JP2008013851A - 回転保持装置及び半導体基板処理装置 - Google Patents

回転保持装置及び半導体基板処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】装置のイニシャルコスト、ランニングコストを低くでき、広い設置スペースを必要とせず、短い処理時間で銅又は銅合金による回路配線を形成でき、且つクロスコンタミネーションの原因となるエッジ・ベベル部に銅膜が残ることのない半導体基板処理装置を提供する。
【解決手段】回転軸線を中心に回転する回転部材と、回転部材の前記回転軸線を中心とした同一円周方向に沿って配置され該回転部材の回転に伴って公転する保持部材とを有し、保持部材は、該保持部材の軸心を中心に回動するように構成された回転保持装置で保持した半導体基板を洗浄する洗浄ユニットを有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、半導体ウエハ等の円板状部材(被回転体)を保持し回転させるための回転保持装置及び半導体基板処理装置に関するものである。
例えば、半導体ウエハは、その表面への銅めっき処理やCMP(化学的機械的研磨)処理の後に、洗浄処理が行われる。この洗浄装置は、通常、半導体ウエハを回転保持装置により水平に保持しながら回転させ、その上面の中心寄りに洗浄液を供給し、この洗浄液を遠心力によって半導体ウエハの上面の上を半径方向に拡散させることにより行う。
回転保持装置における半導体ウエハを保持する手段としては、半導体ウエハの周縁に複数の保持部材を係合させて行うのが一般的である。
しかし、このような回転保持装置においては、半導体ウエハを保持回転する間、保持部材は半導体ウエハの周縁の一定個所だけに係合するため、その係合個所には、上記洗浄液が十分に行き渡らず、適正な洗浄処理ができない虞があった。
これに対して、例えば3個の保持部材からなる保持部材の組を2組用意し、回転保持装置の回転に応じて、それぞれ別の組の保持部材により保持するようにし、すなわち、半導体ウエハを保持する保持部材の切替えを行うことにより、上記の如き問題を解消する試みがなされている。しかし、そのような方法では、半導体ウエハを保持する保持部材の数が少ないため、保持力が弱くなり半導体ウエハのスリップを生じ、保持部材が摩耗されてパーティクルが生じ、半導体ウエハの汚染につながる虞があった。
半導体基板上に配線回路を形成するための材料としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金が一般に用いられているが、半導体デバイスの集積度の向上に伴い、より導電率の高い材料を配線材料に採用することが要求されている。このため、回路パターン溝及び/又は穴が形成された半導体基板面にめっき処理を施して、該回路パターン溝及び/又は穴にCu(銅)又はその合金を充填し、該充填した部分を除いて該Cu又はその合金を除去し、回路配線を形成する方法が提案されている。
上記回路配線を形成する方法を図1(a)〜(c)に基づいて説明する。半導体基板Wには、図1(a)に示すように、半導体素子が形成された半導体基体101上に導電層101aが形成され、該導電層101aの上にSiOからなる絶縁膜102が堆積され、リソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール103と配線用の溝104が形成され、その上にTiN等からなるバリア層105、更にその上に電解めっきの給電層としてシード層107が形成されている。
そして、図1(b)に示すように、半導体基板Wの表面にCuめっきを施すことで、半導体基体101のコンタクトホール103及び溝104内にCuを充填させると共に、絶縁膜102上にCuめっき膜106を堆積させる。その後、化学的機械的研磨(CMP)により、絶縁膜102上のCuめっき膜106及びバリア層105を除去し、コンタクトホール103及び配線用の溝104に充填させたCuめっき膜106の表面と絶縁膜102の表面とを略同一平面にする。これにより、図1(c)に示すようにCuめっき膜106からなる配線が形成される。
ここで、バリア層105は絶縁膜102のほぼ全面を覆うように形成され、シード層107はバリア層105のほぼ全面を覆うように形成されるため、図2に示すように、半導体基板Wのベベル(外周部)にシード層107である銅膜が存在したり、また図示しないが、半導体基板Wのベベルの内側のエッジ(外周部)に銅が成膜され研磨されずに残ることがある。
銅は、例えばアニール等の半導体製造工程において、絶縁膜102中に容易に拡散し、その絶縁性を劣化させたり、次に成膜する膜との接着性が損なわれ、そこから剥離する原因ともなり得るので、少なくとも成膜前に、基板から完全に除去することが要求されている。しかも、回路を形成した部分以外の基板の外周部に成膜または付着した銅は不要であるばかりではなく、その後の半導体基板Wの搬送、保管・処理の工程において、クロスコンタミネーションの原因ともなり得るので、銅の成膜工程やCMP工程直後に完全に除去する必要がある。ここで外周部とは、半導体基板Wのエッジ及びベベルを合わせた領域、若しくはエッジおよびベベルのいずれかの部分を云う。またエッジとは基板の外周端から5mm位の半導体基板Wの表裏面の部分を云い、ベベルとは半導体基板Wの側面部及び外周端から0.5mm以内の断面が曲線を有する部分を云う。
最近、銅配線用のCuめっきを行うめっき装置及び化学的機械的研磨を行うポリッシング装置において、それぞれ基板を乾燥状態で入れ乾燥状態で出す、所謂ドライイン・ドライアウトの構成が採用されている。装置の構成としては、それぞれの加工工程、例えばめっきや研磨を行った後に、洗浄ユニット及びスピン乾燥ユニットにより、パーティクルを除去し、乾燥した状態で半導体基板をそれぞれの装置から取り出すようにしている。このように、めっき装置及びポリッシング装置には、共通した工程が多く、本来連続した工程であるため、装置のイニシャルコスト、ランニングコストが高くなり、両装置を設置するための設置スペースを広く必要とし、長い処理時間を必要とするという問題があった。
現在、半導体デバイスの牽引役は、ワークステーションやパソコンなどからディジタル情報家電機器(ゲーム機、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、DVD、カーナビゲーション機器、ディジタルビデオカメラ等)に変化しつつある。そこで、LSI製造においても、パソコン等で使用されている汎用LSIからディジタル情報家電機器が要求されるシステムLSIへの変化に対応していく必要がある。
これらのシステムLSIは、汎用LSIに比べて、多品種、少量生産、生産台数の変動が大きく、製品寿命が短いという特徴がある。また、ディジタル情報家電機器の機器コストを抑えるためには、LSIの製造コストの削減は必須である。半導体製造工場においても、大規模ラインの発想から小規模ラインを多種類もつこと、および生産量より生産工期を最小にすることが求められる。これに対応して、今後の半導体デバイスの製造には機器メーカのニーズにすばやく対応し、なるべく速く生産ラインにのせることが要求され、また需要の変化も激しいため、フレキシブルに機能変更ができ、或いは装置の更新できることが要求される。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、装置のイニシャルコスト、ランニングコストを低くでき、広い設置スペースを必要とせず、短い処理時間で銅又は銅合金による回路配線を形成でき、且つクロスコンタミネーションの原因となるエッジ・ベベル部に銅膜が残ることのない半導体基板処理装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、ディジタル情報家電機器に使用されるシステムLSIのように、多品種、少量生産、生産台数の変動が大きく、製品寿命が短いものを製造する小規模で且つフレキシブルに機能の変更、或いは装置の更新ができる、製造ラインに好適な半導体基板処理装置を提供することを目的とする。
更に、本発明は、例えば、半導体ウエハ等の被回転体を洗浄処理するときに、この洗浄処理に用いられる洗浄液等を被回転体の周縁の全ての部分に行き渡らせることができ、しかも被回転体を確実に保持して、パーティクルの発生を防止できるようにした回転保持装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の半導体基板処理装置は、表面に回路が形成された半導体基板を乾燥状態で搬出入する搬出入部と、搬入された半導体基板上に金属めっき膜を形成する金属めっき膜成膜ユニットと、前記半導体基板上の金属めっき膜の少なくとも一部を研磨する研磨ユニットと、回転軸線を中心に回転する回転部材と、前記回転部材の前記回転軸線を中心とした同一円周方向に沿って配置され該回転部材の回転に伴って公転する保持部材とを有し、前記保持部材は、該保持部材の軸心を中心に回動するように構成された回転保持装置で保持した半導体基板を洗浄する洗浄ユニットと、前記半導体基板を前記ユニット間で搬送する搬送機構を具備することを特徴とする。
半導体基板処理装置を上記のように構成することにより、表面に配線パターン用の溝及び/又は穴が形成され、その上にバリア層、給電シード層が形成された半導体基板に、金属めっき膜を施し、該金属めっき膜を研磨除去し、洗浄乾燥して回路配線を形成する処理が1つの装置で連続してできるから、それぞれの処理工程を別々の装置で行なう場合に比較し、全体がコンパクトになり、広い設置スペースを必要とせず、装置のイニシャルコスト、ランニングコストを低くでき、且つ短い処理時間で回路配線を形成できる。
本発明の他の半導体基板処理装置は、表面に回路が形成された半導体基板を乾燥状態で搬出入する搬出入部と、搬入された半導体基板上に金属めっき膜を形成する金属めっき膜成膜ユニットと、前記半導体基板をアニールするためのアニールユニットと、前記半導体基板上の金属めっき膜の少なくとも一部を研磨する研磨ユニットと、回転軸線を中心に回転する回転部材と、前記回転部材の前記回転軸線を中心とした同一円周方向に沿って配置され該回転部材の回転に伴って公転する保持部材とを有し、前記保持部材は、該保持部材の軸心を中心に回動するように構成された回転保持装置で保持した半導体基板を洗浄する洗浄ユニットと、前記半導体基板を前記ユニット間で搬送する搬送機構を具備することを特徴とする。
上記のようにアニールユニットを具備するので、金属めっき膜の接着力が安定し研磨時に剥離するという心配がなくなり、且つ電気特性がよくなる。
本発明は、前記半導体基板上に補強シード膜層を形成するための補強シード層成膜ユニットを具備することが好ましい。
本発明は、前記半導体基板上にシード膜層を形成するためのシード膜層成膜ユニットを具備することが好ましい。
本発明は、前記半導体基板上にバリア膜層を形成するためのバリア膜層成膜ユニットを具備することが好ましい。
本発明は、前記半導体基板上に蓋めっき膜層を形成するための蓋めっきユニットを具備することが好ましい。
上記のように蓋めっきユニットを具備することにより、金属めっき膜の上面にその酸化や変質を防ぐための蓋めっきを施すことができ、金属めっき膜の上面にその酸化や変質を防止することができる。
本発明は、前記半導体基板の周縁部に形成された金属めっき膜層、シード膜層およびバリア膜層の少なくとも一層をエッチング除去するベベルエッチングユニットを具備することが好ましい。
これにより、金属めっき膜を形成した後に、エッジ部及びベベル部分の金属めっき膜を除去し、さらに半導体基板上の金属めっき膜を研磨する工程を1つの装置で連続して行うことができる。
本発明は、前記半導体基板上に形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定器及び膜の表面状態を検出する検出センサのいずれか1つ又は双方を有する膜厚測定ユニットを具備することが好ましい。
上記のように膜厚を測定することにより、所望のめっき膜厚を得るためのめっき時間、研磨時間やアニール時間を調整することができる。また、板表面状態検出用のセンサを設けることで、基板処理工程を停止・中断させることなく基板の金属膜厚等の基板表面状態を検出でき、高スループットを実現しつつ基板表面状態も検出することができる。
本発明は、前記各ユニットの入れ替えが自在であることが好ましい。
上記のように各ユニットの入れ替えを自在とすることで、半導体基板処理装置全体の機能更新が短時間に低コストで実現できる。
本発明の前記金属めっき膜成膜ユニットは、前記半導体基板を基板保持部で保持した状態で、めっき処理と洗浄処理を行うことが好ましい。
上記のように半導体基板を基板保持部で保持した状態で、めっき処理と洗浄処理を行うことにより、半導体基板を移動させることなく、めっき処理と洗浄処理を行うことができ、次の工程に汚染物質を持ち込まないようにすることができる。
本発明の更に他の半導体基板処理装置は、表面に回路が形成された半導体基板を乾燥状態で搬出入する搬出入部と、搬入された半導体基板上に金属めっき膜を形成する金属めっき膜成膜ユニットと、前記半導体基板をアニールするためのアニールユニットと、回転軸線を中心に回転する回転部材と、前記回転部材の前記回転軸線を中心とした同一円周方向に沿って配置され該回転部材の回転に伴って公転する保持部材とを有し、前記保持部材は、該保持部材の軸心を中心に回動するように構成された回転保持装置で保持した半導体基板の周縁部に形成された金属めっき膜層、シード膜層およびバリア膜層の少なくとも一層をエッチング除去するベベルエッチングユニットと、前記半導体基板を前記各ユニット間で搬送する搬送機構を具備することを特徴とする。
本発明の更に他の半導体基板処理装置は、室内をロードアンロードエリアと処理ユニットエリアに区分し、前記ロードアンロードエリア内に、カセットを収納したロードアンロード部と前記処理ユニットエリア内に配置した仮置き部との間で基板の搬送を行う第1ロボットを、前記処理ユニットエリア内に、前記仮置き部と該処理ユニットエリア内に配置した各種処理ユニットとの間で基板の搬送を行う第2ロボットを配置したことを特徴とする。
以下、本発明の実施の態様を図面に基づいて説明する。図3乃至図6は、本発明の実施の形態の回転保持装置を示すもので、この回転保持装置40は、半導体ウエハ等の基板(被回転体)Wを保持するためのものであり、水平に設定されて、回転駆動軸42によって回転される円板状の回転部材44と、基板Wを回転部材44上に保持するための複数の保持部材46とを有している。この保持部材46は、回転駆動軸42を中心とする円に沿って所定間隔(図示の例では、60°)をあけて回転部材44の外周縁部分に設けられて、基板Wの周縁W’に係合することにより、該基板Wを水平に保持する。図3において、参照番号47は、回転駆動軸42とモータMとを駆動連結するためのベルト駆動装置であり、Hは当該回転保持装置40を収納するハウジングで、ノズルNによって基板W上に供給される洗浄液等が周囲に飛散するのを防いで集め、排出管Dから排出するようになっている。
図5には、保持部材46の詳細が示されている。すなわち、保持部材46は、ほぼ円柱状の部材とされており、その上部先端近くに、環状溝のように形成された係合周面48を有しており、該係合周面48が基板Wの周縁W’と摩擦係合するようにされている。保持部材46は、また、回転部材44の外周縁部分に半径方向に延びるように形成されたスロット50を垂直に貫通するようにされており、その下端は、回転部材44の下に、同回転部材44とともに回転されるように設定された保持板52によって、当該保持部材46の軸心を中心に回動可能に保持されている。すなわち、保持板52は、垂直上方に延びる小径軸54を有しており、一方、保持部材46にはその下端から上方に向けて延びる孔56が形成されており、該孔56が小径軸54に嵌合し、当該保持部材46が、小径軸54を中心に回動可能とされている。
また、保持部材46の下端には、ウェイト58が固定されて水平方向に延びており、回転部材44が回転されて保持部材46が当該回転部材44の回転軸線(すなわち、回転駆動軸42)を中心に回転(公転)されると、該ウェイト58に遠心力が働き、それにより該保持部材46が、その軸心の周りで回動(自転)するようになされている。図6に実線で示すウェイト58の位置は、ホームポジションであり、図示しない弾性手段によって当該位置に押圧されており、所定の遠心力が加わると、ウェイト58は、一点鎖線で示す位置に向けて矢印Aの方向に動き、これに伴って、基板Wが矢印Bの方向に回動される。
保持板52は、図示しないリンク機構等によって、上記スロット50に沿って、回転部材44の半径方向Cに向けて水平に移動可能になるように支持されており、当該保持板52が基板Wの周縁W’に係合する係合保持位置(図5の位置)と、該係合保持位置よりも半径方向外側に位置し、基板Wの周縁W’から離れる離脱位置との間を移動可能としている。また、保持板52は、ばね60で回転部材44の半径方向内側に向けて付勢されており、係合保持位置にある保持部材46の係合周面48が、ばね60を介して弾性的に基板Wの周縁W’に係合するようにされている。
この回転保持装置40によって、基板Wを保持回転させるには、先ず、保持部材46をばね60の付勢力に抗して回転部材44の半径方向外側の離脱位置まで移動させる。この状態で基板Wを回転部材44の上方位置に水平に設定し、上記保持部材46を係合位置まで戻して、その係合周面48を基板Wの周縁W’に係合させ、当該基板Wを弾性的に保持する。
回転部材44が回転駆動され、保持部材46が公転運動を行うと、ウェイト58には遠心力が働く。回転部材44の回転速度が低速の場合には、ウェイト58に作用する遠心力は小さく、保持部材46を上記ホームポジションに押圧しているばね圧によって、ウェイト58は揺動されない状態に保持されるが、回転部材44の回転速度が所定以上になると、ウェイト58に作用する遠心力が同ばねの圧に抗して、ウェイト58が揺動し、これによって、保持部材46はその軸心を中心として回動(自転)する。上述の通り、保持部材46は、基板Wの周縁W’と摩擦係合しているため、保持部材46が回動することにより、基板Wが図6の矢印B方向に回動され、従って、基板Wの周縁W’の保持部材46との係合位置は変わる。
図示の実施の形態においては、保持部材46に該保持部材46の軸心と偏心した位置に重心を持つウェイト58を取付け、これにより、回転部材44の回転に伴って、当該保持部材46がその軸心を中心に回動(自転)するようにした例を示しているが、、保持部材46の回動(自転)は、必ずしも、これに限られるものではなく、例えば、保持部材46に何らかのリンク機構を接続しておき、このリンク機構を作動させることにより、保持部材46を回動(自転)させるようにしてもよい。
本発明に係る回転保持装置は、上述の如き構成及び作用を有するものであり、例えば、半導体ウエハ等の基板(被回転体)を洗浄処理するときに、この回転保持装置によって被回転体を保持回転するようにすれば、当該洗浄処理中に、被回転体の保持部材との係合位置を変えることができるので、当該洗浄処理に用いられる洗浄液等を被回転体の周縁の全ての部分に行き渡らせることができ、従って、適正な処理が可能となる。
この保持装置は、全ての洗浄装置に適用できるが、特に半導体ウエハのベベルエッチ(エッジ及びベベル部のエッチング)を行うベベルエッチ装置に最適である。つまり、半導体ウエハのベベルエッチ装置に適用すると、半導体ウエハを確実に保持するとともに、半導体ウエハのエッジ(周縁W’)と保持部材との係合位置を変えることで、半導体ウエハのエッジやベベル部を残すことなくエッチングできる。
また、当該回転保持装置に設定された全ての保持部材により半導体ウエハ等の被回転体を保持するようにしたので、該被回転体を確実に保持することができ、従って、前述したパーティクルの発生も防止することができる。
図7は、本発明に係る半導体基板処理装置の平面構成を示す図である。本発明の半導体基板処理装置は、ロードアンロード部1、Cuめっき膜成膜ユニット2、第1ロボット3、第3洗浄ユニット4、反転機5、反転機6、第2洗浄ユニット7、第2ロボット8、第1洗浄ユニット9、第1ポリッシング装置10及び第2ポリッシング装置11を配置した構成である。第1ロボット3の近傍には、めっき前後の膜厚を測定するめっき前後膜厚測定器12、研磨後で乾燥状態の半導体基板Wの膜厚を測定する乾燥状態膜厚測定器13が配置されている。
なお、このめっき前後膜厚測定器12及び乾燥状態膜厚測定器13、特に乾燥状態膜厚測定器13は、後に詳述するように、第1ロボット3のハンドに設けてもよい。また、めっき前後膜厚測定器12は、図示は省略するが、Cuめっき膜成膜ユニット2の半導体基板搬出入口に設け、搬入される半導体基板Wの膜厚と搬出される半導体基板Wの膜厚を測定するようにしてもよい。
第1ポリッシング装置(研磨ユニット)10は、研磨テーブル10−1、トップリング10−2、トップリングヘッド10−3、膜厚測定器10−4、プッシャー10−5を具備している。第2ポリッシング装置(研磨ユニット)11は、研磨テーブル11−1、トップリング11−2、トップリングヘッド11−3、膜厚測定器11−4、プッシャー11−5を具備している。
図1(a)に示すように、コンタクトホール103と配線用の溝104が形成され、その上にシード層107が形成された半導体基板Wを収容したカセット1−1をロードアンロード部1のロードポートに載置する。第1ロボット3は半導体基板Wをカセット1−1から取り出し、Cuめっき膜成膜ユニット2に搬入し、Cuめっき膜106を形成する。その時、めっき前後膜厚測定器12でシード層107の膜厚を測定する。Cuめっき膜106の成膜は、まず半導体基板Wの表面の親水処理を行い、その後Cuめっきを行って形成する。Cuめっき膜106の形成後、Cuめっき膜成膜ユニット2でリンス若しくは洗浄を行う。時間に余裕があれば、乾燥してもよい。なお、Cuめっき膜成膜ユニット2の構成例とその動作は後に詳述する。
第1ロボット3でCuめっき膜成膜ユニット2から半導体基板Wを取り出したとき、めっき前後膜厚測定器12でCuめっき膜106の膜厚を測定する。測定方法は前記シード層107の測定と同じであるが、その測定結果は記録装置(図示せず)に半導体基板の記録データとして記録され、なお且つCuめっき膜成膜ユニット2の異常の判定にも使用される。膜厚測定後、第1ロボット3が反転機5に半導体基板Wを渡し、該反転機5で反転させる(Cuめっき膜106が形成された面が下になる)。第1ポリッシング装置10、第2ポリッシング装置11による研磨には、シリーズモードとパラレルモードがある。以下、シリーズモード及びパラレルモードの研磨について説明する。
〔シリーズモード研磨〕
シリーズモード研磨は、1次研磨をポリッシング装置10で行い、2次研磨をポリッシング装置11で行う研磨である。第2ロボット8で反転機5上の半導体基板Wを取り上げ、ポリッシング装置10のプッシャー10−5上に半導体基板Wを載せる。トップリング10−2はプッシャー10−5上の該半導体基板Wを吸着し、図8に示すように、研磨テーブル10−1の研磨面10−1aに半導体基板WのCuめっき膜106形成面を当接押圧し、1次研磨を行う。該1次研磨では基本的にCuめっき膜106が研磨される。研磨テーブル10−1の研磨面10−1aはIC1000のような発泡ポリウレタン、又は砥粒を固定若しくは含浸させたもので構成されている。該研磨面10−1aと半導体基板Wの相対運動でCuめっき膜106が研磨される。
上記Cuめっき膜106の研磨を行うための砥粒、若しくはスラリーノズル10−6から噴出されるスラリーには、シリカ、アルミナ、セリア等が用いられ、酸化剤としては、過酸化水素等の主に酸性の材料でCuを酸化させる材料を用いる。研磨テーブル10−1内には温度を所定の値に保つため、所定の温度に調温された液体を通すための調温流体配管28が接続されている。スラリーの温度も所定の値に保つため、スラリーノズル10−6には温度調整器10−7が設けられている。また図示は省略するが、ドレッシング時の水等は、調温されている。このように、研磨テーブル10−1の温度、スラリーの温度、ドレッシング時の水等の温度を所定の値に保つことにより、化学反応速度を一定に保っている。特に研磨テーブル10−1には、熱伝導性のよいアルミナやSiC等のセラミックが用いられる。
1次研磨の終点の検知には、研磨テーブル10−1に設けた渦電流式の膜厚測定器10−8若しくは光学式の膜厚測定器10−9を使用し、Cuめっき膜106の膜厚測定、若しくはバリア層105の表面検知を行って、Cuめっき膜106の膜厚が0又はバリア層105の表面を検知したら研磨の終点とする。
Cuめっき膜106の研磨終了後、トップリング10−2で半導体基板Wをプッシャー10−5上に戻す。第2ロボット8は該半導体基板Wを取り上げ、第1洗浄ユニット9に入れる。この時プッシャー10−5上にある半導体基板Wの表面及び裏面に薬液を噴射しパーティクルを除去したり、つきにくくすることもある。
図9は第1洗浄ユニット9を示す概略図であり、第1洗浄ユニット9では半導体基板Wの表面及び裏面をPVAスポンジロール9−2,9−2でスクラブ洗浄する。ノズル9−4から噴出する洗浄水としては、純水が主であるが、界面活性剤やキレート剤若しくは両者を混合した後にpH調整を行い、酸化銅のゼーター電位にあわせたものを使用してもよい。また、ノズル9−4には超音波振動素子9−3を設け、噴出する洗浄水に超音波振動を加えてもよい。なお、符号9−1は半導体基板Wを水平面内で回転させるための回転用コロである。
第1洗浄ユニット9において洗浄終了後、第2ロボット8で半導体基板Wを取り上げ、第2ポリッシング装置11のプッシャー11−5上に半導体基板Wを載せる。トップリング11−2でプッシャー11−5上の半導体基板Wを吸着し、該半導体基板Wのバリア層105を形成した面を研磨テーブル11−1の研磨面に当接押圧して2次研磨を行う。なお、研磨テーブル11−1及びトップリング11−2等の構成は図8に示す構成と同一である。この2次研磨ではバリア層105が研磨される。但し、上記1次研磨で残ったCu膜や酸化膜も研磨されるケースもある。
研磨テーブル11−1の研磨面11−1aは、IC1000のような発泡ポリウレタン、又は砥粒を固定若しくは含浸させたもので構成され、該研磨面11−1aと半導体基板Wの相対運動で研磨される。このとき、砥粒若しくはスラリーには、シリカ、アルミナ、セリア等が用いられる。薬液は、研磨したい膜種により調整される。
2次研磨の終点の検知は、主に図8に示す光学式の膜厚測定器10−9を用いてバリア層105の膜厚を測定し、膜厚が0になったこと又はSiOからなる絶縁膜102の表面検知で行う。また、研磨テーブル11−1の近傍に設けた膜厚測定器11−4に画像処理機能付きの膜厚測定器を用い、酸化膜の測定を行い、半導体基板Wの加工記録として残したり、2次研磨の終了した半導体基板Wを次の工程に移送できるか否かの判定を行う。また、2次研磨終点に達していない場合は、再研磨を行ったり、なんらかの異常で規定値を超えて研磨された場合は、不良品を増やさないように次の研磨を行わないよう半導体基板処理装置を停止させる。
