JP2002137845A - 枚葉紙処理機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送胴の軸平行線から外れる方向で互いにオ
フセットされた空気ノズルを有する、枚葉紙を搬送する
搬送胴と、空気ノズルを有していて搬送胴に付属する、
枚葉紙を案内する案内装置とを備える枚葉紙処理機械に
おいて、格別に安定した走行を保証する。 【解決手段】 枚葉紙処理機械２は、空気ノズルが、絞
られた空気ノズル８，９，１１，１２と絞られていない
空気ノズル４６，４７とを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、請求項１の前提項
に基づく、搬送胴の軸平行線から外れる方向で互いにオ
フセットされた空気ノズルを有する、枚葉紙を搬送する
搬送胴と、空気ノズルを有していて搬送胴に付属する、
枚葉紙を案内する案内装置とを備える枚葉紙を処理する
機械、特に枚葉紙輪転印刷機に関する。

【０００２】

【従来の技術】前提項に関するドイツ特許出願公開明細
書３５３６５３６Ａ１には、搬送胴が吹付け空気ドラム
として構成され、案内装置が吹付け板として構成された
機械が記載されている。吹付け空気ドラムと吹付け板は
吹付け空気ノズルを有しており、この吹付け空気ノズル
の構成に関しては前述の明細書中に詳しい記載が見られ
ない。緩みつつある枚葉紙は、その運動エネルギーを減
らしながら、吹付け空気ドラムの各セグメントに配置さ
れた吹付けノズルが生成するエアクッションの上に支え
られる。枚葉紙に比較的長い加速経路を与えるために、
セグメントの向きを変化させることが必要である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この点に関して不都合
なのは、一方では、セグメントによって吹付け空気ドラ
ムの構造がコスト高になることであり、他方では、枚葉
紙の走行が相変わらず比較的不安定なことである。

【０００４】したがって、本発明の目的は、格別に安定
した枚葉紙走行が保証される、冒頭に述べた種類に該当
する機械を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的は、機械の空気
ノズルが、絞られた空気ノズルと絞られていない空気ノ
ズルとを含んでいることを特徴とする、請求項１の特徴
を備える機械によって達成される。

【０００６】枚葉紙走行の安定化をもたらす、空気圧の
作用線がノズル近辺で比較的急傾斜に延びる絞られた空
気ノズルと、空気圧の作用線がノズル近辺で比較的緩い
傾斜で延びる絞られていない空気ノズルとの、さまざま
な組合せが考えられる。

【０００７】第1の変形例によれば、搬送胴は絞られた
空気ノズルだけを有しており、案内装置は、絞られた空
気ノズルと絞られていない空気ノズルとをいずれも有し
ている。第2の変形例によれば、搬送胴は絞られた空気
ノズルだけを有しており、案内装置は、絞られていない
空気ノズルだけを有している。第３の変形例によれば、
搬送胴は絞られていない空気ノズルだけを有しており、
案内装置は絞られた空気ノズルだけを有している。第４
の変形例によれば、搬送胴は絞られていない空気ノズル
だけを有しており、案内装置は、絞られた空気ノズルと
絞られていない空気ノズルとをいずれも有している。第
５の変形例によれば、搬送胴は絞られた空気ノズルと絞
られていない空気ノズルとをいずれも有しており、案内
装置は絞られた空気ノズルだけを有している。第６の変
形例によれば、搬送胴は、絞られた空気ノズルのいくつ
かと、絞られていない空気ノズルのいくつかとをいずれ
も有しており、案内装置は、絞られた空気ノズルの上記
以外のものと、絞られていない空気ノズルの上記以外の
ものとを有している。上に挙げた６通りの変形例のう
ち、案内装置が、絞られた空気ノズルと絞られていない
空気ノズルとを有している変形例が好都合である。

【０００８】以下に説明する、吹付け空気ノズルおよび
／または吸込み空気ノズルとしての空気ノズルの実施態
様は、搬送胴と案内装置への空気ノズルの割り当ての、
上に挙げた６通りの変形例のどれとでも組合せが可能で
ある。

