JP2002133599A - 移動体接近通報システム - Google Patents

移動体接近通報システム

Info

Publication number
JP2002133599A
JP2002133599A JP2000319182A JP2000319182A JP2002133599A JP 2002133599 A JP2002133599 A JP 2002133599A JP 2000319182 A JP2000319182 A JP 2000319182A JP 2000319182 A JP2000319182 A JP 2000319182A JP 2002133599 A JP2002133599 A JP 2002133599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
receiver
identification code
approach
reception
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000319182A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Asakawa
芳幸 浅川
Sadayuki Fujii
貞行 藤井
Hiroshi Urabe
洋 浦部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2000319182A priority Critical patent/JP2002133599A/ja
Publication of JP2002133599A publication Critical patent/JP2002133599A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emergency Alarm Devices (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動体の接近方向を特定することのできる移
動体接近通報システムを提供すること。 【解決手段】 スクーター2(移動体)に電波の出力源
となる発信機7を装備する一方、自動車1の側には、前
方に対する受信能力の高い第一の受信機3と後方に対す
る受信能力の高い第二の受信機4を配備し、第一,第二
の受信機3,4による電波の受信状態を相互に比較して
スクーター2(移動体)の接近方向を判定する。つま
り、第一の受信機3の受信状態に比べて第二の受信機4
の受信状態が良ければスクーター2(移動体)の接近方
向は後方であり、第二の受信機4の受信状態に比べて第
一の受信機3の受信状態が良ければスクーター2(移動
体)の接近方向は前方であると判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体接近通報シ
ステムの改良、特に、移動体の接近方向を的確に判定し
て表示することができる移動体接近通報システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】発信機と受信機を利用した移動体接近通
報システムとしては、既に、特開昭59−45700号
や特開平2−216600号の交通事故防止装置、ある
いは、特開平7−225274号の移動体検出装置等が
提案されている。
【0003】特開昭59−45700号および特開平2
−216600号の交通事故防止装置は、検出対象とな
る移動体、つまり、歩行者やオートバイに発信機を装着
し、自動車に装着した受信機で発信機の接近、要する
に、歩行者やオートバイの接近を検知し、これを自動車
の運転者に知らせるものである。
【0004】また、特開平7−225274号の移動体
検出装置は、更に、発信機から所定周期のパルス信号を
発生させ、自動車側の受信機で受信されるパルス信号の
周期を測定し、この周期を発信機のパルス信号の周期と
比較することによって、接近中の発信機、つまり、歩行
者やオートバイ等の移動体が単数であるのか複数である
のかを判定できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でに提案されている移動体接近通報システムは、移動体
の接近の有無、あるいは、その数を判定するのみであ
り、自動車に対する移動体の接近方向を特定することは
できなかった。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、前記従来技術の欠点を
解消し、移動体の接近方向を特定することのできる移動
体接近通報システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、移動体に装着
される発信機と、自動車に装着されて前記発信機からの
電波を受信する受信機と、前記受信機と共に自動車に装
着され前記受信機による電波の受信状態に基いて移動体
の接近を判定する判定ユニットと、前記判定ユニットと
共に自動車に装着され前記判定ユニットによる判定結果
を表示する表示ユニットとからなる移動体接近通報シス
テムであり、前記目的を達成するため、特に、前記受信
機を自動車の前方に対する受信能力の高い第一の受信機
と自動車の後方に対する受信能力の高い第二の受信機と
によって構成すると共に、前記判定ユニットには、前記
第一の受信機の受信状態と前記第二の受信機の受信状態
とを比較する比較手段と、前記第一の受信機の受信状態
が前記第二の受信機の受信状態よりも安定していれば前
方からの移動体の接近を判定結果として出力する一方、
前記第二の受信機の受信状態が前記第一の受信機の受信
状態よりも安定していれば後方からの移動体の接近を判
定結果として出力する接近方向判定手段とを配備したこ
とを特徴とする構成を有する。
【0008】以上の構成により、判定ユニットの比較手
段が第一の受信機の受信状態と第二の受信機の受信状態
とを比較する。第一の受信機は自動車の前方に対する受
信能力が高くなるようにそれ自体の指向性あるいは外的
な条件を調整され、また、第二の受信機は自動車の後方
に対する受信能力が高くなるようにそれ自体の指向性あ
るいは外的な条件を調整されているので、結果的に、第
一の受信機の受信状態が第二の受信機の受信状態よりも
安定していれば電波の発信源である発信機を備えた移動
体が前方から接近していることを意味し、また、第二の
受信機の受信状態が第一の受信機の受信状態よりも安定
していれば移動体が後方から接近していることを意味す
る。また、第一,第二の受信機が共に電波を受信しなけ
れば、受信可能範囲に移動体が存在しないことを意味す
る。従って、判定ユニットの接近方向判定手段は、第一
の受信機の受信状態が第二の受信機の受信状態よりも安
定していれば前方からの移動体の接近を判定結果として
出力する一方、第二の受信機の受信状態が第一の受信機
の受信状態よりも安定していれば後方からの移動体の接
近を判定結果として出力する。一般に、この種の受信機
に完全な指向性を持たせることは物理的に困難である
が、このように、ある程度の指向性を有する第一,第二
の受信機の受信状態を比較することにより、電波の発信
源である発信機を備えた移動体の接近方向を的確に判定
することができる。そして、判定ユニットからの判定結
果を受けた表示ユニットは、その判定結果に応じ、移動
体の接近と該移動体の接近方向を自動車の運転者に知ら
せる。
【0009】ここで、判定ユニットの比較手段は、第一
の受信機または第二の受信機のうち何れか一方が発信機
からの電波の受信を開始してから所定時間が経過するま
での間の第一の受信機および第二の受信機の受信状態を
モニタし、この所定時間内の第一の受信機の受信状態と
第二の受信機の受信状態とを比較して判定結果を出力す
るように構成することが望ましい。
【0010】前述した通り、受信機に完全な指向性を持
たせることは困難であり、第一,第二の受信機の受信可
能範囲には必ず重複部分が生じるが、自動車に接近する
移動体が何れか一方の受信機の受信可能範囲の限界領域
に達してから第一,第二の受信機の受信可能範囲の重複
部分に侵入するまでには一定の時間を要し、その間は前
記一方の受信機の受信状態が他方の受信機の受信状態に
比べて著しく勝る。従って、この間の電波の受信状態を
モニタして接近方向を判定することにより、極めて的確
に移動体の接近方向を判定することができる。つまり、
前述した所定時間とは、自動車に接近する移動体が一方
の受信機の受信可能範囲の限界領域に到達してから受信
可能範囲の重複部分に侵入するまでに要する時間に合わ
せて設定した値である。
【0011】また、判定ユニットの比較手段は、第一の
受信機または第二の受信機のうち何れか一方が発信機か
らの電波の受信を開始してから周期的に第一の受信機お
よび第二の受信機の受信状態をモニタし、各周期毎に、
この所定周期内の第一の受信機の受信状態と第二の受信
機の受信状態とを比較するような構成としてもよい。
【0012】この場合、何れか一方の受信機が受信を開
始した直後の何周期かにおける判定結果に関しては前記
と同様である。つまり、自動車に接近する移動体が何れ
か一方の受信機の受信可能範囲の限界領域に達してから
第一,第二の受信機の受信可能範囲の重複部分に侵入す
るまでには一定の時間が掛かるため、この間に電波の受
信状態をモニタして接近方向を判定することにより、極
めて的確に移動体の接近方向を判定することができると
いったメリットがある。その後、移動体が第一,第二の
受信機の受信可能範囲の重複部分に侵入すると第一,第
二の受信機の受信状態の安定度には大きな差はなくなる
が、依然として、これら第一,第二の受信機には一定の
指向性があるので、両者の受信状態の安定度を比較する
ことにより、受信可能範囲の重複部分に侵入した移動体
の接近方向を比較的高い確率で正しく判定することがで
きる。
【0013】更に、電波に重畳して識別コードを出力す
る識別コード出力機能を発信機に設け、識別コード毎に
第一の受信機の受信状態と第二の受信機の受信状態とを
比較する識別コード別受信状態比較機能を比較手段に配
備することもできる。この場合、接近方向判定手段は、
識別コードの異なる電波のうち第一の受信機の受信状態
が第二の受信機の受信状態よりも安定している電波が1
つでもあれば前方からの移動体の接近を判定結果として
出力する一方、識別コードの異なる電波のうち第二の受
信機の受信状態が第一の受信機の受信状態よりも安定し
ている電波が1つでもあれば後方からの移動体の接近を
判定結果として出力するように構成する。
【0014】発信機毎の識別コードを利用して移動体の
接近および接近方向を判定することにより、電波の発信
源となる発信機を備えた複数の移動体が同時に第一,第
二の受信機の受信可能範囲内に侵入した場合であって
も、混乱することなく、各移動体の接近方向を的確に判
定することができる。
【0015】また、前記発信機には、移動体のエンジン
始動時に無作為的な識別コードを生成する識別コード生
成手段を配備することもできる。
【0016】発信機毎の識別コードを利用する場合、発
信機毎に完全にユニークな識別コードを設定することが
望ましいが、オートバイ,電動機付自転車,セニアカー
等の移動体に搭載される全ての発信機に相異なる識別コ
ードを割り振ろうとすると、識別コードのデータ長が冗
長され、受信機側で電波を受信してからの識別コードの
分析に時間が掛かるようになり、接近および接近方向の
判定に要する処理時間が長くなってしまうといった問題
がある。この結果、識別コードのデータ長を短縮する必
要があり、ある程度の識別コードの重複は止むを得な
い。また、識別コードの重複する発信機が幾つか存在し
たとしても、これら同一の識別コードを有する発信機を
搭載した移動体が同じ自動車に向かって同時に接近する
といった可能性は著しく低い。そこで、これらの状況を
