JP2002136987A - 下水処理システム、その流入水処理演算装置、流入水処理方法、及び記憶媒体 - Google Patents
下水処理システム、その流入水処理演算装置、流入水処理方法、及び記憶媒体Info
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Abstract
よいか否かを正しく判断でき、且つ直接放流等の操作も
自動的に行う下水処理システム、その流入水処理演算装
置、流入水処理方法を提供する。 【解決手段】 流入水処理演算部10は、既存の溶存酸
素濃度一定制御装置20への入力データを利用し、溶存
酸素濃度計16により計測された溶存酸素濃度値と、風
量計19により計測された反応槽6への送風量を入力す
る。更に、雨量計11で計測された降雨量、及び流量計
12で計測されたポンプ全揚水量も入力し、これら4種
類の入力データに基づいて、ファジー推論を行って、現
在、直接放流、簡易処理放流等を行ってよい状況にある
か否かを判定し、この判定結果に応じて、放流ポンプ運
転/停止指令、または簡易処理放流ゲート操作指令、あ
るいは流入量調整ゲート操作指令を出す。
Description
ける下水処理システム、その流入水処理演算装置、流入
水処理方法に関する。
汚水用の分流式下水道や、汚水と雨水の両方が流入する
合流式下水道等がある。合流式下水道を通って流入する
液体(汚水、雨水等)は、下水処理場において、例えば
降雨時等にその処理能力を越える流入量があった場合に
は、これを処理せずに直接ポンプで河川等に放流した
り、最初沈殿池を経由して放流する簡易処理を行ってい
た。あるいは雨水調整池を有する処理場では、活性汚泥
処理能力を越える分を一時的に貯留し、降雨終了後にそ
の活性汚泥処理を行うようにしている。これは、活性汚
泥処理能力を越える流入量(水位)があった場合に、自
然に余剰分が雨水調整池に流れ込むように、予め所定の
高さの越流堰を設けている。また、活性汚泥処理施設と
してステップ処理施設を備えている場合には、汚水の流
入点を変えることにより処理水質を維持しているところ
もある。
る。図11は、合流式下水道に対する下水処理場の構成
の一例を示す図であり、この例ではステップ処理施設を
備える下水処理場を示す。また、図示の例では、雨水調
整池も備えた構成としている。
流入する液体(雨水、汚水の混合)は、貯留槽2に一時
的に貯留され、ここから揚水ポンプ3(複数台のポンプ
から成る場合もある)によって汲み上げられ、まず最初
沈殿池4に入る。あるいは、活性汚泥処理能力を越える
流入量があった場合に、余剰分が雨水調整池5に流れ込
む。最初沈殿池4において、液体内の汚濁物がある程度
沈殿された後、反応槽6において活性汚泥処理能力が行
われる。よく知られているように、活性汚泥処理とは、
活性汚泥による生物化学反応によって、汚水に含まれる
(溶解している)汚濁物を固形化する処理である。ここ
で、活性汚泥とは、最終沈殿池7で沈殿した汚泥の一部
を反応槽6に戻したもの(返送汚泥)である。更に、活
性汚泥に含まれる微生物の活動が活発になるようにする
為に、空気を送風する。
て、一般に、反応槽6内の溶存酸素濃度値が使用されて
いる。すなわち、上記微生物は、汚水に含まれる汚濁物
を処理する際に酸素を消費するが、仮に送風空気中の酸
素量よりも酸素消費量が大きくなると溶存酸素濃度値が
下がっていき、その逆の場合は溶存酸素濃度値が上がっ
ていく。これは、流入水の量や汚濁度等に影響される。
溶存酸素濃度値は、下がり過ぎても、上がり過ぎても具
合が悪い。
目標値を設定しておき、この目標値となるように送風量
を調節する制御を行う。この制御は、後述する「溶存酸
素濃度一定制御装置」により行われる。
含まれる汚濁物を固形化する処理を行ったあと、最後
に、最終沈殿池7において、固形化された汚濁物の沈殿
が行われる。このようなプロセスを経て汚水は浄化さ
れ、河川等に放流可能となる。
は、活性汚泥処理能力を越える流入量があった場合、ま
たは雨水調整池5がある場合には、その一時貯留限界量
を越えた場合等に、貯留槽2から直接、河川に放流する
為のポンプである。また、上記簡易処理を行う場合に
は、最初沈殿池4から放流する。いずれにしても、反応
槽6の処理能力を越えないようにする一方で、ある程度
以上汚濁度が低い状態で河川等に放流しなけらばならな
い。
4から反応槽6に流入させるのに、図示の通り、反応槽
6の前段への流入ルートAと、反応槽6の後段への流入
ルートBとがある。通常は、反応槽6の前段への流入量
と後段への流入量はほぼ同じ(50%ずつ)にしている
が、雨天時等には、上記の様に、汚水の流入点を変える
ことにより処理水質を維持しているところもある。尚、
汚水の流入点を変えるとは、上記前段/後段50%ずつ
の比率を変えて、後段への流入量を多くすることを意味
する。