【０００９】搬送胴の絞られた空気ノズルおよび／また
は搬送胴の絞られていない空気ノズルは、吸込み空気ノ
ズルであってよく、このとき搬送胴はいわゆる吸込み空
気ドラムである。

【００１０】有利には、搬送胴の絞られた空気ノズルお
よび／または搬送胴の絞られていない空気ノズルが吹付
け空気ノズルとして構成されることによって、搬送胴が
いわゆる吹付け空気ドラムとして構成される。有利に
は、搬送胴の絞られた空気ノズルも絞られていない空気
ノズルも、いずれも吹付け空気ノズルとして構成され
る。

【００１１】案内装置の絞られた空気ノズルおよび／ま
たは案内装置の絞られていない空気ノズルは、吸込み空
気ノズルであってよく、このとき案内装置はいわゆる吸
込み空気ボックス、吸込み空気ロッド、または吸込み空
気熊手である。

【００１２】有利には、案内装置の絞られた空気ノズル
および／または案内装置の絞られていない空気ノズルが
吹付け空気ノズルとして構成されることによって、案内
装置がいわゆるいわゆる吸込み空気ボックス、吸込み空
気ロッド、または吸込み空気熊手として構成される。有
利には、案内装置の絞られた空気ノズルも絞られていな
い空気ノズルも、いずれも吹付け空気ノズルとして構成
される。

【００１３】上述した案内装置および／または搬送胴の
絞られた空気ノズルの各々は、本発明の発展例では、空
気絞りを介して空気圧発生器と空気圧で接続される。

【００１４】吹付け空気を生成する正圧発生器としての
空気圧発生器の有利な構成では、空気絞りを介して正圧
発生器と接続された絞られた空気ノズルが、またはこの
ような空気ノズルの各々が、絞られた吹付け空気ノズル
である。

【００１５】吸込み空気ないし真空を生成する負圧発生
器としての空気圧発生器の考えられる構成では、空気絞
りを介して負圧発生器と接続された絞られた空気ノズル
が、またはこのような空気ノズルの各々が、吸込み空気
ノズルである。

【００１６】空気絞りは、それぞれの絞られた空気ノズ
ルから距離をおいて、絞られた空気ノズルが接続されて
いる空気案内システムに組み込まれていてよい。このこ
とは、空気案内システムを介して、絞られた複数の空気
ノズルと同時に空気圧的に接続される空気絞りが設けら
れている場合に好都合である。空気絞りと、この空気絞
りによって絞られた空気ノズルとは、絞りノズルの形態
の１つの構造ユニットを構成することもできる。ただし
最後に挙げたケースでは、絞られた空気ノズル（絞りノ
ズル）の各々に、絞られた空気ノズル（絞りノズル）に
配置される独自の空気絞りが付属する。

【００１７】１つの発展例では、空気絞りの中に、その
構成要素としていわゆる詰め物パイルが設けられ、その
詰め物小片が、空気絞りを通って流れる、空気圧発生器
によって生成された吸込み空気または吹付け空気に対す
る流動抵抗を形成する。

【００１８】別の発展例では、空気絞りの中に、その構
成要素として、吸込み空気または吹付け空気に対する流
動抵抗を形成する空気フィルタ状の絞り片がある。たと
えば絞り片は、織られていても織られていなくてよい繊
維層であってよい。あるいは絞り片は、プラスチックか
ら発泡された多孔性の、したがって空気透過性のスポン
ジであってもよい。

