JP2002128681A - 再懸濁型粉末状カルシウム製剤及びその製造方法並びに食品組成物 - Google Patents
再懸濁型粉末状カルシウム製剤及びその製造方法並びに食品組成物Info
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Abstract
ライチャージ)が可能であり、優れた再懸濁性及び懸濁
安定性を備えた再懸濁型粉末状カルシウム製剤を提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 本発明の再懸濁型粉末状カルシウム製剤
は、(1)炭酸カルシウム微粒子、(2)再懸濁剤、
(3)サイクロデキストリン及び(4)水を含有する。
Description
ルシウム製剤及びその製造方法並びに食品組成物に関す
る。
種であるカルシウムの摂取量不足を指摘しており、また
高齢者の骨粗鬆症の増加や若年者の骨折の多発などか
ら、カルシウム摂取の重要性が広く認識されている。厚
生省も「成長期及び生活活動強度II(中等度)における
栄養所要量」においてカルシウムの1日当たりの摂取量
を600mgから635mgへと改めるなど、カルシウ
ムを摂取する重要性は高まってきている。
に、カルシウムが添加された食品類が数多く市販されて
いる。特にカルシウムを添加した牛乳は、カルシウムの
吸収率が高いため、その需要量は年々増える傾向にあ
る。
は、種々のカルシウム塩がある。しかしながら、乳酸カ
ルシウム、グルコン酸カルシウムなどの有機酸のカルシ
ウム塩は、臭味があり、使用し難い。これに対して、炭
酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの無機カルシウム
塩は、臭味がなく、またカルシウム含有量も比較的多い
という理由から、食品、特に牛乳中に添加されるカルシ
ウム強化剤として多用されている。しかも、炭酸カルシ
ウム、リン酸カルシウムなどの無機カルシウム塩は、水
に対して難溶性であり、牛乳中の蛋白質と反応して凝固
物を生じることがないなどの利点を有しているので、カ
ルシウム強化食品用添加剤として好ましい。
には、粉末状の無機カルシウム塩を食品に直接添加し
た場合、無機カルシウム塩の分散が余り良くない、比
重が大きいために、食品、特に牛乳などの飲料に添加し
た場合、分散安定性が悪いので、無機カルシウム塩が沈
殿するなどの実用上の問題がある。
ウムを、リン脂質などの懸濁安定化剤と共に水に添加し
て炭酸カルシウム水懸濁液を製造する方法を開示してい
る。しかしながら、この方法では、牛乳に添加した炭酸
カルシウムが有している分散性や懸濁安定性の問題はあ
る程度改善されるものの、懸濁安定化剤の配合による臭
味の問題が新たに発生するのが避けられない。また、上
記方法には、懸濁液としたことによる衛生面(保存中の
雑菌の増殖)の問題、輸送コスト増大などの問題があ
る。
炭酸カルシウムなどの不溶性カルシウム、レシチン類及
びポリグリセリン脂肪酸エステルの3成分を含有する不
溶性カルシウム組成物を開示している。しかしながら、
この組成物は、不溶性カルシウム強化剤を水に分散させ
た液状組成物であり、そのため水分散液としたことによ
る衛生面(保存中の雑菌の増殖)の問題、輸送コスト増
大などの問題は、解決されていない。しかも、上記公報
に記載されている不溶性カルシウム組成物は、分散性や
懸濁安定性の問題はある程度改善されているが、これら
の改善効果は尚不十分であり、長期間に亘る分散性や懸
濁安定性の点で問題がある。
が有している分散性、懸濁安定性、臭味、衛生面などの
問題を解決できる再懸濁型粉末状カルシウム製剤を提供
することを課題とする。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、(1)炭酸カル
シウム微粒子、(2)再懸濁剤及び(4)水に(3)サ
イクロデキストリンを配合した再懸濁型粉末状カルシウ
ム製剤が所望のカルシウム製剤になり得ることを見い出
した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたもので
ある。 1.本発明は、(1)炭酸カルシウム微粒子、(2)再
懸濁剤、(3)サイクロデキストリン及び(4)水を含
有する再懸濁型粉末状カルシウム製剤である。 2.本発明は、炭酸カルシウム微粒子がBET比表面積
5〜100m2/g、平均粒子径0.02〜5μmであ
る上記1に記載の再懸濁型粉末状カルシウム製剤であ
る。 3.本発明は、再懸濁剤がポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、リン脂質、オリゴ糖、多糖及びアルカリ金属炭酸塩
からなる群から選ばれた少なくとも1種である上記1に
記載の再懸濁型粉末状カルシウム製剤である。 4.本発明は、ポリグリセリン脂肪酸エステル、リン脂
質、オリゴ糖、多糖及びアルカリ金属炭酸塩の少なくと
も2種を含有する上記3に記載の再懸濁型粉末状カルシ
ウム製剤である。 5.本発明は、製剤を基準として、(1)炭酸カルシウ
ム微粒子78.0〜99.6重量%、(2)再懸濁剤
0.1〜22重量%、(3)サイクロデキストリン0.