考慮し、ここでは、発信機自体に、移動体のエンジン始
動時に無作為的な識別コードを生成する識別コード生成
手段を配備することによって、工場出荷時に発信機の識
別コードを調整してプリセットする作業や、識別コード
が重複しないように発信機の製造工程を管理する作業を
取り除いて、発信機の生産性の向上を実現した。
【0017】また、前述した第一の受信機と第二の受信
機の各々は自動車と独立した状態で同等の有効受信範囲
を有する2つの無指向性の受信機によって構成すること
が可能である。無指向性の受信機によって第一,第二の
受信機を構成する場合、第一の受信機は自動車の前方寄
りに、また、第二の受信機は自動車の後方寄りに装着す
る必要がある。
【0018】このような構成によれば、自動車の前方寄
りに装着された第一の受信機の後方側の受信可能範囲
が、該受信機の後方に位置する自動車の金属ボディによ
ってある程度電磁遮蔽されるため、後方側の受信可能範
囲が前方側の受信可能範囲に比べて狭くなる。同様に、
自動車の後方寄りに装着された第二の受信機の前方側の
受信可能範囲が、該受信機の前方に位置する自動車の金
属ボディによってある程度電磁遮蔽されるため、前方側
の受信可能範囲が後方側の受信可能範囲に比べて狭くな
る。更に、第一の受信機と第二の受信機の装着位置の差
によって、自動車の中心位置を基準に、第一の受信機の
受信可能範囲が自動車の前方側にシフトされ、第二の受
信機の受信可能範囲が自動車の後方側にシフトされるこ
とになる。これらの相乗効果により、第一の受信機は自
動車の前方に対する受信能力を相対的に高められ、第二
の受信機は自動車の後方に対する受信能力を相対的に高
められることになる。
【0019】第一,第二の受信機を自動車の前後に装着
する場合、第一の受信機は自動車の右方寄りに、また、
第二の受信機は自動車の左方寄りに装着することが望ま
しい。
【0020】このような構成によれば、第一の受信機の
受信可能範囲が自動車の右斜め前方に拡大し、第二の受
信機の受信可能範囲は自動車の左斜め後方に拡大するこ
とになる。このような構成は、自動車が交差点を右折す
るときの対向車線からの移動体の接近、および、自動車
が交差点を左折するときの同一車線後方からの移動体の
接近を一層確実に検出できるようになり、右折時および
左折時のオートバイ等の巻き込み事故の防止に有効であ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について詳細に説明する。図1は本発明の移動体
接近通報システムを適用した一実施形態の自動車1およ
び移動体としてのスクーター2の外観を概略で示した側
面図である。なお、ここでいう移動体とは、オートバイ
や電動機付自転車等の二輪車およびセニアカー等の小型
の三輪あるいは四輪車、および、普通自動車や大型自動
車等を始めとする自動車と共に同じ道を走行する可能性
のある比較的小型の全ての車両を含んだ概念である。
【0022】図1に示されるように、本実施形態の移動
体接近通報システムは、自動車1の前方右寄りの位置に
配備された第一の受信機3と、自動車1の後方左寄りの
位置に配備された第二の受信機4、および、第一,第二
の受信機3,4の受信状態に基いてスクーター2の接近
および接近方向を判定するための判定ユニット5と、該
判定ユニット5の判定結果を表示するための表示ユニッ
ト6、ならびに、スクーター2に配備された発信機7に
よって構成される。
【0023】このうち第一,第二の受信機3,4の受信
能力に関する電気的な特性は基本的に同一であるが、自
動車1に対する第一,第二の受信機3,4の取り付け状
態の違いによって、これら第一,第二の受信機3,4の
受信能力が差別化されている。
【0024】つまり、自動車1の前方寄りに装着された
第一の受信機3の後方側の受信可能範囲は該受信機3の
後方に位置する自動車1の金属ボディによってある程度
電磁遮蔽されるため、第一の受信機3の後方側の受信可
能範囲は第一の受信機3の前方側の受信可能範囲に比べ
て狭くなる。同様に、自動車1の後方寄りに装着された
第二の受信機4の前方側の受信可能範囲は該受信機4の
前方に位置する自動車1の金属ボディによってある程度
電磁遮蔽されるため、第二の受信機4の前方側の受信可
能範囲は第二の受信機4の後方側の受信可能範囲に比べ
て狭くなる。また、第一の受信機3と第二の受信機4の
装着位置の前後方向の差によって、自動車1の中心位置
を基準に、第一の受信機3の受信可能範囲が自動車1の
前方側にシフトされ、第二の受信機4の受信可能範囲は
自動車1の後方側にシフトされる。これら取り付け位置
の違いの相乗効果により、第一の受信機3は自動車1の
前方に対する受信能力を相対的に高められ、第二の受信
機4は自動車1の後方に対する受信能力を相対的に高め
られることになる。
【0025】更に、本実施形態においては、第一の受信
機3は自動車1の前方において右方寄りの位置に、ま
た、第二の受信機4は自動車1の後方において左方寄り
の位置に装着されているため、結果的に、図2に示され
るように、第一の受信機3の受信可能範囲Fは自動車1
の右斜め前方に拡大し、第二の受信機4の受信可能範囲
Rは自動車の左斜め後方に拡大する。なお、図2に示さ
れる2つの楕円の重複部分が第一,第二の受信機3,4
に共通する受信可能範囲である。
【0026】次に、移動体接近通報システムを構成する
各要素の具体的な構成例について詳細に説明する。
【0027】図3はスクーター2に装着された発信機7
の構造の概略を示したブロック図である。この発信機7
は、図3に示される通り、識別コード生成手段の主要部
を構成するCPU8と、発振素子9、および、発信アン
テナ10によって構成される。
【0028】CPU8にはスクーター2のバッテリーで
ある電源11からレギュレータ12を介して駆動電力が
供給される。つまり、図示しないスターターキーの挿入
によってスクーター2の電気系統が活性化した後、電圧
検出器13がCPU8の駆動に必要とされる所定電圧の
立ち上がりを検出した段階で、電圧検出器13からCP
U8にリセット信号が入力され、該CPU8によって、
図4に示されるような識別コードの生成および識別コー
ドの出力に関連する処理が自動的に開始されるようにな
っている。識別コードの生成および出力に関連する処理
については後に詳述する。
【0029】スクーター2のストップランプ14と電源
11との間には、図示しないブレーキレバーの操作に連
動してON/OFFするブレーキ検出スイッチ15が設
けられ、ブレーキレバーの操作に応じてストップランプ
14が点灯すると共に、CPU8のブレーキ信号検出部
にブレーキのON状態を示すHIレベルの信号が入力さ
れるようになっている。
【0030】また、スクーター2に装備された図示しな
い速度検出器からの車速パルスがCPU8の車速パルス
検出部に入力される。この速度検出器はタコジェネレー
タやF/V変換器等によって構成され、最終的にCPU
8に入力されるのは、A/D変換器によって所定周期毎
にA/D変換された速度の値である。
【0031】発振素子9の動作状態をON/OFF制御
するためのパワートランジスタ16には、電源11から
レギュレータ12およびレギュレータ17を介して駆動
電力が供給され、CPU8からパワートランジスタ16
に与えられるON/OFF切り替え信号によって、発振
素子9の動作状態がON/OFF制御されるようになっ
ている。
【0032】発振素子9は、CPU8から出力される識
別コードの値を電波に重畳して発信アンテナ10を介し
て外部に送信する識別コード出力機能を備える。
【0033】図4はCPU8によって実施される識別コ
ードの生成および出力処理の概略を示したフローチャー
トである。
【0034】前述したリセット信号入力後、この処理を
開始したCPU8は、まず、フリーランカウンターを起
動する(ステップa1)。ここでいうフリーランカウン
ターとはCPU8の内部処理によって実現されている高
速動作のカウンタであり、極めて短い周期で連続的にカ
ウントアップされる。また、その値がレジスタによって
許容される最大値に達すると自動的に初期値にリセット
され、再び初期値からのカウントアップを開始するよう
に構成されている。
【0035】次いで、CPU8は、スクーター2のブレ
ーキが解除されているか否か、要するに、CPU8のブ
レーキ信号検出部においてHIレベルからLOレベルへ
の入力信号の変化が検出されているか否かを判別する
(ステップa2)。スクーター2は、安全性を考慮した
構造上、ブレーキを操作したままの状態でないとエンジ
ンの始動が実行できないように構成されているので、ス
ターターキーの挿入後エンジン始動前のこの段階で直ち
にブレーキの解除が検出されることはない。従って、C
PU8は、ステップa2の判別処理を繰り返し実行しな
がらブレーキの解除を待機することになる。
【0036】この間もフリーランカウンターは高速のカ
ウントアップ動作とリセット処理を継続して実行し、そ
の現在値を高速で変動させる。
【0037】そして、エンジンの始動が完了して運転者
がブレーキから手を離すと、ブレーキ検出スイッチ15
がOFFとなってストップランプ14が消灯し、CPU
8のブレーキ信号検出部への信号もHIレベルからLO
レベルへと変化する。ステップa2の判別処理を繰り返
し実行しているCPU8はステップa2の判別処理によ
ってブレーキの解除を検出し、直ちにフリーランカウン
ターの現在値を読み込む(ステップa3)。そして、識
別コード生成手段としてのCPU8は、その値の下位4
ビットを取って当該発信機7の識別コードとし、この識
別コードをメモリに記憶する(ステップa4)。この識
別コードの値は、スターターキーが抜かれてCPU8へ
の電力供給が断たれるまでの間メモリ内に保持されるこ
とになる。
【0038】ブレーキが解除されるタイミングは運転者
の個性や当日の体調等によって様々に変動するので、エ
ンジン始動時にフリーランカウンターの現在値の下位4
ビットを取って生成される当該発信機7の識別コードの
値は実質的には無作為の乱数であり、別のスクーター等
に装着された発信機によって同じ値の識別コードが生成
されるといった可能性は極めて低い。
【0039】識別コードの一例を図5に示す。この識別
コードの長さは実際には何ビットであってもよいが、で
きるだけ発信機毎に固有の識別コードを設定したいとい
った要求と、受信機側で電波を受信してからの識別コー
ドの分析に必要とされる時間を短くしたいといった相反
する要求を満たすため、4ビット程度の長さが好適であ
る。
【0040】このようにして当該発信機7のための識別
コードを生成したCPU8は、次いで、車速パルス検出
部に入力されている車速パルスの値を読み込み、その値
が零であるか否か、要するに、スクーター2が実質的に
停止しているか否かを判定する(ステップa5)。
【0041】そして、車速パルスの値が零でなくスクー
ター2が走行していれば、CPU8は、パワートランジ
スタ16にON指令を出力して識別コード出力機能実現
手段としての発振素子9を駆動し、メモリ内に保持され
ている識別コードの値を電波に重畳して発信アンテナ1
0を介して外部に送信する(ステップa6)。識別コー
ドの出力処理は、スクーター2が走行を続ける限り繰り
返し実行されるようになっている。なお、識別コードを
電波に重畳するための方法としては、AM・FM変調や
PCM等を始め任意の公知技術を適用することができ
る。
【0042】また、ステップa5の判別結果が偽となっ
た場合、つまり、スクーター2が走行を停止している場
合には、ステップa6の処理は非実行とされ、識別コー
ドの外部出力は自動的に停止される。これは、交差点に
おける信号待ち等の状況下において停止しているスクー
ター等の多数の移動体から無駄な電波が出力されて受信
機側での内部処理に支障が生じるのを防止するための工