【００１９】別の発展例では、空気絞りが、渦巻室を区
切る、吸込み空気または吹付け空気の流動経路内に突出
する空気堰で塞がれている。

【００２０】さらに別の発展例では、空気絞りがいわゆ
る穴あき板ラビリンスとして構成される。

【００２１】以上に述べた発展例に加えて、機能的、設
計的に有利な発展例は、有利な実施形態とこれに付属す
る図面についての、以下の説明からも明らかである。

【００２２】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００２３】図１には、枚葉紙１を処理する機械２の例
として、枚葉紙輪転印刷機が示されている。枚葉紙１を
案内する２つの胴３，４には、機械２で両面に印刷され
たばかりの枚葉紙１を胴３から引き取って胴４に引き渡
す搬送胴５が間に介在している。胴３，４は、機械２の
さまざまな印刷ユニットにおける圧胴である。搬送胴５
は円形の断面を有しており、枚葉紙１をその前端で保持
するための少なくとも１つのくわえづめ列６を有してお
り、さらには円周表面７に、吹付け空気ノズルとして機
能する絞られた空気ノズル８，９を有している。

【００２４】空気ノズル８，９は、搬送胴５の回転軸に
対して平行な方向ではない搬送胴５の円周方向で、縦に
延びるノズル列として配置されている。このことは図１
からはわからないが、空気ノズル８，９は円周方向に延
びるノズル列に属しているばかりでなく、同時に、搬送
胴５の回転軸に対して軸平行に縦に延びる別のノズル列
にも属している。つまり空気ノズル８，９は、軸平行に
延びるノズル列と、円周方向に延びるノズル列とが交わ
るノズル網目の交差点をなしている。

【００２５】搬送胴５のすぐ付近には、搬送胴の下に案
内装置１０が定置に配置されており、絞られた空気ノズ
ル１１，１２と絞られていない空気ノズル４６，４７で
占められている案内装置の案内面は、搬送胴５に対して
ほぼ等間隔に、搬送胴５の回りで湾曲している。空気ノ
ズル１１，１２および４６，４７は、吹付け空気ノズル
として機能する。空気出口方向が搬送胴５に対して相対
的に円周方向になっている、絞られた空気ノズル８，９
および１１，１２は、第１の空気案内システム１３を介
して、第１の空気圧発生器１４と空気圧で接続されてお
り、この空気圧発生器１４は、第２の空気圧発生器１５
が第２の空気案内システム１６に作用する空気圧ないし
過圧ｐ₂よりもはるかに大きい空気圧ないし過圧ｐ₁で、
第１の空気案内システム１３に作用する。すなわちｐ₁
＞＞ｐ₂が成り立つ。モータで駆動される空気圧発生器
１４，１５は、吹付け空気を生成するのに適したベンチ
レータである。第２の空気案内システム１６は、ベンチ
ュリノズルまたはパルス噴射ノズルであってよい、案内
装置１０の絞られていない空気ノズル４６，４７に連通
している。

【００２６】図１で選択した図面では、空気ノズル４６
が、その背後に位置する空気ノズル４７を隠しており、
このことは、これらの空気ノズルの符号が括弧に入って
いることで表されている。絞られていない空気ノズル４
６，４７は、枚葉紙１の搬送方向に対して斜め反対向き
の空気出口方向を有している。機能原理をわかりやすく
するために、案内装置１０の絞られた空気ノズル１１，
１２のばね軸受は、図１では実際の構造形態（図２と図
３参照）とは異なり、模式化して図示されている。

【００２７】図２と図３を参照しながら、案内装置１０
の絞られた空気ノズル１１，１２の各々の代表として空
気ノズル１２を用いて、実際の構造形態について詳細に
説明する。空気ノズル１２は、直進ジョイントとして構
成されたジョイント４８で、搬送胴５に接近するよう
に、かつ搬送胴５から離反するように、直線的に位置調
節可能に支持されている。ジョイント４８は、表面が案
内面を形成している壁部（被覆壁）５０にある段差のつ
いたジョイント穴４９と、このジョイント穴４９にスラ
イド可能に挿入された、同じく段差のあるノズル本体５
１とで構成されている。圧力で作動可能なコイル状のば
ね５２は、ばね５２に差し込まれたノズル本体５１と、
壁部５０との間で初期応力をかけられて保持されてい
る。ジョイント穴４９の中に配置され、ノズル本体５１
の先細になった段差部の回りに巻きついているばね５２
は、その一方の端部ではノズル本体５１の先太になった
段差部５３に支持されるとともに、他方の端部では、ジ
ョイント穴４９の肩部５４に支持されている。