2次研磨終了後、トップリング11−2で半導体基板Wをプッシャー11−5まで移動させる。プッシャー11−5上の半導体基板Wは第2ロボット8で取り上げる。この時、プッシャー11−5上で薬液を半導体基板Wの表面及び裏面に噴射してパーティクルを除去したり、つきにくくすることがある。
第2ロボット8は、半導体基板Wを第2洗浄ユニット7に搬入し、洗浄を行う。第2洗浄ユニット7の構成も図9に示す第1洗浄ユニット9と同じ構成である。半導体基板Wの表面は、主にパーティクル除去のために、純水、界面活性剤、キレート剤、またpH調整剤を加えた洗浄液を用いて、PVAスポンジロール9−2によりスクラブ洗浄される。半導体基板Wの裏面には、ノズル9−5からDHF等の強い薬液を噴出し、拡散しているCuをエッチングしたり、又は拡散の問題がなければ、表面と同じ薬液を用いてPVAスポンジロール9−2によるスクラブ洗浄をする。
上記洗浄の終了後、半導体基板Wを第2ロボット8で取り上げ、反転機6に移し、該反転機6で反転させる。該反転させた半導体基板Wを第1ロボット3で取り上げ第3洗浄ユニット4に入れる。第3洗浄ユニット4では半導体基板Wの表面に超音波振動により励起されたメガソニック水を噴射して洗浄する。そのとき純水に界面活性剤、キレート剤、またpH調整剤を加えた洗浄液を用いて公知のペンシル型スポンジで半導体基板Wの表面を洗浄してもよい。その後、スピン乾燥により、半導体基板Wを乾燥させる。この第3洗浄ユニット4は、前記図3乃至図6に示す回転保持装置を備えたものである。
上記のように研磨テーブル11−1の近傍に設けた膜厚測定器11−4で膜厚を測定した場合は、そのままロードアンロード部1のアンロードポートに載置するカセットに収容する。
多層膜測定を行う場合は、乾燥状態での測定を行う必要があるので、一度、膜厚測定器13に入れ、各膜厚の測定を行う。そこで半導体基板Wの加工記録として残したり、次の工程に持っていけるかどうかの判定を行う。また、研磨終点に達していない場合は、この後に加工する半導体基板Wにフィードバックを行ったり、何らかの異常で規定値を超えて研磨された場合は、不良品を増やさないように次の研磨を行わないように装置を停止する。
〔パラレルモード研磨〕
パラレルモード研磨は、Cuめっき膜成膜ユニット2でCuめっき膜106を形成した半導体基板Wをポリッシング装置10,11のそれぞれで並行して研磨する場合である。第2ロボット8で上記のように反転機5で反転させた半導体基板Wを取り上げ、プッシャー10−5又は11−5上に該半導体基板Wを載せる。トップリング10−2又は11−2は半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル10−1又は11−1の研磨面に半導体基板WのCuめっき膜106形成面を当接押圧し、1次研磨を行う。研磨テーブル10−1,11−1の研磨面10−1a,11−1aは上記と同様、IC1000のような発泡ポリウレタン、又は砥粒を固定若しくは含浸させたもので構成され、該研磨面と半導体基板Wの相対運動で研磨される。
砥粒、若しくはスラリーには、シリカ、アルミナ、セリア等が用いられ、酸化剤としては、過酸化水素等の主に酸性の材料でCuを酸化させる材料を用いる。研磨テーブル10−1及び11−1やスラリー又はドレッシング時の水等は、上記と同様、調温され化学反応速度を一定に保っている。特に研磨テーブル10−1及び11−1は、熱伝導性のよいアルミナやSiC等のセラミックが用いられる。
研磨テーブル10−1又は11−1での研磨は複数のステップを経て行われる。第1ステップではCuめっき膜106を研磨する。この時の主目的は、Cuめっき膜106の表面の段差の除去で、段差特性に優れたスラリーを用いる。例えば、100μmラインの当初の段差700nmを20nm以下にできるものを用いる。このとき第2ステップとして半導体基板Wを押圧する押圧荷重を上記第1ステップの半分以下にし、段差特性をよくする研磨条件を付加する。第2ステップにおける終点検知には、Cuめっき膜106を500nm残す場合は図8に示す渦電流式測定機10−8が用いられ、それ以下の場合やバリア層105の表面まで研磨する場合は、光学式膜厚測定器10−9が用いられる。
Cuめっき膜106及びシード層107のCu層の研磨が終了した後にバリア層105の研磨を行うが、通常最初に用いたスラリーではバリア層105が研磨できない場合、組成を変更させる必要がある。よって第2ステップが終了した時点で研磨テーブル10−1又は11−1の研磨面上に残った、第1及び第2ステップで使用したスラリーを水ポリッシュ、ウォータージェット、純水と気体とを混合させたアトマイザー、ドレッサーにより除去し、次のステップに移る。
図10は上記研磨テーブル10−1の研磨面10−1aを洗浄する洗浄機構の構成を示す図である。図示するように研磨テーブル10−1の上方には、純水と窒素ガスを混合して噴射する混合噴射ノズル10−11a〜10−11dが複数個(図では4個)配置されている。各混合噴射ノズル10−11a〜10−11dには、窒素ガス供給源14からレギュレータ16で圧力調整された窒素ガスがエアオペレータバルブ18を通して供給されると共に、純水供給源15からレギュレータ17で圧力を調整された純水がエアオペレータバルブ19を通して供給される。
混合された気体と液体は、噴射ノズルによってそれぞれ液体及び/又は気体の圧力、温度、ノズル形状などのパラメータを変更することによって、供給する液体はノズル噴射によりそれぞれ、(1)液体微粒子化、(2)液体が凝固した微粒子固体化、(3)液体が蒸発して気体化(これら(1)、(2)、(3)をここでは霧状化又はアトマイズと呼ぶ)され、液体由来成分と気体成分の混合体が研磨テーブル10−1の研磨面に向けて所定の方向性を有して噴射される。
研磨面10−1aとドレッサー10−10の相対運動により、研磨面10−1aを再生(ドレッシング)するとき、混合噴射ノズル10−11a〜11−11dから純水と窒素ガスの混合流体を研磨面10−1aに噴射して洗浄する。窒素ガスの圧力と純水の圧力は独立して設定できるようになっている。この例では純水ライン、窒素ラインともにマニュアル駆動のレギュレータを用いているが、外部信号に基づいて設定圧力を変更できるレギュレータをそれぞれ用いても良い。上記洗浄機構を用いて研磨面10−1aを洗浄した結果、5〜20秒の洗浄を行なうことにより、上記第1研磨工程及び第2研磨工程で研磨面上に残ったスラリーを除去することができた。なお、図示は省略するが、研磨テーブル11−1の研磨面11−1aを洗浄するために、図10に示す構成と同一の洗浄機構が設けられている。
第3ステップのバリア層105の研磨のスラリーに用いられる砥粒は、上記Cuめっき膜106の研磨の砥粒と同じものを使用することが望ましく、また薬液のpH値も酸性側若しくはアルカリ側のどちらかによっており、研磨面上で混合物を作らないことが条件である。ここでは両方とも同じシリカの粒子を用いており、薬液のpH値として両方ともアルカリのものと酸性のもののどちらもよい結果が得られた。
第3ステップにおける終点検知には、図8に示す光学式膜厚測定器10−9を用い、主にSiO酸化膜の膜厚やバリア層105の残りを検知し信号を送る。また、研磨テーブル10−1及び11−1の近傍に設けた画像処理機能付きの膜厚測定器10−4又は11−4に画像処理機能つきの膜厚測定器を用い酸化膜の測定を行い、半導体基板Wの加工記録として残したり、次の工程に移送できるか否かの判定を行う。第3ステップの研磨で終点に達していない場合は、再研磨を行ったり、なんらかの異常で規定値を超えて研磨された場合は、不良品を増やさないように次の研磨を行わないよう半導体基板処理装置を停止させる。
第3ステップの終了後、トップリング10−2又は11−2によって半導体基板Wをプッシャー10−5又は11−5まで移動させ、プッシャー10−5又は11−5上に載せる。プッシャー10−5又は11−5上の半導体基板Wは第2ロボット8で取り上げる。この時プッシャー10−5又は11−5上で薬液を半導体基板Wの表面及び裏面に噴出してパーティクルを除去したり、つきににくすることもある。
第2ロボット8は、半導体基板Wを第2洗浄ユニット7又は第1洗浄ユニット9に入れ洗浄を行う。半導体基板Wの表面は、主にパーティクル除去のために、純水、界面活性剤、キレート剤、またpH調整剤を加えた洗浄液を用いて、PVAスポンジロールによりスクラブ洗浄される。半導体基板Wの裏面には、ノズル3−5からDHF等の強い薬液を噴出し、拡散しているCuをエッチングしたり、又は拡散の問題がなければ、表面と同じ薬液を用いてPVAスポンジロールによるスクラブ洗浄をする。
上記洗浄の終了後、半導体基板Wを第2ロボット8で取り上げ、反転機6に移し、反転させる。該反転させた半導体基板Wを第1ロボット3で取り上げ第3洗浄ユニット4に入れる。第3洗浄ユニット4では半導体基板Wの表面に超音波振動により励起されたメガソニック水を噴射して洗浄する。そのとき純水、界面活性剤、キレート剤、またpH調整剤を加えた洗浄液を用いて公知のペンシル型スポンジで表面を洗浄してもよい。洗浄後スピンドライにより乾燥させ、その後第1ロボット3で半導体基板Wを取り上げる。
上記のように研磨テーブル10−1又は11−1の近傍に設けた膜厚測定器10−4又は11−4で膜厚を測定した場合は、そのままロードアンロード部1のアンロードポートに載置するカセット1−1に収容する。
多層膜測定を行う場合は、乾燥状態での測定を行う必要があるので、一度、膜厚測定器13に入れ、各膜厚の測定を行う。そこで半導体基板Wの加工記録として残したり、次の工程に移送できるか否かの判定を行う。また、終点に達していない場合は、この後に加工する半導体基板Wにフィードバックを行ったり、何らかの異常で規定値を超えて研磨された場合は、不良を増やさないように次の研磨を行わないように装置を停止する。
図11(a)〜(c)は第1ロボット3と該ロボット3のハンドに設けた乾燥状態膜厚測定器13の構成例を示す図である。図11(a)は第1ロボットの外観を示す図であり、図11(b)および図11(c)はそれぞれロボットハンドの平面図および断面図である。図示するように第1ロボット3は上下に二つのハンド3−1,3−1を有し、該ハンド3−1,3−1はそれぞれアーム3−2,3−2の先端に取り付けられ、旋回移動できるようになっている。そしてハンド3−1,3−1で半導体基板Wを掬い上げ(半導体基板Wを凹部に落し込む)、所定の場所に移送することができるようになっている。
ハンド3−1の半導体基板Wの落とし込み面には、乾燥状態膜厚測定器13を構成するうず電流センサ13aが複数個(図では4個)設けられ、載置された半導体基板Wの膜厚を測定できるようになっている。
図12乃至図16はCuめっき膜成膜ユニット2の構成例を示す図である。図12はCuめっき膜成膜ユニットの平面構成を示す図、図13は図12のA−A断面図、図14は基板保持部及びカソード部の拡大断面図、図15は電極アーム部の断面図、図16は、図15に示す電極アーム部のハウジングを除いた状態の平面図である。Cuめっき膜成膜ユニット2には、図12に示すように、めっき処理及びその付帯処理を行う基板処理部2−1が設けられ、該基板処理部2−1に隣接して、めっき液を溜めるめっき液トレー2−2が配置されている。また、回転軸2−3を中心に揺動するアーム2−4の先端に保持され、基板処理部2−1とめっき液トレー2−2との間を揺動する電極部2−5を有する電極アーム部2−6が備えられている。
更に、基板処理部2−1の側方に位置して、プレコート・回収アーム2−7と、純水やイオン水等の薬液、更には気体等を半導体基板に向けて噴射する固定ノズル2−8が配置されている。ここでは、3個の固定ノズル2−8が配置され、その内の1個を純水供給用に用いている。基板処理部2−1は図13及び図14に示すように、めっき面を上にして半導体基板Wを保持する基板保持部2−9と、該基板保持部2−9の上方で該基板保持部2−9の周縁部を囲むように配置されたカソード部2−10が備えられている。更に基板保持部2−9の周囲を囲んで処理中に用いる各種薬液の飛散を防止する有底略円筒状のカップ2−11が、エアシリンダ2−12を介して上下動自在に配置されている。
ここで、基板保持部2−9は、エアシリンダ2−12によって、下方の基板受け渡し位置Aと上方のめっき位置Bと、これらの中間の前処理・洗浄位置Cとの間を昇降するようになっている。また基板保持部2−9は、回転モータ2−14及びベルト2−15を介して任意の加速度及び速度で前記カソード部2−10と一体に回転するように構成されている。この基板受け渡し位置Aに対向して、Cuめっき膜成膜ユニット2のフレーム側面の第1ロボット3側には、基板搬出入口(図示せず)が設けられ、基板保持部2−9がめっき位置Bまで上昇したときに、基板保持部2−9で保持された半導体基板Wの周縁部に下記のカソード部2−10のシール部材2−16とカソード電極2−17が当接するようになっている。一方、カップ2−11は、その上端が前記基板搬出入口の下方に位置し、図14の仮想線で示すように、上昇したときにカソード部2−10の上方に達するようになっている。
基板保持部2−9がめっき位置Bまで上昇した時に、この基板保持部2−9で保持した半導体基板Wの周縁部にカソード電極2−17が押付けられ半導体基板Wに通電される。これと同時にシール部材2−16の内周端部が半導体基板Wの周縁上面に圧接し、ここを水密的にシールして、半導体基板Wの上面に供給されるめっき液が半導体基板Wの端部から染み出すのを防止すると共に、めっき液がカソード電極2−17を汚染するのを防止している。
電極アーム部2−6の電極部2−5は、図15及び図16に示すように、揺動アーム2−4の自由端にハウジング2−18と、該ハウジング2−18の周囲を囲む中空の支持枠2−19と、ハウジング2−18と支持枠2−19で周縁部を挟持して固定したアノード2−20とを有している。アノード2−20は、ハウジング2−18の開口部を覆っており、ハウジング2−18の内部には吸引室2−21が形成されている。そして該吸引室2−21にはめっき液を導入排出するめっき液導入管2−28及びめっき液排出管(図示せず)が接続されている。さらにアノード2−20には、その全面に亘って上下に連通する多数の通孔2−20bが設けられている。
この例にあっては、アノード2−20の下面に該アノード2−20の全面を覆う保水性材料からなるめっき液含浸材2−22を取付け、このめっき液含浸材2−22にめっき液を含ませて、アノード2−20の表面を湿潤させることで、ブラックフィルムの基板のめっき面への脱落を防止し、同時に基板のめっき面とアノード2−20との間にめっき液を注入する際に、空気を外部に抜きやすくしている。このめっき液含浸材2−22は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、テフロン(登録商標)、ポリビニルアルコール、ポリウレタン及びこれらの誘導体の少なくとも1つの材料からなる織布、不織布またはスポンジ状の構造体、あるいはポーラスセラミックスからなる。
めっき液含浸材2−22のアノード2−20への取付けは、次のように行っている。即ち、下端に頭部を有する多数の固定ピン2−25を、この頭部をめっき液含浸材2−22の内部に上方に脱出不能に収納し軸部をアノード2−20の内部を貫通させて配置し、この固定ピン2−25をU字状の板ばね2−26を介して上方に付勢させることで、アノード2−20の下面にめっき液含浸材2−22を板ばね2−26の弾性力を介して密着させて取付けている。このように構成することにより、めっきの進行に伴って、アノード2−20の肉厚が徐々に薄くなっても、アノード2−20の下面にめっき液含浸材2−22を確実に密着させることができる。したがって、アノード2−20の下面とめっき液含浸材2−22との間に空気が混入してめっき不良の原因となることが防止される。
なお、アノードの上面側から、例えば径が2mm程度の円柱状のPVC(ポリ塩化ビニル)またはPET(ポリエチレンテレフタレート)製のピンを、アノードを貫通させて配置し、アノード下面に現れた該ピンの先端面に接着剤を付けてめっき液含浸材と接着固定するようにしても良い。
アノード2−20とめっき液含浸材2−22は、接触させて使用することもできるが、アノード2−20とめっき液含浸材2−22との間に隙間を設け、この隙間にめっき液を保持させた状態でめっき処理することもできる。この隙間は20mm以下の範囲から選ばれるが、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは1〜7mmの範囲から選ばれる。特に、アノード2−20に溶解性アノードを用いた場合には、下からアノード2−20が溶解していくので、アノード2−20とめっき液含浸材2−22の間隙は時間を経るにつれて大きくなり、0〜20mm程度の隙間ができる。
そして、前記電極部2−5は、基板保持部2−9がめっき位置B(図14参照)にある時に、基板保持部2−9で保持された基板Wとめっき液含浸材2−22との隙間が、0.1〜10mm程度、好ましくは0.3〜3mm、より好ましくは0.5〜1mm程度となるまで下降し、この状態で、めっき液供給管からめっき液を供給して、めっき液含浸材2−22にめっき液を含ませながら、基板Wの上面(被めっき面)とアノード2−20との間にめっき液を満たして、これによって、基板Wの被めっき面にめっきが施される。
基板受け渡し位置Aにある基板保持部2−9にめっき処理前の半導体基板Wを第1ロボット3のハンド3−1(図11(a)参照)で搬入し、該基板保持部2−9上に載置する。次にカップ2−11を上昇させ、同時に基板保持部2−9を前処理・洗浄位置Cに上昇させる。この状態で退避位置にあったプレコート・回収アーム2−7を半導体基板Wの対峙位置へ移動させ、その先端に設けたプレコートノズルから、例えば界面活性剤からなるプレコート液を半導体基板Wの被めっき面に間欠的に吐出する。この時、基板保持部2−9は回転しているため、プレコート液は半導体基板Wの全面に行き渡る。次に、プレコート・回収アーム2−7を退避位置に戻し、基板保持部2−9の回転速度を増して、遠心力により半導体基板Wの被めっき面のプレコート液を振り切って乾燥させる。
続いて、電極アーム部2−6を水平方向に旋回させ、電極部2−5がめっき液トレー2−2上方からめっきを施す位置の上方に位置させ、この位置で電極2−5をカソード部2−10に向かって下降させる。電極部2−5の下降が完了した時点で、アノード2−20とカソード部2−10にめっき電圧を印加し、めっき液を電極部2−5の内部に供給して、アノード2−20を貫通しためっき液供給口よりめっき液含浸材2−22にめっき液を供給する。この時、めっき液含浸材2−22は半導体基板Wの被めっき面に接触せず、0.1〜10mm程度、好ましくは0.3〜3mm、より好ましくは0.5〜1mm程度に接近した状態となっている。
めっき液の供給が続くと、めっき液含浸材2−22から染み出したCuイオンを含んだめっき液が、めっき液含浸材2−22と半導体基板Wの被めっき面との間の隙間に満たされ、半導体基板Wの被めっき面にCuめっきが施される。この時、基板保持部2−9を低速で回転させても良い。
めっき処理が完了すると、電極アーム部2−6を上昇させた後に旋回させてめっき液トレー2−2上方へ戻し、通常位置へ下降させる。次に、プレコート・回収アーム2−7を退避位置から半導体基板Wに対峙する位置へ移動させて下降させ、めっき液回収ノズル(図示せず)から半導体基板W上のめっき液の残部を回収する。このめっき液の残部の回収が終了した後、プレコート・回収アーム2−7を待避位置に戻し、半導体基板Wの中央部に純水を吐出し、同時に基板保持部2−9のスピードを増して回転させ半導体基板Wの表面のめっき液を純水に置換する。
上記リンス終了後、基板保持部2−9をめっき位置Bから処理・洗浄位置Cへ下降させ、純水用の固定ノズル2−8から純水を供給しつつ基板保持部2−9及びカソード部2−10を回転させて水洗を実施する。この時、カソード部2−10に直接供給した純水、又は半導体基板Wの面から飛散した純水によってシール部材2−16、カソード電極2−17も半導体基板Wと同時に洗浄することができる。
水洗完了後に、固定ノズル2−8からの純水の供給を停止し、更に基板保持部2−9及びカソード部2−10の回転スピードを増して、遠心力により半導体基板Wの表面の純水を振り切って乾燥させる。併せて、シール部材2−16及びカソード電極2−17も乾燥される。上記乾燥が終了すると基板保持部2−9及びカソード部2−10の回転を停止させ、基板保持部2−9を基板受渡し位置Aまで下降させる。
図17及び図18は、アノード2−20とめっき液含浸材2−22の他の例を示すものである。即ち、この例において、めっき液含浸材2−22は、アルミナ,SiC,ムライト,ジルコニア,チタニア,コーディエライト等の多孔質セラミックスまたはポリプロピレンやポリエチレン等の焼結体等の硬質の多孔質体、あるいはこれらの複合材料で構成されている。例えば、アルミナ系セラミックスにあっては、ポア径30〜200μm、気孔率20〜95%、厚み5〜20mm、好ましくは8〜15mm程度のものが使用される。
そして、このめっき液含浸材2−22は、その上部にフランジ部2−22aが設けられ、このフランジ部2−22aをハウジング2−18と支持枠2−19(図15参照)で挟持することで固定されており、このめっき液含浸材2−22の上面にアノード2−20が載置保持されている。なお、この例の場合、多孔質体又はメッシュ状等、様々な形状のアノード2−20を載置することが可能である。
このように、めっき液含浸材2−22を多孔質体で構成することで、この内部に複雑に入り込んだめっき液を介してめっき液含浸材2−22の内部の電気抵抗を増大させて、めっき膜厚の均一化を図るとともに、パーティクルの発生を防止することができる。即ち、めっき液含浸材2−22が多孔質セラミックスからなる高抵抗体の一種であるために、めっき膜厚の均一化を図る点において好ましい。また、めっき液含浸材2−22の上にアノード2−20を載置保持することで、めっきの進行に伴ってアノード2−20の下面のめっき液含浸材2−22と接触している側が溶解しても、アノード2−20を固定するための治具を使用することなく、アノード2−20自体の自重でアノード2−20の下面と基板Wとの距離を一定に保ち、かつここに空気が混入して空気溜まりが生じてしまうことを防止することができる。
なお、アノード2−20とめっき液含浸材2−22との間に間隙を設け、この間隙にめっき液を保持させた状態でめっき処理をすることもでき、この間隙は20mm以下、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは1〜7mmの範囲から選ばれる。
図19は、図17および図18に示す装置の電気的等価回路図である。
めっき液中に没したアノード2−20(陽極電極)と基板Wの導電層1a(陰極電極)の間にめっき電源2−37から所定の電圧を印加して、導電層1aの表面にめっき膜を形成すると、この回路中には、以下のような抵抗成分が存在する。
R1:電源−陽極間の電源線抵抗および各種接触抵抗
R2:陽極における分極抵抗
R3:めっき液抵抗
R4:陰極(めっき表面)における分極抵抗
Rp:高抵抗構造体の抵抗値
R5:導電層の抵抗
R6:陰極電位導入接点−電源間の電源線抵抗および各種接触抵抗
このめっき液含浸材2−22である高抵抗構造体の抵抗値Rpは、例えば200mmウエハの場合は0.01Ω以上で、好ましくは0.01〜2Ωの範囲、より好ましくは0.03〜1Ωの範囲、更に好ましくは0.05〜0.5Ωの範囲である。この高抵抗構造体の抵抗値は以下の手順で測定する。まず、めっき装置内において、所定距離だけ離間したアノード2−20と基板Wからなる両極間に所定値の直流(I)を流してめっきを行い、このときの直流電源の電圧(V1)を測定する。次に、同一のめっき装置において、両極間に所定厚さの高抵抗構造体を配置し、同一の値の直流(I)を流してめっきを行い、このときの直流電源の電圧(V2)を測定する。これにより、高抵抗構造体の抵抗値Rp=(V2−V1)/Iより求めることができる。
この場合、アノード2−20を構成する銅の純度は99.99%以上であることが好ましい。また、アノード2−20と半導体基板Wとの両極板の距離は、直径200mmの基板の場合には5〜25mmであり、直径300mmの基板の場合には15〜75mmであることが好ましい。なお、基板W上の導電層1aの抵抗R5は、基板の外周と中心との間の抵抗値をテスタにより測定する、あるいは導電層の材料の比抵抗と厚みから計算により求めることができる。
図17および図18に示す例では、アノード2−20の上面に、内部にめっき液導入路2−28aを有するとともに直径方向に延びる一文字状の形状のめっき液導入管2−28が設置されている。アノード2−20には、該めっき液導入管2−28に設けられためっき液導入孔2−28bに対向する位置にめっき液注入孔2−20aが設けられている。また、アノード2−20には、多数の通孔2−20bが設けられている。
アノード2−20のめっき液注入孔2−20aにおおよそ対応する位置で、めっき液含浸材2−22の下面からめっき液が基板Wの上面(被めっき面)に達し、これによって、めっき液含浸材2−22と基板Wのめっき面を架橋するめっき液柱2−30が形成される。そして、めっき液の供給を継続することで、このめっき液柱2−30は徐々に成長したり、互いに繋がった後、図20に示すように、めっき液導入管2−28と直交する方向に進行して基板Wの被めっき面の全面に拡がるめっき液Qの流れが生じる。
これにより、このめっき液Qの流れに乗って気泡Bが外方に押出され、しかもこのめっき液Qの流れの前線Qが略直線状になって、めっき液Qが空気を囲い込むことがない。このため、めっき液含浸材2−22と基板Wの被めっき面との間に満たされるめっき液中に気泡が残ってしまうことが防止される。
ここで、図21(a)に示すように、めっき液導入管2−28として、十字状に互いに直交する方向に延びる翼部を有し、この各翼部の長さ方向に沿った所定の位置にめっき液導入孔2−28bを有するものを、アノード(図示せず)として、このめっき液導入孔2−28bに対応する位置にめっき液注入孔2−20aを有するものをそれぞれ使用しても良い。この場合、前述と同様に、アノードのめっき液注入孔2−20aにおおよそ対応する位置で、めっき液含浸材2−22と基板Wのめっき面を架橋するめっき液柱が形成され、めっき液の供給の継続に伴って、めっき液柱が徐々に成長した後、めっき液導入管2−28で区画された各象限内を放射状に拡がるめっき液Qの流れが生じて、めっき液Qが基板Wの被めっき面の全面に拡がる。
また、図21(b)に示すように、めっき液導入管2−28を円周状に配置し、所定の位置にめっき液導入孔2−28bを設けた場合も同様のめっき液Qの流れが生じる。めっき液導入管2−28のめっき液導入孔2−28bは等ピッチで等径の孔を設ける場合が多いが、ピッチと孔径を調整して液の吐出をコントロールすることも可能である。