1〜2重量%及び(4)水0.2〜5重量%の範囲で含
有する上記1に記載の再懸濁型粉末状カルシウム製剤で
ある。 6.本発明は、炭酸カルシウム微粒子、再懸濁剤及びサ
イクロデキストリンの水懸濁液を湿式摩砕し、乾燥し、
粉末化することを特徴とする再懸濁型粉末状カルシウム
製剤の製造方法である。 7.本発明は、炭酸カルシウム微粒子の水懸濁液に再懸
濁剤及びサイクロデキストリンを添加混合し、湿式摩砕
し、乾燥し、粉末化することを特徴とする再懸濁型粉末
状カルシウム製剤の製造方法である。 8.本発明は、炭酸カルシウム微粒子の水懸濁液を湿式
摩砕し、再懸濁剤及びサイクロデキストリンを添加混合
し、乾燥し、粉末化することを特徴とする再懸濁型粉末
状カルシウム製剤の製造方法である。 9.本発明は、上記1〜5に記載の再懸濁型粉末状カル
シウム製剤を含有してなるカルシウム強化食品組成物で
ある。
カルシウム微粒子、(2)再懸濁剤、(3)サイクロデ
キストリン及び(4)水を構成成分とする。
は、特に限定がなく、公知の合成品及び天然品のいずれ
をも使用することができる。炭酸カルシウム微粒子とし
ては、通常BET比表面積5〜100m2/g、平均粒
子径0.02〜5μm、好ましくはBET比表面積7〜
80m2/g、平均粒子径0.02〜2μmである。炭
酸カルシウム微粒子は、BET比表面積7〜80m2/
g、平均粒子径0.02〜0.5μmの一次粒子が軟凝
集して形成されている多孔質炭酸カルシウム微粒子であ
るのが、より好ましい。
ウム製剤を製造するに当たって炭酸カルシウム微粒子の
水懸濁液を調製する際及び本発明のカルシウム製剤を使
用するに当たって該製剤を水に再懸濁させる際のいずれ
においても、分散剤、懸濁安定化剤として作用するもの
である。例えばシュガーエステル、結晶セルロースなど
の通常の分散剤、懸濁安定化剤は、水懸濁液の調製時に
優れた分散効果や懸濁安定効果を発揮するものであって
も、乾燥粉末化された製剤を水に再懸濁した時に優れた
分散効果や懸濁安定効果を十分に発揮しない。この乾燥
粉末化された製剤を水に再懸濁するときに、簡単な撹拌
混合機で速やかに水に濡れ、乾燥凝集粒子の崩壊、分散
が起こり、もとと同じ状態の水懸濁液に戻ることができ
る添加剤を、本発明においては再懸濁剤と称する。
グリセリン脂肪酸エステル、リン脂質、オリゴ糖、多
糖、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
具体的には、モノラウリン酸ヘキサグリセリン、モノオ
レイン酸デカグリセリン、モノラウリン酸デカグリセリ
ン、モノラウリン酸ペンタグリセリンなどが挙げられ
る。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、HLBが
13.0以上のポリグリセリン脂肪酸エステルが好まし
い。
%以上の公知のリン脂質含有物質を広く使用でき、具体
的には植物由来レシチン(大豆、菜種、トウモロコシ、
綿実など)、動物由来レシチン(卵黄など)、酵素処理
レシチン、酵素転移レシチンなどが挙げられる。
ても、非環状のオリゴ糖であってもよい。オリゴ糖とし
ては、例えば還元性二糖類、非還元性二糖類、還元性三
糖類などが挙げられる。還元性二糖類はマルトース型二
糖類とも呼ばれるものであり、具体的には麦芽糖、セロ
ピオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトー
ス、ツラノース、ソホロースなどを例示できる。非還元
性二糖類は、トレハロース型二糖類とも呼ばれるもので