【００２８】ノズル本体５１にある、横方向ピンとして
構成されている半径方向の突起５５は、壁部５０の下面
に突き当たることによって、特定の動作状態のときにば
ね５２がノズル本体５１をジョイント穴４９から遠くへ
押し出し過ぎるのを防止する。ノズル本体５１の、突起
５５を支持している端部は、案内装置１０の壁部５０の
下に配置された空気絞りの絞り出口１７に突入してお
り、この空気絞りのさまざまな実施形態は符号４１６，
５１６，６１６，７１６および８１６（図４から図８参
照）で示されており、第1の空気案内システム１３の構
成要素である。

【００２９】空気絞り４１６，５１６，６１６，７１６
または８１６に対応する空気絞りは、搬送胴５の絞られ
た空気ノズル８，９の各々と、案内装置１０の絞られた
空気ノズル１１，１２の各々とに付属している。

【００３０】絞り出口１７から、吹付け空気がノズル本
体５１ないしそのノズル穴５６の中へ流れ出る。空気絞
り４１６，５１６，６１６，７１６または８１６の各実
施形態では、空気絞りは、絞り天井１８に絞り出口１７
を有するとともに、絞り底面２０に絞り入口１９を有し
ている。図１では、絞られた空気ノズル８，９および１
１，１２を周知の絞り記号で表すことによって、空気絞
り４１６，５１６，６１６，７１６または８１６によ
る、絞られた空気ノズル８，９および１１，１２の絞り
が極度に模式化して描かれている。

【００３１】絞り天井１８と絞り底面２０は、その間に
配置された、第１の空気圧発生器１４の吹付け空気が通
過する絞り室２１の上側ないし下側の仕切りを構成して
いる。

【００３２】空気絞り４１６，５１６，６１６，７１６
または８１６の構成については、図４から図８に示すさ
まざまな実施形態があり、これらの図面を参照しながら
以下に説明する。

【００３３】空気絞り４１６では（図４参照）、絞り室
２１の内部における絞り入口１７と絞り出口１９の間の
空気流の経路に、両側で網または格子２３によって束ね
られた、たとえばグラニュール、繊維、切屑、小球など
の詰め物小片からなる詰め物層２２がある。詰め物小片
は、安定性をもたせるために互いに焼結されていてもよ
い。詰め物層２２は、詰め物小片とバルク小片の間に、
相互に連通するキャビティを有しており、このキャビテ
ィを通って吹付け空気が流れる。詰め物層２２は絞り室
２１の横断面を完全に充填しているので、すべての吹付
け空気が詰め物層２２を通って流れなければならず、こ
の詰め物層２２の中で詰め物小片に堰き止められたり、
キャビティ内で渦を巻くことによって絞られる。

【００３４】図５に示す空気絞り５１６の変形例では、
詰め物層２２が、絞り室２１に挿入された繊維質の絞り
片２４、たとえば織物や不織布で置き換えられている。
絞り室２１を絞り底面２０から絞り天井１８までフィル
タ状の絞り片２４で充填するために、この絞り片２４
は、十分に容積が大きいただ１つの層でできていてよ
く、または巻かれて多層の挿入物になっていてよく、も
しくは絞り室２１の中に張り渡されていてよい。絞り片
２４を通って流れる吹付け空気は、糸や繊維に当たって
堰き止められ、絞り片２４の小孔で渦を巻くことによっ
て絞られる。

