JP2002130017A - 内燃機関の発進制御装置 - Google Patents

内燃機関の発進制御装置

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JP2002130017A
JP2002130017A JP2000319840A JP2000319840A JP2002130017A JP 2002130017 A JP2002130017 A JP 2002130017A JP 2000319840 A JP2000319840 A JP 2000319840A JP 2000319840 A JP2000319840 A JP 2000319840A JP 2002130017 A JP2002130017 A JP 2002130017A
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combustion engine
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speed
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Akinori Osanai
昭憲 長内
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Toyota Motor Corp
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    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
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    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発進の際にエンジン回転数が低下したりエン
ストを生じたりすることなくアイドル回転数を低下させ
ることのできる制御装置を提供する。 【解決手段】 車両に搭載された内燃機関の出力を発進
時に制御する内燃機関の発進制御装置であって、前記内
燃機関のアイドリング状態から前記車両を発進させるこ
とに関連する操作を検出する発進操作検出手段(ステッ
プS1)と、前記車両を発進させることに関連する操作
がその発進操作検出手段によって検出されたことに基づ
いて、前記内燃機関の出力を前記アイドル回転数での出
力より増大させる発進時出力補正手段(ステップS4,
S5)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガソリンエンジ
ンなどの内燃機関を搭載した車両の発進時の制御に関
し、特に発進時の内燃機関の出力を制御する装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンなどの内燃機関を起動
する場合、単に燃料を供給するだけでなく、外力によっ
て強制的に回転させる必要がある。したがってこの種の
内燃機関を搭載した車両が停止する場合、内燃機関を自
律回転できる最低回転数に近いアイドル回転数に維持
し、発進の要求があった場合には、そのアイドリング状
態から出力を増大させて回転数を増大させるように制御
している。一般に、このアイドル回転数を維持する制御
は、フィードバック制御によっておこなわれている。一
方、アイドル回転数は、内燃機関に掛かるトルクと内燃
機関が出力するトルクとがバランスすることにより維持
されるから、パワーステアリングポンプや空調用のコン
プレッサーあるいはオールタネータなどの補機類を駆動
する必要がある場合には、その負荷に応じてアイドリン
グ状態の内燃機関の出力を増大させるように制御してい
る。この制御は、内燃機関の回転数が低下する以前に実
行する必要があるので、一般的には、フィードフォワー
ド制御によって実行されている。
【0003】内燃機関の回転数を所定のアイドル回転数
以上に維持する制御は、内燃機関の出力を所定以上に維
持することにより実行されるから、必然的に燃料を消費
する。したがってアイドル回転数を可及的に低回転数に
設定することができれば、燃料の消費量を抑制して車両
の全体としての燃費を向上させることができる。その反
面、アイドル回転数を低回転数に設定すると、負荷の発
生やそれに対する制御の応答遅れがあった場合には、ア
イドル回転数が一時的に低下し、そのままエンジンスト
ールに到る可能性が高くなる。
【0004】従来、このような燃費の改善のためのアイ
ドル回転数の低下と、エンジンストールの防止との相反
する要求を両立させるために、パワーステアリング装置
が動作していない状態では低いアイドル回転数とし、パ
ワーステアリング装置が動作する場合には高いアイドル
回転数とする装置や、特開平8−105346号公報に
記載されているように、車速が基準車速よりも高車速の
場合にはアイドル回転数を相対的に低い回転数に設定す
る制御モードを選択し、車速が基準車速以下でかつパワ
ーステアリング装置が動作した場合にはアイドル回転数
を相対的に高くする他の制御モードを選択する装置など
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の装置
は、パワーステアリング装置による負荷がない状態では
アイドル回転数を低回転数として燃料の消費量を抑制
し、また負荷が発生した場合には、アイドル回転数を高
くしてエンジンストールを回避するように構成した装置
である。しかしながら、内燃機関のアイドル回転数を低
下させる要因はパワーステアリング装置などの補機類の
負荷に限られないのであって、例えば発進のために内燃
機関を変速機などの駆動系統に接続することによっても
内燃機関の回転数が低下するが、従来では、このような
発進時における内燃機関の回転数維持のための制御が提
案されていない。これは、従来一般のアイドリング制御
が、発進の際に内燃機関に作用するトルクを考慮した相
対的に高い回転数をアイドル回転数として設定している
ことによるものと思われる。
【0006】また、従来、パワーステアリング装置が動
作することによる負荷の増大に対してアイドル回転数を
高くする場合、ISC(アイドルスピードコントロー
ル)バルブなどにより吸入空気量を増大させている。パ
ワーステアリング装置が動作することによる油圧信号な
どによってISCバルブの開度を増大すれば、アイドリ
ング状態での吸入空気量が増大する。
【0007】しかしながら、実際にシリンダの内部に吸
入されて燃焼の用に供される空気量は、バルブ開度の増
大に対して不可避的な遅れをもって増大する。従来で
は、吸入空気量を増大させる際のこのような挙動をも考
慮した制御をおこなっていないので、エンジンストール
を招来しない範囲でアイドル回転数を低下させるとして
も、過渡的な回転数低下およびそれに起因するエンジン
ストールを未然に回避するため、アイドル回転数を相対
的に高い回転数に維持せざるを得ない。すなわち従来で
は、発進時の負荷の増大およびその過渡状態を考慮し
て、アイドリング状態あるいはこれに近似した状態から
の発進の制御に未だ改善するべき点があった。
【0008】この発明は上記の技術的課題に着目してな
されたものであり、アイドル回転数を低下させてもエン
ジンストールや内燃機関の回転数のオーバーシュートな
どを生じることなく発進することのできる発進制御装置
を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、発進のための操作も
しくは発進の意図が検出された場合に、内燃機関の出力
を増大させるための制御の制御量と、その出力の増大制
御の遅れを抑制するための制御量とからなる制御量をも
って発進時の内燃機関の出力増大制御を実行するように
構成したことを特徴とするものである。具体的には、請
求項1の発明は、車両に搭載された内燃機関の出力を発
進時に制御する内燃機関の発進制御装置において、前記
内燃機関のアイドリング状態から前記車両を発進させる
ことに関連する操作を検出する発進操作検出手段と、前
記車両を発進させることに関連する操作がその発進操作
検出手段によって検出されたことに基づいて、前記内燃
機関の出力を前記アイドル回転数での出力より増大させ
る発進時出力補正手段とを備えていることを特徴とする
発進制御装置である。
【0010】したがって、請求項1の発明では、内燃機
関がアイドリング状態にある場合に、車両を発進させる
ことになる何らかの操作がおこなわれると、その操作を
検出することに基づいて内燃機関の出力が増大させられ
る。その状態で車両の走行のためのトルクが内燃機関に
掛かることになるから、たとえ一時的に内燃機関の回転