夫である。
【0043】図6は、自動車1側に装着された第一,第
二の受信機3,4と判定ユニット5および表示ユニット
6の電気的な接続関係を簡単に説明した概念図である。
【0044】表示ユニット6はスクーター2等の移動体
の接近および接近方向を可視表示するための表示器18
と移動体の接近を警告するためのブザー19とによって
構成される。このうち表示器18は、前方からの移動体
の接近を知らせるための前方接近警告ランプ18fと後
方からの移動体の接近を知らせるための後方接近警告ラ
ンプ18rとによって構成され、これらのランプは自動
車1のメーターパネル上に設置される。また、ブザー1
9は前方からの移動体の接近が検出された場合に作動す
る前方接近警告ブザー19fと後方からの移動体の接近
が検出された場合に作動する後方接近警告ブザー19r
とによって構成され、各々の音色(振動周波数)が異な
る。ブザー19は自動車1のダッシュボード内に設置さ
れる。
【0045】第一,第二の受信機3,4の構造の概略を
図7に示す。第一の受信機3と第二の受信機4の構造は
全く同一であるので、ここでは両者を代表して第一の受
信機3の構造のみを説明するものとする。
【0046】第一の受信機3は、図7に示される通り、
概略において、受信アンテナ20とチューナ21および
CPU22によって構成される。
【0047】チューナ21およびCPU22には自動車
1のバッテリーである電源23からレギュレータ24を
介して駆動電力が供給される。また、図示しないスター
ターキーの挿入によって自動車1の電気系統が活性化し
た後、電圧検出器25がCPU22の駆動に必要とされ
る所定電圧の立ち上がりを検出した段階で、電圧検出器
25からCPU22にリセット信号が入力され、該CP
U22によって、図8に示されるような識別コードの受
信に関連する処理が自動的に開始されるようになってい
る。
【0048】図8はCPU22によって実施される識別
コードの受信処理の概略を示したフローチャートであ
る。
【0049】前述したリセット信号入力後、この処理を
開始したCPU22は、まず、現時点においてチューナ
21で受信されている電波を復調して解析し(ステップ
b1)、この電波から規定通りの識別コード、要する
に、前述した4ビットの識別コードが抽出されるかどう
かを判別する(ステップb2)。
【0050】規定通りの識別コードが検出された場合に
は、CPU22は、何れかの移動体に装着された発信機
7からの電波が適切に受信されたものと判定し、発信機
7からの電波が受信されていることを示すHIレベルの
受信確認信号を判定ユニット5に送出し(ステップb
3,図7参照)、更に、ステップb1の処理で抽出され
た識別コードの値、つまり、第一の受信機3の受信可能
範囲内に侵入した移動体に搭載された発信機7の識別コ
ードの値を判定ユニット5に送出する(ステップb4,
図7参照)。また、規定通りの識別コードが検出されな
かった場合には、適切に電波が受信されていないことを
示すため、判定ユニット5に出力する受信確認信号の値
をLOレベルに変化させる(ステップb5,図7参
照)。
【0051】この識別コード受信処理は、自動車1から
スターターキーが外されて電気系統が不活性化されるま
で繰り返し実行される。
【0052】第二の受信機4に内臓されたCPUによっ
て実施される処理も前記と全く同様である。
【0053】自動車1に搭載された判定ユニット5の構
造の概略を図9に示す。この判定ユニットは、図9に示
される通り、概略において、識別コード別受信状態比較
機能を備えた比較手段および接近方向判定手段としての
CPU26と、リレーユニット27とによって構成され
る。
【0054】CPU26には自動車1のバッテリーであ
る電源23からレギュレータ24を介して駆動電力が供
給され、リレーユニット27には自動車1のバッテリー
である電源23から直接的に駆動電力が供給される。ま
た、図示しないスターターキーの挿入によって自動車1
の電気系統が活性化した後、電圧検出器25がCPU2
6の駆動に必要とされる所定電圧の立ち上がりを検出し
た段階で、電圧検出器25からCPU26にリセット信
号が入力され、該CPU26によって、図10乃至図1
4に示されるような接近方向判定処理が自動的に開始さ
れるようになっている。接近方向判定処理の内容につい
ては後に詳述する。
【0055】トランジスタ28はCPU26が接近方向
判定処理によって前方からの移動体の接近を判定結果と
して出力したときに作動するスイッチングトランジスタ
である。また、トランジスタ29,30は、スイッチン
グトランジスタ28によってON/OFF制御されるパ
ワートランジスタである。パワートランジスタ29から
の出力は前方接近警告ランプ18fを作動させ、また、
パワートランジスタ30からの出力はリレーユニット2
7のリレー27fを起動して前方接近警告ブザー19f
を作動させる。
【0056】トランジスタ31はCPU26が接近方向
判定処理によって後方からの移動体の接近を判定結果と
して出力したときに作動するスイッチングトランジスタ
である。また、トランジスタ32,33は、スイッチン
グトランジスタ31によってON/OFF制御されるパ
ワートランジスタである。パワートランジスタ32から
の出力は後方接近警告ランプ18rを作動させ、また、
パワートランジスタ33からの出力はリレーユニット2
7のリレー27rを起動して後方接近警告ブザー19r
を作動させる。
【0057】次に、判定ユニット5のCPU26によっ
て実施される接近方向判定処理の概略を示した図10乃
至図14のフローチャートを参照して、本実施形態にお
ける判定ユニット5の処理動作について説明する。
【0058】前述したリセット信号入力後、接近方向判
定処理を開始したCPU26は、まず、第一の受信機3
によって受信される電波の識別コードの値を記憶するた
めのコード記憶テーブルT1の記憶内容と、第二の受信
機4によって受信される電波の識別コードの値を記憶す
るためのコード記憶テーブルT2の記憶内容をクリア
し、各テーブルT1,T2における新たな識別コードの
書き込みアドレスを指定するための指標i,jの値を0
に初期化する。
【0059】また、CPU26は、コード記憶テーブル
T1上におけるアドレスiの値、実質的には、識別コー
ドの値に対応して当該識別コードの電波の検出回数を計
数するi=0からnのカウンタCf(i)の値と、コー
ド記憶テーブルT2上におけるアドレスjの値、実質的
には、識別コードの値に対応して当該識別コードの電波
の検出回数を計数するj=0からnのカウンタCr
(j)の値を0にリセットする。
【0060】更に、CPU26は、コード記憶テーブル
T1上におけるアドレスiの位置に識別コードが記憶さ
れてからの経過時間を計測するi=0からnのタイマT
f(i)の値と、コード記憶テーブルT2上におけるア
ドレスjの位置に識別コードが記憶されてからの経過時
間を計測するj=0からnのタイマTr(j)の値を0
にリセットする(以上、ステップc1)。数値nは有限
の値であり、その値は、一台の自動車1に対して同時に
遭遇する可能性のあるスクーター2等の移動体の台数を
想定して予め決められている。
【0061】次いで、CPU26は、電波が受信されて
いることを示すHIレベルの受信確認信号が第一の受信
機3から入力されているか否かを判別し(ステップc
2)、HIレベルの受信確認信号が入力されていれば、
更に、この受信確認信号と共に入力されている識別コー
ドの値を読み込んで(ステップc3)、コード記憶テー
ブルT1の全アドレスを検索し(ステップc4)、ステ
ップc3の処理で読み込んだものと同じ識別コードが既
にコード記憶テーブルT1上に記憶されているか否かを
判別する(ステップc5)。
【0062】ここで、同じ識別コードが検出されない場
合、つまり、ステップc5の判別結果が偽となった場合
には、CPU26は、指標iの現在値に基いて、コード
記憶テーブルT1のアドレスiの位置にステップc3の
処理で読み込んだ識別コードの値を新たに記憶し(ステ
ップc6)、指標iの値に対応するタイマTf(i)を
起動して、この識別コードが第一の受信機3によって最
初に検出されてからの経過時間の計測を開始する(ステ
ップc7)。
【0063】次に、CPU26は、コード記憶テーブル
T1に記憶された識別コードの数を記憶するレジスタn
1に指標iの値をセットする(ステップc8)。この実
施形態ではコード記憶テーブルT1の先頭アドレスから
順に新たな識別コードの値を記憶するようにしているの
で、最後に識別コードが書き込まれたアドレスiの値
が、コード記憶テーブルT1に記憶された識別コードの
数と一致する。
【0064】次いで、CPU26は、指標iの現在値に
基いて、第一の受信機3によって得られた当該識別コー
ドの電波の検出回数を計数するカウンタCf(i)の値
を1インクリメントすると共に(ステップc9)、指標
iの値を1インクリメントして、次に検出される識別コ
ードを記憶するためのコード記憶テーブルT1のアドレ
ス位置を更新する(ステップc10)。
【0065】一方、ステップc5の判別結果が真となっ
た場合、つまり、ステップc3の処理で読み込んだもの
と同じ識別コードがコード記憶テーブルT1上に検出さ
れた場合には、CPU26は、ステップc3の処理で読
み込んだものと同じ識別コードが記憶されたコード記憶
テーブルT1のアドレスxの値を求め(ステップc1
1)、このアドレスxの値に基いて、第一の受信機3に
よって得られた当該識別コードの電波の検出回数を計数
するカウンタCf(x)の値を1インクリメントする
(ステップc12)。
【0066】例えば、電源投入後の第1回目の接近方向
判定処理で第一の受信機3によって識別コード「000
1」の電波が検出され、その後、第2回目の接近方向判
定処理でも第一の受信機3によって識別コード「000
1」の電波が検出されたとすれば、第1回目の接近方向
判定処理におけるステップc6の処理でコード記憶テー
ブルT1のアドレス「0」に識別コード「0001」が記憶
されると共にステップc7の処理でタイマTf(0)が
起動されてステップc9の処理でカウンタCf(0)の
値が「1」にインクリメントされ、また、第2回目の接近
方向判定処理では、ステップc12の処理で、識別コー
ド「0001」に対応するカウンタCf(0)の値が「2」
にインクリメントされることになる。
【0067】このようにして、第一の受信機3によって
検出された識別コードと該識別コードに対応するカウン
タCf(i)〔=カウンタCf(x)〕との対応関係が
一定の状態に保持される。
【0068】また、CPU26は、第二の受信機4から
入力される識別コードに対しても前記と全く同様の処理
を実行する。
【0069】つまり、CPU26は、電波が受信されて
いることを示すHIレベルの受信確認信号が第二の受信
機4から入力されているか否かを判別し(ステップc1
3)、HIレベルの受信確認信号が入力されていれば、
更に、この受信確認信号と共に入力されている識別コー
ドの値を読み込んで(ステップc14)、コード記憶テ
ーブルT2の全アドレスを検索し(ステップc15)、
ステップc14の処理で読み込んだものと同じ識別コー
ドが既にコード記憶テーブルT2上に記憶されているか
否かを判別する(ステップc16)。
【0070】同じ識別コードが検出されない場合、つま
り、ステップc16の判別結果が偽となった場合には、
CPU26は、指標jの現在値に基いて、コード記憶テ
ーブルT2のアドレスjの位置にステップc14の処理
で読み込んだ識別コードの値を新たに記憶し(ステップ
c17)、指標jの値に対応するタイマTr(j)を起
動して、この識別コードが第二の受信機4によって最初
に検出されてからの経過時間の計測を開始する(ステッ
プc18)。
【0071】次に、CPU26は、コード記憶テーブル
