JP2002129344A - 無電解めっき装置 - Google Patents

無電解めっき装置

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JP2002129344A JP2000327798A JP2000327798A JP2002129344A JP 2002129344 A JP2002129344 A JP 2002129344A JP 2000327798 A JP2000327798 A JP 2000327798A JP 2000327798 A JP2000327798 A JP 2000327798A JP 2002129344 A JP2002129344 A JP 2002129344A
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浩二 三島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 めっき液の使用量を少なくでき、安定なめっ
きプロセスが維持でき、装置の小型化と低コスト化が図
れ、膜厚の面内均一性が図れる無電解めっき装置を提供
すること。 【解決手段】 被めっき面を上向きにして半導体基板W
を保持する保持手段11と、保持手段11に保持された
半導体基板Wの被めっき面の周囲をシールする堰部材3
1と、堰部材31でシールされた半導体基板Wの被めっ
き面に無電解めっき処理液を供給して溜めるシャワーヘ
ッド41と、半導体基板Wの下側に設置される裏面ヒー
タ15(15−1,15−2)とを具備する。裏面ヒー
タ15と半導体基板Wの間に気体を満たす隙間(均一温
度形成部17)を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板の配線
形成(シード層形成や、シード層の上にこれを補強する
目的で形成される補助シード層形成も含む)や配線保護
膜形成や拡散防止膜形成などに用いて好適な無電解めっ
き装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体基板上に配線回路を形成す
る材料としてアルミニウム又はアルミニウム合金が一般
に用いられてきたが、集積度の向上に伴い、より伝導率
の高い材料を配線材料に採用することが要求されてい
る。このため配線材料として銅又はその合金を用い、こ
れを半導体基板にめっき処理することで基板に形成され
た配線パターン用の溝に充填する方法が提案されてい
る。
【0003】配線パターン用の溝に銅又はその合金を充
填する方法としては、CVD(化学的蒸着)やスパッタ
リング等各種の方法が知られているが、金属層の材質が
銅又はその合金である場合、即ち、銅配線を形成する場
合には、CVDではコストが高く、またスパッタリング
では高アスペクト(パターンの深さの幅に対する比が大
きい)の場合に埋め込みが不可能である等の短所を有し
ており、めっきによる方法が最も有効だからである。
【0004】一方無電解めっき装置の中には、従来めっ
き工程やめっきに付帯する前処理工程や洗浄工程を行う
ユニットを複数設けて無電解めっき処理を行う無電解め
っき装置の代わりに、これらの各処理工程を一つのユニ
ットで行う無電解めっき装置が提案されている。図7は
この種の無電解めっき装置の概略構成を示す図である。
同図に示すようにこの無電解めっき装置は、モータMに
よって回転駆動される保持手段81上に載置・固定され
た半導体基板Wの周囲にカバー83を設置し、半導体基
板Wを点線で示す位置でモータMによって回転しながら
めっき液をめっき槽87からポンプPによって半導体基
板Wの上部中央に供給し、回転による遠心力でめっき液
を半導体基板Wの上面全体に広げてめっきを行いなが
ら、半導体基板Wから落ちためっき液をカバー83のめ
っき液回収部85からめっき槽87に戻して循環させ
る。
【0005】一方めっき終了後の半導体基板Wは同図に
実線で示す位置まで下降して回転し、図示しない洗浄水
供給手段から洗浄水を供給することでその表面からめっ
き液を洗い流して洗浄液回収部86に集めて排水する。
【0006】しかしながら上記従来の無電解めっき装置
においても以下のような各種問題点があった。 半導体基板の被めっき面に常時めっき液を滴下してい
るのでめっき液を大量に循環使用することとなってしま