や簡易処理、あるいは後段への流入量を多くする事は、
従来では現場の状況を見ながら人間が判断して手動で操
作していた。人間による判断方法としては、揚水ポンプ
3の揚水量や運転台数から流入量を判断したり、水質や
水質の変化を判断し、これより例えば流入量がある程度
多くなり、水質が直接河川に放流可能な程度まで希釈さ
れていると判断すると、上記直接放流等を行わせる操
作、すなわち河川放流ポンプ8の起動等の操作を行って
いた。
り、人間が判断して手動で操作していたが、その判断材
料は、例えば水質を判断する場合は、溶存酸素濃度値、
送風量の計測値であった。
を判断材料とする意味について説明する。降雨開始時に
は、地表面等に蓄積した汚濁物質が雨水により洗い流さ
れたり、下水管渠内に蓄積した汚濁物質が流出すること
により、下水処理場には汚濁度の高い液体(雨水と汚
水)が流入する。しかし、ある程度降雨が続いて、上記
汚濁物質が洗い流されると、その後は汚濁度が非常に低
い雨水が流入することになり、この雨水が合流すること
により汚水が希釈されるので、流入水の汚濁度が低くな
る。それと共に、雨水中の溶存酸素濃度により流入水中
の溶存酸素濃度値が上昇する。そして、上記溶存酸素濃
度値の高い流入水が反応槽内に入っていくにしたがっ
て、反応槽内の液体の溶存酸素濃度値が上昇していく。
活性汚泥処理反応槽内の溶存酸素濃度一定値運転を行っ
ている場合、これによって、送風量を減少させる制御が
行われるが、この場合、送風量が最小になっても、溶存
酸素濃度値が上昇し続ける現象が生じる。
度及び送風量との間には関係があることが知られてお
り、溶存酸素濃度値と送風量を見れば、水質を推定する
ことは可能であった。
の能力によってバラツクし、ある程度の熟練者でないと
判断すること自体難しい。そして、判断に失敗すると、
例えば反応槽6の処理限界を越える流入量が続くと、反
応槽6の処理が異常となり、結果、処理水質の悪化や反
応槽6内の活性汚泥微生物の死滅や変質を招いてしま
う。そして、一度こうなってしまうと、復旧作業が非常
に大変となる。そうかといって、流入水の汚濁度が未だ
高い状態であるにも係わらず、河川への直接放流等を行
えば、河川を汚してしまう。
酸素濃度及び送風量のデータを見て判断する作業を繰り
返さなければならないので、作業者の負担が大きい。特
に夜間は大変である。
ンサーの計測値を見て判断することが考えられるが、水
質センサーは非常に高価であり、且つ頻繁にメンテナン
スする必要がある為、購入コスト、維持コストとも掛か
り、また運転員(もしくは監視員)等にメンテナンス作
業負担が課せられることになり、作業負担が増大する。
あるが、現実には、雨水調整池を設置するには非常に広
い敷地が必要となる為、実現が難しい。特に、都市部で
は、雨水調整池を設けることができない下水処理場が多
い。
し、直接放流等してよいか否かを正しく判断でき、且つ
直接放流等の操作も自動的に行う下水処理システム、そ
の流入水処理演算装置、流入水処理方法を提供すること
である。
演算装置は、降雨量、ポンプ全揚水量、反応槽溶存酸素
濃度、及び反応槽への送風量のデータを入力し、該デー
タに基づいてファジー推論を実行することにより、反応
槽による通常の活性汚泥処理を行わない流入水処理を実
行すべきか否かを判定する手段を有する。
よって流入量が増大して反応槽による活性汚泥処理の処
理能力の限界を越えそうな状況において、例えば直接放
流等を行ってよいか、といったような、厳密/正確では
なくてもよいがある程度の正しさが求められる判断を、
ファジー推論を用いて行うようにしている。これによ
り、作業者等が下水処理場に常駐して逐一判断するとい
うような、わずらわしい人的負担を減らすことができ
る。
えば第1の例としては、前記入力する降雨量とポンプ全
揚水量とに基づいて、降雨による流入量増加状況をファ
ジー推論する流入量増加状況演算手段と、該流入量増加
状況演算手段により求められた流入量増加状況の推論値
と、前記入力する反応槽溶存酸素濃度と送風量のデータ
に基づいて、流入水の希釈状況をファジー推論する流入
水の希釈状況演算手段と、該流入水の希釈状況演算手段
により求められた流入水の希釈状況の推論値と、予め設
定される閾値とを比較することにより、反応槽による通
常の活性汚泥処理を行わない流入水処理を実行すべきか
否かを判定する判定手段とにより実現する。
入力する降雨量とポンプ全揚水量とに基づいて、降雨に
よる流入量増加状況をファジー推論する流入量増加状況
演算手段と、前記入力する反応槽溶存酸素濃度と送風量
のデータに基づいて、流入水の希釈状況をファジー推論
する流入水の希釈状況演算手段と、前記流入量増加状況
演算手段により求められた流入量増加状況の推論値と予
め設定される第1の閾値とを比較すると共に、該流入水
の希釈状況演算手段により求められた流入水の希釈状況
の推論値と予め設定される第2の閾値とを比較し、両方
