JP2002134485A - 絶縁膜製造装置 - Google Patents

絶縁膜製造装置

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JP2002134485A
JP2002134485A JP2000322296A JP2000322296A JP2002134485A JP 2002134485 A JP2002134485 A JP 2002134485A JP 2000322296 A JP2000322296 A JP 2000322296A JP 2000322296 A JP2000322296 A JP 2000322296A JP 2002134485 A JP2002134485 A JP 2002134485A
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Japan
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substrate
electron beam
insulating film
beam heating
film
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JP2000322296A
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Inventor
Koji Nishikawa
孝司 西川
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電子線加熱機構を備えた薄膜形成
方法において、6インチを超える大面積の基板上で、堆
積した絶縁膜の膜厚の分布を非常に平坦性にさせること
のできる製造装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の成膜装置は回転機構を有する基
板保持機構を備え、前記基板保持機構に保持された基板
面に対抗して電子線加熱による蒸発源が設置されてお
り、その蒸発源の位置が基板の回転軸の延長線上から外
されて設置されている。これにより、蒸発源から蒸発さ
せられた材料が、回転する基板に到達することによって
起る膜厚の分布を基板面内に渡って均一化し、平坦化す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線加熱蒸発装
置を使って、基板上に大面積で膜厚均一性の高い絶縁体
薄膜を形成するための製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、Si基板上に形成されるCMOS
デバイスにおいては、デバイスを構成するMOSトラン
ジスタ等の素子の微細化、各素子の高集積化の進展には
著しいものがある。このような微細化,高集積化の進展
に伴い、MOSトランジスタなどの要素であるゲート絶
縁膜に関して、その単位面積当たり容量値を向上させる
ことへの要請が強まっている。これは、高速化、低コス
ト化、省電力化の目的でMOSデバイスが微細化、高集
積化され、また各素子を動作させるための電源電圧が低
電圧化されている一方で、従来と変わらない素子動作に
必要な電荷を確保しようとすると、ゲート絶縁膜の単位
面積当たりの容量値を高くする必要があるからである。
【0003】このゲート絶縁膜の容量値を高くするに
は、大きく分けて2つの途がある。第1の方法はゲート
絶縁膜を薄膜化する方法であり、第2の方法はゲート絶
縁膜をより高い誘電率を有する材料によって構成する方
法である。すなわち、ゲート絶縁膜の高性能化に関して
は薄膜化と高誘電率化の二つのアプローチがある。
【0004】その中で、高誘電率な材料を用いてゲート
絶縁膜を形成する方法としては従来以下の様な種類の方
法がある。1.金属あるいは誘電体をスパッタリングし
て基板上に供給し、堆積させる方法(スパッタ法な
ど)。2.液体状態である絶縁膜の前駆体を基板上に塗
布して、加熱によって誘電体化させる方法(ゾル・ゲル
法、MOD法など)。3.前駆体を気体状態で基板上に供給
し、加熱された基板上で化学反応を起こして誘電体化さ
せる方法(CVD法など)。4.金属あるいは誘電体を電子
線によって加熱、蒸発させて供給し、基板上に堆積させ
る方法(EB蒸着法など)。5.金属を抵抗加熱によって
蒸発させ供給して基板上に堆積させる方法(MBE法な
ど)。それらの間では目的とする絶縁膜の組成が同じで
あっても、用いる原料の種類、状態、基板への供給方
法、目的組成への変化方法、基板温度、雰囲気の種類、
雰囲気圧力などが異なる。
【0005】上記各種方法の中で4番目にあげた、金属
あるいは誘電体を電子線によって加熱して蒸発させるこ
とによって供給し、基板上に堆積させる方法(電子線加
熱蒸着法:EB蒸着法)は一般的には以下の様な二通り
の方法で行われる。
【0006】先ず第1の従来例では、図1に示すように
超高真空まで減圧することが可能な真空容器11の底部
に電子線加熱装置12を設置し、これに保持されたハー
スライナー(受け皿)中に目的とする材料13を担持し
ている。成膜は電子線を材料に照射して加熱し、その結
果気化した材料が真空容器11上方に設置された基板1
4に到達することによって行われる。この時基板はその
基板面法線を鉛直方向に向けて設置されることもある
が、大抵は半球状のプラネタリ15と呼ばれる治具上に
設置され、前記プラネタリ15の回転とともに基板14
も回転することが多い。前記プラネタリ15は電子線加
熱装置12に鉛直な軸を中心として真空容器内11に設
置されたレール16上を回転する。基板14は基板ホル
ダー17上に設置されており、プラネタリ15の回転を
歯車18を介して伝達して回転する。すなわち基板はプ
ラネタリ15上でプラネタリ15の回転軸の周りを回転
するとともに、基板ホルダ17の回転軸の周りにも回転
する。この様な二つの軸上での回転機構を「自公転」と
呼ぶことがある。このことにより材料の面内での分布を
ある程度均一化することができる。
【0007】また第2の従来例では図2の様に真空容器
21内に設置された基板25がその基板面法線を鉛直に
設置されており基板はその中心を軸として回転する。一
