JP2002137909A - ヘリウムガスの精製方法 - Google Patents

ヘリウムガスの精製方法

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JP2002137909A JP2000330396A JP2000330396A JP2002137909A JP 2002137909 A JP2002137909 A JP 2002137909A JP 2000330396 A JP2000330396 A JP 2000330396A JP 2000330396 A JP2000330396 A JP 2000330396A JP 2002137909 A JP2002137909 A JP 2002137909A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着塔を大型化させることなく、大気圧プラ
ズマ発生装置からの酸素、アルゴンを多く含んだ排ガス
ヘリウムから高純度ヘリウムガスを回収する。 【解決手段】 大気圧プラズマ発生装置1から排出され
たヘリウムガスを主成分とし、不純物として酸素、窒
素、アルゴン、水分を含む排ガスヘリウムを、精製に必
要な圧力まで昇圧したのち、水分を選択的に吸着する吸
着剤が充填された第1吸着装置10に導入して水分を吸
着除去する。しかるのち、活性炭と合成ゼオライトを2
層に充填した第2吸着装置21内に導入して酸素、窒
素、アルゴンを吸着除去し、高純度ヘリウムを回収す
る。これによって、吸着塔を大型化させることなく、ヘ
リウムガスを高純度、高収率で回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヘリウムガスを
使用する大気圧プラズマ発生装置から排出される排ガス
ヘリウムを精製する方法に関するもので、詳しくは、化
繊、フィルム、ポリマーセパレーター、半導体部品等プ
ラズマを当てることによって表面改質をするプラズマ発
生の雰囲気ガスとして用いた後の排ガスヘリウム中の不
純物を取除き、高純度ヘリウムガスとして精製回収する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘリウムガスは、化学的に不活性な特性
および特定の物理的性質を有しているため、種々のプロ
セスにおいて用いられている。例えば、加圧パージ、溶
接、雰囲気コントロールガス等として各種産業分野で広
く使用されている。また、プラズマ関係では、プラズマ
発生の雰囲気ガスの主成分としてヘリウムガスが数多く
使用されている。
【0003】しかし、使用後のヘリウムガスは、不純
物が多く含まれる、使用量が少ない、等の理由から殆
ど大気中に放出されているが、潜水ガス、レーザー、冷
媒用として大量使用する場合には、使用後の排ガスヘリ
ウムを精製して再利用する技術が提案されている。
【0004】例えば、圧力揺動吸着分離装置(以下PS
A装置という)を用いてヘリウムを含む原料ガスからヘ
リウムガスを回収し精製する方法において、製品ヘリウ
ムガスの取出側のヘリウム濃度を常時測定し、上記ヘリ
ウム濃度が一定になるようにガス流量をヘリウム濃度に
応じて常時調整し、かつPSA装置の排気ガスを原料ガ
スに混合しリサイクルしながらヘリウムガスを回収する
方法(特開平6−182133号公報)、被加工材にレ
ーザビームを照射し、その照射点近傍にヘリウムガスを
吹き付けながら、被加工材のレーザ加工を行う加工装置
本体と、レーザ照射点近傍に吹き付けられるヘリウムガ
スを回収するべく、レーザ照射点近傍を回収フードによ
り覆って回収フードの内部をフード上部より吸引し、そ
の回収ガスを精製するヘリウムガス回収系とを具備した
レーザ加工装置(特開平10−6069号公報)、空気
が大量に混入したヘリウム濃度5〜70容量%の排ガス
を昇圧したのち液体窒素を冷媒源として冷却し、排ガス
中の空気を液化分離した後、残余の微量成分を活性炭等