う。また大量のめっき液を循環使用すると、大型ポンプ
が必要になり、ポンプの発熱による液温上昇に対する液
温維持装置が必要で装置コストが上昇するばかりか装置
が大型化し、ひいてはこの装置を収納するクリーンルー
ムコストが上昇してしまう。
【0007】めっき液を常時循環使用するので無電解
めっきの原理上、副生成物が系内に蓄積し、安定なめっ
きプロセスが維持できない。また安定なめっきプロセス
を得るためには、めっき液の分析及び液調整装置が必要
となり、装置コストの上昇及びクリーンルームコストの
上昇を招く。
【0008】めっき液を大量に循環使用するため各装
置構成部材からパーティクルが発生し易く循環経路内に
濾過装置Fを設置する必要が生じ、装置コスト上昇及び
クリーンルームコスト上昇を招く。
【0009】被めっき面上の一箇所のみに常時めっき
液を供給しながらめっきを行うと、めっき液を滴下して
いた部分のめっき膜厚が他の部分のめっき膜厚に比べて
薄くなることが実験で確かめられており、膜厚の面内均
一性が悪化する。これはめっき液を滴下した部分のみが
他の部分に比べてめっき液の流速や厚み等が異なること
でその反応状態が異なることが原因と考えられる。
【0010】無電解めっきを行わせるためには、被め
っき面とめっき液との反応面の温度を所定の一定温度に
維持しておく必要があるので、大量のめっき液をめっき
反応に最適な温度まで常時昇温させておく手だてが必要
となり、装置コストの上昇及びクリーンルームコストの
上昇を招き、且つめっき液を常時昇温させておくのでめ
っき液の劣化を促進してしまう。
【0011】常時半導体基板を回転させているので、
半導体基板の周速による放熱で温度降下が顕著になり安
定なめっきプロセスが得られない。
【0012】めっき液を滴下ではなく噴霧によって被
めっき面に供給しようとした場合は、めっき液の温度制
御が不確実になり安定なめっきプロセスが得られない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みてなされたものでありその目的は、めっき液の使用量
を少なくでき、安定なめっきプロセスが維持でき、装置
の小型化と低コスト化が図れ、膜厚の面内均一性が図
れ、さらに昇温によるめっき液の劣化を防止できる無電
解めっき装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め請求項1に記載の発明は、被めっき面を上向きにして
基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された
基板の被めっき面の周囲をシールするめっき液保持機構
と、前記めっき液保持機構でシールされた基板の被めっ
き面に無電解めっき処理液を供給して溜める無電解めっ
き処理液供給手段と、前記基板の下側に設置される加熱
手段とを具備し、前記加熱手段と基板の間に隙間(空
間)を設けたことを特徴とする。この隙間(空間)は、
気体又は液体が満たされることで均一温度形成部を構成
する。これによって少量の無電解めっき処理液で被めっ
き面の処理が行え、無電解めっき処理液供給用のポンプ
として小型のものが使用でき、無電解めっき装置のコン
パクト化が図れ、これを収納するクリーンルームコスト
の低減化も図れる。また使用する無電解めっき処理液が
少量なので無電解めっき処理液の昇温・保温が容易で即
座に行える。さらに加熱手段と基板の間に気体又は液体
を満たす隙間(均一温度形成部)を設けたので、加熱手
段として例えば線状ヒータをリング状(渦巻状)に配置
したもののように面の場所によって温度にバラツキが生
じる加熱手段を用いたとしても、隙間(均一温度形成
部)において面全体を同一温度にすることができ、基板
の各部の加熱温度を均一化できる。この無電解めっき装
置(以下の請求項2,3,4の無電解めっき装置も同
様)は、無電解めっき処理液として、前処理液、触媒処
理液、無電解めっき液などを取り替えて使用することが
でき、一連の無電解めっき工程を単一セルで実施でき
る。
【0015】請求項2に記載の発明は、被めっき面を上
向きにして基板を保持する保持手段と、前記保持手段に
保持された基板の被めっき面の周囲をシールするめっき
液保持機構と、前記めっき液保持機構でシールされた基
板の被めっき面に無電解めっき処理液を供給して溜める
無電解めっき処理液供給手段と、前記基板近傍に設置さ
