JP2002128838A - 接着性樹脂およびその製造方法 - Google Patents

接着性樹脂およびその製造方法

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JP2002128838A
JP2002128838A JP2000323690A JP2000323690A JP2002128838A JP 2002128838 A JP2002128838 A JP 2002128838A JP 2000323690 A JP2000323690 A JP 2000323690A JP 2000323690 A JP2000323690 A JP 2000323690A JP 2002128838 A JP2002128838 A JP 2002128838A
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adhesive resin
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ethylene
copolymer
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JP2000323690A
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Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
Tadashi Hongo
忠志 本郷
Hiroshi Umeyama
浩 梅山
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、各種基材に対して優れた接着性を有
し、各種共押出用の接着性樹脂としても使用が可能で、
しかも高速押出ラミネート適性を有する接着性樹脂およ
びその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】少なくとも2官能以上のイソシアナート化
合物(A)と、該イソシアナート化合物(A)と反応性
を有し、かつ化学構造中に不飽和結合を有する化合物
(B)とを反応させてなる複合体を、ASTM D12
38に準ずるメルトインデックス(MI)が0.1〜2
00の範囲のポリオレフィン樹脂あるいはオレフィン系
共重合体に、グラフト反応によって導入してなることを
特徴とする接着性樹脂およびその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着性樹脂および
その製造方法に係わり、さらに詳細には、イソシアナー
ト化合物を主成分とする複合体をポリオレフィン系ある
いはオレフィン系共重合体樹脂にグラフト反応させるこ
とで、各種基材に対して良好な接着性を有し、かつ押出
ラミネート適性を有する接着性樹脂およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】パッケージ分野において、各種フィルム
を積層させるにあたり、2液硬化型ウレタン系接着剤を
用いたラミネーションや、2種の異なる材料を接着性樹
脂を中間層として介在させることで、多層フィルムを製
膜する共押出ラミネーションによるフィルムの積層方法
が良く用いられる。
【0003】しかしながら、最近の環境問題や作業環境
を考慮すると、各種接着剤を用いたラミネート方法は、
包材中に蓄積する残留溶剤に伴う臭気の問題や、溶剤を
使用するということから作業環境の悪化が問題視されて
いる。
【0004】一方、2種の異種材料を接着させる接着性
樹脂として、例えば、ポリオレフィン系樹脂とエチレン
−ビニルアルコール共重合体あるいはポリアミド樹脂か
らなる接着性樹脂は、化学構造中にカルボン酸や無水マ
レイン酸など、各種酸系共重合体あるいは酸無水物を導
入した接着性樹脂として使用されている。
【0005】上記の接着性樹脂は、バリアカップや各種
軟包装形態にも良く用いられる構成であるが、これらの
接着性樹脂が官能基(上述したエチレン-ビニルアルコ
ール共重合体で言うと水酸基が、ポリアミド樹脂で言う
と末端アミン基)と反応するためには、両者が溶融状態
で反応に要する十分な反応時間が必要であり、押出ラミ
ネートのように高速加工の場合は、溶融状態での反応が
不十分で、その界面接着強度が得られないという問題が
あった。
【0006】すなわち、接着性樹脂の官能基と、被着体
となる樹脂の官能基との反応性が問題になる。基本的
に、カルボン酸や酸無水物基と、水酸化物やアミンのよ
うな活性水素基の反応については、触媒存在下では迅速
に進行するが、無触媒では、反応温度および反応時間が
要因となってくる。無触媒反応でも、活性水素基と反応
性が高く、かつ押出ラミネート適性を有する接着性樹脂
が要求されている。
【0007】このような活性水素基と反応性が高い樹脂
として、イソシアナート系化合物が挙げられ、例えば、
特開平9−85906号公報に記載されているように、
イソシアナート系化合物をグラフト反応によりポリオレ
フィン系樹脂に導入した樹脂が提案されている。しかし
ながら、上記の樹脂は、押出ラミネート適性を有するも
のではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決すべくなされたものであって、各種基材に対して優
れた接着性を有し、各種共押出用の接着性樹脂としても