【００３５】図６（ａ）（図６（ｂ）の切断線ＶＩａ−
ＶＩａに沿った水平断面図）と、図６（ｂ）（図６
（ａ）の切断線ＶＩｂ−ＶＩｂに沿った垂直断面図）に
は、空気案内壁２５および２６が絞り室２１の中で互い
に角度をなして、特に直交するように配置されており、
それによって、空気案内壁２５および２６の間で絞り入
口１７から絞り出口１９まで吹付け空気を案内する空気
通路２７が、多角形の螺旋の形態で生じている、空気絞
り６１６が示されている。空気通路２７を通って流れる
吹付け空気は、空気通路２７のコーナー角２８および２
９で堰き止められ、空気案内壁２５および２６のコーナ
ーエッジ３０および３１のところで渦を巻くので、空気
流が絞られる。空気案内壁２５および２６は、たとえば
空気案内壁２５および２６をサンドブラストで処理する
ことによって構成され、摩擦を増やすことによって、空
気通路２７で吹付け空気の流れ速度を遅くするのに貢献
する、非常に大きな表面粗さを有している。

【００３６】空気絞り７１６（図７（ａ）（水平断面
図）と図７（ｂ）（垂直断面図）参照）では、絞り室２
１が、堰き止め壁の形態の空気堰３２および３３で塞が
れている。空気堰３２，３３は２列になって交互に、か
つ細い空気間隙３４および３５を除いて互いに覆うよう
に配置されている。空気堰３２および３３の間には螺旋
室４４および４５があり、これらの螺旋室４４，４５は
空気間隙３４および３５とともに、絞り入口１７から絞
り出口１９まで続く、内部で吹付け空気が絞られる曲り
くねった空気通路を形成している。

【００３７】絞り天井１８と絞り底面１９が薄層として
構成され、これらの間に中間層があり、この中間層から
メアンダ状の空気通路と渦巻室が切り欠かれている、空
気絞り７１６ａ，７１６ｂまたは７１６ｃのサンドイッ
チ構造も考えられる。このような空気絞りは、たとえば
中間層を打ち抜くことで有利に製造可能であり、複数を
配置して積層状の絞りパッケージを構成することができ
る。

【００３８】図８には、絞り室２１の中で相上下して配
置された穴あき板３８および３９からなる空気絞り８１
６の断面図が示されている。穴あき板３８および３９の
各々は、それぞれ隣接する穴あき板の少なくとも１つの
穴４１（ないし４０）に対して板平面でオフセットされ
て配置された、少なくとも１つの穴４０（ないし４１）
を有している。つまり、メアンダ状の空気通路を構成す
る穴４０および４１は、互いに一直線上に並んでおら
ず、穴あき板３８および３９の閉じた板面で覆われてい
る。スペーサ４２および４３は、穴あき板３８および３
９が相互に間隔をあけるように保つとともに、吹付け空
気が流れる、穴あき板３８および３９の間に位置する渦
巻室４４および４５の容積を規定する。吹付け空気は、
流動経路をなしている穴４０および４１の狭隘部の手前
で堰き止められ、渦巻室４４および４５の中で渦を巻
く。空気絞り８１６の絞り作用は、空気絞り６１６から
７１６とまったく同じく、絞り室２１の中で空気流を何
度も方向転換させることによって、吹付け空気の流れ速
度を下げることに基づいている。

【００３９】次に、機械２の作動方法について説明す
る。

【００４０】搬送胴５によって枚葉紙１を搬送している
間に、枚葉紙１の後端５７が胴４および５の共通の接線
点５８を通過すると、枚葉紙１のその時点での裏面と、
搬送胴５の円周表面との間に、搬送胴５の空気ノズル
８，９から出てくる吹付け空気によって、図１に符号Ａ
で示す第1のエアクッションが生成され、このエアクッ
ションによって枚葉紙１は、その後端５７の方向で円周
表面７との間隔を増やしながら、円周表面７から持ち上
げられる。

【００４１】エアクッションＡと同時に、案内装置１０
の空気ノズル１１，１２および４６，４７から、案内装
置１０ないしその案内面と、枚葉紙１のその時点での表
面との間に、第２のエアクッションＢが生成される。

