JP2003103733A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

積層体およびその製造方法

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JP2003103733A
JP2003103733A JP2001296696A JP2001296696A JP2003103733A JP 2003103733 A JP2003103733 A JP 2003103733A JP 2001296696 A JP2001296696 A JP 2001296696A JP 2001296696 A JP2001296696 A JP 2001296696A JP 2003103733 A JP2003103733 A JP 2003103733A
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ethylene
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propylene
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Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
Tadashi Hongo
忠志 本郷
Yoshisue Ohashi
美季 大橋
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ウレタン系接着剤を設けた各種基材上に、押出
ラミネート法により各種熱可塑性樹脂を積層させ、その
ラミネート強度が良好な積層体及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】熱可塑性樹脂からなるフィルム基材、アル
ミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機化合物蒸
着を施したフィルム基材から選ばれる各種基材上に、ポ
リウレタン系接着剤を設けた後に、ポリオレフィン系樹
脂(樹脂A)と水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)を、
樹脂Aを50〜99wt%、樹脂Bを1〜50wt%配
合した樹脂組成物層を押出ラミネート法により積層させ
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂から
なる基材層、アルミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基
材、無機化合物蒸着を施したフィルム基材上に、ポリウ
レタン系接着剤を設け、その上にダイレクトでポリオレ
フィン樹脂(樹脂A)と水酸基を有する石油樹脂(樹脂
B)からなる樹脂組成物を押出ラミネート法により積層
させた積層体およびその製造方法に関し、詳細には、従
来までウレタン系接着剤を用いても押出ラミネート法に
より十分ラミネート強度を得ることが出来なかったポリ
プロピレン系樹脂やエチレン−αオレフィン共重合体な
どのポリオレフィン樹脂を用いても、ウレタン系接着剤
を介すことで、上記基材に対し良好なラミネート強度を
得ることが可能な積層体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンやポリプロピレンやエチレ
ン−αオレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂
は、押出加工性やヒートシール性という点から、包装材
料などを構成する積層体の最内シーラント層として良く
用いられている。特に、溶液法やスラリー法や気相法に
よって得られる、特にαオレフィンがブテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1などのエチレン−αオレフィン
共重合体は、低温シール性やホットタック性を有するこ
とから低温シールシーラントとしてよく使用される材料
の一つであり、さらにはメタロセン触媒を用いたエチレ
ン−αオレフィン共重合体は、ポリマーの一次構造から
制御することが可能であることから、結晶性をコントロ
ールが出来、かつ耐ピンホール性等の付加機能を包装材
に与えることが可能である。
【0003】ポリプロピレン樹脂もポリエチレン同様に
ヒートシール性が可能なポリオレフィンの一種であり、
ポリエチレンよりも防湿性や耐熱性に優れることから、
防湿性が要求される包装材やボイル、レトルト殺菌が必
要とされる包装材に使用される。
【0004】また、エチレン成分と環状オレフィンを共
重合させたエチレン−環状オレフィン共重合体は優れた
防湿性や透明性という点から、ブローやインジェクショ
ン成形容器として、あるいはプレス−スルー−パッケー
ジ(PTP)として塩化ビニル樹脂の代替として医療医
薬分野に使用されているが、軟包装分野においても、そ
の優れた特性を活かした展開が期待されている。
【0005】エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの接着性樹
脂も、それらに石油樹脂やロジンやテルペンなどの各種
添加剤を配合することで、ポリスチレン樹脂やポリプロ
ピレン樹脂やポリエステル樹脂のシーラントタイプのホ
ットメルト樹脂として、蓋材のシーラント層として使用
されている
【0006】一般に、軟包装分野における熱可塑性樹脂
からなるフィルム基材や、アルミ箔、アルミ蒸着フィル
ム、無機化合物蒸着フィルムなどのバリア基材を積層さ
せる際には、主にドライラミネート、ノンソルベントラ
ミネート、ウエットラミネートなど、ウレタン系、イミ
ン系などの接着剤を設ける方法がとられており、また、
上述したヒートシーラブルなポリオレフィン樹脂を積層
させるには、あらかじめインフレーションやキャスト法
により得られた熱可塑性樹脂フィルムを、上述したドラ