れて基板全体を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の温
度を制御する温度制御手段とを具備し、前記加熱手段は
複数のゾーンに分割されると共に、前記温度制御手段に
よって各ゾーン毎に温度制御されることを特徴とする。
保持手段に保持して加熱された基板の冷却速度は各部で
異なる場合が多く、通常基板の外周から冷えていく。こ
のような場合はこの発明のように、加熱手段を複数のゾ
ーンに分割して各ゾーン毎に温度制御することが好まし
い。例えば加熱手段を基板中央に対向するゾーンと外周
部に対向するゾーンに分割し、外周部に対向するゾーン
の温度を基板中央に対向するゾーンの温度よりも高めに
することで、基板全体の温度を均一化する。
【0016】請求項3に記載の発明は、被めっき面を上
向きにして基板を保持する保持手段と、前記保持手段に
保持された基板の被めっき面の周囲をシールするめっき
液保持機構と、前記めっき液保持機構でシールされた基
板の被めっき面に無電解めっき処理液を供給して溜める
無電解めっき処理液供給手段と、前記基板近傍に設置さ
れる加熱手段と、前記無電解めっき処理液を供給された
基板の上を覆う蓋部材とを具備することを特徴とする。
無電解めっき処理中の基板上に蓋部材を載せることで、
無電解めっき処理液の蒸発、気流発生に伴う放熱を抑制
でき、より効果的な基板のめっきが行なえる。蓋部材は
無電解めっき処理液の液面と接触しても良いし、接触し
なくても良い。
【0017】請求項4に記載の発明は、前記無電解めっ
き処理液供給手段が、基板の被めっき面の上部に設置さ
れ、且つ前記無電解めっき処理液を供給された基板の上
を覆う形状に形成することで蓋部材を兼用していること
を特徴とする。無電解めっき処理液供給手段に蓋部材を
兼用させることにより、装置のコンパクト化・低コスト
化が図れる。
【0018】請求項5に記載の発明は、前記無電解めっ
き装置に、基板の被めっき面に溜めた無電解めっき処理
液を吸引回収する機構を設けたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。この実施形態にかかる無電解
めっき装置は、例えば半導体基板Wの表面に無電解銅め
っきを施して、銅層からなるシード層や配線を形成する
のに使用される。このめっき工程の一例を図1を参照し
て説明する。
【0020】半導体基板Wには、図1(a)に示すよう
に、半導体素子が形成された基板1の導電層1aの上に
SiO2からなる絶縁膜2が堆積され、リソグラフィ・エ
ッチング技術によりコンタクトホール3と配線用の溝4
が形成され、その上にTiN等からなるバリア層5、更
にその上に無電解銅めっきによってシード層7が形成さ
れる。なおシード層7はスパッタなどによって予め形成
しておき、このシード層7の上にこれを補強するために
補助シード層を無電解銅めっきによって形成する場合も
ある。そして図1(b)に示すように半導体基板W表面
に銅めっきを施すことで半導体基板Wのコンタクトホー
ル3及び溝4内に銅を充填させると共に、絶縁膜2上に
銅層6を堆積させる。その後化学的機械的研磨(CM
P)により絶縁膜2上の銅層6を除去して、図1(c)
に示すようにコンタクトホール3および配線用の溝4に
充填した銅層6の表面と絶縁膜2の表面とを略同一平面
にし、露出する金属表面の上に配線保護膜8を形成す
る。
【0021】図2は本発明の一実施形態を用いて構成さ
れる無電解めっき装置の概略構成図である。同図に示す
ようにこの無電解めっき装置は、被めっき部材である半
導体基板Wをその上面に保持する保持手段11と、保持
手段11に保持された半導体基板Wの被めっき面(上
面)の周縁部に当接して該周縁部をシールする堰部材
(めっき液保持機構)31と、堰部材31でその周縁部
をシールされた半導体基板Wの被めっき面にめっき液
(無電解めっき処理液)を供給するシャワーヘッド(無
電解めっき処理液(分散)供給手段)41と、保持手段
11の上部外周近傍に設置されて半導体基板Wの被めっ
き面に洗浄液を供給する洗浄液供給手段51と、排出さ
れた洗浄液等(めっき廃液)を回収する回収容器61
と、半導体基板W上に保持しためっき液を吸引して回収
するめっき液回収ノズル65と、前記保持手段11を回
転駆動するモータ(回転駆動手段)Mとを具備して構成
されている。以下各部材について説明する。
【0022】保持手段11はモータMによって回転駆動