【００４２】案内装置１０のそばを搬送される間に、空
気ノズル８，９および１１，１２および４６，４７によ
って両面から吹付けをうける枚葉紙１は、このとき、非
常に安定していて、横方向の加速がほとんどない飛行軌
道上を動いている。

【００４３】搬送胴５の絞られた空気ノズル８，９の絞
りによって、およびそれの結果として生じる、近隣領域
での空気ノズル８，９の高い効率によって、前述した後
端５７から円周表面７までの間隔をごくわずかに保つこ
とができる。案内装置１０の絞られた空気ノズル１１，
１２の絞りによって、およびその結果として生じる、近
隣領域での絞られた空気ノズル１１，１２の比較的大き
な吹付け空気の容積流量（絞られた吹付け空気ノズル１
１，１２による少ない吹付け空気の容積流量を基準とし
た場合）によって、枚葉紙１を案内装置１０にきわめて
密接しながら、かつそれにもかかわらず絶対的な確実性
で案内装置１０にぶつかることなく、案内装置１０のそ
ばを搬送することもできる。

【００４４】換言すれば、枚葉紙１が非接触で通過する
（図１では図面を見やすくする理由から狭くは描かれて
おらず、逆にきわめて誇張して広く描かれている）、搬
送胴５と案内装置１０の間の通過間隙５９は、非常に狭
く設定されていてよいので、通過間隙５９で作用するエ
アクッションＡ，Ｂは、枚葉紙１を、ほぼ理想的に円形
の、したがって非常に安定した飛行軌道上に保つ。空気
絞り４１６，５１６，６１６，７１６または８１６を有
する、ないしその各々を有する、絞られた空気ノズル
８，９および１１，１２の絞りのさらに別の利点は、そ
れによって空気ノズル８，９および１１，１２を通る吹
付け空気の容積流量が減ることによって得られる。すな
わち、それぞれの空気ノズル８，９，１１または１２を
通る吹付け空気の容積流量は、空気ノズル８，９，１１
または１２が枚葉紙１によってその搬送中に覆われなく
なった状態のとき、またはまだ覆われていない状態のと
き、遮蔽措置によって抑える必要がない。換言すれば、
空気ノズル８，９および１１，１２による、いわゆる余
分な空気流が非常に少なく、許容範囲内にあるので、余
分な空気流を防止するために構造的にコストのかかる止
め弁等を設けなくてもよい。

【００４５】図２と図３に示す、空気ノズル１１，１２
のばね作用のある支持部は、さまざまな被印刷体厚さを
もつ枚葉紙１の処理に関して有利である。厚くて重い枚
葉紙（厚紙の枚葉紙）（図２参照）は、固有剛性が高く
て遠心力が大きいので、剛性が低くて軽い薄い枚葉紙
（薄紙の枚葉紙）（図３参照）よりも、搬送胴５から大
きく離れている。絞られた空気ノズル１２が、厚い枚葉
紙１のときでも薄い枚葉紙１のときでも、最善に空気圧
で各枚葉紙１に作用するようにするため、空気ノズル１
２は枚葉紙１を処理するときに、力Ｆ_FとＦ_Bの間に力の
均衡が成立するまで、ばね５２によって自動的に案内装
置１０から繰り出されて枚葉紙１に接近する。Ｆ_Fは、
吹き出してくる吹付け空気６１によって引き起こされ
る、空気ノズル１２と枚葉紙１との間の局所的な空気滞
留の滞留圧力を表している。繰り出しの過程で空気ノズ
ル１２の枚葉紙１との間隔が狭くなるにつれて、近隣領
域における空気ノズル１２と枚葉紙１の最良の間隔６０
が、空気ノズル１２の最良の作用に相当する力の均衡が
達成されるまで、衝撃圧力Ｆ_Bが増大していく。したが
って、薄紙の枚葉紙（図３参照）の場合には、厚紙の枚
葉紙の場合よりも空気ノズルが大きく繰り出されるの
で、空気ノズル１２と枚葉紙１の間隔は、両方のケース
のいずれにおいても、被印刷体に依存しない一定した最
良の間隔６０に設定され、したがって空気ノズル１２の
被印刷体への自動の適合化が行われる。

