JP2002129753A - コンクリート構造物の補強方法 - Google Patents

コンクリート構造物の補強方法

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JP2002129753A
JP2002129753A JP2000326243A JP2000326243A JP2002129753A JP 2002129753 A JP2002129753 A JP 2002129753A JP 2000326243 A JP2000326243 A JP 2000326243A JP 2000326243 A JP2000326243 A JP 2000326243A JP 2002129753 A JP2002129753 A JP 2002129753A
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concrete
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frp
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弘二 ▲濱▼岡
Koji Hamaoka
Koji Funeno
浩司 舩野
Kenji Taniguchi
硯士 谷口
Akira Kobayashi
朗 小林
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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NIPPON PS KK
Nippon Steel Composite Co Ltd
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    • E04BUILDING
    • E04GSCAFFOLDING; FORMS; SHUTTERING; BUILDING IMPLEMENTS OR AIDS, OR THEIR USE; HANDLING BUILDING MATERIALS ON THE SITE; REPAIRING, BREAKING-UP OR OTHER WORK ON EXISTING BUILDINGS
    • E04G23/00Working measures on existing buildings
    • E04G23/02Repairing, e.g. filling cracks; Restoring; Altering; Enlarging
    • E04G23/0218Increasing or restoring the load-bearing capacity of building construction elements
    • E04G2023/0251Increasing or restoring the load-bearing capacity of building construction elements by using fiber reinforced plastic elements
    • E04G2023/0262Devices specifically adapted for anchoring the fiber reinforced plastic elements, e.g. to avoid peeling off

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 FRP格子筋をコンクリート棒部材に固定
後、セメントやポリマーのモルタルを増厚する増厚工法
による補強方法を改良して、高いせん断補強効果のある
コンクリート補強方法を提供する。 【解決手段】 FRP格子筋100をウエブ面1aに固
定して、セメントモルタルか、ポリマーのモルタル8を
増厚する方法にて、FRP格子筋100を固定する前
に、ウエブ面1をウォータージェット、ショットブラス
ト、又はサンドブラストを用いて下地処理し、且つ、F
RP格子筋100のウエブ面1aへの固定はリベットア
ンカー5にて行い、ウエブ面1aの部材軸方向に対して
直角方向を上下方向とする時、ウエブ1の上端又は下端
に位置するハンチ部2が切削されて、ハンチ部2に取付
溝3が設けられ、FRP格子筋100端の突出部分10
1が、ハンチ部2の取付溝3内に接着樹脂4にて固定さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、格子状の繊維強化
樹脂(FRP)部材を用いたコンクリート構造物の補強
方法に関するものであり、特に、例えば、高架橋等の橋
における桁の補修、補強のために好適なコンクリート構
造物補強方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート構造物、特に老朽化
した、クラックの発生などの問題のある高架橋などのコ
ンクリート棒部材(以下、「コンクリート桁」、或いは
「桁」という。)のコンクリート補強方法として、図1
0(a)(b)(c)の各施工断面図に示すように、補
強材として鋼板11を用いた鋼板接着工法(図10
(a))、補強材としてFRPシート13を用いた連続
繊維シート接着工法(図10(b))、補強材としてF
RP格子筋100を用いポリマーやセメントのモルタル
8で増厚した増厚工法(図10(c))がある。
【0003】図10(a)の鋼板接着工法は、桁の垂直
部材であるウエブ1の面1aに鋼板11を接着剤12で
貼り付けて、アンカー14で固定する工法であるが、鋼
板11の自重が大きく、施工時の安全性に注意が必要で
あり、また、鋼板11自体が錆びて腐食し、補強効果が
低下する可能性がある。
【0004】図10(b)の連続繊維シート接着工法
は、炭素繊維等の高強度強化繊維に常温硬化型エポキシ
樹脂を十分に含浸させたシート状の連続繊維シート(F
