JP2020100976A - Pc箱桁橋のせん断補強工法 - Google Patents

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【課題】PC鋼棒の断裂による飛び出し事故を確実に防止することができるとともに、施工が短時間で安価に行えるPC箱桁橋のせん断補強工法を提供する。【解決手段】箱桁のウェブ部12にPC鋼棒14が配置されてプレストレスが付与されたPC箱桁橋1のせん断補強工法において、PC鋼棒14が負担するウェブ部12のせん断応力を負担可能な新たなせん断補強をウェブ部12の片側又は両側に行うせん断補強工程と、PC鋼棒14に付与されたプレストレスを弛緩もしくは解除するプレストレス解除工程と、を実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、PC箱桁橋のせん断補強工法に関するものであり、詳しくは、PC箱桁橋のPC鋼棒のプレストレスを弛緩又は解除して代わりに他のせん断補強を施工するPC箱桁橋のせん断補強工法に関する。
従来、曲げモーメントによる大きな圧縮力に抵抗できることや補強材などが配置しやすい断面の特性から、主桁の断面形状を箱形としてその側面にPC鋼棒を鉛直方向や斜めに配置してポストテンション方式によりプレストレスが付与されたPC箱桁橋が知られている。
例えば、特許文献1には、せん断力に抵抗するために箱桁のウェブ41にPC鋼棒である緊張材43が鉛直方向に配置されてプレストレスが付与されたPC箱桁橋が開示されている(特許文献1の明細書の段落[0032]、図面の図10等参照)。
しかし、特許文献1に記載のPC箱桁橋をはじめ、この種のPC鋼棒でプレストレスが付与されたPC箱桁橋は、経年劣化により、プレストレスが減少したり、破断してPC鋼棒の一部が床版から飛び出したりする事故のおそれもあった。
特に、PC箱桁橋などの橋梁は、広い道路を跨ぐ高架橋として構築され、下方を鉄道や他の道路が走っている状況となっていることが多く、破断して飛び出したPC鋼棒の一部が下方に落下し、道路を通行している人や自動車、列車に当たるという大事故に繋がる危険性があった。
従来では、このような問題には、破断してもPC鋼棒が飛び出さないように、道路面側に繊維材を貼り付けるなど、対処療法でしか無い解決方法しか存在しなかった。例えば、特許文献2には、プレストレストコンクリート橋梁11の定着具16と支圧板が密着する程度の低い張力で緊張した外ケーブル13を配設したプレストレストコンクリート橋梁構造10であって、前記外ケーブルを緊張する緊張機構14と、前記外ケーブルの張力変動を検出する検出手段15とを設け、前記検出手段が前記外ケーブルの張力を定量的にモニタリングするプレストレストコンクリート橋梁構造が開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0011]〜[0021]、図面の図1〜図5等参照)。
しかし、特許文献2に記載のプレストレストコンクリート橋梁構造は、確かに、既設橋梁のPC鋼材が破断したことを知ることはできるものの、常に監視する必要がありランニングコストが嵩むうえ、前述のように、対処療法の域を出ず、根本的な解決方法では無かった。
これらに鑑み、本発明の発明者らは、経年劣化により破断して床版から飛び出すおそれのあるPC鋼材のプレストレスを予め弛緩又は解除して代わりに他のせん断補強を施工することを考え出した。PC箱桁橋の側面部分をせん断補強する方法としては、(1)鋼板接着工法、(2)PC補強工法、(3)繊維補強工法等が考えれる。
しかし、(1)鋼板接着工法は、鋼板が重く、クレーンなどの揚重機が必要であり施工性が悪いという問題があった。また、補強工事により構造設計時よりPC箱桁橋の自重が増えてしまい、橋脚や支承等悪影響があるという問題があった。
また、(2)PC補強工法は、外ケーブルの形状等を安定させるために、定着部や偏向部を設ける必要があり、施工性が悪く、工期が長くなるという問題があった。
さらに、(3)繊維補強工法では、繊維補強として一般的な炭素繊維を使用する場合、補強後の補強繊維の経年劣化の状況を目視で確認できないという問題があった。また、補強繊維は、端部の定着方法により全体の強度が決まってしまいせっかくの補強繊維の繊維強度が生かし切れていないという問題もあった。その上、炭素繊維の定着方法として知られているCFアンカーは、施工手順に手間がかかり施工期間が増大して工費も増大してしまうという問題があった。