図17乃至図20に示す例によれば、アノード2−20のめっき液注入孔2−20aにおおよそ対応する位置で、めっき液含浸材2−22の下面からめっき液が基板Wの上面(被めっき面)に達し、めっき液含浸材2−22と基板Wの被めっき面を架橋するめっき液柱2−30が形成される。この時、めっき液は、めっき液含浸材2−22の内部を流れる際に、その流れ方向に沿って僅かに拡散され、これによって、めっき液が基板Wの到達した時のシード層107(図1(a)参照)に与えるダメージ、即ち局所的に噴流を当てることによるシード層107の現象を軽減して、後のめっき工程の膜厚均一性に寄与することができる。また、通孔2−20bの面内における分布を、中央を密に、周辺部を粗に設けることにより、均一にめっき液が拡がる効果がある。
なお、図18に仮想線で示すように、めっき液含浸材2−22の下面からめっき液が基板Wの上面(被めっき面)に達するめっき液柱2−30が形成された後、例えば基板Wを瞬時に上昇させて、めっき液含浸材2−22と基板Wとを瞬時に近接させるようにしても良い。また、基板のエッジに僅かに圧力をかけて凹状に湾曲させた状態で、同じくめっき液柱2−30が形成された後、圧力を開放して基板の形状を元に戻させることで、めっき液含浸材2−22と基板Wとを瞬時に近接させることも可能である。
例えば、めっき液含浸材2−22の厚さが厚い場合や密度が高い(気孔率が低い)場合には、めっき液がめっき液含浸材2−22の内部を流れる際の抵抗が大きくなる。これによって、所定量のめっき液が出ずにめっき液柱2−30の結合が乱れ、この時に空気を巻き込んだとしても、めっき液含浸材2−22と基板Wとを瞬時に近接させることで、めっき液に外方への急激な流れを生じさせて、このめっき液と共に気泡を外方に追い出し、同時に、めっき液含浸材2−22と基板Wとの間へのめっき液の供給を短時間で行うことができる。
なお、無通電状態でのめっき液とシード層107(図1(a)参照)の接触はシード層107の減少を招き、通電状態でも基板Wの表面にめっき液が短時間で拡がらないと、めっき初期の膜厚にバラツキが生じ、これらはその後のめっき膜厚の均一性を損なう原因となる。しかしながら、このように、めっき液含浸材2−22と基板Wとの間へのめっき液の供給を短時間で行うことで、これらの弊害を防止することができる。
また、図17に示すように、めっき処理の最中に、めっき液注入孔2−20aよりめっき液含浸材2−22にめっき液を供給してめっき液含浸材2−22と基板Wの被めっき面との間にめっき液を注入し、同時に、通孔2−20bを経由して、通孔2−20bに接続されためっき液排出管(図示せず)からこの注入されためっき液と同量のめっき液を吸引排出することもできる。
このように、めっき処理中にめっき液を攪拌することにより、液張りを行う際に抜くことができなかった気泡や、液張り後のめっき処理中に発生した気泡をも除去することが可能となる。
また、このめっき装置では、基板Wの被めっき面とアノード2−20との間隔が狭く、使用するめっき液が少量で済む反面、めっき液中の添加剤やイオンが限られた量となるため、短時間で効率的なめっきを行うためには、それらの添加剤等をめっき液中に均一に分布する必要がある。この点、この例によれば、めっき処置中にめっき液が攪拌されるため、添加剤やイオンを均一に分布させた状態でのめっきが可能となる。このめっき装置にあっては、半導体基板Wを陰極に、アノードを陽極に接続することにより半導体基板W上にめっきが施されるが、逆電圧をかけることにより、半導体基板Wに設けられためっき膜のエッチングもできる。穴への埋め込みめっきがほぼ完了した状態で(40〜400秒)、わずかな時間(例えば1〜60秒)送電圧をかけた後、再度、順電圧をかけると(50秒、0.5μ)、送電圧をかけることにより添加剤の働きを抑えて、穴の上のみにもり上がりができるのを防ぎ、めっき膜の均一化ができる。
また、図22には他の例が示され、この例においては、めっき液導入管2−28自体にこれと連通する管2−32を設け、この管2−32をアノード2−20のめっき液導通孔2−28b内に挿入してその先端をめっき液含浸材2−22表面に当接するようにしている。即ちこの例においては、めっき液をアノード2−20に全く触れることなくめっき液含浸材2−22表面に供給できる。このめっき液導入管2−28と管2−32とはめっき液によって何ら影響を受けない材質の合成樹脂によって一体に形成されている。なお、符号2−31は基板Wを保持する保持部材である。
そしてめっき液導入管2−28から管2−32を通して直接めっき液含浸材2−22の表面に供給されためっき液は、めっき液含浸材2−22内をわずかに拡散しながら基板W表面に達し、基板Wとめっき液含浸材2−22の表面間に円形のめっき液柱2−30を複数形成し、複数のめっき液柱2−30が基板W上で互いに結合し基板W上をめっき液で満たしていく。
このめっき工程を繰り返しても、経時的に管2−32の先端の内径が広がることはないので、理想的なめっき液柱2−30が経時的に崩れることはなく、従ってめっき液柱2−30の結合の乱れによる空気の巻き込みは生じず、気泡がめっき液含浸材2−22と基板Wの間に堆積することはなく、めっき膜厚が不均一になることはない。
図23は、電解めっき装置の他の例の概略構成図である。この電解めっき装置において前記図22に示す例と相違する点は、めっき液導入管2−28にこれと一体に管2−32を形成する代わりに、アノード2−20のめっき液導通孔2−28b内に別途作製した管2−32を挿入した点である。この場合も管2−32をめっき液によって何ら影響を受けない材質のもので構成し、その先端(下端)をめっき液含浸材2−22の上面に当接するようにする。
このように構成しても図22に示す例と同様に、めっき液はアノード2−20に直接触れることはなく、たとえめっき工程を繰り返して行なっても、経時的に管2−32の先端の内径が広がることはない。従ってめっき液含浸材2−22から供給されるめっき液柱2−30が経時的に崩れることはなく、常に理想的な状態を保て、空気の巻き込みは生じない。
図24は、電解めっき装置の他の例の概略構成図である。この電解めっき装置において前記図22に示す例と相違する点は、めっき液導入管2−28にこれと一体に管2−32を設ける代わりに、アノード2−20のめっき液導通孔2−28bとめっき液含浸材2−22に設けた電解液通路部2−34内に別途作製した管2−33を挿入した点である。この場合も管2−33をめっき液によって何ら影響を受けない材質で構成する。
このように構成すると、たとえめっき工程を繰り返して行っても、経時的に管2−33の先端の内径が広がることはなく、理想的なめっき液柱2−30が経時的に崩れることはなく、従って、めっき液柱2−30の結合の乱れによる空気の巻き込みは生じず、気泡がめっき液含浸材2−22と基板Wの間に堆積してめっき膜厚が不均一になることはない。同時に管2−33がめっき液含浸材2−22内に突入しているので、めっき液含浸材2−22をめっき液が通過する際の抵抗が減り、たとえめっき液含浸材2−22として厚みの厚いものや密度の高い(気孔率が低い)ものを用いた場合でも、めっき液含浸材2−22の所定位置から適量のめっき液が供給されて、めっき液柱2−30の結合の乱れによる空気の巻き込みは生じず、気泡がめっき液含浸材2−22と基板Wの間に堆積してめっき膜厚が不均一になることはない。
図25は、図22に示す例の変形例である。
図22に示すめっき装置にあっては、めっき液含浸材2−22の外形状、内部構造、又は電気伝導率の異なる部材の装着の内の少なくとも一つの調整により、被処理基板表面の電場を制御することもできる。このように被処理基板表面の電場の状態が所望の状態になるように積極的に制御すれば、被処理基板の電解処理による処理状態を目的とする面内分布の処理状態とすることができる。電解処理がめっき処理の場合は、被処理基板上に形成されるめっき膜厚の均一化を図ったり、被処理基板上のめっき膜厚に任意に分布を持たせたりすることができる。
ここで前記外形状の調整は、めっき液含浸材2−22の厚みの調整、めっき液含浸材2−22の平面上での形状の調整等により行われる。
また前記めっき液含浸材2−22は、多孔質物質で構成されており、多孔質物質の内部構造の調整は、多孔質物質の気孔径分布の調整、気孔率分布の調整、屈曲率分布の調整、材料組み合わせの調整等により行われる。
また前記電気伝導率の異なる部材の装着による調整は、電気伝導率の異なる部材によってめっき液含浸材2−22の遮蔽面積を調整することにより行われる。
そこで、図25に示す例にあっては、多孔質セラミックス板(多孔質物質)2−22の外周側面にこれを囲むようにバンド状の絶縁性部材2−35を巻きつけている。この絶縁性部材2−35の材質としては、例えばフッ素ゴムのような伸縮性材料を用いる。
そしてめっき液導入管2−28からアノード2−20のめっき液導通孔2−28bを通して多孔質セラミックス板(めっき液含浸材)2−22に加圧供給されためっき液は、多孔質の多孔質セラミックス板2−22内に浸透してその内部をめっき液で満たすと共に、その下面から吐出して基板Wと多孔質セラミックス板2−22の間の空間をめっき液で満たす。なおめっき液の導入はリップシール2−16と多孔質セラミックス板2−22の端面との隙間から行ってもよい。この場合はめっき液導入管2−28やアノード2−20のめっき液導通孔2−28bは不要である。
そしてアノード2−20と基板W間に所定の電圧を印加して直流電流を流すと、基板Wの導電層の表面全体にめっき(例えば銅めっき)が行われていく。この例によれば、アノード2−20と基板Wの間に多孔質セラミックス板2−22を介在しているので、前述のように基板W表面の接点2−17からの距離の相違による各部の抵抗値の違いによる影響を受けにくく、基板Wの導電層の表面全体に略均一なめっき(例えば銅めっき)が行われていく。
しかしながら接点2−17に近い外周部近傍部分はそれでも電流密度が高くなり、めっき膜厚は他の部分に比べて厚くなる傾向にある。
そこで、この例においては、多孔質セラミックス板2−22の外周側面に絶縁性部材2−35を巻き付けることで、図25に点線で示すように、基板Wの外周部近傍に電流が集中するのを阻害してその電流密度を低下させ、基板Wの他の部分に向かう電流密度とほぼ同じになるようにしたものである。
ここで、陽極と陰極の一方の電極との接点を持つ被処理基板と、該被処理基板に対峙させた他方の電極との間に電解液を満たして被処理基板の電解処理を行う電解処理装置において、前記電解液の少なくとも一部に、該電解液の電気伝導率より小さい電気伝導率の高抵抗構造体を設け、前記高抵抗構造体はその外周が保持部材によって保持されており、且つ高抵抗構造体と保持部材の間にはこの部分から電解液が漏れて電流が流れるのを防止するシール部材が設けられるようにしてもよい。
〔シール部材を用いた例〕
図26は図25に示すものと同様の構造の電解めっき装置の多孔質セラミックス板2−22の外周部近傍部分を示す要部概略図である。但しこの電解めっき装置には図22に示す絶縁性部材2−35は記載されていない。この電解めっき装置においては保持部材2−18と多孔質セラミックス板2−22の間の隙間がシールされていないので、矢印で示すようにこの隙間部分を通してアノード2−20からめっき液が流れ出し、電流の通路が生じる。この電流通路は多孔質セラミックス板2−22の内部を通らない通路なので抵抗値が低く、従って電流密度が高くなって基板Wの外周部近傍のめっき膜厚を薄くしようとする制御ができなくなる恐れがある。
そこでこの例においては、図27(a)及び(b)に示すように前記多孔質セラミックス板2−22と保持部材2−18の間にシール部材2−36を設けることで、この部分からのめっき液の漏れを防止して基板Wの外周部近傍のめっき膜厚を薄く制御できるようにしている。
なおこの例におけるシール部材2−36は断面逆L字状であり、また絶縁物によって構成されるので、図25に示す絶縁性部材としての作用も併せて持っている。またシール部材2−36は、図27(b)にその断面を示すように、保持部材2−18と多孔質セラミックス板2−22の下面とが接する部分をシールする環状のシール部材2−36aと、図25に示すバンド状の絶縁性部材2−35と同様の機能を発揮する絶縁性部材2−36bとを、別部品として各々取り付けることで構成しても良い。
なおこのシール部材2−36は、図25以外の各例にも適用できることは言うまでもない。即ち高抵抗構造体4の外周側面と保持部材2−18の間からのめっき液の漏れを防止するシール部材2−36を他の各例に係る電場制御手段と併用することで、さらに効果的な電場制御が行える。
図28は、本発明に係る半導体基板処理装置の他の平面配置構成を示す図である。図28において、図7と同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示す。なお、図29および図30においても同様とする。本基板処理装置は、第1ポリッシング装置10と第2ポリッシング装置11に接近してプッシャーインデクサー25を配置し、第3洗浄ユニット4とCuめっき膜成膜ユニット2の近傍にそれぞれ基板載置台21,22を配置し、第1洗浄ユニット9と第3洗浄ユニット4の近傍にロボット23(以下、「第2ロボット23」と記す)を配置し、第2洗浄ユニット7とCuめっき膜成膜ユニット2の近傍にロボット24(以下、「第3ロボット24」と記す)を配置し、更にロードアンロード部1と第1ロボット3の近傍に乾燥状態膜厚測定器13を配置している。
上記構成の基板処理装置において、第1ロボット3は、ロードアンロード部1のロードポートに載置されているカセット1−1から半導体基板Wを取り出し、乾燥状態膜厚測定器13でバリア層105及びシード層107の膜厚を測定した後、該半導体基板Wを基板載置台21に載せる。なお、乾燥状態膜厚測定器13が図11(b)及び(c)に示すように、第1ロボット3のハンド3−1に設けられている場合はそこで膜厚を測定し、基板載置台21に載せる。第2ロボット23で基板載置台21上の半導体基板WをCuめっき膜成膜ユニット2に移送し、Cuめっき膜106を成膜する。Cuめっき膜106の成膜後、めっき前後膜厚測定器12でCuめっき膜106の膜厚を測定する。その後、第2ロボット23は半導体基板Wをプッシャーインデクサー25に移送し搭載する。
〔シリーズモード〕
シリーズモードでは、トップリングヘッド10−2がプッシャーインデクサー25上の半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル10−1に移送し、研磨テーブル10−1上の研磨面に該半導体基板Wを押圧して研磨を行なう。研磨の終点検知は上記と同様な方法で行い、研磨終了後の半導体基板Wはトップリングヘッド10−2でプッシャーインデクサー25に移送され搭載される。第2ロボット23で半導体基板Wを取り出し、第1洗浄ユニット9に搬入し洗浄し、続いてプッシャーインデクサー25に移送し搭載する。
トップリングヘッド11−2がプッシャーインデクサー25上の半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル11−1に移送し、その研磨面に該半導体基板Wを押圧して研磨を行なう。研磨の終点検知は上記と同様な方法で行い、研磨終了後の半導体基板Wはトップリングヘッド11−2でプッシャーインデクサー25に移送され搭載される。第3ロボット24は半導体基板Wを取り上げ、膜厚測定器26で膜厚を測定した後、第2洗浄ユニット7に搬入し洗浄する。続いて第3洗浄ユニット4に搬入し、ここで洗浄した後にスピンドライで乾燥を行い、その後、第3ロボット24で半導体基板Wを取り上げ、基板載置台22上に載せる。
〔パラレルモード〕
パラレルモードでは、トップリングヘッド10−2又は11−2がプッシャーインデクサー25上の半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル10−1又は11−1に移送し、研磨テーブル10−1又は11−1上の研磨面に該半導体基板Wを押圧してそれぞれ研磨を行う。膜厚を測定した後、第3ロボット24で半導体基板Wを取り上げ、基板載置台22上に載せる。
第1ロボット3は基板載置台22上の半導体基板Wを乾燥状態膜厚測定器13に移送し、膜厚を測定した後、ロードアンロード部1のカセット1−1に戻す。
図29は、本発明に係る半導体基板処理装置の他の例の平面配置構成を示す図である。本基板処理装置はシード層107が形成されていない半導体基板Wにシード層107及びCuめっき膜106を形成し研磨除去し回路配線を形成する基板処理装置である。本基板処理装置が図7に示す基板処理装置と相違する点は、図7の第3洗浄ユニット4に替えてシード層成膜ユニット27を設けた点である。
シード層107の形成前の半導体基板Wを収容したカセット1−1をロードアンロード部1のロードポートに載置する。第1ロボット3でシード層107の形成前の半導体基板Wをカセット1−1から取り出し、シード層成膜ユニット27でシード層(Cuシード層)107の成膜を行う。シード層107は無電解めっきで行い、成膜後熱を加えてシード層107の密着性をよくする。シード層107の膜厚をめっき前後膜厚測定器12で測定する。
第1ロボット3で半導体基板を取り出し、Cuめっき膜成膜ユニット2でCuめっき膜106の成膜を行う。Cuめっき膜106の成膜は、まず半導体基板Wの表面の親水処理を行い、その後にCuめっきを行う。その後リンス若しくは洗浄を行う。時間に余裕があれば、乾燥してもよい。第1ロボット3で半導体基板Wを取り出す時にめっき前後膜厚測定器12でCuめっき膜106の膜厚を測定する。上記測定方法はシード層107の膜厚測定とおなじであり、その測定結果は、半導体基板Wの記録データとして記録され、なお且つCuめっき膜成膜ユニット2の異常判定にも使用される。膜厚測定後、第1ロボット3が半導体基板Wを反転機5に渡し、半導体基板Wを反転させる。
次に、第2ロボット8で反転機5から半導体基板Wを取り上げプッシャー10−5又は11−5に載せる。続いて、トップリング10−2又は11−2で半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル10−1又11−1上に移送し、研磨テーブル10−1又は11−1上の研磨面に押圧して研磨を行う。ここでの研磨は図2に示す基板処理装置のパラレルモード研磨におけるステップ1乃至ステップ3の処理と略同一であるからその説明は省略する。
研磨終了後、トップリング10−2又は11−2は半導体基板Wをプッシャー10−5又は11−5に戻し、第2ロボット8で半導体基板Wを取り上げ第1洗浄ユニット9に搬入する。この時プッシャー10−5又は11−5上で薬液を半導体基板Wの表面、裏面に噴出し、パーティクルを除去したり、つきにくくすることもある。
第1洗浄ユニット9では、半導体基板Wの表面、裏面をスクラブ洗浄する。半導体基板Wの表面は、主にパーティクルの除去のため洗浄水として純水に界面活性剤、キレート剤、又はpH調整剤を加えたものが用いられPVAロールスポンジでスクラブ洗浄される。半導体基板Wの裏面には、DHF等の強い薬液を噴射し、拡散しているCuをエッチングしたり、又はCu拡散の問題がなければ、表面と同じ薬液を用いPVAロールスポンジでスクラブ洗浄する。
洗浄後、第2ロボット8で半導体基板Wを取り上げ、反転機6に渡し、該反転機6で半導体基板Wを反転させる。第2ロボット8で再度半導体基板Wを取り上げ第2洗浄ユニット7に搬入する。第2洗浄ユニット7では、半導体基板Wの表面に超音波振動を加えたメガソニック水を噴射して洗浄する。その時、純水、界面活性剤、キレート剤、又はpH調整剤を加えた洗浄液を用いてペンシル型スポンジで表面を洗浄してもよい。その後半導体基板Wをスピンドライにより乾燥させる。
その後、第2ロボット8で半導体基板Wを取り上げ、そのまま反転機6に渡す。第1ロボット3は反転機6上の半導体基板を取り上げ、上記研磨テーブル10−1、11−1の近傍に配置した膜厚測定器10−4、11−4で膜厚を測定している場合は、そのままロードアンロード部1のアンロードポートに載置したカセット1−1に収納する。多層膜の膜厚を測定する場合は、乾燥状態での測定を行う必要があるので、一度、乾燥状態膜厚測定器13で膜厚を測定する。この場合、図11(b)および(c)に示すように第1ロボット3のハンド3−1に乾燥状態膜厚測定器13が付いている場合は、ロボットハンド上で膜厚を測定できる。この膜厚測定結果は半導体基板Wの加工記録として残したり、次の工程に持っていけるか否かの判定を行う。
図30は、本発明に係る半導体基板処理装置の他の例の平面配置構成を示す図である。本基板処理装置では図29に示す基板処理装置と同様、シード層107が形成されていない半導体基板Wにシード層107及びCuめっき膜106を形成し、研磨して回路配線を形成する基板処理装置である。
本基板処理装置は第1ポリッシング装置10と第2ポリッシング装置11に接近してプッシャーインデクサー25を配置し、第2洗浄ユニット7とシード層成膜ユニット27の近傍にそれぞれ基板載置台21、22を配置し、シード層成膜ユニット27とCuめっき膜成膜ユニット2に接近してロボット23(以下、「第2ロボット23」と記す)を配置し、第1洗浄ユニット9と第2洗浄ユニット7の近傍にロボット24(以下、「第3ロボット24」と記す)を配置し、更にロードアンロード部1と第1ロボット3の近傍に乾燥状態膜厚測定器13を配置している。
第1ロボット3でロードアンロード部1のロードポートに載置されているカセット1−1から、バリア層105が形成されている半導体基板Wを取り出して基板載置台21に載せる。次に第2ロボット23は半導体基板Wをシード層成膜ユニット27に搬送し、シード層107を成膜する。このシード層107の成膜は無電解めっきで行う。第2ロボット23はシード層107の形成された半導体基板をめっき前後膜厚測定器12でシード層107の膜厚を測定する。膜厚測定後、Cuめっき膜成膜ユニット2に搬入し、Cuめっき膜106を形成する。
Cuめっき膜106を形成後、その膜厚を測定し、プッシャーインデクサー25に移送する。トップリング10−2又は11−2はプッシャーインデクサー25上の半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル10−1又は11−1に移送し研磨する。研磨後、トップリング10−2又は11−2は半導体基板Wを膜厚測定器10−4又は11−4に移送し、膜厚を測定し、プッシャーインデクサー25に移送して載せる。
次に、第3ロボット24はプッシャーインデクサー25から半導体基板Wを取り上げ、第1洗浄ユニット9に搬入する。第3ロボット24は第1洗浄ユニット9から洗浄された半導体基板Wを取り上げ、第2洗浄ユニット7に搬入し、洗浄し乾燥した半導体基板を基板載置台22上に載置する。次に、第1ロボット3は半導体基板Wを取り上げ乾燥状態膜厚測定器13で膜厚を測定し、ロードアンロード部1のアンロードポートに載置されているカセット1−1に収納する。
上記例では図29に示す構成の基板処理装置でシード層107及びCuめっき膜106を成膜する例を示したが、図29に示す構成の基板処理装置によって、回路パターンのコンタクトホール103又は溝104が形成された半導体基板W上にバリア層105、シード層107及びCuめっき膜106を形成し、研磨して回路配線を形成することができる。
バリア層105の形成前の半導体基板Wを収容したカセット1−1をロードアンロード部1のロードポートに載置する。第1ロボット3でカセット1−1から半導体基板Wを取り出し、シード層成膜ユニット27に搬入し、バリア層105とシード層107の成膜を行う。バリア層105とシード層107の成膜は無電解めっき法で行い、めっき後加熱し、バリア層105及びシード層107の密着性をよくする。その後Cuめっき膜成膜ユニット2でCuめっき膜106を成膜する。その時、めっき前後膜厚測定器12でバリア層105、シード層107の膜厚を測定する。Cuめっき膜106の形成後の処理は、上記の図29に示す基板処理装置の処理で説明したものと同じであるから、その説明は省略する。
図30に示す基板処理装置においても、上記のように回路パターンのコンタクトホール103又は溝104が形成された半導体基板W上にバリア層105、シード層107及びCuめっき膜106を形成して、研磨して回路配線を形成することができる。
バリア層105形成前の半導体基板Wを収容したカセット1−1をロードアンロード部1のロードポートに載置する。第1ロボット3でロードアンロード部1のロードポートに載置されているカセット1−1から、半導体基板Wを取り出して基板載置台21に載せる。次に第2ロボット23は半導体基板Wをシード層成膜ユニット27に搬送し、バリア層105とシード層107を成膜する。このバリア層105とシード層107の成膜は無電解めっきで行う。第2ロボット23はバリア層とシード層107の形成された半導体基板Wをめっき前後膜厚測定器12でバリア層105とシード層107の膜厚を測定する。膜厚測定後、Cuめっき膜成膜ユニット2に搬入し、Cuめっき膜106を形成する。Cuめっき膜106の形成後の処理は、上記の図29に示す基板処理装置の処理で説明したと同じであるから、その説明は省略する。
なお、上記実施形態例では、Cuめっき膜106を形成して回路配線を形成する例を示したが,Cuめっきに限定されるものではなく、Cu合金又はその他の金属でもよい。
図31は、本発明に係る半導体基板処理装置の他の実施形態例の平面配置構成を示す図である。本基板処理装置は、バリア層成膜ユニット111、シード層成膜ユニット112、めっき膜成膜ユニット113、アニールユニット114、第1洗浄ユニット115、ベベル・裏面洗浄ユニット116、蓋めっきユニット117、第2洗浄ユニット118、第1アライナ兼膜厚測定器141、第2アライナ兼膜厚測定器142、第1基板反転機143、第2基板反転機144、基板仮置き台145、第3膜厚測定器146、ロードアンロードユニット120、第1ポリッシング装置121、第2ポリッシング装置122、第1ロボット131、第2ロボット132、第3ロボット133、第4ロボット134を配置した構成である。なお、膜厚測定器141,142,146はユニットになっており、他のユニット(めっき、洗浄、アニール等のユニット)の間口寸法と同一サイズにしているため、入れ替え自在である。
この実施形態例では、バリア層成膜ユニット111は無電解Ruめっき装置、シード層成膜ユニット112は無電解Cuめっき装置、めっき膜成膜ユニット113は電解めっき装置を用いることができる。
図32は、本基板処理装置内での各工程の流れを示すフローチャートである。このフローチャートにしたがって、この装置内での各工程について説明する。まず、第1ロボット131によりロードアンロードユニット120に載置されたカセット120aから取り出された半導体基板は、第1アライナ兼膜厚測定器141内に被めっき面を上にして配置される。ここで、膜厚計測を行うポジションの基準点を定めるために、膜厚計測用のノッチアライメントを行った後、Cu膜形成前の半導体基板の膜厚データを得る。