数が低下することがあっても、直ちにエンジンストール
に到ることが回避される。また、発進に関連する操作が
検出されない場合に、アイドル回転数を相対的に低下さ
せておくことになるから、アイドリング状態での燃料の
消費が抑制される。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1におけ
る前記発進時出力補正手段が、前記内燃機関の回転数を
増大させるための制御量として、前記アイドリング状態
での回転数より高い予め定めた所定の回転数に設定する
ことの可能な制御量より更に大きい制御量を、予め定め
た所定期間の間、出力し、かつその所定期間の経過後に
前記所定の回転数に設定することの可能な制御量を出力
する手段を含むことを特徴とする発進制御装置である。
【0012】したがって、請求項2の発明では、アイド
ル回転数あるいは出力を増大させるべく制御量を変更す
る場合、設定するべきアイドル回転数よりも更に高い回
転数を設定する制御量に相当する制御量が所定期間の
間、出力される。そのため、制御量が、当初、大きくな
るので、制御の応答遅れが是正され、その結果、内燃機
関の回転数の一時的な低下やそれに起因するエンジンス
トールを未然に回避することができる。
【0013】さらに、請求項3の発明は、請求項1もし
くは2において、前記発進操作検出手段が、前記内燃機
関のアイドリング状態を検出するセンサの出力信号の変
化に基づいて前記車両を発進させることに関連する操作
を検出する手段を含むことを特徴とする発進制御装置で
ある。
【0014】したがって、請求項3の発明では、内燃機
関がアイドリング状態から出力を増大させる状態になる
と、これがセンサによって検出され、それに伴う出力信
号の変化によって内燃機関の出力を増大させるように前
記制御量が増大させられる。そのセンサの一例はアイド
ルスイッチである。そのため、アイドル回転数を低回転
数に設定しておいても、発進の際には充分な出力を確保
できるので、発進のためのトルクが内燃機関に作用して
も内燃機関の回転数が大きく低下したり、それに起因し
てエンジンストールに到ったりすることが未然に回避さ
れる。
【0015】さらにまた、請求項4の発明は、請求項1
ないし3のいずれかの発明において、前記車両が、前記
内燃機関にクラッチを介して連結された変速機を備え、
前記発進操作検出手段が、前記変速機が所定の変速比を
設定している状態で前記クラッチが解放状態から係合状
態に操作されたことを検出する手段を含むことを特徴と
する発進制御装置である。
【0016】したがって、請求項4の発明では、所定の
変速比を設定する状態の変速機が内燃機関に連結され始
めると、出力を増大させるようにその制御量が増大させ
られる。そのため、アイドル回転数を低回転数に設定し
ておいても、発進の際には出力が増大させられるので、
発進のためのトルクが内燃機関に作用しても内燃機関の
回転数が大きく低下したり、それに起因してエンジンス
トールに到ったりすることが未然に回避される。
【0017】そして、請求項5の発明は、請求項1ない
し4のいずれかの発明において、前記制御量が、前記内
燃機関の吸入空気量であることを特徴とする発進制御装
置である。
【0018】したがって、請求項5の発明では、車両を
アイドリング状態から発進させることになる操作が検出
されると、出力を増大させるように吸入空気量が増大さ
せられる。そのため、アイドル回転数を低回転数に設定
しておいても、発進の際には必要十分な出力を確保でき
るので、発進のためのトルクが内燃機関に作用しても内
燃機関の回転数が大きく低下したり、それに起因してエ
ンジンストールに到ったりすることが未然に回避され
る。
【0019】そしてまた、請求項6の発明は、請求項5
の発明において、前記更に大きい制御量を、前記内燃機
関の冷却水温度、内燃機関の出力回転数、負荷率、アク
セル開度、アクセル開度の変化率、前記内燃機関に連結
された補機による負荷、大気圧、吸気温度、前記内燃機
関の吸気系統の経時変化の少なくともいずれか一つに基
づいて補正する手段を更に備えていることを特徴とする
発進制御装置である。
【0020】したがって、請求項6の発明では、車両の
発進に関連する操作が検出された内燃機関の回転数を増
大させる場合、内燃機関の出力の状態や内燃機関に掛か
るトルクなどの状況に応じて、制御量が大小に補正され
る。そのため、発進の際のアイドル回転数を過不足のな
い回転数に設定し、エンジンストールや回転数のオーバ
ーシュートを未然に回避することができる。
【0021】そしてさらに、請求項7の発明は、請求項
5の発明において、前記吸入空気量を、出力を増大させ
る前のアイドル回転数を設定する量に変更する際に、点
火時期と燃料供給量との少なくともいずれか一方を、出
力を低下させる方向に変更する手段を更に備えているこ
とを特徴とする発進制御装置である。
【0022】したがって請求項7の発明では、車両の発
進が取り消されたり、内燃機関に掛かるトルクが低下し
たりして内燃機関の出力を低下させる場合、吸入空気量
を減少させる制御と併せて、点火時期もしくは燃料供給
量が変更される。その結果、吸入空気量の減少の遅れが
あっても、点火時期もしくは燃料供給量によって内燃機
関の出力が低下させられるので、内燃機関の回転数がオ
ーバーシュートするなどの事態が未然に回避される。
【0023】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図に示す具体例
に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする内燃
機関について説明すると、この発明で対象とする内燃機
関は、要は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンな
どの供給された燃料を燃焼させて動力を出力する動力機
械であって、起動するためには外力によって強制的に回
転させる必要があり、したがって搭載された車両が停車
している状態では、アイドリング状態に維持される内燃
機関である。その一例を図15に示してあり、ここに示
す例は、ガソリンエンジン(以下、単にエンジンと記
す)1である。その吸気管路2はサージタンク(図示せ
ず)などの容量の大きい中空部分を備えている。また、
モータなどの電気的に制御されるアクチュエータ3によ
って開閉動作させられる電子スロットルバルブ4がその
吸気管路2に設けられている。
【0024】また、特には図示しないが、エンジン1
は、燃料の供給量(あるいは燃料噴射量)を電気的に制
御できる燃料供給装置や、シリンダの内部に吸入した混
合気に点火するタイミングをピストンの上死点に対して
進角あるいは遅角することのできる点火装置が備えられ
ている。さらにエンジン1には、パワーステアリング装
置の油圧ポンプ(パワーステアリングポンプ)5や空調
機のコンプレッサー6、オールタネータ7などの補機が
連結され、エンジン1の動力によってこれらの補機を駆
動するようになっている。
【0025】さらにまた、エンジン1の出力側に変速機
8が連結されている。この変速機8は、図示の例では、
手動変速機であって、シフトレバーなどのシフト装置9
によって変速比(変速段)を設定するように構成されて
いる。さらにこの変速機8は、クラッチペダル10によ
って断続操作(オン・オフ操作)されるクラッチ11を
介してエンジン1に連結されている。
【0026】上記のエンジン1を制御するための電子制
御装置(ECU)12が設けられている。この電子制御
装置12は、マイクロコンピュータを主体として構成さ
れたものであって、入力された信号および予め記憶して
いるデータならびにプログラムに基づいて演算をおこな
い、その結果に基づいてエンジン1を制御するように構
成されている。その入力信号としては、アイドリング状
態でオンとなるアイドルスイッチ(IDL)からの信
号、アクセルペダル13の踏み込み量であるアクセル開
度TA、前記変速機8がニュートラル状態か否かを示す
ニュートラル信号、前記クラッチ11の係合・解放の状
態を示すオン・オフ信号、エンジン回転数NEを示す信
号、エンジン水温THWを示す信号、吸入空気量GAを
示す信号、大気圧を示す信号、吸気温度を示す信号、車
速SPDを示す信号などが入力されている。これらの入
力データに基づいて前記電子スロットルバルブ4の開
度、燃料供給量(燃料噴射量)、点火時期が制御され
る。
【0027】前記電子制御装置12を主体とするこの発
明に係る制御装置は、アイドル回転数を相対的に低回転
数に設定し、それに伴って発進に関連する操作が検出さ
れた場合には、アイドル回転数を増大させるように構成
されている。図1はその制御例を示すフローチャートで
あって、予め定めた短い時間ごとに実行される。この制