使用が可能で、しかも高速押出ラミネート適性を有する
接着性樹脂およびその製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、少なくとも2官能以上のイ
ソシアナート化合物(A)と、該イソシアナート化合物
(A)と反応性を有し、かつ化学構造中に不飽和結合を
有する化合物(B)とを反応させてなる複合体を、AS
TM D1238に準ずるメルトインデックス(MI)
が0.1〜200の範囲のポリオレフィン樹脂あるいは
オレフィン系共重合体に、グラフト反応によって導入し
てなることを特徴とする接着性樹脂である。
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1記載の接
着性樹脂において、前記イソシアナート化合物(A)と
前記化合物(B)とが反応してできる複合体中に、少な
くとも1官能以上の未反応イソシアナート基を含有する
ことを特徴とする。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の接着性樹脂において、前記複合体を、ポリオレフ
ィン樹脂あるいはオレフィン系共重合体樹脂100重量
部に対し、0.001〜10重量部の範囲でグラフトさ
れていることを特徴とする。
【0012】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の接着性樹脂において、前記化合物
(B)の不飽和結合が、ビニル、アリル、または(メ
タ)アクリル系不飽和結合であって、かつイソシアナー
ト基と反応性を有する活性水素を含有することを特徴と
する。
【0013】請求項5に係る発明は、請求項1〜4のい
ずれか1項に記載の接着性樹脂において、前記イソシア
ナート化合物(A)が、トリレンジイソシアナート、キ
シリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナー
ト、ヘキサメチレンジイソシアナート等のイソシアナー
ト単体、または少なくとも1種以上からなる誘導体ある
こと特徴とする。
【0014】請求項6に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれか1項に記載の接着性樹脂において、前記ポリオレ
フィン樹脂あるいはオレフィン系共重合体樹脂が、低密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、エチレン-αオレフィン共重合体、ポリαオレフ
ィン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合
体、プロピレン-αオレフィン共重合体、エチレン-酢酸
ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合
体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
エチレン-(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エス
テル3元共重合体やエチレン-(メタ)アクリル酸エス
テル-酸無水物3元共重合体から選ばれる単体樹脂もし
くは2種以上からなるブレンド樹脂、あるいはこれらの
誘導体であることを特徴とする。
【0015】請求項7記載の発明は、少なくとも2官能
以上のイソシアナート化合物(A)と、該イソシアナー
ト化合物(A)と反応性を有し、かつ化学構造中に不飽
和結合を有する化合物(B)とを反応させて複合体とす
る工程と、該複合体を、過酸化物存在下の溶融状態で、
ASTM D1238に準ずるメルトインデックス(M
I)が0.1〜200の範囲のポリオレフィン樹脂ある
いはオレフィン系共重合体樹脂に、グラフト反応によっ
て導入する工程からなることを特徴とする接着性樹脂の
製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一例としての実施
形態について詳細に説明する。本発明の接着性樹脂は、
少なくとも2官能以上のイソシアナート化合物(A)
と、そのイソシアナート化合物(A)と反応性を有し、
かつ化学構造中に不飽和結合を有する化合物(B)反応
させてなる複合体を、ASTM D1238に準ずるメ
ルトインデックス(MI)が0.1〜200の範囲、好
ましくは3〜50の範囲のポリオレフィン樹脂あるいは
オレフィン系共重合体樹脂に、溶融状態で(必要に応じ
て過酸化物存在下)グラフト反応によって導入させたこ
とを特徴とするものである。
【0017】本発明で用いられるイソシアナート化合物
(A)としては、特に制限されるものではないが、2,
4−トリレンジイソシアナート、2,6-トリレンジイ
ソシアナート、キシリレンジイソシアナート、イソホロ
ンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナートなど
各種ジイソシアナート系モノマーを使用することが可能
である。
【0018】また、これらのジイソシアナートモノマー
を、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官
能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプ
や、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアナ
ート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレー
ト)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性
の誘導体を用いても良い。
【0019】さらに、本発明で用いられるイソシアネー
ト基と反応性を有し、かつその化学構造中に不飽和二重
結合を有する化合物(B)としては、不飽和ヒドロキシ
化合物があげられ、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロ
ールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ
アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエ
ーテル、アリルオキシエチルアルコールなどが挙げられ
る。また、上記不飽和二重結合を有する化合物として
は、活性水素として主に水酸基を挙げているが、例えば
アミンのようなその他の活性水素基を含有する化合物を
用いても良い。さらに、イソシアナートモノマーから得
られた複合体を、各種モノマーと複合化させ、アダクト
タイプやビューレットタイプやイソシアヌレートタイプ
のような誘導体にしても良い。この場合の複合体は、不
飽和結合を有する2官能のイソシアナート化合物という
ことになる。
【0020】このような複合体をグラフトさせるポリオ
レフィン系樹脂あるいはオレフィン系共重合体樹脂とし
ては、ASTM D1238に準ずるメルトインデック
ス(MI)が0.1〜200の範囲、さらに好ましくは
3〜50の範囲のポリオレフィン系樹脂あるいはオレフ
ィン系共重合体樹脂からなる高速加工性を有する樹脂が
好ましい。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィン
共重合体、ポリαオレフィン、ポリプロピレン、プロピ
レン-エチレン共重合体、プロピレン-αオレフィン共重
合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリ
ル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合
体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタク
リル酸エステル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるい
は2種以上のブレンド樹脂から選択される。 また、必
要に応じて、これらの樹脂に対し、酸化防止剤、粘着付
与剤、充填剤、各種フィラーなどの各種添加剤を添加す
ることができる。
【0021】次に、本発明の接着性樹脂の製造方法を以
下に説明する。本発明の接着性樹脂の製造工程は、以下
の2つの工程からなる。 (1)少なくとも2官能以上のイソシアナート化合物
(A)と、該イソシアナート化合物(A)と反応性を有
し、かつ化学構造中に不飽和結合を有する化合物(B)
とを反応させて複合体とする工程 (2)前記複合体を、過酸化物存在下の溶融状態で、A
STM D1238に準ずるメルトインデックス(M
I)が0.1〜200の範囲のポリオレフィン樹脂ある
いはオレフィン系共重合体樹脂に、グラフト反応によっ
て導入する工程
【0022】上記工程(1)において、市販されている
汎用の各種イソシアナートモノマーを使用することが可
能である。このモノマーからなるイソシアナート化合物
(A)と不飽和ヒドロキシ化合物のようにイソシアネー
ト基と反応性を有し、かつその構造中に不飽和二重結合
を有する化合物(B)との複合体の調製法としては、モ
ル比で当量の両化合物を、窒素雰囲気下(室温から60
℃の範囲)で6時間攪拌させることで複合体を得ること
ができる。必要に応じて、有機錫化合物を触媒として添
加することもできる。
【0023】また、上記工程(2)において、グラフト
反応は、過酸化物存在下の溶融状態で行われ、それに用
いる装置としては、公知の装置を用いることが可能であ
り、2軸押出機を始めとして、各種ニーダー、各種ミキ
サーを用いることができる。グラフト反応に用いる過酸
化物としては、グラフト反応に用いられる汎用の過酸化
物を使用することが可能であり、反応温度および反応時
間に応じて、選定することが可能である。好ましくは、
半減期1分の温度が100〜280℃、好ましくは15
0〜230℃の過酸化物を使用することが可能である。
例えば、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,5-ジ
メチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンな
どがあげられるが、これらに限されるものではない。
【0024】さらに、上記グラフト反応においては、上
述したポリオレフィン系樹脂あるいはオレフィン系共重
合体樹脂の種類によって異なるが、温度としては、15
0〜230℃の範囲で行われる。2軸押出機を用いてグ
ラフト反応を行う際には、液添フィーダーを用いて、所
定量のイソシアナート化合物からなる複合体と有機過酸
化物の混合物を溶融樹脂に滴下させる。滴下量として
は、樹脂100重量部に対し、イソシアナート化合物か
らなる複合体が0.01〜20重量部、好ましくは0.