の吸着剤で除去して高純度ヘリウムを得るヘリウム回収
方法において、前記排ガスを昇圧したのち光ファイバー
製造工程や光ガラス製造工程にガス化したのち供給され
る液体窒素を冷媒源として使用すると共に、冷熱のみを
利用された低温窒素ガスを加温器で常温に昇温したのち
光ファイバー製造工程や光ガラス製造工程に供給するヘ
リウム回収方法(特開平10−311674号公報)等
が提案されている。
【0005】しかし、上記特開平6−182133号公
報、特開平10−6069号公報および特開平10−3
11674号公報に開示の排ガスヘリウム精製技術は、
そのほとんどが不純物として空気を含む排ガスヘリウム
からの精製技術である。
【0006】これに対し、大気圧プラズマ発生装置は、
大量のヘリウムガスを必要とし、プラズマを発生させる
のに必要な組成とするため、ヘリウムに酸素、アルゴン
等を混合して使用すること、装置外へ排出される前に窒
素ガスや空気、水分等を含んでしまうことから、空気成
分以上に酸素やアルゴンを多く含み、容易に精製するこ
とが困難で、大気圧プラズマ発生装置からの排ガスヘリ
ウムは再利用することなく大気に放出しているのが実状
である。このため、大気圧プラズマ発生装置は、ガスコ
ストが高くなってしまうという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来提案されている空
気成分を不純物として含んだ排ガスヘリウムからヘリウ
ムガスを回収する方法としては、蒸留法や低温吸着法が
あり、高純度、高回収率で回収可能と考えられるが、こ
れらの方法では低温源にコストがかかってしまい、経済
的にメリットがなく、しかも、メンテナンス性や安全性
にも問題を有している。また、排ガスヘリウムからヘリ
ウムガスを回収する他の方法としては、常温のPSA法
を用いた方法も提案されている。
【0008】これらの方法では、空気成分以上に酸素、
アルゴンを多く含んだ大気圧プラズマ発生装置からの排
ガスヘリウムを原料とした場合、吸着塔へ活性炭やゼオ
ライト等を1種類充填しているため、装置が大型化する
という問題がある。つまり、活性炭のみでは、不純物の
吸着絶対量は多いが、低分圧領域での吸着量が低いため
高純度に精製することが困難である。合成ゼオライトで
は、低分圧領域での吸着量が高いため高純度に精製でき
るが、不純物の吸着絶対量が少ないため多量の吸着剤が
必要となる。
【0009】本発明の目的は、上記従来の低温分離法に
おける経済性、メンテナンス性、安全性の問題、1種類
の吸着剤を充填した吸着塔でのPSA法による装置の大
型化の問題点を解消し、吸着塔を大型化させることな
く、PSA法を用いて大気圧プラズマ発生装置からの酸
素、アルゴンを多く含んだ排ガスヘリウムから高純度ヘ
リウムガスを回収できるヘリウムガスの精製方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1のヘリ
ウムガスの精製方法は、大気圧プラズマ発生装置から排
出されたヘリウムガスを主成分とし、不純物として酸
素、窒素、アルゴン、水分等を含む排ガスヘリウムを、
精製に必要な圧力まで昇圧したのち、水分を選択的に吸
着する吸着剤が充填された第1吸着装置に導入して水分
を吸着除去し、次いで活性炭と合成ゼオライトが2層に
充填された第2吸着装置内に導入して酸素、窒素、アル
ゴンを吸着除去し、高純度ヘリウムを回収することを特
徴とする。
【0011】このように、本発明の請求項1のヘリウム
ガスの精製方法は、不純物の吸着絶対量の多い活性炭
と、低分圧領域での吸着能力の高い合成ゼオライトを効
率的に組合せることによって、吸着塔を大型化させるこ
となく、PSA法を用いて大気圧プラズマ発生装置から
の酸素、アルゴンを多く含んだ排ガスヘリウムから高純
度ヘリウムガスを回収することができる。
【0012】本発明の請求項2のヘリウムガスの精製方