T2に記憶された識別コードの数を記憶するレジスタn
2に指標jの値をセットする(ステップc19)。この
実施形態ではコード記憶テーブルT2の先頭アドレスか
ら順に新たな識別コードの値を記憶するようにしている
ので、最後に識別コードが書き込まれたアドレスjの値
が、コード記憶テーブルT2に記憶された識別コードの
数と一致する。
【0072】次いで、CPU26は、指標jの現在値に
基いて、第二の受信機4によって得られた当該識別コー
ドの電波の検出回数を計数するカウンタCr(j)の値
を1インクリメントすると共に(ステップc20)、指
標jの値を1インクリメントして、次に検出される識別
コードを記憶するためのコード記憶テーブルT2のアド
レス位置を更新する(ステップc21)。
【0073】一方、ステップc16の判別結果が真とな
った場合、つまり、ステップc14の処理で読み込んだ
ものと同じ識別コードがコード記憶テーブルT2上に検
出された場合には、CPU26は、ステップc14の処
理で読み込んだものと同じ識別コードが記憶されたコー
ド記憶テーブルT2のアドレスyの値を求め(ステップ
c22)、このアドレスyの値に基いて、第二の受信機
4によって得られた当該識別コードの電波の検出回数を
計数するカウンタCr(y)の値を1インクリメントす
る(ステップc23)。
【0074】このようにして、第二の受信機4によって
検出された識別コードと該識別コードに対応するカウン
タCr(j)〔=カウンタCr(y)〕との対応関係が
一定の状態に保持される。
【0075】次いで、CPU26は、前方からの移動体
の接近を記憶する移動方向記憶フラグFfと後方からの
移動体の接近を記憶する移動方向記憶フラグFrおよび
指標kの値を0にリセットし(ステップc24)、指標
kの現在値が、コード記憶テーブルT1に記憶された識
別コードの数n1を越えているか否かを判別する(ステ
ップc25)。
【0076】そして、指標kの値がコード記憶テーブル
T1における識別コードの記憶数n1の値を越えていな
ければ、CPU26は、指標kの現在値に基いて、タイ
マTf(k)の現在値とコード記憶テーブルT1のアド
レスkに記憶された識別コードの値とを読み込み(ステ
ップc26)、タイマTf(k)の現在値が設定値〔例
えば100μs〕に達しているか否かを判別する(ステ
ップc27)。
【0077】ここで、タイマTf(k)の現在値が設定
値に達していなければ、コード記憶テーブルT1のアド
レスkに記憶された識別コードを有する電波の受信が第
一の受信機3によって開始されてからの経過時間が、接
近方向の判定を下すための設定時間に達していないこと
を意味する。従って、CPU26は、ステップc28〜
ステップc38およびステップc40〜ステップc44
までの実質的な判定処理を非実行として、指標kの値を
1インクリメントし(ステップc39)、インクリメン
トされた指標kの現在値に基いて前記と同様にしてステ
ップc25〜ステップc27の処理を繰り返し実行し、
識別コードが最初に検出されてからの経過時間Tf
(k)が設定値に達している識別コードを記憶したアド
レスkの値をコード記憶テーブルT1から検出する。
【0078】このような処理が繰り返し実行される間
に、第一の受信機3によって最初に検出されてからの経
過時間Tf(k)が設定値に達している識別コードを記
憶したアドレスkがあることがステップc27の判別処
理で確認された場合には、CPU26は、設定時間内に
おける当該識別コードの検出回数を計数するカウンタC
f(k)の現在値を読み込み(ステップc28)、更
に、コード記憶テーブルT2を検索して(ステップc2
9)、コード記憶テーブルT1のアドレスkに記憶され
た識別コードと同じ識別コードがコード記憶テーブルT
2に記憶されているか否かを判別する(ステップc3
0)。
【0079】同じ識別コードがコード記憶テーブルT2
に記憶されている場合には、CPU26は、コード記憶
テーブルT1のアドレスkに記憶された識別コードと同
じ識別コードが記憶されたコード記憶テーブルT2のア
ドレスyの値を求め(ステップc31)、このアドレス
yの値に基いて、同じ時間帯の範囲で第二の受信機4に
よって得られた当該識別コードの電波の検出回数を計数
するカウンタCr(y)の値を読み込み(ステップc3
2)、第一の受信機3の受信状態と第二の受信機4の受
信状態とを比較する比較手段としてのCPU26が、カ
ウンタCf(k)とカウンタCr(y)の大小関係を比
較する(ステップc33)。
【0080】図15は自動車1に対するスクーター2の
接近状態と第一,第二の受信機3,4の受信状態との対
応関係を示した概念図であり、一例として、自動車1の
後方からスクーター2が接近する場合について示してい
る。
【0081】前述したように、第一,第二の受信機3,
4は、その装着位置により、第一の受信機3の受信可能
範囲は自動車1の後方側に向けて狭く、また、第二の受
信機4の受信可能範囲は自動車1の後方側に向けて広く
なるので、図15のように自動車1の後方からスクータ
ー2が接近するような状況下では、第二の受信機4が先
にスクーター2の発信機7からの電波を受信し、第一の
受信機3がこの電波を受信するのはそれよりも暫く後に
なる。
【0082】また、スクーター2の発信機7が第一,第
二の受信機3,4よりも相当に後方にある時には発信機
7からの電波の受信状態が不安定となり、発信機7から
の電波を第一,第二の受信機3,4が受信できたり受信
できなかったりする。この際、第一の受信機3は第二の
受信機4に比べて更に受信状態が不安定となるので、単
位時間内における電波の受信回数を第一の受信機3と第
二の受信機4とで比較することにより、自動車1に対す
るスクーター2の接近方向を判定することができる。
【0083】特に、図15に示されるからの区間
〔実施形態の場合、自動車1とスクーター2との離間距
離が30mから15mの区間〕のように、スクーター2
に近い方の第二の受信機4が発信機7からの電波を受信
し始めてから所定時間〔例えば100μs〕の間は、第
一,第二の受信機3,4の受信状態に大きな違いが生じ
るので、接近方向の判定が確実である。スクーター2が
図15のの位置を越えて自動車1に接近すると第一,
第二の受信機3,4の受信状態の差は徐々に減少する
が、それでも、スクーター2が後方から接近する場合に
は第一の受信機3に比べて第二の受信機4の方が発信機
7の電波を確実に受信することは確かであり、従って、
スクーター2が図15のの位置を越えて自動車1に接
近した場合であっても、第一,第二の受信機3,4の受
信状態を比較することにより、自動車1に対するスクー
ター2の接近方向を或る程度は確実に判定することが可
能である。
【0084】これらの現象を考慮し、本実施形態におい
ては、第二の受信機4あるいは第一の受信機3が最初に
スクーター2の発信機7からの電波を受信した時点を基
準として、最初の100μsの間の第一,第二の受信機
3,4の受信状態を比較してスクーター2の接近方向を
判定し、更に、その後100μs周期で同様の判定処理
を繰り返し実行するようにしている。
【0085】また、自動車1に対してスクーター2が前
方から接近する場合には、図15とは全く逆の現象が生
じ、第一の受信機3が第二の受信機4よりも先にスクー
ター2の発信機7からの電波を捕捉することになるが、
第一,第二の受信機3,4の受信状態を比較してスクー
ター2の接近方向を判定できる点は前記と同様である。
【0086】そこで、ステップc33の判別結果が真と
なった場合、つまり、設定時間内における第一の受信機
3の受信回数Cf(k)の値が第二の受信機4の受信回
数Cr(y)の値よりも大きく、第一の受信機3の受信
状態が第二の受信機4の受信状態よりも安定していて、
コード記憶テーブルT1のアドレスk〔=コード記憶テ
ーブルT2のアドレスy〕に記憶された識別コードを有
する発信機7を搭載したスクーター2が自動車1の前方
から接近していると判定された場合には、CPU26
は、まず、コード記憶テーブルT2のアドレスyに記憶
された識別コードを削除する(ステップc34)。
【0087】そして、コード記憶テーブルT2のアドレ
スy+1〜アドレスnに記憶された全ての識別コードを
1ランク上位側のアドレスy〜アドレスn−1にシフト
すると共に、y+1以降の全てのタイマTr(y+1)
〜Tr(n)の値を1ランク上位側のタイマTr(y)
〜Tr(n−1)にシフトし、y+1以降の全てのカウ
ンタCr(y+1)〜Cr(n)の値を1ランク上位側
のカウンタCr(y)〜Cr(n−1)にシフトして、
コード記憶テーブルT2に記憶された識別コードの数を
記憶するレジスタn2とコード記憶テーブルT2におけ
る新たな識別コードの書き込みアドレスを指定するため
の指標jの値を共に1ディクリメントする(ステップc
35)。これらの処理により、コード記憶テーブルT2
のアドレスyに記憶されていた識別コードに関連した全
ての情報が削除されることになる。
【0088】また、CPU26は、コード記憶テーブル
T1のアドレスkに記憶された識別コードを削除し(ス
テップc36)、更に、コード記憶テーブルT1のアド
レスk+1〜アドレスnに記憶された全ての識別コード
を1ランク上位側のアドレスk〜アドレスn−1にシフ
トすると共に、k+1以降の全てのタイマTf(k+
1)〜Tf(n)の値を1ランク上位側のタイマTf
(k)〜Tf(n−1)にシフトし、k+1以降の全て
のカウンタCf(k+1)〜Cf(n)の値を1ランク
上位側のカウンタCf(k)〜Cf(n−1)にシフト
して、コード記憶テーブルT1に記憶された識別コード
の数を記憶するレジスタn1とコード記憶テーブルT1
における新たな識別コードの書き込みアドレスを指定す
るための指標iの値を共に1ディクリメントする(ステ
ップc37)。これらの処理により、コード記憶テーブ
ルT1のアドレスkに記憶されていた識別コードに関連
した全ての情報が削除されることになる。
【0089】前述したステップc34〜ステップc37
の処理により、今回の処理周期で電波の受信状態の比較
対象となった識別コードに関連するデータは、コード記
憶テーブルT1,T2およびタイマTf(k),Tr
(y)とカウンタCf(k),Cr(y)から消去され
ることになるが、次周期以降の処理で発信機7からの電
波が再び第一,第二の発信機3,4によって受信されれ
ば、前述したステップc2〜ステップc10あるいはス
テップc13〜ステップc21の処理によって、前記と
同様にして、指標i,jによって指定されるコード記憶
テーブルT1,T2のアドレスにその識別コードが改め
て記憶され、更に、この識別コードに対応するタイマT
f(i),Tr(j)が起動されると共に、同じ識別コ
ードに対応するカウンタCf(i),Cr(j)による
受信回数のカウントアップ動作が開始されることにな
る。このようにして、識別コード別の電波毎、設定周期
〔例えば100μs〕毎に、第一,第二の受信機3,4
による電波の受信回数の計数と、その受信回数の比較に
よる接近方向の判定が行われることになる。
【0090】次いで、接近方向判定手段としてのCPU
26は、移動方向記憶フラグFfをセットして、前方か
らのスクーター2の接近が少なくとも1台以上は検出さ
れていることを記憶する(ステップc38)。
【0091】一方、ステップc30の判別結果が偽とな
った場合、つまり、コード記憶テーブルT1のアドレス
kに記憶された識別コードと同じ識別コードがコード記
憶テーブルT2上に記憶されていないと判定された場合
には、この段階でスクーター2が自動車1よりも相当に
前方に位置し、第二の受信器4による電波の受信が開始
されていないこと、即ち、第一の受信機3の受信状態が
第二の受信機4の受信状態よりも安定していることを意
味するので、CPU26はステップc31〜ステップc