御例は、発進に関連する操作としてアイドル・オフの状
態が検出されることにより、アイドル回転数を増大させ
るための制御量として吸入空気量を増大させるように構
成されている。
【0028】具体的に説明すると、車両が停止している
状態で、アイドリング状態を示すフラグXIDLがオフ
か否かが判断される(ステップS1)。このフラグXI
DLは、アクセルペダル13が完全に戻されている状態
でエンジン1の回転数をアイドル回転数に維持する制御
が実行されている場合にオン状態に設定され、アクセル
ペダル13が踏み込まれることによりオフ状態に設定さ
れるフラグである。
【0029】このステップS1で肯定的に判断された場
合、すなわちアイドル・オフの状態となった場合には、
タイマーCTIMのカウント値が予め定めた基準時間K
CTIM以下か否かが判断され(ステップS2)、タイ
マーCTIMのカウント値がその基準時間KCTIMに
到っていない場合には、タイマーCTIMをインクリメ
ント(INC)する(ステップS3)。すなわち、アイ
ドル・オフの状態が検出された場合には、その後の経過
時間をタイマーCTIMによって計測し、これを基準時
間KCTIMに到るまで継続する。
【0030】ステップS3でタイマーCTIMをインク
リメントした後、アイドル・オフに伴う吸入空気量QO
FIDLを、アイドル回転数を維持するための基本空気
量QIDLに、1次補正量KQOF1と2次補正量KQ
OF2とを加えた量に設定する(ステップS4)。そし
てその空気量によるエンジン回転数のフィードフォワー
ド制御が実行される。その基本空気量QIDLは、暖機
補正や補機負荷補正などのない状態でのアイドル回転数
として予め定めた回転数を維持するための通常のフィー
ドバック制御で設定された空気量であり、一例としてス
テップS1でフラグXISLがオフであることが検出さ
れる直前のアイドリング時に設定されていた空気量であ
る。
【0031】また、1次補正量KQOF1は、その予め
定められたアイドル回転数より高い回転数をアイドル回
転数とするのに必要な空気の増量分、あるいはアイドル
回転数を維持する出力より大きい所定の出力とするため
の空気の増量分であり、一例として予め定めた値を採用
することができる。さらに、2次補正量KQOF2は、
1次補正量KQOF1を増量する場合にサージタンクを
含む吸気管路の容積が大きいことによる応答遅れや空気
の圧縮もしくは流動抵抗などによる応答遅れを是正する
ための一時的な空気の増量分であり、一例としてエンジ
ン回転数のオーバーシュートが生じない範囲で予め定め
た値を採用することができる。
【0032】これに対してタイマーCTIMのカウント
値が基準時間KCTIMに達することによりステップS
2で肯定的に判断された場合には、吸入空気量QOFI
DLを、アイドル回転数を維持するための基本空気量Q
IDLに、1次補正量KQOF1を加えた量に設定する
(ステップS5)。
【0033】すなわち、発進に関連する操作としてアイ
ドル・オフが検出されると、アイドル回転数を上記の1
次補正量KQOF1に相当する回転数だけ増大させるよ
うに吸入空気量の増量補正(すなわち負荷もしくは出力
の増大補正)がおこなわれ、かつその過渡状態では応答
の遅れを是正するために、前記基準時間KCTIMの
間、更に吸入空気量を増大させる2次補正がおこなわれ
る。したがってその2次補正量KQOF2は1次補正量
KQOF1より大きい値である。
【0034】一方、前記フラグXIDLがオンであるこ
とによりステップS1で肯定的に判断された場合、すな
わちアイドリング状態が検出された場合には、通常のエ
ンジン回転数のフィードバック制御が実行される。すな
わち、先ず、エンジン回転数NEが、予め定めたアイド
ル回転数にほぼ一致しているか否かが判断される。具体
的には、エンジン回転数NEが、予め定めたアイドル回
転数もしくはこれを暖機補正もしくは補機負荷補正した
回転数に所定値を加えた上限値KNE1以上か否かが判
断され(ステップS6)、その判断結果が肯定的であれ
ば、エンジン回転数NEが、予め定めたアイドル回転数
もしくはこれを暖機補正もしくは補機負荷補正した回転
数から所定値を減じた下限値KNE2以下か否かが判断
される(ステップS7)。
【0035】エンジン回転数NEが上限値KNE1以上
であることによりステップS6で肯定的に判断された場
合には、吸入空気量が予め定めた所定量KQ1だけ減じ
られて、新たな吸入空気量QIDLとされる(ステップ
S8)。これとは反対にエンジン回転数NEが下限値K
NE2未満であることによりステップS7で否定的に判
断された場合には、吸入空気量が予め定めた所定量KQ
2だけ増量されて、新たな吸入空気量QIDLとされる
(ステップS9)。すなわちエンジン回転数NEが目標
回転数からずれていれば、吸入空気量QIDLが所定量
KQ1,KQ2ずつ増減される。
【0036】吸入空気量QIDLをこのように設定した
後、もしくはステップS9で肯定的に判断されることに
より従前の吸入空気量を維持する場合、ステップS10
に進んで、前述したアイドル・オフに伴う吸入空気量Q
OFIDLをゼロリセットし、またタイマーCTIMを
ゼロリセットする(ステップS11)。
【0037】前記アクセルペダル13を踏み込み(すな
わちアクセル・オン)、かつクラッチ11を次第に繋ぐ
(オフからオン)ことに伴って、アイドル回転数を増大
させる上記の制御をおこなった場合の吸入空気量の指令
値QIDL,QOFIDLおよび実際の吸入空気量GA
ならびにエンジン回転数NEの変化を示せば、図2のと
おりである。すなわちアクセルペダル13およびクラッ
チ11が上記のように操作されることによりt1 時点に
前述したステップS1での肯定判断がおこなわれると、
基本空気量QIDLに1次補正量KQOF1と2次補正
量KQOF2とを加えた量に吸入空気量QOFIDLが
指令値として出力される。その結果、実際の吸入空気量
GAは、応答遅れを生じることなく、もしくは僅かな応
答遅れのみで迅速に増大する。その間にクラッチ11に
よる伝達トルク容量が次第に増大してエンジン1に掛か
るトルクが増大するが、エンジン1の負荷が特に遅れを
生じずに増大するので、エンジン回転数NEの低下もし
くはそれに起因するエンジンストールが生じない。
【0038】前述した基準時間KCTIMが経過したt
2 時点に、吸入空気量QOFIDLの指令値が、基本空
気量QIDLに1次補正量KQOF1を加えた量に減じ
られる。その時点では、吸入空気量の増大の遅れが解消
されて実際の吸入空気量GAが必要十分に増大している
ので、2次補正量QOF2に相当する増量をおこなわな
くても、エンジン回転数NEを維持することができる。
その結果、エンジン回転数NEが、上記の1次補正KQ
OF1に相当する出力を増大させた状態で所定のアイド
ル回転数に設定される。
【0039】そして、実質的な発進は、出力を増大させ
たアイドル回転数からエンジン回転数を増大させておこ
なうことになり、エンジンストールやトルクの不足など
を生じることなくスムースに発進することができる。し
たがって、図1に示す制御を実行する制御装置によれ
ば、発進に関連する操作が検出されるまでは、アイドル
回転数を低回転数に設定することできるので、燃費を向
上させることが可能になり、また車両が発進する場合に
は、それに先行してアイドル回転数が増大させられるの
で、エンジン回転数の低下やそれに伴うエンジンストー
ルを未然に回避することができる。
【0040】なお、比較のためにアイドル回転数を増大
させるための負荷補正のみをおこなう従来の制御例を図
2に破線で示してある。このような従来の制御では、吸
入空気量の増大制御の遅れを解消できないので、実質的
な負荷の増大が不充分となり、その結果、エンジン回転
数NEが充分に増大する前に低下してしまい、結局はエ
ンジンストールに到ってしまう。
【0041】ところで、応答遅れを可及的に抑制して吸
入空気量を増大させるために、上述したいわゆる2次補
正をおこなうとしても、吸気管路の構造などによって一
時的な吸入空気量の増大量が制限され、その限度以上に
は、実際の吸入空気量を増大させることはできない。こ
のような状況は、例えばアクセル開度TAが最大限(W
OT)まで増大した場合、あるいは実際の吸入空気量G
Aが所定値以上の場合などである。
【0042】このような場合、吸入空気量を増大させる
補正制御をおこなって指令値を増大させても、実際の吸
入空気量が増大しないので、無駄な制御となる。そこ
で、例えば図3に示すように、アクセル開度TAが予め
定めた所定値KTA以下か否か、もしくは実際の吸入空
気量GAが予め定めた所定値KGA以下か否かを判断す
るステップS21を、図1に示すステップS3とステッ
