JP2002138154A - 耐熱剛性の改良されたオレフィン系樹脂成形体の製造方法及び成形体 - Google Patents
耐熱剛性の改良されたオレフィン系樹脂成形体の製造方法及び成形体Info
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Abstract
ポリオレフィンの結晶化度、DSCによる融解ピーク温
度の改良を行うことにより、耐熱剛性の改良されたオレ
フィン系樹脂成形体を製造する方法、及び、それによっ
て得られた耐熱剛性の改良されたオレフィン系樹脂成形
体の提供 【解決手段】結晶性オレフィン系樹脂を溶融成形すると
共に溶融状態下に圧力が0.5MPa以上の二酸化炭素
と接触せしめた後、冷却することを特徴とする耐熱剛性
の改良されたオレフィン系樹脂成形体の製造方法。
Description
れたオレフィン系樹脂成形体の製造方法及ぴ成形体に関
する。さらに詳しくは結晶性が改良され耐熱剛性の優れ
たオレフィン系樹脂成形体の製造方法に関する。
優れると共に剛性に優れ、自動車部品、家電等の工業部
品や医療分野、日用雑貨等広く使用されている。
にわたる用途に使用される理由は、多様な高次構造から
発現される力学物性や機能性によるところが大きい。
用する産業界においては、成形体の大型化、高品質化が
追求されており、使用する樹脂材料についても性能の向
上が益々強く要請されるようになっている。
性能を向上するためには、ポリオレフィンの結晶状態に
着目してその状態を制御することが重要となる。例え
ば、結晶化度の向上によって剛性と融点が高くなり、そ
の結果、耐熱剛性を向上することができる。
フィンの製造時において使用する重合触媒、重合条件に
着目して、ポリマーの構造設計によって向上が図られて
きたが、今やその改良は難しい状況にある。
改良技術が要請されるに至っている。
リオレフィンの成形工程において、ポリオレフィンの結
晶化度、DSCによる融解ピーク温度の改良を行うこと
により、耐熱剛性の改良されたオレフィン系樹脂成形体
を製造する方法、及び、それによって得られた耐熱剛性
の改良されたオレフィン系樹脂成形体を提供するもので
ある。
達成するために鋭意研究した結果なされたもので、結晶
性オレフィン系樹脂を、溶融成形すると共に、溶融状態
下に圧力が0.5MPa以上の二酸化炭素と接触せしめ
た後、冷却することを特徴とする耐熱剛性の改良された
オレフィン系樹脂成形体の製造方法を提供するものであ
る。
が圧力を保持した二酸化炭素と接触した状態で成形体を
冷却固化し次いで除圧する上記の耐熱剛性の改良された
オレフィン系樹脂成形体の製造方法、結晶性オレフィン
系樹脂が二酸化炭素と接触した状態で溶融混練、賦形、
及び、冷却を行う上記の耐熱剛性の改良されたオレフィ
ン系樹脂成形体の製造方法、溶融状態下の結晶性オレフ
ィン系樹脂と接触される二酸化炭素が超臨界状態にある
上記の耐熱剛性の改良されたオレフィン系樹脂成形体の
製造方法、層状珪酸塩微粉末を含有する結晶性オレフィ
ン系樹脂を用いて二酸化炭素と接触処理を行う上記の耐
熱剛性の改良されたオレフィン系樹脂成形体の製造方
法、及び、二酸化炭素に代えて窒素を用いて行う上記の
耐熱剛性の改良されたオレフィン系樹脂成形体の製造方
法を提供するものである。
て得られたことを特徴とする耐熱剛性の改良されたオレ
フィン系樹脂成形体、オレフィン系樹脂成形体が下記成
分の1以上を含有する上記の耐熱剛性の改良されたオレ
フィン系樹脂成形体を提供するものである。
脂を溶融成形し、溶融状態下に圧力が0.5MPa以上
の二酸化炭素あるいは窒素と接触せしめた後冷却が行わ
れる。
としては、炭酸ガス、あるいは、窒素ガスを用いること
ができる。なお、本発明において処理ガス、炭酸ガス、
あるいは、窒素ガスの用語は、一般的なガス体の他、超
臨界状態のものも含む総称として使用される。
て、結晶化が可能な結晶性ポリオレフィンが使用され、
エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルペンテ
ン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の単独重合体、
もしくはそれらの共重合体、あるいはこれら重合体の混
合物を用いることができる。
いて、アクリル酸エステル、無水フタール酸等のビニル
化合物、不飽和カルボン酸若しくはその無水物を共重合
し、あるいは、これらで変性したものであってもよい。
中でも、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好まし
い。
た結晶化度が20%以上のものが好ましく、重量平均分
子量は10000以上のものが望ましい。
成形された成形体は、溶融状態にある間に二酸化炭素、
あるいは、窒素と接触処理が行われる。