あり、具体的にはトレハロース、イソトレハロース、シ
ョ糖、イソサッカロースなどを例示できる。還元性三糖
類としては、具体的にはマルトトリオースなどを例示で
きる。オリゴ糖の中でも、非還元性二糖類が好ましく、
トレハロースが特に好ましい。
であり、例えばデンプン、グリコーゲン、デキストラン
などが挙げられる。多糖としては、具体的には大豆に含
まれている多糖、即ち大豆多糖が好適に使用される。
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどが挙
げられ、炭酸カリウムが好ましい。
併用するのが好ましい。
剤の少なくとも1種はポリグリセリン脂肪酸エステル又
はアルカリ金属炭酸塩であるのがより好ましい。更にポ
リグリセリン脂肪酸エステル及びアルカリ金属炭酸塩を
併用するのが特に好ましい。
る。サイクロデキストリンとしては、従来公知のものを
広く使用でき、例えばα−サイクロデキストリン、β−
サイクロデキストリン、γ−サイクロデキストリンなど
が挙げられる。
は、(4)成分として水が含有されている。構成成分と
しての水は、乾燥前の水懸濁液中の水を乾燥後に残留さ
せたものである。
は、製剤を基準にして、通常(1)炭酸カルシウム微粒
子78.0〜99.6重量%、(2)再懸濁剤0.1〜
22重量%、(3)サイクロデキストリン0.1〜2重
量%及び(4)水0.2〜5重量%の範囲で含有するも
のである。
しては、(1)炭酸カルシウム微粒子85.0〜95.
0重量%、(2)再懸濁剤5.0〜15.0重量%、
(3)サイクロデキストリン0.5〜2重量%及び
(4)水0.3〜4.0重量%の範囲で含有するものが
好ましい。
(4)成分の含有量が上記好ましい範囲にあるときに、
本発明の効果がより一層良好に発現される。
デキストリンを含有させることが重要であり、本発明の
再懸濁型粉末状カルシウム製剤に(3)成分のサイクロ
デキストリンを他の成分と共に含有させることにより、
該製剤を再度水に懸濁させた場合に、臭味の問題を解決
できるだけでなく、長期間に亘って優れた分散性や懸濁
安定性を維持することができる。
は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、公知の着色
料、香料、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤などの各種成分
を適宜配合することができる。
により製造される。
ム製剤は、炭酸カルシウム微粒子、再懸濁剤及びサイク
ロデキストリンの水懸濁液を湿式摩砕し、乾燥し、粉末
化することにより製造される。
製剤は、炭酸カルシウム微粒子の水懸濁液に再懸濁剤及
びサイクロデキストリンを添加混合し、湿式摩砕し、乾
燥し、粉末化することにより製造される。
製剤は、炭酸カルシウム微粒子の水懸濁液を湿式摩砕
し、再懸濁剤及びサイクロデキストリンを添加混合し、
乾燥し、粉末化することにより製造される。
るに当たっては、公知の方法を広く採用することができ
る。例えば、炭酸カルシウム微粒子を水に添加し、攪拌
すればよい。
ウム微粒子の水懸濁液を湿式摩砕処理する。湿式摩砕処
理は、従来公知の湿式摩砕装置や湿式破砕装置を用いて
行うことができる。このような湿式摩砕装置や湿式破砕
装置としては、例えばコロイドミル、サンドミル、ボー
ルミル、湿式ジェットミルなどを挙げることができる。
摩砕処理の前又は後に、炭酸カルシウム微粒子の水懸濁
液に添加、混合される。それらの添加順序は限定される