1〜10重量部、有機過酸化物が、0.001〜5重量
部、好ましくは0.01〜3重量部添加する。上記条件
下において、得られる接着性樹脂のグラフト量が、樹脂
100重量部に対し0.001〜10重量部、好ましく
は、0.001〜5重量部であることが好ましい。
【0025】グラフト反応において、未反応の複合体
や、分解後の過酸化物残渣は、接着性やその他に大きく
影響を及ぼすので、取り除く必要がある。これらの除去
方法としては、2軸押出による製法であれば、減圧下で
押出すことで、除去することが可能であり、バッチ式の
製法であれば、ホットキシレン中に精製した接着性樹脂
を溶解させ、さらにその後、再析出・洗浄・乾燥処理を
施すことで、未反応物や過酸化物残さを取り除くことが
可能である。
【0026】上述した製法で得られた接着性樹脂は、押
出ラミネートやインフレーションなどの各種フィルム製
造法に利用することができる。上記接着性樹脂を単膜で
押出すのであれば、図1(a)に示すように、被着体と
なる基材に接着性樹脂層を形成し、ラミネートすること
が可能である。上記の被着体となる基材としては、ポリ
エステルフィルム基材、ポリアミドフィルム基材、アル
ミニウム箔など様々な基材に対して、接着剤を用いるこ
と無しに、ラミネートすることができる。
【0027】また、図1(b)に示すような構成からな
る異種材料の共押出の接着性樹脂層として使用する場
合、特にポリエステル、ポリアミド、エチレン-ビニル
アルコール共重合体のような、分子末端あるいは化学構
造中に活性水素基を有する高分子に対しては、本発明の
接着性樹脂中のイソシアナート基と敏速に反応するた
め、高速で樹脂を押出す加工法においても、共押出ラミ
ネート界面においても良好なラミネート強度を附与する
ことが可能である。
【0028】このように、本発明の接着性樹脂は、成形
速度が比較的遅い共押出ブロー成形用途から、高速加工
が必要とする共押出ラミネート加工、あるいは、各種基
材へのダイレクトに接着性樹脂を使用することが可能で
あり、カップや各種機能性包材を構成する接着性樹脂と
して機能するものである。
【0029】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を挙げて説明
する。本発明はこれらの実施例に限られるものではな
い。
【0030】[イソシアナート基を含む複合体の作成]下
記材料を使用して、下記製造方法に基づいてイソシアナ
ート基を含む複合体を作成した。
【0031】(材料) ・イソシアナート化合物(A−1):イソホロンジイソ
シアナート ・イソシアナート化合物(A−2):ヘキサメチレンジ
イソシアナート ・化合物(B−1):ヒドロキシエチルメタクリレート ・化合物(B−2):アリルオキシエチルアルコール
【0032】(製造方法)内容量500ml中のセパラ
ブルフラスコ中に、イソシアナート化合物(A)と化合
物(B)がモル比で1:1になるように上記化合物を配
合し、完全に窒素置換を施した。その後、水浴により5
0℃に加温し、スターラーで攪拌しながら、5時間放置
することで、不飽和結合を有するイソシアナート複合体
を作成した。
【0033】 [接着性樹脂を作成]下記材料を使用して、
下記の製造方法に基づいて接着性樹脂を作成した。
【0034】(材料) ・ポリオレフィン樹脂(PO―1):MI=35 低密
度ポリエチレン ・ポリオレフィン樹脂(PO―2):MI=10 エチ
レン-αオレフィン共重合体 ・オレフィン系共重合体樹脂(PO―3):MI=22
エチレン-アクリル酸エチル共重合体 ・オレフィン系共重合体樹脂(PO―4):MI=8.
