JPH1024436A - 熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法

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JPH1024436A
JPH1024436A JP8180760A JP18076096A JPH1024436A JP H1024436 A JPH1024436 A JP H1024436A JP 8180760 A JP8180760 A JP 8180760A JP 18076096 A JP18076096 A JP 18076096A JP H1024436 A JPH1024436 A JP H1024436A
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resin
thermoplastic resin
foam
inert gas
weight
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JP8180760A
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Inventor
Kaoru Yoda
馨 依田
Hideo Amamiya
英夫 雨宮
Kozo Ichikawa
功三 市川
Shigeo Nishikawa
茂雄 西川
Haruo Inoue
晴夫 井上
Kiminobu Sueda
公宣 末田
Masao Eriguchi
真男 江里口
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 美麗な表面外観と優れた機械的強度を有する
微細で均一な気泡を有する熱可塑性樹脂発泡体を効率的
製造方法の提供。 【解決手段】 スチレン系樹脂50から99重量部、ポ
リプロピレン樹脂1から50重量部からなる樹脂組成物
を使用し、発泡剤を供給するラインを有する連続可塑化
装置において、溶融した熱可塑性樹脂に発泡剤である超
臨界状態の不活性ガスを、熱可塑性樹脂に対して0.1
から30重量部を添加し、熱可塑性樹脂と不活性ガスの
完全相溶状態を形成するガス溶解工程、および溶融樹脂
の温度を下げる冷却工程を行い、射出プランジャーを有
する射出装置において計量射出工程を行い、さらには金
型内において、急激な圧力低下により多数の気泡核を発
生させ、該気泡径を制御する発泡制御工程を行い、かつ
少なくとも計量射出工程までは、不活性ガスを超臨界状
態に維持することからなる、微細で均一な気泡を有する
熱可塑性樹脂発泡体およびその製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡剤として不活
性ガスを用いた微細で均一な気泡を有する熱可塑性樹脂
の発泡成形体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂発泡体は、化学発泡剤や物
理的発泡剤を用いて製造する方法が知られている。化学
発泡法は、一般に原料ペレットと、成形温度で分解して
ガスを発生する低分子量の有機発泡剤を混合し、該発泡
剤の分解温度以上に加熱することにより発泡成形する方
法である。この方法は、ガスの発生が分解温度に対して
シャープであり、分解温度も発泡助剤等を添加すること
によって容易に調製できる上に、微細な独立気泡を有す
る発泡体を得ることができる。しかし、これらの発泡体
は、コストが高いことに加えて、発泡体中に残存する発
泡剤の分解残留物のために、発泡体の変色、臭気の発
生、食品衛生上の問題などを生じる。また、化学発泡剤
が原因である成形機の汚れおよびそれに伴う成形不良に
ついても問題となっている。
【0003】これに対し、物理的発泡法であるガス発泡
法は、成形機で樹脂を溶融したところに、ブタン、ペン
タン、ジクロロジフロロメタンのような低沸点有機化合
物を供給し、混練した後、低圧域に放出することにより
発泡成形する方法である。この方法に用いられる低沸点
有機化合物は、樹脂に対して親和性があるため溶解性に
優れ、また、保持性にも優れていることから、高倍率発
泡体を得ることができるという特徴を持っている。しか
しながら、これらの発泡剤は、コストが高いことに加
え、可燃性や毒性等の危険性を有しており、大気汚染の
問題を生じる可能性を持っている。また、ジクロロジフ
ロロメタンをはじめとするフロン系ガスはオゾン層破壊
の環境問題から全廃の方向へ進んでいる。
【0004】このような従来法の問題点を解決する為
に、クリーンでコストがかからない炭酸ガス、窒素等の
不活性ガスを発泡剤とする方法が数多く提案されてい
る。しかしながら、不活性ガスは樹脂との親和性が低い
ことから、溶解性に乏しい。このため発泡体は、気泡径
が大きく、不均一で、気泡密度が小さいため、外観性、
機械的強度、断熱性、発泡倍率の点に問題があった。
【0005】またストラクチュラルフォームを成形する
ための発泡射出成形においてもこれまで種々の手法が提