RP材)13を桁のウエブ面1aに接着樹脂にて貼り付
けて硬化させる工法である。しかしながら、棒部材であ
る桁の側面に接着しただけでは、シート13の剥離破壊
により、十分な補強効果が得られないことがある。
【0005】そこで、連続繊維シート13を用いた連続
繊維シート接着工法より安価で、施工が確実・容易な、
繊維強化樹脂とされるFRP格子筋100を補強材とし
て用いた図10(c)の増厚工法が開発された。
【0006】FRP格子筋100は、図8を参照すると
理解されるように、通常、直角に交差して格子状に配置
された複数の補強筋、即ち、縦補強筋101と横補強筋
102で構成され、各補強筋101、102は、主にガ
ラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の強化繊維を一方
向に並べて、ビニルエステル樹脂等のマトリックス樹脂
を含浸させた帯状強化繊維を複数積層して形成されたも
のである。また、各補強筋101、102は、従来例で
は、筋幅(w)3〜10mm、厚さ(t)1〜5mm、
であり、格子間距離(W1)3〜15cmの格子板状に
成形硬化され、全体としてシート状のFRP格子筋10
0を形成する。
【0007】このFRP格子筋100を用いた増厚工法
は、図10(c)、更には、図11及び図12に示すよ
うに、FRP格子筋100を、コンクリート1の表面
に、アンカーボルト14で固定することによりコンクリ
ート構造物に取り付けられる。図11はこうしたFRP
格子筋100をI型断面の橋桁10に固定した状態の施
工正面図(a)と断面図(b)である。図11(a)、
(b)に示す桁10は、フランジ9とされる対向配置し
た横部材と、両横部材の間に位置して両者をつなげてい
るウエブ1である垂直部材とで、構成されたI型断面の
コンクリート棒部材である桁10であり、ウエブ1の側
面であるウエブ面1aにFRP格子筋100が固定され
ている。ここではI型断面のコンクリート桁10に関し
てのみ説明するが、ウエブ面の上端にのみ横部材のフラ
ンジやハンチ部を有するT型断面のコンクリート棒部材
である桁に関しても同様の補強がなされている。
【0008】FRP格子筋100をアンカーボルト14
と座金15で図11のように固定した後、図12の増厚
工法施工図に示すように、FRP格子筋100に、ポリ
マーやセメントのモルタル8を吹き付け、手塗りして、
構築物と一体化させて所定の厚さ、従来ではT(=10
mm〜20mm)に被覆する。
【0009】このFRP格子筋100は鉄筋と同様の補
強効果があり、軽く、アンカーボルト14と座金15で
とめることができ、このFRP格子筋100を用いた増
厚工法では、FRP格子筋100の補強筋101、10
2の隙間から広い面積でモルタル8がウエブ面1aに接
着してFRP格子筋100を貼り付けた状態となるた
め、FRPシート13や鋼板11よりもしっかりFRP
格子筋100をコンクリートウエブ1に定着でき、腐食
も少なく、施工が簡便である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、図10
(a)の鋼板接着工法、図10(b)の連続繊維シート
接着工法では、ウエブ面1aを補強しても、補強材がコ
ンクリート表面から剥離した場合には大きなせん断耐力
の向上が期待できない。
【0011】一方、FRP格子筋100を用いた図10
(c)の従来の増厚工法では、FRP格子筋100が軽
く、しかも補強筋101と102を交差させた格子状で
あるため、アンカーボルト14で固定でき、格子の空い
た部分からモルタル8が広い面積でコンクリート面1a
に接し、この接着力によって、FRP格子筋100がコ
ンクリート面1aに定着される。
【0012】しかし、この従来の増厚方法では、ウエブ
1とモルタル8の付着強度が不十分で、FRP格子筋1
00が十分にせん弾力を負担する前でウエブ1のコンク
リートとモルタル8界面で剥離し十分な補強効果が得ら
れない。
【0013】また、コンクリート桁10に施工された場
合、図11に示すように剥離を防止するためコンクリー
ト面であるウエブ面1aにアンカーボルト14と座金1
5でFRP格子筋100を固定するが、足径10mm〜
100mmの太い足を持つアンカーボルト14を打ちこ
んだ場合、ウエブコンクリート1の欠損やウエブコンク
リート1を構成する鉄筋やPC剛線の切断などに障害が
起こった。また、アンカーボルト14をウエブ面1aに
ねじ込んだ場合、ねじ込むための穴をあける手間がかか
った。更には、アンカーボルト14の頭や座金15がF
RP格子筋100面から大きく突出しているため、それ
を覆うモルタル8がアンカーボルト14の配置されてい
る部分からひび割れしてせん断補強性が弱くなるといっ
た問題が生じた。
【0014】一方、図11(a)、(b)に示すよう
に、FRP格子筋100をI型断面のコンクリート桁1
0のウエブ面1aに使用した場合、ウエブ面1a両端の
ハンチ部2まで届かずに固定位置がウエブ面1a端部と
なるため、ハンチ部2とウエブ1の境界線に沿ってフラ
ンジ9とウエブ1のスリップ破壊が生じ、せん断耐力の
向上には限界があった。
【0015】ここではI型断面のコンクリート桁10に
関してのみ説明したが、ウエブ面の上端に横部材のフラ
ンジやハンチ部を有するT型断面のコンクリート棒部材
である桁に関しても同様の問題が考えられる。
【0016】従って、本発明の目的は、FRP格子筋を
I型断面又はT型断面のコンクリート桁のウエブ面に固
定後にセメントやポリマーのモルタルを増厚する増厚工
法による補強方法を改良して、モルタルの付着強度を強
化し、更に、桁を構成する既設コンクリートや鉄筋、P
C鋼材に損傷を与えることなしにFRP格子筋の固定が
簡易に行え、ウエブとフランジのスリップ破壊を防ぎ、
FRP格子筋がウエブ面に確実に定着されて、高いせん
断補強効果のあるコンクリート補強方法を提供すること
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