法は、大気圧プラズマ発生装置から排出されたヘリウム
ガスを主成分とし、不純物として酸素、窒素、アルゴ
ン、水分等を含む排ガスヘリウムを、精製に必要な圧力
まで昇圧したのち、水分を選択的に吸着する吸着剤、活
性炭、合成ゼオライトを3層に充填したPSA吸着装置
内に導入し、水分、酸素、窒素、アルゴンを吸着除去
し、高純度ヘリウムを回収することを特徴とする。
【0013】このように、本発明の請求項2のヘリウム
ガスの精製方法は、水分を選択的に吸着する吸着剤と、
不純物の吸着絶対量の多い活性炭と、低分圧領域での吸
着能力の高い合成ゼオライトを効率的に組合せることに
よって、PSA法を用いて大気圧プラズマ発生装置から
の酸素、アルゴンを多く含んだ排ガスヘリウムから高純
度ヘリウムガスを回収することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の大気圧プラズマ発生装置
からの排ガスヘリウムの精製方法を図1に基づいて説明
する。図1はこの発明の請求項1の大気圧プラズマ発生
装置からの排ガスヘリウムの精製方法の系統図である。
【0015】図1において、1は大気圧プラズマ発生装
置、2は大気圧プラズマ発生装置1の雰囲気ガスとして
使用した排ガスヘリウムを排出する配管で、この排ガス
ヘリウムは、不純物として多くの酸素、アルゴンと共に
窒素、水分等を含んでいる。3は配管2を介して排出さ
れた排ガスヘリウムを吸引して100mmAq程度の圧
力で排出するブロアーである。
【0016】4はブロアー3により排出された排ガスヘ
リウムを脱着ガス回収タンク26からの脱着ガスの一部
と混合して圧縮機5に導く配管である。6は常温吸着で
の処理に必要な圧力、例えば、0.5MPa・G以上ま
で昇圧された排ガスヘリウムを排ガス冷却器7に導入す
る配管である。排ガス冷却器7では、昇圧された排ガス
ヘリウムが冷却水8と間接熱交換して20〜40℃まで
冷却され、飽和蒸気圧以上の水分が凝縮する。9はドレ
ンポットで、凝縮した水分を貯めて定期的に系外に排出
する。
【0017】10a、10bは2塔切替方式の吸着剤と
して水分を選択的に吸着する活性アルミナ、シリカゲ
ル、活性炭あるいは合成ゼオライトが充填されている温
度揺動吸着分離装置(以下TSA装置という)からなる
第1吸着装置で、逐次吸着、再生を切替え使用してい
る。ドレンポット9で凝縮した水分の除去された20〜
40℃の飽和蒸気圧分の水分と酸素、窒素、アルゴン等
を含んだ排ガスヘリウムは、配管11により導入され
る。12a、12bは第1吸着装置10a、10bへ排
ガスヘリウムを導入するための切替弁である。13a、
13bは第1吸着装置10a、10bで水分の除去され
た排ガスヘリウムを導出するための切替弁である。14
a、14bは第1吸着装置10a、10bから吸着され
た水分を脱着するための切替弁である。15a、15b
は第1吸着装置10a、10bに回収ヘリウムガスの一
部を配管16を介して導入するための切替弁である。
【0018】17は第1吸着装置10a、10bを10
0Torr以下まで減圧する真空ポンブで、切替弁18
を介して接続されている。19は切替弁14a、14b
を介して第1吸着装置10a、10bに接続された切替
弁で、吸着剤再生時の0.5MPa・G以上から大気圧
までの減圧時に生じる排ガスヘリウムを大気に放出す
る。
【0019】20は水分の除去された排ガスヘリウムを
第2吸着装置であるPSA吸着塔21a〜21dに導入
する配管である。PSA吸着塔21a〜21dには、排
ガスヘリウムの組成に応じて2種類の吸着剤、例えば、
活性炭(下部):合成ゼオライト(上部)=3:1の高
さで2層に充填され、吸着、脱着、洗浄、充圧を逐次切
替えて使用している。22a〜22dはPSA吸着塔2
1a〜21dに排ガスヘリウムを導入するための切替弁
である。23a〜23dはPSA吸着塔21a〜21d
で酸素、窒素およびアルゴンが除去され、精製されたヘ