されると共に、図示しない昇降手段によって上下動でき
るように構成されている。そしてこの保持手段11はそ
の上面を半導体基板Wを載置して保持する基板載置部1
3としている。この基板載置部13には半導体基板Wが
載置されて固定されるように構成されているが、基板載
置部13の半導体基板Wを載置する部分には円形で半導
体ウエハWの直径よりも少し小さい内径の凹状の均一温
度形成部17が設けられている。均一温度形成部17の
中央と周囲の所定位置にはそれぞれ温度センサ14が埋
め込まれている。これら温度センサ14は対向する半導
体基板Wの裏面温度を検知する例えば赤外線検知センサ
によって構成されている。一方保持手段11内部の均一
温度形成部17の下側には、半導体基板Wの被めっき面
を下面側から暖めて保温する裏面ヒータ(加熱手段)1
5−1,15−2が設置されている。裏面ヒータ15−
1,2は図3に示すように中央に設置される円板形状の
裏面ヒータ15−1と、その周囲を囲むように設置され
るリング状の裏面ヒータ15−2によって構成されてい
る。これら裏面ヒータ15−1,2は例えばラバーヒー
タによって構成されており、図3に示す温度制御手段2
0によってそれぞれ所定の温度となるように制御されて
いる。温度制御手段20には前記各温度センサ14から
の温度検知信号が入力される。
【0023】堰部材31は筒状であってその下部に半導
体基板Wの外周縁をシールするシール部33を設け、図
示の位置から上下動しないように設置されている。
【0024】シャワーヘッド41は、先端に多数のノズ
ルを設けることで、供給されためっき液をシャワー状に
分散して半導体基板Wの被めっき面に略均一に供給する
構造のものである。供給されるめっき液は、めっきに好
適な温度(例えば50℃)に加熱されていることが好ま
しい。このためめっき液供給源からシャワーヘッド(め
っき液供給手段)41までの配管は、保温性の高い部材
を用いることが好ましい。例えば配管を二重管構造にし
て中央の通路にめっき液を通し、外側の通路に保温部材
(例えば所定温度(例えば50℃)に昇温した空気等の
気体や水,温水等の液体等)を充填するなどである。昇
温した気体や液体を充填した場合は、めっき液供給源で
のめっき液温度が低くても配管中で加熱され、シャワー
ヘッド41に到ったときはめっきに好適な温度まで上昇
させることができる。一方洗浄液供給手段51は、ノズ
ル53から洗浄液を噴出する構造である。
【0025】めっき液回収ノズル65は上下動且つ旋回
できるように構成されていて、その先端が半導体基板W
上面周縁部の堰部材31の内側に下降して半導体基板W
上のめっき液を吸引するように構成されている。
【0026】次にこの無電解めっき装置の動作を説明す
る。まず図示の状態よりも保持手段11を下降して堰部
材31との間に所定寸法の隙間を設け、基板載置部13
上に半導体基板Wを載置・固定する。このとき均一温度
形成部17は塞がれる。半導体基板Wとしては例えばφ
8インチウエハを用いる。
【0027】次に保持手段11を上昇して図示のように
その上面を堰部材31の下面に当接し、同時に半導体基
板Wの外周を堰部材31のシール部33によってシール
する。このとき半導体基板Wの表面は開放された状態と
なっている。
【0028】次に裏面ヒータ15(15−1,2)によ
って半導体基板Wを空気層からなる均一温度形成部17
を介して加熱して例えば半導体基板Wの温度を70℃に
し(めっき終了まで維持する)、次にシャワーヘッド4
1から例えば50℃に加熱されためっき液を噴出して半
導体基板Wの表面の略全体にめっき液を降り注ぐ。各裏
面ヒータ15−1,15−2の加熱温度は、各温度セン
サ14が検出した半導体ウエハWの各部の温度に応じて
図3に示す温度制御手段20が制御する。例えば半導体
基板Wは通常中央部分よりも外周端の方が冷え易いが、
そのような場合は裏面ヒータ15−2の加熱温度を裏面
ヒータ15−1の加熱温度よりも少し高くなるように
し、これによって半導体基板Wの保温温度を各部均一に
保つ。
【0029】次に半導体基板W表面は堰部材31によっ
て囲まれているので、注入しためっき液は全て半導体基
板W表面に保持される。供給するめっき液の量は半導体
基板W表面に1mm厚(約30ml)となる程度の少量
で良い。なお被めっき面上に保持するめっき液の深さは
10mm以下であれば良く、この実施形態のように1m