案されている。これらの手法により得られる発泡体は、
表面のスキン層と中間のコア層からなるサンドイッチ構
造を形成するため、同重量樹脂の比較では通常の射出成
形品よりも3ないし4倍の剛性が得られるなど優れた機
械的強度を示す。しかしながら、これらの手法において
製造される発泡体の気泡径は50から100μmと大き
く、不均一である問題があった。
【0006】これらの問題を解決する技術として、米国
特許4473665号公報には、2〜25μmの径を有
する微細な気泡を均一に分散させた発泡成形体を得るた
めの製造方法が記載されている。この方法では、まず、
加圧下で、不活性ガスを熱可塑性樹脂製シート中に飽和
するまで含浸させる。その後、熱可塑性樹脂のガラス転
移温度まで熱してから、減圧を行い、樹脂に含浸してい
るガスを過飽和状態にして、気泡核を生成し、急冷する
ことによって、気泡の成長を制御する。または、予め、
加圧下で不活性ガスを飽和させた熱可塑性樹脂を加熱溶
融して加圧下で賦形したのち、冷却減圧し気泡核を生
成、冷却して気泡径を制御する方法を用いた押出成形お
よび射出成形による製造方法が例示されている。以上の
方法によって、微細で多数の気泡を有する発泡体を得る
ことができるが、不活性ガスは、樹脂との親和性が低い
ことから、樹脂中にガスを完全に含浸させるのに十数時
間を要してしまい、工業的に実施するのは実質的に不可
能である。
【0007】米国特許5158986号公報には、発泡
剤として超臨界流体を用い、これを熱可塑性樹脂に含浸
させることにより、極めて微細な気泡径と大きな気泡密
度を有する発泡体を得る技術が記載されている。超臨界
流体は、液体に近い優れた溶解性と、気体に近い優れた
拡散性を有するため樹脂への溶解性が高く、また樹脂中
での拡散速度も大きいことから、短時間で発泡剤を樹脂
中に含浸させることが可能となる。この方法では、熱可
塑性樹脂を押出機によりシート化し、超臨界状態の二酸
化炭素で満たされた加圧室に導入し、該シート中に二酸
化炭素を含浸した後、大気圧下の発泡室においてヒータ
ーで加熱し発泡させ、発泡体を得る方法と、押出機で樹
脂を溶融したところへ超臨界状態の二酸化炭素を含浸さ
せ、シート状に押し出した成形体を加圧室に導入し、そ
の圧力変化により気泡核を生成し、加熱冷却により、気
泡径、気泡密度を制御し、発泡体を得る方法が提案され
ている。
【0008】しかしながら、いずれの方法も大規模な高
圧設備が必要であり、莫大な設備コストを要し、作業効
率も悪く、工業化するのは困難である。また前者の方法
は、シート状の成形体に直接含浸させるため、二酸化炭
素を成形体に完全に浸透させるには長時間を有し、後者
の方法は、溶融樹脂中に含浸させるため、前者の方法よ
りは二酸化炭素の浸透速度は速いが、押出機一台の混練
だけで、二酸化炭素の完全相溶化と多数の気泡核の生成
を行うことは難しく、微細で多数の気泡を有する発泡体
を得ることは困難であった。
【0009】本発明者らは、特開平8−11190号公
報において、第1押出機とこれに繋がる混合部を有する
アダプターにより、溶融した熱可塑性樹脂に発泡剤であ
る不活性ガスを含浸させ、熱可塑性樹脂と不活性ガスの
完全相溶状態を形成するガス溶解工程と、第2押出機に
より、加圧状態を維持したまま、溶融樹脂の温度を下げ
る冷却工程と、急激な圧力低下により多数の気泡核を発
生させる核発生工程と、気泡径を制御する発泡制御工程
からなることを特徴とする微細で多数の気泡を均一に有
する熱可塑性樹脂発泡体の製造方法を提案した。
【0010】この製造方法では、米国特許447366
5号公報や米国特許5158986号公報に記載の製造
方法では実質上極めて困難な発泡体の製造を、連続的に
行うことが可能である。しかしながら本発明者らのさら
なる研究において、当該製造方法は押出加工品の生産速
度を上げると、外観不良が発生する傾向にあることが確
認されてきた。
【0011】また米国特許5158986号公報には、
射出成形機シリンダー内で樹脂を溶融し超臨界の二酸化
炭素を含浸させたのち、均一に分散したところで急激に
加熱して気泡核を生成し、発泡を制御するために高圧ガ
スの充填された金型内に、溶融樹脂を射出することで発
泡体を得る方法が提案されている。
【0012】しかしながらこの方法においては射出成形
機のみで、樹脂溶融、二酸化炭素混練、射出を行うた
め、また射出の際には樹脂の計量が停止するために、二
酸化炭素供給の定量性を確保するのが困難である点、さ
らに射出後計量を開始する直前に、スクリュウが一旦わ
ずかに後退するため、系内圧力が低下し制御しがたい点
に問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、美麗な表面
外観と優れた機械的強度を有する微細で均一な気泡を有
する熱可塑性樹脂発泡体と、該熱可塑性樹脂発泡体を効
率良く、製造する方法を提供するためになされたもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、美麗な表
面外観と優れた機械的強度を有する微細で均一な気泡を