プS4との間に追加してもよい。なお、このステップS
21で肯定的に判断された場合には、ステップS4に進
み、反対に否定的に判断された場合には、ステップS5
に進んで1次補正量KQOF1のみを基本空気量QID
Lに加算した吸入空気量QOFIDLの指令値を設定す
る。
【0043】このようにステップS21を追加した制御
を実行すれば、上述したいわゆる2次補正に基づくのと
同等の空気量が、アクセル開度TAが大きいことによ
り、あるいは実際の吸入空気量が多いことにより、確保
されるので、発進時にエンジン回転数が低下したり、エ
ンジンストールに到ったりすることを回避することがで
きる。
【0044】上述した基準時間KCTIMの間に実行さ
れるエンジン負荷もしくはエンジン出力の一時的な増大
制御は、予め設定した量に基づいて実行することができ
る。したがって、上述した1次補正量KQOF1および
2次補正量KQOF2に基づかずに、エンジン水温TH
Wに応じて設定した基準空気量QTHWを各種の条件で
補正した空気量(負荷)によって一時的な吸入空気量の
増大制御を実行することとしてもよい。その例を図4に
部分的なフローチャートとして示してある。
【0045】この図4に示すルーチンは、図1に示すス
テップS4に替えて実行されるルーチンであり、したが
ってこの図4のルーチンに先行するステップおよび後続
するステップは図1に示すものと変わらないので、その
説明は省略する。図4において、タイマーCTIMのイ
ンクリメントをおこなった後に、エンジン水温THWに
応じた基準空気量QTHWが設定される(ステップS3
1)。その基準空気量QTHWは、車両が発進する際に
エンジン1に作用するトルクによってエンジンストール
に到るほどにはエンジン回転数が低下しないアイドル回
転数より低いアイドル回転数からエンジン回転数を上昇
させる際に、応答遅れを可及的に抑制することのできる
空気量であって、図4に一例を模式的に示してあるよう
に、エンジン水温が低い場合に高い場合より大きい値と
して予め設定されている。したがってこの基準空気量Q
THWは検出されたエンジン水温THWに基づいてマッ
プから求めることができる。
【0046】また、エンジン回転数NEが低いほどエン
ジンストールに到りやすいので、エンジン回転数NEに
基づく補正係数KQNEを求める(ステップS32)。
この補正係数KQNEを定めたマップの一例を図4に模
式的に示してあり、エンジン回転数NEがアイドル回転
数以上のときは“1”、エンジン回転数NEがアイドル
回転数より低回転数のときは“1”より大きい値に設定
されている。すなわち、エンジン回転数NEがアイドル
回転数より低回転数の場合には、吸入空気量を増量補正
するように補正係数KQNEが設定されている。
【0047】さらに、実際の吸入空気量GAが少ない場
合には発進操作に伴ってエンジン1に作用するトルクで
エンジンストールが生じやすくなるので、実際の吸入空
気量GAに基づく補正係数KQGAを求める(ステップ
S33)。この補正係数KQGAを定めたマップの一例
を図4に模式的に示してあり、吸入空気量GAがアイド
ル回転数を維持するための空気量以上のときは“1”、
吸入空気量GAがアイドル回転数を維持するための空気
量より少ないときは“1”より大きい値に設定されてい
る。すなわち、実際の吸入空気量GAが少ない場合に
は、吸入空気量を増量補正するように補正係数KQGA
が設定されている。なお、この補正係数KQGAに替え
て、負荷率(1回転当たりの吸入空気量:Q/N)KL
SMに応じた補正係数KQKLSMを使用してもよい。
この補正係数KQKLSMを定めたマップは、実際の吸
入空気量GAを定めたマップと同様のマップとなる。
【0048】さらにアクセル開度TAがゆっくり変化す
る場合には、エンジン1の負荷(出力)の増大が緩慢で
あるのに対して、エンジン1には発進のためのトルクが
作用するから、エンジンストールに到る可能性が高くな
る。このようなエンジンストールを回避するためにアク
セル開度TAの変化率ΔTAに基づく補正係数KQTA
を求める(ステップS34)。この補正係数KQTAを
定めたマップの一例を模式的に図4に示してあり、アク
セル開度変化率ΔTAが予め定めた基準値以上のときは
“1”、アクセル開度変化率ΔTAが予め定めた基準値
未満のときは“1”より大きい値に設定されている。す
なわち、アクセルペダル13がゆっくり踏み込まれてい
るときには、吸入空気量を増量補正するように補正係数
KQTAが設定されている。
【0049】またさらに補機が動作している場合には、
アイドル回転数を増大させるために、その慣性トルク分
のトルクを加えたトルクが必要となるので、そのための
補正係数KQTを求める(ステップS35)。その補正
係数KQTを定めたマップの一例を図4に模式的に示し
てある。補機の回転数を増大させるためのトルクは、補
機の回転数が増大することに従って次第に小さくなるの
で、“1”より大きい値から時間の経過と共に次第に小
さくなり、所定の時間が経過した時点以降は“1”とな
るように設定されている。なお、このような補正係数K
QTは、オールタネータの発電量が所定値以上に大きい
場合や、空調用のコンプレッサーが動作している場合に
求めることとしてもよい。
【0050】以上のようにして求められた補正係数KQ
NE,KQGA(KQKSLM),KQTA,KQT
を、上記のステップS31で求めた基準空気量QTHW
に掛けて吸入空気量QOFIDLが求められる(ステッ
プS36)。なお、その場合、アイドル・オフに伴う吸
入空気量QOFIDLが過大となってエンジン回転数の
オーバーシュートすることを防止するために、所定の上
限ガード値KQmax を設定しておく。
【0051】この図4に示すルーチンに基づいてアイド
ル・オフに伴う吸入空気量QOFIDLの設定をおこな
えば、図1に示すステップS4の制御に基づいて吸入空
気量QOFIDLを設定した場合と同様に、実際の吸入
空気量GAが、応答遅れを生じることなく、もしくは僅
かな応答遅れのみで迅速に増大し、その間にクラッチ1
1による伝達トルク容量が次第に増大してエンジン1に
掛かるトルクが増大しても、エンジン1の負荷が特に遅
れを生じずに増大することにより、エンジン回転数NE
の低下もしくはそれに起因するエンジンストールが防止
される。
【0052】なお、燃焼に直接関与するのは、空気中の
酸素であるから、エンジン出力を増大させてアイドル回
転数を維持もしくは高くするためには、酸素の絶対量を
所定量以上に確保する必要がある。これに対して上記の
増量補正は、空気の量を増量するためのものであるか
ら、大気圧や温度に基づく補正をおこなって酸素の絶対
量を確保する必要がある。図5はその補正制御の例を示
しており、このルーチンは図1に示すステップS4で求
められた吸入空気量QOFIDLおよびステップS5で
求められた吸入空気量QOFIDLを補正するためのル
ーチンである。
【0053】図5において、先ず、大気圧補正係数KQ
PAが求められる(ステップS41)。大気圧が低いほ
ど実酸素量が少なくなるので、1013hPa(ヘクト
パスカル)に相当する圧力値KPAを“1”とし、その
圧力値KPAが“1”より小さくなるほど、“1”から
次第に大きくなる大気圧補正係数KQPAを設定してお
く。そのマップの一例を図5に模式的に示してある。し
たがって大気圧補正係数KQPAは、大気圧を検出する
ことによりそのマップに基づいて求めることができる。
【0054】また、吸気温度THAが高ければ、空気が
膨張して実酸素量が低下するから、吸気温度補正係数K
QTHAが求められる(ステップS42)。その吸気温
度補正係数KQTHAは、吸気温度THAが予め定めた
基準温度以下の場合には、“1”より小さく、かつその
基準温度より高温では“1”より大きくなるように、吸
気温度THAに比例して大きくなる値として設定してお
く。そのマップの一例を図5に模式的に示してある。し
たがって吸気温度補正係数KQTHAは、吸気温度を検
出することによりそのマップに基づいて求めることがで
きる。
【0055】こうして求められた各補正係数KQPA,
KQTHAを、前述したステップS4もしくはステップ
S5で求められた吸入空気量QOFIDLに掛け合わせ
て、圧力補正および温度補正した吸入空気量QOFID
Lが求められる(ステップS43)。なお、それらの補
正係数の値によっては、吸入空気量QOFIDLの演算
値がかなり大きくなるので、上限値KQmax を設定して
いわゆる上限ガードをおこなう。吸入空気量QOFID
Lをこのように大気圧および吸気温度に基づいて補正す
ることにより、燃料の燃焼に実際に必要な量の酸素を確
保できる。その結果、発進時に必要な出力を生じさせて
エンジン回転数が低下したり、それが原因でエンジンス