【００４６】あるいは、枚葉紙１が横方向運動をするた
びに空気ノズル１２が枚葉紙１に追従して補正され、こ
うした空気ノズル１２の自動調節によって最良の間隔６
０が維持されることによって、ばね支持部は、機械速度
へ空気ノズル１２を自動的に適合させる。

【００４７】たとえば、機械速度が上昇することによっ
て、すなわち搬送胴５の回転数が増えることによって、
横方向運動が引き起こされる可能性があり、それによっ
て枚葉紙１に作用する遠心力が増え、後端５７の搬送胴
５との間隔が広くなり、後端５７の案内装置１０との間
隔は狭くなる。このとき枚葉紙１は非接触で、つまり空
気ノズル１２に触れることなく、枚葉紙１と空気ノズル
１２の間にある、局所的な空気滞留によって引き起こさ
れるエアクッションによって、ばね５２の作用に抗し
て、横方向運動によって失われた最良の間隔６０がきわ
めて迅速な反応で再び回復されるまで、空気ノズル１２
を案内装置１０の方向へと押し戻す。発生する滞留圧力
Ｆ_Bに対して相対的に、ばね５２のばね力Ｆ_Fないしばね
特性曲線を目的に沿って適合させることは、申し分のな
い機能のための前提条件である。

【００４８】すでに冒頭で述べたように、本発明の機械
２の機械運転が速度変化によって妨害されない場合に
は、このような横方向運動は事実上発生しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】案内装置を備える枚葉紙処理機械を示す図であ
る。

【図２】案内装置の、ばね作用がある絞られた空気ノズ
ルを示す図である。

【図３】別の位置にある、案内装置の、ばね作用がある
絞られた空気ノズルを示す図である。

【図４】絞られた空気ノズルに付属する空気絞りの実施
形態を示す図である。

【図５】絞られた空気ノズルに付属する空気絞りの別の
実施形態を示す図である。

【図６】絞られた空気ノズルに付属する空気絞りの別の
実施例を示す図である。

【図７】絞られた空気ノズルに付属する空気絞りの別の
実施例を示す図である。

【図８】絞られた空気ノズルに付属する空気絞りの別の
実施例を示す図である。

【符号の説明】

１ 枚葉紙 ２ 機械 ３ 胴 ４ 胴 ５ 搬送胴 ６ くわえづめ列 ７ 円周表面 ８，９ 空気ノズル １０ 案内装置 １１，１２ 空気ノズル １３ 空気案内システム １４，１５ 空気圧発生器 １７ 絞り出口 １８ 絞り天井 １９ 絞り入口 ２０ 絞り底面 ２１ 絞り室 ２２ バルク層 ２３ 格子 ２４ 絞り片 ２５，２６ 空気案内壁 ２７ 空気通路 ２８，２９ コーナー角 ３０，３１ コーナーエッジ ３２，３３ 空気堰 ３４，３５ 空気間隙 ３６，３７ 渦巻室 ３８，３９ 穴あき板 ４０，４１ 穴 ４２，４３ スペーサ ４４，４５ 渦巻室 ４６，４７ 空気ノズル ４８ ジョイント ４９ ジョイント穴 ５０ 壁部 ５１ ノズル本体 ５２ ばね ５３ 段差部 ５４ 肩部 ５５ 突起 ５６ ノズル穴 ５７ 後端 ５８ 接線点 ５９ 通過間隙 ６０ 間隔 ６１ 吹付け空気 ４１６，５１６，６１６，７１６，８１６ 空気絞り