の比較結果に基づいて反応槽による通常の活性汚泥処理
を行わない流入水処理を実行すべきか否かを判定する判
定手段とにより実現する。
理を行わない流入水処理とは、具体的には、例えば、下
水管渠より流入する流入水を直接放流する処理、または
下水管渠より流入する流入水に簡易処理を施して放流す
る処理、あるいはステップ処理施設の場合にはその後段
への流入比率を高くする処理、または雨水貯留池に一時
貯留させる処理等である。
流入する流入水を揚水する全ポンプの揚水量を計測する
流量計と、活性汚泥処理を行う反応槽内の溶存酸素濃度
を計測する溶存酸素濃度計と、該反応槽への送風量を計
測する風量計と、下水管渠より流入する流入水を直接放
流するための河川放流ポンプまたは簡易処理を行う最初
沈殿池から放流するための簡易処理放流ゲートを備える
下水処理システムであって、前記雨量計、流量計、溶存
酸素濃度計、及び風量計により計測される、降雨量、ポ
ンプ全揚水量、反応槽溶存酸素濃度、及び反応槽への送
風量のデータを入力し、該データに基づいてファジー推
論を実行することにより、反応槽による通常の活性汚泥
処理を行わない流入水処理を実行すべきか否かを判定
し、該判定結果に応じて前記河川放流ポンプに対するポ
ンプ起動/停止指令、または前記簡易処理放流ゲートに
対するゲート開/閉指令を出力する流入水処理演算装置
を備える。
だけでなく、判断結果に応じた制御を自動的に行うよう
にしているので、下水処理場の作業者等の負担を更に軽
減することができる。
置、下水処理システムを実現させるプログラムが記録さ
れた記録媒体自体も含まれる。
実施の形態について説明する。本発明は、水質センサー
等を新たに設けることなく、既存の活性汚泥処理反応槽
内の溶存酸素濃度一定値運転システムから得られるデー
タを用いて、放流/簡易処理等すべき時期を自動的に判
断及び操作する下水処理システムを提案する。
より実現する。詳しくは、以下、図1以降を参照しなが
ら説明する。図1は、本実施形態による下水処理システ
ム全体を概略的に示す図である。
一符号を付してある。図1において、まず、上述してあ
る既存の「溶存酸素濃度一定制御装置」について説明す
る。図示の通り、送風機17からの送風を風量調節弁1
8で調節することで、反応槽6への送風量が変わる。溶
存酸素濃度一定制御装置20は、溶存酸素濃度計16に
より計測された溶存酸素濃度値を入力し、これに基づい
て溶存酸素濃度一定制御の為の所定の演算を行って、風
量調節弁18の弁開度を決定する。そして、この弁開度
指令を風量調節弁18に送る。
は、この既存の「溶存酸素濃度一定制御装置」で用いる
データの一部を利用し、溶存酸素濃度計16により計測
された溶存酸素濃度値を入力すると共に、風量計19に
より計測された反応槽6への送風量を入力する。更に、
雨量計11で計測された降雨量、及び流量計12で計測
されたポンプ全揚水量も入力し、これら4種類の入力デ
ータに基づいて、以下に詳細に説明するファジー推論を
行う。そして、この推論結果に応じて、図示の様に、河
川放流ポンプ8に対しては放流ポンプ運転/停止指令、
または簡易処理放流ゲート13に対しては簡易処理放流
ゲート操作指令、あるいは流入量調整ゲート14、15
に対しては流入量調整ゲート操作指令を出す。尚、送風
量の代わりに、風量調節弁18の弁開度の計測値を用い
るようにしてもよい。
けでなく、ゲートの開閉を行う装置も含む意味である。
流入水処理演算部10の詳細については、以下、第1の
実施例、第2の実施例として、説明する。
るだけである。良く知られているように、ファジー推論
には、例えばmax−min重心法、max−prod
uct重心法、シングルトン法等の様々な手法が存在す
るのであり、本発明はこれら手法の1形態に限定される
のではなく、適用可能な手法すべてが本発明に含まれ
る。尚、以下の説明では、後件部のメンバーシップ関数
を定数(シングルトンと呼ぶ)とする手法を例にする。
算部の概略的な機能ブロック図である。流入水処理演算
部30は、図1で説明した通り、溶存酸素濃度計16に
より計測された溶存酸素濃度値、風量計19により計測
された反応槽6への送風量、雨量計11で計測された降
雨量、及び流量計12で計測されたポンプ全揚水量を入
力する。流入水処理演算部30は、降雨による流入量増
加状況演算部31、流入水の希釈状況演算部32、判定
/操作指令部33より成る。
水量と降雨量を入力し、流入量の増加状況をファジー推
論を実行して流入水の希釈状況演算部32に出力する。
希釈状況演算部32は、この流入量増加状況演算部31
の出力と、溶存酸素濃度値及び反応槽送風量とを入力し
て、流入水の希釈状況をファジー推論を実行する。判定
/操作指令部33は、この推論された希釈状況に応じ
て、例えば河川放流ポンプ8の起動/停止等の指令を出
力する。
おけるファジー推論について、詳細に説明する。流入量