われ、一般には、DSCで求めた融解曲線のピーク温度
以上、好ましくは、融解曲線が基線に戻った温度以上で
処理される。
処理ガス(炭酸ガス、窒素ガス)が超臨界状態にある条
件で行われる。従って、炭酸ガスを使用するときは、3
1℃以上の温度で7.4MPa以上の圧力とされ、ま
た、窒素ガスを用いるときは、−147℃以上の温度
で、3.3MPa以上の圧力とすることが望ましい。
オレフィン系樹脂が溶融状態にあるときに行われればよ
く、従って、成形体を成形した後で処理ガスと接触させ
てもよく、また、原料樹脂を溶融混練するときから共存
させて処理ガスの共存下に成形、冷却を行うこともでき
る。
もよく、押出成形、射出成形、圧縮成形等公知の方法で
溶融成形される。
押出成形においては、原料樹脂を押出機内で溶融混練す
る際に、押出機内に炭酸ガス、あるいは、窒素ガスを圧
入し、処理ガスが溶解した状態で高圧容器内に押出成形
して冷却固化することができる。また、サイジングダイ
等を押出ノズルの前面に装着して拘束下に冷却してもよ
い。射出成形、圧縮成形を行うときは、高圧容器内で成
形してもよく、また、成形金型に高圧の処理ガスを導入
するようにすることもできる。
スによって成形体が発泡することを防止するために、高
圧の処理ガスと接触した状態で冷却し、もはや発泡しな
くなった状態で処理ガスの除圧が行われるのが好まし
い。しかし、発泡体の成形を意図するときは冷却と除圧
を同時並行的に行ったり、冷却と共に拘束容積を拡大す
ることによって所定の発泡倍率の発泡体とすることもで
きる。
成分の1以上を含有させることができる。
合体、又は、スチレン系エラストマーが好ましく、エチ
レン・プロピレンラバー、エチレン・ブテンラバー、エ
チレン・オクテンラバー、エチレン・プロピレン・ジエ
ンラバー、スチレン・ブタジエンラバーもしくはその水
素化物(SEBS)、スチレン・イソプレンラバーもし
くはその水素化物(SEPS)等を挙げることができ
る。
は、ポリアミド、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリエス
テル、ポリカーボネート、アクリルニトリル・スチレン
共重合樹脂等を使用することができ、特に成形加工温度
が250℃以下のものが好ましい。
ガラス、モンモリロナイト、ベントナイト、チタン酸カ
リウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン等
を挙げることができる。
は下記成分d.を併用することが望ましい。
導体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
酸エステル、マレイン酸、フマール酸、無水マレイン酸
等を用いることができ、不飽和カルボン酸又はその誘導
体の含有量としては、0.01〜15重量%程度が一般
的である。
粉末を含有させることによって分子オーダーで混合した
複合体を得ることができる。
ず、人工合成物であってもよい。層状ケイ酸塩としては
粘土化合物を使用することができ、粘土化合物の具体例
としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店
(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩
が挙げられる。 (1)1:1が主要な構成層であるディッカイト、ナク
ライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサ
イト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソタイル、リ
ザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、 (2)2:1層が主要な構成層であるモンモリロナイ
ト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サ
ポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメク
タイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、
雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタ
パルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベン
トナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群等があ
る。
て他の成分を添加することができ、そのような成分とし
ては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、