コンクリート補強方法にて達成される。要約すれば、第
1の本発明は、繊維強化樹脂とされる複数の補強筋を格
子状に配置して形成されたFRP格子筋をコンクリート
面に固定して、固定された前記FRP格子筋の側からセ
メントモルタルか、又は、ポリマーモルタルを塗付して
増厚する、コンクリート構造物を補強する方法におい
て、前記FRP格子筋を固定する前記コンクリート面
は、コンクリート棒部材のウエブ面であり、前記FRP
格子筋を固定する前に、前記ウエブ面をウォータージェ
ット、ショットブラスト、又はサンドブラストを用いて
下地処理し、且つ、前記FRP格子筋は、リベットアン
カーを使用して、前記ウエブ面に固定することを特徴と
するコンクリート構造物の補強方法を提供する。
【0018】第1の本発明の一実施態様によると、前記
コンクリート棒部材は、前記フランジ部とされる対向配
置した横部材と、前記両横部材間に位置した垂直部材と
を有し、該垂直部材の両側面が前記ウエブ面を形成し
て、I型断面形状とされるか、又は、前記フランジ部と
される横部材と、該横部材より垂直下方向に延在した垂
直部材を有し、該垂直部材が前記ウエブ面を形成して、
T型断面形状とされる。
【0019】第2の本発明は、繊維強化樹脂とされる複
数の補強筋を格子状に配置して形成されたFRP格子筋
をコンクリート面に固定して、固定された前記FRP格
子筋の側からセメントモルタルか、又は、ポリマーモル
タルを塗付して増厚する、コンクリート構造物を補強す
る方法において、前記FRP格子筋を固定する前記コン
クリート面は、コンクリート棒部材のウエブ面であり、
前記FRP格子筋を固定する前に、前記ウエブ面をウォ
ータージェット、ショットブラスト、又はサンドブラス
トを用いて下地処理し、且つ、前記ウエブ面の部材軸方
向に対して直角方向を上下方向とした時、前記ウエブ面
の上端及び/又は下端に位置するハンチ部に取付溝を設
け、及び/又は、前記ウエブ面の上端及び/又は下端に
位置するフランジ部には取付孔を設け、前記FRP格子
筋の上端及び/又は下端の突出部分が、前記取付溝及び
/又は前記取付孔内に接着樹脂にて固定されることを特
徴とするコンクリート構造物の補強方法を提供する。
【0020】第2の本発明の一実施態様によると、前記
コンクリート棒部材は前記フランジ部とされる対向配置
した横部材と、前記両横部材間に位置した垂直部材とを
有し、該垂直部材の両側面が前記ウエブ面を形成してI
型断面形状とされ、前記FRP格子筋の上端及び/又は
下端の突出部分が、前記取付溝及び/又は前記取付孔内
に前記接着樹脂にて固定されるか、又は、前記コンクリ
ート棒部材は、前記フランジ部とされる横部材と、該横
部材より垂直下方向に延在した垂直部材を有し、該垂直
部材が前記ウエブ面を形成してT型断面形状とされ、前
記FRP格子筋が前記コンクリート棒部材の、前記垂直
部材の前記ウエブ面を形成する両側面、及び前記垂直部
材の下面をUの字型に閉合するように設置され、前記F
RP格子筋の両上端の突出部分が、前記取付溝及び/又
は前記取付孔内に前記接着樹脂にて固定される。
【0021】第2の本発明の他の実施態様によると、前
記FRP格子筋は、リベットアンカーを使用して、前記
ウエブ面に固定される。
【0022】第2の本発明の他の実施態様によると、前
記FRP格子筋の前記突出部分は、前記FRP格子筋を
構成する前記補強筋のうち、前記ウエブ面を上下方向に
横断する方向に配置された補強筋の上端及び/又は下端
の突出部である。
【0023】第2の本発明の他の実施態様によると、前
記取付溝及び前記取付孔の幅は、前記FRP格子筋の前
記補強筋の幅+(0mm〜50mm)で、奥行きは前記
FRP格子筋の1升の格子間距離の0.1倍〜5倍であ
る。
【0024】第2の本発明の他の実施態様によると、前
記取付溝の溝底部又は前記取付孔の下端部は、前記ウエ
ブ面と同一平面上にあるか、或いは前記ウエブ面から5
0mm以下の距離だけ浮かせた位置と、前記ウエブ面か
ら50mm以下の深さ分掘り下げた位置と、の間にあ
る。
【0025】第2の本発明の他の実施態様によると、前
記取付溝が、前記ウエブ面の下地処理時に前記ウォータ
ージェットによって設けられる。
【0026】第2の本発明の他の実施態様によると、前
記FRP格子筋を前記ハンチ部の前記取付溝内又は前記
フランジ部の前記取付孔に固定する前記接着樹脂は、ビ
ニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、常温硬化型エポキシ樹脂、熱硬化型エポキシ樹
脂、ポリカーボネート樹脂、又は、MMAなどのラジカ
ル反応系樹脂を少なくとも一種以上含む。
【0027】第1、第2の本発明の他の実施態様による
と、固定された前記FRP格子筋の表面に塗付される前
記セメントモルタルか、または、前記ポリマーモルタル
による補強層の厚さが3mm〜500mmである。
【0028】第1第2の本発明の他の実施態様による
と、前記補強筋は、互いに1〜50cm離間して格子状
に配置され、前記補強筋は、幅が2〜50mm、厚さが
2〜50mmとされる。
【0029】第1、第2の本発明の他の実施態様による
と、前記繊維強化樹脂は強化繊維にマトリクス樹脂を含
浸して形成され、前記強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊
維、セラミックス繊維を含む無機繊維;ボロン、チタ
ン、スチールなどの金属繊維;アラミド、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ナイロン、PBО、高強度ポリプロ
ピレンなどの有機繊維;などから選択されるいずれかの
繊維であるか、或いは、前記繊維を複数種混入したハイ
ブリッドタイプとされ、また、前記マトリクス樹脂は、
ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリア
ミド樹脂、常温硬化型エポキシ樹脂、熱硬化型エポキシ
樹脂、ポリカーボネート樹脂、又は、MMAなどのラジ
カル反応系樹脂を少なくとも一種以上含む。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコンクリート
構造物補強方法を図面に則して更に詳しく説明する。
【0031】実施例1 本発明に係るコンクリート構造物補強方法は、例えば図
3に示すような、コンクリート構造物である高架橋のI
型断面を有したコンクリート棒部材10、或いは、図3
に示す高架橋にて、桁10と同じ位置に使用される図7
に示すようなT型断面のコンクリート棒部材20におい
て、具体化される。本実施例では、フランジ9とされる
対向配置した横部材と、両横部材の間に位置して両者を
つなげているウエブ1である垂直部材とで構成されたI
型断面のコンクリート棒部材10におけるコンクリート
補強方法を説明する。
【0032】斯かるコンクリート補強方法は、FRP格
子筋100を、クラックの起こりやすいコンクリート面
である桁10のウエブ1の側面であるウエブ面1aに取
りつけ、FRP格子筋100の側からウエブ面1aへと
セメントモルタル又はポリマーモルタル等のモルタル8
を塗付し、増厚する補強方法である。図3では最も外側
の桁にてモルタル8を塗付する前のウエブ面1aに固定
されたFRP格子筋100の状態を示している。
【0033】本実施例では、図8及び図9に示すFRP
格子材100を使用する。即ち、FRP格子材100
は、通常、直角に交差して格子状に配置された複数の補
強筋、即ち、縦補強筋101と横補強筋102とを備え
ている。各補強筋101、102は、主に炭素繊維、ガ
ラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維を一方向に並べ
て、ビニルエステル樹脂等のマトリックス樹脂を含浸さ
せた強化繊維を複数積層し、硬化して形成される。FR
P格子材100は筋幅(w)が2〜50mmで通常は1
0〜15mm、厚さ(t)が2〜50mmで通常は10
〜15mm、であり、格子間距離(W1)が1〜50c
mとされる。上述のように、各筋101、102は、互
いに直交して配置されるが、所望に応じて互いに90度
以外の所定の角度にて交差し、格子状となるように構成
することも可能である。
【0034】通常、強化繊維として炭素繊維を使用した
場合には、FRP格子材100は1000N/mm2
上の引張強度、100000N/mm2以上の引張弾性
率を有している。
【0035】又、このような構成のFRP格子材100
は、軽量で、耐食性であり、又、曲げ易く、施工性に優
れている。また、図9に示すように、筋101、102
の交差部分が他の筋部分と略同一平面上にあり、重ねて
もかさばらない。
【0036】本実施例のFRP格子材100に使用する
強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維
を含む無機繊維;ボロン、チタン、スチールなどの金属
繊維;アラミド、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロ
ン、PBО、高強度ポリプロピレンなどの有機繊維;な
どから選択されるいずれかの繊維であるか、或いは、前
記繊維を複数混入したハイブリッドタイプとし得る。マ
トリクス樹脂としては、ビニルエステル系樹脂、若しく
はポリエステル系樹脂若しくはポリカーボネイト樹脂等
の樹脂を使用することができる。
【0037】こうした軽量かつ高強度の連続繊維FRP
格子材100を用いているため、作業がしやすく安全
で、また大きなコンクリートひび割れ等の補強効果が期
待できる。
【0038】また、FRP格子材100はFRPにて作
製されるので錆びて腐食する心配がなく、施工後のメン
テナンスも容易である。
【0039】図1及び図2に、図3のウエブ面1aにお
けるFRP格子筋100の固定状態を示す。
【0040】FRP格子筋100を取り付ける前、本発
明に係るコンクリート構造物補強方法では、ウエブ面1
aをウォータージェットによって下地処理してウエブ面
1aのコンクリートの脆弱部を取り除き、表面積の大き
な面を作ってモルタル8の付着強度を強力にする。下地
処理をウォータージェットにすることによって、モルタ
ル8のウエブ面1aに対する付着力が強化され、FRP
格子筋100の補強筋の空いている部分から広い面積で
モルタル8とウエブ面1aが接着しているので、FRP
格子筋100がウエブ面1aに強力に貼りつけられて固
定されるといった効果がある。
【0041】なお、ウォータージェットの代わりにショ
ットブラスト又はサンドブラストを用いて下地処理をす
ることもできる。
【0042】本実施例では、ハンチ部2の間のウエブ面
1aへのFRP格子筋100の固定にはリベットアンカ
ー5を使用する。図1、図2に示されているように、本
実施例で用いられるリベットアンカー5は、図4(a)
に示すような、ステンレス製又は、スティール製の、ア
ンカーフランジ6’を一端に有する筒状のシャフト6、
及びシャフト6内孔を貫通するリベット芯7を有し、シ
ャフト6の外径hが3〜20mm、内径h’が2〜18
mm、長さLが5〜100mm、フランジ6’の頭径Hが
5mm〜100mmとされる。コンクリート面に打ち込
む時、図4(b)の状態から図4(c)の状態へと、リ
ベット芯7が筒状のシャフト6内孔に押し込まれる形式
でコンクリートへの固定を行うアンカーである。本実施
例では、図1のように、リベットアンカー5をFRP格
子筋100の升目の角部分、つまり補強筋101と10
2の交差部分付近のウエブ面1aに打ち込み、アンカー
フランジ6’で補強筋101と102をウエブ面1a方
向に押さえてFRP格子筋100を固定させる。本実施
例では、リベットアンカー5は取り付けられる桁10の
ウエブ面1a上で、ハンチ部分2に最も近い升目の角で
ウエブ面1aの部材軸方向に2升或いは3升ごとに打ち