イラミネート、ノンソルベントラミネート、ウエットラ
ミネートなど、ウレタン系、イミン系などの接着剤を設
けて積層させたり、押出ラミネート法のように、ウレタ
ン系、イミン系、ジエン系、塩素化ポリプロピレン系な
どを接着剤として、上記基材層に溶融状態で積層させる
方法がとられている。
【0007】フィルム基材同士を、特にウレタン系接着
剤でラミネートさせる場合には、フィルム基材と接着剤
の塗れ性(親和性)と接着層自体の凝集力が必要となっ
てくる。接着剤層自体の凝集力としては、以下にも述べ
るポリエステルポリオール、あるいはポリエーテルポリ
オールなどのポリオール系主剤に、各種ジイソシアネー
トの誘導体(ポリイソシアネート)からなる硬化剤を所
定量配合し、水酸基等の活性水素含有基とイソシアネー
ト基の反応によって生成するウレタン結合等の各種結合
を利用した凝集力の向上が挙げられ、一つにウレタン結
合部位の水素結合による架橋構造の形成、もう一つにア
ロファネートなどのさらなる付加反応によって形成され
た架橋構造が挙げられる。また、各種基材と接着剤の塗
れ性向上は、主にその両者の界面における水素結合が大
きなポイントとして挙げられており、フィルム基材の塗
れ性を向上させるべく、コロナ処理やフレーム処理やプ
ラズマ処理などの各種表面処理を施すことが行われてい
る。
【0008】しかしながら、ポリウレタン系接着剤を用
いて押出ラミネート法により、上述したポリオレフィン
系樹脂を押し出すには、加工温度を上げて、強制的にポ
リオレフィン系樹脂を酸化させる必要がある。特に、高
圧法により得られた低密度ポリエチレンに関しては、加
工温度300〜340℃の範囲で押し出すことで、基材
上に設けられたポリウレタン系接着剤と押出ラミネート
法により積層されたポリオレフィン系樹脂との塗れ性
(親和性)が向上し、良好なラミネート強度を付与する
ことが可能である。しかしながら、エチレン−αオレフ
ィン共重合体や、ポリプロピレン樹脂やエチレン−環状
オレフィン共重合体は、高温加工を行うことでゲル化や
分解が起こり、高温加工をすることが困難である。ま
た、ポリプロピレンやエチレン−環状オレフィン共重合
体の場合は、ポリマー構造中にメチル基や環状オレフィ
ン部位などの疎水性基を有しており、水素結合性が低
い。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体は240℃を
超える加工を行うと脱酢酸反応を伴い、構造中に熱的に
不安定な不飽和結合を形成し、ポリマーの劣化を迎え
る。
【0009】このような、低温押出必須の樹脂に対して
押出ラミネート法により積層させる場合には、押出樹脂
にオゾン処理を施したり、あらかじめ基材上に高温加工
が可能なポリオレフィン樹脂を下引き、その上に低温で
上述した樹脂を押し出す等の手法がとられている。特に
エチレン−αオレフィン共重合体やエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体を押し出す際には、その前に低密度ポリエチ
レン等を下引きするケースが多い。しかしながら、前述
したオゾン処理については、オゾンの処理状況が目視で
観察できない、処理度の確認が不明瞭、臭気など不安定
要素が多い。また、下引きに関しては工程が増える、コ
ストが高くなるなど問題点を抱えている。更にこの下引
きはポリエチレン系樹脂であれば可能であるが、ポリプ
ロピレン系樹脂を押し出すには、下引きとしてあらかじ
め成膜しておいたキャストポリプロピレンフィルムを、
ドライラミネートなどの手法で積層させておく必要があ
る。
【0010】以上のような背景より、機能性のポリマー
を押出ラミネート法でダイレクトに各種基材に積層させ
る方法が望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記の
実状を考慮したものであり、ウレタン系接着剤を設けた
各種基材上に、押出ラミネート法により各種熱可塑性樹
脂を積層させ、そのラミネート強度が良好な積層体及び
その製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題点
を解決するために考え出されたものであり、請求項1記
載の発明は、熱可塑性樹脂からなるフィルム基材、アル
ミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機化合物蒸
着を施したフィルム基材から選ばれる各種基材上に、ポ
リウレタン系接着剤を設けた後に、ポリオレフィン系樹
脂(樹脂A)と水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)を、
樹脂Aを50〜99wt%、樹脂Bを1〜50wt%配
合した樹脂組成物層を押出ラミネート法により積層させ
たことを特徴とする積層体、としたものである。
【0013】請求項2記載の発明は、水酸基を有する石
油樹脂(樹脂B)が水酸基価を10〜250の範囲でア
ルコール変性を施した石油樹脂、あるいは水酸基価を5
〜60の範囲でフェノール変性を施した石油樹脂、ある
いはこれらの水素化物であり、かつ両者の軟化点温度が
70〜180℃、数平均分子量が200〜2000であ
ることを特徴とする、請求項1記載の積層体、としたも
のである。
【0014】請求項3記載の発明は、ポリオレフィン系
樹脂(樹脂A)が高密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共
重合体、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共
重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレ
ン−エチレン−αオレフィン共重合体、ポリαオレフィ
ン、エチレン−環状オレフィン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体のいずれか、あるいはこれらの混合物であ