滑剤、帯電防止剤、着色剤、導電剤、分散剤、印刷性付
与剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、発泡剤、加工助剤、
中和剤、重金属不活性剤、造核剤、防曇剤等を挙げるこ
とができる。
ることによって、ポリオレフィンの結晶化度が向上し、
耐熱剛性が改良される。例えば、ポリプロピレンフィル
ムを用いて実施した結果、そのDSC曲線を図1に示す
ように、0.5MPa、14MPaの炭酸ガスで処理さ
れた樹脂は、DSC曲線が高くなって面積が大きくなっ
ており、結晶化度が上昇していることが解る。また、D
SC曲線のピーク温度も高温側にシフトしており、秩序
性の高い結晶構造を有する厚い結晶ラメラが形成されて
いることを示唆している。
察すると、未処理品は、マルテーゼクロスが不明瞭で大
きな球晶が得られたのに対して、0.5MPaで処理し
たときは、光学異方性の強い小さな球晶が得られた。こ
の現象は、図2に示すように、未処理樹脂は、球晶の半
径方向に成長する親ラメラに子ラメラがほぼ垂直に成長
するクロスハッチ構造が形成されるのに対して、処理品
は、子ラメラの成長が抑制されてラメラ晶が球晶内部で
放射状に秩序正しく配列されると考えられる。
図3(a)に示すように、棒状の結晶高次構造となり、
処理時間を長くすると図3(b)に示すようにモザイク
状の結晶高次構造になると判断され、これらの棒状の高
次結晶、モザイク状の高次結晶は融点が非常に高いこと
が判明した。
理によって、ポリオレフィンの結晶化度、結晶構造が変
化し、耐熱性が改良され、あるいは、分子オーダーの分
散を可能とする理由は必ずしも明らかではないが、オレ
フィン系樹脂に処理ガスが溶解することによって、可塑
化効果が生じ、その結果、オレフィン系樹脂の分子が移
動し易くなり、その結果分子の配列に変化が生じること
によるものと推測される。
00℃でプレス成形し、厚さ約100μmのPPフィル
ムを作製した。これをオートクレーブ中に入れ炭酸ガス
または窒素ガスを注入した。
3と層状珪酸塩、無水マレイン酸変性ポリプロピレン及
び酸化防止剤を予め表1、表2に示す配合で二軸押出機
を用いて溶融混練したものを用いた。
示す時間経過後冷却した。なお、発泡倍率は冷却の際の
圧力制御により調節した。
ージし、オートクレーブを解放してサンプルを取り出し
た。
II)を用いて各温度での貯蔵弾性率を求めた。その結
果は表1、表2の通りであった。
チャート
図
Claims (9)
- 【請求項1】結晶性オレフィン系樹脂を、溶融成形する
と共に、溶融状態下に圧力が0.5MPa以上の二酸化
炭素と接触せしめた後、冷却することを特徴とする耐熱
剛性の改良されたオレフィン系樹脂成形体の製造方法。 - 【請求項2】結晶性オレフィン系樹脂が圧力を保持した
二酸化炭素と接触した状態で成形体を冷却固化し、次い
で除圧する請求項1記載の耐熱剛性の改良されたオレフ
ィン系樹脂成形体の製造方法。 - 【請求項3】結晶性オレフィン系樹脂が二酸化炭素と接
触した状態で溶融混練、賦形、及び、冷却を行う請求項
1又は2記載の耐熱剛性の改良されたオレフィン系樹脂
成形体の製造方法。 - 【請求項4】溶融状態下の結晶性オレフィン系樹脂と接
触される二酸化炭素が超臨界状態にある請求項1〜3い
ずれかに記載の耐熱剛性の改良されたオレフィン系樹脂
成形体の製造方法。 - 【請求項5】層状珪酸塩微粉末を含有する結晶性オレフ
ィン系樹脂を用いて二酸化炭素と接触処理を行う請求項
1〜4いずれかに記載の耐熱剛性の改良されたオレフィ
ン系樹脂成形体の製造方法。 - 【請求項6】二酸化炭素に代えて窒素を用いて行う請求
項1〜5いずれかに記載の耐熱剛性の改良されたオレフ
ィン系樹脂成形体の製造方法。 - 【請求項7】請求項1〜6いずれかに記載の方法によっ
て得られたことを特徴とする耐熱剛性の改良されたオレ
フィン系樹脂成形体。 - 【請求項8】オレフイン系樹脂成形体が下記成分の1以
上を含有する請求項7記載の耐熱剛性の改良されたオレ
フィン系樹脂成形体。 a.エラストマー 30重量%以下 b.オレフィン系樹脂とは異種の樹脂 50重量%以下 c.無機フィラー 50重量%以下 - 【請求項9】オレフィン系樹脂成形体が下記成分を含有
する請求項8記載の耐熱剛性の改良されたオレフィン系
樹脂成形体。 d.不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン 30重量%以下
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-
2000
- 2000-11-06 JP JP2000337322A patent/JP2002138154A/ja active Pending
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