トールが生じたりすることを確実に防止することができ
る。
【0056】エンジン1に対する吸気は、エアークリー
ナーやスロットルバルブを含む吸気管路を介しておこな
われるから、その吸気管路での流動抵抗が大きい場合に
は、発進操作が検出されることに伴ってアイドル回転数
を高くする過渡制御時に、その流動抵抗を考慮した吸入
空気量QOFIDLの増量補正をおこなうことが好まし
い。図6はその補正制御の例を示しており、このルーチ
ンは図1に示すステップS4で求められた吸入空気量Q
OFIDLおよびステップS5で求められた吸入空気量
QOFIDLを補正するためのルーチンである。
【0057】図6において、先ず、経時変化補正係数K
QIDLが求められる(ステップS51)。この経時変
化補正係数KQIDLは、吸気が流通しにくいほど大き
い値に設定され、例えばアイドル回転数を維持する直前
のフィードバック制御で得られた吸気の変更量QIDL
が、所定の基準値の場合に経時変化補正係数KQIDL
が“1”に設定され、これを境にフィードバック制御で
の吸気の変更量QIDLが小さい程、経時変化補正係数
KQIDLが小さい値に設定され、かつフィードバック
制御での吸気の変更量が大きいほど経時変化補正係数K
QIDLが大きい値に設定される。この関係を定めたマ
ップの一例を図6に模式的に示してある。
【0058】こうして求められた経時変化補正係数KQ
IDLを、前述したステップS4もしくはステップS5
で求められた吸入空気量QOFIDLに掛け合わせて、
吸気路全体での経時的な流動抵抗の増大に応じた吸入空
気量QOFIDLが求められる(ステップS52)。な
お、その経時変化補正係数KQIDLの値によっては、
吸入空気量QOFIDLの演算値がかなり大きくなり、
あるいは反対に小さくなるので、上限値KQmax および
下限値KQmin を設定していわゆる上下限のガードをお
こなう。吸入空気量QOFIDLをこのように吸気管路
の流動抵抗に基づいて補正することにより、発進時に必
要な出力を生じさせることができ、その結果、エンジン
回転数が低下したり、それが原因でエンジンストールが
生じたりすることを確実に防止することができる。な
お、上記の図5に示すルーチンおよび図6に示すルーチ
ンは、図1に示すルーチンに組み込んで連続して実行す
るように構成してもよい。
【0059】上述した例は、アクセル・オン操作を発進
に関連する操作として検出した場合の制御例であるが、
アイドリング状態でのいわゆるクラッチ発進の際にも同
様な制御をおこなうことができる。図7はその制御例を
示しており、ここに示す例は、前述した図1に示すフロ
ーチャートの一部を変更したものであるから、図1と同
じ制御ステップについては図7に図1と同一の符号を付
してその説明を省略する。
【0060】すなわち、いわゆるクラッチ発進は、手動
変速機を搭載した車両で実行される発進形態であり、し
たがって先ず、変速機8がニュートラル状態か否かが判
断される(ステップS61)。前進もしくは後進のいず
れかの変速段(変速比)が設定されていることによりス
テップS61で否定的に判断された場合に、発進のため
の第1の条件が成立していることになり、その場合はク
ラッチ11が解放状態から次第に接続されているか否か
が判断される(ステップS62)。
【0061】このステップS62で肯定的に判断されれ
ば、エンジン1に走行のためのトルクが作用し始めてい
ることになるので、すなわち発進に関連する操作がおこ
なわれていることになるので、ステップS2に進んでタ
イマーCTIMのカウント値が基準時間KCTIM以下
か否かが判断される。
【0062】図7に示すルーチンには、図3を参照して
説明したステップS21が組み込まれており、タイマー
CTIMのインクリメントの後、実際の吸入空気量GA
が所定値KGA以下の場合に、クラッチ発進に伴う吸入
空気量QIDLUPを、アイドル回転数を維持するため
の基本空気量QIDLに、1次補正量KQOF11と2
次補正量KQOF12とを加えた量に設定する(ステッ
プS63)。これは、図1に示すステップS4に替わる
制御ステップである。そしてその空気量によるエンジン
回転数のフィードフォワード制御が実行される。
【0063】その基本空気量QIDLは、暖機補正や補
機負荷補正などのない状態でのアイドル回転数として予
め定めた回転数を維持するための通常のフィードバック
制御で設定された空気量であり、一例としてクラッチ1
1が接続される直前のアイドリング時に設定されていた
空気量である。また、1次補正量KQOF11は、その
予め定められたアイドル回転数より高い回転数をアイド
ル回転数とするのに必要な空気の増量分、あるいはアイ
ドル回転数を維持する出力より大きい所定の出力とする
ための空気の増量分であり、一例として予め定めた値を
採用することができる。さらに、2次補正量KQOF1
2は、1次補正量KQOF11を増量する場合にサージ
タンクを含む吸気管路の容積が大きいことによる応答遅
れや空気の圧縮もしくは流動抵抗などによる応答遅れを
是正するための一時的な空気の増量分であり、一例とし
てエンジン回転数のオーバーシュートが生じない範囲で
予め定めた値を採用することができる。
【0064】これに対してタイマーCTIMのカウント
値が基準時間KCTIMに達することによりステップS
2で肯定的に判断された場合、および実際の吸気量GA
が所定値KGAより大きい場合には、吸入空気量QID
LUPを、アイドル回転数を維持するための基本空気量
QIDLに、1次補正量KQOF11を加えた量に設定
する(ステップS64)。これは、図1に示すステップ
S5に替わる制御ステップである。
【0065】一方、変速機8がニュートラル状態である
ことによりステップS61で肯定的に判断された場合、
およびクラッチ11が解放状態のままであることにより
ステップS62で否定的に判断された場合には、車両が
停止している状態で、アイドリング状態を示すフラグX
IDLがオフか否かが判断される(ステップS1)。す
なわちアクセルペダル13を踏み込むことによる発進に
関連する操作が実行されたか否かが判断される。
【0066】アイドル・オフの状態が検出されてステッ
プS1で肯定的に判断された場合には、ステップS2に
進んでアイドル回転数を増大するための制御を実行し、
これとは反対にアイドリング状態が継続されていること
によりステップS1で否定的に判断された場合には、ス
テップS6ないしステップS11に進んで、アイドル回
転数を維持するための通常のフィードバック制御が実行
される。なお、図7に示す制御例では、前述したステッ
プS10が、吸入空気量QIDLUPをゼロリセットす
るステップS65に置き換えられている。
【0067】すなわち、図7に示す制御例では、発進に
関連する操作として、変速機8が所定の変速段(変速
比)に設定されている状態でクラッチ11が解放状態か
ら係合状態に変更された場合、アイドル回転数を上記の
1次補正量KQOF11に相当する回転数だけ増大させ
るように吸入空気量の増量補正(すなわち負荷もしくは
出力の増大補正)がおこなわれ、かつその過渡状態では
応答の遅れを是正するために、前記基準時間KCTIM
の間、更に吸入空気量を増大させる2次補正がおこなわ
れる。したがってその2次補正量KQOF12は1次補
正量KQOF11より大きい値である。
【0068】上記の図7に示す発進時の制御を実行した
場合の吸入空気量の指令値QIDL,QOFIDLおよ
び実際の吸入空気量GAならびにエンジン回転数NE、
車速SPDの変化を示せば、図8のとおりである。すな
わちクラッチ11が次第に接続され、その過程のt11時
点に前述したステップS62での肯定判断がおこなわれ
ると、基本空気量QIDLに1次補正量KQOF11と
2次補正量KQOF12とを加えた量に吸入空気量QI
DLUPが指令値として出力される。その結果、実際の
吸入空気量GAは、応答遅れを生じることなく、もしく
は僅かな応答遅れのみで迅速に増大する。その間にクラ
ッチ11による伝達トルク容量が次第に増大してエンジ
ン1に掛かるトルクが増大するが、エンジン1の負荷が
特に遅れを生じずに増大するので、エンジン回転数NE
が一時的に僅か低下した後、所定のアイドル回転数に維
持され、エンジンストールが生じることはない。
【0069】前述した基準時間KCTIMが経過したt
12時点に、吸入空気量QOFIDLの指令値が、基本空
気量QIDLに1次補正量KQOF11を加えた量に減
じられる。その時点では、吸入空気量の増大の遅れが解
消されて実際の吸入空気量GAが必要十分に増大してい
るので、2次補正量QOF12に相当する増量をおこな
わなくても、エンジン回転数NEの回転を維持すること
ができる。その結果、エンジン回転数NEが、上記の1
