JP2002130065A - エンジンの吸気ダクト構造 - Google Patents

エンジンの吸気ダクト構造

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JP2002130065A
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Takayuki Furuta
貴幸 古田
Tadashi Mochizuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造で、中低速域での消音効果及び出力
向上と、高速域での出力向上との双方を実現する。 【解決手段】吸気チャンバ1に挿通した吸気ダクト本体
4の屈曲部位4aに連通孔4cを複数穿設する。この連
通孔4cは屈曲部位4aの外側部位4dを除く部位に穿
設されており、従って、吸気流速の比較的緩やかな中低
速域では吸気が連通孔4cから拡張室3へ吐出する際の
膨張作用により消音されると共に、拡張室3の共鳴作用
により吸気脈動が低減される。又吸気流速の比較的速い
高速域では、吸気が屈曲部位4aの外側部位4dの内壁
にガイドされて通過する。この外側部位4dには連通孔
4cが穿設されておらず、従って吸気は整流された状態
のまま流れるので、充填効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消音効果と出力向
上とを両立させるようにしたエンジンの吸気ダクト構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンの吸気マニホルドとエ
アクリーナとの間を連通する吸気ダクトには、吸気騒
音、及び出力損失の低減を目的として吸気チャンバ(拡
張室)を介装するものが多い。
【0003】この場合、例えば、特開平9−10072
0号公報には、吸気ダクトの中途に吸気チャンバを介装
し、この吸気チャンバ内に、吸気チャンバの下流側に連
通する第1の吸気管に対し接離自在で且つ第1の吸気管
よりも通路面積の小さい第2の吸気管を配設すること
で、低中速域では第2の吸気管を第1の吸気管に接続し
て、慣性過給による充填効率の向上を図り、又高速域で
は第2の吸気管を第1の吸気管から離間させて、吸気を
第1の吸気管へ直接供給することで、吸気抵抗を減少さ
せて充填効率の向上を図る技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、吸気チャン
バは中低速域での吸気脈動に共鳴する周波数帯となるよ
うに容積、形状が設定されており、従って、高速域の吸
気脈動は吸気チャンバの共鳴周波数から外れることにな
る。
【0005】そのため、上記公報のように、吸入空気を
吸気チャンバ内で一旦拡張させた後、第1の吸気管へ供
給する構造では、高速域で乱流が発生しやすくなり、こ
の空気の乱れにより二次騒音が発生し易くなるばかりで
なく、充填効率の低下により、運転性能が低下してしま
う。
【0006】又、低速域と高速域とで第2の吸気管を移
動させる駆動装置も必要であり、装置が複雑、大型化す
ることになる。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、装置全体が大
型化せず、簡単な構造で、中低速域での消音効果及び出
力向上と、高速域での出力向上との双方を実現すること
の可能なエンジンの吸気ダクト構造を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、吸気マニホルドに連通する吸気ダクト本
体の中途に吸気チャンバを設けたエンジンの吸気ダクト
構造において、上記吸気チャンバに挿通した上記吸気ダ
クト本体に屈曲部位を形成すると共に、上記吸気チャン
バに臨まされている上記屈曲部位の外側部を除いた部位
に上記吸気チャンバ内に開口する連通孔を複数穿設した
ことを特徴とする。
【0009】このような構成では、流速の比較的緩やか
な中低速域では、吸気脈動が吸気ダクトに沿って吸気チ
ャンバ内に流入すると、この吸気ダクトに開口されてい
る連通孔から吸気チャンバに流出する際に拡張されて消
音されると共に、共鳴により吸気脈動が低減される。一
方高速域では流速が比較的速いため、吸気流が吸気ダク
トに沿って吸気チャンバ内に導かれると、吸気チャンバ
内の吸気ダクトが屈曲されているため、吸気は屈曲部位
の外側部に沿って整流された状態で移動し、高い充填効
率を得ることができる。
【0010】この場合、好ましくは、上記吸気チャンバ
はスロットルボディの直上流に設けたことを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施の形態を説明する。図1に吸気ダクトの一部断面正
面図、図2に図1の右側面図を示す。
【0012】同図の符号1は吸気チャンバで、この吸気
チャンバ1は、一側を開口するチャンバ本体2aとこの
チャンバ本体2aの開口部を閉塞する蓋体2bとで構成
されており、チャンバ本体2aの開口部を蓋体2bで閉
塞することで、内部に拡張室3が形成される。
【0013】チャンバ本体2aに吸気ダクト本体4が挿
通されている。この吸気ダクト本体4の上流側はエアク
リーナ(図示せず)に連通され、下流側がスロットルボ
ディ或いは吸気マニホルド(何れも図示せず)に連通さ
れる。
【0014】図1に示すように、吸気ダクト本体4は吸
気チャンバ本体2aの図面視左側面の斜め下方向から挿