ることを特徴とする、請求項1、または2記載の積層
体、としたものである。
【0015】請求項4記載の発明は、上記ポリオレフィ
ン樹脂(樹脂A)と水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)
からなる樹脂組成物を、温度180〜340℃の範囲
で、ポリウレタン系接着剤を設けた、熱可塑性樹脂から
なるフィルム基材、アルミ箔、アルミ蒸着を施したフィ
ルム基材、無機化合物蒸着を施したフィルム基材から選
ばれる各種基材上に、押出ラミネート法により積層させ
たことを特徴とする、積層体の製造方法、としたもので
ある。
【0016】請求項5記載の発明は、水酸基を有する石
油樹脂(樹脂B)が水酸基価を10〜250の範囲でア
ルコール変性を施した石油樹脂、あるいは水酸基価を5
〜60の範囲でフェノール変性を施した石油樹脂、ある
いはこれらの水素化物であり、かつ両者の軟化点温度が
70〜180℃、数平均分子量が200〜2000であ
ることを特徴とする、請求項4記載の積層体の製造方法
としたものである。
【0017】請求項6記載の発明は、ポリオレフィン系
樹脂(樹脂A)が高密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共
重合体、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共
重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレ
ン−エチレン−αオレフィン共重合体、ポリαオレフィ
ン、エチレン−環状オレフィン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体のいずれか、あるいはこれらの混合物であ
ることを特徴とする、請求項4、または5記載の積層体
の製造方法としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体は、その基本構成として、基材層/ウレ
タン系接着剤層/(樹脂A+樹脂B)層からなり、これ
らをベースとした2層以上の多層構成でも展開が可能で
ある。
【0019】基材層としては、熱可塑性樹脂フィルム基
材、アルミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機
化合物蒸着を施したフィルム基材が挙げられ、熱可塑性
樹脂フィルム機材としては、延伸ポリエステルフィル
ム、延伸ポリアミドフィルム、延伸ポリプロピレンフィ
ルム、延伸ポリエチレンフィルム、ポリアクリルニトリ
ルおよびアクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体フィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビ
ニル、(防湿)セロハン、エチレン−ビニルアルコール
共重合体フィルム、など種類を問わず様々に選択するこ
とが可能である。また、これらのフィルム基材には、必
要に応じてコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理な
どを施しておいた方が好ましい。
【0020】アルミ箔については、公知の方法で作成さ
れたアルミ箔を何れも使用することが可能である。ま
た、アルミ蒸着や、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化
マグネシウムなどの無機化合物を蒸着したバリア蒸着フ
ィルム基材の場合には、その基材に制限を受けることは
なく、延伸ポリエステルフィルムや延伸ポリアミドフィ
ルムや延伸(未延伸)ポリプロピレンフィルムなどを使
用することが可能であり、蒸着用プライマーや蒸着層の
保護層などをバリア性の向上や密着性の向上を考慮して
設けても構わない。
【0021】ウレタン系接着剤は、ポリオール系主剤
に、各種ジイソシアネートの誘導体(ポリイソシアネー
ト)からなる硬化剤を所定量配合したものを使用するこ
とが可能である。例えばジイソシアネート単量体として
は、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペ
ンタメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシア
ネート、シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ートなどの芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート等の単体
や混合物を用いることが可能である。これらの単量体を
トリマー(イソシアヌレート)、ビューレット、アダク
トなどの誘導体を使用することが可能である。
【0022】ポリオール系主剤としては、分子量が好ま
しくは300〜50000で官能基数が約2〜4の化合
物が挙げられ、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等の二塩基酸もしくはそ
れらのジアルキルエステルまたはそれらの混合物に、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ポリオキシエチ
レングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなど
のグリコール類もしくはこれらの混合物とを反応させて
なるポリエステルポリオールや、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイドなどのオキシラン化合物をエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリメチロール
プロパンなどを開始剤として重合したポリエーテルポリ
オールや、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどを(メタ)アク
