JP2002126641A - 無機被膜形成方法および塗装品 - Google Patents

無機被膜形成方法および塗装品

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JP2002126641A JP2000327795A JP2000327795A JP2002126641A JP 2002126641 A JP2002126641 A JP 2002126641A JP 2000327795 A JP2000327795 A JP 2000327795A JP 2000327795 A JP2000327795 A JP 2000327795A JP 2002126641 A JP2002126641 A JP 2002126641A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハードコート性(表面硬度、耐磨耗性、耐擦
傷性等)を保ちつつ光半導体の光触媒作用に由来する各
種特性を十分に発揮する無機被膜を形成することのでき
る方法と、この方法により得られる塗装品の提供。 【解決手段】 4官能シリコーンレジンと光半導体とを
含有する無機塗料に、その塗膜を硬化させようとする温
度では熱分解せずに、それより高い温度で熱分解する熱
分解性材料を加え、基材に塗装して形成した塗膜を、前
記熱分解性材料が熱分解しない温度で硬化させた後、温
度を前記熱分解性材料が熱分解する温度に上げて前記熱
分解性材料を熱分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードコート性
(表面硬度、耐磨耗性、耐擦傷性等)を保ちつつ光半導
体の光触媒作用に由来する各種特性を十分に発揮する無
機被膜を形成することのできる方法と、この方法により
得られる塗装品に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンレジンを主成分とする塗料を
基材表面に塗布し、硬化することにより、防汚性等の性
能を有する塗膜を形成する事が知られており、各種基材
に適用されている。また、前記シリコーンレジンの構成
成分として4官能のシリコーンレジンを用いた場合にお
いては、上記防汚性等の性能に加えてハードコート性
(表面硬度、耐磨耗性、耐擦傷性等)が向上することも
知られている。さらには、シリコーンレジンを主成分と
し、光半導体を含有する塗料を塗布、硬化して得られる
塗膜においては、以下のような様々な効果が期待でき、
各種基材に適用されている。
【0003】光半導体に励起波長(たとえば、400n
m)の光(紫外線)が当たると、有機物を酸化分解する
ことができる活性酸素が発生するため、光半導体を含有
する塗料を基材の表面にコーティングした材料には、そ
の表面に付着したカーボン系汚れ成分(たとえば、自動
車の排気ガス中に含まれるカーボン留分や、たばこのヤ
ニ等)を分解する自己洗浄効果;アミン化合物、アルデ
ヒド化合物に代表される悪臭成分を分解する消臭効果;
大腸菌、黄色ブドウ球菌に代表される菌成分の発生を防
ぐ抗菌効果;防かび効果等が期待される。また、光半導
体を含有する塗料を基材の表面にコーティングした材料
に紫外線が当たると、光半導体がその光触媒作用で、空
気中の水分または該材料表面に付着した水分を水酸化ラ
ジカル化し、この水酸化ラジカルが、水をはじく有機物
等(該材料表面に付着したものと該材料表面中に含まれ
るもの)を分解除去することにより、該材料表面に対す
る水の接触角が低下して該材料表面が水に濡れ(馴染
み)やすくなるという親水性(水濡れ性)向上効果もあ
る。この親水性向上効果から、屋内の部材においては、
ガラスや鏡が水滴で曇りにくい防曇効果が期待され、屋
外部材においては、付着した汚れが雨水によって洗浄さ
れる防汚効果が期待される。また、光半導体を含有する
塗料を基材表面にコーティングした材料には、光半導体
の光触媒作用による帯電防止機能もあり、この機能によ
っても防汚効果が期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
技術には、以下のような問題点があった。それは、シリ
コーンレジンの構成成分として4官能のシリコーンレジ
ンを用い、かつ、光半導体が含有される場合、シリコー
ンレジンに対する光半導体の比率を増していくと、前記
のような光半導体による効果がより期待できるが、その
半面、ハードコート性が低減して、表面硬度、耐磨耗性
や耐擦傷性等が低下する。逆に、シリコーンレジンに対
する光半導体の比率を減じていくと、ハードコート性は
向上あるいは維持されるが、その半面、光半導体による
効果が低減する。
【0005】そこで、本発明の課題は、ハードコート性
(表面硬度、耐磨耗性、耐擦傷性等)を保ちつつ光半導
体の光触媒作用に由来する各種特性を十分に発揮する無
機被膜を形成することのできる方法と、この方法により
得られる塗装品とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は種々検討を重ねた。その結果、4官能シ
リコーンレジンからなるシリコーンレジンおよび光半導