例えば、PC箱桁橋では無いが、橋梁を補強繊維でせん断補強する方法としては、特許文献3に、FRP格子筋をコンクリート棒部材に固定後、セメントやポリマーのモルタルを増厚する増厚工法において、前記FRP格子筋を固定する前記コンクリート面は、コンクリート棒部材のウエブ面であり、前記FRP格子筋を固定する前に、前記ウエブ面をウォータージェット、ショットブラスト、又はサンドブラストを用いて下地処理し、且つ、前記FRP格子筋は、リベットアンカーを使用して、前記ウエブ面に固定するコンクリート補強方法が開示されている(特許文献3の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0031]〜[0045]、図面の図1〜図5等参照)。
しかし、特許文献3に記載のコンクリート補強方法も、下地処理等に手間や時間がかかり、前述の繊維補強工法の問題点を解決することができるものでは無かった。
特開2006−112189号公報 特開2012−127053号公報 特開2002−129753号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、PC鋼棒の断裂による飛び出し事故を確実に防止することができるとともに、施工が安全に短時間で安価に行えるPC箱桁橋のせん断補強工法を提供することにある。
請求項1に係るPC箱桁橋のせん断補強工法は、箱桁のウェブ部にPC鋼棒が配置されてプレストレスが付与されたPC箱桁橋のせん断補強工法であって、前記PC鋼棒が負担するウェブ部のせん断応力を負担可能な新たなせん断補強を前記ウェブ部の片側又は両側に行うせん断補強工程と、前記PC鋼棒に付与されたプレストレスを弛緩又は解除するプレストレス解除工程と、を有することを特徴とする。
請求項2に係るPC箱桁橋のせん断補強工法は、請求項1に係るPC箱桁橋のせん断補強工法において、前記プレストレス解除工程では、前記PC鋼棒を切断して除去することを特徴とする。
請求項3に係るPC箱桁橋のせん断補強工法は、請求項1又は2に係るPC箱桁橋のせん断補強工法において、前記せん断補強工程では、補強繊維を用い、その補強繊維の端部の前記ウェブ部への定着を、前記補強繊維に鋼板を接着し、その鋼板をコンクリート躯体に固定することで行うことを特徴とする。
請求項4に係るPC箱桁橋のせん断補強工法は、請求項3に係るPC箱桁橋のせん断補強工法において、前記せん断補強工程では、前記ウェブ部に補強繊維を所定間隔を置いて縞状に配置することを特徴とする。
請求項5に係るPC箱桁橋のせん断補強工法は、請求項3又は4に係るPC箱桁橋のせん断補強工法において、前記せん断補強工程では、軸方向力を拘束しないように前記鋼板を離間して設置することを特徴とする。
請求項6に係るPC箱桁橋のせん断補強工法は、請求項5に係るPC箱桁橋のせん断補強工法において、前記せん断補強工程では、後施工アンカーを用いて前記鋼板をコンクリート躯体に固定し、前記鋼板の自重を後施工アンカーで負担させていることを特徴とする。
請求項7に係るPC箱桁橋のせん断補強工法は、請求項5に係るPC箱桁橋のせん断補強工法において、前記せん断補強工程では、前記鋼板として偏心ヘッド付き鋼板を用い、当該偏心ヘッド付き鋼板の偏心ヘッドを前記コンクリート躯体に埋設して経時硬化材で固着することにより、前記補強繊維の端部の前記ウェブ部への定着を前記偏心ヘッド付き鋼板で上から押さえ付けて止付けていることで行うことを特徴とする。
請求項1〜7に係る発明によれば、プレストレス解除工程を有するので、PC鋼棒の断裂による飛び出し事故を確実に防止することができる。
特に、請求項2に係る発明によれば、PC鋼棒を切断して除去するので、PC鋼棒の断裂による飛び出し事故のおそれを完全に払拭することができる。
特に、請求項3に係る発明によれば、補強繊維に鋼板を接着し、その鋼板をコンクリート躯体に固定することで行うので、折り曲げ等に弱いという補強繊維の弱点を鋼板で補って定着させることができる。このため、補強繊維の強度を最大限に発揮して、端部の定着方法により全体の補強強度が決まってしまいせっかくの補強繊維の繊維強度が生かし切れていないという問題を解消することができる。それに加え、請求項3に係る発明によれば、せん断補強工事の施工が安全かつ短時間に行うことができる。このため、施工費を低減することができる。
特に、請求項4に係る発明によれば、ウェブ部に補強繊維を所定間隔を置いて縞状に配置するので、補強繊維が不透明な炭素繊維であったとしても、ウェブ部のおけるひび割れ等の発生の有無等を目視で確認することができる。
特に、請求項5に係る発明によれば、鋼板を離間して設置するので、軸方向力を拘束せず、鋼板や補強繊維に不要な応力が作用せず、ウェブ部に作用する水平方向のせん断力のみを負担することができる。このため、効果的にせん断補強を行うことができる。
特に、請求項6及び7に係る発明によれば、せん断補強工事の施工がさらに安全かつ短時間に行うことができるとともに、補強繊維の端部のウェブ部への定着を確実に行うことができる。