次に、半導体基板は、第1ロボット131により、バリア層成膜ユニット111へ搬送される。このバリア層成膜ユニット111は、無電解Ruめっきにより半導体基板上にバリア層を形成する装置で、半導体装置の層間絶縁膜(例えば、SiO)へのCu拡散防止膜としてRuを成膜する。洗浄、乾燥工程を経て払い出された半導体基板は、第1ロボット131により第1アライナ兼膜厚測定器141に搬送され、半導体基板の膜厚、即ちバリア層の膜厚を測定される。
膜厚測定された半導体基板は、第2ロボット132でシード層成膜ユニット112へ搬入され、前記バリア層上に無電解Cuめっきによりシード層が成膜される。洗浄、乾燥工程を経て払い出された半導体基板は、第2ロボット132により含浸めっきユニットであるめっき膜成膜ユニット113に搬送される前に、ノッチ位置を定めるために第2アライナ兼膜厚測定器142に搬送され、Cuめっき用のノッチのアライメントを行う。ここで、必要に応じてCu膜形成前の半導体基板の膜厚を再計測してもよい。
ノッチアライメントが完了した半導体基板は、第3ロボット133によりめっき膜成膜ユニット113へ搬送され、Cuめっきが施される。洗浄、乾燥工程を経て払い出された半導体基板は、第3ロボット133により半導体基板端部の不要なCu膜(シード層)を除去するためにベベル・裏面洗浄ユニット116へ搬送される。ベベル・裏面洗浄ユニット116では、予め設定された時間でベベルのエッチングを行うとともに、半導体基板裏面に付着したCuをフッ酸等の薬液により洗浄する。この時、ベベル・裏面洗浄ユニット116へ搬送する前に第2アライナ兼膜厚測定器142にて半導体基板の膜厚測定を実施してめっきにより形成されたCu膜厚の値を得ておき、その結果により、ベベルのエッチング時間を任意に変えてエッチングを行っても良い。なお、ベベルエッチングによりエッチングされる領域は、基板の周縁部であって回路が形成されない領域、または回路が形成されていても最終的にチップとして利用されない領域である。この領域にはベベル部分が含まれる。
ベベル・裏面洗浄ユニット116で洗浄、乾燥工程を経て払い出された半導体基板は、第3ロボット133で基板反転機143に搬送され、該基板反転機143にて反転され、被めっき面を下方に向けた後、第4ロボット134により配線部を安定化させるためにアニールユニット114へ投入される。アニール処理前及び/又は処理後、第2アライナ兼膜厚測定器142に搬入し、半導体基板に形成された、銅膜の膜厚を計測する。この後、半導体基板は第4ロボット134により、第1ポリッシング装置121に搬入され、半導体基板のCu層、シード層の研磨を行う。
この際、砥粒等は所望のものが用いられるが、ディッシングを防ぎ、表面の平面度を出すために、固定砥粒を用いることもできる。第1ポリッシング終了後、半導体基板は第4ロボット134により第1洗浄ユニット115に搬送され、洗浄される。この洗浄は、半導体基板直径とほぼ同じ長さを有するロールを半導体基板の表面と裏面に配置し、半導体基板及びロールを回転させつつ、純水又は脱イオン水を流しながら洗浄するスクラブ洗浄である。
第1の洗浄終了後、半導体基板は第4ロボット134により第2ポリッシング装置122に搬入され、半導体基板上のバリア層が研磨される。この際、砥粒等は所望のものが用いられるが、ディッシングを防ぎ、表面の平面度を出すために、固定砥粒を用いることもできる。第2ポリッシング終了後、半導体基板は第4ロボット134により、再度第1洗浄ユニット115に搬送され、スクラブ洗浄される。洗浄終了後、半導体基板は第4ロボット134により第2基板反転機144に搬送され反転されて、被めっき面を上方に向けられ、更に第3ロボットにより基板仮置き台145に置かれる。
半導体基板は、第2ロボット132により基板仮置き台145から蓋めっきユニット117に搬送され、Cuの大気による酸化防止を目的にCu面上にニッケル・ボロンめっきを行う。蓋めっきが施された半導体基板は、第2ロボット132により蓋めっきユニット117から第3膜厚測定器146に搬入され、銅膜厚が測定される。その後、半導体基板は第1ロボット131により第2洗浄ユニット118に搬入され、純水又は脱イオン水により洗浄される。洗浄が終了した半導体基板はロードアンロードユニット120に載置されたカセット120a内に戻される。
アライナ兼膜厚測定器141及びアライナ兼膜厚測定器142は、基板ノッチ部分の位置決め及び膜厚の測定を行う。このアライナ兼膜厚測定器142の概略図を図33および図34に示す。このアライナ兼膜厚測定器142における半導体基板の動きを示すフローチャートを図35に示す。
アライナ兼膜厚測定器142では、半導体基板Wを回転させながら、フォトマイクロセンサ142−1によりノッチWaを検出し、任意の位置へノッチWaの位置決めを行う。例えば、ノッチWa位置を検出することで膜厚計測ポイントの基準位置を定めて、処理前と処理後の計測ポイントがずれないようにしたり、めっき装置搬入時の、半導体基板の載置方向を揃えることができる。
装置構成としては、回転可能真空チャック142−4、リフト142−2及びノッチ検出用のフォトマイクロセンサ142−1、膜厚計測用の渦電流センサ142−3等を具備する。図33乃至図35において、第2ロボット132のハンド132−1により半導体基板Wを搬入する(ステップS1)。アライナ兼膜厚測定器142はリフト142−2を上昇させ半導体基板をリフト142−2に移載する(ステップS2)。第2ロボット132のハンド132−1を退避させ(ステップS3)、リフトを下降させる(ステップS4)。これにより半導体基板Wを真空チャック142−4上に搭載する(ステップS5)。
その後、真空チャック142−4は、回転しながら、フォトマイクロセンサ142−1によりノッチWaを検出し、その後の処理に応じた任意の位置へノッチWaを位置決めする(ステップS6)。また、必要に応じて渦電流センサ142−3で半導体基板Wの任意ポイントの膜厚を計測する(ステップS7)。その後、めっき処理装置投入時に、めっき膜成膜ユニット113内での半導体基板WのノッチWaの位置が定位置になるように半導体基板Wを位置決めする(ステップS8)。その後、真空チャックをOFFとし(ステップS9)、リフト142−2を上昇させることにより半導体基板Wを移載させ(ステップS10)、第3ロボット133のハンド133−1を挿入し(ステップS11)、リフト142−2を下降させ(ステップS12)、該半導体基板Wをハンド133−1に移載し、半導体基板Wを取り出す(ステップS13)。
なお、図33および図34において、符号142−6は真空ポンプであり、真空ポンプ142−6はロータリージョイント142−5を介して真空チャック142−4の吸着穴に接続されている。符号142−7は真空チャック142−4を回転するモータ、符号142−9は渦電流センサ142−3が取付けられたアーム142−8を回動させるモータ、符号142−10はリフタ142−2を上下動させるアクチュエータである。また、符号142−11は半導体基板Wの仮置台である。また、アライナ兼膜厚測定器141の構成及び動作はアライナ兼膜厚測定器142と同じなのでその説明は省略する。
無電解Ruめっき装置であるバリア層成膜ユニット111へ受け渡された半導体基板Wは、まず、触媒としてPdが付与される。Pdは半導体基板Wに30ml程度付与され、処理時間は約1分間程度である。半導体基板Wを水洗した後、活性化処理のため、半導体基板Wは塩酸で処理される。この際、塩酸は36%液を100ml/L程度の濃度で、液量30ml程度、処理時間約1分程度である。再度、半導体基板Wを水洗した後、無電解Ruめっきを行う。ルテニウムめっき液は、RuCl・xHOが用いられる。基板面温度約85℃で、約10分程度処理される。その時の成膜レートは約2nm/分となる。こうして、バリア層を形成し、水洗、スピン乾燥工程を経て完了となる。上記の工程で、SiO上に約20nmのRuが無電解めっきで得られる。
なお、バリア層105の形成は、無電解めっきのみではなく、CVD、スパッタ又は電解めっきを用いても形成することができる。また、バリア層はRuに限られず、TiN等の層間絶縁膜へのCuの拡散防止を達成できる材料であれば、いずれの材料も使用することができる。
シード層成膜ユニット112である無電解Cuめっきは、上記無電解Ruめっきユニットと同様の装置を用いることができる。図36は無電解Cuめっきユニットの構成例を示す図である。図36に示す無電解めっき装置の構造は後述する。
シード層成膜ユニット112において、裏面ヒータ315によって半導体基板W自体を直接加熱し、例えば70℃に維持する。シャワーヘッド341から例えば50℃に加熱されためっき液を噴出して半導体基板Wの表面の略全体にめっき液を注ぐ。供給するめっき液の量は半導体基板Wの表面に1mm厚となる程度とする。そしてモータMにより半導体基板Wを瞬時回転させて被めっき面に均一な液濡れを行い、その後半導体基板Wを静止した状態で被めっき面にめっき膜を形成する。
シード層の成膜処理が完了した後、めっき回収ノズル365の先端を半導体基板Wの表面周縁部の堰部材331の内側近傍に下降し、めっき液を吸込む。この時半導体基板Wを例えば100rpm以下の回転速度で回転させれば、半導体基板Wの上面に残った液を遠心力により堰部材331の部分に集めることができ、効率良く、且つ高い回収率でめっき液の回収ができる。
そして保持手段311を下降させて半導体基板Wを堰部材331から離し、半導体基板Wの回転を開始し、洗浄液供給手段351のノズル353から洗浄液(超純水)を半導体基板Wの被めっき面に噴射して被めっき面を冷却すると同時に希釈化・洗浄することで無電解めっき反応を停止させる。次に、モータMにより半導体基板Wを高速回転してスピン乾燥した後、該半導体基板Wを保持手段311から取出す。
上記無電解めっき液としては、CuSO・5HOに錯化剤としてEDTA・4Na、還元剤としてHCHOを含み、pH調整用のアルカリとしてNaOHをpHが12.5になるように含み、さらにα,α’−ジピリジルを含んでいる。めっき温度は40〜80℃程度である。なお、シード層の形成は、無電解めっきのみではなく、CVD、スパッタ又は電解めっきにより形成することも可能である。
ベベル・裏面洗浄ユニット116は、エッジ(ベベル)Cuエッチングと裏面洗浄が同時に行え、また基板表面の回路形成部の銅の自然酸化膜の成長を抑えることが可能である。図37に、ベベル・裏面洗浄ユニット116の概略図を示す。図37に示すように、ベベル・裏面洗浄ユニット116は、有底円筒状の防水カバー220の内部に位置して基板Wをフェイスアップでその周縁部の円周方向に沿った複数箇所でスピンチャック221により水平に保持して高速回転させる基板保持部222と、この基板保持部222で保持された基板Wの表面側のほぼ中央部上方に配置されたセンタノズル224と、基板Wの周縁部の上方に配置されたエッジノズル226とを備えている。センタノズル224及びエッジノズル226はそれぞれ下向きで配置されている。また基板Wの裏面側のほぼ中央部の下方に位置してバックノズル228が上向きで配置されている。前記エッジノズル226は基板Wの直径方向及び高さ方向を移動自在に構成されている。
このエッジノズル226の移動幅Lは、基板の外周端面から中心部方向に任意の位置決めが可能になっていて、基板Wの大きさや使用目的等に合わせて、設定値の入力を行う。通常、2mmから5mmの範囲でエッジカット幅Cを設定し、裏面から表面への液の回り込み量が問題にならない回転数以上であれば、その設定されたカット幅C内の銅膜を除去することができる。
次に、このベベル・裏面洗浄ユニット116によるベベル・裏面洗浄方法について説明する。まず、基板をスピンチャック221を介して基板保持部222で水平に保持した状態で、半導体基板Wを基板保持部222と一体に水平回転させる。この状態で、センタノズル224から基板Wの表面側の中央部に酸溶液を供給する。この酸溶液としては非酸化性の酸であればよく、例えばフッ酸、塩酸、硫酸、クエン酸、蓚酸等を用いる。一方、エッジノズル226から基板Wの周縁部に酸化剤溶液を連続的または間欠的に供給する。この酸化剤溶液としては、オゾン水、過酸化水素水、硝酸水、次亜塩素酸ナトリウム水等のいずれかを用いるか、またはそれらの組み合わせを用いる。
これにより、半導体基板Wの周縁部Cの領域では上面及び端面に成膜された銅膜等は酸化剤溶液で急速に酸化され、同時にセンタノズル224から供給されて基板の表面全面に拡がる酸溶液によってエッチングされ溶解除去される。このように、基板周縁部で酸溶液と酸化剤溶液を混合させることで、予めそれらの混合水をノズルから供給するのに比べて急峻なエッチングプロフィールを得ることができる。このときそれらの濃度により銅のエッチングレートが決定される。また、基板の表面の回路形成部に銅の自然酸化膜が形成されていた場合、この自然酸化物は基板の回転に伴って基板の表面全面に亘って広がる酸溶液で直ちに除去されて成長することはない。すなわち、表面からHFを流すことで、めっきの時に形成された表面の酸化銅を除去することができ、またエッチング中にも酸化膜の形成がおきない。半導体基板の表面に銅の酸化膜が存在するとCMPのときに酸化銅の部分のみ先に研磨されてしまうため、CMP後の表面の平坦性に悪影響を与えてしまうが、このように銅の酸化膜を除去することで、このような弊害を回避できる。
なお、センタノズル224からの酸溶液の供給を停止した後、エッジノズル226からの酸化剤溶液の供給を停止することで、表面に露出しているシリコンを酸化して、銅の付着を抑制することができる。つまり、例えば、Siのような活性面が露出する基板の場合には、Hを後に止めて表面を酸化し不活性化することで、その後のCMPでスクラッチの原因となる大きなパーティクルの吸着を防ぐことができる。
このように、Hで銅を酸化し、その酸化した銅をHFで除去する工程を繰り返すことにより、混合液を使用して銅の酸化と除去を同時に行う場合に比較して、銅の除去率を向上させることができる。
一方、バックノズル228から基板の裏面中央部に酸化剤溶液とシリコン酸化膜エッチング剤とを同時または交互に供給する。これにより半導体基板Wの裏面側に金属状で付着している銅等を基板のシリコンごと酸化剤溶液で酸化しシリコン酸化膜エッチング剤でエッチングして除去することができる。なおこの酸化剤溶液としては表面に供給する酸化剤溶液と同じものにする方が薬品の種類を少なくする上で好ましい。またシリコン酸化膜エッチング剤としては、フッ酸を用いることができ、基板の表面側の酸溶液もフッ酸を用いると薬品の種類を少なくすることができる。これにより、酸化剤供給を先に停止すれば疎水面が得られ、エッチング剤溶液を先に停止すれば飽水面(親水面)が得られて、その後のプロセスの要求に応じた裏面に調整することもできる。
このように酸溶液すなわちエッチング液を基板に供給して、基板Wの表面に残留する金属イオンを除去した後、更に純水を供給して、純水置換を行ってエッチング液を除去し、その後、スピン乾燥を行う。このようにして半導体基板表面の周縁部のエッジカット幅C内の銅膜の除去と裏面の銅汚染除去を同時に行って、この処理を例えば80秒以内に完了させることができる。なお、エッジのエッチングカット幅を任意(2mm〜5mm)に設定することが可能であるが、エッチングに要する時間はカット幅に依存しない。
このベベル・裏面洗浄ユニット116の半導体基板の保持に図3乃至図6に示す回転保持装置が用いられる。
めっき後のCMP工程前に、アニール処理を行うことが、この後のCMP処理や配線の電気特性に対して良い効果を示す。アニール無しでCMP処理後に幅の広い配線(数μm単位)の表面を観察するとマイクロボイドのような欠陥が多数見られ、配線全体の電気抵抗を増加させたが、アニールを行うことでこの電気抵抗の増加は改善された。アニール無しの場合に、細い配線にはボイドが見られなかったことより、粒成長の度合いが関わっていることが考えられる。つまり、細い配線では粒成長が起こりにくいが、幅の広い配線では粒成長に伴い、アニール処理に伴うグレン成長の過程で、めっき膜中のSEM(走査型電子顕微鏡)でも見えないほどの超微細ポアが集結しつつ上へ移動することで配線上部にマイクロボイド様の凹みが生じたという推測ができる。アニールユニット114のアニール条件としては、ガスの雰囲気は水素を添加(2%以下)、温度は300〜400℃程度で1〜5分間で上記の効果が得られた。
図77及び図78は、アニールユニット114を示すもので、このアニールユニット114は、半導体基板Wを出し入れするゲート1000を有するチャンバ1002の内部に位置して、半導体基板Wを、例えば400℃に加熱するホットプレート1004と、例えば冷却水を流して半導体基板Wを冷却するクールプレート1006が上下に配置されている。また、クールプレート1006の内部を貫通して上下方向に延び、上端に半導体基板Wを載置保持する複数の昇降ピン1008が昇降自在に配置されている。更に、アニール時に半導体基板Wとホットプレート1008との間に酸化防止用のガスを導入するガス導入管1010と、該ガス導入管1010から導入され、半導体基板Wとホットプレート1008との間を流れたガスを排気するガス排気管1012がホットプレート1004を挟んで互いに対峙する位置に配置されている。
ガス導入管1010は、内部にフィルタ1014aを有するNガス導入路1016内を流れるNガスと、内部にフィルタ1014bを有するHガス導入路1018内を流れるHガスとを混合器1020で混合し、この混合器1020で混合したガスが流れる混合ガス導入路1022に接続されている。
これにより、ゲート1000を通じてチャンバ1002の内部に搬入した半導体基板Wを昇降ピン1008で保持し、昇降ピン1008を該昇降ピン1008で保持した半導体基板Wとホットプレート1004との距離が、例えば0.1〜1.0mm程度となるまで上昇させる。この状態で、ホットプレート1004を介して半導体基板Wを、例えば400℃となるように加熱し、同時にガス導入管1010から酸化防止用のガスを導入して半導体基板Wとホットプレート1004との間を流してガス排気管1012から排気する。これによって、酸化を防止しつつ半導体基板Wをアニールし、このアニールを、例えば数十秒〜60秒程度継続してアニールを終了する。基板の加熱温度は100〜600℃が選択される。
アニール終了後、昇降ピン1008を該昇降ピン1008で保持した半導体基板Wとクールプレート1006との距離が、例えば0〜0.5mm程度となるまで下降させる。この状態で、クールプレート1006内に冷却水を導入することで、半導体基板Wの温度が100℃以下となるまで、例えば10〜60秒程度、半導体基板を冷却し、この冷却終了後の半導体基板を次工程に搬送する。
なお、この例では、酸化防止用のガスとして、Nガスと数%のHガスを混合した混合ガスを流すようにしているが、Nガスのみを流すようにしてもよい。
上記構成の基板処理装置の特徴を列記すると、下記のようになる。
各成膜ユニット内で、前処理・洗浄・乾燥までが行え、次の工程に汚染物質を持ち込まない。
本装置に搭載している各ユニットでは、さまざまな薬液を使用している。また、同一ユニットであっても、プロセスの違いによって、異なる薬液が選択されることもある。異なった薬液が混合すると、薬液の処理効果が変化したり、化合物の結晶が析出して、処理中の基板に影響するばかりでなく、その後に入ってくる次の半導体基板のプロセス処理に影響を及ぼすことも考えられる。また、搬送手段がロボットハンドであった場合においては、ハンドが汚染されるので、基板には搬送のたびに、さまざまな薬液が付着することになる。
そのため、本装置においては、次のユニット、つまり、半導体製造装置の次工程に移る前に、ユニット内で、半導体基板に処理薬液を残さない処理を施してから搬出することで、薬液を別ユニットへ持ち込まないようにしている。例えば、バリア層の成膜工程である無電解めっきユニットから、配線埋め込みのためのめっき工程を実施する電解めっきユニットへ基板を移す際は、無電解めっきユニット内で、洗浄処理、乾燥処理を経ることで、アルカリ性の無電解めっき液を酸性のめっき液を扱う電解めっきユニットへは持ち込まないようにしている。
また、めっき工程からCMP工程へ移る際は、CMPへ酸性のめっき液を持ち込まないように電解めっきユニット内で、めっき処理のほか、洗浄処理、乾燥処理の実施を行っている。
また、配線埋め込みのためのめっき工程を実施するめっき膜成膜ユニット113にあっては、界面活性剤や、プレコート等の処理が可能である。このことにより、めっき膜成膜ユニット113内(単一のユニット内)で、電解めっき直前に前処理が行えるため、微細孔への液入れが改善される。また、めっき膜成膜ユニット113内(単一のユニット内)に洗浄機構やスピンドライ機構を有しているため、セル間移動のときの半導体基板Wを液きりあるいは乾燥といった所望の湿潤状態にできる。とくに、この洗浄機構とスピンドライ機構は、半導体基板の洗浄と乾燥のみならず、シール剤やカソード接点も同様に洗浄、乾燥が行えるため、これらの消耗部材の交換頻度が著しく少なくなり、装置全体の連続稼動時間が増す効果がある。
フレキシブルなユニットの搭載、プロセスの構築が短期間で可能である。図38(a)至図(d)、図39(a)および(b)、図40(a)および(b)は、基板処理装置における各搭載ユニットを相互に入れ替え自在にした構成例を示す図である。図38(a)および(b)は、本基板処理装置を構成する各ユニットを搭載する台板の平面図、図38(c)は正面図、図38(d)は図38(b)のA−A断面図である。図39(a)は、本基板処理装置の各ユニット正面図、図39(b)は図39(a)のB−B断面図である。図40(a)は、本基板処理装置の各ユニットを台板に搭載した状態を示す正面図、図40(b)は図40(a)のC−C断面図である。
図示するように、本基板処理装置の各ユニット301を搭載する台板300の上面には各ユニット301の間口寸法Dより狭い間隔で、2本のレール(例えば、SUS材からなる)302,302が平行に台板300に埋め込み配置(台板300の上面とレール302,302の上面が略同一高さ)されており、その中間に1本のガイド棒(例えばナイロン樹脂材からなる)303が台板300上面より突出して配置されている。また、各ユニット301の底は2重底のようになっていて、上底部305には4個のローラ304がねじ308で取付けられていると共に、下底部306にはガイド棒303に係合する溝307が設けられている。各ローラ304はねじ308でその高さが調整できるようになっている。
ねじ308を調整し、各ローラ304の底部が下底部306から若干(例えば1mm程度)突出する状態に調整する。この状態でユニット301の下底部306の溝307にガイド棒303が係合するようにユニット301を挿入すると、ユニット301はガイド棒に案内されて所定の位置に収まる。この状態では図40(a)に示すように下底部306と台板300の上面の間にはローラ304の突出分に相当する間隙dがある。各ユニット301が所定の位置に収まった状態で各ねじ308を緩め、各ローラ304を引っ込めることにより、ユニット301の下底部306は台板300上面に当接する(図示は省略)。この状態で図示しない固定ビスで、各ユニット301を台板300に固定する。
各ユニットは搬送ロボット131〜134(図31参照)の方向に各々の搬入、搬出口が向かうように搭載されている。その時のユニット300の、ロボット面側の幅、即ち、間口寸法Dは同一サイズとなっている。搭載時は、上記のように本装置の台板300のユニット搭載面にレール302,302に沿って挿入することにより、容易に搭載することができる。また、搭載されたユニット301を装置本体から取り外す際は逆方向へ引くようにすれば良い。
半導体製造の分野においては、技術の革新は日進月歩であるが、上記のように装置を構成する各ユニット301を容易に交換できる構造にすることによって、装置全体を入れ替えることなく、一部のユニット301を新たなユニットと容易に交換することができる。これにより、装置全体の機能の更新が短期間、低コストで対応できる。また、このようなユニット301の交換を前提に、制御系も容易に対応できるような設計になっている。本装置においては、搭載されたユニット301に対して、プロセス処理を実施するか、または実施しないか(ユニットのスキップ機能)および半導体基板Wの処理経路(ユニットの使用順序)を自在に設定することが可能である。よって、ユニットが交換されたときのみならず、異なったプロセスで処理したい場合において装置機能が柔軟に対応可能となる。特に、近年の多品種、少量生産に対応して小規模ラインを多種類もつことが重要となってきているため、必要なユニットを容易に自在に組合せることができる上記構造は特に有用である。
図41は、本発明に係る基板処理装置の他の実施形態例の平面配置構成を示す図である。本基板処理装置はディジタル情報家電機器に要求されるシステムLSIの製造のように小規模で多品種、少量生産に適用できる基板処理装置である。本基板処理装置は、第1ロボット406及び第2ロボット407を囲むように、第1めっき膜成膜ユニット401、第2めっき膜成膜ユニット402、ベベル・裏面洗浄ユニット403、アニールユニット404、アライナ兼膜厚測定ユニット405、ロード/アンロード部408が配置された構成である。ロード/アンロード部408には2台のインデクサ409,409が配置され、夫々にカセット410が載置可能になっている。なお、図41において、符号411は薬液供給ユニット、412は電装ユニット、413はタッチパネル、414は給気又は排気用のダクトである。
上記インデクサ409は載置されたカセット410を上昇、下降させることができ、第1ロボット406が取出す基板に合わせて、高さ方向の位置決めを行う機構であり、第1ロボット406は同一の高さ位置にアクセスする。本基板処理装置では、別装置でバリア層、シード層が形成された基板を第1ロボット406がインデクサ409上のカセット410から取り出し、アライナ兼膜厚測定ユニット405へ搬送する。該アライナ兼膜厚測定ユニット405でノッチのアライメント及び成膜前の膜厚測定を実施後、第2ロボット407が該アライナ兼膜厚測定ユニット405から基板を取り出し、第1めっき膜成膜ユニット401又は第2めっき膜成膜ユニット402へ搬送し、ここで銅めっきが施される。
銅めっきの完了した基板は、第2ロボット407がアライナ兼膜厚測定ユニット405へ搬送し、該アライナ兼膜厚測定ユニット405でめっき後の基板の膜厚測定を行う。第1ロボット406がアライナ兼膜厚測定ユニット405の基板を取り出し、ベベル・裏面洗浄ユニット403へ搬送する。該ベベル・裏面洗浄ユニット403で基板を洗浄した後、アニールユニット404へ搬送する。アニールユニット404で基板をアニールした後、第1ロボット406は洗浄後の基板をインデクサ409上のカセット410に戻す。
第1めっき膜成膜ユニット401と第2めっき膜成膜ユニット402を同じプロセスに設定し、複数の基板のめっき処理を並行して実施するようにしてもよい。また、第1めっき膜成膜ユニット401と第2めっき膜成膜ユニット402に異なったプロセスを使いわけて、あるプロセスの時は片方を休止しておいて、もう一方のみを使用してもよい。また、アニールユニット404、ベベル・裏面洗浄ユニット403を異なったプロセスを行うためのめっき膜成膜ユニットに変更することもできる。