増加状況のファジー推論は、図3(a)、(b)に示す
メンバーシップ関数と、図4に示すファジー評価ルール
テーブルとを用いて行う。
ップ関数であり、図示の通り三角型であり、ファジー変
数のラベルは例えば「減少」、「変化なし」、「やや増
加」、「増加」と表現するものとする。また、説明する
までもないが、図の縦軸は、各メンバーシップ関数への
帰属度(grade of membership )を表わす。例えば、ポ
ンプ揚水量が0.4の場合には「やや増加」に属する度
合いが最も大きい(‘1’である)ことになる。
おける0.4、1.0等の値は、ポンプ揚水量の計測値
そのままを意味しているのではなく、晴天時の全揚水量
と同じ値である場合には‘0’、運転可能なポンプを全
台100%運転したとき(最大運転時)の揚水量を
‘1’として規格化しているものである。
の全揚水量 ポンプ揚水量は、運転可能な全ポンプの揚水定格値で規
格化している。次元のある数値(1分当たりの揚水量、
一時間当たりの揚水量等)の取り扱いを無次元で処理
し、どのような揚水量でも統一して扱う為である。
揚水する量全てを意味する。すなわち、揚水ポンプ3に
よる揚水量(複数台ある場合には全てのポンプの揚水量
の合計)だけでなく、河川放流ポンプ8による揚水量も
含まれる。そして、このポンプ全揚水量の全てが、反応
槽6に流入するとは限らない。河川放流ポンプ8により
揚水された分は直接河川に放流されるし、簡易処理放流
されるかもしれないし、あるいは雨水調整池がある場合
には、ここに一時貯留されるかもしれない。このよう
に、必ずしもポンプ全揚水量が反応槽6への流入量とな
るとは限らない。更に、晴天時の全揚水量とは、降雨開
始時のT時間前から降雨開始時までのポンプの揚水量の
実測値の平均値を意味する。Tの値は、経験的に、予め
決める。例えば、2時間から3時間程度の値をとる。ま
た、降雨等の影響がなくても流入量が変動する場合であ
って、それに周期性がある場合には(例えば、家庭から
排出される下水の量は、深夜には少なく、食事時や風呂
時には多くなる、といったように、一日の中である程度
周期性のある変動が見られる)、例えば降雨等の影響が
ない状態で予め一日中のポンプの揚水量を実測して記憶
しておき(あるいは、数日〜数週間分の平均値を求め
て、これを記憶しておき)、現在時刻と同時刻の値を読
み出して、これを上記晴天時の全揚水量としてもよい。
0.4に相当する値であるとき「やや増加」に属する度
合いが‘1’となるように決められているが、これは一
例として示しているだけである。実際には、ポンプ揚水
量のメンバーシップ関数に限らず、本例で用いるメンバ
ーシップ関数、制御規則の具体的な数値等は、ファジー
制御においてはよく知られているように、例えば熟練し
た作業者等の経験等に基づく意見を参考にしながら主観
的に決定していく。結果的に、後述する閾値(=0.
5)を越えているときに直接放流等が行われると丁度よ
い具合となるように、調整すればよいのである。
であり、ファジー変数のラベルは「少」、「並」、
「多」で表現する。これも、図3(a)の場合と同様
に、横軸の降雨量の1.0、3.0等の値に対応する現
実の降雨量が何であるかは、経験等に基づいて主観的に
決定する。経験的には、送風量の減少が表れた時の降雨
量を基準に考えるとよい。更に、降雨量によってどの程
度流入量が増加するかといった問題は、各下水処理場毎
に、その周囲の地形や設備等の影響で多少なりとも違っ
てくるので、できれば上記メンバーシップ関数は各下水
処理場毎に設定することが望ましい。そうすれば、より
適切な結果が得られるファジー制御が可能になる。尚、
降雨量は、降雨開始時からの累積値である。また、降雨
が止んでも直ちに降雨量の計測を終了させるとは限らな
い。例えば一時的に雨が止んでも、流入量が晴天時の状
態に戻らない場合、降雨量の積算は継続する。
ブルは、全部で12個の制御規則をテーブル形式で表わ
している。例えば、同図において網かけをした部分は、
以下のIF-THEN型の1個の制御規則を表わしている。
D 降水量が「並」 THEN 流入量増加状況は「0.5」 他の11個の制御規則についても、同じことであり、特
に説明しない。
3(a)、(b)に示すメンバーシップ関数と、図4に
示す制御規則とを用いて、流入量増加状況の推論値を算
出する。流入量増加状況の推論は、公知の方法を用いれ
ばよいが、一応、以下に一例を、具体例を挙げて説明し
ておく。
量=1.0であったものとする。この場合、図3
(a)、(b)を見ての通り、ポンプ揚水量に関しては
「変化なし」と「減少」に属する度合い(あるいは成り
立つ度合いという)は‘0’であり、降雨量においては
「少」と「多」に属する度合いが‘0’であるので、図
4に示す12個の制御規則のうち、前件部(条件部)が
成りたつ度合いが‘0’ではない制御規則は、以下の2
つとなる。