本発明の実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法を適用するPC箱桁橋の構成を示す鉛直断面図である。 同上のPC箱桁橋に本発明の実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法を適用してせん断補強を行った箱桁橋を示す鉛直断面図である。 同上の箱桁橋のウェブ部のせん断補強を水平方向に見た部分拡大側面図である。 同上の箱桁橋のウェブ部のせん断補強の上端付近を示す部分拡大鉛直断面図である。 (a)は、同上の箱桁橋のウェブ部のせん断補強の変形例を示す部分拡大鉛直断面図であり、(b)は、偏心ヘッド付き鋼板のみを水平方向に見た立面図である。 本発明の別の実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法として桁のウェブの内側にせん断補強を行った箱桁橋を示す鉛直断面図である。
以下、本発明に係る床版防水層施工システム及び床版防水層施工方法の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図5を用いて、本発明の実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法について説明する。先ず、本実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法を適用するPC箱桁橋について簡単に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法を適用するPC箱桁橋の構成を示す鉛直断面図である。
本発明を適用する前提条件は、箱桁のウェブ部にPC鋼棒が配置されてプレストレスが付与された図1に示すPC箱桁橋1において、発錆などの経年劣化等によりにPC鋼棒に負荷されたプレストレスが少なくとも設計時に想定した値より低下していることである。このため、本実施形態では、箱桁のウェブ部にPC鋼棒が鉛直方向に沿って配置されたPC箱桁橋1のプレストレスが設置時より低下していることを想定して説明する。
図1に示すように、PC箱桁橋1は、上床版部10と下床版部11とこれらを繋ぐ左右一対のウェブ部12など、から構成されている。このPC箱桁橋1は、これらの上床版部10と下床版部11とウェブ部12とで囲まれた空間が中空部13となっている。
そして、一対のウェブ部12には、水平力に対抗するせん断補強としてPC鋼棒14(PC鋼材)が挿通されて、このPC鋼棒14にプレストレスが負荷されている。しかし、このプレストレスが経年劣化等により設計時に想定した値より低下している状態となっている。
(せん断補強工程)
本発明の実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法では、PC鋼棒14が負担するウェブ部12のせん断応力を負担可能な新たなせん断補強を行うせん断補強工程を行う。ここで、PC鋼棒14が負担するウェブ部12のせん断応力を負担可能とは、構造設計時に、PC鋼棒14がウェブ部12に挿通されておらず、プレストレスが無かったとした場合でも、PC箱桁橋1に作用するせん断応力(水平力)に対抗できるせん断補強を行うことを指している。
図2は、図1のPC箱桁橋1に本発明の実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法を適用してせん断補強を行った状態を示す鉛直断面図である。また、図3は、せん断補強を行った箱桁橋1のウェブ部12を水平方向に見た部分拡大側面図であり、図4は、箱桁橋1のウェブ部12のせん断補強の上端付近を示す部分拡大鉛直断面図である。
図2〜図4に示すように、具体的には、本実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法では、先ず、接着材を用いて補強繊維をウェブ部12の両側の外面に接着する。勿論、PC鋼棒14の劣化の状況に応じて、ウェブ部12の片側の外面のみせん断補強を施してもよい。
なお、本実施形態では、補強繊維として炭素繊維2(カーボンファイバー)を用いる。但し、本発明に係る補強繊維は、炭素繊維に限られず、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、バサルト繊維等とすることもできる。
また、本工程では、炭素繊維2をコンクリートに接着する接着材は、アルカリ性に強いエポキシ樹脂を採用している。勿論、本発明に係る接着材は、エポキシ樹脂に限られず、アクリル樹脂やセメント系樹脂など、用いる補強繊維に応じて適宜選択すればよいことは云うまでもない。
本工程では、図3に示すように、ウェブ部12に炭素繊維2を所定間隔を置いて縞状に設置する。縞状に設置する理由は、目視によりPC鋼棒14が埋設されている部分やその他のウェブ部12の外面にひび割れ等の発生の有無を確認できるようにするためである。よって、PC鋼棒14が傾斜して斜めに設置されている場合は、炭素繊維2の縞も斜めとする。