有する熱可塑性樹脂発泡体について鋭意研究を重ねた結
果、スチレン系樹脂とポリプロピレン樹脂の混合物を超
臨界状態の不活性ガスを発泡剤として発泡することで上
記目的を達成することを見いだし本発明に到達した。
【0015】本発明は以下の発明から構成される。即
ち、本発明は(1)スチレン系樹脂50から99重量
部、ポリプロピレン樹脂1から50重量部からなる樹脂
組成物を使用し、発泡剤を供給するラインを有する連続
可塑化装置において、溶融した熱可塑性樹脂に発泡剤で
ある超臨界状態の不活性ガスを、熱可塑性樹脂に対して
0.1から30重量部を添加し、熱可塑性樹脂と不活性
ガスの完全相溶状態を形成するガス溶解工程、および溶
融樹脂の温度を下げる冷却工程を行い、射出プランジャ
ーを有する射出装置において計量射出工程を行い、さら
には金型内において、急激な圧力低下により多数の気泡
核を発生させ、該気泡径を制御する発泡制御工程を行
い、かつ少なくとも計量射出工程までは、不活性ガスを
超臨界状態に維持することからなること工程によって得
られることを特徴とする微細で均一な気泡を有する熱可
塑性樹脂発泡体。
【0016】また本発明は、(2)スチレン系樹脂50
から99重量部、ポリプロピレン樹脂1から50重量部
からなる樹脂組成物を使用し、発泡剤を供給するライン
を有する連続可塑化装置において、溶融した熱可塑性樹
脂に発泡剤である超臨界状態の不活性ガスを、熱可塑性
樹脂に対して0.1から30重量部を添加し、熱可塑性
樹脂と不活性ガスの完全相溶状態を形成するガス溶解工
程、および溶融樹脂の温度を下げる冷却工程を行い、射
出プランジャーを有する射出装置において計量射出工程
を行い、さらには金型内において、急激な圧力低下によ
り多数の気泡核を発生させ、該気泡径を制御する発泡制
御工程を行い、かつ少なくとも計量射出工程までは、不
活性ガスを超臨界状態に維持することを特徴とする微細
で均一な気泡を有する熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
【0017】また本発明は、(3)発泡制御工程を、樹
脂を射出したのちに金型内に充填した高圧ガスを抜くこ
とで行い、微細で均一な気泡を有する熱可塑性樹脂発泡
体の上記記載の製造方法。
【0018】また本発明は(4)発泡制御工程を、樹脂
を射出したのちに金型コアの一部あるいは全部を後退さ
せることで行い、微細で均一な気泡を有する熱可塑性樹
脂発泡体の上記記載の製造方法。
【0019】上記発明によって気泡の平均径が約0.0
1〜20μmであり、気泡密度が108〜1016個/cm3
である微細で均一な気泡を有する熱可塑性樹脂発泡体を
効率的に製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明で用いるスチレン系樹脂と
しては、スチレン系単量体からなる単独重合体あるいは
所望により他の単量体との共重合体が含まれ、一般に市
場で容易に入手できるものが使用でき、その製造方法は
文献に多く記載されている。スチレン系単量体としては
スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレンの
ような側鎖アルキル置換スチレン、ビニルトルエン、p
−メチルスチレンのような該アルキル置換スチレン、モ
ノクロルスチレン、ジクロルスチレン、トリブロモスチ
レン、テトラブロムスチレン等のハロゲン化スチレン等
が挙げられ、特に好ましくはスチレン及びα−メチルス
チレンである。かかるスチレン系単量体の少なくとも一
種が用いられる。
【0021】また所望に応じてアクリロニトリル、メタ
アクリロニトリル、フマロニトリル等のアクリロニトリ
ル系単量体、マレイミド、N−フェニルマレイミド等の
マレイミド系単量体、アクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル等のアクリル酸エステル系単量体、マレイン酸、
無水マレイン酸等のマレイン酸系単量体等も前記スチレ
ン系単量体と共重合させてもよい。
【0022】また、前記スチレン系樹脂はゴム質重合体
の存在下に重合させることでゴムがグラフトされたグラ
フト重合体とすることも可能であり、ゴム質重合体とし
ては、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体、ブタジエン−アクリル酸エステル共重合体
等が挙げられる。
【0023】スチレン系樹脂は塊状重合法、懸濁重合
法、乳化重合法等の公知の方法によって得られる。
【0024】本発明に使用されるスチレン系樹脂には特
に制限はないが、JIS K7210に定められたメル
トフローインデックスが0.05から60、好ましくは
0.1から40、さらに好ましくは0.2から20の範
囲にあることが好ましい。メルトフローインデックスが
0.05未満においては、溶融時の樹脂粘度が高すぎ、
射出成形機の負荷が過大となって、加工が困難となる傾
向がある。また60を超える場合においては、樹脂が発
泡時のガス圧に耐えるだけの粘度を保持できず、破泡を