リル酸あるいはそのエステル化物と共重合することで得
られるアクリルポリオール、その他、ポリエステルアミ
ドポリオールや上述したポリイソシアネートとポリオー
ルを反応させて得られたポリウレタンポリオールも使用
可能である。
【0023】ポリウレタン系接着剤の場合は、上記主剤
と硬化剤を所定量配合することで使用することが可能で
あるが、必要に応じては、接着性を改善及び向上させる
ため、リン酸類やエポキシ化合物、アミン化合物、シラ
ンカップリング剤、カルボン酸化合物あるいはその無水
物、そして硬化反応を促進させる触媒や各種安定剤、増
粘剤などを添加しても構わない。
【0024】ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)として
は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン、αオレフィンがブテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1、4メチルペンテン−1などのエチレ
ン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン樹脂、
プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−
エチレンブロック共重合体、αオレフィンがブテン−1
のプロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−エ
チレン−αオレフィン共重合体、ポリαオレフィン、エ
チレン−環状オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体のいずれか、あるいはこれらの混合物が使用可能
であるが、これらに制限されることはない。
【0025】樹脂Aに配合する水酸基を有する石油樹脂
(樹脂B)としては、石油留分(ジシクロペンタジエン
などのC5留分、スチレン、ビニルトルエン、α−メチ
ルスチレン、インデンなどのC9留分)を重合して石油
樹脂を製造する際に、アリルアルコールのようなアルコ
ール化合物やフェノール化合物など水酸基化合物により
変性することが挙げられるが、この製造法に制限される
ことはない。
【0026】水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)の水酸
基価はアルコール変性石油樹脂で10〜250の範囲、
フェノール変性石油樹脂で5〜60の範囲であることが
好ましい。水酸基価が小さくなると接着などの改質効果
が得られない。また、上記範囲を超えて水酸基価が大き
くなると分子量が小さくなり、加工性やその他に影響を
与える。また、これらの石油樹脂は、樹脂Aの剛性付与
そして加工性の点から軟化点温度が70〜180℃の範
囲で調整されることが好ましい。Tgとしては40〜1
30℃の範囲になる。また、分子量は上記軟化点と密接
に関連することから、数平均分子量が200〜2000
であることが好ましい。
【0027】上述した水酸基を有する石油樹脂(樹脂
B)は、必要に応じて不飽和結合部分を水素化しても構
わない。
【0028】ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)に対する
水酸基変性石油樹脂(樹脂B)は樹脂Aが50〜99w
t%にたいし樹脂Bが1〜50wt%である方が好まし
い。1wt%よりも少ないと水酸基を有する石油樹脂
(樹脂B)による樹脂Aの改質効果が得られない。ま
た、50wt%より多いと、樹脂Aの加工性に問題を与
える。
【0029】以下に、上述した構成である基材層/ウレ
タン系接着剤層/(ポリオレフィン系樹脂/水酸基を有
する石油樹脂からなる樹脂組成物)層の製造方法を示
す。ポリオレフィン系樹脂である樹脂Aおよび水酸基変
性石油樹脂(樹脂B)を所定の配合量になるように、リ
ボン、ヘンシェル、タンブラーミキサーなどでドライブ
レンドしたものを、必要に応じては二軸押出機やバンバ
リーミキサー、ニーダーなどの混練機を用いてコンパウ
ンド化しておいても構わない。この時の混練温度として
は、樹脂Aの劣化を伴わない加工温度および樹脂Bの軟
化点を超える温度が好ましく、理想的には240℃以下
で混練をしておいた方が、樹脂Bの分散性という意味で
好ましい。これらのコンパウンド物あるいは、混練加工
を施していないドライブレンド物でも構わないが、それ
を単軸押出機のホッパーに導入し、樹脂Aの理想加工温
度(例えばエチレン−αオレフィン共重合体であれば2
20〜290℃、高密度ポリエチレンであれば、280
〜330℃、エチレン−酢酸ビニル共重合体であれば、
240℃以下など)で押し出すことが挙げられる。
【0030】基材層との積層には、上記各種基材層を単
軸押出機の巻出し部にセットし、あらかじめ、押出機に
設置されている接着剤コーティングユニットに、所定配
合比で混ぜ合わせたポリオール系主剤とポリイソシアネ
ート系硬化剤を酢酸エチルなどの溶媒で、所定の固形分
に調整したものを、グラビアコートなどの手法で基材上
に塗工し、温度60℃以上の乾燥条件で、ドライ膜厚5
μm以下の範囲で基材上にポリウレタン系接着剤層を設
けた後、インラインで上述した樹脂Aと樹脂Bの樹脂組
成物を、Tダイによる押出ラミネート法であれば厚さ1
0〜50μm、Tダイによる押出ニーラム法であれば、
〜100μm程度まで積層させることが可能である。ま
た、ニーラム法ではフィルムを成膜し、ウレタン系接着
剤を塗工した基材層に貼り合わせる前にコロナ処理など
の処理を押出フィルム側に施すことも可能である。
【0031】このようにして得られた積層体は、非極性
の樹脂Aに極性基を有する樹脂Bを配合することで、高
温で酸化をさせなくても、ポリウレタン系接着剤と水素
結合性を付与することが可能であり、従来までオゾン処
理や下引き加工が必須だった樹脂においても、樹脂Bを
