JP2001146530A - 直鎖状ポリオレフィン発泡体およびその製造方法 - Google Patents

直鎖状ポリオレフィン発泡体およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡剤として二酸化炭素を用いた、自己潤滑
性、成形寸法安定性、耐熱性、耐吸水性、および剛性な
どの特性のバランスに優れた直鎖状ポリオレフィンから
なる発泡体及び該発泡体の製造方法を提供する。 【解決手段】 極限粘度[η]が10〜40dl/gで
ある超高分子量ポリオレフィン8〜40重量%と、極限
粘度[η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン92
〜60重量%からなり、結晶化度が45%以上、かつ、
極限粘度[η]が1〜15dl/gである直鎖状ポリオ
レフィンからなる直鎖状ポリオレフィン発泡体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直鎖状ポリオレフィ
ン発泡体およびその製造方法に関する。さらに詳細に
は、発泡剤として二酸化炭素を用いた、自己潤滑性、成
形寸法安定性、耐熱性、耐吸水性、および剛性などの特
性のバランスに優れた直鎖状ポリオレフィンからなる発
泡体及び該発泡体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超高分子量ポリオレフィン、例えば超高
分子量ポリエチレンは、ポリエチレンのような汎用樹脂
に比べて、分子間凝集力が弱く、分子構造が対称的であ
り、結晶化度が高いので摺動性に優れ、しかも耐衝撃
性、耐磨耗性、引張強度などに優れているため、摺動材
などとして用いることができる。しかしながら、この超
高分子量ポリオレフィンは、分子量が高いために成形体
を製造しにくく、汎用されているポリエチレンの成形に
一般に採用されている方法をそのまま利用することは困
難であることが多い。そこで、超高分子量ポリオレフィ
ンの優れた特性を損なうことなく、超高分子量ポリオレ
フィンに優れた成形性を付与すべく、種々の提案がなさ
れている。例えば、特開昭63−12606号公報に
は、極限粘度[η]が10〜40dl/gである超高分
子量ポリオレフィン15〜40重量%と極限粘度[η]
が0.1〜5dl/gであるポリオレフィン85〜60
重量%とからなる射出成形用ポリオレフィン組成物が開
示されている。
【0003】この射出成形用ポリオレフィン組成物は、
超高分子量ポリオレフィンが有する優れた機械的性質、
例えば耐衝撃性、耐磨耗性、耐薬品性、滑性、吸水性な
どを殆ど損なうことなく、しかも超高分子量ポリオレフ
ィンの大きな欠点である汎用の射出成形機を用いた場合
に発生する成形品の層状剥離の発生を伴うことなく射出
成形できるという特徴がある。優れた機械的性質を有す
ることから、OA機器、家電関係などの電気部品、特に
高弾性率であることを要求される薄物の部品用の材料と
して使用されている。しかしながらこれら部品の軽量化
や、電気的性質の改良等の高機能化のため、当該射出成
形用ポリオレフィン組成物からなる発泡体およびその製
造技術の開発が望まれている。
【0004】一方、熱可塑性樹脂発泡体を製造する方法
としては、化学発泡剤や物理発泡剤を用いる方法が知ら
れている。化学発泡法は、一般に原料樹脂と、成形温度
で分解してガスを発生する低分子量の有機発泡剤を混合
し、該発泡剤の分解温度以上に加熱することにより発泡
成形する方法である。この方法は、ガスの発生が分解温
度に対してシャープであり、分解温度も発泡助剤などを
添加することによって容易に調整できる上に、独立気泡
体を有する発泡体を得ることができる。しかしこれら発
泡体は、特殊な発泡剤を用いるためコストが高くなるこ
とに加えて、発泡体中に残存する発泡剤の分解残留物の
ために、発泡体の変色、臭気の発生、食品衛生上の問題
などを生じる。また、化学発泡剤が原因である成形機の
汚れおよびそれに伴う成形不良についても問題となって
いる。
【0005】これに対し、物理発泡法であるガス発泡法
は、成形機で樹脂を溶融したところに、ブタン、ペンタ
ン、ジクロロフロロメタンのような低沸点有機化合物を
供給し、混練した後、低圧域に放出することにより発泡
成形する方法である。この方法に用いられる低沸点有機
物は、樹脂に対して親和性があるため溶解性に優れ、ま
た保持性にも優れていることから、高発泡倍率発泡体を
得ることができるという特徴を持っている。しかしなが
らこれらの発泡剤は、コストが高いことに加え、可燃性
や毒性の危険性を有しており、大気汚染の問題を生じる
可燃性を持っている。また、ジクロロフロロメタンを始
めとするフロン系ガスは、オゾン層破壊の環境問題から
全廃の方向へ進んでいる。
【0006】このような従来の物理発泡法の問題点を解
決するために、クリーンでコストのかからない二酸化炭
素、窒素などの不活性ガスを発泡剤とする方法が数多く
