.15重量%及び繊維強度:1.36GPaであ
った。
【0040】また、上記不融化処理後の不融化繊維の酸
素捕捉量は7.0%であり、上記賦活処理後の賦活収率
は46%であった。
【0041】比較例3 トリスアセチルアセトナトジアコイットリウムの使用量
を4kgとしたほかは実施例2と同様にしてイットリウ
ム含有ピッチを得た。得られたピッチの軟化点は28
0.9℃、イットリウム含有量は0.33重量%であ
り、光学的等方性組織を有していた。
【0042】上記イットリウム含有ピッチを比較例1と
同様にして溶融及び紡糸することによりピッチ繊維を製
造した。ピッチ繊維1000kg当たりのピッチ合成用
溶媒の使用量及び紡糸時の繊維切れ頻度はそれぞれ19
5リットル及び78回であった。
【0043】得られたピッチ繊維を実施例1と同様に不
融化処理及び賦活処理することによりイットリウム分散
活性炭素繊維を得た。得られたイットリウム分散活性炭
素繊維は、比表面積:1085m2/g、細孔容積:
0.65ml/g、イットリウム含有量:0.91重量
%及び繊維強度:1.24GPaであった。
【0044】また、上記不融化処理後の不融化繊維の酸
素捕捉量は7.5%であり、上記賦活処理後の賦活収率
は36%であった。
【0045】比較例4 比較例3と同様にしてイットリウム含有ピッチを製造し
たところ、イットリウム含有量が0.24%と比較例3
の場合と大きく異なり、イットリウム含有量にバラツキ
があることが判明した。
【0046】上記銀含有ピッチを用いて比較例1と同様
にしてピッチ繊維を製造した。さらに、得られたピッチ
繊維を実施例1と同様に不融化処理及び賦活処理するこ
とによりイットリウム分散活性炭素繊維を得た。得られ
たイットリウム分散活性炭素繊維は、比表面積:100
6m2/g、細孔容積:0.55ml/g、イットリウ
ム含有量:0.65重量%及び繊維強度:1.31GP
aであった。
【0047】また、上記不融化処理後の不融化繊維の酸
素捕捉量は7.7%であり、上記賦活処理後の賦活収率
は37%であった。
【0048】試験例1 実施例1、比較例1及び比較例2で得られた銀分散活性
炭素繊維0.1gをそれぞれ大腸菌(IFO3301)
約104/mlを含むリン酸緩衝液50mlに加え、2
5℃で振盪した後3時間経過後の生菌数を測定した。そ
の結果を表1に示す。なお、表1には、対照として銀分
散活性炭素繊維を加えないサンプルの結果も併記する。
【0049】
【表1】
【0050】試験例2 実施例2、比較例3及び比較例4で得られたイットリウ
ム分散活性炭素繊維0.5gをそれぞれカラムに充填
し、このカラムにクロロホルム60ppbを含む水を毎
分44mlの速度で流通させ、カラム出口のクロロホル
ム濃度を測定し、濃度が12ppbに到達するまでの時
間を測定した。その結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 故島 道彦 京都府宇治市宇治戸ノ内5番地 株式会社 アドール内 (72)発明者 前田 武士 京都府宇治市宇治戸ノ内5番地 株式会社 アドール内 (72)発明者 清水 幸夫 京都府宇治市宇治戸ノ内5番地 株式会社 アドール内 (72)発明者 水取 重司 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4L037 AT11 CS06 FA01 FA06 FA12 PA31 PP02 PP08 PS02 PS12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピッチを溶融紡糸して得られたピッチ繊維
    を不融化処理及び賦活処理することにより活性炭素繊維
    を製造する方法において、金属成分を含有するピッチ及
    び金属成分を含有しないピッチを溶融押出機に供給する
    ことによって、混合及び溶融紡糸することを特徴とする
    金属含有活性炭素繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】金属成分を含有するピッチの軟化点と、金
    属成分を含有しないピッチの軟化点との差が100℃以
    下である請求項1記載の製造方法。
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