配合することで、低温加工においてもラミネート強度を
付与することが可能である。
【0032】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これらに限
られるものではない。また、以下の実施例を行うにあた
り、以下の樹脂を使用した。 [材料] −樹脂A− A−1:エチレン−ヘキセン−1共重合体(MI=8
at 190℃ 加工温度290℃) A−2:高密度ポリエチレン(MI=8 at 190
℃ 加工温度310℃) A−3:プロピレン−エチレンランダム共重合体(MI
=23 at 230℃加工温度290℃) A−4:エチレン−酢酸ビニル共重合体(MI=15
at 190℃ 加工温度240℃) −樹脂B− B−1:アルコール変性水素化石油樹脂(軟化点:10
0℃、水酸基価:100、Mn=370、Mw=65
0) B−2:フェノール変性水素化石油樹脂(軟化点:10
0℃、水酸基価:50、Mn=370、Mw=650) B−3:未変性水素化石油樹脂(軟化点:120℃、水
酸基価:0、Mn=750、Mw=1500) −基材− C−1:2軸延伸ポリエステルフィルム(コロナ処理
25μm) C−2:2軸延伸ポリエステルフィルム(12μm)/
/アルミ箔(7μm)−ウレタン系接着剤− ・主剤:ポリエステルポリオール系 ・硬化剤:トリレンジイソシアネートアダクト体 ・固形分(主剤+硬化剤):25wt%
【0033】[積層体の作成]上述した基材を、単軸押
出機の巻出し部にセットした。あらかじめ以下の実施例
に示す配合比でドライブレンドした樹脂Aと樹脂Bの混
合物をタンブラーにて良く攪拌し、2軸押出機によりあ
らかじめコンパウンド化した樹脂組成物を、単軸押出機
のホッパーに導入した。固形分25wt%になるように
酢酸エチルで希釈した2液硬化型接着剤を上記基材の押
出樹脂積層面にグラビア法により塗工し、80℃で乾燥
させ、ドライ膜厚で1μmになるようにウレタン系接着
剤を設けた。樹脂A横に記載の加工温度で、加工速度6
0m/min.で押し出した溶融樹脂を厚さ30μmに
なるようにウレタン系接着剤に積層させた。その際、以
下に示す評価を行うべく、サンド基材としてあらかじめ
作成しておいた2軸延伸ポリエステル基材(25μm)
//低密度ポリエチレン(20μm)を樹脂A−1、−
2、−4用に、2軸延伸ポリエステル基材(25μm)
//キャストポリプロピレン(20μm)を樹脂A−3
用に使用することで、最終的に基材/ウレタン系接着剤
層/樹脂組成物層/サンド基材という構成の評価サンプ
ルを作成した。
【0034】[評価方法]上述した方法で作成したサン
プルの基材/ウレタン系接着剤層/樹脂組成物層間のラ
ミネート強度を、試料幅15mm、剥離速度300mm
/min.のT型剥離で測定した。
【0035】<実施例1>樹脂A−1を80wt%にた
いし樹脂B−1を20wt%を配合した。
【0036】<実施例2>樹脂A−2を80wt%にた
いし樹脂B−1を20wt%を配合した。
【0037】<実施例3>樹脂A−3を80wt%にた
いし樹脂B−1を20wt%を配合した。
【0038】<実施例4>樹脂A−4を70wt%にた
いし樹脂B−1を30wt%を配合した。
【0039】<実施例5>樹脂A−1を70wt%にた
いし樹脂B−2を30wt%を配合した。
【0040】<実施例6>樹脂A−3を70wt%にた
いし樹脂B−2を30重量部を配合した。
【0041】<比較例1〜4>B−1を配合しなかった
以外は実施例1〜4と同じである。
【0042】<比較例5>樹脂A−1を99.5wt%
にたいし樹脂B−1を0.5wt%を配合した。
【0043】<比較例6>樹脂A−1を80wt%にた
いし樹脂B−3を20wt%を配合した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】上記結果から確認されるように、本発明
の積層体は、樹脂組成物層としてポリオレフィン系樹脂
(樹脂A)に水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)を配合
することで、従来までは押出ラミネート法によりダイレ
クトで2液硬化型接着剤に接着することが出来なかった
樹脂、例えば加工温度の点で言うと、エチレン−αオレ
フィン共重合体や、ポリプロピレン樹脂や、エチレン−
酢酸ビニル共重合体などでも、樹脂B未添加と比較して
著しくそのラミネート強度が得られていることが確認さ
れる。この内容は、従来までオゾン処理や下引き加工を
必要とされていた熱可塑性樹脂の、オゾン処理による環
境悪化、処理度の安定性、さらには下引き加工工程省略
に伴うコストダウンも期待できる。また、ポリプロピレ
ン樹脂の押出ラミネーションにおいても、十分な接着強
度が得られることから、各種軟包装用の包材設計の幅を
広げることが可能であり、また、本実施例では記載して
いないが、押出ニーラム加工も可能であり、かつ必要に
応じては機能性のあるシーラントを最外層として共押出
する事も可能であることから、今後の機能性包材の開発
に貢献が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA01A AB10A AB33A AK01A AK02B AK02H AK02J AK03B AK04B AK04J AK05B AK06B AK07B AK07J AK08B AK08J AK51G AK62B AK66B AK71B AL03B AL04B AL05B BA02 CB00 EH172 EH66A GB15 JA04B JA07B JB16A JD01 JK06 YY00B 4J002 BA012 BB031 BB051 BB061 BB071 BB101 BB121 BB141 GF00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂からなるフィルム基材、アル
    ミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機化合物蒸