提案されている。しかしながら、該不活性ガスは樹脂と
の親和性が低いことから、溶解性に乏しい。このため発
泡体は、気泡径が大きく外観が不良であるなどの問題が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は直鎖状ポリオ
レフィン発泡体およびその製造方法を提供することにあ
る。さらに詳細には、発泡剤として二酸化炭素を用い
た、自己潤滑性、成形寸法安定性、耐熱性、耐吸水性、
および剛性などの特性のバランスに優れた直鎖状ポリオ
レフィンからなる発泡体及び該発泡体の製造方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記直鎖
状ポリオレフィンからなる発泡体について鋭意研究を重
ねた結果、発泡剤を供給するラインを有する連続可塑化
装置(1)に、射出プランジャー(2)を有する射出装
置(3)を接続することで、熱可塑性樹脂と二酸化炭素
を充分に混練し、相溶状態にしたのち、急激な圧力低下
を起こして連続的にしかも短時間で製造できることを見
いだし本発明に到達した。即ち、本発明は以下の実施態
様を包含する。
【0009】(A) 極限粘度[η]が10〜40dl
/gである超高分子量ポリオレフィン8〜40重量%
と、極限粘度[η]が0.1〜5dl/gのポリオレフ
ィン92〜60重量%からな結晶化度が45%以上であ
り、かつ、極限粘度[η]が1〜15dl/gである直
鎖状ポリオレフィンからなる発泡体。
【0010】(B) (I)発泡剤を供給するラインを
有する連続可塑化装置(1)内で、100〜450℃で
直鎖状ポリオレフィン100重量部を溶融し、二酸化炭
素を直鎖状ポリオレフィン100重量部当たり0.1〜
30重量部添加し、直鎖状ポリオレフィンと二酸化炭素
の相溶状態の溶融樹脂組成物を形成するガス溶解工程、
(II)連続可塑化装置(1)内で、前記二酸化炭素の臨
界圧力以上の圧力を維持したまま該溶融樹脂組成物を5
0〜300℃の温度に下げる冷却工程、(III)連続可
塑化装置(1)に接続した射出プランジャー(2)を有
する射出装置(3)により、冷却した該溶融樹脂組成物
を計量し、金型(4)内に充填する計量射出工程、及
び、(IV)金型(4)内の圧力を前記二酸化炭素の前記
臨界圧力以下の圧力に低下することによりセル核を発生
させ、該セル径を制御する発泡制御工程からなることを
特徴とする(A)記載の直鎖状ポリオレフィン発泡体の
製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる直鎖状ポリオ
レフィンは、超高分子量ポリオレフィンとポリオレフィ
ンとからなっている。本発明において直鎖状ポリオレフ
ィンを構成する超高分子量ポリオレフィンおよびポリオ
レフィンは、ともにエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
デセン、1−ドデセン、4−メチルー1−1ペンテンお
よび3−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンの
単独重合体または共重合体である。これらのうち、超高
分子量ポリオレフィンおよびポリオレフィンとしては、
エチレンの単独重合体、および/またはエチレンと他の
α−オレフィンとの共重合体であって、エチレンを主成
分として構成される共重合体を使用することが好まし
い。
【0012】直鎖状ポリオレフィンを構成する超高分子
量ポリオレフィンは、135℃のデカリン溶媒中で測定
した極限粘度[η]が10〜40dl/g、好ましくは
25〜35dl/gの範囲内にあるポリオレフィンであ
る。極限粘度[η]が上記範囲内にある超高分子量ポリ
オレフィンを使用することにより、機械的性質および外
観に優れた射出成形体が得られる。また、このような超
高分子量ポリオレフィンとともに、極限粘度[η]が前
記範囲内にあるポリオレフィンを使用することにより、
直鎖状ポリオレフィンの射出成形性が向上する。
【0013】本発明において直鎖状ポリオレフィンは、
上記超高分子量ポリオレフィンと、ポリオレフィンとを
特定の割合で含有している。即ち、直鎖状ポリオレフィ
ンは、超高分子量ポリオレフィンを8〜40重量%、好
ましくは10〜30重量%の量で含有し、ポリオレフィ
ンとの配合割合を前記の範囲にすることにより、機械的
特性が良好な成形品を製造可能な組成物が得られる。
【0014】直鎖状ポリオレフィンは、実質的に超高分
子量ポリオレフィンと、ポリオレフィンとからなる。従
って、直鎖状ポリオレフィン中における超高分子量ポリ
オレフィンの含有率と、ポリオレフィンの含有率の和
は、通常100重量%になるが、これらに加えて、本発
明の目的を損ねない範囲であれば、通常ポリオレフィン
に添加される、例えば耐熱安定剤、耐光安定剤、架橋
剤、架橋助剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッ
キング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、フィラー、鉱物
油系軟化剤、石油樹脂、ワックスなどの添加剤を含有し
ていても良い。このように実質的に超高分子量ポリオレ
フィンとポリオレフィンとからなる直鎖状ポリオレフィ
ンは、X線回折法で測定される結晶化度が45%以上、
好ましくは55%以上、さらに好ましくは65%以上で
ある。
【0015】また、直鎖状ポリオレフィンの135℃の
デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]は、1〜15
dl/g、好ましくは2.5〜10dl/g、さらに好
ましくは3〜7dl/gの範囲内にある。直鎖状ポリオ
レフィンが、上記のような結晶化度を有することによ
り、成形体の動摩擦係数が小さくなるので自己潤滑性に
優れた成形体が得られる。
【0016】この直鎖状ポリオレフィンは、超高分子量
ポリオレフィンとポリオレフィンとを別々に重合し、次
いで両者を上記のような割合で混合することにより調整
することができる。また、特定の触媒の存在下に、オレ
フィンを多段階で重合させる方法により直接調製するこ
ともできる。多段階で重合させる方法については、特開
平2−289636号公報に記載の重合方法と同様な方
法で行うことができる。
【0017】本発明に発泡剤として用いられる二酸化炭
素は、直鎖状ポリオレフィン100重量部に対して、
0.1〜30重量部、さらに好ましくは0.2〜20重
量部であることが好ましい。発泡剤が0.1〜30重量
部では、十分な発泡倍率が得られる。
【0018】射出成形機内で樹脂組成物の溶融物中に発
泡剤を混合する方法としては、例えば気体状態の二酸化
炭素を直接あるいは加圧状態で注入する方法、液体状態
の二酸化炭素をプランジャーポンプ等で注入する方法等
があげられる。
【0019】なかでも例えば図1に示すように、液化二
酸化炭素ボンベ(1)から二酸化炭素を液体状態に維持
したまま定量ポンプ(2)に注入し、定量ポンプ(2)
の吐出圧力を二酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)〜4
0MPaの範囲内で一定圧力となるよう保圧弁(7)で制
御し吐出した後、二酸化炭素の臨界温度(31℃)以上
に昇温して超臨界二酸化炭素としてから、溶融した直鎖
状ポリオレフィンに添加する方法が好適に用いられる。
これら二酸化炭素は、溶融樹脂組成物中への溶解性、浸
透性、拡散性等の観点から、成形機内部で超臨界状態と
なっていることが好ましい。
【0020】また本発明では、熱分解により二酸化炭素
または窒素を発生する熱分解型発泡剤を発泡核剤として
併用することも可能であり、その例としてアゾジカルボ
ンアミド、N,N−ジニトロソペンタテトラミン、アゾ
ビスイソブチロニトリル、クエン酸、重曹等が挙げられ
る。
【0021】また本発明に用いる直鎖状ポリオレフィン
には、得られる発泡体の表面外観良好とするために、各
種添加剤の1種又はそれ以上を添加することが可能であ
る。これら添加剤としては通常の発泡成形で使用されて
いる公知のものが使用できるが、例えば脂肪族カルボン
酸およびその誘導体が好適に用いられる。
【0022】該脂肪族カルボン酸およびその誘導体とし
ては、脂肪族カルボン酸、酸無水物、アルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩等が挙げられる。脂肪族カルボン酸
としては、炭素数3〜30の脂肪族カルボン酸が好適で
あり、例えばラウリン酸、ステアリン酸、クロトン酸、
オレイン酸、マレイン酸、グルタル酸、モンタン酸等が
好適であり、樹脂中への分散性、溶解性、表面外観改良
の効果等の観点から、ステアリン酸、ステアリン酸誘導
体、モンタン酸およびモンタン酸の誘導体が好ましく、
さらにはステアリン酸のアルカリ金属塩およびアルカリ
土類金属塩、なかでもステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウムが特に好ましい。これら添加剤の添加量は、
直鎖状ポリオレフィン100重量部に対して0.01〜
10重量部、好ましくは0.05〜8重量部、さらに好
ましくは0.1〜5重量部の範囲にあることが好まし
い。添加剤の添加量が、0.01重量部以上では発泡体
の破泡を防止することが容易であり、また10重量部以
下では、樹脂が発泡時のガス圧に耐えるだけの粘度を保
持でき、破泡を生じないで、表面外観を良好にすること
ができる。
【0023】また本発明には直鎖状ポリオレフィンの添
加剤として、発泡核剤として作用する無機微粉末を使用
することが可能である。該無機微粉末としては、タル
ク、炭酸カルシウム、クレー、酸化マグネシウム、酸化
亜鉛、ガラスビーズ、ガラスパウダー、酸化チタン、カ
ーボンブラック、無水シリカ等があげられ、好ましくは
タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、無水シリカであ
り、特に好ましくはタルクであり、その粒径は50μm
以下である必要があり、好ましくは10μm以下、さら
に好ましくは5μm以下である。無機微粉末の粒径が5
0μm以下のものを使用すれば、発泡体の表面外観が良
好となる。無機微粉末を添加する場合の添加量は、直鎖
状ポリオレフィン100重量部に対して0.01〜40
重量部、好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ま
しくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.1〜
5重量部の範囲にあることが好ましい。無機微粉末の添
加量が0.01部以上、また40重量部以下では、発泡
体の表面外観が良好であるため好ましい。
【0024】直鎖状ポリオレフィンに、必要に応じて熱
分解型発泡剤、脂肪族カルボン酸およびその誘導体、無
機微粉末等を添加した、上記直鎖状ポリオレフィンに
は、本発明の特性を損なわない範囲において、例示した
無機微粉末、脂肪族カルボン酸およびその誘導体以外
に、各種エラストマー、スチレン系樹脂、(例えば、ポ
リスチレン、ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロ
ニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタ
ジエン・スチレン共重合体等)、ABS樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン樹脂、エチ
レン−エチルアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリカーボネート、ポリ
アセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアル
コール、ポリメチルメタクリレート、飽和ポリエステル
樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等)、生分解性ポリエステル樹脂
(例えば、ポリ乳酸のようなヒドロキシカルボン酸縮合
物、ポリブチレンサクシネートのようなジオールとジカ
ルボン酸の縮合物等)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、
液晶ポリマー等の1種または2種以上の混合物等の樹
脂、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグ
ネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ド
ロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バ
リウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、
ガラスフレーク、ガラスビーズ、珪酸カルシウム、モン
モリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニ
ウム粉、硫化モリブデン等の充填材、過酸化物、硫黄、
プロセスオイル、付着防止剤、可塑剤、顔料、安定剤、
金属粉等を目的、用途に応じ適宜使用することが可能で
ある。
【0025】本発明の直鎖状ポリオレフィン発泡体の原
料となる直鎖状ポリオレフィンの製造方法については特
に制限はなく、通常公知の方法を採用することができ
る。例えば、前記直鎖状ポリオレフィンおよび必要によ
り添加する前記添加剤等を、高速撹拌機等で均一混合し
た後、十分な混練能力のある一軸あるいは多軸の押出
機、混合ロール、ニーダー、ブラベンダー等で溶融混練
する方法等で製造できる。また前記直鎖状ポリオレフィ
ンおよび必要により添加する前記添加剤等を、均一に混
合した状態で使用することも差し支えない。
【0026】図1の装置および方法を用いた本発明の直
鎖状ポリオレフィン発泡体の製造方法について説明す
る。発泡剤を供給するラインを有する連続可塑化装置
(1)に、開閉バルブ(8)を介して射出プランジャー
(2)を有する射出装置(3)を接続した。この連続可
塑化装置(1)に直鎖状ポリオレフィンを移送し、加熱
溶融しながら超臨界状態の二酸化炭素を導入し、相溶状
態の溶融樹脂組成物を形成する。
【0027】この後該溶融樹脂組成物は、射出プランジ
ャー(2)を有する射出装置(3)へと移送される。移
送された後、開閉バルブ(8)を閉じることで、連続可
塑化装置(1)と射出装置(3)は互いに独立した状態
となる。連続可塑化装置(1)は、射出装置(3)が計
量射出を行っている間も停止することなく、連続的に溶
融樹脂組成物を形成する。なおこの間は射出装置(3)
に計量しないため、連続可塑化装置(1)内の圧力は上