AND 降水量が「並」THEN 流入量増加状況は
「0.5」 IF ポンプ揚水量が「増加」 AND 降水量が
「並」THEN 流入量増加状況は「1.0」 また、ポンプ揚水量が0.5の場合、図3(a)を参照
すると、目算により、「やや増加」への帰属度は0.8
程度、「増加」への帰属度は0.2程度に読み取れるの
で、ここでは、0.8、0.2であるものとする。
り、「並」への帰属度が1.0である。したがって、制
御規則の前件部の成り立つ度合いは0.8(1.0と
0.8の何れか小さい方をとるので) 制御規則の前件部の成り立つ度合いは0.2(同様
に、1.0と0.2の何れか小さい方をとるので)とな
り、結果、流入量増加状況の推論値は以下の式により求
められる。
が、流入水の希釈状況演算部32に渡される。
0.5を境にして増加/減少と解釈するものとする。す
なわち、0.5以上である場合にはその値に応じた流入
量の増加がある状況、0.5未満である場合にはその値
に応じた流入量の減少がある状況と解釈する。
ける処理について説明する。流入水の希釈状況演算部3
2では、図5(a)〜(c)に示すメンバーシップ関数
と、図6に示す制御規則を用いる。
入量増加状況の推論値、及び入力する反応槽溶存酸素濃
度値と反応槽送風量に対して、各々、図5(a)〜
(c)に示すメンバーシップ関数が適用される。
シップ関数であり、ファジー変数のラベルは例えば
「少」、「並」、「多」と表現している。図5(b)
は、反応槽溶存酸素濃度のメンバーシップ関数であり、
ファジー変数のラベルは例えば「低い」、「目標」、
「高い」と表現している。ここで、同図に示す横軸の
「溶存酸素濃度」とは、次式の意味であり、更に溶存酸
素濃度の計測値が、予め決められている上限値とイコー
ルのとき1.0、下限値のとき−1.0となるように規
格化している。
存酸素濃度の目標値 尚、溶存酸素濃度の目標値とは、溶存酸素濃度一定制御
装置20による一定制御目標値のことである。
ップ関数であり、ファジー変数のラベルは例えば「減
少」、「変化なし」、「増加」と表現している。ここ
で、同図に示す横軸の「送風量」とは、次式の意味であ
り、更に送風量の計測値が予め決められている上限値と
イコールのとき1.0、下限値のとき−1.0となるよ
うに規格化している。
均的な送風量 図6には、前件部に3個の命題を持つ、全部で27個の
制御規則を示してある。ここでも、図4のときと同様
に、27個の制御規則全てについて逐一説明はしない
が、例えば一例として図中の網かけをした部分は、以下
のIF-THEN型の1個の制御規則を表わしている。
AND 溶存酸素濃度が「目標」 AND 送風量が「減少」 THEN 希釈状況は
「0.55」 流入水の希釈状況演算部32は、上述した図5(a)〜
(C)に示すメンバーシップ関数と、図6に示す制御規
則とを用いて、流入水の希釈状況を推論する。流入水の
希釈状況の推論は、流入量増加状況演算部31の場合と
同様に、公知の方法を用いればよいが、ここでも一応、
以下に一例を、具体例を挙げて説明しておく。
中で、前件部(条件部)の成り立つ度合いが‘0’では
ないものは、以下の4個となる。 IF 流入量増加状況の推論値が「並」 AND 溶
存酸素濃度が「高い」AND 送風量が「減少」 TH
EN 希釈状況は「0.55」 IF 流入量増加状況の推論値が「並」 AND 溶
存酸素濃度が「高い」AND 送風量が「変化なし」
THEN 希釈状況は「0」 IF 流入量増加状況の推論値が「多」 AND 溶
存酸素濃度が「高い」AND 送風量が「減少」 TH
EN 希釈状況は「1.0」 IF 流入量増加状況の推論値が「多」 AND 溶
存酸素濃度が「高い」AND 送風量が「変化なし」
THEN 希釈状況は「0.55」 次に、図5(a)〜(c)において、流入量増加状況の
推論値=0.6、溶存酸素濃度=1.0、送風量=−
0.5の、各メンバーシップ関数に対する帰属度は、溶
存酸素濃度=1.0については「高い」に対して‘1’
であることは明確であるが、それ以外については流入量
増加状況演算部31の場合と同様に、目算で決めた値で
説明していくことにする。すなわち、流入量増加状況の
推論値=0.6に関しては、 流入量増加状況が「並」のメンバーシップ関数に対する
帰属度は0.8 流入量増加状況が「多」のメンバーシップ関数に対する
帰属度は0.2 とする。
は0.5 送風量が「変化なし」のメンバーシップ関数に対する帰
属度は0.5 とする。
関数に対する帰属度は、上記の通り‘1’である。これ
より、制御規則の前件部の成り立つ度合いは0.5
(0.8、1.0、0.5の中で最も小さい値) 制御規則の前件部の成り立つ度合いは0.5(同様
に、0.8、1.0、0.5の中で最も小さい値を用い
る) 制御規則の前件部の成り立つ度合いは0.2(0.
2、1.0、0.5の中で最も小さい値) 制御規則の前件部の成り立つ度合いは0.2(0.