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390009232 Ｋｕｒｆｕｅｒｓｔｅｎ−Ａｎｌａｇｅ 52−60，Ｈｅｉｄｅｌｂｅｒｇ，Ｆｅｄｅ ｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒ ｍａｎｙ (72)発明者 ミーカーエル ギーザー ドイツ連邦共和国 68723 オフターシャ イム プランクシュテッター シュトラー セ 17 (72)発明者 クリスチャン ゲルビンク ドイツ連邦共和国 69121 ハイデルベル ク ドッセンハイマー ラントシュトラー セ 18 (72)発明者 ペーター ハックマン ドイツ連邦共和国 69221 ドッセンハイ ム ジルバーシュール 19 (72)発明者 カール−ハインツ ヘルムシュテッター ドイツ連邦共和国 69115 ハイデルベル ク ヴェルスシュトラーセ ５ (72)発明者 クリスチャン ヒーブ ドイツ連邦共和国 67141 ノイホーヘン ヴァルトシュトラーセ 23 (72)発明者 ルービン シュミット ドイツ連邦共和国 69126 ハイデルベル ク ヘルマン−シェーク−ヴェーク ９ (72)発明者 ギュンター シュテファン ドイツ連邦共和国 69168 ヴィースロッ ホ フーシュミートシュトラーセ １／３ Ｆターム(参考） 2C020 AA04 3F049 AA10 FA05 LA06 LB03 3F101 CA14 CC07 LA06 LB03

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送胴（５）の軸平行線から外れる方向
   に互いにオフセットされた空気ノズル（８，９）を有す
   る、枚葉紙（１）を搬送する搬送胴（５）と、空気ノズ
   ル（１１，１２，４６，４７）を有していて前記搬送胴
   （５）に付属する、枚葉紙（１）を案内する案内装置
   （１０）とを備える、枚葉紙（１）を処理する機械
   （２）、特に枚葉紙輪転印刷機において、 前記空気ノズル（８，９，１１，１２，４６，４７）
   が、絞られた空気ノズル（８，９，１１，１２）と絞ら
   れていない空気ノズル（４６，４７）とを含んでいるこ
   とを特徴とする枚葉紙処理機械。
2. 【請求項２】 前記案内装置（１０）の前記空気ノズル
   （１１，１２，４６，４７）が、絞られた空気ノズル
   （１１，１２）と絞られていない空気ノズル（４６，４
   ７）とを含んでいる、請求項１記載の機械。
3. 【請求項３】 絞られた空気ノズル（８，９，１１，１
   ２）が吹付け空気ノズルである、請求項１または２記載
   の機械。
4. 【請求項４】 絞られていない空気ノズル（４６，４
   ７）が吹付け空気ノズルである、請求項１から３のいず
   れか１項記載の機械。
5. 【請求項５】 絞られた空気ノズル（１１，１２）がジ
   ョイント（４８）で可動に支持されている、請求項１か
   ら４のいずれか１項記載の機械。
6. 【請求項６】 絞られた空気ノズル（１１，１２）がば
   ね（５２）によって力をかけられて支持されている、請
   求項１から５のいずれか１項記載の機械。
7. 【請求項７】 空気絞り（４１６，５１６，６１６，７
   １６，８１６）に、絞られた空気ノズル（８，９，１
   １，１２）の少なくとも１つが付属している、請求項１
   から６のいずれか１項記載の機械。
8. 【請求項８】 前記空気絞り（４１６）が詰め物層（２
   ２）を含んでいる、請求項７記載の機械。
9. 【請求項９】 前記空気絞り（５１６）がフィルタ状の
   絞り片（２４）を含んでいる、請求項７記載の機械。
10. 【請求項１０】 前記空気絞り（６１６）が渦巻状の空
    気通路（２７）を含んでいる、請求項７記載の機械。
11. 【請求項１１】 前記空気絞り（７１６）が、突出する
    空気堰（３２，３３）と、これらの間に位置する渦巻室
    （３６，３７）とを含んでいる、請求項７記載の機械。
12. 【請求項１２】 前記空気絞り（８１６）が、相上下し
    て配置された穴あき板（３８，３９）と、これらの間に
    位置する渦巻室（４４，４５）とを含んでいる、請求項
    ７記載の機械。