mでも良い。本実施形態のように供給するめっき液が少
量で済めばこれを加熱する加熱装置も小型のもので良く
なる。そしてこの実施形態においては、半導体基板Wの
温度を70℃に、めっき液の温度を50℃に加熱してい
るので、半導体基板Wの被めっき面は例えば60℃にな
り、この実施形態におけるめっき反応に最適な温度にで
きる。このように半導体基板W自体を加熱手段によって
加熱するように構成すれば、加熱するのに大きな消費電
力の必要なめっき液の温度をそれほど高く昇温しなくて
も良いので、消費電力の低減化やめっき液の組成変化の
防止が図れ、好適である。なお半導体基板W自体の加熱
のための消費電力は小さくて良く、また半導体基板W上
に溜めるめっき液の量は少ないので、裏面ヒータ15に
よる半導体基板Wの保温は容易に行え、裏面ヒータ15
の容量は小さくて良く装置のコンパクト化が図れる。ま
た半導体基板W自体を直接冷却する手段をも用いれば、
めっき中に加熱・冷却を切替えてめっき条件を変化させ
ることも可能である。半導体基板上に保持されているめ
っき液は少量なので、感度良く温度制御が行える。
【0030】一方本実施形態においては、裏面ヒータ1
5と半導体基板Wの間に気体を満たす隙間(空間)から
なる均一温度形成部17を設けているが、均一温度形成
部17の熱容量は大きいので、たとえ裏面ヒータ15の
表面温度にバラツキがある場合でも、均一温度形成部1
7の各部の温度は均一温度になり、半導体ウエハWの裏
面を精度良く均一温度に加熱できる。なおこの実施形態
においては気体として空気を用いたが、不活性ガス等の
他の各種気体であっても良い。
【0031】そしてモータMによって半導体基板Wを瞬
時回転させて被めっき面の均一な液濡れを行い、その後
半導体基板Wを静止した状態で被めっき面のめっきを行
う。具体的には、半導体基板Wを1secだけ100r
pm以下で回転して半導体基板Wの被めっき面上をめっ
き液で均一に濡らし、その後静止させて1min間無電
解めっきを行わせる。なお瞬時回転時間は長くても10
sec以下とする。
【0032】上記めっき処理が完了した後、めっき液回
収ノズル65の先端を半導体基板Wの表面周縁部の堰部
材31内側近傍に下降し、めっき液を吸い込む。このと
き半導体ウエハWを例えば100rpm以下の回転速度
で回転させれば、半導体基板W上に残っためっき液を遠
心力で半導体基板Wの周縁部の堰部材31の部分に集め
ることができ、効率良く、且つ高い回収率でめっき液の
回収ができる。そして保持手段11を下降して半導体基
板Wを堰部材31から離し、半導体基板Wの回転を開始
して洗浄液供給手段51のノズル53から洗浄液(超純
水)を半導体基板Wの被めっき面に噴射して被めっき面
を冷却すると同時に希釈化・洗浄することで無電解めっ
き反応を停止させる。このときノズル53から噴射され
る洗浄液を堰部材31にも当てることで堰部材31の洗
浄を同時に行っても良い。このときのめっき廃液は、回
収容器61に回収され、廃棄される。
【0033】なお一度使用しためっき液は再利用せず、
使い捨てとする。前述のようにこの装置において使用さ
れるめっき液の量は従来に比べて非常に少なくできるの
で、再利用しなくても廃棄するめっき液の量は少ない。
なお場合によってはめっき液回収ノズル65を設置しな
いで、使用後のめっき液も洗浄液と共にめっき廃液とし
て回収容器61に回収しても良い。
【0034】そしてモータMによって半導体基板Wを高
速回転してスピン乾燥した後、保持手段11から取り出
す。
【0035】図4は本発明の他の実施形態を用いて構成
される無電解めっき装置の概略構成図である。なお説明
の都合上、図2に示した洗浄液供給手段51とめっき液
回収ノズル65の記載は省略している。この実施形態に
おいて図2に示す実施形態と相違する点は、半導体基板
Wの上を覆う蓋部材25を設置した点のみである。この
蓋部材25は堰部材31の上面を塞ぐ位置と、塞がない
位置とで移動自在に構成されており、通常は堰部材31
の上面を塞がない位置にあり、シャワーヘッド41によ
って半導体ウエハW上にめっき液が供給された後に堰部
材31の上面を塞ぐ図示の位置に移動する。
【0036】めっき液が供給された半導体ウエハW上を
蓋部材25で覆うことで、めっき液の蒸発、気流発生に
伴う放熱を抑制でき、無電解めっき時の温度管理をより
容易且つ精度良く行うことができる。なおこの実施形態