リウムガスを導出するための切替弁である。24a〜2
4dはPSA吸着塔21a〜21dから吸着された酸
素、窒素およびアルゴンを脱着するための切替弁であ
る。25a〜25dはPSA吸着塔21a〜21dの活
性炭、合成ゼオライト再生時の0.5MPa・G以上か
ら0.2MPa・G程度までの減圧時に生じる脱着ガス
を脱着ガス回収タンク26に配管27、流量調整弁28
を介して導出するための切替弁である。29a〜29d
はPSA吸着塔21a〜21dの充圧時に他のPSA吸
着塔21a〜21dから精製されたヘリウムガスを導入
するための切替弁である。
【0020】30はPSA吸着塔21a〜21dを20
Torr以下まで減圧する真空ポンブで、切替弁24a
〜24d、切替弁31を介して接続されている。32は
切替弁24a〜24dを介してPSA吸着塔21a〜2
1dに接続された切替弁で、吸着剤再生時の0.2MP
a・Gから大気圧までの減圧時に生じる脱着ガスを大気
に放出する。
【0021】33はヘリウムガスタンクで、PSA吸着
塔21a〜21dから切替弁23a〜23d、配管34
および圧力調整弁35を介して導出されたヘリウムガス
を貯蔵する。36は圧力調整弁37を介して回収したヘ
リウムガスを大気圧プラズマ発生装置1に供給するガス
供給装置である。
【0022】大気圧プラズマ発生装置1から配管2を介
して排出された排ガスヘリウムは、ブロアー3により吸
引されて100mmAq程度の圧力で排出され、脱着ガ
ス回収タンク26から圧力調整弁38を介して供給され
る脱着ガスの一部と混合され、配管4を介して圧縮機5
に導かれ、常温吸着での処理に必要な圧力、例えば0.
5MPa・G以上に昇圧される。0.5MPa・G以上
に昇圧され排ガスヘリウムは、配管6を介して排ガス冷
却器7に導入され、冷却水8と間接熱交換して20〜4
0℃に冷却され、飽和蒸気圧以上の水分が凝縮する。
【0023】排ガスヘリウム中の飽和蒸気圧以上の凝縮
した水分は、ドレンポット9に貯められ定期的に系外へ
放出される。飽和蒸気圧以上の凝縮した水分が除去され
た排ガスヘリウムは、配管11、切替弁12a、12b
を介して第1吸着装置10a、10bに導入される。
【0024】第1吸着装置10aが吸着工程、第1吸着
装置10bが再生工程である場合、すなわち、切替弁1
2a、13a、14b、15bが開放、切替弁12b、
13b、14a、15aが閉止の状態では、排ガスヘリ
ウムは第1吸着装置10aに導入され、水分の大部分が
吸着剤に吸着されて除去されたのち、切替弁13a、配
管20を介してPSA吸着塔21a〜21dに導入され
る。
【0025】一方、再生工程の第1吸着装置10bは、
図示しないヒーターによって150〜250℃に昇温
後、切替弁14b、切替弁19が開放されて吸着剤再生
時の高圧状態から大気圧までの減圧時に生じる排ガスヘ
リウムを大気に放出する。そして、切替弁19を閉止し
たのち真空ポンプ17を起動して切替弁18を開放して
100Torrまで減圧し、第1吸着装置10b内の吸
着剤に吸着された水分を脱着しつつ、ヘリウムガスタン
ク33から配管16、切替弁15bを介してヘリウムガ
スを供給して吸着剤を洗浄する。しかるのち、切替弁1
4b、18を閉止して真空ポンプ17を停止し、第1吸
着装置10b内を所定圧力に充圧して切替弁15bを閉
止し、第1吸着装置10bの再生を完了する。
【0026】第1吸着装置10aで水分の大部分が除去
された排ガスヘリウムは、配管20、切替弁22a〜2
2dを介して吸着、脱着、洗浄、充圧を逐次切替えてい
るPSA吸着塔21a〜21dに導入される。例えば、
PSA吸着塔21aが吸着工程、PSA吸着塔21bが
脱着工程、PSA吸着塔21cが洗浄工程、PSA吸着
塔21dが充圧工程の場合は、排ガスヘリウムは切替弁
22aを介してPSA吸着塔21aに導入される。
【0027】この場合、PSA吸着塔21aでは、切替
弁22a、切替弁23aが開放、切替弁24a、25