ものではない。再懸濁剤やサイクロデキストリンは、同
時に添加されてもよいし、順次添加されてもよい。また
再懸濁剤やサイクロデキストリンのいずれか一方を湿式
摩砕処理の前に添加し、他方を湿式摩砕処理の後に添加
してもよい。
再懸濁剤、サイクロデキストリンを含む水懸濁液は、更
に乾燥及び粉末化される。乾燥及び粉末化は、乾燥を行
った後に粉末化してもよいし、乾燥及び粉末化を同時に
行ってもよい。
装置及び粉末化装置を広く使用することができる。本発
明では、特に水懸濁液中の再懸濁剤、サイクロデキスト
リンなどが乾燥時の熱により変質して再懸濁効果がなく
なったり、焦げ等による異臭発生が起こらないよう、乾
燥時の品温が120℃を越えないように管理するのが好
ましい。
としては、気流乾燥機が知られており、本発明では乾
燥、粉末化装置として気流乾燥機を使用するのが好まし
い。斯かる気流乾燥機としては、例えばスプレードライ
ヤー、フラッシュジェットドライヤー、ミクロンドライ
ヤー、スラリードライヤーなどを挙げることができる。
また、ドライマイスタとして市販されている強力分散型
気流乾燥機を使用することもできる。
濁型粉末状カルシウム製剤中の残留水分量が0.2〜5
重量%、好ましくは0.2〜3重量%の範囲内になるよ
う、乾燥、粉末化装置の乾燥条件を調整する。残留水分
量を上記範囲に調整しておくと、本発明の再懸濁型粉末
状カルシウム製剤を再び水懸濁液とした場合、再懸濁化
が容易になり、また乾燥前の水懸濁液と殆ど変わらない
分散性、懸濁安定性を有する再水懸濁液とすることがで
きる。
は、炭酸カルシウム微粒子が凝集した二次粒子の形態を
している。二次粒子の粒径は、気流乾燥機などの乾燥、
粉末化装置の種類や乾燥条件などにより異なり一概には
言えないが、乾式粒度分析機又は乾式篩分級による大き
さで一般に0.5〜300μm程度、通常1〜150μ
m程度である。
濁型粉末状カルシウム製剤が配合されたものである。
料、発酵乳、乳酸菌飲料、果汁・野菜搾汁・コーヒー・
紅茶・緑茶・麦茶・ウーロン茶・野草茶・ココア・豆乳
・しるこ、ビタミン添加ドリンクなどの清涼飲料、内服
液、味噌汁、ドレッシング、液体調味料などの液状食品
などが挙げられる。
末状カルシウム製剤の量としては、特に限定されるもの
ではなく、従来のカルシウム強化剤の配合量と同じでよ
い。例えば、上記食品100重量部に対して、再懸濁型
粉末状カルシウム製剤を通常0.1〜20重量部、好ま
しくは0.1〜5重量部配合するのがよい。
塩の抱える分散性、懸濁安定性、臭味、衛生面などの問
題のない再懸濁型粉末状カルシウム製剤が提供される。
添加(ドライチャージ)も可能な再懸濁型粉末状カルシ
ウム製剤が提供される。
は、粉末状であるので、従来のような懸濁液としたこと
による衛生面(保存中の雑菌の増殖)の問題や、輸送コ
スト増大などの問題も生じない。
は、これを水に再度懸濁させて懸濁液にした場合でも、
従来のような臭味の問題は発生しない。しかも、本発明
の再懸濁型粉末状カルシウム製剤を水に再度懸濁させて
得られる懸濁液は、分散性や懸濁安定性に優れており、
無機カルシウム塩の沈降が起こるなどの、実用上の問題
はない。
水に再度懸濁させて得られる懸濁液は、長期間に亘って
優れた分散性や懸濁安定性が発現される。
剤を構成する各成分の含有割合を上記特定の範囲とした
場合には、上記効果がより一層良好に発現される。
らかにする。
中央研究所製)100g、20%大豆レシチン水溶液1
5g、60%ポリグリセリン脂肪酸エステル21.7
g、10%サイクロデキストリン10g及び水103.