    着を施したフィルム基材から選ばれる各種基材上に、ポ
    リウレタン系接着剤を設けた後に、ポリオレフィン系樹
    脂(樹脂A)と水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)を、
    樹脂Aを50〜99wt%、樹脂Bを1〜50wt%配
    合した樹脂組成物層を押出ラミネート法により積層させ
    たことを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)が水酸
    基価を10〜250の範囲でアルコール変性を施した石
    油樹脂、あるいは水酸基価を5〜60の範囲でフェノー
    ル変性を施した石油樹脂、あるいはこれらの水素化物で
    あり、かつ両者の軟化点温度が70〜180℃、数平均
    分子量が200〜2000であることを特徴とする、請
    求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)が高密度
    ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
    ン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピ
    レン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プ
    ロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−α
    オレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−αオレフ
    ィン共重合体、ポリαオレフィン、エチレン−環状オレ
    フィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
    レン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のいずれ
    か、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする、
    請求項1、または2記載の積層体。
  4. 【請求項4】ポリオレフィン樹脂(樹脂A)と水酸基を
    有する石油樹脂(樹脂B)からなる樹脂組成物を、温度
    180〜340℃の範囲で、ポリウレタン系接着剤を設
    けた、熱可塑性樹脂からなるフィルム基材、アルミ箔、
    アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機化合物蒸着を施
    したフィルム基材から選ばれる各種基材上に、押出ラミ
    ネート法により積層させたことを特徴とする、積層体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)が水酸
    基価を10〜250の範囲でアルコール変性を施した石
    油樹脂、あるいは水酸基価を5〜60の範囲でフェノー
    ル変性を施した石油樹脂、あるいはこれらの水素化物で
    あり、かつ両者の軟化点温度が70〜180℃、数平均
    分子量が200〜2000であることを特徴とする、請
    求項4記載の積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)が高密度
    ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
    ン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピ
    レン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プ
    ロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−α
    オレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−αオレフ
    ィン共重合体、ポリαオレフィン、エチレン−環状オレ
    フィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
    レン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のいずれ
    か、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする、
    請求項4、または5記載の積層体の製造方法。
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US9790369B2 (en) 2012-12-31 2017-10-17 Lotte Advanced Materials Co., Ltd. Composite material and method for preparing composite material
US9944053B2 (en) 2012-10-24 2018-04-17 Lotte Advanced Materials Co., Ltd. Laminate sheet, method of manufacturing the laminate sheet, and article using the laminate sheet
US10118370B2 (en) 2012-09-07 2018-11-06 Lotte Advanced Materials Co., Ltd. Article and manufacturing method of article

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