込まれる。なお、リベットアンカー5の打ち込み位置は
これに限るものではない。
【0043】リベットアンカー5はシャフト6のコンク
リート面に打ちこまれる部分の外径hが3〜20mm
で、従来の足径10mm〜100mmのアンカーボルト
14の足よりも細いので、打ちこんでも桁10を構成す
る既設コンクリートや鉄筋、PC鋼材の損傷が少なく、
また、従来のねじ込み式であるアンカーボルト14に比
べて、リベットアンカー5は、シャフト6をリベット芯
7と一緒に打ち込むだけでウエブ面1aに取り付けら
れ、ねじ込みの必要がないので簡便に取り付けられる。
【0044】また、リベットアンカー5は打ちこんだ後
リベット芯7の表面頭部分が切り取られるので(図4
(b)状態から図4(c)状態になる。)、従来のアン
カーボルト14の頭や座金15のようなモルタル8方向
に突出する部分が少なくなり、モルタル8の増厚部分の
厚さが均一化され、ひび割れを防止することができる。
【0045】また、リベットアンカー5は図1、2では
I型断面のコンクリート桁に用いられているが、図7に
示されるようなT型断面のコンクリート桁についても使
用できる。
【0046】実施例2 図1及び図2に、図3のウエブ面1aにおけるFRP格
子筋100の固定状態を示す。本実施例にて桁10は図
2に示すようなI型断面とされ、FRP格子筋100は
桁10のウエブ面1aに取り付けられ、ウエブ面1a上
で、ウエブ1の部材軸方向に対して直角方向を上下方向
として、上下両側のフランジ9との境界部分に、上下方
向長さ10cm〜20cmのハンチ部2を有する。
【0047】この時、FRP格子筋100を取り付ける
前、実施例1に記載したように、ウエブ面1aをウォー
タージェットによって下地処理して、モルタル8の付着
強度を強力にする。
【0048】本実施例では、その下地処理時に、図1の
ように、ハンチ2の補強筋101定着部としてウォータ
ージェットで取付溝3を形成する。溝3の幅w’は、ウ
エブ1の上下方向の補強筋を縦補強筋101とした時、
「w’=縦補強筋101の幅w+(0mm〜50m
m)」で通常は「w’=縦補強筋101の幅w+(3m
m〜10mm)」であり、縦補強筋101がしっかりは
まり込むような広さの溝3で、奥行きdは、FRP補強
筋100の格子間距離W1の0.5倍〜5倍で通常は
0.5倍〜1倍、つまり、「d=(0.5〜5)×W
1」で通常は「d=(0.5〜1)×W1」ほどの奥行
きである。また、ハンチ部2を掘り下げた取付溝3のウ
エブ面1aに対して直角方向の深さ(t1)は、溝底部
がウエブ面1aと同一面にあることが好ましいが、50
mm以下の距離分だけならウエブ面1aより浮いた位置
か、掘り下げた位置でもよい。
【0049】一方、FRP格子筋100を、ウエブ面1
aを上下方向に横断する補強筋101が上下両端ハンチ
部2に50mm〜取付溝3の奥行きdの長さ分突出し
て、取付溝3に適度に差し込めるように作製しておく。
【0050】この取付溝3にFRP格子筋100の上下
方向の突出部分である格子筋101端部を差し込んで
(図1、図5)、取付溝3と補強筋101の隙間に接着
樹脂4を充填して、ハンチコンクリート2に補強筋10
1端部を固定して、FRP格子筋100を定着する。こ
の時、接着樹脂4が取付溝3に十分に充填される。
【0051】接着樹脂4は、ビニルエステル樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、常温硬化型エポ
キシ樹脂、熱硬化型エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹
脂、又は、MMAなどのラジカル反応系樹脂を少なくと
も一種以上含む接着樹脂である。
【0052】図1のように、FRP格子筋100が、ウ
エブ面1aの上下にわたってウエブ面1aの両外側のハ
ンチ部2にて、各縦格子筋101が取付溝3に挟まれた
状態で固定されているので、ウエブ1とフランジ9がそ
れらの境界に沿って左右に互いにスリップすることを防
止でき、それぞれのスリップ破壊を防ぐことができ、せ
ん断補強性が向上できる。
【0053】本実施例では、取付溝3はウォータージェ
ットによってハンチ部2を切削して形成するものとした
が、ハンチ部2を切削する手段はウォータージェットに
限るものではなく、カッター等を用いる方法でもよい。
【0054】本発明によると、上述のように、FRP格
子筋100を固定した側から、ウエブ面1aを、図5の
ように、ポリマーやセメント等のモルタル8を塗付して
所定の厚さT=3mm〜500mmで通常は10mm〜
500mmに増厚する。このことによって、取付溝3が
FRP格子筋100の補強筋101の両先端と共にモル
タル8に埋められ、しっかりとコンクリート面であるウ
エブ面1aに定着される。
【0055】つまり、ウォータージェットによってウエ
ブ面1aがはつられて下地処理されていることにより、
モルタル8とウエブ面1aとの付着強度が改善され、F
RP格子筋100の上下両端の補強筋101突出部を上
下のハンチ部2の取付溝3内に固定することにより、ハ
ンチ部2のコンクリートを表面から少量切削するだけで
FRP格子筋100を確実にコンクリートウエブ面1a
に固定することができ、高いせん断補強効果が得られ
る。下地処理は、ウォータージェットの代わりにショッ
トブラスト又はサンドブラストを使用することができ
る。
【0056】また、FRP格子筋100を固定する際、
図1、図2、図5に示すように実施例1で説明したリベ
ットアンカー5を用いれば、更に安定した補強ができ
る。
【0057】実施例3 本発明は、実施例1及び実施例2にて説明したI型断面
のコンクリート桁に限定されるものではなく、図6及び
図7に示すようなT字型断面のコンクリート棒部材20
においても具体化できる。
【0058】図6及び図7は、コンクリート桁20のウ
エブ面1aにおけるFRP格子筋100の固定状態を示
す。コンクリート棒部材20はフランジ部9とされる横