方電子線加熱装置22を含めた材料23が基板面の鉛直
下方からは外れたところに設置されている。この設置方
法では複数の材料の設置を可能とさせる他に、回転軸か
ら外れた位置から回転する基板に材料を供給すること
で、プラネタリを用いずとも、上記と同じく到達する材
料の面内での分布をある程度均一化することが意図され
ている。
【0008】しかしながら、上記に示した従来からある
二つの方法には、以下に示すような幾つかの問題点があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】先ず第1の従来例とし
て挙げたプラネタリを用いる方法は、通常金属のみを基
板上に堆積させるためによく用いられている。金属の堆
積においては基板の温度を変える必要が無く、基板の温
度を制御するための温度制御機構が無いことが多い。ま
た自公転させるための複雑な動作機構が必要であるため
に、基板温度制御機構を備えること自体が大変難しかっ
た。特に本発明が目的とする絶縁膜の形成においては基
板の温度を上げ、高い温度で制御することが必要なこと
が多く、従来の方法ではこれを達成することは難しい。
また、プラネタリと基板ホルダの自公転だけで膜厚分布
を高いレベルで均一化することは、5インチ以上の大面
積の基板に対しては効果を挙げることは難しく、実際上
5インチ以上の大面積基板に同方法を適用することは無
かった。
【0010】また第2の従来例に挙げた基板の回転軸か
ら外れた位置から材料を供給する方法では、基板を保持
する方法が単純であるために通常基板温度を制御する機
構は既に備え付けられていることが多い。また、材料が
基板の回転軸から外れたところから供給されることによ
り、到達する材料の基板面内での分布を均一化すること
も、ある程度の範囲で可能である。しかしながら電子線
加熱蒸発装置や基板は真空容器内に固定されており、用
いる材料や装置の特性の違い、経時変化によって変わ
る、薄膜の平坦度に対応することはできない。
【0011】本発明の目的は、電子線加熱機構を備えた
薄膜形成方法において、6インチを超える大面積の基板
上で、堆積した絶縁膜の膜厚の分布を非常に平坦性にさ
せることのできる製造装置を提供することにある。その
平坦性の度合いは例えば1%以下である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の成膜装置は回転
機構を有する基板保持機構を備え、前記基板保持機構に
保持された基板面に対抗して電子線加熱による蒸発源が
設置されており、その蒸発源の位置が基板の回転軸の延
長線上から外されて設置されている。
【0013】これにより、蒸発源から蒸発させられた材
料が、回転する基板に到達することによって起る膜厚の
分布を基板面内に渡って均一化し、平坦化することがで
きる。
【0014】また本発明の成膜装置は回転機構を有する
基板保持機構を備え、前記基板保持機構に保持された基
板面に対抗して電子線加熱による蒸発源が設置されてお
り、その蒸発源の位置が基板の回転軸の延長線上からは
外されて設置されていて、その設置位置を任意に微調整
することができる。
【0015】このことにより、6インチを超える基板面
上に堆積された薄膜の膜厚分布を基板面内に渡って均一
化させ、平坦化してかつその平坦性を非常に高くするこ
とができる。例えばその平坦性の割合は1%以下であ
る。
【0016】また本発明の成膜装置は回転機構を有する
基板保持機構を備え、前記基板保持機構に保持された基
板面に対抗して電子線加熱による蒸発源が設置されてお
り、その蒸発源の位置が基板の回転軸の延長線上からは
外されて設置されていて、基板保持機構の設置位置を基
板回転軸と平行な方向に任意に微調整することができ
る。
【0017】このことにより、6インチを超える基板面
上に堆積された絶縁膜の膜厚分布を基板面内に渡って均
一化させ、かつその精度を非常に高くすることができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】−絶縁膜について− 本発明の実施形態について説明する前に、ゲート絶縁膜
などの現在の開発状況について説明する。
【0019】表1は、SiO2に代わる絶縁膜として現
在開発が進められている材料について、東京工業大学の
岩井洋教授らによって第一の文献(岩井洋 他、日本学
術振興会 極限構造電子物性第151委員会代55回研
究会、超集積化デバイス・システム第165委員会第1
6回研究会合同研究会資料、2000年7月19日、8
−19頁)中にまとめられたものである。
【0020】
【表1】
【0021】これによると近年様々な材料が、様々な研
究機関において検討され、望ましい性能を持つ絶縁膜と
して報告されていることがわかる。望ましい性能として
ここで注目されているのは界面準位密度(Dit)と換算
膜厚(Teq)である。Ditは小さければ小さいほど良
く、目標値は1x1010cm-2以下であり、1011cm
-2より小さければ当面よしとされる。またTeqも小さけ
れば小さいほど良く、1nmを切ることが目標とされて
いるが、1.5nm以下であれば当面よしとされる。表
中、ZrO2やHfO2、La23、Al23など、幾つ
かの材料がその目標を満たしていることがわかる。
【0022】図3(a)、(b)は同じく第1の文献に
まとめられている、材料に関する発表件数の分布(a)
と成膜方法に関する発表の分布(b)である。成膜方法
に関してはSputtering(スパッタ法)が最も
数が多く、MBE法などがこれに次いでいることが
(b)よりわかる。しかしながら各種CVD法をCVD
という枠組みでくくってみるとスパッタ法よりも多くな
る。これはすなわちCVD法がガス状の原料を使用する
ことで、6インチを超える大面積の基板上に均一性の高
い薄膜を形成できることからに他ならない。半導体産業
において、大面積の基板上に均一性良く形成できるとい
うことは製品の歩留まり上、非常に重要なことであり、
生産性、経済性を左右する重大な問題である。
【0023】一方、本発明において取り上げた、電子線
加熱装置を使った絶縁体薄膜の形成方法が少ないながら
も報告されている。その例としてはHiraiなどによ
る第2の文献(T. HIRAI et al., Jpn. J. Appl. Phys.