本基板処理装置において、第1めっき膜成膜ユニット401及び第2めっき膜成膜ユニット402の第2ロボット407に面している側401a,402aの幅、即ち間口寸法Dは、アニールユニット404やベベル・裏面洗浄ユニット403、アライナ兼膜厚測定ユニット405、図16の洗浄ユニット115,118、シード層成膜ユニット112、バリア層成膜ユニット111、蓋めっきユニット117、アライナ兼膜厚測定ユニット141,142、膜圧測定ユニット146、基板反転機143,144、仮置き台145等の間口寸法と同一サイズにしているため(図面上は間口寸法は同一サイズには図示されていない部分もあるが)、新しいプロセスを導入する場合にも容易にこれらのユニットを他のユニットに交換することが可能なため、短時間かつ低コストで装置の更新が可能である。また、アライナ兼膜厚測定ユニット405も他のユニットの間口寸法と同一サイズにしているため、入れ替え自在である。
図42は、本発明に係る半導体基板処理装置の他の実施形態例の平面配置構成を示す図である。本半導体基板処理装置が図41に示す半導体基板処理装置と異なる点は、アニールユニット404がないだけであり、他は図41の半導体基板処理装置と同一構成であるので、その説明は省略する。
上記基板処理装置のレイアウトを主にして複数の基板処理装置を工場内に設置し、各々に搭載するユニットの構成を変化させることによって、異なる配線プロセスで用いることも可能である。一時的に多くの生産を要求される場合は、急遽同一のユニットで構成した基板処理装置へ改造して、対応することも可能である。
なお、図41または図42に示す半導体基板処理装置においては、第1ロボット406と第2ロボット407の2台のロボットを備えた例を示しているが、1台のロボットで済ますようにすることもできる。
また、1台のロボットの周りに、めっきユニット及び洗浄ユニット(スピン−リンス−ドライユニット)等を半導ウエハのスループット等を考慮して適宜複数台配置するようにしてもよい。例えば、1台のロボットの周りに3台のめっきユニットと3台の洗浄ユニットを配置することができる。また、洗浄ユニット(スピン−リンス−ドライユニット)の代わりに、ベベルエッチングユニットを配置してもよい。めっきユニットは、図12から図16に示すような、いわゆるフェイスアップ型のめっきユニットでもよいし、また図59から図66に示すような、いわゆるフェイスダウン型のめっきユニットでもよい。
図43は、本発明に係る半導体基板処理装置の他の実施形態例の平面配置構成を示す図である。本基板処理装置は、第1ロボット600及び第2ロボット602を囲むように、ロードアンロード部604、2基のアニールユニット606及び洗浄ユニット608が配置され、更に、洗浄ユニット608、4基のめっき膜成膜ユニット610に囲まれた位置に第3ロボット612が配置された構成である。更に、各めっき膜成膜ユニット610にめっき液を供給する薬液供給システム614が備えられている。この洗浄ユニット608は、前記図3乃至図6に示す回転保持装置を備えている。
上述した実施形態の説明においては、Cuめっき膜106を電解めっきにより形成する例を説明したが、Cuめっき膜106を無電解めっきにより形成することもできる。
上述した半導体基板処理装置によれば、以下に列挙するような優れた効果が得られる。
(1)表面に配線パターン用の溝及び/又は穴が形成され、その上にバリア層、給電シード層が形成された半導体基板に、金属めっきを施し、該バリア層、給電シード層及び金属めっき膜を研磨除去し、洗浄および乾燥して回路配線を形成する処理が1つの装置で連続してできるから、それぞれの処理工程を別々の装置で行なう場合に比較し、全体がコンパクトになり、広い設置スペースを必要とせず、装置のイニシャルコスト、ランニングコストを低くでき、且つ短い処理時間で回路配線を形成できる。
(2)表面に配線パターン用の溝及び/又は穴が形成され、その上にバリア層が形成された半導体基板に、給電シード層及び金属めっき膜を施し、該給電シード層及び金属めっき膜を研磨除去し、洗浄乾燥して回路配線を形成する処理が1つの装置で連続してできるから、それぞれの処理工程を別々の装置で行なう場合に比較し、全体がコンパクトになり、広い設置スペースを必要とせず、装置のイニシャルコスト、ランニングコストを低くでき、且つ短い処理時間で回路配線を形成できる。
(3)表面に配線パターン用の溝及び/又は穴が形成された半導体基板に、バリア層、給電シード層及び金属めっき膜を施し、該バリア層、給電シード層及び金属めっき膜を研磨除去し、洗浄および乾燥して回路配線を形成する処理が1つの装置で連続してできるから、それぞれの処理工程を別々の装置で行なう場合に比較し、全体がコンパクトになり、広い設置スペースを必要とせず、装置のイニシャルコスト、ランニングコストを低くでき、且つ短い処理時間で回路配線を形成できる。
(4)膜厚測定部及び残膜測定部で測定した膜厚、残膜や、各層のイニシャルの膜厚の測定結果を記録することにより、次工程の処理時間を制御したり各処理工程の良否状態や、回路配線形成処理の終了した半導体基板の良否等を判断するデータとして利用することができる。
(5)基板処理プロセスの変更に容易に対応でき、基板処理装置全体の機能の更新が短時間に低コストで対応できる基板処理装置を提供できる。
(6)基板保持部で半導体基板を上向きに保持した状態で、被めっき面と電極アーム部のアノードとの間にめっき液を満たしてめっき処理を行い、めっき処理後に、被めっき面と電極アーム部のアノードとの間のめっき液を抜くと共に、電極アーム部を上昇させて被めっき面を解放させることで、基板保持部で半導体基板を保持したまま、めっき処理の前後にめっきに付帯した前処理や洗浄・乾燥処理といった他の処理を行なうことができる。
(7)めっきユニットでプレコート処理、めっき処理、水洗処理ができるので時間効率がよい。
(8)各ユニットの入れ替えが自在に構成されているので、基板処理プロセスの変更に自在、容易に対応でき、基板処理装置全体の機能の更新が短時間に低コストで対応できる。
(9)表面に配線パターン用の溝及び/又は穴が形成され、その上にバリア層、給電シード層が形成された半導体基板に、金属めっきを施し、該バリア層、給電シード層及び金属めっき膜を研磨除去し、洗浄および乾燥して回路配線を形成する処理が1つの装置で連続してできるから、それぞれの処理工程を別々の装置で行なう場合に比較し、全体がコンパクトになり、広い設置スペースを必要とせず、装置のイニシャルコスト、ランニングコストを低くでき、且つ短い処理時間で回路配線を形成できる。
(10)表面に配線パターン用の溝及び/又は穴が形成され、その上にバリア層が形成された半導体基板に、給電シード層及び金属めっき膜を施し、該給電シード層及び金属めっき膜を研磨除去し、洗浄乾燥して回路配線を形成する処理が連続してできるから、短い処理時間で回路配線を形成できる。
(11)表面に配線パターン用の溝及び/又は穴が形成された半導体基板に、バリア層、給電シード層及び金属めっき膜を施し、該給電シード層及び金属めっき膜を研磨除去し、洗浄乾燥して回路配線を形成する処理が連続してできるから、短い処理時間で回路配線を形成できる。
次に、無電解めっき装置を図36、図44(a)乃至(c)及び図45を参照して説明する。この無電解めっき装置は、例えば半導体基板Wの表面に無電解銅めっきを施して、銅層からなるシード層や配線を形成するのに使用される。このめっき工程の一例を、図44(a)乃至(c)を参照して説明する。
半導体基板Wには、図44(a)に示すように、半導体素子が形成された基板101の導電層101aの上にSiOからなる絶縁膜102が堆積され、リソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール103と配線用の溝104が形成され、その上にTiN等からなるバリア層105、更にその上に無電解銅めっきによってシード層107が形成される。なおシード層107はスパッタなどによって予め形成しておき、このシード層107の上にこれを補強するために補強シード層を無電解銅めっきによって形成する場合もある。そして図44(b)に示すように、半導体基板W表面に銅めっきを施すことで半導体基板Wのコンタクトホール103及び溝104内に銅を充填させると共に、絶縁膜102上に銅層106を堆積させる。その後化学的機械的研磨(CMP)により絶縁膜102上の銅層106を除去して、図44(c)に示すようにコンタクトホール103および配線用の溝104に充填した銅層106の表面と絶縁膜102の表面とを略同一平面にし、露出する金属表面の上に配線保護膜108を形成する。前記補強シード層は、上述したように、無電解めっきにより成膜することもできるが、電解めっきにより成膜することもできる。電解めっきにより成膜する場合には、基板の被めっき面を下方に向けて保持し、電解めっきを行う、いわゆるカップ式の電解めっきユニットにより成膜することもできる。
図36は、無電解めっき装置の概略構成図である。図36に示すように、この無電解めっき装置は、被めっき部材である半導体基板Wをその上面に保持する保持手段311と、保持手段311に保持された半導体基板Wの被めっき面(上面)の周縁部に当接して該周縁部をシールする堰部材(めっき液保持機構)331と、堰部材331でその周縁部をシールされた半導体基板Wの被めっき面にめっき液(無電解めっき処理液)を供給するシャワーヘッド(無電解めっき処理液(分散)供給手段)341を備えている。無電解めっき装置は、さらに保持手段311の上部外周近傍に設置されて半導体基板Wの被めっき面に洗浄液を供給する洗浄液供給手段351と、排出された洗浄液等(めっき廃液)を回収する回収容器361と、半導体基板W上に保持しためっき液を吸引して回収するめっき液回収ノズル365と、前記保持手段311を回転駆動するモータ(回転駆動手段)Mとを備えている。以下、各部材について説明する。
保持手段311はその上面に半導体基板Wを載置して保持する基板載置部313を設けている。この基板載置部313は半導体基板Wを載置して固定するように構成されており、具体的には半導体基板Wをその裏面側に真空吸着する図示しない真空吸着機構を設置している。一方、基板載置部313の裏面側には、面状であって半導体基板Wの被めっき面を下面側から暖めて保温する裏面ヒータ(加熱手段)315が設置されている。この裏面ヒータ315は例えばラバーヒータによって構成されている。この保持手段311はモータMによって回転駆動されると共に、図示しない昇降手段によって上下動できるように構成されている。
堰部材331は筒状であってその下部に半導体基板Wの外周縁をシールするシール部333を設け、図示の位置から上下動しないように設置されている。
シャワーヘッド341は、先端に多数のノズルを設けることで、供給されためっき液をシャワー状に分散して半導体基板Wの被めっき面に略均一に供給する構造のものである。また洗浄液供給手段351は、ノズル353から洗浄液を噴出する構造である。
めっき液回収ノズル365は上下動且つ旋回できるように構成されていて、その先端が半導体基板Wの上面周縁部の堰部材331の内側に下降して半導体基板W上のめっき液を吸引するように構成されている。
次にこの無電解めっき装置の動作を説明する。まず図示の状態よりも保持手段311を下降して堰部材331との間に所定寸法の隙間を設け、基板載置部313に半導体基板Wを載置・固定する。半導体基板Wとしては例えばφ8インチウエハを用いる。
次に、保持手段311を上昇して図示のようにその上面を堰部材331の下面に当接し、同時に半導体基板Wの外周を堰部材331のシール部333によってシールする。このとき半導体基板Wの表面は開放された状態となっている。
次に裏面ヒータ315によって半導体基板W自体を直接加熱して、例えば半導体基板Wの温度を70℃にし(めっき終了まで維持する)、次にシャワーヘッド341から例えば50℃に加熱されためっき液を噴出して半導体基板Wの表面の略全体にめっき液を降り注ぐ。半導体基板Wの表面は堰部材331によって囲まれているので、注入しためっき液は全て半導体基板Wの表面に保持される。供給するめっき液の量は半導体基板Wの表面に1mm厚(約30ml)となる程度の少量で良い。なお被めっき面上に保持するめっき液の深さは10mm以下であれば良く、この例のように1mmでも良い。この例のように供給するめっき液が少量で済めばこれを加熱する加熱装置も小型のもので良くなる。そしてこの例においては、半導体基板Wの温度を70℃に、めっき液の温度を50℃に加熱しているので、半導体基板Wの被めっき面は例えば60℃になり、この例におけるめっき反応に最適な温度にできる。このように半導体基板W自体を加熱するように構成すれば、加熱するのに大きな消費電力の必要なめっき液の温度をそれほど高く昇温しなくても良いので、消費電力の低減化やめっき液の材質変化の防止が図れ、好適である。なお半導体基板W自体の加熱のための消費電力は小さくて良く、また半導体基板W上に溜めるめっき液の量は少ないので、裏面ヒータ315による半導体基板Wの保温は容易に行え、裏面ヒータ315の容量は小さくて良く装置のコンパクト化を図ることができる。また半導体基板W自体を直接冷却する手段をも用いれば、めっき中に加熱・冷却を切替えてめっき条件を変化させることも可能である。半導体基板上に保持されているめっき液は少量なので、感度良く温度制御が行える。
そして、モータMによって半導体基板Wを瞬時回転させて被めっき面の均一な液濡れを行い、その後半導体基板Wを静止した状態で被めっき面のめっきを行う。具体的には、半導体基板Wを1secだけ100rpm以下で回転して半導体基板Wの被めっき面上をめっき液で均一に濡らし、その後静止させて1min間無電解めっきを行わせる。なお瞬時回転時間は長くても10sec以下とする。
上記めっき処理が完了した後、めっき液回収ノズル365の先端を半導体基板Wの表面周縁部の堰部材331内側近傍に下降し、めっき液を吸い込む。このとき半導体ウエハWを例えば100rpm以下の回転速度で回転させれば、半導体基板W上に残っためっき液を遠心力で半導体基板Wの周縁部の堰部材331の部分に集めることができ、効率良く、且つ高い回収率でめっき液の回収ができる。そして保持手段311を下降させて半導体基板Wを堰部材331から離し、半導体基板Wの回転を開始して洗浄液供給手段351のノズル353から洗浄液(超純水)を半導体基板Wの被めっき面に噴射して被めっき面を冷却すると同時に希釈化・洗浄することで無電解めっき反応を停止させる。このときノズル353から噴射される洗浄液を堰部材331にも当てることで堰部材331の洗浄を同時に行っても良い。このときのめっき廃液は、回収容器361に回収され、廃棄される。
なお、一度使用しためっき液は再利用せず、使い捨てとする。前述のようにこの装置において使用されるめっき液の量は従来に比べて非常に少なくできるので、再利用しなくても廃棄するめっき液の量は少ない。なお場合によってはめっき液回収ノズル365を設置しないで、使用後のめっき液も洗浄液と共にめっき廃液として回収容器361に回収しても良い。
そしてモータMによって半導体基板Wを高速回転してスピン乾燥した後、保持手段311から取り出す。
図45は、他の無電解めっき装置の概略構成図である。図45において、図36に示す例と相違する点は、保持手段311内に裏面ヒータ315を設ける代わりに、保持手段311の上方にランプヒータ(加熱手段)317を設置し、このランプヒータ317とシャワーヘッド341−2とを一体化した点である。即ち、例えば複数の半径の異なるリング状のランプヒータ317を同心円状に設置し、ランプヒータ317の間の隙間からシャワーヘッド341−2の多数のノズル343−2をリング状に開口する。なおランプヒータ317としては、渦巻状の一本のランプヒータで構成しても良いし、さらにそれ以外の各種構造・配置のランプヒータで構成しても良い。
このように構成しても、めっき液は各ノズル343−2から半導体基板Wの被めっき面上にシャワー状に略均等に供給でき、またランプヒータ317によって半導体基板Wの加熱・保温も直接均一に行える。ランプヒータ317の場合、半導体基板Wとめっき液の他に、その周囲の空気をも加熱するので半導体基板Wの保温効果もある。
なおランプヒータ317によって半導体基板Wを直接加熱するには、比較的大きい消費電力のランプヒータ317が必要になるので、その代わりに比較的小さい消費電力のランプヒータ317と前記図36に示す裏面ヒータ315とを併用して、半導体基板Wは主として裏面ヒータ315によって加熱し、めっき液と周囲の空気の保温は主としてランプヒータ317によって行うようにしても良い。また図36に示す例と同様に、半導体基板Wを直接、または間接的に冷却する手段をも設けて、温度制御を行っても良い。
次に前記図36に示す無電解めっき装置と、他の無電解めっき装置とを用いて実際にめっきを行ってその結果を比較した。以下に実験の条件と結果を示す。
〔無電解Cuめっき試料〕
φ8インチ半導体基板であってシリコンの上にTaN(30nm)のバリア層とCu(50nm)のシード層(ベタ膜)を形成したもの。
〔めっき仕様〕
(1)図36に示す無電解めっき装置によるめっき方法
工程:裏面ヒータ315(70℃)によって加熱した保持手段311に前記半導体基板Wをセットし、堰部材331を半導体基板Wにセットした後、半導体基板Wを静止した状態でめっき液(50℃)をシャワーヘッド341から30mlだけ5sec間供給する。次に100rpmで1secだけ半導体基板Wを回転し、めっき液を均一に半導体基板W面上に濡らし、静止状態で1min間保持する。その後めっき液回収ノズル365によってめっき液を回収してから堰部材331を半導体基板W表面から離し、半導体基板Wを回転(800rpm)しながら、洗浄液(超純水)を半導体基板W面上に30sec間供給して水洗いしめっき反応を停止させる。洗浄液の供給を停止して半導体基板Wをスピン乾燥(1000rpm、30sec)して取り出す。
(2)他の無電解めっき装置によるめっき方法
工程:保持手段に半導体基板Wをセットし、半導体基板Wを40rpmで回転させながら70℃のめっき液を半導体基板W中央に1min(600ml/min)の間、滴下し続ける。めっき液の滴下終了後、半導体基板Wの回転を継続しながら洗浄液(超純水)を半導体基板W面上に30sec間供給することで水洗いしめっき反応を停止させる。そして保持手段から半導体基板Wを取り出して別途乾燥機にて乾燥する。
図46(a)及び(b)は、以上各方法によって無電解めっきした半導体基板WのX軸上の膜厚を測定した結果を示す図である。図46(a)は、図36に示す無電解めっき装置によるめっき方法の無電解Cu膜厚面内分布を示す図であり、図46(b)は、他の無電解めっき装置によるめっき方法の無電解Cu膜厚面内分布を示す図である。図46(a)および(b)において、横軸はウエハ(基板)の箇処を表し、縦軸はめっき膜厚を表している。図46(a)及び(b)に示すように、図36に示す無電解めっき装置によるめっき方法は半導体基板Wの全体にわたってその膜厚が均一になっているのに対して、他の無電解めっき装置によるめっき方法では半導体基板W中央の膜厚が極端に薄くなっており、図36に示す無電解めっき装置によるめっき方法の方がめっき膜厚の面内均一性が各段に向上することが確認できた。
上記無電解めっき装置は、シード層や配線用の銅層形成に限られず、配線保護膜形成などにも用いることができる。
さらに、無電解めっきの前処理工程や触媒処理工程にも用いることができる。即ち、例えば上記例ではシャワーヘッド341から無電解めっき液を半導体基板Wの被めっき面に供給して無電解めっきを行わせたが、無電解めっき液の供給工程の前にシャワーヘッド341から無電解めっきの前処理工程や触媒処理工程に用いる他の無電解めっき処理液を供給することで、これらの処理工程も無電解めっき工程と共にこの無電解めっき装置で行うことができる。
上記例では、被めっき面上にめっき液を保持して静止させた状態でめっきしたが、めっきムラが生じない程度にゆっくりと回転させても良い。
また、被めっき面にめっき液を分散して供給可能であればシャワーヘッドに限ることはなく、例えば揺動動作又は並進動作を行いながらめっき液を供給するノズルを設けても良い。
上記例では、めっき後の洗浄工程において保持手段311を堰部材331から引き離した状態で洗浄液を供給して洗浄を行ったが、保持手段311を堰部材331から引き離さない状態のまま洗浄液を供給し、洗浄液を堰部材331の上部の淵からオーバーフローさせることでその洗浄を行っても良い。洗浄液の供給によって内部に残っためっき液が希釈化されると同時に液温が低下し、これによって無電解めっきの反応は停止する。なお保持手段311を下降させる代わりに堰部材331を引き上げることで両者を引き離しても良い。
上記裏面ヒータ315によって半導体基板Wを加熱する際(特に加熱開始からめっき液を接液するまでの間)、半導体基板Wの被めっき面に酸化防止を目的に不活性ガス、例えばアルゴン(Ar)ガスを吹き付けることが好ましい。半導体基板W表面に例えばスパッタ等によるシード層が露出している場合は、これが加熱されるとその表面が酸化する恐れがあるので、これを防止してより膜厚の均質なめっき層を前記シード層上に形成しようとするような場合に用いれば特に効果的である。
上記例では、半導体基板Wの加熱手段として裏面ヒータ315やランプヒータ317を用いたが、基板近傍のさらに他の位置にヒータを設置してもよい。またヒータを用いる代りに、又はヒータを用いると共に、無電解めっきを行う雰囲気の温度を無電解めっき処理温度(反応面である被めっき面のめっきに好適な温度)とほぼ同等にすることで、放熱を防止して処理温度を一定に保つことができる。この場合は基板の周囲に加熱した気体を供給するなどすればよい。
上記例では、基板の被めっき面上に供給した無電解めっき処理液を接液させる工程として、基板を瞬時回転する工程を用いたが、その他にも、要は基板を動かすことや、供給した無電解めっき処理液を動かすことによって無電解めっき処理液を被めっき面全体に接液させる工程であればよい。即ち、基板を動かす工程としては、例えば無電解めっき処理液が供給された基板を振動させることや、揺動させる(揺り動かす)こと等であり、供給した無電解めっき処理液を動かす工程としては、供給した無電解めっき処理液を掻き均し部材を用いて掻き均すことや、液面に送風すること等である。
以上詳細に説明したように、上記構成の無電解めっき装置によれば、以下のような優れた効果を有する。
(1)被めっき面上に無電解めっき処理液を所定時間溜めて保持することで被めっき面を処理するように構成したので、少量の無電解めっき処理液で被めっき面の処理が行え、コスト低減が図れる。また無電解めっき処理液供給用のポンプとして小型のものが使用でき、無電解めっき装置のコンパクト化が図れ、これを収納するクリーンルームコストの低減化も図れる。また使用する無電解めっき処理液が少量なので無電解めっき処理液の昇温・保温が容易で即座に行え、且つ大量の無電解めっき処理液を常時昇温させておく必要がないので無電解めっき処理液の劣化が促進されることもない。
(2)使用する無電解めっき処理液の量が少なくて良いので、そのまま廃棄してもコスト増加にはならず、常に新規な無電解めっき処理液を使用できて処理液組成を一定にでき、循環使用する場合に生じる副生成物などが系内に堆積せず安定なめっき等の処理が容易に行え、めっき液の液分析装置や液調整装置が不要になり、装置コストの低減化及びクリーンルームコストの低減化が図れる。また無電解めっき処理液を大量に循環使用しないので、各装置構成部材からパーティクルが発生しにくく、濾過装置が不要になる。
(3)無電解めっき処理液を被めっき面上に保持して処理を行うので、無電解めっき処理液を被めっき面上に滴下しながら処理を行う場合に比べて被めっき面の各部の処理条件を同一にでき、形成されるめっき膜厚の面内均一化が図れる。特に基板を静止させた状態で処理を行えば、基板を回転しながら処理を行う場合に比べて基板の周速による放熱が生じず、温度降下せずに反応温度の均一化が図れ、安定なプロセスが得られる。
(4)基板の温度を無電解めっき処理液の温度よりも高く加熱した状態で基板の被めっき面に無電解めっき処理液を触れさせるように構成したので、加熱するのに大きな消費電力の必要なめっき液の温度をそれほど昇温しなくても良くなり、消費電力の低減化やめっき液の組成変化の防止が図れる。
(5)無電解めっき処理液供給手段を、被めっき面の上部に設置されて分散して無電解めっき処理液を供給するように構成した場合は、基板の被めっき面全体に略均一に無電解めっき処理液を同時に供給でき、無電解めっき処理液の温度制御が安定して行える。
(6)基板を保持する保持手段と、被めっき面の周囲をシールするめっき液保持機構と、めっき液保持機構でシールされた基板の被めっき面に無電解めっき処理液を供給して溜める無電解めっき処理液供給手段とを具備して無電解めっき装置を構成したので、無電解めっき処理液として、前処理液、触媒処理液、無電解めっき液などを取り替えて使用することができ、したがって一連の無電解めっき工程を単一セルで実施可能となり、装置のコンパクト化が図れる。
次に、基板めっき装置や基板研磨装置などの各種基板処理装置に関し、特に処理される基板の膜厚等の基板表面状態を検出するのに好適な基板処理装置を図47乃至図56を参照して説明する。ここでは特に半導体基板の配線形成に用いられる銅めっき装置とCMP装置に膜厚測定用として適用した場合について説明する。
図47は、めっき装置の一例を示す平面図である。このめっき装置は、内部に複数の基板を収納する二基のウエハカセット510,510と、ウエハカセット510,510から基板を取り出して搬送を行う搬送ロボット514と、基板のめっきから洗浄、乾燥という一連のめっき処理工程を一台で行う二基のめっきモジュール(基板処理モジュール)512,512とを具備して構成されている。なお、符号518はめっき液タンク516を有する液供給設備である。
前記めっきモジュール512の構成は図14に示す構成と同一であるため、図14を参照してモジュール512の説明をする。このめっきモジュール512はめっき、洗浄、乾燥の一連の処理を行なうことができる。即ち基板Wは基板保持部2−9により被処理面を上にしてA,B,Cの三つの位置に保持される。そして位置Aにおいて基板Wが搬入載置された後、位置Bにおいて基板Wの外周近傍にカソード電極2−17を接続した上で被処理面上にめっき液を供給し、その上部から図示しないアノード電極をめっき液に接触させ、電圧をかけて電解めっきを行う。めっき終了後は基板W上のめっき液を図示しないノズルで吸引し、代わりに位置Cにおいて洗浄水を供給し、基板保持部2−9を回転させることにより洗浄水を基板W全体に行き渡らせて洗浄を行う。洗浄後は洗浄水の供給を停止し、基板Wの回転速度を増加させることにより洗浄水を振り切ってスピン乾燥させる。必要に応じてめっき前に例えば界面活性剤を塗布するプレコート処理を行ったり、洗浄液の種類を変えて多段で洗浄を行うようにすることもできる。