体に加え、塗膜を硬化させようとする温度では熱分解せ
ずに、それより高い温度で熱分解する熱分解性材料をさ
らに配合した無機塗料を用い、これを基材に塗装して塗
膜を形成し、該塗膜を前記熱分解性材料が熱分解しない
温度で硬化させた後、温度を前記熱分解性材料が熱分解
する温度に上げて前記熱分解性材料を熱分解するように
すればよいことを実験で確認して、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明に係る無機被膜形成方法
は、一般式(1):一般式SiX4 (ここでXは同一または異種の加水分解性基を示す)で
表される4官能加水分解性オルガノシランの(部分)加
水分解物を含む4官能シリコーンレジンからなるシリコ
ーンレジンと光半導体とを含有する無機塗料を基材に塗
装して塗膜を形成した後、該塗膜を硬化させることによ
り、前記基材の表面に無機被膜を形成する方法であっ
て、前記無機塗料中に、その塗膜を硬化させようとする
温度では熱分解せずに、それより高い温度で熱分解する
熱分解性材料をも含有させるとともに、前記無機塗料の
塗膜を、前記熱分解性材料が熱分解しない温度で硬化さ
せた後、温度を前記熱分解性材料が熱分解する温度に上
げて前記熱分解性材料を熱分解することを特徴とする。
【0008】なお、本明細書中、「(部分)加水分解」
は「部分加水分解および/または加水分解」を意味す
る。本発明に係る塗装品は、上記本発明の無機被膜形成
方法により得られたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる無機塗料の必
須成分の一つであるシリコーンレジンは、4官能加水分
解性オルガノシランの(部分)加水分解物を含む4官能
シリコーンレジンからなり、バインダー樹脂および造膜
成分として用いられるとともに、上記無機塗料から形成
される無機被膜に表面親水性(水濡れ性)を付加するこ
とによって同膜に防曇性、雨水洗浄による防汚性等をも
たらす成分である。また、上記無機被膜は、4官能シリ
コーンレジンの使用により、ハードコート性(表面硬
度、耐磨耗性、耐擦傷性等)等にも優れたものとなる。
【0010】シリコーンレジンは、その形態を特に限定
されず、たとえば、溶液状のものでも分散液状のもの等
でも構わない。4官能シリコーンレジンの原料として用
いられる4官能加水分解性オルガノシランとしては、前
記一般式(1)で表されるものが用いられる。前記一般
式(1)中、Xとしては、同一または異種の加水分解性
基であれば特に限定はされないが、たとえば、アルコキ
シ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ
基、アミノキシ基、アミド基等が挙げられる。これらの
中でも、入手の容易さおよびシリコーンレジンを調製し
やすいことから、アルコキシ基が好ましい。また、アル
コキシ基(OR基;Rはアルキル基)の中でも、Rが炭
素数1〜8のアルキル基であるものが、入手の容易さ、
シリコーンレジンの調製しやすさだけでなく、得られる
シリコーンレジンを含む無機塗料を塗布し、硬化させる
際に、縮合反応が起こりやすく、その結果、硬い無機被
膜になりやすい等の点から特に好ましい。上記炭素数1
〜8のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。アルコキシ基
中に含有されるアルキル基のうち、炭素数3以上のもの
については、n−プロピル基、n−ブチル基等のように
直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソ
ブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するもので
あってもよい。
【0011】前記4官能加水分解性オルガノシランの具
体例としては、特に限定はされないが、たとえば、4官
能性の、アルコキシシラン類、アセトキシシラン類、オ
キシムシラン類、エノキシシラン類、アミノシラン類、
アミノキシシラン類、アミドシラン類などが挙げられ
る。これらの中でも、入手の容易さおよびシリコーンレ
ジンを調製しやすいことから、アルコキシシラン類が好
ましい。また、このアルコキシシラン類の中でも、入手
の容易さ、シリコーンレジンの調製しやすさだけでな
く、得られるシリコーンレジンを含む無機塗料を塗布
し、硬化させる際に、縮合反応が起こりやすく、その結
果、硬い無機被膜になりやすい等の点から、アルコキシ
基(OR基;Rはアルキル基)中のRが上記炭素数1〜
8のアルキル基であるアルコキシシラン類が特に好まし
い。
【0012】4官能性アルコキシシラン類の具体例とし
ては、特に限定はされないが、たとえば、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキ
シシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−t−
ブトキシシラン等のテトラアルコキシシランが挙げられ
る。これらの中でも、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシランが好ましい。さらに、一般にシランカップ