Vol.33 (1994) pp 5219-5222)が挙げられる。図4は
同文献のFig1.をそのままコピーしたものである。
同図にある様に超高真空装置内に加熱装置を備えた基板
ホルダーと電子線加熱蒸発装置が設置されている。基板
は電子線加熱蒸発装置上のハースライナーに担持された
材料に対向する形で、下向きに基板ホルダーに設置され
ている。材料としてはCeO2焼結体ペレットが用いら
れている。すなわちCeO2焼結体を電子線加熱によっ
て蒸発させ、分解してできたCeと酸素を同時に供給
し、加えて酸素ガスを導入して酸素の欠損を補って、S
i基板上にCeO2薄膜を形成している。この例ではプ
ラネタリも設置されておらず、材料も基板回転軸の延長
線上にある。
【0024】この様な系では例え基板の大きさが2イン
チを下回る様な小さな場合にも膜厚の分布はかなり大き
くなる。当然、基板と材料との距離によって変化するも
のであるが、その距離が例えば450mmの場合には、
2インチ基板に堆積された薄膜の中央と端部との膜厚の
差は30%にものぼることが我々の検討から分かってい
る。
【0025】我々の行ったその検討の内容についてここ
で説明する。すなわち図4と同じ構成の装置を用いて2
インチのSi基板上にCeO2薄膜を形成した。この
時、材料としてはCe金属を電子線加熱で蒸発させ供給
するとともに、酸素ガスを導入して基板上で反応させC
eO2とした。膜厚の分布はほぼ原子ビーム状に供給さ
れるCeのSi基板への付着によって決定されるので、
材料としてCeO2ペレットを用いた場合も、Ce金属
を用いた場合も違いは無いことが分かっている。成膜
後、分光エリプソメトリ法により膜厚を測定し基板面内
での分布を調べた。その結果、図5に示すように基板面
内方向に対してその膜厚が正規分布(ガウス分布)する
ことがわかった。すなわち基板上に堆積させられた薄膜
の面内での膜厚分布は次に示す(1)式の様なガウス関
数で表される。
【0026】
【数1】
【0027】ここで、yは膜厚、A、Bは定数、xは基
板面内の位置である。x0は定数であるが照射されたC
eビームの中心の位置である。wは正規分布(ガウス分
布)の標準偏差の2倍(yが最高値の1/2となる幅の
0.849倍)である。
【0028】今、x0より更に中心地が+C、−Cずれ
た他は他の定数が全く等しい二つのガウス分布を考え
る。((2)式、(3)式)
【0029】
【数2】
【0030】
【数3】
【0031】この二つを合成してできる分布は以下に示
す(4)式の様になる。
【0032】
【数4】
【0033】定数よりなる項をまとめて
【0034】
【数5】
【0035】となる。
【0036】x0=0、C=1.0、w=1.9とした
時の(2)、(3)、(5)式で表される分布をグラフ
化したのが図6(a)である。
【0037】図6(a)から明らかな様に、中心値x0
より距離±Cだけ離れた領域の、その内側にytの変化
が非常に小さく、膜厚の変動がその最高値の1%以内に
収まる領域が現れていることがわかる(その領域の中心
からの距離をZと表す)。すなわちガウス分布で表され
る膜厚分布を二つ重ねる事により、その膜厚変動が1%
以下であるような平坦な薄膜を得る事ができる。更にそ
の領域を基板の大きさより大きくとることにより、基板
全面に渡って平坦性の高い薄膜の形成を行うことができ
るのである。
【0038】本発明の製造装置における装置構成を用い
ることにより、二つの膜厚分布を重ねあわせることを、
容易に達成することができる。すなわち本発明における
製造装置で電子線加熱装置を1個しか用いない場合に
も、基板回転軸の延長線上から距離Cだけ離し、かつ基
板を180°回転させることで、膜厚分布の中心を距離
+C離した場合と距離−C離した場合の二つの構成を実現
できる。現実には基板は360°回転していて、0°、
180°以外の角度でも照射されるが、それらは(5)
式でのwを増大させる因子として働き、膜厚分布を平坦
化させる方向に働くので問題とはならない。つまり、電
子線加熱装置によって供給可能な材料を最低1個用意
し、その位置を基板回転軸からある距離離した上で、基
板を回転させることで平坦性の高い薄膜を容易に実現す
ることが可能となるのである。
【0039】従って本発明における製造装置の重要な構
成には図7に示す電子線加熱装置と基板回転軸との距離
Cが重要なパラメータとなる。基板全体に渡ってその膜
厚分布を1%以内に抑えるためにはこのパラメータCを
少なくとも基板の半径rよりも大きく取ることが必要で
あり、更には前述した距離Zよりも大きく取ることが必
要である。
【0040】またこのパラメータCが単に基板半径rよ
り大きいだけでは充分な膜厚分布の平坦性は達成されな
い。Cが大きすぎた場合には図6(b)の様に中心付近
で膜厚が減少し過ぎることになる。すなわち、基板面内
で膜厚の変動が1%以下になる範囲ができるだけ大きく
なるように、Cの大きさを最適化する必要があるのであ
る。よって、実際の製造装置においては、供給する材料
の位置を微妙に変更して最適化する必要がある。従っ
て、本発明における製造装置では以下の実施例に示す様
に材料を担持した電子線加熱蒸発装置は、真空容器内で