また、炭素繊維2のコンクリート躯体への定着は、従来、CFアンカー等でなされていた。従来のCFアンカーは、高価である上、前述のように、本数を数えて広げるなど、施工に非常に手間がかかり、施工期間が増大して工費も増大してしまうという問題があった。その上、前述のように、CFアンカーの接着強度により全体のせん断補強の強度が決まってしまいせっかくの炭素繊維2の繊維強度が生かし切れていないという問題もあった。
そこで、本実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法では、図2〜図4に示すように、コンクリート躯体であるウェブ部12の外面への炭素繊維2の定着を、複数の鋼板3を介して行っている。具体的には、炭素繊維2の端部付近に鋼板3を接着材で接着し、その鋼板3をウェブ部12又は上床版部10や下床版部11などのコンクリート躯体に固定することにより行っている。これにより、炭素繊維2の個々の繊維に応力が集中して断裂することを防いでいる。このため、炭素繊維2の繊維強度を最大限に発揮させることができる。なお、炭素繊維2と鋼板3との接着は、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などの接着材が好ましい。
また、これらの鋼板3は、図3に示すように、ウェブ部12に作用する鉛直方向の軸方向力を拘束しないように目地を設けて所定間隔離間して設置する。このため、鋼板3や炭素繊維2に不要な応力が作用せず、炭素繊維2がウェブ部12に作用する水平方向のせん断力のみを負担することができる。勿論、目地の間隔は、作用する応力により鋼板3同士が別々に挙動しても互いに当接しない間隔であればよい。
鋼板3のコンクリート躯体への固定は、図4に示すように、山形鋼31を介して後施工アンカー30で上床版部10などのコンクリート躯体に固定する。山形鋼31の鋼板3への固定は、溶接やボルト止め等で取り付けられている。また、鋼板3のコンクリート躯体への固定は、ウェブ部12や下床版部11へ固定しても構わない。
ここで、この鋼板3のコンクリート躯体への固定は、重い鋼板3の自重を支える目的で行うものであり、後施工アンカー30もホールインアンカー等で足りる。なお、図示しないが、炭素繊維2の下端部分も同様に山形鋼31を介して後施工アンカー30で下床版部11などのコンクリート躯体に固定する。
図5(a)は、本実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法を適用した箱桁橋1のウェブ部12のせん断補強の変形例を示す部分拡大鉛直断面図であり、図5(b)は、偏心ヘッド付き鋼板のみを水平方向に見た立面図である。
図5に示すように、鋼板3のコンクリート躯体への固定の変形例としては、前述の鋼板3の端部の外側に偏心ヘッド3aを設けた偏心ヘッド付き鋼板3’で、炭素繊維2の端部を上から押さえ付けて止付けることが考えられる。
この偏心ヘッド付き鋼板3’は、図5(b)に示すように、鉄筋などの棒鋼3bの先端に棒鋼3bの軸心から外側に偏心した圧着グリップが嵌着されて偏心ヘッド3aとなっている。この偏心ヘッド付き鋼板3’のコンクリート躯体への固定は、偏心ヘッド3aを上床版部10などのコンクリート躯体に形成した凹部10aに挿入し、グラウトや樹脂等の経時硬化材(図示せず)で固めて固定する。
なお、図示形態のように、下方へ開口した凹部10aに固定する場合は、経時硬化材が固まるまでに落下しないように、充填する経時硬化材は、固練りモルタルや粘度の高い樹脂等を用いる。このように、偏心ヘッド3aを用いて固定することにより、剥がれ易い炭素繊維2の端部付近を強固にコンクリート躯体に固定することができ、せん断補強の効果を最大限に発揮させることができる。
以上説明した鋼板3のコンクリート躯体への固定により、せん断補強工程が終了する。
(プレストレス解除工程)
次に、本実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法では、PC鋼棒14に付与されたプレストレスを弛緩又は解除するプレストレス解除工程を行う。
具体的には、本工程では、PC鋼棒14又はその定着具部分を切断してプレストレスを解除する。このとき、PC鋼棒14を切断する際に、切断したPC鋼棒14の一部がプレストレスの張力が急に無くなって飛び出さないように防護ネットなどの防護措置を施すことが好ましい。勿論、PC鋼棒14の定着具部分を斫り出して、ジャッキ等で定着具部分を緩めてプレストレスを弛緩しても構わない。
要するに、本工程では、前述のようにPC鋼棒14を切断してプレストレスを解除するか、破断片が飛び出す事故が起こるおそれが無い程度にPC鋼棒14に付与されたプレストレスを弛緩する。
本工程の終了により、本実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法が終了する。