次補正量KQOF11を加えて出力を増大させたことに
より所定の回転数に維持される。また、クラッチ11が
接続されることにより、車速SPDが次第に増大する。
【0070】なお、比較のためにアイドル回転数を増大
させるための負荷補正のみをおこなう従来の制御例を図
8に破線で示してある。このような従来の制御では、吸
入空気量の増大制御の遅れを解消できないので、実質的
な負荷の増大が不充分となり、その結果、エンジン回転
数NEが充分に増大する前に低下してしまい、結局はエ
ンジンストールに到ってしまう。
【0071】上述したいわゆるクラッチ発進の場合、エ
ンジン1に掛かるトルクは、クラッチ11の操作の仕方
によって大小に変化する。これに対して吸入空気の補正
量は予め定めた固定値であるから、クラッチ11を操作
することによるエンジン1に掛かるトルクとエンジン1
の出力トルクとが適合せずに、エンジン回転数が低下傾
向のままとなる場合がある。このような場合には、吸入
空気量の増大補正を更に実行することが好ましい。
【0072】図9はその制御例を示しており、上記の図
7の制御ルーチンに連続して実行され、あるいは図7の
ステップS63に続けて実行される制御ルーチンであ
る。すなわち、エンジン回転数NEが予め定めた基準回
転数KNE1以下か否かが判断される(ステップS7
1)。その基準回転数KNE1は、アイドル回転数より
僅か小さい回転数として予め定めた回転数であり、エン
ジン1がストールに到らない程度の回転数である。
【0073】このステップS71で肯定的に判断された
場合には、吸入空気量を更に増大させるためのいわゆる
3次補正の継続時間をカウントするタイマーCTIM2
のカウント値が所定の基準時間KCTIM2以下か否か
が判断される(ステップS72)。エンジン回転数NE
が前記基準回転数KNE1以下であることが検出されて
ステップS71で肯定的に判断された後の経過時間CT
IM2が基準時間KCTIM2い到っていない場合、す
なわちステップS72で肯定的に判断された場合に、そ
のタイマーCTIM2をインクリメント(INC)する
(ステップS73)。
【0074】ついで、吸入空気量QIDLUPをエンジ
ン回転数NEに応じて更に増大させる(ステップS7
4)。これは、前述した図7のステップS63で設定し
た吸入空気量QIDLUPを更に増大させる制御であ
り、例えば図9に示すように、エンジン回転数NEが前
記の基準回転数KNE1より低回転数であるほど、吸入
空気量QIDLUPが大きい値に設定されるようにマッ
プを用意しておき、検出されたエンジン回転数NEに基
づいてこのマップから設定される。なお、エンジン回転
数NEが低下していないことによりステップS71で否
定的に判断された場合、および前記基準時間KCTIM
2が経過したことによりステップS72で否定的に判断
された場合に、タイマーCTIM2のカウント値をクリ
アー(CLR)し(ステップS75)、その後、図9に
示すルーチンから抜ける。
【0075】この図9に示す制御をおこなった場合のタ
イムチャートを図10に示してあり、いわゆるクラッチ
発進が検出されて吸入空気量を急激に増大させた後、エ
ンジン回転数NEが低下しつつあることが検出されと、
吸入空気量が更に一段階、増大させられる。その結果、
エンジン回転数NEがその後に増大し始め、エンジンス
トールに到ることが回避される。また、車速SPDが増
大し始める。
【0076】ところで、上記のようにいわゆるクラッチ
発進した場合、その操作が車両を僅かに移動させるため
のものであったり、あるいは下り勾配のために発進後は
エンジン1による動力を必要としない場合、車両が移動
し始めた直後にクラッチ11が切られる(解放させられ
る)ことがある。このような場合、吸入空気量の増大に
よる出力の増大補正をおこなっている状態で、エンジン
1に掛かるトルクが急激に低下するので、吸入空気量も
しくは出力の増大補正を中止して、元の制御状態に復帰
させることが必要である。その場合、吸入空気量を減少
させても、エンジン1のシリンダに吸入される空気量
は、膨張などによって直ちには減少しない。すなわち、
エンジン1に掛かるトルクの低下と吸入空気量もしくは
出力の低下とにタイミングのズレが生じ、一時的にエン
ジン回転数が増大する可能性がある。
【0077】このような事態を回避するために、点火時
期および/または燃料供給量を変更してエンジン出力を
一時的に低下させることが好ましい。図11はその制御
例を示しており、ここに示す制御例は点火時期の遅角制
御によってエンジントルクを低下させるためのものであ
り、図1に示すステップS4,S5およびステップS1
1に続けて実行し、もしくは図7に示すステップS6
3,S64およびステップS11に続けて実行するよう
に構成されている。具体的に説明すると、出力を増大さ
せるための補正によって吸入空気量QOFIDL,QI
DLUPを設定した後、タイマーCTIM3をクリアー
(CLR)し(ステップS81)、かつ点火時期の遅角
量AIDLDをゼロリセットする(ステップS82)。
すなわち、吸入空気量を増大補正している場合は、点火
時期の遅角は実行しない。
【0078】これに対して、通常のフィードバック制御
を実行する状態になって前述したステップS11でタイ
マーCTIMがゼロリセットされた後、タイマーCTI
M3のカウント値が基準時間KCTIM3以上か否かが
判断される(ステップS83)。このタイマーCTIM
3は、点火時期の遅角制御の継続時間を計測するための
ものであって、その基準時間KCTIM3は点火時期の
遅角制御の限界時間であり、予め定めた値の時間であ
る。
【0079】遅角制御が開始された直後では、ステップ
S83で否定的に判断され、その場合、タイマーCTI
M3のカウント値が“0”か否かが判断される(ステッ
プS84)。例えばクラッチ11が切られて発進操作が
解消されたことが検出され、それに伴ってアイドル回転
数のフィードバック制御が開始された時点では、タイマ
ーCTIM3が未だ時間をカウントしていないので、こ
のステップS84で肯定的に判断される。すなわちこの
ステップS84は点火時期の遅角制御を開始するか否か
を判断するステップとなっている。
【0080】このステップS84で肯定的に判断された
場合に、点火時期の仮遅角量tADILDとして所定の
値KAIDLDが読み込まれる(ステップS85)。こ
の所定値KAIDLDは、前述した吸入空気量の1次補
正量KQOF1,KQOF11で増大するエンジントル
クに見合ったトルクを低下させるための遅角量(もしく
は充分な遅角量)である。
【0081】その後、タイマーCTIM3のカウント値
をインクリメント(INC)し(ステップS86)、さ
らにエンジン回転数NEが目標とするアイドル回転数K
NEIDL以上か否かが判断される(ステップS8
7)。このステップS87で肯定的に判断された場合
に、エンジン回転数NEを低下させるべき状態にあるこ
とになるので、点火時期の遅角量AIDLDとして、ス
テップS85で設定された仮遅角量tAIDLDが読み
込まれる(ステップS88)。
【0082】これに対して点火時期の遅角制御が開始さ
れた後では、タイマーCTIM3による時間のカウント
が既に開始されているので、上記のステップS84で否
定的に判断される。補正によって増大している吸入空気
量を補正のない状態に復帰させることに伴う点火時期の
遅角制御が継続している間は、このステップS84で否
定的に判断される。その場合は、仮遅角量tAIDLD
が負の値になっているか否かが判断される(ステップS
89)。すなわち演算の結果、仮遅角量tAIDLDが
負の値になる場合があるからである。
【0083】このステップS89で否定的に判断された
場合には、その時点の遅角量AIDLDから予め定めた
所定値KAIDLD1を減算した値が仮遅角量tAID
LDとして設定される(ステップS8A)。その後、ス
テップS86ないしステップS88に進み、ステップS
8Aで設定された仮遅角量tAIDLDが遅角量AID
LDとして読み込まれる。すなわち当初設定した遅角量
KADILDから徐々に遅角量を減少させるための制御
が実行され、その所定値KAIDLD1がその遅角量の
減少勾配を決めている。
【0084】こうしてエンジン回転数NEが次第に低下
するので、その過程で、エンジン回転数NEが目標とす
るアイドル回転数KNEIDLに一致し、もしくはアイ
ドル回転数KNEIDLより低回転数になることがあ
る。その場合、ステップS87で否定的に判断され、点
火時期の遅角量AIDLDが“0”に設定される(ステ
ップS8C)。すなわち、点火時期の遅角制御が強制的
に終了させられる。
【0085】また、点火時期の遅角制御の継続時間すな
わちタイマーCTIM3のカウント時間が前述した基準