微動機構を備えて設置され、その位置を任意に調整する
ことが可能であるようになっている。
【0041】またパラメータCを最適化するだけでは基
板全面に渡って充分な膜厚の平坦性を得られないことが
ある。すなわち図6(c)に示すように、Wの値が不適
切な時である。Wの値はその使用する電子線加熱装置や
材料、および材料と基板との距離によって決定されるパ
ラメータであるので、これ自身を変更することが難しい
ことが多い。図6(c)に示した場合はWの値が小さす
ぎるためにやはり中心付近の膜厚が小さくなり過ぎてし
まっている。これを平坦にするには、パラメータCを小
さくする必要があるが、そうすると平坦性1%以内の範
囲Zが基板半径よりも小さくなってしまい、基板全面に
渡って充分な平坦性を得ることができない。
【0042】しかしながら、その様な不適切なWの値に
あっても、平坦性をあげるための方策は存在する。すな
わち使用する材料の個数を2個以上とし、合成するガウ
ス分布の数を増やすのである。材料1個ではWが小さい
場合でも、二つの材料をある距離を置いて併置した場
合、その合成されて得られる膜厚分布はよりWの大きい
1個のガウス分布となる。得られたWの大きいガウス分
布を基板の回転によって合成することにより、所望の面
積で充分な平坦性を得ることが可能となる。
【0043】以下に詳しい実施形態について述べる。
【0044】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形
態においては、1個の電子線加熱蒸発装置を備えた絶縁
体製造装置について説明する。図7は第1の実施形態に
おける製造装置の構造を模式的に示すものである。
【0045】まず図7の様に本発明における絶縁膜の製
造装置は真空容器71を備えている。この真空容器71
は超高真空にまで減圧することが可能であり、その真空
度としては10-10Torr(1Torr=133.322Pa)台まで
到達可能であることが望ましい。その目的の到達のため
には通常幾つかの工夫が必要である。
【0046】その工夫の一つとして真空容器71として
分子線エピタキシ(Molecular Beam E
pitaxy:MBE)装置を転用することがある。す
なわちMBE装置では沢山の構成部品の接合部がゴム製
のオーリング(Oリング)などでは無く、金属ガスケッ
トや超高真空バルブを用いた高気密な接合になってお
り、接合部からのリークがほとんど無い。また液体窒素
シュラウドを備えている場合もあり、その場合チャンバ
内の一部の壁面を液体窒素温度(77K)にまで低温化
することで不純物を壁面に吸着させ、真空度を上げるこ
とができる。
【0047】また一つには超高真空対応のポンプ80で
減圧せしめられている。この超高真空ポンプには通常ク
ライオポンプ、ターボ分子ポンプ、イオンポンプ、油拡
散ポンプなどが用いられるが、本発明の様に、待機時に
は超高真空が必要で、かつ成膜時にはガスを流す場合に
は大容量(窒素換算排気速度500L/分以上)のクラ
イオポンプかターボ分子ポンプであることが望ましい。
【0048】また一つには真空容器71の他にバッファ
チャンバ78、ロードロックチャンバ79等の少なくと
も1つ以上の真空容器を連続して備えており、それぞれ
が超高真空対応のゲートバルブで区切られ連結されてい
る。またここでは図示されていないが、バッファチャン
バ78もロードロックチャンバ79もそれぞれポンプに
よって高い真空度に排気することができる。絶縁膜を形
成するための基板はその絶縁膜の形成に先立ってロード
ロックチャンバ79、バッファチャンバ78を通って真
空容器71へと導入される。すなわち先ずバッファチャ
ンバ78とロードロックチャンバ79との間をゲートバ
ルブで仕切ってロードロックチャンバ79を大気に開放
し、基板をロードロックチャンバ79に導入する。ロー
ドロックチャンバ79をポンプによって減圧し、高い真
空状態にした後ロードロックチャンバ79とバッファチ
ャンバ78の間のゲートバルブを開放して基板をロード
ロックチャンバ79からバッファチャンバ78へ移動す
る。更にロードロックチャンバ79とバッファチャンバ
78とのゲートバルブを閉じた後、バッファチャンバ7
8と真空容器71との間のゲートバルブを開けて基板を
真空容器71内に導入して基板ホルダ75に設置する。
このことにより真空容器71は基板の出し入れの時を含
めても、低い真空度に開放されることは無く、いつも高
い真空状態を維持することができる。
【0049】基板ホルダ75は通常回転機構を有してお
り、回転軸を中心に保持した基板を回転させることがで
きる。また基板ホルダ75は基板加熱機構も有してお
り、基板を回転させながら、同時に基板の温度を任意の
温度に滑らかに変化させ、また一定温度に保持すること
ができる。加熱のための具体的な機構は通常、抵抗加熱
を用いた電熱線を基板の裏面となる位置に設置するもの
や、高出力の加熱用ランプを備えるものなどがある。
【0050】また本発明における製造装置には電子線加
熱蒸発装置72が設置されている。電子線加熱蒸発装置
72はその中にハースライナーに担持された材料73を
保持している。この電子線加熱蒸発装置72は基板76