2、1.0、0.5の中で最も小さい値) となり、結果、流入水の希釈状況の推論値は以下の式に
より求められる。
が高い(汚濁度が低い)ことを意味する。これより、流
入水の希釈状況の推論値を受け取った判定/操作指令部
33には、予め、例えば直接放流してもよい希釈状況と
考えられる値が閾値として設定されており、判定/操作
指令部33は、上記流入水の希釈状況の推論値とこの閾
値とを比較して、閾値を越えたか否かにより各種操作指
令を出力する処理を行う。例えば、閾値を越えたと判定
した場合には、河川放流ポンプ8に対して運転開始指令
を出し、その後、閾値を下回ったと判定した場合には、
河川放流ポンプ8に対して運転停止指令を出す等の処理
を実行する。
説明する。上記例では、流入水の希釈状況の推論値が
0.42となったので、閾値(=0.5)以下である。
よって、既に河川放流ポンプ8を運転している状況であ
る場合には運転停止指令を出す。一方、未だ、河川放流
ポンプ8を運転していない状況である場合には、未だ流
入水の汚濁度が高い状況にあるということなので、河川
への直接放流等を我慢する(すなわち、何も行わな
い)。
を越えた場合の操作指令は、各下水処理場毎に任意に決
定しておけばよいのであり、操作対象は河川放流ポンプ
8に限るのではない。
5)を越えた場合、判定/操作指令部33が、簡易処理
放流ゲート13に対して簡易処理放流ゲート操作指令を
出してゲートを開けさせて、簡易処理放流を開始するよ
うにしてもよい。尚、その後、希釈状況の推論値が閾値
(=0.5)以下となったら、簡易処理放流ゲート13
を閉めさせる。
テップ処理を採用している処理場の場合には、希釈状況
の推論値が閾値(=0.5)を越えた場合、流入量調整
ゲート14、15に対して、反応槽6の後段への流入比
率が高くなるようにする流入量調整ゲート操作指令を出
す。その後、希釈状況の推論値が閾値(=0.5)以下
となったら、通常時の流入比率(前段:後段;50:5
0)に戻す操作指令を出す。
貯留池を備える処理場である場合には、希釈状況の推論
値が閾値(=0.5)を越えた場合、雨水の一時貯留を
開始させ(例えば、雨水貯留池に至る水路のゲートを開
けさせる操作指令を出す)、その後、希釈状況の推論値
が閾値(=0.5)以下となったら、一時貯留をストッ
プするようにしてもよい。
7〜図9を参照して説明する。図7は、第2の実施例に
よる流入水処理演算部の概略的な機能ブロック図であ
る。
通り、溶存酸素濃度計16により計測された溶存酸素濃
度値、風量計19により計測された反応槽6への送風
量、雨量計11で計測された降雨量、及び流量計12で
計測されたポンプ全揚水量を入力する。流入水処理演算
部40は、降雨による流入量増加状況演算部41、流入
水の希釈状況演算部42、判定/操作指令部43より成
る。
増加状況演算部31と同一であり、その説明は省略す
る。希釈状況演算部42は、溶存酸素濃度値及び反応槽
送風量とを入力して、流入水の希釈状況をファジー推論
する。
算部32においても流入水の希釈状況を推論している
が、これは流入水の水質のみを意味しているのではな
い。流入水の水質が知りたいのであれば、希釈状況演算
部42のように溶存酸素濃度値と反応槽送風量とを入力
すれば推論できる。このように、「希釈状況」という言
葉は同じであっても希釈状況演算部32と希釈状況演算
部42とではその意味が違う。
演算部41による「流入量増加状況」の推論結果と、希
釈状況演算部42による「流入水の希釈状況」の推論結
果とに基づいて、例えば河川等に直接放流または簡易放
流してもよい状況であるか否かを判定し、判定結果に応
じた各種操作指令を出力する。
ー推論について、簡単に説明するものとする。すなわ
ち、ファジー推論手法自体については既に第1の実施例
において具体例を挙げて詳細に説明しているので、ここ
では特に詳細には説明しない。
(a)、(b)に示すメンバーシップ関数と、図9に示
すファジー評価ルールテーブルとを用いて行う。図8
(a)は、反応槽溶存酸素濃度のメンバーシップ関数で
あり、ファジー変数のラベルは例えば「低い」、「目
標」、「高い」と表現している。同図の数値、言葉の意
味は、既に図5(b)で説明してある。
ップ関数であり、ファジー変数のラベルは例えば「減
少」、「変化なし」、「増加」と表現している。同図の
数値、言葉の意味は、既に図5(c)で説明してある。
は、全部で9個の制御規則をテーブル形式で表わしてい
る。これも、図4等の説明を見れば、特に詳細に説明し
なくても意味は分かるであろう。
ップ関数と制御規則とを用いてファジー推論を実行し、
結果、0〜1までの範囲の値をとる流入量の希釈状況の
ファジー推論値を出力する。
況演算部41から出力される「流入量増加状況」の推論
値、希釈状況演算部42から出力される「流入水の希釈
状況」の推論値の各々に対する閾値が、予め設定されて
おり、閾値を越えるか否かを判定し、判定結果に応じて
操作指令等を出す。
あったとすると、「流入量増加状況」の推論値が0.5
を越え、且つ、「流入水の希釈状況」の推論値が0.5
を越えた場合に、河川への直接放流等を行ってもよい状