35までの処理、つまり、第一,第二の受信機3,4に
よる電波の受信状態の比較処理とコード記憶テーブルT
2における識別コードの削除処理を非実行とし、コード
記憶テーブルT1における識別コードの削除処理と各種
シフト処理等のみを実施して(ステップc36,ステッ
プc37)、前記と同様に、移動方向記憶フラグFfを
セットして、前方からのスクーター2の接近が少なくと
も1台以上は検出されていることを記憶する(ステップ
c38)。
【0092】これに対し、ステップc33の判別結果が
偽となった場合、つまり、設定時間内における第二の受
信機4の受信回数Cr(y)の値が第一の受信機3の受
信回数Cf(k)の値よりも大きく、第二の受信機4の
受信状態が第一の受信機3の受信状態よりも安定してい
て、コード記憶テーブルT1のアドレスk〔=コード記
憶テーブルT2のアドレスy〕に記憶された識別コード
を有する発信機7を搭載したスクーター2が自動車1の
後方から接近していると判定された場合には、CPU2
6は、コード記憶テーブルT2のアドレスyに記憶され
た識別コードを削除し(ステップc40)、更に、コー
ド記憶テーブルT2のアドレスy+1〜アドレスnに記
憶された全ての識別コードを1ランク上位側のアドレス
y〜アドレスn−1にシフトすると共に、y+1以降の
全てのタイマTr(y+1)〜Tr(n)の値を1ラン
ク上位側のタイマTr(y)〜Tr(n−1)にシフト
し、y+1以降の全てのカウンタCr(y+1)〜Cr
(n)の値を1ランク上位側のカウンタCr(y)〜C
r(n−1)にシフトして、コード記憶テーブルT2に
記憶された識別コードの数を記憶するレジスタn2とコ
ード記憶テーブルT2における新たな識別コードの書き
込みアドレスを指定するための指標jの値を共に1ディ
クリメントする(ステップc41)。これらの処理によ
り、コード記憶テーブルT2のアドレスyに記憶されて
いた識別コードに関連した全ての情報が削除されること
になる。
【0093】また、CPU26は、コード記憶テーブル
T1のアドレスkに記憶された識別コードを削除し(ス
テップc42)、更に、コード記憶テーブルT1のアド
レスk+1〜アドレスnに記憶された全ての識別コード
を1ランク上位側のアドレスk〜アドレスn−1にシフ
トすると共に、k+1以降の全てのタイマTf(k+
1)〜Tf(n)の値を1ランク上位側のタイマTf
(k)〜Tf(n−1)にシフトし、k+1以降の全て
のカウンタCf(k+1)〜Cf(n)の値を1ランク
上位側のカウンタCf(k)〜Cf(n−1)にシフト
して、コード記憶テーブルT1に記憶された識別コード
の数を記憶するレジスタn1とコード記憶テーブルT1
における新たな識別コードの書き込みアドレスを指定す
るための指標iの値を共に1ディクリメントする(ステ
ップc43)。これらの処理により、コード記憶テーブ
ルT1のアドレスkに記憶されていた識別コードに関連
した全ての情報が削除されることになる。
【0094】前述したステップc40〜ステップc43
の処理により、今回の処理周期で電波の受信状態の比較
対象となった識別コードに関連するデータは、コード記
憶テーブルT1,T2およびタイマTf(k),Tr
(y)とカウンタCf(k),Cr(y)から消去され
ることになるが、次周期以降の処理で発信機7からの電
波が再び第一,第二の発信機3,4によって受信されれ
ば、前述したステップc2〜ステップc10あるいはス
テップc13〜ステップc21の処理によって、前記と
同様にして、指標i,jによって指定されるコード記憶
テーブルT1,T2のアドレスにその識別コードが改め
て記憶され、更に、この識別コードに対応するタイマT
f(i),Tr(j)が起動されると共に、同じ識別コ
ードに対応するカウンタCf(i),Cr(j)による
受信回数のカウントアップ動作が開始されることにな
る。このようにして、識別コード別の電波毎、設定周期
〔例えば100μs〕毎に、第一,第二の受信機3,4
による電波の受信回数の計数と、その受信回数の比較に
よる接近方向の判定が行われることになる。
【0095】次いで、接近方向判定手段としてのCPU
26は、移動方向記憶フラグFrをセットして、後方か
らのスクーター2の接近が1台以上は検出されているこ
とを記憶する(ステップc44)。
【0096】ステップc26〜ステップc38およびス
テップc40〜ステップc44で述べた受信状態の比較
に基くスクーター2の接近方向の判別処理は、コード記
憶テーブルT1に記憶されている識別コードのうち、最
初の電波の検出時点からの経過時間が設定時間〔例えば
100μs〕を越えた全ての電波に対して行われるの
で、前方から接近するスクーター2が1台でもあれば移
動方向記憶フラグFfがセットされ、また、後方から接
近するスクーター2が1台でもあれば移動方向記憶フラ
グFrがセットされることになる。無論、前方からの接
近も後方からの接近も検出されなければ、タイマTf
(k)が起動されて設定時間に達することはないので、
移動方向記憶フラグFf,Frは、ステップc24で設
定された初期値をそのまま保持することになる。
【0097】このようにして受信状態の比較に基くスク
ーター2の接近方向の判別処理を繰り返し実行する間
に、指標kの値がコード記憶テーブルT1における識別
コードの記憶数n1の値を超え、コード記憶テーブルT
1に記憶されている識別コードのうち、最初の電波の検
出時点からの経過時間が設定時間〔例えば100μs〕
を越えた全ての電波に対して接近方向の判定処理が完了
したことがステップc25の判別処理で検出されると、
CPU26は、再び指標kの値を0に初期化して(ステ
ップc45)、改めて、コード記憶テーブルT2に記憶
されている識別コードのうち、最初の電波の検出時点か
らの経過時間が設定時間〔例えば100μs〕を越えた
電波に対しての接近方向の判定処理を開始する。
【0098】そこで、CPU26は、まず、指標kの現
在値が、コード記憶テーブルT2に記憶された識別コー
ドの数n2を越えているか否かを判別し(ステップc4
6)、指標kの値がコード記憶テーブルT2における識
別コードの記憶数n2の値を越えていなければ、CPU
26は、指標kの現在値に基いて、タイマTr(k)の
現在値とコード記憶テーブルT2のアドレスkに記憶さ
れた識別コードの値とを読み込み(ステップc47)、
タイマTr(k)の現在値が設定値〔例えば100μ
s〕に達しているか否かを判別する(ステップc4
8)。
【0099】ここで、タイマTr(k)の現在値が設定
値に達していなければ、コード記憶テーブルT2のアド
レスkに記憶された識別コードを有する電波の受信が第
二の受信機4によって開始されてからの経過時間が、接
近方向の判定を下すための設定時間に達していないこと
を意味する。従って、CPU26は、ステップc49〜
ステップc59およびステップc61〜ステップc65
までの実質的な判定処理を非実行として、指標kの値を
1インクリメントし(ステップc60)、インクリメン
トされた指標kの現在値に基いて前記と同様にしてステ
ップc46〜ステップc48の処理を繰り返し実行し、
識別コードが最初に検出されてからの経過時間Tr
(k)が設定値に達している識別コードを記憶したアド
レスkの値をコード記憶テーブルT2から検出する。
【0100】このような処理が繰り返し実行される間
に、第二の受信機4によって最初に検出されてからの経
過時間Tr(k)が設定値に達している識別コードを記
憶したアドレスkがあることがステップc48の判別処
理で確認された場合には、CPU26は、設定時間内に
おける当該識別コードの検出回数を計数するカウンタC
r(k)の現在値を読み込み(ステップc49)、更
に、コード記憶テーブルT1を検索して(ステップc5
0)、コード記憶テーブルT2のアドレスkに記憶され
た識別コードと同じ識別コードがコード記憶テーブルT
1に記憶されているか否かを判別する(ステップc5
1)。
【0101】同じ識別コードがコード記憶テーブルT1
に記憶されている場合には、CPU26は、コード記憶
テーブルT2のアドレスkに記憶された識別コードと同
じ識別コードが記憶されたコード記憶テーブルT1のア
ドレスxの値を求め(ステップc52)、このアドレス
xの値に基いて、同じ時間帯の範囲で第一の受信機3に
よって得られた当該識別コードの電波の検出回数を計数
するカウンタCf(x)の値を読み込み(ステップc5
3)、第一の受信機3の受信状態と第二の受信機4の受
信状態とを比較する比較手段としてのCPU26が、カ
ウンタCr(k)とカウンタCf(x)の大小関係を比
較する(ステップc54)。
【0102】そこで、ステップc54の判別結果が真と
なった場合、つまり、設定時間内における第2の受信機
4の受信回数Cr(k)の値が第一の受信機3の受信回
数Cf(x)の値よりも大きく、第二の受信機4の受信
状態が第一の受信機3の受信状態よりも安定していて、
コード記憶テーブルT2のアドレスk〔=コード記憶テ
ーブルT1のアドレスx〕に記憶された識別コードを有
する発信機7を搭載したスクーター2が自動車1の後方
から接近していると判定された場合には、CPU26
は、まず、コード記憶テーブルT1のアドレスxに記憶
された識別コードを削除する(ステップc55)。
【0103】そして、コード記憶テーブルT1のアドレ
スx+1〜アドレスnに記憶された全ての識別コードを
1ランク上位側のアドレスx〜アドレスn−1にシフト
すると共に、x+1以降の全てのタイマTf(x+1)
〜Tf(n)の値を1ランク上位側のタイマTf(x)
〜Tf(n−1)にシフトし、x+1以降の全てのカウ
ンタCf(x+1)〜Cf(n)の値を1ランク上位側
のカウンタCf(x)〜Cf(n−1)にシフトして、
コード記憶テーブルT1に記憶された識別コードの数を
記憶するレジスタn1とコード記憶テーブルT1におけ
る新たな識別コードの書き込みアドレスを指定するため
の指標iの値を共に1ディクリメントする(ステップc
56)。これらの処理により、コード記憶テーブルT1
のアドレスxに記憶されていた識別コードに関連した全
ての情報が削除されることになる。
【0104】また、CPU26は、コード記憶テーブル
T2のアドレスkに記憶された識別コードを削除し(ス
テップc57)、更に、コード記憶テーブルT2のアド
レスk+1〜アドレスnに記憶された全ての識別コード
を1ランク上位側のアドレスk〜アドレスn−1にシフ
トすると共に、k+1以降の全てのタイマTr(k+
1)〜Tr(n)の値を1ランク上位側のタイマTr
(k)〜Tr(n−1)にシフトし、k+1以降の全て
のカウンタCr(k+1)〜Cr(n)の値を1ランク
上位側のカウンタCr(k)〜Cr(n−1)にシフト
して、コード記憶テーブルT2に記憶された識別コード
の数を記憶するレジスタn2とコード記憶テーブルT2
における新たな識別コードの書き込みアドレスを指定す
るための指標jの値を共に1ディクリメントする(ステ
ップc58)。これらの処理により、コード記憶テーブ
ルT2のアドレスkに記憶されていた識別コードに関連
した全ての情報が削除されることになる。
【0105】前述したステップc55〜ステップc58
の処理により、今回の処理周期で電波の受信状態の比較
対象となった識別コードに関連するデータは、コード記
憶テーブルT1,T2およびタイマTr(k),Tr
(x)とカウンタCr(k),Cf(x)から消去され
ることになるが、次周期以降の処理で発信機7からの電
波が再び第一,第二の発信機3,4によって受信されれ
ば、前述したステップc2〜ステップc10あるいはス
テップc13〜ステップc21の処理によって、前記と
同様にして、指標i,jによって指定されるコード記憶
テーブルT1,T2のアドレスにその識別コードが改め
て記憶され、更に、この識別コードに対応するタイマT