部材と、フランジ9の垂直下方向に延在した垂直部材で
あるウエブ1と、を有してT型断面形状に形成される。
本実施例では、ウエブ面1aの部材軸に対して直角方向
を上下方向として、ウエブ面1aの上側には、フランジ
9との境界部分にハンチ部2を有さない。
【0059】FRP格子筋100を取り付ける前、実施
例1に記載したように、ウエブ面1aをウォータージェ
ットによって下地処理して、モルタル8の付着強度を強
力にする。
【0060】本実施例では、実施例1、実施例2と同様
にウォータージェットによる下地処理を施したウエブ面
1aに、実施例1に記載したようにリベットアンカー5
を用いて、FRP格子筋100を固定している。
【0061】本実施例では、フランジ9における補強筋
101の先端部分の定着位置となるウエブ面との境界付
近にて取付孔3’が設けられている。
【0062】取付孔3’の幅w’は、ウエブ1上下方向
の補強筋を縦補強筋101とした時、「w’=縦補強筋
101の幅w+(0mm〜50mm)」で通常は「w’
=縦補強筋101の幅w+(3mm〜10mm)」で、
ウエブ面1aと直角方向の長さt’は、「t’=縦補強
筋101の厚さt+(0mm〜50mm)」で通常は
「t’=縦補強筋101の厚さt+(3mm〜10m
m)」、縦補強筋101がしっかりはまり込むような広
さの取付孔3’で、奥行きd’は、FRP補強筋101
の固定部分が格子間距離W1の0.5倍〜5倍で通常は
0.5倍〜1倍になるような奥行きである。
【0063】また、本実施例では、図7に示されるよう
に、FRP格子筋100を断面がU字状になるように曲
げて、桁20のT字断面の横部材であるウエブ1外周部
分全面、すなわち桁20のウエブ1とフランジ2の境界
部分から下方外周側面及び下面部分全面を覆う形に形成
硬化させる。この時、ウエブ面1aを上下方向に横断す
る補強筋101の断面で、U字上端の突出部分が50m
m以上で取付孔3’の奥行きd’より短い長さ分突出し
て、フランジ9部分のウエブ面1aとの境界に設けられ
た取付孔3’に適度に差し込めるようにする。
【0064】こうして断面がU字型に形成されたFRP
格子筋100は桁20の下方から、桁20のウエブ1部
分をU字内部にはめ込むように取り付け、両上端の補強
筋101突出部分が取付孔3’に差し込まれるようにす
る。
【0065】このように、FRP格子筋100の両上端
の突出部分である格子筋101端部を取付孔3’に差し
込んでから、取付孔3’と補強筋101の隙間に接着樹
脂4を充填して、ハンチコンクリート2に補強筋101
端部を固定して、FRP格子筋100を定着する。
【0066】本実施例では、桁20のウエブ1外周を覆
っているFRP格子筋を実施例2のようにリベットアン
カー5にて固定して、更にセメントやポリマー等のモル
タル8ウエブ面1aからウエブ1の下面に渡って塗付し
てT=3mm〜500mmで通常はT=10mm〜50
0mmに増厚する。
【0067】上記のように、ウエブ面1aとフランジ部
9との間にハンチ部を有さないT型断面のコンクリート
桁20においても、ウエブ面1aとの境界近くのフラン
ジ9部に取付孔を設けて、FRP格子筋100の補強筋
101端部突出部分を固定することで、実施例2に記載
したのと同様の効果が期待できる。
【0068】また、FRP格子筋100を断面がU字型
に形成してから桁20に設置する方法は、上記の方法に
限定されず、桁20にFRP格子筋100を直接設置す
ることも可能である。
【0069】ここまで、実施例2においては、ハンチ部
を有するコンクリート桁の補強について、また、本実施
例においては、図6及び図7を用いて、ウエブ1とフラ
ンジ9との間にハンチ部2を有さないコンクリート桁に
ついて、説明したが、本発明は、ハンチ部2の上下方向
の幅が十分ではないI型断面及びT型断面のコンクリー
ト桁の補強にも有効である。
【0070】ハンチ部2が設けられる場合は、FRP格
子筋100の固定はハンチ部2に設けられた取付溝3の
奥行き方向突き当たり部分のフランジ9に、取付孔3’
が設けられる。この場合は、接着樹脂4が取付孔3’及
び取付溝3に十分に充填され、上記の記載したものと同
様の効果が得られる。
【0071】なお、実施例2、3のように、FRP格子
筋100のウエブ面上端及び/又は下端に取付溝3や取
付孔3’を設けた場合の、FRP格子筋100の固定
は、実施例1に記載された、リベットアンカー5を用い
る方法によって、桁を構成する既設コンクリートや鉄
筋、PC鋼材に損傷を与えることなしに、FRP格子筋
の固定が簡易にしっかりと行え、好適であるが、従来の
アンカーボルト14と座金15を用いることもできる。
【0072】また、実施例1〜4にて、本発明が具体化
されるコンクリート棒部材としてコンクリート桁におい
て説明したが、コンクリート棒部材としては、例えば、
コンクリート柱等の他のコンクリート棒部材においても
具体化することができる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るコンク
リート構造物補強方法は、繊維強化樹脂とされる複数の
補強筋を格子状に配置して形成されたFRP格子筋をI
型断面又はT型断面のコンクリート棒部材のウエブ面に
固定して、固定されたFRP格子筋の側からセメントモ
ルタルか、または、ポリマーモルタルを塗付して増厚す
る、コンクリート構造物を補強する方法を改良して、ウ
エブ面をウォータージェット、ショットブラスト、又は
サンドブラストを用いて下地処理し、(A)FRP格子
筋は、リベットアンカーを使用して、ウエブ面に固定さ
れるか、又は、(B)ウエブ面の部材軸方向に対して直
角方向を上下方向とした時、ウエブ面の上端及び/又は
下端に位置するハンチ部に取付溝を設け、及び/又は、
ウエブ面の上端及び/又は下端に位置するフランジ部に
取付孔を設け、前記FRP格子筋の上端及び/又は下端
の突出部分が、取付溝及び/又は取付孔内に接着樹脂に
て固定されるので、 (1)軽量かつ高強度の連続繊維FRP格子材を用いて