況にあるとし、例えば河川放流ポンプ8に対して放流ポ
ンプ運転指令を出し、直接放流を開始させる。その後、
何れか一方の値が0.5以下となった場合には、直接放
流をストップさせる。
る操作指令が、直接放流に限るものではないことは、第
1の実施例と同じであり、ここでは特に説明しない。上
記流入水処理演算部10は、例えばパソコン等の情報処
理装置において実現される。
能を実現させる情報処理装置のハードウェア構成図、及
び記憶媒体の一例を示す図である。図10において、情
報処理装置50は、CPU51、記憶部52(可搬記憶
媒体52aを含む)、メモリ53、表示部54、操作部
55、入出力インタフェース部56等より構成される。
御する中央処理装置である。記憶部52は、少なくと
も、上述した流入水処理演算部10の機能を実現するた
めのプログラムが記憶されているHDD等の記憶装置で
ある。または記憶部52は可搬記憶媒体52aとその駆
動読み取り装置の組合せ(例えば、フロッピディスク
(FD)とフロッピーディスクドライブ(FDD))で
あってもよい。可搬記憶媒体52aには上記FDの他に
CD−ROM、メモリカード、DVD、MO等がある。
るプログラムを一時的に記憶し当該プログラムをCPU
51に実行させる為のRAM等である。表示部54は、
ディスプレイ等である。
る。入出力インタフェース部56は、例えば市販の通信
線、あるいは専用の通信線を接続して、この通信線を介
して、上記溶存酸素濃度計16により計測された溶存酸
素濃度値、風量計19により計測された反応槽6への送
風量、雨量計11で計測された降雨量、及び流量計12
で計測されたポンプ全揚水量という4種類のデータを入
力し、更に上記各種操作指令を出力する為のインタフェ
ースである。
装置それ自体に限らず、コンピュータにより使用された
ときに、本発明に係わる各種機能を実現させる為のプロ
グラムが格納されたコンピュータ読出し可能な記録媒体
(記憶媒体)自体として構成することもできる。
0で可搬記憶媒体52aの一例として示しているCD−
ROM57、フロッピィーディスク58等の可搬記憶媒
体や(勿論、これら一例に限らず、MO、DVD、リム
ーバブルハードディスク等、「可搬記憶媒体」の範疇に
入るものであれば何であってもよい)だけでなく、不図
示のネットワークを介して通信可能な外部の任意の情報
処理装置(不図示)の「記録媒体」も含まれる。また、
当然、上記情報処理装置50内の記憶装置(RAM/R
OM又はハードディスク等)も含まれる。
下水処理システム、その流入水処理演算装置、流入水処
理方法によれば、直接放流等すべきタイミングを自動的
に正しく判断でき、且つ直接放流等の操作も自動的に行
うので、人間が判断する場合のように正しい判断を個々
の能力に依存することなく(人によって判断がバラツク
ということがなく)、常にある一定のレベルの正しい判
断が下されるので、全体的に見れば判断ミスが起こる可
能性は低くなる。よって、判断ミスにより河川を汚して
しまったり、反応槽を異常にしてしまったりする可能性
が低くなる。更に、人間が下水処理場等に常駐して頻繁
にデータを見て判断し、必要に応じて操作を行うといっ
た多大な負担がなくなり、人的負担が軽減される。更
に、既存の溶存酸素濃度一定制御装置のデータを利用し
ているので、水質センサ等の新たな構成を追加する方法
に比べれば、コスト安となる。
る。
な機能ブロック図である。
バーシップ関数を示す図である。
の制御規則をテーブル形式で示す図である。
ンバーシップ関数を示す図である。
個の制御規則をテーブル形式で示す図である。
な機能ブロック図である。
ンバーシップ関数を示す図である。
の制御規則をテーブル形式で示す図である。
理装置のハードウェア構成図、及び記憶媒体の一例を示
す図である。
備える下水処理場を示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 降雨量、ポンプ全揚水量、反応槽溶存酸
素濃度、及び反応槽への送風量のデータを入力し、該デ
ータに基づいてファジー推論を実行することにより、反
応槽による通常の活性汚泥処理を行わない流入水処理を
実行すべきか否かを判定する手段を有することを特徴と
する流入水処理演算装置。 - 【請求項2】 前記入力する降雨量とポンプ全揚水量と
に基づいて、降雨による流入量増加状況をファジー推論
する流入量増加状況演算手段と、 該流入量増加状況演算手段により求められた流入量増加
状況の推論値と、前記入力する反応槽溶存酸素濃度と送
風量のデータに基づいて、流入水の希釈状況をファジー
推論する流入水の希釈状況演算手段と、 該流入水の希釈状況演算手段により求められた流入水の
希釈状況の推論値と、予め設定される閾値とを比較する
ことにより、反応槽による通常の活性汚泥処理を行わな
い流入水処理を実行すべきか否かを判定する判定手段
と、 を有することを特徴とする請求項1記載の流入水処理演
算装置。 - 【請求項3】 前記入力する降雨量とポンプ全揚水量と
に基づいて、降雨による流入量増加状況をファジー推論
する流入量増加状況演算手段と、 前記入力する反応槽溶存酸素濃度と送風量のデータに基