では半導体ウエハW上のめっき液と蓋部材25との間に
空間を設けているが、両者は接触しても良い(通常はめ
っき液の温度変化を防止するために両者は接触させない
方が良い)。
【0037】図5は本発明のさらに他の実施形態を用い
て構成される無電解めっき装置の概略構成図である。こ
の図においても図2に示す洗浄液供給手段51とめっき
液回収ノズル65の記載は省略している。この実施形態
において図4に示す実施形態と相違する点は、蓋部材2
5を独立した部材として設けず、シャワーヘッド41に
蓋部材25を兼用させた点である。すなわち半導体基板
Wの被めっき面の上部に位置するシャワーヘッド41を
上下動自在に構成し、且つシャワーヘッド41の外周に
板状の張り出し部26を設けることでシャワーヘッド4
1自体を半導体基板Wの上を覆う蓋部材25とした。こ
のように構成すれば、別途蓋部材25を設置しなくても
良いので、装置のコンパクト化、低コスト化が図れる。
【0038】図6は本発明のさらに他の実施形態を用い
て構成される無電解めっき装置の概略構成図である。こ
の図に示す実施形態において前記図2に示す実施形態と
相違する点は、凹状の均一温度形成部17を設ける代り
に、保持手段11の内部に中空の均一温度形成部17を
設け、その内部に液体(例えば水)を充填した点であ
る。このように構成しても、裏面ヒータ15と半導体基
板Wの間に熱容量の大きい液体を満たす隙間(空間)か
らなる均一温度形成部17が形成されるので、たとえ裏
面ヒータ15の表面温度にバラツキがある場合でも、均
一温度形成部17において各部の温度を均一温度にで
き、半導体ウエハWの裏面を精度良く均一温度に加熱で
きる。なおこの実施形態においては均一温度形成部17
内に水等の液体を充填したが、空気等の気体を充填して
も良い。またこの中空の均一温度形成部17内の液体を
外部に引き出す配管とポンプを取り付けることによっ
て、液体の入れ替えなどを行うようにしても良い。その
場合供給する液体温度は所定の温度に昇温させておくこ
とが好ましい。
【0039】以上本発明の実施形態を説明したが、本発
明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求
の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範
囲内において種々の変形が可能である。例えば本発明に
かかる無電解めっき装置は、シード層や配線用の銅層形
成に限られず、配線保護膜形成や拡散防止膜形成などに
も用いることができる。
【0040】さらに本発明にかかる無電解めっき装置
は、無電解めっきの前処理工程や触媒処理工程にも用い
ることができる。即ち例えば上記実施形態ではシャワー
ヘッド41から無電解めっき液を半導体基板Wの被めっ
き面に供給して無電解めっきを行わせたが、無電解めっ
き液の供給工程の前にシャワーヘッド41から無電解め
っきの前処理工程や触媒処理工程に用いる他の無電解め
っき処理液を供給することで、これらの処理工程も無電
解めっき工程と共にこの無電解めっき装置で行うことが
できる。
【0041】上記実施形態では被めっき面上にめっき液
を保持して静止させた状態でメッキしたが、めっきムラ
が生じない程度にゆっくりと回転させても良い。
【0042】また被めっき面にめっき液を分散して供給
可能であればシャワーヘッドに限ることはなく、例えば
揺動動作又は並進動作を行いながらめっき液を供給する
ノズルを設けても良い。
【0043】上記実施形態ではめっき後の洗浄工程にお
いて保持手段11を堰部材31から引き離した状態で洗
浄液を供給して洗浄を行ったが、保持手段11を堰部材
31から引き離さない状態のまま洗浄液を供給し、洗浄
液を堰部材31の上部の淵からオーバーフローさせるこ
とでその洗浄を行っても良い。洗浄液の供給によって内
部に残っためっき液が希釈化されると同時に液温が低下
し、これによって無電解めっきの反応は停止する。なお
保持手段11を下降させる代わりに堰部材31を引き上
げることで両者を引き離しても良い。
【0044】上記裏面ヒータ15によって半導体基板W
を加熱する際(特に加熱開始からめっき液を接液するま
での間)、半導体基板Wの被めっき面に酸化防止を目的
に不活性ガス、例えばアルゴン(Ar)ガスを吹き付け
ることが好ましい。半導体基板W表面に例えばスパッタ