一方、図47に示すように搬送ロボット514にはアーム542の先端にロボットハンド540が設置されている。
次に、このめっき装置全体の動作を説明すると、まずロボットハンド540が何れかのウエハカセット510から処理前の基板Wを取り出して何れかのめっきモジュール512の基板保持部521に載置することで、前述のようにめっきモジュール512が一連のめっき処理を行い、これを乾燥する。乾燥された基板Wは再びロボットハンド540によって何れかのウエハカセット510に戻される。
そして、搬送ロボット514の周辺を処理前の基板Wと処理後の基板Wが通過するので、両者の基板Wの膜厚を測定するために、膜厚センサSをこの搬送ロボット514自体又はその周辺又はめっきモジュール512内部のように、処理前の基板Wと処理後の基板Wが通過する位置に設置する。膜厚センサSの設置場所と設置状態は、以下にまとめて説明するので、ここではその詳細な説明を省略する。
即ち、膜厚センサSをこれらの位置に設置すれば、処理前と処理後の基板Wの膜厚(基板W上に形成された多層の金属膜厚全体の膜厚)が一連の処理動作の途中に無駄な動作をすることなく測定できる。具体的には、例えば、一度目に基板Wが膜厚センサSを通過するときには、めっき前の表面にシード層の付いた状態の基板Wの膜厚を測定し、二度目に基板Wが膜厚センサSを通過するときには、シード層の上に金属膜がめっきされた状態で基板Wの膜厚を測定する。そして両者の差分を取れば、めっきした金属膜厚が測定できる。なおシード層の膜厚は、ほぼ数10nm〜100数十nmの範囲であり、めっきされた金属膜厚は数μm程度の場合が一般的である。
なお、膜厚センサSから入った信号は、演算処理装置に送られ、差分を取ったり、移動平均を取る等の演算処理がなされ、膜厚の測定がなされる。演算処理装置及び方法は、膜厚センサSの配置と検知方法等に好適なものを任意に選択できる。
図48は、CMP装置の一例を示す平面図である。このCMP装置は、ロード・アンロードを行うウエハカセット531,531と、基板を洗浄する洗浄機533,533,535,535と、2台の搬送ロボット514a,514bと、反転機539,539と、ポリッシングユニット(基板処理モジュール)541,541とを具備して構成されている。
基板Wの流れは種々あるが、例えば以下の通りである。まず搬送ロボット514aが何れかのロード用のウエハカセット531から処理前の基板Wを取り出し、何れかの反転機539に受け渡す。搬送ロボット514aは図示の位置から移動することなく回転するだけであり、ウエハカセット531から反転機539に基板Wを搬送可能な位置に設置されている。基板Wは反転機539によりその被処理面が上向きから下向きにされた後、もう一方の搬送ロボット514bに受け渡され、搬送ロボット514bは基板Wを何れかのポリッシングユニット541に受け渡し、所定の研磨がなされる。研磨後の基板Wは、搬送ロボット514bにより何れかの洗浄機535に搬送されて、一次洗浄が行われる。一次洗浄後の基板Wは、搬送ロボット514bにより何れかの反転機539に搬送され、被処理面が上向きに反転された後、搬送ロボット514aにより何れかの二次洗浄機533に搬送され、二次洗浄が終了した後、再び搬送ロボット514aによりアンロード用のウエハカセット531に収納される。
したがって、このCMP装置の場合は、搬送ロボット514a,514bや反転機539,539付近を処理前の基板Wと処理後の基板Wが通過するので、両者の基板Wの膜厚を測定するために、以下の例においては膜厚センサSをこの搬送ロボット514a,514b自体又はその周辺などのように処理前の基板Wと処理後の基板Wが通過する位置に設置することとした。
即ち、膜厚センサSをこれらの位置に設置すれば、処理前と処理後の基板Wの膜厚が一連の処理動作の途中に無駄な動作をすることなく測定できる。具体的には、例えば、一度目に研磨前の基板Wの膜厚を測定し、二度目に研磨後の基板Wの膜厚を測定することで、両者の差分を取れば、研磨の量が測定できる。また光学的センサを用いれば、差分を取ることなく直接的に金属膜又は絶縁膜の膜厚を測定することもできる。
なお、前記搬送ロボット514a,514bは、図48に示す矢印A方向に移動可能であってもよい。
図49は、めっき及びCMP装置を示す図である。このめっき及びCMP装置において前記図48に示すCMP装置と相違する点は、一方の洗浄機533に代えて図14に示すめっきモジュール512を収納し、他方の洗浄機533に代えてスピン乾燥機534を設置した点である。
そして基板Wの流れは、例えば以下の通りである。まず搬送ロボット514aが何れかのロード用のウエハカセット531から処理前の基板Wを取り出し、めっきモジュール512でめっき処理を施した後、搬送ロボット514aが基板Wを何れかの反転機539に受け渡しその被処理面を下向きにした後、もう一方の搬送ロボット514bに受け渡される。搬送ロボット514bは基板Wを何れかのポリッシングユニット541に受け渡し、所定の研磨がなされる。研磨後の基板Wは搬送ロボット514bによって取り出され、何れかの洗浄機535で洗浄された後、他方のポリッシングユニット541に受け渡されて再度研磨された後、搬送ロボット514bにより他方の洗浄機535に搬送されて洗浄が行われる。洗浄後の基板Wは、搬送ロボット514bにより他方の反転機539に搬送されて被処理面が上向きに反転された後、搬送ロボット514aによりスピン乾燥機534に搬送されてスピン乾燥され、その後再び搬送ロボット514aによりアンロード用のウエハカセット531に収納される。
したがってこのめっき及びCMP装置の場合も、搬送ロボット514a,514b自体やその周辺やめっきモジュール512内部などのように、処理前の基板Wと処理後の基板Wが通過する位置に膜厚センサSを設置することとした。
次に前記めっき装置やCMP装置に設置する膜厚測定用のセンサSの具体例を説明する。
図50は前記図47に示す搬送ロボット514や図48及び図49に示す搬送ロボット514a,514bを示す斜視図である。また図51(a)及び(b)は、前記搬送ロボット514(514a,514b)に取り付けられるロボットハンド540を示す図であり、図51(a)は平面図、図51(b)は側断面図である。
搬送ロボット514(514a,514b)は、ロボット本体543の上部に取り付けけた二本のアーム542,542の先端にそれぞれロボットハンド540,540を取り付けて構成されている。両ロボットハンド540,540は上下に所定の隙間を介して重なるように配置されている。そしてアーム542が伸縮することによりロボットハンド540上に載置した基板Wの前後方向への搬送を可能にしている。またロボット本体543が回転及び/又は移動することで任意の方向への基板Wの搬送が可能となる。
そして図51(a)及び(b)に示すように、ロボットハンド540には、直接4つの膜厚センサSが埋め込まれて取付けられている。膜厚センサSとしては膜厚を測定できるものであれば何でも良いが、好ましくは渦電流センサを用いる。なお渦電流センサは渦電流を発生させ、基板Wを導通して帰ってきた電流の周波数や損失を検出することにより膜厚を測定するものであり、非接触で用いられる。更に膜厚センサSとしては、光学的センサも好適である。光学的センサは、試料に光を照射し、反射する光の情報から膜厚を直接的に測定することができるものであり、金属膜だけでなく酸化膜などの絶縁膜の膜厚測定も可能である。膜厚センサSの設置位置は図示のものに限定されず、測定したい箇所に任意の個数を取り付ける。またロボットハンド540には乾いた基板Wを扱うドライハンドと、濡れた基板Wを扱うウェットハンドがあり、どちらにも前記膜厚センサSを取り付けることが可能である。しかしながらこの搬送ロボット514を図47に示すようなめっき装置に用いた場合はシード層のみ付いた状態で最初に基板Wの膜厚を測定する必要があるため、ウエハカセット510,510に基板Wが置かれているドライの状態で最初に基板Wの厚さを測定する必要がある。したがってドライハンドに膜厚センサSを取り付けるのが望ましい。
膜厚センサSで検出された信号は演算装置に送られ、処理前の基板Wの膜厚と処理後の基板Wの膜厚との差分を取る等の演算が行われ、膜厚を所定のディスプレイ等に出力する。演算方法は膜厚を適切に測定できればいかなる方法でも良い。
この例によればロボットハンド540が基板Wを搬送している最中に膜厚を測定できるため、基板処理工程中にわざわざ別途膜厚測定工程を設ける必要がなく、スループットを低下させることがないという効果が得られる。またロボットハンド540に膜厚センサSを取り付けるため、省スペース化が実現できる。
図52(a)及び(b)は、前記図47や図48に示す搬送ロボット514,514a,514bの他の例を示す図であり、図52(a)は概略平面図、図52(b)は概略側面図である。図52(a)及び(b)に示すように、この例では、ロボット本体543のロボットハンド540の下部に5つの膜厚センサSを取り付けている。即ちロボットハンド540の下部に基板Wと略同サイズの円盤状の取付板545を設置し、この取付板545の上に5つの膜厚センサSを取り付ける。取付板545はロボット本体543に固定されているが、他の部材に固定しても良い。
各膜厚センサSは図示するようにロボットハンド540と重ならない位置に取り付けることにより、基板W全体の広い領域での膜厚の測定が可能となる。また、省スペース化を実現でき、極めて短時間で測定が可能となる。そして取付板545の上で基板Wを停止させることで基板Wの固定点における膜厚の測定が可能になり、一方、停止させないで取付板545上をロボットハンド540上の基板Wが通過するようにすればスキャンしながらの測定も可能になる。また膜厚センサSはロボット本体543と一体であるため、安定した検出が行える。また、取付板545をロボット本体543でなく他の部材に固定した場合は、ロボットハンドの高さを任意に変えることで、基板Wとセンサ間の距離を調整することも可能となる。
検出後の信号が演算装置に送られて膜厚が測定される点は図51(a)及び(b)に示す例と同様である。但し、スキャンしながらの測定の場合は、測定点が時間の経過と共に変化するため、移動平均法により演算して膜厚を算出するのが好適である。
図53(a)及び(b)は、更に他の例を示す図であり、図53(a)は概略平面図、図53(b)は概略側面図である。図53(a)及び(b)に示す例では、図14及び図47に示すめっきモジュール512の基板Wの出入口部550の上部に3つの膜厚センサSを設置している。即ち、出入口部550の上部に長方形状の取付板551を設置し、この取付板551の下面に3つの膜厚センサSを直列に取り付ける。取付板551はめっきモジュール512に固定しても良いし、図示しない搬送ロボット514のロボット本体543に固定しても良いし、それ以外の部材に固定しても良い。
このように構成すれば、めっきモジュール512に基板Wを入れる際と出す際の何れにおいても膜厚センサSが基板Wを走査することとなるため、スキャン測定に適している。またこの例のように膜厚センサSを何列か設置することにより、基板W上の任意の点をスキャン測定することができる。また、ロボットハンドの高さを任意に変えることで、基板Wとセンサ間の距離を調整することが可能である。
この膜厚センサSで検出された信号は、演算装置により演算されるが、スキャン測定の場合は、移動平均法による演算処理が好適である。
またCMP装置にこの例を適用する場合は、図48及び図49に示すポリッシングユニット(基板処理モジュール)541に基板Wを出し入れする出入口付近に前記膜厚センサSを設置すれば良い。なおポリッシングユニット541に基板Wを搬入するときは基板Wの被処理面は下向きであるため、ポリッシングユニット541の基板Wを搬入する場所の下側に膜厚センサSを設置することが好ましい(もちろん上側に膜厚センサSを設置しても膜厚測定は可能であるが、下側の方がより精度がよくなる)。研磨が終了した後は、基板Wの被処理面がウエットな状態であるが、ウエットな状態でも測定可能な膜厚センサを用いれば前記めっきモジュール512の場合と同様な方法で膜厚が測定できる。
図54は、反転機539付近の概略正面図、図55は反転アーム553,553部分の平面図である。図54及び図55に示すように反転アーム553,553は基板Wの外周をその左右両側から挟み込んで保持し、これを180°回動することで反転させる機能を有する。そしてこの反転アーム553,553(反転ステージ)の直下に円形の取付台555を設置し、取付台555上に複数の膜厚センサSを設置する。取付台555は駆動機構557によって上下動自在に構成されている。
そして基板Wの反転時には、取付台555は基板Wの下方の実線の位置に待機しており、反転の前又は後に取付台555を点線で示す位置まで上昇して膜厚センサSを反転アーム553,553に把持した基板Wに接近させ、その膜厚を測定する。
この例によれば、搬送ロボット514のアーム542などの制約がないため、取付台555上の任意の位置に膜厚センサSを設置できる。また、取付台555は上下動自在な構成となっているので、測定時に基板Wとセンサ間の距離を調整することも可能である。また、検出目的に応じた複数の種類のセンサを取付けて、各々のセンサの測定毎に基板Wと各センサ間の距離を変更することも可能である。但し取付台555が上下動するため、測定時間をやや要することになる。
図56は、他のめっきモジュール512の要部断面図である。このめっきモジュール512において図14に示すめっきモジュール512と相違する点は、基板保持部2−9の基板Wを保持した部分(めっきステージ)の直下に膜厚センサSを取り付けた取付台559を設置した点のみである。膜厚センサSは取付台559上の任意の箇所に設置することができる。
この例ではめっきステージの直下に膜厚センサSを設置したので、めっきをしながらリアルタイムの膜厚測定が可能となる。したがって当該測定結果をリアルタイムでフィードバックし、めっきに反映させるようにすれば、極めて精度の高いめっきが可能となる。
上記の例ではセンサとして膜厚(金属膜又は絶縁膜の膜厚)検出用のセンサを用いているが、センサや演算手段を各種の目的に応じて選定することにより、金属薄膜の有無検出用センサ、基板上のパーティクルの有無検出用センサ、基板上に形成したパターン認識用のセンサ等、他の各種基板表面状態検出用のセンサを構成してこれを使用してもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。即ち例えば上記実施形態ではセンサとして膜厚(金属膜又は絶縁膜の膜厚)検出用のセンサとして用いた実施形態を示したが、本発明はこのセンサに限定されるものではなく、センサや演算手段を各種の目的に応じて選定することにより、金属薄膜の有無検出用センサ、基板上のパーティクルの有無検出用センサ、基板上に形成したパターン認識用のセンサ等、他の各種基板表面状態検出用のセンサを構成してこれを使用してもよい。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、基板処理工程を停止・中断させることなく基板の金属膜厚等の各種基板表面状態を検出できるため、高スループットを実現しつつ基板の表面状態を検出することができ、めっきや研磨等の基板処理の信頼性と迅速性を高めることができる。
また測定結果をフィードバックして基板処理条件を調整することが迅速に行えるので、最適な処理条件でめっきや研磨等の基板処理を迅速に行うことが可能となる。
更に検出センサとして軽量・小型なものを用いれば、めっき装置のロボットハンド等に簡易に取り付けることができ、省スペースのまま上記効果を実現できる。
本発明は、半導体基板に各種の処理を施すために使用される半導体基板処理装置及び処理方法に係り、半導体デバイスを製造する際に、半導体基板上に回路配線を形成する際のCuめっき工程および半導体基板上のCuめっき膜を研磨する工程などに利用可能である。
図57は、本発明に係る半導体基板処理装置の他の実施形態例の平面配置構造を示す図である。本基板処理装置は、矩形状の設備710内に配置されて、半導体基板の銅めっきを連続的に行うように構成されている。この設備710は、仕切壁711によってめっき空間712と清浄空間713に仕切られ、これらの各めっき空間712と清浄空間713は、それぞれ独自に給排気できるようになっている。そして、前記仕切壁711には、開閉自在なシャッタ(図示せず)が設けられている。また、清浄空間713の圧力は、大気圧より低く、且つめっき空間712の圧力よりも高くしてあり、これにより、清浄空間713内の空気が設備710の外部に流出することがなく、且つめっき空間712内の空気が清浄空間713内に流入することがないようなっている。
前記清浄空間713内には、基板収納用カセットを載置する2つのロードアンロード部715と、めっき処理後の基板を純水で洗浄(リンス)し乾燥する2基の洗浄ユニット716が配置され、更に基板の搬送を行う固定タイプで回転自在な第1ロボット717が備えられている。この洗浄ユニット716としては、例えば基板の表裏両面に超純水を供給する洗浄液供給ノズルを有し、基板を高速でスピンさせて脱水、乾燥させる形式のものが用いられている。この洗浄ユニット716は、前記図3乃至図6に示す回転保持装置を備えている。
一方、めっき空間712内には、基板のめっきの前処理を行い、前処理後の基板を反転機720で反転させる2基の前処理ユニット721と、基板の表面に該表面を下向きにして銅めっき処理を施す4基のめっき膜成膜ユニット722と、基板を載置保持する2基の第1基板ステージ723a,723bが配置され、更に基板の搬送を行う自走タイプで回転自在な第2ロボット724が備えられている。
この実施の形態にあっては、清浄空間713内に位置して、めっき後の基板を薬液で洗浄する2基の薬液洗浄ユニット725と、この薬液洗浄ユニット725と前記洗浄ユニット716との間に位置して第2基板ステージ726a,726bが配置され、更に2基の薬液洗浄ユニット725に挟まれた位置に基板の搬送を行う固定タイプで回転自在な第3ロボット727が備えられている。
前記一方の第1基板ステージ723b及び第2基板ステージ726bは、基板を水洗い可能に構成されているとともに、基板を反転させる反転機720が備えられている。
これにより、前記第1ロボット717は、前記ロードアンロード部715に載置されたカセット、洗浄ユニット716及び第2基板ステージ726a,726b間で基板を搬送し、第2ロボット724は、前記第1基板ステージ723a,723b、前処理ユニット721及びめっき膜成膜ユニット722間で基板を搬送し、第3ロボット727は、前記第1基板ステージ723a,723b、薬液洗浄ユニット725及び第2基板ステージ726a,726b間で基板を搬送するようになっている。
更に、前記設備710の内部には、前記第1基板ステージ723aの下方に位置して、調整運転用基板を収納する容器728が内蔵され、第2ロボット724は、調整運転用基板を容器728から取出し、調整運転終了後に再び容器728に戻すようになっている。このように、調整運転用基板を収容する容器728を設備710の内部に内蔵することで、調整運転の際に調整運転用基板を外部から導入することに伴う汚染やスループットの低下を防止することができる。
なお、容器728の配置位置は、いずれかのロボットで調整運転用基板の取出し及び収納が可能な位置であれば、設備710内の何処でも良いが、第1基板ステージ723aの近傍に配置することで、調整運転用基板を使用した調整運転を前処理からめっき処理と始め、洗浄し乾燥させた後に容器728内に収容することができる。
ここで、前記ロボット717として、落し込みタイプの2本のハンドを有し、上側をドライハンド、下側をウェットハンドとしたものを使用し、ロボット724,727として、落し込みタイプの2本のハンドを有し、双方をウェットハンドとしたものを使用しているが、これに限定されないことは勿論である。
なお、この実施の形態においては、例えば希フッ化水素酸や過酸化水素水等の薬液で基板の表面を洗浄する薬液洗浄ユニット725を備えた例を示しているが、めっき後の基板を薬液で洗浄する必要がない場合には、薬液洗浄ユニット725を省略しても良い。この場合、第1ロボット717で、前記ロードアンロード部715に載置されたカセット、洗浄ユニット716及び第1基板ステージ723a,723b間の基板の搬送を行うことで、第3ロボット727及び第2基板ステージ726a,726bを省略することもできる。
次に、この実施の形態における基板の流れの概要を説明する。基板は表面(素子形成面、処理面)を上に向けてカセットに収納されてロードアンロード部715に載置される。そして、第1ロボット717が基板をカセットから取出し、第2基板ステージ726a上に移動して、基板を第2基板ステージ726a上に載置する。そして、第3ロボット727が第2基板ステージ726a上にあった基板を第1基板ステージ723aに移す。次に、第2ロボット724が第1基板ステージ723aから基板を受け取って前処理ユニット721に渡し、前処理ユニット721での前処理終了後、基板の表面が下に向くように反転機720で基板を反転させ、再び第2ロボット724に渡す。そして、第2ロボット724は基板をめっき膜成膜ユニット722のヘッド部に渡す。
めっき膜成膜ユニット722で基板のめっき処理及び液切りを行った後、基板を第2ロボット724に渡し、第2ロボット724は基板を第1基板ステージ723bへ渡す。基板は、第1基板ステージ723bの反転機720によって、表面が上に向くように反転され、第3ロボット727によって薬液洗浄ユニット725に移される。薬液洗浄ユニット725において薬液洗浄、純水リンス、スピン液切りされた基板は、第3ロボット727により第2基板ステージ726bへ運ばれる。次に、第1ロボット717が第2基板ステージ726bから基板を受取り、洗浄ユニット716に基板を移送し、洗浄ユニット716で純水(脱イオン水を含む)によるリンスとスピン乾燥を行う。乾燥された基板は、第1ロボット717によりロードアンロード部715に載置された基板カセット内に収納される。
図58は、設備710内の気流の流れを示す。清浄空間713においては、配管730より新鮮な外部空気が取込まれ、この外部空気は、ファンにより高性能フィルタ731を通して清浄空間713内に押込まれ、天井732aよりダウンフローのクリーンエアとして洗浄ユニット716及び薬液洗浄ユニット725の周囲に供給される。供給されたクリーンエアの大部分は、床732bから循環配管733を通して天井732a側に戻され、再び高性能フィルタ731を通してファンにより清浄空間713内に押込まれて清浄空間713内を循環する。一部の気流は、洗浄ユニット716及び薬液洗浄ユニット725内から配管734により外部に排気される。これにより、清浄空間713内は、大気圧より低い圧力に設定される。
前処理ユニット721及びめっき膜成膜ユニット722が存在するめっき空間712は、清浄空間ではない(汚染ゾーン)とはいいながらも、基板表面にパーティクルが付着することは許されない。このため、配管735から取込まれ高性能フィルタ736を通して天井737a側からファンによりめっき空間712内に押込まれたダウンフローのクリーンエアを流すことにより、基板にパーティクルが付着することを防止している。しかしながら、ダウンフローを形成するクリーンエアの全流量を外部からの給排気に依存すると、膨大な給排気量が必要となる。このため、めっき空間712内を清浄空間713より低い圧力に保つ程度に配管738より外部排気を行い、ダウンフローの大部分の気流を床737bから延びる循環配管739を通した循環気流でまかなうようにしている。
これにより、循環配管739から天井737a側に戻ったエアは、再びファンにより押込まれ高性能フィルタ736を通ってめっき空間712内にクリーンエアとして供給されて循環する。ここで、前処理ユニット721、めっき膜成膜ユニット722、第2ロボット724及びめっき液調整タンク740からの薬液ミストや気体を含むエアは、前記配管738を通して外部に排出されて、めっき空間712内は、清浄空間713より低い圧力に設定される。
図59は、めっき膜成膜ユニット722の要部を示すもので、このめっき膜成膜ユニット722は、略円筒状で内部にめっき液745を収容するめっき処理槽746と、このめっき処理槽746の上方に配置されて基板を保持するヘッド部747とから主に構成されている。なお、図59は、ヘッド部747で基板Wを保持して下降させためっき位置にある時の状態を示している。
前記めっき処理槽746には、上方に開放し、例えば含リン銅からなるアノード748を底部に配置しためっき室749と、このめっき室749内にめっき液745を保有するめっき槽750が備えられている。前記アノード748は、めっき槽750に着脱自在に、即ち把手751を介して引抜き自在に装着されたアノード保持体752に一体に保持され、外部の制御部にあるめっき用電源の陽極に接続されている。このめっき槽750の表面とアノード保持体752のフランジ部752aの裏面との間には、めっき液の外部への漏洩を防止するシール材900が介装されている。このように、アノード748をめっき槽750に着脱自在に装着したアノード保持体752に一体に保持することで、アノード保持体752を介してアノード748のめっき槽750との着脱を容易に行って、このメンテナンスや交換等の便を図ることができる。
なお、アノード748を、例えば含有量が0.03〜0.05%のリンを含む銅(含リン銅)で構成するのは、めっきの進行に伴ってアノード748の表面にブラックフィルムと呼ばれる黒膜を形成するためであり、このブラックフィルムによりスライムの生成が抑制される。
前記めっき槽750の内周壁には、めっき室749の中心に向かって水平に突出するめっき液噴出ノズル753が円周方向に沿って等間隔で配置され、このめっき液噴出ノズル753は、めっき槽750の内部を上下に延びるめっき液供給路754に連通している。この例では、めっき槽750の周壁内部に、円周方向に沿って4個に分割された円弧状のめっき液溜めが該めっき液溜めの長さ方向に沿った中央部で前記各めっき液供給路754に連通して設けられ、この各めっき液溜めの両端に位置して各2個のめっき液噴出ノズル753が備えられている。更に、この各めっき液溜めには、下記の制御弁756を介して同じ流量のめっき液が供給されるように構成され、これにより、めっき液がめっき室749の内部にめっき液噴出ノズル753からより均一に噴出されるようになっている。
このめっき液供給路754とめっき液調整タンク740(図58及び図67参照)とはめっき液供給管755で接続され、このめっき液供給管755の途中に、二次側の圧力を一定にする制御弁756が介装されている。