生じ微小なセルを生成することが不可能となる。
【0025】スチレン系樹脂として、メルトフローイン
デックスが10から60のものを使用した際には、高倍
率の製品を得易い。またメルトフローインデックスが
0.05から10のものを使用した際には、冷却固化が
速いため冷却時間の短縮が可能となり、生産性向上の効
果が生じる。
【0026】本発明に用いられるポリプロピレン樹脂
は、アイソタクチックホモポリプロピレン樹脂、アイソ
タクチックエチレン−プロピレンブロック共重合体、結
晶性アイソタクチックエチレン−プロピレンランダム共
重合体であり、一般に市場で容易に入手できるものが使
用できる。
【0027】シンジオタクチックポリプロピレン樹脂も
また好適に用いられる。本発明においてシンジオタクチ
ックポリプロピレン樹脂は、例えば特開平2−4130
3号公報、特開平2−41305号公報、特開平2−2
74703号公報、特開平2−274704号公報、特
開平3−179005号、特開平3−179006号公
報、特開平4−69394号公報に記載されているよう
な互いに非対称な配位子を有する架橋型遷移金属化合物
および助触媒からなるような触媒で製造でき、また異な
る構造の触媒であってもシンジオタクチックペンタッド
分率が0.7以上のポリプロピレン樹脂を製造できるも
のであれば利用でる。その重合方法としてはスラリー重
合法、塊状重合法、気相重合法等公知のいずれをも利用
できる。本発明において用いられるシンジオタクチック
ポリプロピレン樹脂は実質的にシンジオタクチック構造
を有している限り、コモノマーとの共重合体であっても
差し支えない。ここでコモノマーとは、例えばエチレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ヘキ
サデセン、シクロペンテン、ノルボルネン等のオレフィ
ン類や、ヘキサジエン、オクタジエン、デカジエン、ジ
シクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ンなどのジエン類をいう。そのような共重合体は、前記
のシンジオタクチシティの良好なポリ−α−オレフィン
を与える公知の触媒の存在下にプロピレンとコモノマー
を共重合することによって得ることができる。コモノマ
ーの量は、好ましくは20重量%以下、特に好ましくは
15重量%以下である。
【0028】本発明で使用されるシンジオタクチックポ
リプロピレン樹脂のシンジオタクチックペンタッド分率
は好ましくは0.7以上、特に好ましくは0.85以上
である。また、共重合体の場合は0.5以上が好まし
い。
【0029】またアイソタクチックホモポリプロピレン
樹脂、アイソタクチックエチレン−プロピレンブロック
共重合体、結晶性アイソタクチックエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体、シンジオタクチックポリプロピレ
ン樹脂等を混合して使用することは差し支えない。
【0030】本発明に使用されるポリプロピレン樹脂に
は特に制限はないが、JIS K7210に定められた
メルトフローインデックスが0.05から60、好まし
くは0.1から40、さらに好ましくは0.2から20
の範囲にあることが好ましい。メルトフローインデック
スが0.05未満においては、溶融時の樹脂粘度が高す
ぎ、射出成形機の負荷が過大となって、加工が困難とな
る傾向がある。また60を超える場合においては、樹脂が
発泡時のガス圧に耐えるだけの粘度を保持できず、破泡
を生じ微小なセルを生成することが不可能となる。
【0031】ポリプロピレン樹脂として、メルトフロー
インデックスが10から60のものを使用した際には、
発泡体表面のプロピレン樹脂の濃度が高くなり易いた
め、良外観発泡体を得易く、またメルトフローインデッ
クスが0.05から10のものを使用した際には、冷却
固化が速いため二次発泡等による表面外観不良を防止し
やすいため冷却時間の短縮が可能となり成形サイクルが
短縮でき、生産性向上の効果が生じる。
【0032】本発明の熱可塑性樹脂発泡体の原料とな
る、熱可塑性樹脂組成物において、スチレン系樹脂とポ
リプロピレン樹脂の割合は両者の混合物100重量部
中、生産性向上の観点からは、スチレン系樹脂は、50
から99重量部、好ましくは60から98重量部、さら
に好ましくは70から97重量部であることが好まし
い。生産性向上の観点からは、ポリプロピレン樹脂は、
1から50重量部、好ましくは2から40重量部、さら
に好ましくは3から30重量部であることが好ましい。
また発泡体の剛性の観点からは3から20重量部が好ま
しく、柔軟性付与の為には、35から48重量部が好ま
しい。
【0033】スチレン系樹脂が50重量部以上、ポリプ
ロピレン樹脂50重量部以下において、微細な気泡径が
得られる。
【0034】スチレン系樹脂が98重量部以上、ポリプ
ロピレン樹脂2重量部以下においては、美麗な表面外観
は得難い。
【0035】本発明には熱可塑性樹脂組成物の添加剤と
して発泡核剤として無機微粉末を使用することが可能だ