1 無水マレイン酸変成 低密度ポリエチレン ・過酸化物:2,5−ジメチル2,5-ジ(t-ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン
【0035】(製造方法)2軸押出機を用いて製造を行
った。あらかじめ不飽和結合を有するイソシアナート複
合体中に上記過酸化物を配合したものを、完全に溶融状
態のポリオレフィン樹脂中に液添を行うことで接着性樹
脂を作成した。その際の加工条件としては、樹脂/イソ
シアナート化合物/過酸化物=100/5/0.5、加工
温度180℃、滞留時間180sec.、回転数100
rpm、吐出12kg/hであり、残留モノマー除去の
ため、減圧下で加工を行った。また、得られたストラン
ドサンプルは水冷後ペレタイズを施し、乾燥処理を施し
てから以下に示す評価に用いた。また、得られた接着性
樹脂のグラフト率は2〜3wt%であった。
【0036】〈実施例1〉上記方法により、樹脂として
はPO−1を、イソシアナート化合物(A)A−1と化
合物(B)B−1から作成して得られた複合体を使用し
て得られた接着性樹脂を、単軸押出機により、加工温度
230℃、加工速度80m/min.、厚さ30μm
で、基材としてコロナ処理ポリエチレンテレフタレート
フィルム25μm(S−1)に積層させた。その際、あ
らかじめ作成しておいたポリエステルフィルム/低密度
ポリエチレンの積層体を用いて、サンドラミネーション
により接着性樹脂を挟み込むように積層させた。接着性
樹脂層と基材間のラミネート強度を、剥離速度300m
m/min.のT型剥離の条件で測定した。その結果を
表1に示しす。
【0037】〈実施例2〉基材として、窒素雰囲気下コ
ロナ処理ポリエチレンテレフタレートフィルム25μm
(S−2)を使用した以外は実施例1と同様に作成し
た。また、接着性樹脂層と基材間のラミネート強度を実
施例1と同様の方法で測定し、その結果を表1に示し
た。
【0038】〈実施例3〉基材として、ポリアミドフィ
ルム25μm(S−3)を使用した以外は実施例1と同
様に作成した。また、接着性樹脂層と基材間のラミネー
ト強度を実施例1と同様の方法で測定し、その結果を表
1に示した。
【0039】〈実施例4〉樹脂としてはPO−3を使用
して得られた接着性樹脂、基材として、コロナ処理ポリ
エチレンテレフタレートフィルム25μm(S−1)を
使用した以外は実施例1と同様に作成した。また、接着
性樹脂層と基材間のラミネート強度を実施例1と同様の
方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0040】〈実施例5〉樹脂としてはPO−1を使用
して得られた接着性樹脂、基材として、アルミ箔40μ
mを使用した以外は実施例1と同様に作成した。また、
接着性樹脂層と基材間のラミネート強度を実施例1と同
様の方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0041】〈実施例6〉イソシアナート化合物(A)
A−2と化合物(B)B−2から作成して得られた複合
体を使用した以外は実施例1と同様に作成した。また、
接着性樹脂層と基材間のラミネート強度を実施例1と同
様の方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0042】〈実施例7〉イソシアナート化合物(A)
A−2と化合物(B)B−2から作成して得られた複合
体を使用した以外は実施例2と同様に作成した。また、
接着性樹脂層と基材間のラミネート強度を実施例1と同
様の方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0043】〈実施例8〉イソシアナート化合物(A)
A−2と化合物(B)B−2から作成して得られた複合
体を使用した以外は実施例3と同様に作成した。また、
接着性樹脂層と基材間のラミネート強度を実施例1と同
様の方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0044】〈実施例9〉イソシアナート化合物(A)
A−2と化合物(B)B−2から作成して得られた複合
体を使用した以外は実施例4と同様に作成した。また、
接着性樹脂層と基材間のラミネート強度を実施例1と同
様の方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0045】〈実施例10〉3種5層共押出シート成形
機を用いて、外側から低密度ポリエチレン/接着性樹脂
/エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)/
接着性樹脂/低密度ポリエチレンになるように製膜を試
みた。層厚は外側より20μm/10μm/15μm/
10μm/20μmであり、加工温度としては230℃
であり、加工速度は30m/min.である。ポリオレ
フィン樹脂(PO―2)を使用した。また、接着性樹脂
層と基材間のラミネート強度を実施例1と同様の方法で
測定し、その結果を表1に示した。
【0046】〈比較例1〉樹脂としてはPO−2のみを
使用した以外は実施例1と同様に作成した。また、接着
性樹脂層と基材間のラミネート強度を実施例1と同様の
方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0047】〈比較例2〉樹脂としてはPO−2のみを
使用した以外は実施例2と同様に作成した。また、接着
性樹脂層と基材間のラミネート強度を実施例1と同様の
方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0048】〈比較例3〉樹脂としてはPO−2のみを
使用した以外は実施例3と同様に作成した。また、接着
性樹脂層と基材間のラミネート強度を実施例1と同様の
方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0049】〈比較例4〉樹脂としてはPO−4のみを
使用して得られた接着性樹脂を使用した以外は実施例1
0と同様に作成した。また、接着性樹脂層と基材間のラ