昇するが、圧力の上昇によって溶融樹脂組成物の相溶状
態が壊れることはないので、ガス溶解工程、冷却工程を
継続することに問題はない。しかしながら連続可塑化装
置(1)の耐圧能力に問題が生じる場合には、開閉バル
ブ(8)の作動で溶融樹脂組成物を系外に排出できる装
置としておくことも、本発明の主旨を逸脱しない。
【0028】一方射出装置(3)は計量終了後射出を行
うが、通常の射出成形機においては計量終了後背圧が一
旦切れてしまうが、本発明においては、計量開始から射
出終了まで発泡剤の臨界圧力以上の背圧を常にかけた状
態に維持する。このため、連続可塑化装置(1)で形成
された溶融樹脂組成物は、発泡剤と樹脂が相分離する事
無く金型(4)内へ射出される。金型(4)内では、溶
融樹脂組成物を射出したのちに金型(4)内に充填した
高圧ガスの脱ガスおよび/または金型(4)コアの一部
あるいは全部を後退することで発泡制御工程を行う。
【0029】また本発明の実施態様の一つを図2に示
す。発泡剤を供給するラインを有する連続可塑化装置
(1)と、射出プランジャー(2)を有する射出装置
(3)の間に、開閉バルブ(8)を介して射出装置
(3)と接続される該連続可塑化装置(1)の流出路に
接続された、混合部を有するアダプター(9)を設ける
ことは、溶融した直鎖状ポリオレフィンと二酸化炭素の
混合をさらに進行させ、直鎖状ポリオレフィンと二酸化
炭素の相溶状態の形成が容易になること、および該アダ
プター(9)の温度制御により溶融樹脂組成物を、この
後の射出、発泡に適した粘度になるよう冷却することが
容易となる。この混合部を有するアダプター(9)につ
いては特に制限は無いが、樹脂の混練および冷却を行う
ことからスタティックミキサーを内蔵するアダプター
(9)が好適に用いられる。
【0030】また本発明の実施態様の一つを図3に示
す。射出プランジャー(2)を有する射出装置(3)の
前に、開閉バルブ(8)を介して射出装置(3)と接続
される、プランジャーを有する樹脂アキュームレータ装
置(11)を設けることで、計量終了後、該開閉バルブ
(8)が閉に切り替わり、該射出プランジャー(2)に
よって、金型(4)内への射出を行う間、連続可塑化装
置(1)から送られてくる溶融樹脂組成物は、該開閉バ
ルブ(8)直前に備えられている樹脂アキュームレータ
装置(11)へと送られ、該溶融樹脂組成物の流入によ
って、樹脂アキュームレータプランジャー(10)が後
退するという該樹脂アキュームレータ装置(11)の制
御により、装置系内を所定圧力に維持することが容易と
なるため、溶融樹脂組成物の相溶状態の維持が容易とな
り発泡体のセル径を微細にすることが容易となるため好
ましい。
【0031】また本発明の実施態様の一つを図4に示
す。さらに同様にプランジャーを有する樹脂アキューム
レータ装置(11)に代えてもう一台の射出プランジャ
ー(2)を有する射出装置(3)を設けることも可能で
あり、装置系内を所定圧力に維持することが容易となる
ため、溶融樹脂組成物の相溶状態の維持が容易となるた
め好ましい。
【0032】本発明における熱可塑性樹脂組成物および
二酸化炭素の相溶状態を形成するガス溶解工程とは、図
1に示した直鎖状ポリオレフィン発泡体の製造方法の例
においては、連続可塑化装置(1)内で樹脂組成物を加
熱溶融したのち、該溶融樹脂組成物中に超臨界状態の二
酸化炭素を添加し、均一に混合する工程であり、冷却工
程とは、溶融状態にある樹脂組成物を冷却し、射出、発
泡に適した粘度になる様調整する工程である。
【0033】該ガス溶解工程および冷却工程は、図2に
示した直鎖状ポリオレフィン発泡体の製造方法の例にお
いては、連続可塑化装置(1)およびアダプター(9)
で行う。また図3に示したポリオレフィン系発泡体の製
造方法の例においては、連続可塑化装置(1)、アダプ
ター(9)および樹脂アキュームレータ装置(11)で
行う。
【0034】計量射出工程とは、射出、発泡に適した粘
度になる様、温度制御された溶融樹脂組成物を射出装置
(3)に計量し、該射出プランジャー(2)で射出を行
う工程であり、発泡制御工程とは、金型(4)内に射出
された樹脂組成物を加圧下より圧力低下させ、セルを発
生させかつ発泡倍率を制御する工程である。
【0035】これらのうち少なくとも、ガス溶解工程お
よび冷却工程は、特開平8−11190号公報記載の方
法に準じ、以下の様に行う。直鎖状ポリオレフィンを、
ホッパー(12)より連続可塑化装置(1)中に供給
し、100〜450℃に加熱溶融させる。また二酸化炭
素は、液化二酸化炭素ボンベ(5)より定量ポンプ
(6)に輸送され、そこで昇圧され、圧力制御された二
酸化炭素を連続可塑化装置(1)内の溶融した直鎖状ポ
リオレフィン中に供給する。このとき、連続可塑化装置
(1)内に存在する二酸化炭素が、直鎖状ポリオレフィ
ンに対する溶解拡散を大幅に高め、短時間で直鎖状ポリ
オレフィン中に浸透することを可能とするため、系内を