f(i),Tr(j)が起動されると共に、同じ識別コ
ードに対応するカウンタCf(i),Cr(j)による
受信回数のカウントアップ動作が開始されることにな
る。このようにして、識別コード別の電波毎、設定周期
〔例えば100μs〕毎に、第一,第二の受信機3,4
による電波の受信回数の計数と、その受信回数の比較に
よる接近方向の判定が行われることになる。
【0106】次いで、接近方向判定手段としてのCPU
26は、移動方向記憶フラグFrをセットして、後方か
らのスクーター2の接近が少なくとも1台以上は検出さ
れていることを記憶する(ステップc59)。
【0107】一方、ステップc51の判別結果が偽とな
った場合、つまり、コード記憶テーブルT2のアドレス
kに記憶された識別コードと同じ識別コードがコード記
憶テーブルT1上に記憶されていないと判定された場合
には、この段階でスクーター2が自動車1よりも相当に
後方に位置し、第一の受信器3による電波の受信が開始
されていないこと、即ち、第二の受信機4の受信状態が
第一の受信機3の受信状態よりも安定していることを意
味するので、CPU26はステップc52〜ステップc
56までの処理、つまり、第一,第二の受信機3,4に
よる電波の受信状態の比較処理とコード記憶テーブルT
1における識別コードの削除処理を非実行とし、コード
記憶テーブルT2における識別コードの削除処理と各種
シフト処理等のみを実施して(ステップc57,ステッ
プc58)、前記と同様に、移動方向記憶フラグFrを
セットして、後方からのスクーター2の接近が少なくと
も1台以上は検出されていることを記憶する(ステップ
c59)。
【0108】これに対し、ステップc54の判別結果が
偽となった場合、つまり、設定時間内における第一の受
信機3の受信回数Cf(x)の値が第二の受信機4の受
信回数Cr(k)の値よりも大きく、第一の受信機3の
受信状態が第二の受信機4の受信状態よりも安定してい
て、コード記憶テーブルT2のアドレスk〔=コード記
憶テーブルT1のアドレスx〕に記憶された識別コード
を有する発信機7を搭載したスクーター2が自動車1の
前方から接近していると判定された場合には、CPU2
6は、コード記憶テーブルT1のアドレスxに記憶され
た識別コードを削除し(ステップc61)、更に、コー
ド記憶テーブルT1のアドレスx+1〜アドレスnに記
憶された全ての識別コードを1ランク上位側のアドレス
x〜アドレスn−1にシフトすると共に、x+1以降の
全てのタイマTf(x+1)〜Tf(n)の値を1ラン
ク上位側のタイマTf(x)〜Tf(n−1)にシフト
し、x+1以降の全てのカウンタCf(x+1)〜Cf
(n)の値を1ランク上位側のカウンタCf(x)〜C
f(n−1)にシフトして、コード記憶テーブルT1に
記憶された識別コードの数を記憶するレジスタn1とコ
ード記憶テーブルT1における新たな識別コードの書き
込みアドレスを指定するための指標iの値を共に1ディ
クリメントする(ステップc62)。これらの処理によ
り、コード記憶テーブルT1のアドレスxに記憶されて
いた識別コードに関連した全ての情報が削除されること
になる。
【0109】また、CPU26は、コード記憶テーブル
T2のアドレスkに記憶された識別コードを削除し(ス
テップc63)、更に、コード記憶テーブルT2のアド
レスk+1〜アドレスnに記憶された全ての識別コード
を1ランク上位側のアドレスk〜アドレスn−1にシフ
トすると共に、k+1以降の全てのタイマTr(k+
1)〜Tr(n)の値を1ランク上位側のタイマTr
(k)〜Tr(n−1)にシフトし、k+1以降の全て
のカウンタCr(k+1)〜Cr(n)の値を1ランク
上位側のカウンタCr(k)〜Cr(n−1)にシフト
して、コード記憶テーブルT2に記憶された識別コード
の数を記憶するレジスタn2とコード記憶テーブルT2
における新たな識別コードの書き込みアドレスを指定す
るための指標jの値を共に1ディクリメントする(ステ
ップc64)。これらの処理により、コード記憶テーブ
ルT2のアドレスkに記憶されていた識別コードに関連
した全ての情報が削除されることになる。
【0110】前述したステップc61〜ステップc64
の処理により、今回の処理周期で電波の受信状態の比較
対象となった識別コードに関連するデータは、コード記
憶テーブルT1,T2およびタイマTr(k),Tf
(x)とカウンタCr(k),Cf(x)から消去され
ることになるが、次周期以降の処理で発信機7からの電
波が再び第一,第二の発信機3,4によって受信されれ
ば、前述したステップc2〜ステップc10あるいはス
テップc13〜ステップc21の処理によって、前記と
同様にして、指標i,jによって指定されるコード記憶
テーブルT1,T2のアドレスにその識別コードが改め
て記憶され、更に、この識別コードに対応するタイマT
f(i),Tr(j)が起動されると共に、同じ識別コ
ードに対応するカウンタCf(i),Cr(j)による
受信回数のカウントアップ動作が開始されることにな
る。このようにして、識別コード別の電波毎、設定周期
〔例えば100μs〕毎に、第一,第二の受信機3,4
による電波の受信回数の計数と、その受信回数の比較に
よる接近方向の判定が行われることになる。
【0111】次いで、接近方向判定手段としてのCPU
26は、移動方向記憶フラグFfをセットして、前方か
らのスクーター2の接近が1台以上は検出されているこ
とを記憶する(ステップc65)。
【0112】ステップc47〜ステップc59およびス
テップc61〜ステップc65で述べた受信状態の比較
に基くスクーター2の接近方向の判別処理は、コード記
憶テーブルT2に記憶されている識別コードのうち、最
初の電波の検出時点からの経過時間が設定時間〔例えば
100μs〕を越えた全ての電波に対して行われるの
で、後方から接近するスクーター2が1台でもあれば移
動方向記憶フラグFrがセットされ、また、前方から接
近するスクーター2が1台でもあれば移動方向記憶フラ
グFfがセットされることになる。無論、後方からの接
近も前方からの接近も検出されなければ、タイマTr
(k)が起動されて設定時間に達することはないので、
移動方向記憶フラグFf,Frは、ステップc24で設
定された初期値、あるいは、前述したステップc38や
ステップc44の判定結果をそのまま保持することにな
る。
【0113】このようにして受信状態の比較に基くスク
ーター2の接近方向の判別処理を繰り返し実行する間
に、指標kの値がコード記憶テーブルT2における識別
コードの記憶数n2の値を超え、コード記憶テーブルT
2に記憶されている識別コードのうち、最初の電波の検
出時点からの経過時間が設定時間〔例えば100μs〕
を越えた全ての電波に対して接近方向の判定処理が完了
したことがステップc46の判別処理で検出されると、
CPU26は、スクーター2の接近方向の判定に関わる
全ての判別処理を終了する。
【0114】ステップc25〜ステップc44の処理と
ステップc46〜ステップc65の処理を参照すれば分
かる通り、第一の受信機3による電波の受信を検出して
起動を開始するタイマTf(i)と第二の受信機4によ
る電波の受信を検出して起動を開始するタイマTr
(j)とを併用し、識別コードが同一の電波に対し、先
に起動されたタイマの計測時間に基いて設定時間〔例え
ば100μs〕毎に接近方向の判定処理を実行するよう
にしているので、第一の受信機3または第二の受信機4
の何れが先に電波の受信を開始した場合であっても、最
初の電波の受信時点を基準として所定時間〔例えば10
0μs〕が経過した段階で、第一,第二の受信機3,4
の受信状態を的確に比較してスクーター2の接近方向を
判定することができ、その後も、所定周期〔例えば10
0μs〕毎に接近方向の判定処理を的確に実施すること
ができる。
【0115】また、識別コード毎に接近方向の判定処理
を行うようにしているので、自動車1の前後から同時に
2台(あるいはそれ以上)のスクーター2が接近して第
一,第二の受信機3,4が同時に電波の受信を開始した
ような場合であっても、識別コードの異なる発信機7を
有するスクーター2を確実に個別に認識して接近方向を
判定することができる。
【0116】次いで、CPU26は、移動方向記憶フラ
グFfがセットされているか否か、即ち、前方からのス
クーター2の接近が1台以上検出されているか否かを判
別し(ステップc66)、前方からのスクーター2の接
近が1台以上検出されていれば、更に、前方接近警告ラ
ンプ18fが既に点灯されているか否かを判定し(ステ
ップc67)、前方接近警告ランプ18fが点灯されて
いればその状態を維持する一方、前方接近警告ランプ1
8fが点灯されていなければ、改めてスイッチングトラ
ンジスタ28に駆動信号を出力して前方接近警告ランプ
18fを点灯し、前方接近警告ブザー19fを作動させ
る(ステップc68)。
【0117】一方、移動方向記憶フラグFfがセットさ
れていなければ、更に、前方接近警告ランプ18fが既
に消灯されているか否かを判定し(ステップc69)、
前方接近警告ランプ18fが消灯されていればその状態
を維持する一方、前方接近警告ランプ18fが消灯され
ていなければ、改めてスイッチングトランジスタ28へ
の駆動信号の出力を停止して前方接近警告ランプ18f
を消灯し、前方接近警告ブザー19fの作動を停止させ
る(ステップc70)。
【0118】また、CPU26は、移動方向記憶フラグ
Frがセットされているか否か、即ち、後方からのスク
ーター2の接近が1台以上検出されているか否かを判別
し(ステップc71)、後方からのスクーター2の接近
が1台以上検出されていれば、更に、後方接近警告ラン
プ18rが既に点灯されているか否かを判定し(ステッ
プc72)、後方接近警告ランプ18rが点灯されてい
ればその状態を維持する一方、後方接近警告ランプ18
rが点灯されていなければ、改めてスイッチングトラン
ジスタ31に駆動信号を出力して後方接近警告ランプ1
8rを点灯し、後方接近警告ブザー19rを作動させる
(ステップc73)。
【0119】一方、移動方向記憶フラグFrがセットさ
れていなければ、更に、後方接近警告ランプ18rが既
に消灯されているか否かを判定し(ステップc74)、
後方接近警告ランプ18rが消灯されていればその状態
を維持する一方、後方接近警告ランプ18rが消灯され
ていなければ、改めてスイッチングトランジスタ31へ
の駆動信号の出力を停止して後方接近警告ランプ18r
を消灯し、後方接近警告ブザー19rの作動を停止させ
る(ステップc75)。
【0120】以上の処理は、自動車1からスターターキ
ーが外されて判定ユニット5への電力の供給が停止され
るまで、繰り返し実行される。
【0121】以上、本発明の作用効果を明確に示す比較
的簡単な構成の実施形態について詳細に説明したが、こ
の実施形態を更に次に示すようにして変形することが可
能である。
【0122】前述の実施形態では、第一の受信機3ある
いは第二の受信機4が電波の受信を開始してから設定時
間〔例えば100μs〕だけ待って最初の接近方向の判
定処理を実行するようにしているが、第一の受信機3が
電波の受信を開始した最初の時点で前方接近警告ランプ
18fを点灯し前方接近警告ブザー19fを作動させて
もよい。同様に、第二の受信機4が電波の受信を開始し
た最初の時点で後方接近警告ランプ18rを点灯し後方
接近警告ブザー19rを作動させてもよい。
【0123】また、前述の実施形態ではスイッチングト
ランジスタ28,31によるON/OFF制御で前方接
近警告ランプ18fあるいは後方接近警告ランプ18r
を点灯または消灯することによって自動車1の前後から
のスクーター2の接近の有無を知らせるようにしている
ので、接近するスクーター2の台数を運転者に知らせる
ことはできない。しかしながら、電波の識別コード毎に
接近方向を判定するようにしているので、CPU26の