通されて、底面に突出されており、拡張室3を通過する
部位は屈曲されている。
【0015】又、図3に示すように、吸気ダクト本体4
は、半割された部材を接合して筒状に形成されており、
拡張室3に挿通されている屈曲部位4aの接合部には、
取付け用舌片4bが形成され、この取付け用舌片4b
が、チャンバ本体2a内に突設されている支持ブラケッ
ト2cに共締めされて固定されている。
【0016】吸気ダクト本体4の、拡張室3に配設され
ている屈曲部位4aには、連通孔4cが複数穿設されて
いる。図1、図4に示すように、この連通孔4cは、屈
曲部位4aの外側部位4dを除いて内側方向に穿設され
ている。尚、吸気ダクト本体4の管長及び内径、連通孔
4cの開口面積及び穿設個数(総開口面積)は、エンジ
ン特性に応じて設定される。
【0017】このような構成によれば、エンジンの稼働
によりエアクリーナ(図示せず)から流入した吸気は、
吸気ダクト本体4に沿ってスロットルボディ(図示せ
ず)側へ導かれ、エンジンの各気筒に供給される。
【0018】エンジンが中低速域にあるとき、吸気ダク
ト本体4を流れる吸気の流速は比較的緩やかであるた
め、図1に矢印で示すように、この吸気が吸気ダクト本
体4の、吸気チャンバ1に形成した拡張室3に配設され
ている屈曲部位4aを通過する際に、この屈曲部位4a
に穿設されている連通孔4cから拡張室3へ流出する。
【0019】そのとき、吸気の拡張作用によって吸気音
が消音され、更に、拡張室3の共鳴作用により吸気脈動
が低減される。その結果、中低速域での吸気損失が低減
され、エンジン出力を向上させることができる。
【0020】この場合、吸気音の消音特性は吸気ダクト
本体4の管長及び内径、連通孔4cの開口面積及び穿設
個数によって変化するため、採用するエンジンの特性に
応じて最適な値を設定する。
【0021】一方、エンジンが高速域にあるとき、吸気
ダクト本体4を流れる吸気の流速は比較的速くなるた
め、図4に示すように、吸気は、図面視で、吸気ダクト
本体4の斜め下から屈曲部位4a方向へ高速で流入し、
この屈曲部位4aの外側部位4dの内壁面にガイドされ
て流れる。
【0022】この外側部位4dには連通孔4cが穿設さ
れていないため、吸気は連通孔4cに接触して乱れるこ
となく、整流状態のまま吸気ダクト本体4の吐出端から
スロットルボディ(図示せず)側へ流れる。
【0023】従って、図5に実線で示すように、中低速
域では、同図に一点鎖線で示す吸気チャンバを備えてい
ない吸気ダクトの特性に比し、同図に破線で示す拡張室
を備えている吸気ダクトの特性に近い特性を示す。又、
高速域では、同様に破線で示す吸気チャンバを備えた吸
気ダクトの特性に比し、一点鎖線で示す吸気チャンバを
備えていない吸気ダクトの特性により近い特性を示す。
【0024】このように、本実施の形態では、高速域で
は吸気チャンバ1を機能させず、吸気は吸気ダクト本体
4に沿って整流状態のままスロットルボディ側へ供給す
るようにしたので、吸気損失が低減され、相対的にエン
ジン出力が向上する。
【0025】その結果、中低速域と高速域との双方で、
高い充填効率を得ることができ、各領域においてエンジ
ン出力を向上させることができる。
【0026】又、拡張室3を通過する吸気ダクト本体4
を屈曲させると共に、この屈曲部位4aの外側部位4d
を除いた部位に、拡張室3に開口する連通孔4cを穿設
しただけの簡単な構造であるため、装置全体が大型化せ
ず、低コストで製造することがでる。
【0027】又、吸気チャンバ1に吸気ダクト本体4が
途中を分断することなく挿通され、しかも拡張室3に突
設した支持ブラケット2cに対し、吸気ダクト本体4に
形成した取付け用舌片4bを固定しているため、吸気チ
ャンバ1が吸気ダクト本体4により補強され、吸気チャ
ンバ1の剛性が向上する。その結果、吸気チャンバ1に
よる放射音が低減され、より高い消音効果を得ることが
できる。
【0028】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
装置全体が大型化せず、簡単な構造で、中低速域での消
音効果及び出力向上と、高速域での出力向上との双方を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中低速域の吸気の流れを示す吸気ダクトの一部
断面正面図
【図2】図1の右側面図
【図3】図1のIII-III断面図
【図4】高速域の吸気の流れを示す図1相当の一部断面
正面図
【図5】エンジン回転数とトルク特性との関係を示す説
明図
【符号の説明】
1 吸気チャンバ 4 吸気ダクト本体 4a 屈曲部位 4c 連通孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気マニホルドに連通する吸気ダクト本体
    の中途に吸気チャンバを設けたエンジンの吸気ダクト構
    造において、 上記吸気チャンバに挿通した上記吸気ダクト本体に屈曲
    部位を形成すると共に、 上記吸気チャンバに臨まされている上記屈曲部位の外側
    部を除いた部位に上記吸気チャンバ内に開口する連通孔
    を複数穿設したことを特徴とするエンジンの吸気ダクト
    構造。
  2. 【請求項2】上記吸気チャンバはスロットルボディの直
    上流に設けたことを特徴とする請求項1記載のエンジン
    の吸気ダクト構造。
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