の回転軸の延長線上には無く、距離Cだけ外れた場所に
設置されている。電子線加熱蒸発装置72と基板76の
回転軸の延長線との最短距離は少なくとも基板76の半
径よりも大きい。これは前述した様に基板76の全面に
渡って高い平坦性(例えば1%以下が望ましい。)を得
るための工夫である。またこの電子線加熱蒸発装置72
は微動機構74を備えており、基板ホルダ75の回転軸
の延長線からの距離を、真空容器71の外から超高真空
を保ったまま任意に変更することができる。すなわち距
離Cはその目的を達成できる様に検討され、最適化され
る。
【0051】基板ホルダ75の回転軸の延長線と材料7
3の最短距離を少なくとも基板76の半径よりも大きく
設定し、かつ任意に変更することができることから、前
述した様に基板76上に成膜する絶縁体薄膜の膜厚分布
を1%以下に平坦化することができる。すなわち前述の
ガウス分布のパラメータが材料や電子線加熱装置の特性
により、あるいはその経時変化によって最適化されてい
ない場合、膜厚分布が1%以上になって充分な平坦性が
得られないことになるが、その場合にも、微動機構によ
ってその位置を変えることで最適化することができ、そ
の結果基板全面に渡って膜厚変化を1%以下に抑えた充
分な平坦性の薄膜を得ることができる。
【0052】また本発明における製造装置にはガスを導
入するためのガスバルブ77が設置されている。目的と
される絶縁体薄膜は酸化物あるいは窒化物であることが
多く、その組成はMxyやMxyあるいはM1 x
2 yz、M1 x2 yz、M1 x2 yzw、などと表される
(ここでM、M1、M2は異なる種類の任意の金属元素、
x、y、z、wは任意の結合割合を表す数、Oは酸素、
Nは窒素)。従って電子線加熱蒸発装置でM、M1、M2
などの金属を供給する場合、酸素あるいは窒素を個別に
供給する必要がある。すなわちガスバルブ77はこの目
的で酸素、あるいは窒素を供給するために用いられる。
通常用いる金属は比較的酸化されやすいので、酸素はこ
のガスバルブ77を通して分子状態のまま基板に供給さ
れるだけでよい。またその量も少なくてよいので、ガス
バルブ77はパルスバルブであることもある。パルスバ
ルブは電磁弁を備えることで非常に短い時間間隔でガス
の供給を開始・遮断しパルス状とすることができ、その
結果、ガス流量を絞って供給することができる。パルス
の開放時間は通常200μ秒〜無限大までの範囲で取る
ことができ、また繰り返し周波数もゼロ〜1kHzの間
で変化させることができる。これにより、成膜時の真空
容器71の真空度を従来10-4〜10-5Torrだった
ものを、10-6Torr以下の低い圧力にすることがで
きる。この様に成膜時の真空度を低くすることは、基板
界面の汚染を減らし、膜質を向上させてデバイスの特性
や信頼性を上げると共に、真空容器に付随するポンプや
真空ゲージの寿命を延ばすことに寄与する。
【0053】目的とする絶縁膜によってはその構成金属
と酸素、あるいは窒素との反応性があまり高くない場合
も有り得る。その場合、ガスバルブ77の代わりにプラ
ズマセルを用いることがある。プラズマセルは通常コイ
ルの巻かれたガラスやセラミックでできた筒の中を、ガ
スを通過させて供給することのできるものである。コイ
ルに数10MHzから数GHzの高周波電力をかけるこ
とにより、通過するガスをプラズマ化し、高いエネルギ
ーを持つように励起することができる。その結果ガスと
金属との反応性が高まり目的の絶縁膜を形成しやすくな
る。
【0054】次にこの製造装置を使った成膜例について
説明する。
【0055】先ず洗浄され汚染物を除去されたSi基板
76をロードロック79に充填する。その基板76は前
述した手順を追って真空容器71内に導入され、基板ホ
ルダ75に設置される。
【0056】その後基板76はその温度を適当な温度ま
で上げることにより、基板表面の状態を変化させる場合
がある。すなわち例えばSi基板表面に5nm以下の極
薄いSiO2膜が形成されている場合、10-8Torr
以下の高い真空度を保ったまま、その温度を850℃付
近まで上げ20分間以上保持することにより、そのSi
2膜を完全に蒸発させ除去することができる。合わせ
てSiO2膜状に付着していた汚染物質をも除去するこ
とができる。この結果、所望の絶縁膜の形成に先立って
清浄なSi表面を供する事ができる。この様な操作を
「熱酸化膜除去」あるいは「サーマルクリーニング(:
TC)」と呼ぶことがある。
【0057】その後基板温度を絶縁膜の形成に適当な温
度にまで変化させ保持する。その温度は目的とする絶縁
膜によっても異なり、その温度範囲もある程度の幅を持
つ。例えばCeO2に関してはその形成に適当な温度は
250℃から800℃くらいの範囲中にある。
【0058】次に材料73を電子線加熱装置によって加
熱、蒸発させ、回転軸を中心に回転する基板76の表面
に向かって供給する。充分な平坦性を得られるように、
電子線加熱蒸発装置72は基板76の回転軸の延長線上
には設置されておらず、距離Cだけ外れた位置に設置さ
れている。距離Cは少なくとも基板76の半径よりも大
きい。距離Cは微動機構を動かすことによってその位置