3gをディスパー攪拌機を用いて混合し、濃度40重量
%の多孔質炭酸カルシウム微粒子水懸濁液を調製した
後、マイクロビーズミル(ダイノ−ミル、WILLY A. BAC
HOFEN AG.社製)で湿式粉砕して臭味の少ない懸濁安定
性の良好な炭酸カルシウム微粒子水懸濁液を得た。次い
で、その水懸濁液をスプレードライヤーを用いて、乾燥
室入口温度が270℃、乾燥室出口温度が105℃にな
るように乾燥し、再懸濁型粉末状カルシウム製剤106
gを得た。
構成成分の割合は、炭酸カルシウム微粒子85.2重量
%、再懸濁剤13.7重量%、サイクロデキストリン
0.9重量%及び水分0.4重量%であった。
ウム製剤の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
ン及び水を表1に記載の配合で用い、実施例1と同様に
して、炭酸カルシウム微粒子水懸濁液を得た。次いで、
その水懸濁液を実施例1と同様にしてスプレードライヤ
ーにより乾燥し、再懸濁型粉末状カルシウム製剤を得
た。
構成成分割合を表2に示す。
用した。
食品添加物用のカルシウム製剤として優れているか否か
を調べるために、市販の食品添加物用粉末状炭酸カルシ
ウムや上記比較例で得られた試料と比較する試験を行っ
た。
び比較例1〜3の試料を30℃の水に加え40重量%の
懸濁液に戻し、再懸濁性(戻りかたの程度)及び懸濁液
のにおいを調べ、下記の評価に基づき判定した。尚、再
懸濁化には、ディスパー(1000rpm×7分30
秒)を用いた。
に戻った(再懸濁液と乾燥前懸濁液との平均粒度比が
1.0〜1.1未満) 4…乾燥前の炭酸カルシウム微粒子水懸濁液とほぼ同じ
状態に戻った(上記平均粒度比が1.1以上〜1.3未
満) 3…再懸濁性がやや劣る(上記平均粒度比が1.3以上
〜2.0) 2…再懸濁性かなり劣る(肉眼で容器の底に未崩壊粒子
が認められる) 1…殆ど再懸濁しない ここで、平均粒度比とは、乾燥前の炭酸カルシウム微粒
子水懸濁液中の炭酸カルシウム微粒子平均粒度(D5
0)に対する、製剤を水に再懸濁させた液中の炭酸カル
シウム微粒子平均粒度(D50)の比率(即ち、製剤を
水に再懸濁させた液中の炭酸カルシウム微粒子平均粒度
(D50)/乾燥前の炭酸カルシウム微粒子水懸濁液中
の炭酸カルシウム微粒子平均粒度(D50))である。
平均粒度は、湿式粒度分析機を用いて測定した。
剤など由来する臭い、また加工中の摩砕や加熱工程によ
り発生し付いた臭い等を総合評価した(成人10名中6
名以上が感じた評価) 4…良好である(臭いがしない) 3…少し悪い (僅かな臭いがする) 2…かなり悪い(かなり臭いがする) 1…非常に悪い(非常に強い臭いがする) 結果を下記表3に示す。
粉末状カルシウム製剤は、いずれも再懸濁性が格段に優
れており、且つにおいの発生も顕著に抑制できているこ
とがわかる。これに対して、サイクロデキストリンを含
有していない比較例1試料及び比較例2試料は、再懸濁
性が十分ではなく、しかもにおいの発生も抑制できてい
ないことが、表3から明らかである。
び比較例1〜3の試料を30℃の水に加え、ディスパー
攪拌機により1000rpmで7分30秒間撹拌し、炭
酸カルシウムの固形分濃度で0.2W/V%の希薄懸濁
液とした後、遠心分離器で1000rpm×4分間遠心
力をかけ、次に遠心沈降物を蒸発乾固し、電気炉で95
0℃×3時間焼成し、冷却後その重量から懸濁率を算出
した。
/V%の希薄懸濁液を100ml有栓メスシリンダーに
とり、常温で静置して懸濁液面の高さ及び沈降物の見掛
け容積の経時変化を測定した。
面の高さが70ml以上(1週間後)である場合に、再