内部処理によって方向毎のスクーター2の接近台数を認
識することは可能である。具体的には、ステップc25
〜ステップc44のループ処理におけるステップc3
8,ステップc44の処理、および、ステップc46〜
ステップc65のループ処理におけるステップc59,
ステップc65の処理で前方接近カウンタの値や後方接
近カウンタの値をインクリメントすれば、前方から接近
するスクーター2の台数や後方から接近するスクーター
2の台数を知ることができる。ここで、更に、接近する
スクーター2の台数に応じて前方接近警告ランプ18f
や後方接近警告ランプ18rの点滅周期を調整してやる
ようにすれば、前方接近警告ランプ18fあるいは後方
接近警告ランプ18rをON/OFFするだけの単純な
構成であっても、運転者にスクーター2の接近台数を知
らせることが可能である。
【0124】また、図15からも分かるように、自動車
1に対するスクーター2の離間距離が短くなると、第一
の受信機3によって受信される電波の受信回数と第二の
受信機4によって受信される電波の受信回数とが近似し
てくる。従って、第一の受信機3によって受信される電
波の受信回数と第二の受信機4によって受信される電波
の受信回数とを比較することにより、自動車1とスクー
ター2との離間距離を判定することが可能である。この
場合も、例えば、第一の受信機3によって受信される電
波の受信回数と第二の受信機4によって受信される電波
の受信回数の偏差に応じて前方接近警告ランプ18fや
後方接近警告ランプ18rの点滅周期を徐々に長くする
等の調整を行うようにすれば、単純なランプ構成であっ
ても、運転者にスクーター2の接近距離を知らせること
が可能となる。
【0125】図16は、更に別の実施形態について簡単
に示した概念図である。前述した実施形態との相違は、
前述した発信機7に加え、この発信機7よりも電波の到
達距離が長い第二の発信機34をスクーター2に装着し
た点と、前述した指向性のある第一,第二の受信機3,
4に加え、無指向性の受信機35を自動車1に装着した
点にある。
【0126】受信機35は水平面内での無指向性を実現
するため、自動車1のルーフ上に配備している。
【0127】この実施形態の場合、第一,第二の受信機
3,4と発信機7との組み合わせによる電波の受信可能
範囲が30m(最大)であるのに対し、無指向性の受信
機35と第二の発信機34との組み合わせによる電波の
受信可能範囲は概ね60mであり、その距離は約2倍と
なる。
【0128】このような構成により、まず、スクーター
2が方向を問わず自動車1の半径60m以内に接近して
無指向性の受信機35が第二の発信機34からの電波を
検出した時点で自動車1の運転者に移動体の接近を警告
するようにする。このため、前述した表示器18には、
前方接近警告ランプ18fと後方接近警告ランプ18r
に加え、比較的離れた範囲への移動体の接近を知らせる
ための接近警告ランプを別に配備する。
【0129】自動車1の半径30m以内にスクーター2
が接近してからの処理は前述した実施形態の場合と全く
同様であり、これにより、半径30m以内に接近したス
クーター2の接近方向を的確に判定することができる。
【0130】移動体の探知可能範囲を伸ばす別の方法と
しては、図1に示したような実施形態において、単純
に、第一,第二の受信機3,4と発信機7との組み合わ
せによる電波の受信可能範囲を大きくすることが考えら
れるが、そうすると、自動車1にスクーター2が比較的
接近した場合、例えば、30mの範囲内に接近した場合
に、第一の受信機3と第二の受信機4による電波の受信
状態の差(具体的には単位時間当たりの電波の受信回数
の偏差)が小さくなり、スクーター2の接近方向の判定
に支障をきたすといった弊害が生じる。つまり、自動車
1の前後に装着した第一,第二の受信機3,4の前後位
置の差や電磁遮蔽体としての自動車ボディを利用して第
一,第二の受信機3,4に付与した比較的弱い受信指向
性を上手く利用してスクーター2の接近方向を的確に判
定するためには、発信機7の電波の到達距離を適切に制
限する必要があるということである。
【0131】図16に示した実施形態のように、接近方
向を問わず比較的広い範囲でスクーター2の接近を警告
するための無指向性の受信機35および第二の発信機3
4と、比較的狭い範囲にスクーター2が接近した段階で
スクーター2の接近方向を的確に判定するための第一,
第二の受信機3,4および発信機7とを併用することに
よって、はじめて、比較的広い範囲におけるスクーター
2の接近の警告と接近したスクーター2の接近方向の的
確な判定を同時に達成できるのである。
【0132】
【発明の効果】本発明の移動体接近通報システムは、ス
クーター等をはじめとする移動体に電波の出力源となる
発信機を装備する一方、自動車の側には、前方に対する
受信能力の高い第一の受信機と後方に対する受信能力の
高い第二の受信機とを配備し、これら第一,第二の受信
機による電波の受信状態を相互に比較して移動体の接近
方向を判定するようにしているので、自動車に接近する
移動体が前方からのものであるのか後方からのものであ
るのかを的確に判定することができる。
【0133】また、移動体の接近方向を判定する最初の
タイミングは、第一の受信機または第二の受信機のうち
何れか一方が発信機からの電波の受信を開始してから所
定時間が経過した時点、つまり、第一の受信機の受信状
態と第二の受信機の受信状態との間に大きな差が生じる
時点に設定しているので、極めて的確に移動体の接近方
向を判定することができる。
【0134】更に、何れか一方の受信機が発信機からの
電波の受信を開始してから所定時間経過後、周期的に第
一,第二の受信機による電波の受信状態を比較して移動
体の接近方向を判定するようにしているので、移動体が
自動車に極めて接近したような状況下にあっても、比較
的正確に移動体の接近方向を判定することができる。
【0135】また、発信機には、電波に重畳して識別コ
ードを出力する識別コード出力機能を持たせ、自動車側
の判定ユニットの比較手段により、識別コード毎に第一
の受信機の受信状態と第二の受信機の受信状態とを比較
するようにしているので、電波の発信源となる発信機を
備えた複数の移動体が同時に第一,第二の受信機の受信
可能範囲内に侵入した場合であっても、混乱することな
く、各移動体の接近方向を的確に判定することができ
る。
【0136】更に、発信機の識別コードは、発信機の内
部処理によって移動体のエンジン始動時に無作為的に生
成するようにしたため、工場出荷時に発信機の識別コー
ドを調整してプリセットする作業や、識別コードが重複
しないように発信機の製造工程を管理する作業が不要と
なって発信機の生産性が向上し、また、同じ識別コード
を有する発信機を備えた複数の移動体が同時に同じ自動
車に接近して受信状態が混線するといった問題も、極め
て高い確率で防止することができる。
【0137】しかも、第一の受信機は自動車の前方右寄
りの位置に、また、第二の受信機は自動車の後方左寄り
の位置に装着しているので、自動車の右斜め前方と左斜
め後方の受信可能範囲が増大し、自動車が交差点を右折
するときの対向車線からの移動体の接近、および、自動
車が交差点を左折するときの同一車線後方からの移動体
の接近を極めて確実に検出できるようになり、右折時お
よび左折時のオートバイ等の移動体の巻き込み事故の防
止に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動体接近通報システムを適用した一
実施形態の自動車および移動体としてのスクーターの外
観を概略で示した側面図である。
【図2】同実施形態における第一の受信機の受信可能範
囲と第二の受信機の受信可能範囲について概念的に示し
た平面図である。
【図3】同実施形態における発信機の構造の概略を示し
たブロック図である。
【図4】同実施形態の発信機に内蔵されたCPUによっ
て実施される識別コードの生成および出力処理の概略を
示したフローチャートである。
【図5】識別コード生成手段としてのCPUによって生
成される識別コードの一例を示した概念図である。
【図6】自動車側に装着された第一,第二の受信機と判
定ユニットおよび表示ユニットの電気的な接続関係を簡
単に説明した概念図である。
【図7】第一,第二の受信機の構造の概略を示したブロ
ック図である。
【図8】同実施形態の受信機に内蔵されたCPUによっ
て実施される識別コード受信処理の概略を示したフロー
チャートである。
【図9】同実施形態における判定ユニットの構造の概略
を示したブロック図である。
【図10】同実施形態の判定ユニットに内蔵されたCP
Uによって実施される接近方向判定処理の概略を示した
フローチャートである。
【図11】接近方向判定処理の概略を示したフローチャ
ートの続きである。
【図12】接近方向判定処理の概略を示したフローチャ
ートの続きである。
【図13】接近方向判定処理の概略を示したフローチャ
ートの続きである。
【図14】接近方向判定処理の概略を示したフローチャ
ートの続きである。
【図15】自動車に対するスクーターの接近状態と第
一,第二の受信機の受信状態との対応関係を一例で示し
た概念図である。
【図16】本発明の別の実施形態の移動体接近通報シス
テムについて簡単に示した概念図である。
【符号の説明】
1 自動車 2 スクーター(移動体) 3 第一の受信機 4 第二の受信機 5 判定ユニット 6 表示ユニット 7 発信機 8 CPU(識別コード生成手段) 9 発振素子 10 発信アンテナ 11 電源 12 レギュレータ 13 電圧検出器 14 ストップランプ 15 ブレーキ検出スイッチ 16 パワートランジスタ 17 レギュレータ 18 表示器 18f 前方接近警告ランプ 18r 後方接近警告ランプ 19 ブザー 19f 前方接近警告ブザー 19r 後方接近警告ブザー 20 受信アンテナ 21 チューナ 22 CPU 23 電源 24 レギュレータ 25 電圧検出器 26 CPU(比較手段,接近方向判定手段) 27 リレーユニット 27f リレー 27r リレー 28 スイッチングトランジスタ 29 パワーランジスタ 30 パワーランジスタ 31 スイッチングトランジスタ 32 パワーランジスタ 33 パワーランジスタ 34 第二の発信機 35 無指向性の受信機 F 第一の受信機の受信可能範囲 R 第二の受信機の受信可能範囲
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G08B 21/00 G08B 21/00 H G08G 1/09 G08G 1/09 H (72)発明者 浦部 洋 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内 Fターム(参考) 5C086 AA53 BA22 CA06 CB27 CB28 DA01 DA40 EA45 FA02 FA13 FA16 5H180 AA01 BB08 CC12 LL04 LL07 LL08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体に装着される発信機と、自動車に
    装着されて前記発信機からの電波を受信する受信機と、
    前記受信機と共に自動車に装着され前記受信機による電
    波の受信状態に基いて移動体の接近を判定する判定ユニ
    ットと、前記判定ユニットと共に自動車に装着され前記
    判定ユニットによる判定結果を表示する表示ユニットと
    からなる移動体接近通報システムであって、 前記受信機を、自動車の前方に対する受信能力の高い第
    一の受信機と自動車の後方に対する受信能力の高い第二
    の受信機とによって構成すると共に、 前記判定ユニットには、前記第一の受信機の受信状態と