a、29aは閉止である。PSA吸着塔21aに導入さ
れた排ガスヘリウムは、PSA吸着塔21aの下層に充
填された活性炭に大部分の酸素、窒素、アルゴン等が吸
着されたのち、上層の合成ゼオライトによって低濃度ま
で吸着除去され、回収ヘリウムとして切替弁23a、配
管34を介して圧力調整弁35でPSA吸着塔21a圧
力を0.5MPa/G以上の一定に制御しながらヘリウ
ムガスタンク33に回収する。
【0028】PSA吸着塔21bの脱着工程では、切替
弁22b、切替弁23bを閉止して吸着工程が終了した
状態から切替弁25b、切替弁25dを開放し、配管2
7を介して充圧工程のPSA吸着塔21dに比較的ヘリ
ウム濃度の高い脱着ガスを充圧し、残りを切替弁25d
を閉止して流量調整弁28で流量を制御しながら脱着ガ
ス回収タンク26へPSA吸着塔21b内圧力が0.2
MPaとなるまで脱着ガスを回収する。その後、切替弁
25bを閉止し、切替弁24a、切替弁32を開放して
PSA吸着塔21b内に残った脱着ガスを塔下部から大
気へ放出し、切替弁24a、切替弁32を閉止してPS
A吸着塔21bの脱着工程を完了する。
【0029】PSA吸着塔21cの洗浄工程では、脱着
工程が終了した状態から切替弁24c、切替弁31を開
放して真空ポンプ30を起動し、PSA吸着塔21c内
を80Torr以下まで真空引きして活性炭および合成
ゼオライトに吸着された酸素、窒素、アルゴン等の殆ど
を脱着させて大気へ放出する。その後、真空ポンプ30
で真空引きをしたまま、切替弁29cを開放し、PSA
吸着塔21aから切替弁23aを介して回収ヘリウムの
一部を少量流すことによって、活性炭および合成ゼオラ
イトを洗浄したのち、切替弁25c、切替弁29c、切
替弁24c、切替弁31を閉止し、真空ポンプ30を停
止してPSA吸着塔21cの洗浄工程を完了する。
【0030】PSA吸着塔21dの充圧工程では、洗浄
工程を終了した状態からPSA吸着塔21bから切替弁
25b、配管27、切替弁25dを介して比較的ヘリウ
ム濃度の高い脱着ガスの一部が0.2MPa・Gまで充
圧されたのち、切替弁25dを閉止し、切替弁29dを
開放してPSA吸着塔21aから切替弁23aを介して
回収ヘリウムを吸着圧力0.5MPa・G以上まで充圧
し、切替弁29dを閉止して充圧工程を終了する。
【0031】以上の第1吸着装置10a、10bでの水
分の吸着、脱着操作、PSA吸着塔21a〜21dでの
酸素、窒素、アルゴン等の吸着、脱着、洗浄、充圧操作
を繰り返すことによって、大気圧プラズマ発生装置1で
使用された排ガスヘリウムを連続的に効率よくヘリウム
ガスタンク33に回収することができる。ヘリウムガス
タンク33に貯蔵された精製ヘリウムガスは、圧力調整
弁37によって大気圧プラズマ発生装置1での使用圧力
まで減圧した後、ガス供給装置36に戻入されて再利用
される。
【0032】なお、図2はこの発明の請求項2の大気圧
プラズマ発生装置からの排ガスヘリウムの精製方法の一
例を示す系統図である。図2に示す排ガスヘリウムの精
製方法は、水分除去用の吸着剤を各PSA吸着塔21a
〜21dに活性炭および合成ゼオライトと共に3層に充
填し、第1吸着装置10a、10bをなくしたものであ
る。この図2に示すプロセスでも図1と同様に排ガスヘ
リウムの精製が可能であるが、各PSA吸着塔21a〜
21dの容積が大型化する分、大気に排出するヘリウム
ガス量が増加し、回収率を下げる原因となってしまう。
【0033】
【実施例】前記図1に示すプロセスを用いて実験を行っ
た。大気圧プラズマ発生装置1から排出されるヘリウム
74容量%、酸素3.7容量%、窒素14.9容量%、
アルゴン7.4容量%、水分飽和の排ガスヘリウム8N
3/Hrを、ブロアー3によって100mmAqの圧
力に昇圧して排出し、脱着ガス回収タンク26からのガ
ス1.5Nm3/Hrと混合したのち、圧縮機5によっ
て0.7MPa・Gまで昇圧して冷却器7に導入し、冷