ミネート強度を実施例1と同様の方法で測定し、その結
果を表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果から明らかなように、本発明の
接着性樹脂は、押出ラミネートのような高速成形におい
ても、ポリエステルやポリアミド基材やアルミ箔に対し
て良好なラミネート強度を有することが確認された。ま
た、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)
のようにイソシアナート化合物と反応性のある活性水素
基を含有する樹脂に対しては、共押出加工において、両
者が溶融状態で接触して、反応することにより、より良
好なラミネート強度が得られることが確認できた。
【0052】
【発明の効果】本発明により、各種基材に対して優れた
接着性を有し、各種共押出用の接着性樹脂としても使用
が可能で、しかも高速押出ラミネート適性を有する接着
性樹脂およびその製造方法を提供することが可能となっ
た。従来の接着剤の代わりに、本発明の接着性樹脂を用
いて、押出ラミネートや共押出ラミネート等で得られる
優れたラミネート強度を有する各種分野の包装材料を提
供することが可能となった。また、従来、接着剤を使用
することによる、包装材料中に蓄積する残留溶剤に伴う
臭気の問題や、溶剤を使用するということから作業環境
の悪化が問題が解消された。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の接着樹脂を用いて、押出ラミネ
ート法により得られた積層体の例を示した断面図であ
る。 (b)本発明の接着樹脂を用いて、共押出法により得ら
れた積層体の例を示した断面図である。
【符号の説明】 10、20……積層体 11……基材層 12、22……接着性樹脂層 23……活性水素含有樹脂層 24……熱可塑性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J026 AA11 AA12 AA13 AC01 AC04 AC07 AC36 BA39 DB05 DB15 GA01 GA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2官能以上のイソシアナート化
    合物(A)と、該イソシアナート化合物(A)と反応性
    を有し、かつ化学構造中に不飽和結合を有する化合物
    (B)とが反応してできる複合体を、ASTM D12
    38に準ずるメルトインデックス(MI)が0.1〜2
    00の範囲のポリオレフィン樹脂あるいはオレフィン系
    共重合体樹脂に、グラフト反応によって導入してなるこ
    とを特徴とする接着性樹脂。
  2. 【請求項2】前記イソシアナート化合物(A)と前記化
    合物(B)とが反応してできる複合体中に、少なくとも
    1官能以上の未反応イソシアナート基を含有することを
    特徴とする請求項1記載の接着性樹脂。
  3. 【請求項3】前記複合体を、ポリオレフィン樹脂あるい
    はオレフィン系共重合体樹脂100重量部に対し、0.
    001〜10重量部の範囲でグラフトされていることを
    特徴とする請求項1または2記載の接着性樹脂。
  4. 【請求項4】前記化合物(B)の不飽和結合が、ビニ
    ル、アリル、または(メタ)アクリル系不飽和結合であ
    って、かつイソシアナート基と反応性を有する活性水素
    を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の接着性樹脂。
  5. 【請求項5】前記イソシアナート化合物(A)が、トリ
    レンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、
    イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシ
    アナート等のイソシアナート単体、または少なくとも1
    種以上からなる誘導体あること特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の接着性樹脂。
  6. 【請求項6】前記ポリオレフィン樹脂あるいはオレフィ
    ン系共重合体樹脂が、低密度ポリエチレン、中密度ポリ
    エチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィ
    ン共重合体、ポリαオレフィン、ポリプロピレン、プロ
    ピレン-エチレン共重合体、プロピレン-αオレフィン共
    重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メ
    タ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル
    酸エステル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸-
    (メタ)アクリル酸エステル3元共重合体やエチレン-
    (メタ)アクリル酸エステル-酸無水物3元共重合体か
    ら選ばれる単体樹脂もしくは2種以上からなるブレンド
    樹脂、あるいはこれらの誘導体であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着性樹脂。
  7. 【請求項7】少なくとも2官能以上のイソシアナート化
    合物(A)と、該イソシアナート化合物(A)と反応性
    を有し、かつ化学構造中に不飽和結合を有する化合物
    (B)とを反応させて複合体とする工程と、該複合体を
    過酸化物存在下の溶融状態で、ASTM D1238に
    準ずるメルトインデックス(MI)が0.1〜200の
    範囲のポリオレフィン樹脂あるいはオレフィン系共重合
    体樹脂に、グラフト反応によって導入する工程とからな
    ることを特徴とする接着性樹脂の製造方法。
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