を最適化されている。材料73は目的とする絶縁膜を構
成する元素のうちの金属元素のみであっても良いし、既
に酸素や窒素と結合した、目的とする絶縁膜そのもので
あってもよい。例えば目的とする絶縁膜がHfO2であ
る場合、電子線加熱装置72によって加熱、蒸発させ供
給する材料73は、金属Hfであってもよいし、HfO
2焼結体でもよい。HfO2焼結体を材料73として用い
る場合、酸素も焼結体から同時に供給されるように見え
るが、酸素はHfO2が加熱分解される時に急激に堆積
を増やして拡散し、ポンプによって真空容器71から排
気されてしまう部分が大きいので、やはり材料に金属H
fを用いる場合と同様、酸素ガスも同時に導入する必要
がある。
【0059】これに加えてガスバルブ77より目的の絶
縁膜に応じて適切な種類のガスを供給する。前述の様に
材料73との反応のしやすさによって、ガスバルブ77
はパルスバルブであっても良いし、プラズマセルであっ
ても良い。パルスバルブを使う場合でもそのパルス幅を
短くしても良いし、長くしてもよくその材料に応じた最
適な値とする。例えば金属Ceと酸素ガスを使ってCe
2を成膜する場合には、酸素ガスの供給にはパルスバ
ルブを用い、そのパルス幅は80μ秒〜0.1秒の間と
し、典型的には200μ秒とする。またパルスの繰り返
し頻度は0.5Hz〜100Hzの間とし典型的には2
Hzとする。
【0060】この時電子線加熱蒸発装置72によって材
料73を供給するタイミングとガスバルブ77を通して
ガスを供給するタイミングは全く同時であっても良い
し、何らかのタイミングのずれがあってもよい。あるい
はその供給のタイミングを完全に交互にしてもよい。例
えば、CeO2の成膜に際しては次の様に行う。SiO2
を熱酸化膜除去したSi基板76の表面に、最初はCe
金属のみを電子線加熱蒸発装置72を使って供給する。
これによってSi基板76表面はCe金属のみによって
覆われる。この後Ce金属と酸素とを同時に供給するこ
とでCeO2を成膜することができる。Si基板上を覆
っていたCe金属は、CeO2膜中を拡散してくる酸素
によって酸化されCeO2となるが、酸素の量は極々少
ないのでSi基板表面までが酸化されてしまう事はな
い。従ってCeO2/Si基板界面にはSiO2は形成さ
れない。絶縁膜としてZrO2やHfO2、La23、L
aAlOxなど他の誘電体薄膜を形成する場合も同様で
ある。
【0061】上記の様に電子線加熱蒸発装置72によっ
て材料を供給する一方、ガスバルブ77を通してガスを
供給する事によって、目的とする絶縁膜をSi基板上に
形成する事ができる。所望の膜厚の成膜が終われば材料
とガスの供給を止める。基板温度を室温付近まで戻し、
真空容器71から外部へ取り出す。
【0062】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態においては、2個の電子線加熱蒸発装置を備えた絶縁
体製造装置について説明する。図8は第2の実施形態に
おける製造装置の構造を模式的に示すものである。
【0063】まず図8の様に本発明における絶縁膜の製
造装置は真空容器81を備えている。この真空容器81
は超高真空にまで減圧することが可能であり、その真空
度としては10-10Torr台まで到達可能であること
が望ましい。その目的の到達のためには通常幾つかの工
夫が必要であるが、その工夫は第1の実施例と同様であ
るのでここでは省略する。
【0064】基板ホルダ85は通常回転機構を有してお
り、回転軸を中心に保持した基板を回転させることがで
きる。また基板ホルダ85は基板加熱機構も有してお
り、基板を回転させながら、同時に基板の温度を任意の
温度に滑らかに変化させ、また一定温度に保持すること
ができる。加熱のための具体的な機構は通常、抵抗加熱
を用いた電熱線を基板の裏面となる位置に設置するもの
や、高出力の加熱用ランプを備えるものなどがある。
【0065】また本発明における製造装置には二つの電
子線加熱蒸発装置82、83が設置されている。電子線
加熱蒸発装置82、83は第1の実施例と同じくその中
にハースライナーに担持された材料を保持している。こ
の電子線加熱蒸発装置82、83は基板86の回転軸の
延長線上には無く、距離Cだけ外れた場所に設置されて
いる。電子線加熱蒸発装置82、83それぞれと、基板
回転軸の延長線との距離は、それぞれ異なっており、二
つの電子線加熱蒸発装置による膜厚分布の合成によって
得られる合成膜厚分布を、更に基板回転軸に対称に折り
返して合成した時に、その膜厚分布の変動が基板全面に
渡って1%以下になる様に設定される。例えば、一方の
電子線加熱装置と基板回転軸との距離C1は基板半径よ
りも大きく、他方の電子線加熱装置と基板回転軸との距
離C2はそれよりは小さい。これは前述した様に基板8
6の全面に渡って高い平坦性を得るための工夫である。
この電子線加熱蒸発装置82、83は微動機構84を備
えており、距離C1、C2を、真空容器81の外から超
高真空を保ったままそれぞれ独立に任意に変更すること
ができる。
【0066】二つの電子線加熱装置82、83によって
作り出される合成された膜厚分布の頂点の回転軸からの