が、無機微粉末としては、タルク、炭酸カルシウム、ク
レー、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ガラスビーズ、ガ
ラスパウダー、酸化チタン、カーボンブラック、無水シ
リカ等があげられ、好ましくはタルク、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、無水シリカであり、特に好ましくはタ
ルクであり、その粒径は50μm以下である必要があ
り、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm
以下である。
【0036】無機微粉末の粒径が50μmを超える場合
は、発泡体の気泡径が著しく大きくなり、機械的物性の
低下を生じるため好ましくない。
【0037】無機微粉末を添加する場合の添加量は、
0.01から40重量部、好ましくは0.05から20
重量部さらに好ましくは0.05から10重量部の範囲
にあることが好ましい。
【0038】また本発明には熱可塑性樹脂の添加剤とし
て、発泡核剤または外観を改良する滑剤として脂肪族カ
ルボン酸またはその誘導体が使用可能だが、炭素数が3
から20のものが好適であり、例えばラウリン酸、ステ
アリン酸、クロトン酸、オレイン酸、マレイン酸、グル
タル酸等およびこれら脂肪族カルボン酸誘導体として、
無水物、アルカリ土類金属塩等があげられる。なかでも
樹脂中への分散性、溶解性等の観点から、ステアリン酸
およびステアリン酸誘導体が好ましく、なかでもステア
リン酸亜鉛が特に好ましい。
【0039】脂肪族カルボン酸またはその誘導体を添加
する場合の添加量は、0.01から20重量部、好まし
くは0.05から10重量部さらに好ましくは0.1か
ら5重量部の範囲にあることが好ましい。
【0040】上記樹脂組成物には、本発明の特性を損な
わない範囲において、組成物中に例示した無機微粉末、
脂肪族カルボン酸およびその誘導体以外にエチレン−プ
ロピレンゴム、エチレン−ブテンゴム、プロピレン−ブ
テンゴム、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体の
水素添加物、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロ
ック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレンジブ
ロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−
スチレントリブロック共重合体の水素添加物、低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リブテン等の各種エラストマー、可塑剤、顔料、安定
剤、充填剤、金属粉等を目的、用途に応じ適宜使用する
ことが可能である。
【0041】本発明の熱可塑性樹脂発泡体の原料となる
熱可塑性樹脂組成物の製造方法については特に制限はな
く、通常公知の方法を採用することができる。すなわ
ち、スチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂を高速攪拌機
等で均一混合した後、十分な混練能力のある一軸あるい
は多軸の押出機、混合ロール、ニーダー、ブラベンダー
等で溶融混練する方法等で製造できる。またスチレン系
樹脂とポリプロピレン樹脂を均一混合した状態で使用す
ることも差し支えない。
【0042】本発明に発泡剤として用いられる不活性ガ
スとしては、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム等
が挙げられるがこれらに限定されない。また、これら単
独でも2種以上の混合物でも使用できる。これらのガス
の中でも、安全性、熱可塑性樹脂への浸透性の点から考
慮して、二酸化炭素および窒素が好ましく、二酸化炭素
が特に好ましい。
【0043】また不活性ガスの量は、スチレン系樹脂と
ポリプロピレン樹脂の混合物100重量部に対して、
0.1から30重量部、さらに好ましくは0.2から2
0重量部であることが好ましい。
【0044】不活性ガスが0.1重量部以下では微細な
気泡径は得られず、また30重量部以上においては発泡
体表面に水膨れ状の外観不良が生じ、美麗な表面外観は
得難い。
【0045】射出成形機内で樹脂組成物の溶融物中に不
活性ガスを混合する方法としては、例えば気体状態の不
活性ガスを直接あるいは加圧または減圧した状態で注入
する方法、液体状態の不活性ガスをプランジャーポンプ
等で注入する方法等があげられる。
【0046】これら不活性ガスは、溶融樹脂中への溶解
性、浸透性、拡散性等の観点から、成形機内部で超臨界
状態となっている必要がある。
【0047】本発明における熱可塑性樹脂と不活性ガス
の完全相溶状態を形成するガス溶解工程とは、連続可塑
化装置内で樹脂を加熱溶融したのち、該溶融樹脂中に超
臨界状態の不活性ガスを添加し、均一に混合する工程で
あり、冷却工程とは、溶融状態にある樹脂を冷却し、射