    前記第二の受信機の受信状態とを比較する比較手段と、
    前記第一の受信機の受信状態が前記第二の受信機の受信
    状態よりも安定していれば前方からの移動体の接近を判
    定結果として出力する一方、前記第二の受信機の受信状
    態が前記第一の受信機の受信状態よりも安定していれば
    後方からの移動体の接近を判定結果として出力する接近
    方向判定手段とを配備した移動体接近通報システム。
  2. 【請求項2】 前記判定ユニットの比較手段は、前記第
    一の受信機または前記第二の受信機のうち何れか一方が
    前記発信機からの電波の受信を開始してから所定時間が
    経過するまでの間の前記第一の受信機および前記第二の
    受信機の受信状態をモニタし、この所定時間内の前記第
    一の受信機の受信状態と前記第二の受信機の受信状態と
    を比較するものである請求項1記載の移動体接近通報シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記判定ユニットの比較手段は、前記第
    一の受信機または前記第二の受信機のうち何れか一方が
    前記発信機からの電波の受信を開始してから周期的に前
    記第一の受信機および前記第二の受信機の受信状態をモ
    ニタし、各周期毎に、この所定周期内の前記第一の受信
    機の受信状態と前記第二の受信機の受信状態とを比較す
    るものである請求項1記載の移動体接近通報システム。
  4. 【請求項4】 前記発信機は電波に重畳して識別コード
    を出力する識別コード出力機能を有し、前記比較手段は
    識別コード毎に前記第一の受信機の受信状態と前記第二
    の受信機の受信状態とを比較する識別コード別受信状態
    比較機能を有し、前記接近方向判定手段は識別コードの
    異なる電波のうち前記第一の受信機の受信状態が前記第
    二の受信機の受信状態よりも安定している電波が1つで
    もあれば前方からの移動体の接近を判定結果として出力
    する一方、識別コードの異なる電波のうち前記第二の受
    信機の受信状態が前記第一の受信機の受信状態よりも安
    定している電波が1つでもあれば後方からの移動体の接
    近を判定結果として出力するものである請求項1,請求
    項2または請求項3記載の移動体接近通報システム。
  5. 【請求項5】 前記発信機が、移動体のエンジン始動時
    に無作為的な識別コードを生成する識別コード生成手段
    を備えている請求項4記載の移動体接近通報システム。
  6. 【請求項6】 前記第一の受信機と前記第二の受信機の
    各々は前記自動車と独立した状態で同等の有効受信範囲
    を有する2つの無指向性の受信機によって構成され、 前記第一の受信機を自動車の前方寄りに装着する一方、
    前記第二の受信機を自動車の後方寄りに装着することに
    より、前記自動車のボディの電磁波遮蔽機能と前記第
    一,第二の受信機の離間距離とによって、 前記第一の受信機は自動車の前方に対する受信能力を相
    対的に高められ、前記第二の受信機は自動車の後方に対
    する受信能力を相対的に高めらている請求項1,請求項
    2,請求項3,請求項4または請求項5記載の移動体接
    近通報システム。
  7. 【請求項7】 前記第一の受信機が自動車の右方寄りに
    装着される一方、前記第二の受信機が自動車の左方寄り
    に装着されることにより、前記第一の受信機は自動車の
    右斜め前方に対する受信能力を相対的に高められ、前記
    第二の受信機は自動車の左斜め後方に対する受信能力を
    相対的に高めらている請求項6記載の移動体接近通報シ
    ステム。
JP2000319182A 2000-10-19 2000-10-19 移動体接近通報システム Withdrawn JP2002133599A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000319182A JP2002133599A (ja) 2000-10-19 2000-10-19 移動体接近通報システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000319182A JP2002133599A (ja) 2000-10-19 2000-10-19 移動体接近通報システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002133599A true JP2002133599A (ja) 2002-05-10

Family

ID=18797688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000319182A Withdrawn JP2002133599A (ja) 2000-10-19 2000-10-19 移動体接近通報システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002133599A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005125953A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Alpine Electronics Inc 車載用物体認識システムおよびこれを用いた運転支援システム
JP2006244089A (ja) * 2005-03-02 2006-09-14 Toyota Motor Corp 警戒対象検出装置及び警戒対象検出システム
JP2007216739A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Honda Motor Co Ltd 接触回避システムおよび接触回避装置
JP2008176573A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Hitachi Ltd インタラクションデータ表示装置、処理装置及び表示方法
JP2008282346A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Denso Corp 車両制御システム
JP2011243084A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Nissan Motor Co Ltd 運転支援装置及び運転支援方法
JPWO2017104224A1 (ja) * 2015-12-15 2018-10-04 株式会社村田製作所 運転支援情報伝送システム、受信機、運転支援システム、及び運転支援情報伝送方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005125953A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Alpine Electronics Inc 車載用物体認識システムおよびこれを用いた運転支援システム
JP2006244089A (ja) * 2005-03-02 2006-09-14 Toyota Motor Corp 警戒対象検出装置及び警戒対象検出システム
JP4525390B2 (ja) * 2005-03-02 2010-08-18 トヨタ自動車株式会社 警戒対象検出装置及び警戒対象検出システム
JP2007216739A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Honda Motor Co Ltd 接触回避システムおよび接触回避装置
JP2008176573A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Hitachi Ltd インタラクションデータ表示装置、処理装置及び表示方法
US20120185806A1 (en) * 2007-01-18 2012-07-19 Hitachi, Ltd. Interaction data display apparatus, processing apparatus and method for displaying the interaction data
US8234576B2 (en) 2007-01-18 2012-07-31 Hitachi, Ltd. Interaction data display apparatus, processing apparatus and method for displaying the interaction data
JP2008282346A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Denso Corp 車両制御システム
JP2011243084A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Nissan Motor Co Ltd 運転支援装置及び運転支援方法
JPWO2017104224A1 (ja) * 2015-12-15 2018-10-04 株式会社村田製作所 運転支援情報伝送システム、受信機、運転支援システム、及び運転支援情報伝送方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7498928B2 (en) Electronic key system for vehicle, and vehicle
US20140118130A1 (en) Automobile warning method and automobile warning system utilizing the same
JP4321068B2 (ja) 車両・歩行者間無線通信システム
US20040260433A1 (en) Vehicular traveling information alarm system
JP4692206B2 (ja) 接近報知装置
JP2009134759A (ja) 車載無線通信装置及び歩行者携帯無線通信装置
JP2002133599A (ja) 移動体接近通報システム
JP2009123249A (ja) 車両・歩行者間無線通信システム、車載無線通信装置及び歩行者携帯無線通信装置
JP4404100B2 (ja) 車両制御システム、及び車載器
JP2015110385A (ja) 車載事故報知装置
CN110293928B (zh) 一种汽车智能盲区检测方法及系统
JP4836245B2 (ja) 接触回避システムおよび接触回避装置
JP4036194B2 (ja) 車載警報装置および車両用警報システム
JP2000067392A (ja) 移動体の接近警告システム
JP4066956B2 (ja) 車両用人検出装置
JP2001088660A (ja) 車両用盗難防止装置
JP3850892B2 (ja) 移動体検出装置
JPH11353592A (ja) 移動体検出システム
JP3874143B2 (ja) 対向車報知システム
CN215793628U (zh) 一种基于车联网的前车开门预测提醒系统
JP2657934B2 (ja) 車間距離監視装置
JPH07225274A (ja) 移動体検出装置
KR100210918B1 (ko) 자동차의 측방충돌 경보장치의 과다경보 억제방법
JP3790436B2 (ja) レーダー装置及びこれを備えた自動車
JP2002117484A (ja) 自動車、緊急車両、及び自動車走行システム

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080108