また、めっき槽750には、めっき室749内のめっき液745を該めっき室749の底部周縁から引き抜く第1めっき液排出口757と、めっき槽750の上端部に設けた堰部材758をオーバーフローしためっき液745を排出する第2めっき液排出口759が設けられている。この第1めっき液排出口757は、めっき液排出管760aを介してリザーバ926(図67参照)に接続され、このめっき液排出管760aの途中に流量調整器761aが介装されている。一方、第2めっき液排出口759は、めっき液排出管760bを介してリザーバ926に接続され、この途中に流量調整器761bが介装されているが、この流量調節器761bは省略することもできる(なお、図67は、これを省略した例を示している)。そして、リザーバ926に入っためっき液は、リザーバ926からポンプ928によりめっき液調整タンク740(図58参照)に入り、このめっき液調整タンク740でめっき液の温度調整、各種成分の濃度計測と調整が行われた後、各めっき膜成膜ユニット722に個別に供給される(図67参照)。
ここで、第1めっき液排出口757は、例えばφ16〜20mm程度の大きさの円形で、円周方向に沿って等ピッチで複数個(図示の例では16個)設けられ、第2めっき液排出口759は、例えば中心角が約25゜の円弧状に延びる形状で、図示では3個設けられている。
これにより、めっき液噴出ノズル753から噴出されためっき液745は、第1めっき液排出口757と第2めっき液排出口759の双方または一方からリザーバ926(図67参照)に排出されて、めっき室749内の液量は常に一定に保たれるようになっている。
めっき室749の内部に位置して、この周辺近傍には、めっき室749内のめっき液745の水平方向に沿って外方に向かう流れを堰き止める鉛直整流リング762が、めっき槽750に外周端を固着した水平整流リング763の内周端に連結されて配置されている。
これにより、めっき液噴出ノズル753からめっき室749の中心部に向かって水平に噴出されためっき液は、めっき室749の中央部でぶつかり、上下に分かれた流れとなる。そして、この上方への流れは、基板がない時には鉛直整流リング762の内側でめっき液745の液面の中央部を上方に押上げ、基板が降下して接液する場合に基板の中央部から接液し気泡を外部へ押し流す働きをする。一方、下方への流れはアノード748の中央から外周への水平方向の流れへと変化し、アノード748の表面に形成されたブラックフィルムの剥離微粒子を押し流して、アノード748の外周から水平整流リング763の下方を通過して第1めっき液排出口757へ流れて、ブラックフィルムの剥離片が基板の処理面に接近付着することを低減できるようになっている。
ここで、電解めっきにあっては、めっき液中における電流密度がめっき膜の膜厚を支配し、膜厚を均一にするためには、めっき液中の電流密度分布をより均一にする必要がある。この例にあっては、下記のように、基板の周辺部に電気的接点があるので、この基板の周辺部に位置するめっき液の電流密度が高くなる傾向があるが、この近傍に鉛直方向に延びる鉛直整流リング762を、該鉛直整流リング762の下部に水平方向外方に延びる水平整流リング763をそれぞれ配置して電流を遮断することで、電流の回り込みを少なくして、局部的な電流の集中を少なくすることができ、これによって、めっき液中の電流密度分布をより均一にして、基板の周縁部におけるめっき膜の膜厚が厚くなるのを防止することができる。
なお、この例では、鉛直整流リングと水平整流リングで電流を遮断して電流の回り込みを少なくするようにした例を示しているが、これに限定されないことは勿論である。
一方、ヘッド部747には、回転自在な中空円筒状のハウジング770と、下面に基板Wを保持してハウジング770と一体に回転する円板状の基板テーブル771が備えられている。前記ハウジング770の下端には、内方に突出する、例えばパッキン材からなり内周面の一部に基板Wの案内となるテーパ面を形成したリング状の基板保持部772が設けられ、この基板保持部772と基板押えである基板テーブル771とで基板Wの周縁部を挟持して基板Wを保持するように構成されている。
図60は、ヘッド部747の一部を拡大して示す拡大図で、図60に示すように、基板保持部772には、内方に突出し、上面の先端が上方に尖塔状に突出するリング状の下部シール材773が取付けられ、基板テーブル771の下面の周縁部には、一部が尖塔状に基板テーブル771の下面から下方に突出する上部シール材774が取付けられている。これにより、基板Wを保持した時に、基板Wの下面と下部シール材773が、基板Wの上面と上部シール材774がそれぞれ圧接して、ここを確実にシールするようになっている。
また、基板保持部772には、水平方向に外方に延び、更に外方に向けて上方に傾斜して延びる、この例では、直径3mmの空気抜き穴775が円周方向に沿って等間隔に80個設けられている。この空気抜き穴775は、図59に示すヘッド部747がめっき位置にある時に、外周開口端の約半分がめっき室749内のめっき液745の液面から外部に露出する位置に設けられている。これにより、前述のように、めっき室749内のめっき液745の上方への流れが、基板Wと接液して基板Wの中央部から気泡を外部へ押し流す働きをした時に、この流れに乗った気泡は、空気抜き穴775から順次外方に排出されて、基板Wとめっき液745との間に気泡が残らないように構成されている。
ここに、前記空気抜き穴775の傾斜角θは、例えば30°に設定されている。空気の抜けを考慮した場合、空気抜き穴775の直径は、2mm以上5mm以下で、3mm程度が好ましく、また外方に向け、20゜以上上方に傾斜させることが好ましく、30°程度が特に好ましい。
なお、空気抜き穴775の外周開口端がめっき時におけるめっき液の液面より完全に上方に位置するようにして、空気が入らないようにしたり、空気抜き穴を途中に2つに分岐させ、その一方が液面付近で開口し、他方が液面より完全に上方に位置して開口するようにしても良い。また、基板Wを保持した時の該基板Wの下面と、空気抜き穴775の上端との間隔Sが1.5mm程度以下の時に、短時間で空気抜きを行えることが確かめられている。
なお、空気抜き穴775としては、直線状としたり、外方に沿って途中から2方向に分岐した形状等、任意の形状に形成しても良いことは勿論である。
更に、前記ハウジング770の基板保持部772には、基板Wを保持した時に基板Wと通電する板ばね状のカソード電極用接点776が配置され、前記基板テーブル771の外方には、該基板テーブル771が下降した時に前記カソード電極用接点776に給電する給電接点(プローブ)777が下方に向けて垂設されている。これにより、めっき液745は、基板Wと基板保持部772の下部シール材773によりシールされるので、カソード電極用接点776と給電接点777がめっき液745に触れることが防止される。
ハウジング770の円筒面の両側には、基板W及びロボットハンドをこの内部に挿入または取り出すための開口796(図60参照)が設けられている。
次に、この実施の形態の基板処理装置による一連の処理を説明する。
基板は表面(素子形成面、処理面)を上に向けカセットに収納されて設備710内のロードアンロード部715に載置される。すると、第1ロボット717がそのハンドをカセット内に挿入し、落し込みタイプのハンドにより基板の表面を保持して1枚の基板をカセットから取り出し、回転して第2基板ステージ726a上に基板を載置する。次に、第3ロボット727が第2基板ステージ726aにある基板をその落し込みタイプのハンドにより下から保持して回転して、基板を第1基板ステージ723a上に載置する。
第2ロボット724は、第1基板ステージ723aの近くまで自走し、この上の基板を落し込みタイプのハンドで下から保持して、前処理ユニット721の方に回転し、前処理ユニット721の飛散防止カバーに設けた基板出入れ用のスリットを通して、基板を前処理ユニット721の基板チャックに渡す。
前処理ユニット721の基板チャックは、フィンガを開いて基板をフィンガの間に位置させ、フィンガを閉じることによって基板を保持する。次に、反転機720のハンドの移動の邪魔にならない位置に待機していた前処理液ノズルを基板の中央付近の上部に回転移動させ、基板を保持した基板チャックを、中速(例えば、300min−1程度)で回転させながら、基板上部の前処理液ノズルから前処理液を流し、液が速やかに基板全面に広がった段階で回転速度を上昇させて、基板上の余分の前処理液を遠心力で液切りする。
基板の液切りが終了し、基板チャックを停止させた後、反転機720のハンドを下降させ、そのハンドによって基板を掴み、前処理ユニット721の基板チャックのフィンガを開いて基板を反転機720に渡す。反転機720は反転しても反転機720のハンドが基板チャックに当たらない位置まで上昇し、水平な反転軸を中心に180度回転させて基板の表面を下に向ける。反転機720は基板を第2ロボット724に渡せる位置まで下降し、停止する。
なお、反転機720のハンドは、第3ロボット727から基板を受取る時、及び前処理後に基板チャックから基板を受取る時には、反転軸の下側にあるが、ハンドを反転軸を中心に反転させて基板を第2ロボット724に渡す時には、反転軸の上側に位置している。
第2ロボット724は、落込みタイプのハンドを飛散防止カバーのスリットからその内部に挿入して、反転機720のハンドに保持された基板のすぐ下側の基板の外周エッジ部分のみがハンドに接するようにハンドを配置し、反転機720のハンドが基板を開放して、基板表面を下にして基板を保持する。第2ロボット724は、基板を前処理ユニット721から取り出し、一つの所定のめっき膜成膜ユニット722の前まで自走する。
めっき膜成膜ユニット722のハウジング770及び基板テーブル771は、基板着脱位置まで上昇し、基板テーブル771はさらにハウジング770の上端まで持ち上げられている。
第2ロボット724は、ハンドと基板をハウジング770の開口796からこの内部に挿入し、基板テーブル71の直下近傍位置までハンドを持ち上げる。この状態で、圧縮コイルばねの付勢力でフック(図示せず)を閉じ基板を保持する。基板がフックによって保持された後、第2ロボット724のハンドを少し下降させて、ハウジング770の開口796から引き出す。
次に、基板テーブル771を下降させて、基板をハウジング770の基板保持部772の内側のテーパ状の部分でセンタリングして、基板保持部772の下部シール材773上に載置し、更に基板を基板テーブル771の外周付近の上部シール材774に押付けてめっき液が電極接点側に入り込まないようにシールする。同時に、基板テーブル771を下降させて、カソード電極用接点776に給電接点777を圧接させることで、確実な接触を得る。
この状態で、めっき処理槽746のめっき液噴出ノズル753からめっき液745を噴出すると、液面の中央部が盛り上がった形状になる。同時に、ハウジング770と基板Wと基板テーブル771を中速度(例えば、150min−1)で回転させながら、ボールねじ等を介して下降させる。この回転速度は、下記の空気抜き考慮すると、100〜250min−1程度が好ましい。すると、基板の中央がめっき液745の液面に接触した後、盛り上がった液面との接触面積が次第に増加し、周囲まで液が充たされるようになる。基板の下面の周囲は、下部シール材773が基板面から突き出しているため、エアが残りやすいが、ハウジング770の回転により気泡を含んだめっき液を空気抜き穴775から外部に押し流すことにより、基板下面の気泡を除去する。これにより、基板表面の気泡を完全に除去し、均一な処理を可能にする。基板にめっきを施す所定位置は、基板がめっき室749内のめっき液745に浸漬され、且つハウジング770の開口796からめっき液が浸入しない位置に設定されている。
基板が所定の位置まで下降した時、ハウジング770を中速度で数秒間回転させて空気抜きを行った後、この回転速度を低速回転(例えば、100min−1)に低下させ、アノード748を陽極、基板処理面を陰極としためっき電流を流して電解めっきを行う。この回転速度は、例えば0〜225min−1の範囲である。めっき処理の間は、めっき液をめっき液噴出ノズル753から所定の流量で継続して供給し、第1めっき液排出口757及び第2めっき液排出口759から排出させ、めっき液調整タンク740を通して循環させる。めっき膜厚は電流密度と通電時間によって定まるので、希望する析出量に応じた通電時間(めっき時間)を設定する。
このめっき時間は、例えば120〜150秒であり、例えば1A程度の電流で40秒程度のめっき処理を行い、しかる後、例えば7.4A程度の電流でめっき処理を行うことで、均一でむらのないめっき膜を得ることができる。
通電を終了した後、ハウジング770、基板W及び基板テーブル771をめっき室749内のめっき液745の液面より上の位置で、処理槽カバーの上端より下の位置にまで持ち上げ、高速(例えば、500〜800min−1)で回転させてめっき液を遠心力により液切りする。液切りが終了した後、ハウジング770の回転を所定の方向に向くように停止させ、ハウジング770を基板の着脱位置まで上昇させる。ハウジング770が基板着脱位置まで上昇した後、基板テーブル771を更に基板着脱位置まで上昇させる。
ここで、めっき液の供給量は、めっき液の液面を上昇させるめっき液上昇時にあっては、10〜30l/min(好ましくは、20l/min)程度で、第1めっき液排出口757から3〜6l/min(好ましくは、5l/min)程度流出させる。めっき中にあっては、8〜20l/min(好ましくは、10l/min)程度で、第1めっき液排出口757から3〜6l/min(好ましくは、5l/min)、第2めっき液排出口759から3〜6l/min(好ましくは、5l/min)程度流出させる。めっき後の液面下降時にあっては、15〜30l/min(好ましくは、20l/min)程度で、第1めっき液排出口757から20〜30l/min(好ましくは、25l/min)程度流出させる。また、長時間処理中止時にあっては、2〜4l/min(好ましくは、3l/min)程度のめっき液を供給し、その全量を第2めっき液排出口759から流出させて、めっき液を循環させる。
次に、第2ロボット724のハンドをハウジング770の開口796からこの内部に挿入し、基板を受け取る位置まで上昇させる。そして、フック(図示せず)を開放させ、フックによって保持されていた基板をハンドの落し込みハンドに落し込む。この状態で、ハンドを若干下降させて、ハウジング770の開口796からハンドとそれに保持した基板を取り出す。基板はハンドによる取付けの時と同様に、基板の表面を下に向けて、基板のエッジ部のみがハンドに接触するように保持される。
第2ロボット724に保持された基板は、基板の表面に下に向けたまま第1基板ステージ723bの反転機720に渡される。反転機720は2本のハンドで基板外周を掴み、基板の表裏両面に超純水を供給してリンスを行う。そして、水平な反転軸の回りに基板を180度回転させてこの表面を上に向ける。次に、第3ロボット727が第1基板ステージ723bの反転機720に載置された基板をハンドで保持し、薬液洗浄ユニット725に移送する。
薬液洗浄ユニット725では、6本のフィンガで基板を保持し、その表面を上に向けて回転させ、基板の表面、エッジ、裏面をそれぞれケミカル洗浄液により洗浄する。薬液洗浄が終了すると、超純水によりリンスを行った後、フィンガに保持された基板を高速で回転させ、基板の液切りを行う。
液切りが終了すると、第3ロボット727のハンドによって基板を表面を上に向けて取り出し、第2基板ステージ726bに載置する。第2基板ステージ726bにおいて、更に超純水により基板をリンスする。
次に、第1ロボット717がハンドにより第2基板ステージ726bに保持された基板を受け取り、洗浄ユニット716に基板を渡す。洗浄ユニット716は超純水(脱イオン水を含む)によって基板の表面、裏面を洗浄し、高速回転により液切り乾燥させる。そして、第1ロボット717のハンドにより基板を表面を上に向けて保持し、ロードアンロード部715のカセットの所定の位置に基板を収納する。
図61は、めっき膜成膜ユニット722の他の例を示すもので、この例の前記例と異なる点は、めっき槽750に該めっき槽750の把手751を介して引抜き自在に装着されアノード748を一体に保持したアノード保持体752の入口付近に、並列に配置した多数の溝910からなるラビリンスシール912を設け、この溝910の一つに、例えばN等の不活性ガスを導入する不活性ガス導入路914を接続し、更に全ての溝910の底部にめっき液戻り通路916を接続し、このめっき液戻り通路916の他端をオーバーフローしためっき液が溜まる大気に開放しためっき液溜め室918に接続した点にある。
このように、めっき槽750のアノード保持体752の入口付近に複数の溝910からなるラビリンスシール912を設けることで、シール材900を強大な力で締付けることなく、めっき槽750とアノード保持体752との間の隙間をラビリンスシール912で確実にシールして、めっき液が外部に漏出することを防止することができる。また、溝910の一つに不活性ガス導入路914を、全ての溝910の底部にめっき液戻り通路916をそれぞれ接続し、不活性ガス導入路914から溝910に溜まっためっき液を流出させるのに必要な圧力のN等の不活性ガスを導入することで、溝910の溜まっためっき液を外部に排出して、ラビリンスシール912の効果が溝910に溜まっためっき液で損なわれてしまうことを防止することができる。
なお、この例では、めっき槽750側に複数の溝910からなるラビリンスシール912を設けた例を示しているが、アノード保持体752側、或いは双方にラビリンスシールを設けるようにしても良い。
図62は、めっき膜成膜ユニット722の更に他の例の概要を示すもので、このめっき膜成膜ユニット722は、図59及び図60に示すめっき膜成膜ユニット722がハウジング770を上下させて基板の受渡しを行っているのに対し、ハウジング770の上下運動を行うことなく、めっき処理槽内のめっき液の液面を上下させて基板の受渡しを行うようにしたものである。
また、このめっき膜成膜ユニット722を備えた場合、図57に示す自走タイプで回転自在な第2ロボット724として、基板を吸着保持する1本の吸着ハンドを持ち、この吸着ハンドを吸着面を上向き及び下向きに変更するように回転可能なものが使用される。
以下、このめっき膜成膜ユニット722を、図59及び図60に示すめっき膜成膜ユニット722と同一或いは相当部材には同一符号を付しその説明の一部を省略して説明する。
めっき膜成膜ユニット722は、めっき処理槽746とヘッド部747を備えている。このめっき処理槽746のめっき槽750には、アノード748の周囲に位置してめっき槽750の底面で開口する第1めっき液排出口(図示せず)と、めっき槽750の堰部材758をオーバーフローしためっき液745を排出する第2めっき液排出口759の他に、めっき槽750の周壁部の高さ方向の途中に設けた段差部750aで開口する第3めっき液排出口820が設けられ、この第3めっき液排出口820からリザーバ926(図67参照)に延びるめっき液排出管821にシャットオフバルブ822が介装されている。
これにより、めっき槽750の堰部材758の上端面で形成される平面がめっき時液面Aを、段差部750aで形成される平面が基板受渡し液面Bをそれぞれ形成する。即ち、めっき処理時にはシャットオフバルブ822を閉鎖し、めっき液噴出ノズル753からめっき液を噴射することで、めっき室749内のめっき液745の液面を上昇させ、めっき槽750の堰部材758の上端部からオーバーフローさせて液面をめっき時液面Aに安定させる。めっき処理終了後にはシャットオフバルブ822を開き、めっき室749内のめっき液745を第3めっき液排出口820から排出して、液面を基板受渡し液面Bとするようになっている。
このように、めっき処理時以外もアノード748をめっき液745に浸すことで、アノード748の表面に生成されたブラックフィルムが乾燥し酸化することを防止して、安定しためっき処理を行うことができる。
また、ヘッド部747のハウジング770は、この下端の基板保持部772で基板Wを載置保持した時に、この基板Wが前記めっき時液面Aと基板受渡し液面Bとの間に位置するように上下方向に移動不能に固定されて回転自在に配置されている。また、基板テーブル771には、基板を保持する機能は何ら備えられておらず、ハウジング770の基板保持部772上に基板Wを載置した後に下降して、基板Wの周縁部を基板保持部772と基板テーブル771の周縁部下面で挟持して基板Wを保持するようになっている。
次に、このめっき膜成膜ユニット722を備えた基板処理装置における基板の処理について説明する。この例にあっては、第2ロボット724による基板の受渡しと、めっき膜成膜ユニット722による処理のみが前述の場合とは異なり、他はほぼ同じであるので、この異なる点のみを説明する。
先ず、第1基板ステージ723aに表面を上に向けて載置された基板を前処理ユニット721に渡す時には、第2ロボット724の吸着ハンドを吸着面を上に向けた状態で基板の下側から裏面を吸着して基板を保持し、前処理ユニット721の方向に回転して、前処理ユニット721の飛散防止カバーのスリットから基板及び吸着ハンドをこの内部に挿入して、前処理ユニット721の反転機720の開いている2本のハンドの間に基板を位置させる。
また、前処理ユニット721から基板を受取るときには、第2ロボット724の吸着ハンドを吸着面を下に向けて、前処理ユニット721の飛散防止カバーのスリットからこの内部に挿入し、前処理ユニット721の反転機720のハンドに保持された基板のすぐ上側に吸着ハンドを配置して基板の裏面を真空吸着させ、反転機720のハンドを開放し、これによって、第2ロボット724の吸着ハンドで基板の表面を下にして基板を保持する。
めっき膜成膜ユニット722に基板を受渡す時には、第2ロボット724の吸着ハンドと該吸着ハンドで表面を下に向けて吸着保持した基板Wを、ハウジング770の開口796からこの内部に挿入し、吸着ハンドを下方に移動させた後、真空吸着を解除して、基板Wをハウジング770の基板保持部772上に載置し、しかる後、吸着ハンドを上昇させてハウジング770から引き抜く。次に、基板テーブル771を下降させて、基板Wの周縁部を基板保持部772と基板テーブル771の周縁部下面で挟持して基板Wを保持する。
そして、第3めっき液排出口820に接続しためっき液排出管821をシャットオフバルブ822で閉じた状態で、めっき液噴出ノズル753からめっき液を噴出させ、同時にハウジング770とそれに保持された基板Wを中速で回転させ、めっき液が所定の量まで充たされ、更に数秒経過した時に、ハウジング770の回転速度を低速回転(例えば、100min−1)に低下させ、アノード748を陽極、基板処理面を陰極としてめっき電流を流して電解めっきを行う。
通電を終了した後、シャットオフバルブ822を開いて、第3めっき液排出口820からめっき槽750の段差部750aより上にあるめっき液745をリザーバ926に排出する。これにより、ハウジング770及びそれに保持された基板はめっき液面上に露出される。このハウジング770とそれに保持された基板Wが液面より上にある位置で、高速(例えば、500〜800min−1)で回転させてめっき液を遠心力により液切りする。液切りが終了した後、ハウジング770の回転をハウジング770が所定の方向に向くように停止させる。
ハウジング770が完全に停止した後、基板テーブル771を基板着脱位置まで上昇させる。次に、第2ロボット724の吸着ハンドを吸着面を下に向けて、ハウジング770の開口796からこの内部に挿入し、吸着ハンドが基板を吸着できる位置にまで吸着ハンドを下降させる。そして、基板を吸着ハンドにより真空吸着し、吸着ハンドをハウジング770の開口796の上部の位置にまで移動させて、ハウジング770の開口796から吸着ハンドとそれに保持した基板を取り出す。
この例によれば、ヘッド部747の機構的な簡素化及びコンパクト化を図り、かつめっき処理槽746内のめっき液の液面がめっき時液面Aにある時にめっき処置を、基板受渡し時液面Bにある時に基板の水切りと受渡しを行い、しかもアノード748の表面に生成されたブラックフィルムの乾燥や酸化を防止することができる。また、基板にめっきを施す際の基板の位置と、基板に付着した余分のめっき液を回転・液切りする際の基板の位置が同じ位置なので、ミスト飛散防止対策を施す位置を低くすることができる。
また、この例にあっては、液面が基板受渡し液面Bの時に、基板Wをハウジング770内に挿入して保持した後、液面をめっき時液面Aまで上昇させるとともに、ハウジング770を一定量上昇させ、液面がめっき時液面Aに達した後に、ハウジング770を中程度(例えば150min−1)で回転させつつ下降させて中央で盛り上がっためっき液面に基板Wを接触させることもできる。これにより、基板表面の気泡をより確実に除去することができる。
図63は、めっき膜成膜ユニット722の更に他の例を示すもので、このめっき膜成膜ユニット722の図62の示すめっき膜成膜ユニット722と異なる点は、図62に示すめっき膜成膜ユニット722における基板押えである基板テーブル771の代わりに、押えリング830を使用し、更にこの押えリング830を上下動させるシリンダ等の駆動部831を、ハウジング770の内部に収納した点である。
この例によれば、駆動部831を作動させて押えリング830を下降させることで、基板の周縁部をハウジング770の基板保持部772と押えリング830の下面で挟持して基板Wを保持し、押えリング830を上昇させることで、この保持を解くことができる。
図64は、めっき膜成膜ユニット722の更に他の例を示すもので、このめっき膜成膜ユニット722の図62の示すめっき膜成膜ユニット722と異なる点は、図62の示すめっき膜成膜ユニット722における基板押えである基板テーブル771の代わりに、揺動自在な揺動リンク842を有するクランプ機構841を使用し、このクランプ機構841をハウジング770の下方内部に収納した点である。
この例によれば、クランプ機構841を介して揺動リンク842をこれが水平方向に位置するように内方に揺動させることで、基板の周縁部をハウジング770の基板保持部772と揺動リンク842で挟持して基板Wを保持し、揺動リンク842をこれが鉛直方向に位置するように外方に揺動させることで、この保持を解き、しかも基板Wの脱出の際に揺動リンク842が邪魔になることを防止することができる。
図65は、めっき膜成膜ユニット722の更に他の例を示すもので、このめっき膜成膜ユニット722の図62に示すめっき膜成膜ユニット722と異なる点は、図62の示すめっき膜成膜ユニット722における基板押えである基板テーブル771の代わりに、空気圧で弾性変形する膨縮部材850を使用し、この膨縮部材850をハウジング770の下方内部に収納した点である。
この例によれば、膨縮部材850を空気圧で膨らませることで、基板の周縁部をハウジング770の基板保持部772と膨縮部材850で挟持して基板Wを保持し、膨縮部材850内の空気を抜くことで、この保持を解き、しかも基板Wの脱出の際に膨縮部材850が邪魔になることを防止することができる。