距離C3を少なくとも基板86の半径よりも大きく設定
し、かつ任意に変更することができることから、前述し
た様に基板86上に成膜する絶縁体薄膜の膜厚分布の変
動を1%以下に抑えて平坦化することができる。すなわ
ち前述のガウス分布のパラメータが材料や電子線加熱装
置の特性により、あるいはその経時変化によって最適化
されていない場合、膜厚分布の変動が1%以上になって
充分な平坦性が得られないことになるが、その場合に
も、二つの電子線加熱蒸発装置82、83による材料の
供給が可能であることと、それぞれに付属した微動機構
によってそれらの位置を変えることで最適化することが
でき、その結果基板全面に渡って膜厚の変動を1%以下
に抑えた充分な平坦性の薄膜を得ることができる。
【0067】また第2の実施例における製造装置には、
第1の実施例の製造装置と同じくガスを導入するための
ガスバルブ87が設置されている。その目的および構成
等は第1の実施例とおなじであるのでここでは主略す
る。
【0068】プラズマセルについても同様である。
【0069】次にこの第二の実施例における製造装置を
使った成膜例について説明する。
【0070】先ず洗浄され汚染物を除去された基板86
をロードロック89に充填する。その基板86は前述し
た手順を追って真空容器81内に導入され、基板ホルダ
85に設置される。
【0071】その後基板86はその温度を適当な温度ま
で上げることにより、基板表面の状態を変化させる場合
がある。すなわち例えばSi基板表面に5nm以下の極
薄いSiO2膜が形成されている場合、熱酸化膜除去を
行う。
【0072】その後基板温度を絶縁膜の形成に適当な温
度にまで変化させ保持する。その温度は目的とする絶縁
膜によっても異なり、その温度範囲もある程度の幅を持
つ。例えばCeO2に関してはその形成に適当な温度は
250℃から800℃くらいの範囲中にある。
【0073】次に電子線加熱蒸発装置82、83を使っ
て材料を加熱、蒸発させ、回転軸を中心に回転する基板
86の表面に向かって供給する。充分な平坦性を得られ
るように、二つの電子線加熱蒸発装置82、83は微動
機構を動かすことによってその位置を最適化されてい
る。すなわちこの電子線加熱蒸発装置82、83は基板
86の回転軸の延長線上には無く、それぞれ距離C1、
C2だけ外れた場所に設置されている。距離C1、C2
は、二つの電子線加熱蒸発装置による膜厚分布の合成に
よって得られる合成膜厚分布を、更に基板回転軸に対称
に折り返して合成した時に、基板全面に渡ってその膜厚
変動を1%以下に抑えることができる様に設定される。
ここで使用する材料は目的とする絶縁膜を構成する元素
のうちの金属元素のみであっても良いし、目的とする絶
縁膜そのものであってもよい。例えば目的とする絶縁膜
がZrO2である場合、電子線加熱装置82によって加
熱、蒸発させ供給する材料は、金属Zrであってもよい
し、ZrO2焼結体でもよい。ZrO2焼結体を材料とし
て用いる場合、酸素も焼結体から同時に供給されるよう
に見えるが、酸素はZrO2が加熱分解される時に急激
に堆積を増やして拡散し、ポンプによって真空容器81
から排気されてしまう部分が大きいので、やはり材料に
金属Zrを用いる場合と同様、酸素ガスも同時に導入す
る必要がある。
【0074】これに加えてガスバルブ87より目的の絶
縁膜に応じて適切な種類のガスを供給する。前述の様に
材料83との反応のしやすさによって、ガスバルブ87
はパルスバルブであっても良いし、プラズマセルであっ
ても良い。パルスバルブを使う場合でもそのパルス幅を
短くしても良いし、長くしてもよくその材料に応じた最
適な値とする。例えば金属Ceと酸素ガスを使ってCe
2を成膜する場合には、酸素ガスの供給にはパルスバ
ルブを用い、そのパルス幅は80μ秒〜0.1秒の間と
し、典型的には200μ秒である。またパルスの繰り返
し頻度は0.5Hz〜100Hzの間とし典型的には2
Hzである。
【0075】この時二つの電子線加熱蒸発装置82、8
3によって材料を供給するタイミングとガスバルブ87
を通してガスを供給するタイミングは全く同時であって
も良いし、何らかのタイミングのずれがあってもよい。
あるいはその供給のタイミングを完全に交互にしてもよ
い。例えば、CeO2の成膜に際しては次の様に行う。
SiO2を熱酸化膜除去して清浄化されたSi基板86
の表面に、最初はCe金属のみを電子線加熱蒸発装置8
2、83を使って供給する。これによってSi基板86
表面はCe金属のみによって覆われる。この後Ce金属
と酸素を同時に供給することでCeO2を成膜すること
ができる。Si基板上を覆っていたCe金属は、CeO
2膜中を拡散してくる酸素によって酸化されCeO2とな
るが、酸素の量は極々少ないのでSi基板表面まで酸化
されてしまう事はない。従ってCeO2/Si基板界面
にはSiO2は形成されない。
【0076】上記の様に電子線加熱蒸発装置82、83
によって材料を供給する一方、ガスバルブ87を通して
ガスを供給する事によって、目的とする絶縁膜をSi基
板86上に形成する事ができる。所望の膜厚の成膜が終
われば材料とガスの供給を止める。基板温度を室温付近
まで戻し、真空容器81から外部へ取り出す。