等によるシード層が露出している場合は、これが加熱さ
れるとその表面が酸化する恐れがあるので、これを防止
してより膜厚の均質なめっき層を前記シード層上に形成
しようとするような場合に用いれば特に効果的である。
【0045】上記実施形態では半導体基板Wの加熱手段
として裏面ヒータ15を用いたが、基板近傍の他の位置
にヒータを設置してもよい。またヒータを用いると共
に、無電解めっきを行なう雰囲気の温度を無電解めっき
処理温度(反応面である被めっき面のめっきに好適な温
度)とほぼ同等にすることで、放熱を防止して処理温度
を一定に保つことができる。この場合は基板の周囲に加
熱した気体を供給するなどすればよい。
【0046】上記実施形態では基板の被めっき面上に供
給した無電解めっき処理液を接液させる工程として、基
板を瞬時回転する工程を用いたが、その他にも、要は基
板を動かすことや、供給した無電解めっき処理液を動か
すことによって無電解めっき処理液を被めっき面全体に
接液させる工程であればよい。即ち基板を動かす工程と
しては、例えば無電解めっき処理液が供給された基板を
振動させることや、揺動させる(揺り動かす)こと等で
あり、供給した無電解めっき処理液を動かす工程として
は、供給した無電解めっき処理液を掻き均し部材を用い
て掻き均すことや、液面に送風すること等である。
【0047】上記実施形態では半導体基板に無電解めっ
きする例を示したが、半導体基板以外の各種基板に無電
解めっきする場合にも適用できることは言うまでもな
い。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば以下のような優れた効果を有する。 被めっき面上に無電解めっき処理液を所定時間溜めて
保持することで被めっき面を処理するように構成したの
で、少量の無電解めっき処理液で被めっき面の処理が行
え、コスト低減が図れ、また無電解めっき処理液供給用
のポンプとして小型のものが使用でき、無電解めっき装
置のコンパクト化が図れ、これを収納するクリーンルー
ムコストの低減化も図れる。また使用する無電解めっき
処理液が少量なので無電解めっき処理液の昇温・保温が
容易で即座に行え、且つ大量の無電解めっき処理液を常
時昇温させておく必要がないので無電解めっき処理液の
劣化が促進されることもない。
【0049】使用する無電解めっき処理液の量が少な
くて良いので、そのまま廃棄してもコスト増加にはなら
ず、常に新規な無電解めっき処理液を使用できて処理液
組成を一定にでき、循環使用する場合に生じる副生成物
などが系内に堆積せず安定なめっき等の処理が容易に行
え、めっき液の液分析装置や液調整装置が不要になり、
装置コストの低減化及びクリーンルームコストの低減化
が図れる。また無電解めっき処理液を大量に循環使用し
ないので、各装置構成部材からパーティクルが発生しに
くく、濾過装置が不要になる。
【0050】無電解めっき処理液を被めっき面上に保
持して処理を行うので、無電解めっき処理液を被めっき
面上に滴下しながら処理を行う場合に比べて被めっき面
の各部の処理条件を同一にでき、形成されるめっき膜厚
の面内均一化が図れる。特に基板を静止させた状態で処
理を行えば、基板を回転しながら処理を行う場合に比べ
て基板の周速による放熱が生じず、温度降下せずに反応
温度の均一化が図れ、安定なプロセスが得られる。
【0051】加熱手段と基板の間に隙間(均一温度形
成部)を設けたので、加熱手段としてその表面の温度に
バラツキのある加熱手段を用いたとしても、隙間(均一
温度形成部)においてその全体を同一温度にすることが
でき、基板の各部の加熱温度を均一化できる。
【0052】加熱手段を複数のゾーンに分割し、各ゾ
ーン毎に温度制御するように構成したので、基板全体の
温度の均一化を図ることができる。
【0053】無電解めっき処理液を供給した基板の上
を蓋部材で覆うように構成したので、無電解めっき処理
液の蒸発、気流発生に伴う放熱を抑制でき、より効果的
な基板のめっきが行なえる。特に無電解めっき処理液供
給手段自体に蓋部材を兼用させれば、装置のコンパクト
化・低コスト化が図れる。
【0054】無電解めっき処理液として、前処理液、
触媒処理液、無電解めっき液などを取り替えて使用する
ことができ、従って一連の無電解めっき工程を単一セル