時間KCTIM3に達すると、ステップS83で肯定的
に判断される。その場合は、仮遅角量tAIDLDをゼ
ロリセットし(ステップS8B)、このルーチンを終了
する。また、演算して求めた仮遅角量tAIDLDが負
の値になることによりステップS89で肯定的に判断さ
れた場合にも、仮遅角量tAIDLDをゼロリセットし
(ステップS8B)、このルーチンを終了する。
【0086】なお、上述のようにした求めた遅角量AI
DLDを使用した点火時期AOPの計算は、例えば図1
2に示すようにしておこなわれる。先ず、エンジン1の
運転状態に基づいて基本点火時期ABASが算出され
(ステップS8D)、また補機の動作状態やエンジン水
温などに基づいて各種の補正量(進角量)が算出される
(ステップS8E)。そして、基本点火時期ABASに
補正量が加算され、さらに前述した遅角量AIDLDが
減算されて最終点火時期AOPが計算される(ステップ
S8F)。
【0087】こうして求めた遅角量による点火時期の遅
角制御を、吸入空気量のいわゆる増大補正からの復帰時
に実行した場合のタイムチャートを図13に示してあ
る。図13において、クラッチ11が係合状態から次第
に解放させられ、その過程のt21で例えば図7に示すス
テップS62の判断結果が否定的になると、吸入空気量
の指令値QOFIDL,QIDLUPが、補正のない基
本空気量QIDLに低下させられる。これと同時に点火
時期の遅角制御が開始されて遅角量AIDLDが当初の
最も大きい値KAIDLDに設定され、実際の点火時期
AOPが大きく遅角させられる。その場合、クラッチ1
1のトルク伝達容量が低下してエンジン1に掛かるトル
クが低下するので、一瞬、エンジン回転数NEが増大傾
向を示し、それに伴って実際の吸入空気量GAが増大す
るが、点火時期の遅角制御によってエンジン回転数NE
の増大が直ちに抑制される。
【0088】その後、吸入空気量の増大補正からの復帰
によって実際の吸入空気量GAが次第に減少し、それに
併せて点火時期の遅角量AIDLDが次第に減少するの
で、エンジン回転数NEは、特に増減することなく目標
とするアイドル回転数にほぼ一定に維持される。比較の
ために、点火時期の遅角制御を実行しない場合のエンジ
ン回転数NEおよび実吸入空気量GAの変化を図13に
破線で示してある。クラッチ11が解放操作されてエン
ジン1に掛かるトルクが低下し、それに伴って吸入空気
量を補正前の量に低下させる制御を実行しても、その制
御の遅れによってエンジン1のトルクが相対的に大きく
なってしまい、そのため、エンジン回転数NEが一時的
に増大する。その後、アイドル回転数より幾分低下し、
このようないわゆる脈動の後、目標アイドル回転数にほ
ぼ一定する。すなわち、点火時期の遅角制御によってエ
ンジントルクを抑制することにより、負荷の低下後の目
標アイドル回転数への収束性が良好になるが、点火時期
の遅角制御によりエンジンとるを抑制しない場合には、
目標とするアイドル回転数への収束性が悪化し、エンジ
ン回転数が一時的に不安定になる。
【0089】なお、上記の過渡的な点火時期の遅角量A
IDLDは、実際の吸入空気量を反映した値とすること
もできる。その例を図14に示してあり、ここに示す例
は、目標とするアイドル回転数で必要とする空気量に対
する実際の吸入空気量の過剰分に応じて仮遅角量tAI
DLDを設定するように構成したものであり、図11に
示す制御例の一部を変更したものである。
【0090】すなわちステップS83で否定的に判断さ
れた場合、すなわち遅角制御の継続時間内では、その時
点の実際の吸入空気量GAから基準空気量KGAIDL
もしくは目標とするアイドル回転数での運転時に記憶さ
れた吸入空気量GAIDLが減算され(GA−KGAI
DLもしくはGA−GAIDL)、その値が大きいほ
ど、仮遅角量tAIDLDが大きい値に設定される(ス
テップS91)。その算出のためのマップの一例を図1
4に模式的に示してある。そしてその仮遅角量tAID
LDがステップS88で遅角量AIDLDとして読み込
まれ、それに基づいて実際の点火時期が設定される。
【0091】こうして求めた遅角量は、吸入空気量GA
の過剰分に対応しているので、吸入空気が多いことによ
るエンジントルクの過剰分を、点火時期を遅角すること
により低減させることになり、その結果、クラッチ11
が解放させられることによるトルクの低下に合わせて出
力を低下させることができるので、エンジン回転数のい
わゆるオーバーシュートを防止し、またアイドル回転数
への収束性を向上させることができる。
【0092】なお、図14に示す制御例では、タイマー
CTIM3のカウント値が基準時間KCTIM3以上と
なることによりステップS83で肯定的に判断された場
合に、その時点の実際の吸入空気量GAがアイドリング
時の値GAIDLとして記憶され(ステップS92)、
その後、遅角量AIDLDがゼロリセットされる(ステ
ップS8C)。他の制御ステップは図11に示す制御例
とほぼ同様であり、図14に図11と同一のステップ番
号を付してある。
【0093】ここで、上述した具体例とこの発明との関
係を簡単に説明すると、上述したステップS1の機能的
手段、ステップS61およびステップS62の機能的手
段のそれぞれがこの発明の発進操作検出手段に相当し、
またステップS4およびステップS5の機能的手段、ス
テップS36の機能的手段、ステップS43の機能的手
段、ステップS52の機能的手段、ステップS63およ
びステップS64の機能的手段、ステップS74の機能
的手段のそれぞれが、この発明の発進時出力補正手段に
相当する。さらに、ステップS85、ステップS8A、
ステップS88、ステップS8F、ステップS91の機
能的手段が請求項7における「出力を低下させる方向に
変更する手段」に相当する。
【0094】なお、上記の具体例では、アイドル回転数
を制御するために吸入空気量を電子スロットルバルブに
よって制御するように構成した例を示したが、この発明
は、上記の具体例に限定されないのであって、スロット
ルバルブと並列に設けたアイドルスピードコントロール
バルブ(ISCバルブ)によって吸入空気量を制御する
ように構成した内燃機関を対象に実施することができ
る。また、上記の具体例では、点火時期を遅角制御して
エンジントルクを一時的に低下させるように構成した
が、これに替えてもしくは同時に、燃料の供給量を変更
して内燃機関の出力トルクを一時的に低下させるよう構
成してもよい。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、内燃機関がアイドリング状態にある場合に、車
両を発進させることになる何らかの操作がおこなわれる
と、その操作を検出することに基づいて内燃機関の出力
が増大させられるので、走行のためのトルクが内燃機関
に掛かってもその回転数が大きく低下したり、いわゆる
エンジンストールに到ったりすることを未然に防止する
ことができ、また反対に、発進に関連する操作が検出さ
れない場合には、アイドル回転数を相対的に低下させて
おくことになるから、アイドリング状態での燃料の消費
が抑制され、車両の全体としての燃費を向上させること
ができる。
【0096】また、請求項2の発明によれば、出力を増
大させるべく制御量を変更する場合、設定するべきアイ
ドル回転数よりも更に高い回転数を設定可能な制御量に
相当する制御量が所定期間の間、出力されるため、制御
量が、当初、大きくなるので、制御の応答遅れが是正さ
れ、その結果、内燃機関の回転数の一時的な低下やそれ
に起因するエンジンストールを未然に回避することがで
きる。
【0097】さらに、請求項3の発明によれば、内燃機
関がアイドリング状態から出力を増大させる状態になる
と、これがセンサによって検出され、それに伴う出力信
号の変化によって内燃機関の出力を増大させるように前
記制御量が増大させられるため、アイドル回転数を低回
転数に設定しておいても、発進のためのトルクが内燃機
関に作用して内燃機関の回転数が大きく低下したり、そ
れに起因してエンジンストールに到ったりすることを未
然に回避することができる。
【0098】さらにまた、請求項4の発明によれば、所
定の変速比を設定する状態の変速機が内燃機関に連結さ
れ始めると、出力を増大させるようにその制御量が増大
させられるため、アイドル回転数を低回転数に設定して
おいても、発進のためのトルクが内燃機関に作用して内
燃機関の回転数が大きく低下したり、それに起因してエ
ンジンストールに到ったりすることを未然に回避するこ
とができる。
【0099】そして、請求項5の発明によれば、車両を
アイドリング状態から発進させることになる操作が検出
されると、内燃機関の吸入空気量が増大させられるた
め、アイドル回転数を低回転数に設定しておいても、発