いるため、作業がしやすく安全で、またコンクリートの
大きな補強効果が期待でき、FRP格子材はFRPを原
料とするので錆びて腐食する心配がないので、施工後の
メンテナンスも容易である。 (2)ウォータージェット、ショットブラスト、又はサ
ンドブラストで既設コンクリート面をはつることによ
り、ポリマーやセメントのモルタルを増厚する補強方法
において、増厚モルタルと既設コンクリートの付着強度
が改善され、高いせん断補強効果が得られる。 (3)リベットアンカーを用いてFRP格子筋をウエブ
面に固定した場合には、従来の拡張アンカーとボルトナ
ットを用いる場合に比べ、桁を構成する既設コンクリー
トや鉄筋、PC鋼材に損傷を与えることなしに、FRP
格子筋の固定が簡易にしっかりと行え、アンカーの突出
長さを小さくしてモルタルのひび割れを防ぐことができ
る。 (4)コンクリート桁のウエブ面を補強する際に、FR
P格子筋の突出部分が、ウエブ面上端及び/又は下端
の、ハンチ部の取付溝及び/又はフランジ部の取付孔に
はめ込まれている場合には、桁のウエブとフランジ部分
とがスリップ破壊を起こすことなく、FRP格子筋を確
実にコンクリートウエブ面に固定でき、高いせん断補強
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート補強方法で、FRP格子
筋を固定したI型断面桁の正面図である。
【図2】本発明のコンクリート補強方法で、FRP格子
筋を固定したI型断面桁の断面図である。
【図3】本発明のコンクリート補強方法によって補強さ
れた高架橋桁の施工状態を示す斜視図である。
【図4】図4(a)本発明に使用されるリベットアンカ
ーの縦断面図で、図4(b)はコンクリート面に打ちこ
んだ状態で、図4(c)はコンクリート面に取付完了状
態を示す。
【図5】本発明のコンクリート補強方法による桁への施
工状態を示す斜視図である。
【図6】本発明のコンクリート補強方法で、FRP格子
筋を固定したT型断面桁の正面図である。
【図7】本発明のコンクリート補強方法で、FRP格子
筋を固定したT型断面桁の断面図である。
【図8】本発明のコンクリート補強方法に用いられるF
RP格子筋の斜視図である。
【図9】本発明のコンクリート補強方法に用いられるF
RP格子筋の交差部分拡大斜視図である。
【図10】従来のコンクリート補強方法の説明図で、図
10(a)は、鋼板接着工法、図10(b)は、連続繊
維シート工法、図10(c)は、増厚工法を示す。
【図11】従来のコンクリート補強方法で、図11
(a)は、FRP格子筋を固定した桁の正面図で、図1
1(b)は、断面図である。
【図12】従来のコンクリート補強方法によるコンクリ
ート面への施工状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ウエブコンクリート 2 ハンチコンクリート 3 取付溝 3’ 取付孔 4 充填接着樹脂 5 リベットアンカー 6 アンカーシャフト 6’ アンカーフランジ 7 リベット芯 8 モルタル 9 桁フランジ 10 I型断面の桁 20 T型断面の桁 100 FRP格子筋 101 縦補強筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舩野 浩司 福井県敦賀市若泉町3番地 株式会社日本 ピーエス内 (72)発明者 谷口 硯士 東京都中央区日本橋小舟町3−8 日鉄コ ンポジット株式会社内 (72)発明者 小林 朗 東京都中央区日本橋小舟町3−8 日鉄コ ンポジット株式会社内 Fターム(参考) 2E176 AA01 BB29

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化樹脂とされる複数の補強筋を格
    子状に配置して形成されたFRP格子筋をコンクリート
    面に固定して、固定された前記FRP格子筋の側からセ
    メントモルタルか、又は、ポリマーモルタルを塗付して
    増厚する、コンクリート構造物を補強する方法におい
    て、 前記FRP格子筋を固定する前記コンクリート面は、コ
    ンクリート棒部材のウエブ面であり、 前記FRP格子筋を固定する前に、前記ウエブ面をウォ
    ータージェット、ショットブラスト、又はサンドブラス
    トを用いて下地処理し、且つ、前記FRP格子筋は、リ
    ベットアンカーを使用して、前記ウエブ面に固定するこ
    とを特徴とするコンクリート構造物の補強方法。
  2. 【請求項2】 前記コンクリート棒部材は、前記フラン
    ジ部とされる対向配置した横部材と、前記両横部材間に
    位置した垂直部材とを有し、該垂直部材の両側面が前記
    ウエブ面を形成して、I型断面形状とされるか、又は、
    前記フランジ部とされる横部材と、該横部材より垂直下
    方向に延在した垂直部材を有し、該垂直部材が前記ウエ
    ブ面を形成して、T型断面形状とされることを特徴とす
    る請求項1のコンクリート構造物の補強方法。
  3. 【請求項3】 繊維強化樹脂とされる複数の補強筋を格
    子状に配置して形成されたFRP格子筋をコンクリート
    面に固定して、固定された前記FRP格子筋の側からセ
    メントモルタルか、又は、ポリマーモルタルを塗付して
    増厚する、コンクリート構造物を補強する方法におい
    て、 前記FRP格子筋を固定する前記コンクリート面は、コ
    ンクリート棒部材のウエブ面であり、 前記FRP格子筋を固定する前に、前記ウエブ面をウォ
    ータージェット、ショットブラスト、又はサンドブラス
    トを用いて下地処理し、且つ、前記ウエブ面の部材軸方
    向に対して直角方向を上下方向とした時、前記ウエブ面
    の上端及び/又は下端に位置するハンチ部に取付溝を設
    け、及び/又は、前記ウエブ面の上端及び/又は下端に
    位置するフランジ部には取付孔を設け、前記FRP格子