出、発泡に適した粘度になる様調整する工程である。
【0048】計量射出工程とは、射出、発泡に適した粘
度になる様、温度制御された樹脂を射出プランジャーに
計量し、該射出プランジャーで射出を行う工程であり、
発泡制御工程とは、金型内に射出された樹脂を加圧下よ
り圧力低下させ、気泡核を発生させかつ気泡径の大きさ
を制御する工程である。これらのうち少なくとも、ガス
溶解工程および冷却工程は、特開平8−11190号公
報記載の方法に準じて行う。
【0049】本発明の一例を説明する。ガス溶解工程に
おいてスチレン系樹脂およびポリプロピレン樹脂からな
る熱可塑性樹脂の組成物あるいは混合物を、ホッパーよ
り連続可塑化装置中に供給し、加熱溶融させる。また、
不活性ガスは、ガスボンベより昇圧ポンプに輸送され、
そこで昇圧され、圧力制御された不活性ガスは連続可塑
化装置内の溶融樹脂中に供給され、ガス溶解工程を行
う。。このとき、連続可塑化装置内に存在する不活性ガ
スが、樹脂に対する溶解拡散を大幅に高め、短時間で樹
脂中に浸透することを可能とするため系内は該不活性ガ
スの臨界圧力以上および臨界温度以上に維持されている
必要がある。例えば、二酸化炭素の場合、臨界圧力は7
5.3kg/cm2、臨界温度は31.35℃であり、
連続可塑化装置内は、圧力が75〜400kg/c
2、さらには100〜300kg/cm2の範囲が、温
度は100〜400℃、さらには110〜280℃の範
囲が好ましい。また、連続可塑化装置内に供給する不活
性ガスが、すでに超臨界状態であっても構わない。
【0050】連続可塑化装置内で溶融樹脂と不活性ガス
とがスクリュウにより混練され、熱可塑性樹脂と不活性
ガスの完全相溶状態を形成させる。完全相溶後冷却工程
において、連続可塑化装置先端の温度制御で、溶融状態
にある樹脂を100〜200℃好ましくは110から1
80℃に冷却し、この後の射出、発泡に適した粘度にな
るよう調整する。
【0051】射出、発泡に適した粘度になる様に温度制
御された溶融樹脂は、計量射出工程において、開閉バル
ブを介して接続された射出プランジャーを有する射出装
置へと送られる。該開閉バルブが開にあるとき、溶融樹
脂の流入で、該射出プランジャーの後退することによっ
て計量される。この時該射出プランジャー内で溶融樹脂
が発泡しないよう、背圧をかけ系内圧力を制御する必要
がある。このときの背圧は、不活性ガスの臨界圧力以上
である必要がある。
【0052】計量終了後、該開閉バルブが閉に切り替わ
り、該射出プランジャーによって、金型内への射出を行
う。計量後射出を行う前に該射出プランジャーをサック
バックさせることで、射出装置内の圧力をわずかに低下
させることで気泡核の生成を誘発する方法も好適に用い
られる。
【0053】該開閉バルブが閉に切り替わり、該射出プ
ランジャーによって、金型内への射出を行う間、連続可
塑化装置は射出工程とは独立して樹脂の溶融、および二
酸化炭素の供給混練を行うことが可能であるため、系内
の圧力調整が容易である。
【0054】なお微細で均一な気泡を有する発泡体を製
造するためには、少なくともガス溶解工程、冷却工程、
計量射出工程において、不活性ガスは超臨界状態である
必要がある。
【0055】射出される直前の金型内には、ガスボンベ
あるいは昇圧ポンプより圧力制御バルブを介して供給さ
れる高圧ガスを所定の圧力下で充填しておく。例えば、
高圧ガスとして窒素を使用する場合、その圧力は5〜1
50kg/cm2好ましくは10〜100kg/cm2
範囲が好ましい。発泡制御工程において、該高圧ガスを
充填させた金型内に熱可塑性樹脂と不活性ガスの相溶状
態を形成した溶融樹脂を射出する。射出後、金型内に充
填した高圧ガスを急速に抜くことにより、金型内に急激
な圧力低下を生じさせる。該工程により、樹脂に含浸し
ているガスは、過飽和状態となり、多数の気泡核が生じ
る。気泡径は、金型温度、金型内圧力、および圧力低下
速度により、制御することが可能である。
【0056】また金型内急激な圧力低下を生じさせる方
法として、金型内に熱可塑性樹脂と不活性ガスの相溶状
態を形成した溶融樹脂を射出したのち、コアの一部また
は全部を後退させ、金型内の容量を急激に増し、金型内
に急激な圧力低下を生じさせる方法も好適に用いられ
る。
【0057】これら発泡を制御する方法はそれぞれ単独
であっても十分な発泡制御効果が得られるが、2つの方
法を併用することには何ら支障はない。
【0058】なお本発明により美麗な表面外観と優れた
機械的強度を有する微細で均一な気泡を有する熱可塑性
樹脂発泡体が得られるのは、以下の理由によるものと推
定される。
【0059】スチレン系樹脂およびポリプロピレン樹脂
の混合物を溶融したところに不活性ガスを添加し、均一
に混合された樹脂組成物は、プランジャーから射出され
る際に、せん断により射出成形品の厚み方向にスチレン
系樹脂とポリプロピレン樹脂の濃度勾配を生じる。この
とき外部はポリプロピレン樹脂が高濃度になり、内部は
スチレン系樹脂が高濃度となる。こののち内部のスチレ
ン系樹脂は圧力調節等により発泡し、均一微細なセルを