以上説明した本発明の実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法によれば、経年劣化等しているPC鋼棒14を切断して除去するので、PC鋼棒14の断裂による飛び出し事故のおそれを完全に払拭することができる。また、PC鋼棒14にかかるプレストレスを緩める場合も同様である。
また、本実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法によれば、補強繊維である炭素繊維2に鋼板3を接着し、その鋼板3を上床版部10などのコンクリート躯体に固定することでせん断補強を行う。このため、折り曲げ等の応力集中に弱いという炭素繊維2(補強繊維)の弱点を鋼板3で補って定着させることができる。よって、炭素繊維2の強度を最大限に発揮して、繊維強度が生かし切れていないという問題を解消することができる。それに加え、せん断補強工事の施工が安全かつ短時間に行うことができる。このため、施工費を低減することができる。
その上、本実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法によれば、所定間隔を置いてウェブ部12に不透明な炭素繊維2を縞状に配置するので、ウェブ部12におけるひび割れ等の発生の有無等を目視で確認することができる。
それに加え、本実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法によれば、鋼板3に目地を設けて離間して設置するので、軸方向力を拘束せず、鋼板3や炭素繊維2に不要な応力が作用しない。このため、炭素繊維2がウェブ部12に作用する水平方向のせん断力のみを負担することができ、効果的にせん断補強を行うことができる。
以上、本発明の実施形態に係るPC箱桁橋のせん断補強工法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
特に、接着材を用いて補強繊維をウェブ部12の外面に接着する場合を例示して説明したが、図6に示すように、補強繊維(炭素繊維2)をウェブ部12の内面に接着しても構わない。また、補強繊維(炭素繊維2)をウェブ部12の内面と外面の両面に接着してもよい。ウェブ部12の両面に補強繊維(炭素繊維2)を設ける場合は、接着だけでは、所望のせん断抵抗力を確保できない場合に特に有効である。
1:PC箱桁橋(箱桁橋)
10:上床版部
10a:凹部
11:下床版部
12:ウェブ部
13:中空部
14:PC鋼棒(PC鋼材)
2:炭素繊維(補強繊維)
3:鋼板
30:後施工アンカー
31:山形鋼
3’:偏心ヘッド付き鋼板(鋼板)
3a:偏心ヘッド
3b:鋼棒

Claims (7)

  1. 箱桁のウェブ部にPC鋼棒が配置されてプレストレスが付与されたPC箱桁橋のせん断補強工法であって、
    前記PC鋼棒が負担するウェブ部のせん断応力を負担可能な新たなせん断補強を前記ウェブ部の片側又は両側に行うせん断補強工程と、
    前記PC鋼棒に付与されたプレストレスを弛緩又は解除するプレストレス解除工程と、を有すること
    を特徴とするPC箱桁橋のせん断補強工法。
  2. 前記プレストレス解除工程では、前記PC鋼棒を切断して除去すること
    を特徴とする請求項1に記載のPC箱桁橋のせん断補強工法。
  3. 前記せん断補強工程では、補強繊維を用い、その補強繊維の端部の前記ウェブ部への定着を、前記補強繊維に鋼板を接着し、その鋼板をコンクリート躯体に固定することで行うこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載のPC箱桁橋のせん断補強工法。
  4. 前記せん断補強工程では、前記ウェブ部に補強繊維を所定間隔を置いて縞状に配置すること
    を特徴とする請求項3に記載のPC箱桁橋のせん断補強工法。
  5. 前記せん断補強工程では、軸方向力を拘束しないように前記鋼板を離間して設置すること
    を特徴とする請求項3又は4に記載のPC箱桁橋のせん断補強工法。
  6. 前記せん断補強工程では、後施工アンカーを用いて前記鋼板をコンクリート躯体に固定し、前記鋼板の自重を後施工アンカーで負担させていること
    を特徴とする請求項5に記載のPC箱桁橋のせん断補強工法。
  7. 前記せん断補強工程では、前記鋼板として偏心ヘッド付き鋼板を用い、当該偏心ヘッド付き鋼板の偏心ヘッドを前記コンクリート躯体に埋設して経時硬化材で固着することにより、前記補強繊維の端部の前記ウェブ部への定着を前記偏心ヘッド付き鋼板で上から押さえ付けて止付けていることで行うこと
    を特徴とする請求項5に記載のPC箱桁橋のせん断補強工法。
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