懸濁液が高懸濁安定性を有していると認定した。
粉末状カルシウム製剤は、比較例3の試料に比し、再懸
濁性が格段に優れていることが明らかである。
び比較例1〜3の試料を10%還元脱脂粉乳に加え、炭
酸カルシウムとして0.25W/V%を含有するカルシ
ウム強化牛乳を調製した。該カルシウム強化牛乳を遠心
分離器で3000rpm×5分遠心力をかけ、次に上澄
みを除去した後に80℃で12時間乾燥させ、冷却後そ
の重量から牛乳中での懸濁率を算出した。
に、再懸濁液が高懸濁安定性であると認定した。
に優れた懸濁安定性を有することが明らかである。
び比較例1〜3の試料を市販の低脂肪乳に炭酸カルシウ
ムとして0.25W/V%となるように添加し、常温で
のにおいなどを調べ、臭味のマスキング性を調べた。そ
して各々の臭味に関して下記の4段階表示による判定を
行った。
が感じた評価): 4…臭味が良好である(通常の牛乳とほぼ同じである) 3…臭味が少し悪い (僅かに違和感がある) 2…臭味がかなり悪い(かなり違和感がある) 1…臭味が非常に悪い(非常に違和感がある) 結果を表3に示す。
粉末状カルシウム製剤は、サイクロデキストリンを含有
していない比較例1及び比較例2の試料に比し、臭味が
良好であり、臭味の問題が解決できていることがわか
る。
末状カルシウム製剤は再懸濁性が高く、またその再懸濁
液は懸濁安定性が高く、食品用カルシウム強化剤として
適しており、食品中への分散性及び保存安定性にも優れ
ている。
ルシウム製剤の走査型電子顕微鏡写真である。
Claims (9)
- 【請求項1】(1)炭酸カルシウム微粒子、(2)再懸
濁剤、(3)サイクロデキストリン及び(4)水を含有
する再懸濁型粉末状カルシウム製剤。 - 【請求項2】炭酸カルシウム微粒子がBET比表面積5
〜100m2/g、平均粒子径0.02〜5μmである
請求項1に記載の再懸濁型粉末状カルシウム製剤。 - 【請求項3】再懸濁剤がポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、リン脂質、オリゴ糖、多糖及びアルカリ金属炭酸塩
からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1
に記載の再懸濁型粉末状カルシウム製剤。 - 【請求項4】ポリグリセリン脂肪酸エステル、リン脂
質、オリゴ糖、多糖及びアルカリ金属炭酸塩の少なくと
も2種を含有する請求項3に記載の再懸濁型粉末状カル
シウム製剤。 - 【請求項5】製剤を基準として、(1)炭酸カルシウム
微粒子78.0〜99.6重量%、(2)再懸濁剤0.
1〜22重量%、(3)サイクロデキストリン0.1〜
2重量%及び(4)水0.2〜5重量%の範囲で含有す
る請求項1に記載の再懸濁型粉末状カルシウム製剤。 - 【請求項6】炭酸カルシウム微粒子、再懸濁剤及びサイ
クロデキストリンの水懸濁液を湿式摩砕し、乾燥し、粉
末化することを特徴とする再懸濁型粉末状カルシウム製
剤の製造方法。 - 【請求項7】炭酸カルシウム微粒子の水懸濁液に再懸濁
剤及びサイクロデキストリンを添加混合し、湿式摩砕
し、乾燥し、粉末化することを特徴とする再懸濁型粉末
状カルシウム製剤の製造方法。 - 【請求項8】炭酸カルシウム微粒子の水懸濁液を湿式摩
砕し、再懸濁剤及びサイクロデキストリンを添加混合
し、乾燥し、粉末化することを特徴とする再懸濁型粉末
状カルシウム製剤の製造方法。 - 【請求項9】請求項1、2、3、4又は5に記載の再懸
濁型粉末状カルシウム製剤を含有してなるカルシウム強
化食品組成物。
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