生成するが、外部のポリプロピレン樹脂は冷却されるこ
とで発泡しないかあるいは僅かに発泡するに留まり、時
間の経過と共に不活性ガスが抜ける。これにより発泡体
外部は未発泡層を形成し、美麗な表面外観になると推定
される。冷却固化が速いため二次発泡等による表面外観
不良を防止しやすいため冷却時間の短縮が可能となり成
形サイクルが短縮でき、スチレン系樹脂単独に比べて、
1.5から2倍の加工速度を得ることが可能となる。
【0060】本発明により、美麗な表面外観と優れた機
械的強度を有する微細で均一な気泡を有する熱可塑性樹
脂発泡体を、効率良く製造することが可能になる。
【0061】
【実施例】以下実施例にて本発明を説明するが、本発明
の内容はこれに限定されるものではない。なお、実施例
および比較例に記した物性評価は次の方法にしたがって
実施した。
【0062】1)表面外観 射出成形時の金型内冷却時間を30秒に設定し成形した
発泡体の表面を目視観察し、一様で均一な場合を○、水
膨れ状の膨れがある等表面外観が一様ではない場合を×
とした。
【0063】2)衝撃試験 JIS K7110に準拠し、アイゾット衝撃試験によ
り行った。なお試験片は、発泡体を切削加工し、1号ノ
ッチ入りアイゾット衝撃試験片を作製し使用した。また
強度試験の比較対象として、発泡体より作製した試験片
と同一形状の試験片を、未発泡樹脂を切削することで作
製し使用した。
【0064】3)セル径 走査型電子顕微鏡により撮影した写真を画像処理し、求
めた気泡の円相当径を気泡の平均径とした。
【0065】4)セル密度 走査型電子顕微鏡により撮影した写真を画像処理し、5
00μm四方の中にある気泡数から1cm2当たりの気
泡数を算出し、それを2分の3乗した値を気泡密度とし
た。
【0066】5)セルの均一性 走査型電子顕微鏡により撮影した写真500μm四方中
の全ての気泡の径が、平均セル径の2倍以下の場合を
○、それ以外の場合を×とした。
【0067】実施例1 200℃、5kgにおけるメルトフローインデックスが
2.6g/10分であるポリスチレン樹脂(三井東圧化
学(株)製、トーポレックス555−57)のペレット
90重量部と、230℃、2.16kgにおけるメルト
フローインデックスが8g/10分であるポリプロピレン樹
脂(三井東圧化学(株)製、三井ノーブレンJHH−
G)のペレット10重量部をドライブレンドしたのち、
該混合物をホッパーより口径30mm、L/D=30の
スクリュウを持つ連続可塑化装置中に供給し、230℃
で加熱溶融し、昇圧ポンプにより180kg/cm2
昇圧し超臨界状態とした二酸化炭素15重量部を、該樹
脂が完全に溶融したところに供給した。連続可塑化装置
中で二酸化炭素と溶融樹脂を混練溶解させ徐々に冷却
し、150℃に設定した射出装置へ計量後、50℃に設
定した金型内に射出した。このとき、射出される直前の
金型内には、窒素ガスを70kg/cm2の圧力下で充
填させておいた。射出終了後、金型内に充填させた窒素
ガスを1秒間で抜き、さらに金型のコアを2mm後退さ
せることで、樹脂発泡成形体である引張試験用ダンベル
片(試験片厚み4mm)を得た。この間、金型内での冷
却時間を30秒として連続的に成形したが離型後に発泡
体の表面が二次発泡により不良にあることは皆無であっ
た。発泡体の評価の結果を表1に示す。表面外観良好、
高強度かつ微細で均一な気泡を有する発泡体であった。
【0068】実施例2 実施例1において、ポリスチレン樹脂とポリプロピレン
樹脂の他に平均粒子径2μmのタルク2重量部およびス
テアリン酸亜鉛0.5重量部を添加した以外は、実施例
1に従い発泡体を得た。発泡体の評価の結果を表1に示
す。表面外観良好、高強度かつ微細で均一な気泡を有す
る発泡体であった。
【0069】実施例3から6 実施例1において、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂および二酸化炭素の割合を表1に示した割合とした
以外は、実施例1に従い発泡体を得た。発泡体の評価の
結果を表1〜2に示す。表面外観良好、高強度かつ微細
で均一な気泡を有する発泡体であった。
【0070】実施例7 実施例1において、ポリスチレン樹脂を200℃、5k
gにおけるメルトフローインデックスが10g/10分
であるポリスチレン樹脂(三井東圧化学(株)製、トー
ポレックス525−51)とした以外は、実施例1に従
い発泡体を得た。発泡体の評価の結果を表2に示す。表
面外観良好、高強度かつ微細で均一な気泡を有する発泡
体であった。
【0071】実施例8 実施例1において、ポリスチレン樹脂を200℃、5k
gにおけるメルトフローインデックスが1.8g/10
分であるポリスチレン樹脂(三井東圧化学(株)製、ト
ーポレックス575−57)とした以外は、実施例1に
従い発泡体を得た。発泡体の評価の結果を表2に示す。
表面外観良好、高強度かつ微細で均一な気泡を有する発
泡体であった。
【0072】実施例9 実施例1において、ポリプロピレン樹脂を230℃、
2.16kgにおけるメルトフローインデックスが1.