該二酸化炭素の臨界圧力以上および臨界温度以上に維持
する。 また、連続可塑化装置(1)内に供給された二
酸化炭素は、昇温昇圧され超臨界状態となるか、あるい
は連続可塑化装置(1)に供給される以前に昇温昇圧さ
れ、超臨界状態となってから供給されても良い。
【0036】連続可塑化装置(1)内で溶融した直鎖状
ポリオレフィンと二酸化炭素とがスクリュウ(13)に
より混練され、直鎖状ポリオレフィンと二酸化炭素の相
溶状態を形成させる。相溶後冷却工程において、連続可
塑化装置(1)先端の温度制御で、溶融樹脂組成物を5
0〜300℃好ましくは80〜280℃で且つ溶融樹脂
組成物の可塑化温度以上に冷却し、この後の射出、発泡
に適した粘度になるよう調整する。
【0037】本発明を図により以下に説明する。図1〜
4において、(1)は連続可塑化装置、(2)は射出プ
ランジャー、(3)は射出装置、(4)は金型、(5)
は液化二酸化炭素ボンベ、(6)は定量ポンプ、(7)
は保圧弁、(8)は開閉バルブ、(9)はアダプター、
(10)は樹脂アキュームレータプランジャー、(1
1)は樹脂アキュームレータ装置、(12)はホッパ
ー、(13)はスクリュウ、(14)はガスボンベ、
(15)は圧力制御バルブ、(16)は開閉バルブであ
る。
【0038】図1において、ガス溶解工程において、直
鎖状ポリオレフィン100重量部を、ホッパー(12)
より連続可塑化装置(1)中に供給し、加熱溶融させ
る。また、二酸化炭素は、液化二酸化炭素ボンベ(5)
より定量ポンプ(6)に輸送され、そこで昇圧され、圧
力制御された二酸化炭素0.1〜30重量部が連続可塑
化装置(1)内の溶融した直鎖状ポリオレフィン中に供
給され、ガス溶解工程を行う。このとき、連続可塑化装
置(1)内に存在する二酸化炭素が、直鎖状ポリオレフ
ィンに対する溶解拡散を大幅に高め、短時間で直鎖状ポ
リオレフィン中に浸透することを可能とするため、系内
は該二酸化炭素の臨界圧力以上および臨界温度以上に維
持されていることが好ましい。二酸化炭素の場合、臨界
圧力は75.3kg/cm2、臨界温度は31.35℃であ
り、連続可塑化装置(1)内は、圧力が75〜400kg
/cm2、好ましくは100〜300kg/cm2の範囲、温度は
100〜450℃、好ましくは110〜280℃の範囲
が好ましい。
【0039】また、連続可塑化装置(1)内に供給され
た二酸化炭素は、昇温昇圧され超臨界状態となるか、あ
るいは連続可塑化装置(1)に供給される以前に昇温昇
圧され、超臨界状態となってから供給されても構わな
い。連続可塑化装置(1)内で溶融樹脂組成物と二酸化
炭素とがスクリュウ(13)により混練され、直鎖状ポ
リオレフィンと二酸化炭素の相溶状態を形成させる。相
溶後冷却工程において、連続可塑化装置(1)先端の温
度制御で、溶融樹脂組成物を50〜300℃好ましくは
80〜280℃で且つ溶融樹脂組成物の可塑化温度以上
に冷却し、この後の射出、発泡に適した粘度になるよう
調整する。
【0040】射出、発泡に適した粘度になる様に温度制
御された溶融樹脂組成物は、計量射出工程において、開
閉バルブ(8)を介して接続された射出プランジャー
(2)を有する射出装置(3)へと送られる。該開閉バ
ルブ(8)が開にあるとき、溶融樹脂組成物の射出装置
(3)中への流入で、該射出プランジャー(2)の後退
することによって計量される。通常の射出成形装置にお
いては、計量終了後に直ちに背圧は停止するが本発明で
は、この時該射出装置(3)内で溶融樹脂組成物が発泡
しないよう、射出終了後まで背圧をかけ系内圧力を制御
し続ける必要がある。
【0041】計量終了後、該開閉バルブ(8)が閉に切
り替わり、溶融樹脂組成物は該射出プランジャー(2)
によって、金型(4)内への射出を行う。計量後射出を
行う前に該射出プランジャー(2)をサックバックさせ
ることで、射出装置(3)内の圧力をわずかに低下させ
ることでセル核の生成を誘発する方法も好適に用いられ
る。
【0042】該開閉バルブ(8)が閉に切り替わり、溶
融樹脂組成物は該射出プランジャー(2)によって、金
型(4)内への射出を行う間、連続可塑化装置(1)は
射出工程とは独立して樹脂組成物の溶融、および二酸化
炭素の供給混練を行うため、直鎖状ポリオレフィンと二
酸化炭素の定量的な混合溶解を継続することが可能なた
め、常に連続可塑化装置(1)内を発泡剤の臨界圧力以
上に維持することができ、計量射出工程終了後、開閉バ
ルブ(8)が開に切り替わると、直ちに連続可塑化装置
(1)より射出装置(3)へ冷却された溶融樹脂組成物
が送られ、計量工程が開始される。
【0043】射出される直前の金型(4)内には、ガス
ボンベ(14)あるいは昇圧ポンプより圧力制御バルブ
(15)を介して供給される高圧ガスを所定の圧力で充
填しておく。例えば、高圧ガスとして窒素を使用する場
合、発泡剤として使用する二酸化炭素の臨界圧力以上の
圧力であることが好ましい。