で実施可能となり、装置のコンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】めっき工程の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態を用いて構成される無電解
めっき装置の概略構成図である。
【図3】裏面ヒータ15−1,15−2の平面図であ
る。
【図4】本発明の他の実施形態を用いて構成される無電
解めっき装置の概略構成図である。
【図5】本発明の他の実施形態を用いて構成される無電
解めっき装置の概略構成図である。
【図6】本発明の他の実施形態を用いて構成される無電
解めっき装置の概略構成図である。
【図7】従来の無電解めっき装置の概略構成図である。
【符号の説明】
W 半導体基板(基板) 11 保持手段(基板保持手段) 13 基板載置部 15 裏面ヒータ(加熱手段) 17 均一温度形成部(隙間) 20 温度制御手段 25 蓋部材 31 堰部材(めっき液保持機構) 33 シール部 41 シャワーヘッド(無電解めっき処理液供給手段) 51 洗浄液供給手段 53 ノズル 61 回収容器 65 めっき液回収ノズル M モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 狩俣 努 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 中村 憲二 神奈川県藤沢市善行坂1−1−6 荏原ユ ージライト株式会社内 (72)発明者 松本 守治 神奈川県藤沢市善行坂1−1−6 荏原ユ ージライト株式会社内 Fターム(参考) 4K022 AA01 AA05 AA37 AA41 BA08 DA01 DB15 DB19 DB24 DB30 4M104 BB04 BB30 DD37 DD53 5F033 HH11 HH33 JJ01 JJ11 JJ33 KK01 MM02 MM12 MM13 NN06 NN07 PP15 PP28 PP33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被めっき面を上向きにして基板を保持す
    る保持手段と、 前記保持手段に保持された基板の被めっき面の周囲をシ
    ールするめっき液保持機構と、 前記めっき液保持機構でシールされた基板の被めっき面
    に無電解めっき処理液を供給して溜める無電解めっき処
    理液供給手段と、 前記基板の下側に設置される加熱手段とを具備し、 前記加熱手段と基板の間に隙間を設けたことを特徴とす
    る無電解めっき装置。
  2. 【請求項2】 被めっき面を上向きにして基板を保持す
    る保持手段と、 前記保持手段に保持された基板の被めっき面の周囲をシ
    ールするめっき液保持機構と、 前記めっき液保持機構でシールされた基板の被めっき面
    に無電解めっき処理液を供給して溜める無電解めっき処
    理液供給手段と、 前記基板近傍に設置されて基板全体を加熱する加熱手段
    と、 前記加熱手段の温度を制御する温度制御手段とを具備
    し、 前記加熱手段は複数のゾーンに分割されると共に、前記
    温度制御手段によって各ゾーン毎に温度制御されること
    を特徴とする無電解めっき装置。
  3. 【請求項3】 被めっき面を上向きにして基板を保持す
    る保持手段と、 前記保持手段に保持された基板の被めっき面の周囲をシ
    ールするめっき液保持機構と、 前記めっき液保持機構でシールされた基板の被めっき面
    に無電解めっき処理液を供給して溜める無電解めっき処
    理液供給手段と、 前記基板近傍に設置される加熱手段と、 前記無電解めっき処理液を供給された基板の上を覆う蓋
    部材とを具備することを特徴とする無電解めっき装置。
  4. 【請求項4】 前記無電解めっき処理液供給手段は、基
    板の被めっき面の上部に設置され、且つ前記無電解めっ
    き処理液を供給された基板の上を覆う形状に形成するこ
    とで蓋部材を兼用していることを特徴とする請求項3記
    載の無電解めっき装置。
  5. 【請求項5】 前記無電解めっき装置には、基板の被め
    っき面に溜めた無電解めっき処理液を吸引回収する機構
    を設けたことを特徴とする請求項1又は2又は3又は4
    記載の無電解めっき装置。
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