づいて、流入水の希釈状況をファジー推論する流入水の
希釈状況演算手段と、 前記流入量増加状況演算手段により求められた流入量増
加状況の推論値と予め設定される第1の閾値とを比較す
ると共に、該流入水の希釈状況演算手段により求められ
た流入水の希釈状況の推論値と予め設定される第2の閾
値とを比較し、両方の比較結果に基づいて反応槽による
通常の活性汚泥処理を行わない流入水処理を実行すべき
か否かを判定する判定手段と、 を有することを特徴とする請求項1記載の流入水処理演
算装置。 - 【請求項4】 前記反応槽による通常の活性汚泥処理を
行わない流入水処理は、下水管渠より流入する流入水を
直接放流する処理、または下水管渠より流入する流入水
に簡易処理を施して放流する処理、あるいはステップ処
理施設の場合にはその後段への流入比率を高くする処
理、または雨水貯留池に一時貯留させる処理であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流入水処
理演算装置。 - 【請求項5】 降雨量を計測する雨量計と、下水管渠よ
り流入する流入水を揚水する全ポンプの揚水量を計測す
る流量計と、活性汚泥処理を行う反応槽内の溶存酸素濃
度を計測する溶存酸素濃度計と、該反応槽への送風量を
計測する風量計と、下水管渠より流入する流入水を直接
放流するための河川放流ポンプまたは簡易処理を行う最
初沈殿池から放流するための簡易処理放流ゲートを備え
る下水処理システムであって、 前記雨量計、流量計、溶存酸素濃度計、及び風量計によ
り計測される、降雨量、ポンプ全揚水量、反応槽溶存酸
素濃度、及び反応槽への送風量のデータを入力し、該デ
ータに基づいてファジー推論を実行することにより、反
応槽による通常の活性汚泥処理を行わない流入水処理を
実行すべきか否かを判定し、該判定結果に応じて前記河
川放流ポンプに対するポンプ起動/停止指令、または前
記簡易処理放流ゲートに対するゲート開/閉指令を出力
する流入水処理演算装置を備えることを特徴とする下水
処理システム。 - 【請求項6】 入力する降雨量とポンプ全揚水量とに基
づいて、降雨による流入量増加状況をファジー推論し、 該流入量増加状況の推論値と、入力する反応槽溶存酸素
濃度と送風量のデータに基づいて、流入水の希釈状況を
ファジー推論し、 流入水の希釈状況の推論値と、予め設定される閾値とを
比較することにより、反応槽による通常の活性汚泥処理
を行わない流入水処理を実行すべきか否かを判定し、 該判定結果により、必要に応じて、前記反応槽による通
常の活性汚泥処理を行わない流入水処理の実行指令また
は停止指令を出力することを特徴とする流入水処理方
法。 - 【請求項7】 入力する降雨量とポンプ全揚水量とに基
づいて、降雨による流入量増加状況をファジー推論し、 入力する反応槽溶存酸素濃度と送風量のデータに基づい
て、流入水の希釈状況をファジー推論し、 前記流入量増加状況の推論値と予め設定される第1の閾
値とを比較すると共に、前記流入水の希釈状況の推論値
と予め設定される第2の閾値とを比較し、両方の比較結
果に基づいて、反応槽による通常の活性汚泥処理を行わ
ない流入水処理を実行すべきか否かを判定し、 該判定結果により、必要に応じて、前記反応槽による通
常の活性汚泥処理を行わない流入水処理の実行指令また
は停止指令を出力することを特徴とする流入水処理方
法。 - 【請求項8】 コンピュータにおいて用いられたとき、 入力する降雨量とポンプ全揚水量とに基づいて、降雨に
よる流入量増加状況をファジー推論する機能と、 該流入量増加状況の推論値と、入力する反応槽溶存酸素
濃度と送風量のデータに基づいて、流入水の希釈状況を
ファジー推論する機能と、 流入水の希釈状況の推論値と、予め設定される閾値とを
比較することにより、反応槽による通常の活性汚泥処理
を行わない流入水処理を実行すべきか否かを判定する機
能と、 を実現させるプログラムを記憶した前記コンピュータ読
取り可能な記録媒体。 - 【請求項9】 コンピュータにおいて用いられたと
き、 入力する降雨量とポンプ全揚水量とに基づいて、降雨に
よる流入量増加状況をファジー推論する機能と、 入力する反応槽溶存酸素濃度と送風量のデータに基づい
て、流入水の希釈状況をファジー推論する機能と、 前記流入量増加状況の推論値と予め設定される第1の閾
値とを比較すると共に、前記流入水の希釈状況の推論値
と予め設定される第2の閾値とを比較し、両方の比較結
果に基づいて、反応槽による通常の活性汚泥処理を行わ
ない流入水処理を実行すべきか否かを判定する機能と、 を実現させるプログラムを記憶した前記コンピュータ読
取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000332934A JP4485043B2 (ja) | 2000-10-31 | 2000-10-31 | 下水処理システム、その流入水処理演算装置、流入水処理方法、及び記憶媒体 |
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