リング剤と呼ばれるオルガノシラン化合物もアルコキシ
シラン類に含まれる。4官能加水分解性オルガノシラン
は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用しても
よい。
【0013】4官能シリコーンレジンは、たとえば、4
官能加水分解性オルガノシランに硬化剤としての水およ
び必要に応じて触媒等を必要量添加して、(部分)加水
分解を行わせてプレポリマー化させることにより、調製
することができる。4官能加水分解性オルガノシランを
(部分)加水分解する際に用いられる水の量は、特に限
定はされないが、たとえば、4官能加水分解性オルガノ
シランの有する加水分解性基(X)に対する水(H
2 O)のモル当量比(H2 O/X)で示せば、好ましく
は0.3〜5、より好ましくは0.35〜4、さらに好
ましくは0.4〜3.5の範囲である。上記モル当量比
が0.3未満であると、加水分解が十分進行せず、無機
被膜が脆くなる恐れがあり、5を超えると、得られるシ
リコーンレジンが短時間でゲル化する傾向があるため、
貯蔵安定性が低下する恐れがある。
【0014】4官能加水分解性オルガノシランを(部
分)加水分解する際に必要に応じて用いられる触媒とし
ては、特には限定はされないが、無機塗料の製造工程に
かかる時間を短縮する点から、酸性触媒が好ましい。酸
性触媒としては、特に限定はされないが、たとえば、酢
酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン
酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール
酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュ
ウ酸などの有機酸;塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の
無機酸;酸性コロイダルシリカ、酸化チタンゾル等の酸
性ゾル状フィラー等が挙げられ、これらを1種または2
種以上使用することができる。
【0015】4官能加水分解性オルガノシランの(部
分)加水分解は、必要に応じ、加温(たとえば、40〜
100℃に加熱)して行っても良い。4官能加水分解性
オルガノシランの(部分)加水分解は、必要に応じ、4
官能加水分解性オルガノシランを適当な溶媒で希釈して
行ってよい。そのような希釈溶媒(反応溶媒)として
は、特に限定はされないが、たとえば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エ
チレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリ
コール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘
導体;およびジアセトンアルコール等を挙げることがで
き、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以
上のものを使用することができる。これらの親水性有機
溶媒と併用して、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプ
タン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等
の1種もしくは2種以上も用いることができる。
【0016】本発明で用いられるシリコーンレジンの重
量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではない
が、ポリスチレン換算で500〜1000の範囲が好ま
しい。500未満の場合はシリコーンレジンが不安定で
あったり、1000より大きい場合は無機被膜が十分な
硬度を保てない等の不都合がある。本発明で用いられる
無機塗料は、後で述べる光触媒効果による各種機能を得
るとともに、形成される無機被膜の表面親水性を、光触
媒効果でさらに高くしたり長期間維持させたりするため
に、必須成分としてさらに光半導体を含む。光半導体と
しては、特に限定はされないが、たとえば、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸
化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ル
テニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウ
ム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタ
ル、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化
ニッケル、酸化レニウム等の金属酸化物の他、チタン酸
ストロンチウム等が、塗膜の硬化(特に常温を含む低温
での硬化)を促進する効果も得られる点で好ましい。こ
れらの中でも、上記金属酸化物が、実用的に容易に利用
可能な点で好ましく、金属酸化物の中でも特に酸化チタ