    筋の上端及び/又は下端の突出部分が、前記取付溝及び
    /又は前記取付孔内に接着樹脂にて固定されることを特
    徴とするコンクリート構造物の補強方法。
  4. 【請求項4】 前記コンクリート棒部材は、前記フラン
    ジ部とされる対向配置した横部材と、前記両横部材間に
    位置した垂直部材とを有し、該垂直部材の両側面が前記
    ウエブ面を形成して、I型断面形状とされ、前記FRP
    格子筋の上端及び/又は下端の突出部分が、前記取付溝
    及び/又は前記取付孔内に前記接着樹脂にて固定される
    ことを特徴とする請求項3のコンクリート構造物の補強
    方法。
  5. 【請求項5】 前記コンクリート棒部材は、前記フラン
    ジ部とされる横部材と、該横部材より垂直下方向に延在
    した垂直部材を有し、該垂直部材が前記ウエブ面を形成
    して、T型断面形状とされ、前記FRP格子筋が前記コ
    ンクリート棒部材の、前記垂直部材の前記ウエブ面を形
    成する両側面、及び前記垂直部材の下面をUの字型に閉
    合するように設置され、前記FRP格子筋の両上端の突
    出部分が、前記取付溝及び/又は前記取付孔内に前記接
    着樹脂にて固定されることを特徴とする請求項3のコン
    クリート構造物の補強方法。
  6. 【請求項6】 前記FRP格子筋は、リベットアンカー
    を使用して、前記ウエブ面に固定されることを特徴とす
    る請求項3〜5のいずれかの項に記載のコンクリート構
    造物の補強方法。
  7. 【請求項7】 前記FRP格子筋の前記突出部分は、前
    記FRP格子筋を構成する前記補強筋のうち、前記ウエ
    ブ面を上下方向に横断する方向に配置された補強筋の上
    端及び/又は下端の突出部であることを特徴とする請求
    項3〜6のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の
    補強方法。
  8. 【請求項8】 前記取付溝及び前記取付孔の幅は、前記
    FRP格子筋の前記補強筋の幅+(0mm〜50mm)
    で、奥行きは前記FRP格子筋の1升の格子間距離の
    0.1倍〜5倍であることを特徴とする請求項7のコン
    クリート構造物の補強方法。
  9. 【請求項9】 前記取付溝の溝底部又は前記取付孔の下
    端部は、前記ウエブ面と同一平面上にあるか、或いは前
    記ウエブ面から50mm以下の距離だけ浮かせた位置
    と、前記ウエブ面から50mm以下の深さ分掘り下げた
    位置と、の間にあることを特徴とする請求項3〜8のい
    ずれかの項に記載のコンクリート構造物の補強方法。
  10. 【請求項10】 前記取付溝又は前記取付孔が、前記ウ
    エブ面の下地処理時に前記ウォータージェットによって
    設けられることを特徴とする請求項3〜9のいずれかの
    項に記載のコンクリート補強方法。
  11. 【請求項11】 前記FRP格子筋を前記ハンチ部の前
    記取付溝内又は前記フランジ部の前記取付孔内に固定す
    る前記接着樹脂は、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエ
    ステル樹脂、ポリアミド樹脂、常温硬化型エポキシ樹
    脂、熱硬化型エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、又
    は、MMAなどのラジカル反応系樹脂を少なくとも一種
    以上含むことを特徴とする請求項3〜10のいずれかの
    項に記載のコンクリート構造物の補強方法。
  12. 【請求項12】 固定された前記FRP格子筋の表面に
    塗付される前記セメントモルタルか、または、前記ポリ
    マーモルタルによる補強層の厚さが3mm〜500mm
    であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかの項
    に記載のコンクリート構造物の補強方法。
  13. 【請求項13】 前記補強筋は、互いに1〜50cm離
    間して格子状に配置されることを特徴とする請求項1〜
    12のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の補強
    方法。
  14. 【請求項14】 前記補強筋は、幅が2〜50mm、厚
    さが2〜50mmとされることを特徴とする請求項1〜
    13のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の補強
    方法。
  15. 【請求項15】 前記繊維強化樹脂は強化繊維にマトリ
    クス樹脂を含浸して形成され、前記強化繊維は、炭素繊
    維、ガラス繊維、セラミックス繊維を含む無機繊維;ボ
    ロン、チタン、スチールなどの金属繊維;アラミド、ポ
    リエステル、ポリエチレン、ナイロン、PBО、高強度
    ポリプロピレンなどの有機繊維;などから選択されるい
    ずれかの繊維であるか、或いは、前記繊維を複数種混入
    したハイブリッドタイプとされ、また、前記マトリクス
    樹脂は、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹
    脂、ポリアミド樹脂、常温硬化型エポキシ樹脂、熱硬化
    型エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、又は、MMA
    などのラジカル反応系樹脂を少なくとも一種以上含むこ
    とを特徴とする請求項1〜14のいずれかの項に記載の
    コンクリート構造物の補強方法。
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