進のためのトルクが内燃機関に作用して内燃機関の回転
数が大きく低下したり、それに起因してエンジンストー
ルに到ったりすることを未然に回避することができる。
【0100】そしてまた、請求項6の発明によれば、車
両の発進に関連する操作が検出された内燃機関の回転数
を増大させる場合、内燃機関の出力の状態や内燃機関に
掛かるトルクなどの状況に応じて、制御量が大小に補正
されるため、発進の際のアイドル回転数を過不足のない
回転数に設定し、エンジンストールや回転数のオーバー
シュートを未然に回避することができる。
【0101】そしてさらに、請求項7の発明によれば、
車両の発進が取り消されたり、内燃機関に掛かるトルク
で低下したりして内燃機関の出力を低下させる場合、吸
入空気量を減少させる制御と併せて、点火時期もしくは
燃料供給量が変更されるので、吸入空気量の減少の遅れ
があっても、点火時期もしくは燃料供給量によって内燃
機関の出力が低下させられて、内燃機関の回転数がオー
バーシュートするなどの事態を未然に回避することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置で実行される制御の一例
を説明するためのフローチャートである。
【図2】 図1に示す制御をおこなった場合のアクセル
開度、クラッチ、吸入空気量指令値、実吸入空気量、エ
ンジン回転数の変化を示すタイムチャートである。
【図3】 吸入空気量のいわゆる2次補正の要否をアク
セル開度もしくは実吸入空気量によって判断するステッ
プの例を示す部分的なフローチャートである。
【図4】 吸入空気量のいわゆる2次補正の他の例を示
す部分的なフローチャートである。
【図5】 吸入空気量を大気圧および吸気温度で補正す
るための制御例を示す部分的なフローチャートである。
【図6】 吸入空気量を吸気管路の経時変化に基づいて
補正するための制御例を示す部分的なフローチャートで
ある。
【図7】 いわゆるクラッチ発進の際に吸入空気量を増
大補正するこの発明による他の制御例を示すフローチャ
ートである。
【図8】 図7に示す制御をおこなった場合のクラッ
チ、吸入空気量指令値、実吸入空気量、エンジン回転
数、車速の変化を示すタイムチャートである。
【図9】 吸入空気のいわゆる2次補正が不足している
場合の追加補正をおこなう例を示す部分的なフローチャ
ートである。
【図10】 図9に示す制御をおこなった場合のクラッ
チ、吸入空気量指令値、実吸入空気量、エンジン回転
数、車速の変化を示すタイムチャートである。
【図11】 吸入空気量を減少させる際に一時的に実行
される点火時期の遅角制御の例を示す部分的なフローチ
ャートである。
【図12】 点火時期の計算例を示すフローチャートで
ある。
【図13】 図11に示す制御をおこなった場合のクラ
ッチ、吸入空気量指令値、実吸入空気量、遅角量、点火
時期、エンジン回転数、車速の変化を示すタイムチャー
トである。
【図14】 遅角量を吸入空気の過剰分に応じて設定す
る制御例を示す部分的なフローチャートである。
【図15】 この発明で対象とする内燃機関およびその
制御系統を簡略化して示す模式図である。
【符号の説明】
1…内燃機関(エンジン)、 2…吸気管路、 4…電
子スロットルバルブ、8…変速機、 11…クラッチペ
ダル、 12…電子制御装置、 13…アクセルペダ
ル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60K 41/00 301 B60K 41/00 301C 3G301 41/02 41/02 F02D 9/02 311 F02D 9/02 311 341 341E 341Z 351 351M 11/10 11/10 E 29/00 29/00 H 43/00 301 43/00 301B 301H 301K 45/00 360 45/00 360B 360F 360H 362 362H 364 364G F02P 5/15 F02P 5/15 E Fターム(参考) 3D041 AA21 AA36 AA66 AC16 AD04 AD06 AD11 AD14 AD18 AD32 AE04 AE07 AE09 AE14 AF01 AF09 3G022 CA00 CA03 CA04 DA02 DA07 EA03 GA05 GA08 GA09 GA11 3G065 AA01 AA11 CA00 CA05 CA27 DA05 EA03 EA04 FA02 FA06 FA07 FA11 FA14 GA09 GA10 GA26 GA28 GA32 GA41 GA46 KA36 3G084 AA01 BA05 BA13 BA17 CA03 CA04 DA02 DA04 DA08 DA22 DA34 EA07 EA11 EB08 EB11 FA01 FA02 FA10 FA20 FA33 3G093 AA04 AA12 AA16 AB01 BA05 BA16 BA19 CA04 CB05 DA01 DA04 DA05 DA06 DA14 DB08 DB10 DB12 DB23 EA05 EA09 EA13 EB01 FA03 FA04 FA10 FA11 FB02 3G301 HA01 HA02 JA02 JA07 JA15 JA31 KA07 KA14 KB01 LA00 LA03 LA04 LC03 MA11 NA08 NC02 ND01 ND42 NE06 NE12 NE17 NE19 NE23 PA09Z PA10Z PA11Z PA14Z PE01A PE01Z PE08Z PF06Z PF10Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載された内燃機関の出力を発進
    時に制御する内燃機関の発進制御装置において、 前記内燃機関のアイドリング状態から前記車両を発進さ
    せることに関連する操作を検出する発進操作検出手段
    と、 前記車両を発進させることに関連する操作がその発進操
    作検出手段によって検出されたことに基づいて、前記内
    燃機関の出力を前記アイドル回転数での出力より増大さ
    せる発進時出力補正手段とを備えていることを特徴とす
    る内燃機関の発進制御装置。
  2. 【請求項2】 前記発進時出力補正手段は、前記内燃機
    関の回転数を増大させるための制御量として、前記アイ
    ドリング状態での回転数より高い予め定めた所定の回転
    数に設定することの可能な制御量より更に大きい制御量
    を、予め定めた所定期間の間、出力し、かつその所定期
    間の経過後に前記所定の回転数に設定することの可能な
    制御量を出力する手段を含むことを特徴とする請求項1
    に記載の内燃機関の発進制御装置。
  3. 【請求項3】 前記発進操作検出手段は、前記内燃機関
    のアイドリング状態を検出するセンサの出力信号の変化
    に基づいて前記車両を発進させることに関連する操作を
    検出する手段を含むことを特徴とする請求項1もしくは
    2に記載の内燃機関の発進制御装置。
  4. 【請求項4】 前記車両が、前記内燃機関にクラッチを
    介して連結された変速機を備え、 前記発進操作検出手段は、前記変速機が所定の変速比を
    設定している状態で前記クラッチが解放状態から係合状
    態に操作されたことを検出する手段を含むことを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の発
    進制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御量が、前記内燃機関の吸入空気
    量であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載の内燃機関の発進制御装置。
  6. 【請求項6】 前記更に大きい制御量を、前記内燃機関
    の冷却水温度、内燃機関の出力回転数、負荷率、アクセ
    ル開度、アクセル開度の変化率、前記内燃機関に連結さ
    れた補機による負荷、大気圧、吸気温度、前記内燃機関
    の吸気系統の経時変化の少なくともいずれか一つに基づ
    いて補正する手段を更に備えていることを特徴とする請
    求項5に記載の内燃機関の発進制御装置。
  7. 【請求項7】 前記吸入空気量を、出力を増大させる前
    のアイドル回転数を設定する量に変更する際に、点火時
    期と燃料供給量との少なくともいずれか一方を、出力を
    低下させる方向に変更する手段を更に備えていることを
    特徴とする請求項5に記載の内燃機関の発進制御装置。
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