【0044】発泡制御工程において、該高圧ガスを充填
させた金型(4)内に直鎖状ポリオレフィンと二酸化炭
素の相溶状態を形成した溶融樹脂組成物を射出する。射
出後、金型(4)内に充填した高圧ガスを急速に抜くこ
とにより、金型(4)内に急激な圧力低下を生じさせ
る。該工程により、直鎖状ポリオレフィンに含浸してい
るガスは、過飽和状態となり、多数のセル核が生じる。
また金型(4)内で急激な圧力低下を生じさせる方法と
して、金型(4)内に直鎖状ポリオレフィンと二酸化炭
素の相溶状態を形成した溶融樹脂組成物を射出したの
ち、コアの一部または全部を後退させ、金型(4)内の
容量を急激に増し、金型(4)内に急激な圧力低下を生
じさせる方法も好適に用いられる。これら発泡を制御す
る方法はそれぞれ単独であっても十分な発泡制御効果が
得られるが、2つの方法を併用することには何ら支障は
ない。
【0045】図2に示すように、発泡剤を供給するライ
ンを有する連続可塑化装置(1)と、射出プランジャー
(2)を有する射出装置(3)の間に、開閉バルブ
(8)を介して射出装置(3)と接続される該連続可塑
化装置(1)の流出路に接続された、混合部を有するア
ダプター(9)を設けることは、溶融した直鎖状ポリオ
レフィンと二酸化炭素の混合をさらに進行させ、直鎖状
ポリオレフィンと二酸化炭素の相溶状態の形成が容易に
なること、および該アダプター(9)の温度制御により
溶融樹脂組成物を、この後の射出、発泡に適した粘度に
なるよう冷却することが容易となり、ガス溶解工程およ
び冷却工程が容易に行えることから好ましい。この混合
部を有するアダプター(9)については特に制限は無い
が、樹脂の混練および冷却を行うことからスタティック
ミキサーを内蔵するアダプター(9)が好適に用いられ
る。
【0046】また図3に示すように、射出プランジャー
(2)を有する射出装置(3)の前に、開閉バルブ
(8)を介して射出装置(3)と接続される、プランジ
ャーを有する樹脂アキュームレータ装置(11)を設け
ることは、計量終了後、該開閉バルブ(8)が閉に切り
替わり、該射出プランジャー(2)によって、金型
(4)内への射出を行う間、連続可塑化装置(1)から
送られてくる溶融樹脂組成物は、該開閉バルブ(8)直
前に備えられている樹脂アキュームレータ装置(11)
へと送られ、該溶融樹脂組成物の流入によって、樹脂ア
キュームレータ装置(11)のプランジャーが後退する
という該樹脂アキュームレータ装置(11)の制御によ
り、装置系内を所定圧力に維持することが容易となるた
め、溶融樹脂組成物の相溶状態の維持が容易となるため
好ましい。
【0047】また図4に示すように、プランジャーを有
する樹脂アキュームレータ装置(11)に代えてもう一
台の射出プランジャー(2)を有する射出装置(3)を
設けることも、装置系内を所定圧力に維持することが容
易となるため、溶融樹脂組成物の相溶状態の維持が容易
となるため好ましい。
【0048】本発明の方法では、発泡剤である二酸化炭
素を連続可塑化装置(1)中の溶融した直鎖状ポリオレ
フィンに供給、十分に混練たのち、開閉バルブ(8)を
介して射出プランジャー(2)を有する射出装置(3)
に計量し射出成形することから、射出中においても該開
閉バルブ(8)が閉に切り替わり連続可塑化装置(1)
は射出工程とは独立して樹脂の溶融および、二酸化炭素
の供給混練を行うことが可能であるため、系内の圧力調
整が容易であるため、連続的にしかも短時間のうちに直
鎖状ポリオレフィン発泡体の製造が可能になる。以下実
施例にて本発明を説明するが、本発明の内容はこれに限
定されるものではない。
【0049】図1は、連続可塑化装置、射出装置、金型
の断面図の一例である。図2は、連続可塑化装置、アダ
プター、射出装置、金型の断面図の一例である。図3
は、連続可塑化装置、アダプター、樹脂アキュームレー
タ装置、射出装置、金型の断面図の一例である。図4は
本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法を示す一例であ
る。
【0050】
【実施例】なお、実施例および比較例に記した物性評価
は次の方法にしたがって実施した。 1)表面外観 発泡体の表面が目視観察で一様で均一な場合を○、水膨
れ状の膨れがある等○以外の場合を×とした。 2)発泡倍率 直鎖状ポリオレフィン発泡体(n=3)の密度を、電子
密度計により測定した。測定値より原料である直鎖状ポ
リオレフィンの密度に対する割合を算出し、小数点以下
第2位を四捨五入した値を発泡倍率とした。 3)発泡体厚み 直鎖状ポリオレフィン発泡体(n=3)の四隅の厚みを
ノギスで測定し、その平均値をサンプルの厚みとした。
【0051】実施例1 本実施例には、図1に示した装置を使用し、60×60
×0.3(厚み)mmの大きさのシートが成形出来る金
型(4)を取り付けた。極限粘度[η]が21dl/gの
超高分子量ポリエチレン25重量%と、極限粘度が1.