5g/10分であるポリプロピレン樹脂(三井東圧化学
(株)製、三井ノーブレンJS−G)とした以外は、実
施例1に従い発泡体を得た。発泡体の評価の結果を表3
に示す。表面外観良好、高強度かつ微細で均一な気泡を
有する発泡体であった。
【0073】実施例10 実施例1において、ポリプロピレン樹脂を230℃、
2.16kgにおけるメルトフローインデックスが15
g/10分であるポリプロピレン樹脂(三井東圧化学
(株)製、三井ノーブレンJ3H−G)とした以外は、
実施例1に従い発泡体を得た。発泡体の評価の結果を表
3に示す。表面外観良好、高強度かつ微細で均一な気泡
を有する発泡体であった。
【0074】比較例1 実施例1において、ポリプロピレン樹脂を添加せずポリ
スチレン樹脂のみを使用した以外は、実施例1に従い発
泡体を得た。発泡体の評価の結果を表4に示す。冷却時
間30秒では、離型後に二次発泡し発泡体表面が不良と
なったが、冷却時間60秒では二次発泡せず、良外観の
発泡体を取得できた。
【0075】比較例2から4 実施例1において、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂および二酸化炭素の割合を表1に示した割合とした
以外は、実施例1に従い発泡体を得た。発泡体の評価の
結果を表4に示す。表面外観不良、微細な気泡ではな
い、気泡数が少ない等の点で好ましくなく、本発明で意
図する発泡体は製造不可能であった。
【0076】
【表1】 表1
【0077】
【表2】 表2
【0078】
【表3】 表3
【0079】
【表4】 表4
【0080】
【発明の効果】本発明により、美麗な表面外観と優れた
機械的強度を有する微細で均一な気泡を有する熱可塑性
樹脂発泡体が、効率良く製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法の一
例を示す概略構成図。
【符号の説明】
(1) 連続可塑化装置 (2) スクリュウ (3) 開閉バルブ (4) 射出プランジャー (5) 射出装置 (6) 開閉バルブ (7) ホッパー (8) 金型 (9) ガスボンベ (10)昇圧ポンプ (11)ガスボンベ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25:00 (72)発明者 西川 茂雄 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 井上 晴夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 末田 公宣 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 江里口 真男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂50から99重量部、ポ
    リプロピレン樹脂1から50重量部からなる樹脂組成物
    を使用し、発泡剤を供給するラインを有する連続可塑化
    装置において、溶融した熱可塑性樹脂に発泡剤である超
    臨界状態の不活性ガスを、熱可塑性樹脂に対して0.1
    から30重量部を添加し、熱可塑性樹脂と不活性ガスの
    完全相溶状態を形成するガス溶解工程、および溶融樹脂
    の温度を下げる冷却工程を行い、射出プランジャーを有
    する射出装置において計量射出工程を行い、さらには金
    型内において、急激な圧力低下により多数の気泡核を発
    生させ、該気泡径を制御する発泡制御工程を行い、かつ
    少なくとも計量射出工程までは、不活性ガスを超臨界状
    態に維持することからなること工程によって得られるこ
    とを特徴とする微細で均一な気泡を有する熱可塑性樹脂
    発泡体。
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂50から99重量部、ポ
    リプロピレン樹脂1から50重量部からなる樹脂組成物
    を使用し、発泡剤を供給するラインを有する連続可塑化
    装置において、溶融した熱可塑性樹脂に発泡剤である超
    臨界状態の不活性ガスを、熱可塑性樹脂に対して0.1
    から30重量部を添加し、熱可塑性樹脂と不活性ガスの
    完全相溶状態を形成するガス溶解工程、および溶融樹脂
    の温度を下げる冷却工程を行い、射出プランジャーを有
    する射出装置において計量射出工程を行い、さらには金
    型内において、急激な圧力低下により多数の気泡核を発
    生させ、該気泡径を制御する発泡制御工程を行い、かつ
    少なくとも計量射出工程までは、不活性ガスを超臨界状
    態に維持することを特徴とする微細で均一な気泡を有す
    る熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 発泡制御工程を、樹脂を射出したのちに
    金型内に充填した高圧ガスを抜くことで行う、請求項2
    記載の微細で均一な気泡を有する熱可塑性樹脂発泡体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 発泡制御工程を、樹脂を射出したのちに
    金型コアの一部あるいは全部を後退させることで行う、
    請求項2記載の微細で均一な気泡を有する熱可塑性樹脂
    発泡体の製造方法。
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