【0077】第2の実施例の変形 上記第2の実施例においてパラメータWを最適化するた
めに2個用いた電子線加熱蒸発装置の数は、そのパラメ
ータWの最適化のしやすさによって3個にしてもよい
し、またそれ以上でもよい。重要な点は、それら一つ一
つの電子線加熱装置の作り出す膜厚分布の合成が、充分
なWの値を持つように設定できることである。
【0078】
【発明の効果】本発明の製造装置は真空容器中に一つあ
るいは二つ以上の電子線加熱蒸発装置を備え、これを用
いて原料材料を供給すると同時にガスを供給する事によ
ってSi基板上に絶縁体薄膜を形成する事ができる。こ
の電子線加熱蒸発装置の位置を基板の回転軸から外れた
位置に設置し、かつその位置を微動機構によって調整、
最適化する事によってSi基板全面に渡ってその膜厚変
動が1%以内の高い平坦性を持った薄膜を成膜し、高い
誘電率の絶縁膜を持ったトランジスタの提供を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の従来例に示す電子線加熱蒸発装置を使っ
た成膜装置を模式的に示した図
【図2】第2の従来例に示す電子線加熱蒸発装置を使っ
た成膜装置を模式的に示した図
【図3】(a)第1の文献に開示された材料に関する発
表件数の分布を整理した図 (b)第1の文献に開示された製造方法に関する発表件
数の分布を整理した図
【図4】第2の文献に開示された成膜装置を示す図
【図5】電子線加熱蒸発装置によって供給され、2イン
チ基板上に成膜された薄膜の膜厚分布を測定しそれがガ
ウス関数でフィッティングした結果を示した図
【図6】(a)二つのガウス関数の中心軸からのずれ:
Cを最適化して得られた平坦な膜厚分布についてプロッ
トした図 (b)Cの値が大きく、膜の平坦性が下がった例につい
て示した図 (c)Wの値が小さく、膜の平坦性が下がった例につい
て示した図
【図7】第1の実施形態に示す製造装置について模式的
に示した図
【図8】第2の実施形態に示す製造装置について模式的
に示した図
【符号の説明】
11 真空容器 12 電子線加熱蒸発装置 13 材料(原料) 14 基板 15 プラネタリ 16 レール 17 基板ホルダ 18 歯車 21 真空容器 22 電子線加熱蒸発装置 23 材料(原料) 24 基板ホルダ 71 真空容器 72 電子線加熱蒸発装置 73 材料(原料) 74 微動機構 75 基板ホルダ 76 基板 77 ガスバルブ 78 バッファチャンバ 79 ロードロックチャンバ 80 ポンプ 81 真空容器 82 電子線加熱蒸発装置 83 電子線加熱蒸発装置 84 微動機構 85 基板ホルダ 86 基板 87 ガスバルブ 88 バッファチャンバ 89 ロードロックチャンバ 90 ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機構を有する基板保持機構を備え、 前記基板保持機構に保持された基板面に対抗して電子線
    加熱による蒸発源が設置されており、前記蒸発源の位置
    が基板の回転軸の延長線上からは外されて設置されてい
    ることを特徴とする絶縁膜の製造装置。
  2. 【請求項2】 蒸発源の基板回転軸からの距離が、基板
    半径よりも大きなことを特徴とする請求項1に記載の絶
    縁膜の製造装置。
  3. 【請求項3】 蒸発源の基板回転軸からの距離を、任意
    に変更するための微動機構を備えていることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の絶縁膜の製造装置。
  4. 【請求項4】 同時に供給可能な電子線加熱による蒸発
    源を2個以上備え、前記複数の蒸発源が微動機構上に設
    置されて、位置を独立に設定することを特徴とする請求
    項3記載の絶縁膜の製造装置。
  5. 【請求項5】 基板面と蒸発源の距離を、基板面法線と
    平行な方向で任意に変更するための微動機構を備えてい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の絶縁膜の製造
    装置。
  6. 【請求項6】 同時に供給可能な電子線加熱による蒸発
    源を2個以上備え、基板面と前記蒸発源の距離を、基板
    面法線と平行な方向で任意に変更するための微動機構を
    備えていることを特徴とする請求項5記載の絶縁膜の製
    造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009111275A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Toshiba Corp 酸化ランタン化合物の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009111275A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Toshiba Corp 酸化ランタン化合物の製造方法

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