5dl/gの低分子量ポリエチレン75重量%からなる
直鎖状ポリエチレンのペレット100重量部をホッパー
(12)より口径30mm、L/D=30のスクリュウ
(13)を持つ連続可塑化装置(1)中に供給し、26
0℃で加熱溶融し、定量ポンプ(6)により二酸化炭素
10重量部を、該樹脂が完全に溶融したところに供給し
た。連続可塑化装置(1)中で二酸化炭素と溶融樹脂を
混練溶解させ、溶融樹脂組成物の樹脂温度を徐々に24
0℃まで冷却し、240℃に設定した射出装置(3)へ
計量後、80℃に設定した金型(4)内に射出した。こ
のとき、射出される直前の金型(4)内には、窒素ガス
を80kg/cm2の圧力下で充填させておいた。射出
終了後、厚み0.6mm、発泡倍率が2倍程度の発泡体
を得るために、金型(4)内に充填させた窒素ガスを1
秒間で抜き、さらに金型(4)のコアを0.3mm後退
させることで、直鎖状ポリオレフィン発泡体(厚み0.
6mm)を得た。発泡体の評価の結果を表1に示す。表
面外観が良好で、所望の厚み、発泡倍率の発泡体であっ
た。
【0052】実施例2 実施例1において、厚み0.9mm、発泡倍率が3倍程
度の発泡体を得るために、金型(4)の後退量を0.6
mmとした以外は実施例1に従い、直鎖状ポリオレフィ
ン発泡体(厚み0.9mm)を得た。発泡体の評価の結
果を表1に示す。表面外観が良好で、所望の厚み、発泡
倍率の発泡体であった。
【0053】比較例1 実施例1において、二酸化炭素の添加量を0.05重量
部とした以外は実施例1に従い発泡体の製造を試みた。
厚さ0.6mm、発泡倍率2倍の発泡体とするために、
溶融樹脂組成物を金型(4)内に射出後、コアを0.3
mm後退させたが、得られた成形体には殆ど気泡がな
く、本発明で意図する発泡体は製造不可能であった。
【0054】比較例2 実施例1において、二酸化炭素の添加量を40重量部と
した以外は実施例1に従い発泡体の製造を試みた。厚さ
0.6mm、発泡倍率2倍の発泡体とするために、溶融
樹脂組成物を金型(4)内に射出後、コアを0.3mm
後退させたが、得られた発泡体は、表面に水脹れ状の膨
れがあり、また厚みも一定ではなく、本発明で意図する
発泡体は製造不可能であった。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】自己潤滑性、成形寸法安定性、耐熱性、
耐吸水性、および剛性などの特性のバランスに優れた直
鎖状ポリオレフィンからなる発泡体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直鎖状ポリオレフィン発泡体の製造方
法の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の直鎖状ポリオレフィン発泡体の製造方
法の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の直鎖状ポリオレフィン発泡体の製造方
法の一例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の直鎖状ポリオレフィン発泡体の製造方
法の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
(1) 連続可塑化装置 (2) 射出プランジャー (3) 射出装置 (4) 金型 (5) ガスボンベ (6) 昇圧ポンプ (7) 保圧弁 (8) 開閉バルブ (9) アダプター (10)樹脂アキュームレータプランジャー (11)樹脂アキュームレータ装置 (12)ホッパー (13)スクリュウ (14)ガスボンベ (15)圧力制御バルブ (16)開閉バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA16 AA17 AB01 AB05 BA32 CB53 CC32X CC32Y CC34X CC34Y DA02 DA59 4J002 BB021 BB051 BB121 BB161 BB171 DE016 FD010 FD320 FD326 GQ00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極限粘度[η]が10〜40dl/gで
    ある超高分子量ポリオレフィン8〜40重量%と、極限
    粘度[η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン92
    〜60重量%からなる結晶化度が45%以上であり、か
    つ、極限粘度[η]が1〜15dl/gである直鎖状ポ
    リオレフィンからなる発泡体。
  2. 【請求項2】 (I)発泡剤を供給するラインを有する
    連続可塑化装置(1)内で、100〜450℃で直鎖状
    ポリオレフィン100重量部を溶融し、二酸化炭素を直
    鎖状ポリオレフィン100重量部当たり0.1〜30重
    量部添加し、直鎖状ポリオレフィンと二酸化炭素の相溶
    状態の溶融樹脂組成物を形成するガス溶解工程、(II)
    連続可塑化装置(1)内で、前記二酸化炭素の臨界圧力
    以上の圧力を維持したまま該溶融樹脂組成物を50〜3
    00℃の温度に下げる冷却工程、(III)連続可塑化装
    置(1)に接続した射出プランジャー(2)を有する射
    出装置(3)により、冷却した該溶融樹脂組成物を計量
    し、金型(4)内に充填する計量射出工程、及び、(I
    V)金型(4)内の圧力を前記二酸化炭素の前記臨界圧
    力以下の圧力に低下することによりセル核を発生させ、
    該セル径を制御する発泡制御工程からなることを特徴と
    する請求項1記載の直鎖状ポリオレフィン発泡体の製造
    方法。
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