図66は、めっき膜成膜ユニット722の更に他の例の全体構成を示し、図67は、このめっき膜成膜ユニット722を複数備えためっき装置のめっき液のフロー図を示す。これを前記各例にめっき膜成膜ユニットと同一或いは相当部材に同一符号を付しその説明の一部を省略して説明する。
図66に示すように、このめっき膜成膜ユニット722は、略円筒状で内部にめっき液745を収容するめっき処理槽746と、このめっき処理槽746の上方に配置されて基板Wを保持するヘッド部747とから主に構成されている。なお、図66は、ヘッド部747で基板Wを保持してめっき液745の液面を上昇させためっき位置にある時の状態を示している。
前記めっき処理槽746には、上方に開放し、アノード748を底部に配置しためっき室749と、このめっき室749内にめっき液745を保有するめっき槽750が備えられている。前記めっき槽750の内周壁には、めっき室749の中心に向かって水平に突出するめっき液噴出ノズル753が円周方向に沿って等間隔で配置され、このめっき液噴出ノズル753は、めっき槽750の内部を上下に延びるめっき液供給路754(図59参照)に連通している。
このめっき液供給路754は、図67に示すように、めっき液供給管755を介してめっき液調整タンク740(図58参照)に接続され、このめっき液供給管755の途中に、二次側の圧力を一定にする制御弁756が介装されている。
更に、この例では、めっき室749内のアノード748の上方位置に、例えば3mm程度の多数の穴を設けたパンチプレート920が配置され、これによって、アノード748の表面に形成されたブラックフィルムがめっき液745によって巻き上げられ、流れ出すことを防止するようになっている。
また、めっき槽750には、めっき室749内のめっき液745を該めっき室749の底部周縁から引抜く第1めっき液排出口757と、めっき槽750の上端部に設けた堰部材758をオーバーフローしためっき液745を排出する第2めっき液排出口759と、この堰部材758をオーバーフローする前のめっき液を排出する第3めっき液排出口820が設けられている。第2めっき液排出口759と第3めっき液排出口820を流れるめっき液は、めっき槽の下端部で一緒になって排出される。第3めっき液排出口820を設ける代わりに、堰部材758の下部に、図72(a)及び(c)に示すように、所定間隔毎に所定幅の開口922を設け、この開口922を通過させためっき液を第2めっき液排出口759に排出するようにしてもよい。
これによって、めっき処理時にあって、供給めっき量が大きい時には、めっき液を第3めっき液排出口820から外部に排出するか、または、開口922を通過させて第2めっき液排出口759から外部に排出し、同時に、図72(a)に示すように、堰部材758をオーバーフローさせ、第2めっき液排出口759からも外部に排出する。また、めっき処理時にあって、供給めっき量が小さい時には、めっき液を第3めっき液排出口820から外部に排出するか、または、第3めっき液排出口820を設ける代わりに、図72(b)に示すように、開口922を通過させて第2めっき液排出口759から外部に排出し、これによって、めっき量の大小に容易に対処できるようになっている。
更に、図72(d)に示すように、めっき液噴出ノズル753の上方に位置して、めっき室749と第2めっき液排出口759とを連通する液面制御用の貫通孔924が円周方向に沿った所定のピッチで設けられ、これによって、非めっき時にめっき液を貫通孔924を通過させ第2めっき液排出口759から外部に排出することで、めっき液の液面を制御するようになっている。なお、この貫通孔924は、めっき処理時にオリフィスの如き役割を果たして、ここから流れ出すめっき液の量が制限される。
図67に示すように、第1めっき液排出口757は、めっき液排出管760aを介してリザーバ926に接続され、このめっき液排出管760aの途中に流量調整器761aが介装されている。第2めっき液排出口759と第3めっき液排出口820は、めっき槽750の内部で合流した後、めっき液排出管760bを介して直接リザーバ926に接続されている。
このリザーバ926には、他の全てのめっき膜成膜ユニットからめっき液が流入するようになっており、このリザーバ926に入っためっき液は、リザーバ926からポンプ928によりめっき液調整タンク740(図58参照)に入る。このめっき液調整タンク740には、温度コントローラ930や、サンプル液を取り出して分析するめっき液分析ユニット932が付設されており、単一のポンプ934の駆動に伴って、めっき液調整タンク740からフィルタ936を通してめっき液が各めっき膜成膜ユニットのめっき液噴出ノズル753に供給されるようになっており、このめっき液調整タンク740から各めっき膜成膜ユニットに延びるめっき液供給管755の途中に、二次側の圧力を一定にして、一つのめっき膜成膜ユニットが止まっても他のめっき膜成膜ユニットのめっき液供給圧を一定する制御弁756が備えられている。
このように、複数のめっき膜成膜ユニットに単一のめっき処理設備のめっき液調整タンク740で調整しためっき液を単一のポンプ934で個別に供給することで、めっき処理設備のめっき液調整タンク740として、容積の大きなものを使用してめっき液を調整し、これによって、各めっき膜成膜ユニットに制御弁756を介して個別に流量を制御しつつ供給するめっき液の変動を小さく抑えることができる。
また、めっき室749の内部の周辺近傍に位置して、該めっき室749内のめっき液745の上下に分かれた上方の流れでめっき液面の中央部を上方に押上げ、下方の流れをスムーズにするとともに、電流密度の分布をより均一になるようにした鉛直整流リング762と水平整流リング763が該水平整流リング763の外周端をめっき槽750に固着して配置されている。
一方、ヘッド部747には、回転自在な下方に開口した有底円筒状で周壁に開口796を有するハウジング770と、下端に押圧リング940を取付けた上下動自在な押圧ロッド942が備えられている。ハウジング770の下端には、図71に示すように、内方に突出するリング状の基板保持部772が設けられ、この基板保持部772に、内方に突出し、上面の先端が上方に尖塔状に突出するリング状のシール材944が取付けられている。更に、このシール材944の上方にカソード電極用接点776が配置されている。また、基板保持部772には、水平方向に外方に延び、更に外方に向けて上方に傾斜して延びる空気抜き穴775が円周方向に沿って等間隔に設けられている。これらのカソード電極用接点776や空気抜き穴775は、図59及び図60に示すもの同様である。
これによって、図68に示すように、めっき液の液面を下げた状態で、図70及び図71に示すように、基板WをロボットハンドH等で保持してハウジング770の内部に入れて基板保持部772のシール材944の上面に載置し、ロボットハンドHをハウジング770から引き抜いた後、押圧リング940を下降させることで、基板Wの周縁部をシール材944と押圧リング940の下面で狭持して基板Wを保持し、しかも基板Wを保持した時に基板Wの下面とシール材944が圧接して、ここを確実にシールし、同時に、基板Wとカソード電極用接点776とが通電するようになっている。
図66に戻って、ハウジング770は、モータ946の出力軸948に連結されて、モータ946の駆動によって回転するように構成されている。また、押圧ロッド942は、モータ946を囲繞する支持体950に固着したガイド付きシリンダ952の作動によって上下動するスライダ954の下端にベアリング956を介して回転自在に支承したリング状の支持枠958の円周方向に沿った所定位置に垂設され、これによって、シリンダ952の作動によって上下動し、しかも基板Wを保持した時にハウジング770と一体に回転するようになっている。
支持体950は、モータ960の駆動に伴って回転するボールねじ961と螺合して上下動するスライドベース962に取付けられ、更に上部ハウジング964で囲繞されて、モータ960の駆動に伴って、上部ハウジング964と共に上下動するようになっている。また、めっき槽750の上面には、めっき処理時にハウジング770の周囲を囲繞する下部ハウジング957が取付けられている。
これによって、図68に示すように、支持体950と上部ハウジング964とを上昇させた状態で、メンテナンスを行うことができるようになっている。また、堰部材758の内周面にはめっき液の結晶が付着し易いが、このように、支持体950と上部ハウジング964とを上昇させた状態で多量のめっき液を流して堰部材758をオーバーフローさせることで、堰部材758の内周面へのめっき液の結晶の付着を防止することができる。また、めっき槽750には、めっき処理時にオーバーフローするめっき液の上方を覆うめっき液飛散防止カバー750bが一体に設けられているが、このめっき液飛散防止カバー750bの下面に、例えばHIREC(NTTアドバンステクノロジ社製)等の超撥水材をコーティングすることで、ここにめっき液の結晶が付着することを防止することができる。
ハウジング770の基板保持部772の上方に位置して、基板Wの芯出しを行う基板芯出し機構970が、この例では円周方向に沿った4カ所に設けられている。
図73は、この基板芯出し機構970の詳細を示すもので、これは、ハウジング770に固定した門形のブラケット972と、このブラケット972内に配置した位置決めブロック974とを有し、この位置決めブロック974は、その上部において、ブラケット972に水平方向に固定した枢軸976を介して揺動自在に支承され、更にハウジング770と位置決めブロック974との間に圧縮コイルばね978が介装されている。これによって、位置決めブロック974は、圧縮コイルばね978を介して枢軸976を中心に下部が内方に突出するように付勢され、その上面974aがストッパとしての役割を果たしブラケット972の上部下面972aに当接することで、位置決めブロック974の動きが規制されるようになっている。更に、位置決めブロック974の内面は、上方に向けて外方に拡がるテーパ面974bとなっている。
これによって、例えば搬送ロボット等のハンドで基板を保持しハウジング770内に搬送して基板保持部772の上に載置した際、基板の中心が基板保持部772の中心からずれていると圧縮コイルばね978の弾性力に抗して位置決めブロック974が外方に回動し、搬送ロボット等のハンドによる把持を解くと、圧縮コイルばね978の弾性力で位置決めブロック974が元の位置に復帰することで、基板の芯出しを行うことができるようになっている。
図74は、カソード電極用接点776のカソード電極板908に給電する給電接点(プローブ)777を示すもので、この給電接点777は、プランジャで構成されているとともに、カソード電極板908に達する円筒状の保護体980で包囲されて、めっき液から保護されている。
このめっき膜成膜ユニットを備えた基板処理装置にあっては、前述と同様に、図68に示すめっき液の液面が低い基板受渡し位置にある時に、基板をハウジング770内に挿入して保持し、この状態で、めっき液の液面を上昇させて基板にめっき処理を施し、しかる後、めっき液の液面を下げてめっき処理後の基板をハウジング770から抜き出す。また、支持体950と上部ハウジング964とを上昇させた状態で、メンテナンスを行い、この状態で、必要に応じて、多量のめっき液を流して堰部材758をオーバーフローさせることで、堰部材758の内周面へのめっき液の結晶の付着を防止する。
また、この例にあっては、液面が基板受渡し液面Bの時に、基板Wをハウジング770内に挿入して保持した後、液面をめっき時液面Aまで上昇させるとともに、ハウジング770を一定量上昇させ、液面がめっき時液面Aに達した後に、ハウジング770を中程度(例えば150min−1)で回転させつつ下降させて中央で盛り上がっためっき液面に基板Wを接触させることもでき、これによって、基板表面の気泡をより確実に除去することができる。
なお、上記各例では、前処理ユニットとして、プレディップ方式を採用し、バリア層とシード層が順次設けられた基板の被めっき面にめっき付着性を向上させるため、めっき液の一成分である前処理液(プレディップ液)を均一に塗布するようにしたものを使用した例を示しているが、バリア層とシード層が順次設けられた基板の被めっき面にプリプレーティング(前めっき)を施すことで、不完全なシード層を補強するようにしたプリプレーティング方式を採用したものを使用しても良い。
図75は、このプリプレーティング方式を採用したプリプレーティングユニット980を備えた本発明に係る基板処理装置の他の実施形態例を示すものである。ここで、プリプレーティングユニット980は、めっき膜成膜ユニット722とほぼ同様な構造を有し、めっき液として、弱アルカリのピロリン酸銅の高分極液を、アノードとして純銅(無酸素銅)をそれぞれ使用したものである。すなわち、この例は、図57に示す1つのめっき膜成膜ユニット722を処プリプレーティングユニット980に置き換え、これによって、プリプレーティングを行って不完全なシード層を補強し、しかる後、めっき処理に移行するようにしたものである。
ここで、プリプレーティングユニット980で用いるめっき液がアルカリ性であり、めっき膜成膜ユニット722で用いるめっき液が酸性であるため、プリプレーティングユニット980で基板に付着したアルカリ性めっき液をめっき膜成膜ユニット722に持ち込まない対策が必要である。この対策として、めっき空間712(図57参照)内に洗浄ユニット982を設け、プリプレーティングユニット980でプリプレーティング処理した基板を該洗浄ユニット982で水洗浄した後、めっき膜成膜ユニット722に搬送してめっき処理するようにしている。
更に、この例では、ベベル・裏面洗浄ユニット984とアニールユニット986とを備え、このベベル・裏面洗浄ユニット984で半導体基板端部の不要なCu膜(シード層)を除去し、更に純水でリンスした後、高速回転させてスピンドライし、しかる後、このスピンドライ後の基板をアニールユニット986に搬送してアニールするようにしている。
図76は、半導体基板処理装置の更に他の実施形態例を示す。これは、3基のロードアンロード部715を備え、このロードアンロード715と仮置き台728との間に、これらの間で基板の搬送を行う走行自在なロードアンロード専用の第1ロボット717を配置している。そして、3基のめっき膜成膜ユニット722を直列にめっきエリア990内に配置し、走行自在な第2ロボット724を挟んで、めっき膜成膜ユニット722と対峙する位置に、2基のベベル・裏面洗浄ユニット984と1基のアニールユニット986とを直列に配置して、第2ロボット724でめっき膜成膜ユニット722、ベベル・裏面洗浄ユニット984、アニールユニット986及び仮置き台728との間で基板の搬送を行うようにしたものである。
この例によれば、第1ロボット717で基板のロードアンロード部715から仮置き台728へのロードアンロードを、第2ロボット724で仮置き台728からのロード、各処理ユニット間の搬送及び仮置き台728へのアンロードを別々に行うことで、室内を第1ロボット717とロードアンロード部715とを有するロードアンロードエリアLと、第2ロボット724、仮置き台728及びアニールユニット986を含む各処理ユニットを有する処理ユニットエリアPに分けることができる。
これにより、ロードアンロードエリアLの空調は、コンタミ量等が処理部ほどないため、処理ユニットエリア(処理部)Pほど大掛かりなものである必要がなく、簡単なもので済む。また、ロードアンロードエリアLのみ取外しを行うことができるので、他の処理ユニットとの共用ができ、日進月歩の半導体業界において、新しい、または他の処理ユニットのみ取り換えて、ロードアンロードエリアLと繋げて使うこともできる。更に、新型のカセットに対応させて搬送の便を図るため、ロードアンロードエリアLのみ、新しいものと取り換えることも容易である。
半導体基板上に回路配線を形成する模式図である。 半導体基板のベベルエッチング処理をせずにCMPを行いベベル部にシード層やバリア層が残った状態を示す図である。 本発明に係る回転保持装置の概要を示す側面図である。 図4は図3の平面図である。 同回転保持装置における、円板状部材を支持するための保持部材の詳細を示す部分側面図である。 図6は図5のVI−VI線に沿って見た図である。 本発明に係る半導体基板処理装置の平面構成例を示す図である。 本発明に係る半導体基板処理装置の研磨テーブル及びトップリング部分の概略構成例を示す図である。 本発明に係る半導体基板処理装置の洗浄ユニットの概略構成例を示す図である。 本発明に係る半導体基板処理装置の研磨テーブル洗浄機の概略構成例を示す図である。 本発明に係る半導体基板処理装置のロボットを示す図で、(a)は外観を示す図、(b)はロボットハンドの平面図、(c)ロボットハンドの断面図である。 本発明に係る半導体基板処理装置のCuめっき膜成膜ユニットの平面構成を示す図である。 図12のA−A断面図である。 本発明に係る半導体基板処理装置のCuめっき膜成膜ユニットの基板保持部及びカソード部の断面構成を示す図である。 本発明に係る半導体基板処理装置のCuめっき膜成膜ユニットの電極アーム部の断面構成を示す図である。 図15に示す電極アームの電極部のハウジングを除いた状態の平面図である。 アノードとめっき液含浸材を示す概略図である。 アノードとめっき液含浸材を示す概略図である。 図17及び図18に示す装置の電気的等価回路図である。 図17及び図18に示すCuめっき膜成膜ユニットを使用してめっきを行ったときに、めっき液が基板の被めっき面の全面に拡がって行く状態を模式的に示す平面図である。 それぞれ異なる図20の変形例を示す、めっき液が基板の被めっき面の全面に拡がっていく状態を模式的に示す図である。 他の電解めっき装置の概略構成図である。 更に他の電解めっき装置の概略構成図である。 更に他の電解めっき装置の概略構成図である。 更に他の電解めっき装置の概略構成図である。 更に他の電解めっき装置のめっき液含浸材の外周部近傍部分を示す要部概略図である。 更に他の電解めっき装置の概略構成図である。 本発明に係る他の半導体基板処理装置の平面構成例を示す図である。 本発明に係る更に他の半導体基板処理装置の平面構成例を示す図である。 本発明に係る更に他の半導体基板処理装置の平面構成例を示す図である。 本発明に係る更に他の半導体基板処理装置の平面構成例を示す図である。 図31に示す半導体基板処理装置内での各工程の流れを示す図である。 半導体基板処理装置のアライナ兼膜厚測定器の概略平面構成例を示す図である。 半導体基板処理装置のアライナ兼膜厚測定器の側面構成例を示す図である。 図33及び図34に示すアライナ兼膜厚測定器における半導体基板の動きを示す図である。 無電解めっき装置の概略構成図である。 半導体基板処理装置のベベル・裏面洗浄ユニットの概略構成例を示す図である。 半導体基板処理装置の各搭載ユニットを載置する台板構成例を示す図である。 半導体基板処理装置の各搭載ユニットの概略正面構成例を示す図である。 半導体基板処理装置の各搭載ユニットの概略正面構成例を示す図である。 本発明に係る更に他の半導体基板処理装置の平面構成例を示す図である。 本発明に係る更に他の半導体基板処理装置の平面構成例を示す図である。 本発明に係る更に他の半導体基板処理装置の平面構成例を示す図である。 めっき工程の一例を示す模式図である。 無電解めっき装置の概略構成図である。 図36に示す無電解めっき装置と他の無電解めっき装置によって無電解めっきした半導体基板の膜厚測定結果を示す図である。 めっき装置の一例を示す平面図である。 CMP装置の一例を示す平面図である。 めっき及びCMP装置の一例を示す図である。 搬送ロボットを示す斜視図である。 搬送ロボットに取り付けられるロボットハンドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側断面図である。 搬送ロボットを示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。 他の搬送ロボットを示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。 反転機付近の概略正面図である。 反転アーム部分の平面図である。 めっきモジュールの要部断面図である。 本発明に係る更に他の半導体基板処理装置の平面構成例を示す図である。 図57に示す半導体基板処理装置内の気流の流れを示す説明図である。 めっき処理ユニットの要部を示す要部拡大断面図である。 図59の一部を拡大して示す拡大図である。 他のめっき処理ユニットの概略を示す断面図である。 更に他のめっき処理ユニットの概略を示す断面図である。 更に他のめっき処理ユニットの概略を示す断面図である。 更に他のめっき処理ユニットの概略を示す断面図である。 更に他のめっき処理ユニットの概略を示す断面図である。 更に他のめっき処理ユニットのめっき処理時における全体を示す断面図である。 図66に示すめっき処理ユニットを複数個備えためっき装置におけるめっき液の流れの状態を示すめっき液フロー図である。 図66に示すめっき処理ユニットの非めっき時(基板受渡し時)における全体を示す断面図である。 図66に示すめっき処理ユニットのメンテナンス時における全体を示す断面図である。 図66に示すめっき処理ユニットにおける基板の受渡し時におけるハウジング、押圧リング及び基板の関係の説明に付する断面図である。 図71は図66の一部拡大図である。 図66に示すめっき処理ユニットにおけるめっき処理時及び非めっき時におけるめっき液の流れの説明に付する図である。 図73は芯出し機構の拡大断面図である。 図74は給電接点(プローブ)を示す断面図である。 本発明に係る更に他の半導体基板処理装置の平面構成例を示す図である。 本発明に係る更に他の半導体基板処理装置の平面構成例を示す図である。 図77はアニールユニットを示す縦断正面図である。 図78はアニールユニットを示す水平断面図である。
符号の説明
1 ロードアンロード部
2 Cuめっき膜成膜ユニット
3 第1ロボット
4 第3洗浄ユニット
5 反転機
6 反転機
7 第2洗浄ユニット
8 第2ロボット
9 第1洗浄ユニット
9−1 回転用コロ
9−2 PVAスポンジロール
9−3 超音波振動素子
9−4 ノズル
9−5 ノズル
10 第1ポリッシング装置
10−1 研磨テーブル
10−1a,11−1a 研磨面
10−2 トップリング
10−3 トップリングヘッド
10−4 膜厚測定器
10−5 プッシャー
10−6 スラリーノズル
10−7 温度調整器
10−8 渦電流式測定機
10−9 光学式膜厚測定器
11 第2ポリッシング装置
11−1 研磨テーブル
11−2 トップリング
11−3 トップリングヘッド
11−4 膜厚測定器
11−5 プッシャー
12 めっき前後膜厚測定器
13 乾燥状態膜厚測定器
14 窒素ガス供給源
15 純水供給源
16 レギュレータ
17 レギュレータ
18 エアオペレータバルブ
19 エアオペレータバルブ
40 回転保持装置
42 回転駆動軸
44 回転部材
46 保持部材
48 係合周面
50 スロット
52 保持板
54 小径軸
56 孔
58 ウェイト
60 ばね
103 コンタクトホール
104 溝
105 バリア層
106 Cuめっき膜
107 シード層

Claims (6)

  1. 表面に回路が形成された半導体基板を乾燥状態で搬出入する搬出入部と、
    搬入された半導体基板上に金属めっき膜を形成する金属めっき膜成膜ユニットと、
    前記半導体基板上の金属めっき膜の少なくとも一部を研磨する研磨ユニットと、
    回転軸線を中心に回転する回転部材と、前記回転部材の前記回転軸線を中心とした同一円周方向に沿って配置され該回転部材の回転に伴って公転する保持部材とを有し、前記保持部材は、該保持部材の軸心を中心に回動するように構成された回転保持装置で保持した半導体基板を洗浄する洗浄ユニットと、
    前記半導体基板を前記各ユニット間で搬送する搬送機構を具備することを特徴とする半導体基板処理装置。
  2. 表面に回路が形成された半導体基板を乾燥状態で搬出入する搬出入部と、
    搬入された半導体基板上に金属めっき膜を形成する金属めっき膜成膜ユニットと、
    前記半導体基板をアニールするためのアニールユニットと、
    前記半導体基板上の金属めっき膜の少なくとも一部を研磨する研磨ユニットと、
    回転軸線を中心に回転する回転部材と、前記回転部材の前記回転軸線を中心とした同一円周方向に沿って配置され該回転部材の回転に伴って公転する保持部材とを有し、前記保持部材は、該保持部材の軸心を中心に回動するように構成された回転保持装置で保持した半導体基板を洗浄する洗浄ユニットと、
    前記半導体基板を前記各ユニット間で搬送する搬送機構を具備することを特徴とする半導体基板処理装置。
  3. 回転軸心を中心とした同一円周上に配置され、円板状部材を保持する保持部材であって、該保持部材は、前記回転軸心のまわりを公転するとともに、該保持部材の軸心を中心として回動するように構成され、該保持部材の該回動により、前記円板状部材の該保持部材との係合位置が変わることを特徴とする回転保持部材。
  4. 表面に回路が形成された半導体基板を乾燥状態で搬出入する搬出入部と、
    搬入された半導体基板上に金属めっき膜を形成する金属めっき膜成膜ユニットと、
    前記半導体基板をアニールするためのアニールユニットと、
    回転軸線を中心に回転する回転部材と、前記回転部材の前記回転軸線を中心とした同一円周方向に沿って配置され該回転部材の回転に伴って公転する保持部材とを有し、前記保持部材は、該保持部材の軸心を中心に回動するように構成された回転保持装置で保持した半導体基板の周縁部に形成された金属めっき膜層、シード膜層およびバリア膜層の少なくとも一層をエッチング除去するベベルエッチングユニットと、
    前記半導体基板を前記各ユニット間で搬送する搬送機構を具備することを特徴とする半導体基板処理装置。
  5. 室内をロードアンロードエリアと処理ユニットエリアに区分し、前記ロードアンロードエリア内に、カセットを収納したロードアンロード部と前記処理ユニットエリア内に配置した仮置き部との間で基板の搬送を行う第1ロボットを、前記処理ユニットエリア内に、前記仮置き部と該処理ユニットエリア内に配置した各種処理ユニットの間で基板の搬送を行う第2ロボットを配置したことを特徴とする半導体基板処理装置。
  6. 所定の回転軸線を中心に回転される回転部材と、該回転部材上に、その回転軸線を中心とする1つの円に沿って所定間隔をあけて設けられ、半導体ウエハ等の円板状部材の周縁に係合することにより、該円板状部材を当該回転部材上に保持するようにした保持部材と、を有する円板状部材の回転保持装置において、
    前記保持部材が、円弧状周面を有しており、該円弧状周面において前記円板状部材の周縁と摩擦係合するようになされており、且つ、前記円弧状周面の円弧の中心軸線を中心に回動可能とされていることを特徴とする円板状部材の回転保持装置。
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