却器7で冷却水8と間接熱交換させて25℃まで冷却
し、飽和水蒸気以上の水分を凝縮させたのち、凝縮した
水分をドレンポット9で分離した。
【0034】しかるのち、活性アルミナを充填した水分
除去吸着装置10a、10bに導入し、水分の殆どを活
性アルミナに吸着させた。次いで、水分の殆どを除去さ
れた排ガスヘリウムは、下部に活性炭:上部に合成ゼオ
ライト=3:1の高さで2層に充填したPSA吸着装置
21a〜21dに導入し、排ガスヘリウム中の酸素、窒
素、アルゴン等を活性炭および合成ゼオライトに吸着さ
せ、ヘリウム99.997%以上、酸素10ppm以
下、窒素10ppm以下、アルゴン10ppm以下、水
分(露点−70℃以下)となったヘリウムガスを、PS
A吸着装置21a〜21dから温度25℃、流量5Nm
3/Hrで流出させ、ヘリウムガスタンク33に回収し
た。
【0035】ヘリウムガスタンク33に回収した精製ヘ
リウムガスは、圧力調整弁37によって0.2MPa・
Gまで減圧し、高純度ヘリウムガスとして大気圧プラズ
マ発生装置1で再使用することができた。この場合、排
ガスヘリウム(8Nm3/Hr、ヘリウム純度74容量
%)に対し、回収した精製ヘリウム(5Nm3/Hr、
ヘリウム純度99.997容量%)であるから、ヘリウ
ム回収率85%といった高回収率で、かつ高純度でヘリ
ウムを回収することができた。
【0036】
【発明の効果】本発明の排ガスヘリウムの精製方法は、
大気圧プラズマ発生装置から排出される排ガスヘリウム
を放出することなく、PSA法を主体としたプロセスを
用い、低コストで、しかも高純度に精製して高収率で回
収再利用することができ、大気圧プラズマ発生装置のガ
スコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の排ガスヘリウムの精製方法の一例を
示す系統図である。
【図2】この発明の排ガスヘリウムの精製方法の他の一
例を示す系統図である。
【符号の説明】
1 大気圧プラズマ発生装置 2、4、6、11、16、20、27、34 配管 3 ブロアー 5 圧縮機 7 排ガス冷却器 8 冷却水 9 ドレンポット 10a、10b 第1吸着装置 12a、12b、13a、13b、14a、14b、1
5a、15b、18、19 切替弁 17、30 真空ポンブ 21a〜21d PSA吸着塔 22a〜22d、23a〜23d、24a〜24d、2
5a〜25d、29a〜29d、31、32 切替弁 26 脱着ガス回収タンク 28 流量調整弁 33 ヘリウムガスタンク 35、37、38 圧力調整弁 36 ガス供給装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧プラズマ発生装置から排出された
    ヘリウムガスを主成分とし、不純物として酸素、窒素、
    アルゴン、水分等を含む排ガスヘリウムを、精製に必要
    な圧力まで昇圧したのち、水分を選択的に吸着する吸着
    剤が充填された第1吸着装置に導入して水分を吸着除去
    し、次いで活性炭と合成ゼオライトを2層に充填した第
    2吸着装置内に導入して酸素、窒素、アルゴンを吸着除
    去し、高純度ヘリウムを回収することを特徴とするヘリ
    ウムガスの精製方法。
  2. 【請求項2】 大気圧プラズマ発生装置から排出された
    ヘリウムガスを主成分とし、不純物として酸素、窒素、
    アルゴン、水分等を含む排ガスヘリウムを、精製に必要
    な圧力まで昇圧したのち、水分を選択的に吸着する吸着
    剤、活性炭、合成ゼオライトを3層に充填したPSA吸
    着装置内に導入し、水分、酸素、窒素、アルゴンを吸着
    除去し、高純度ヘリウムを回収することを特徴とするヘ
    リウムガスの精製方法。
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