ンが、その光触媒性能、硬化促進性能、安全性、入手の
容易さおよびコストの面で好ましい。なお、酸化チタン
を光半導体として用いる場合は、結晶型がアナタース型
(アナターゼ型)であるものを用いる方が、光触媒性能
および硬化促進性能が最も強く、しかも長期間発現する
とともに、光触媒性能および硬化促進性能がより短時間
で発現する点で好ましい。
【0017】光半導体は、1種のみ用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、光半導体の
原料となるものも、最終的に光半導体の性質を示す物で
あれば使用可能である。光半導体に励起波長(たとえ
ば、400nm)の光(紫外線)が当たると活性酸素が
発生することは公知である。活性酸素は有機物を酸化し
て分解することができるため、光半導体を含有する塗料
を基材の表面にコーティングした材料には、その表面に
付着したカーボン系汚れ成分(たとえば、自動車の排気
ガス中に含まれるカーボン留分や、たばこのヤニ等)を
分解する自己洗浄効果;アミン化合物、アルデヒド化合
物に代表される悪臭成分を分解する消臭効果;大腸菌、
黄色ブドウ球菌に代表される菌成分の発生を防ぐ抗菌効
果;防かび効果等が期待される。また、光半導体を含有
する塗料を基材の表面にコーティングした材料に紫外線
が当たると、光半導体がその光触媒作用で、空気中の水
分または該材料表面に付着した水分を水酸化ラジカル化
し、この水酸化ラジカルが、水をはじく有機物等(該材
料表面に付着したものと該材料表面中に含まれるもの)
を分解除去することにより、該材料表面に対する水の接
触角が低下して該材料表面が水に濡れ(馴染み)やすく
なるという親水性(水濡れ性)向上効果もある。この親
水性向上効果から、屋内の部材においては、ガラスや鏡
が水滴で曇りにくい防曇効果が期待され、屋外部材にお
いては、付着した汚れが雨水によって洗浄される防汚効
果が期待される。
【0018】さらには、光半導体の光触媒作用による帯
電防止機能もあり、この機能によっても防汚効果がさら
に向上する。たとえば、光半導体を含む塗膜に紫外線を
照射すると、この塗膜に含まれる光半導体の作用により
塗膜の表面抵抗値が下がることで帯電防止効果が発現さ
れて、塗膜表面がさらに汚れにくくなる。光半導体含有
塗膜に紫外線が照射されたとき、どのようなメカニズム
で塗膜の表面抵抗値が下がるのかはまだ明確には確認さ
れていないが、紫外線照射により生成した電子とホ−ル
が作用することで塗膜の表面抵抗値が下がるものと考え
られる。光半導体の表面に金属が担持されていると、光
半導体の光触媒効果がより高くなる。そのメカニズム
は、まだ明確には確認されていないが、光半導体の表面
に金属が担持されることにより光半導体の電荷分離が促
進されて、電荷分離により生成した電子とホ−ルの消失
確立が小さくなることが関係していると考えられる。
【0019】光半導体の表面に担持してよい金属として
は、たとえば、銀、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、白金、
金、パラジウム、カドミウム、コバルト、ロジウム、ル
テニウム等が、光半導体の電荷分離をより促進させる点
で好ましい。担持される金属は、1種のみでも2種以上
でもよい。金属の担持量は、特に限定はされないが、た
とえば、光半導体に対し、0.1〜10重量%であるこ
とが好ましく、0.2〜5重量%であることがより好ま
しい。担持量が0.1重量%未満だと、担持効果が充分
に得られない傾向があり、10重量%を超えて担持して
も、効果はあまり増加せず、逆に変色や性能劣化等の問
題が起きる傾向がある。
【0020】金属の担持方法としては、特に限定するわ
けではないが、浸積法、含浸法、光還元法等が挙げられ
る。光半導体は、粘土架橋体の層間に挿入された形で用
いても良い。光半導体が該粘土架橋体の層間で微粒子状
に分散して光触媒性能が向上するからである。本発明で
用いられる無機塗料は、熱分解性材料をも必須成分とし
て含む。この熱分解性材料としては、無機塗料の塗膜を
硬化させようとする温度では熱分解せずに、それより高
い温度で熱分解するものが用いられる。この熱分解性材
料を無機塗料に含ませ、その塗膜を形成し、該塗膜を前
記熱分解性材料が熱分解しない温度で硬化させた後、温
度を前記熱分解性材料が熱分解する温度に上げて前記熱
分解性材料を熱分解することにより、被膜表面の熱分解
性材料が熱分解して、該被膜表面から光半導体が露出す
るか、あるいは、該被膜表面における光半導体の含有量
が増加するため、光半導体の光触媒作用を効果的に引き
出すことが可能となる。
【0021】このような熱分解性材料としては、特に限
定はされないが、たとえば、有機金属化合物、シラン化
合物等が挙げられる。前記有機金属化合物としては、特
に限定はされないが、たとえば、有機チタン化合物、有
機アルミニウム化合物等が挙げられる。それらの具体例
としては、特に限定はされないが、たとえば、以下に示
す一般式(2)〜(4)、構造式(5)、一般式(6)
〜(9)で表される有機チタン化合物および一般式(1
0)で表される有機アルミニウム化合物等が挙げられ
る。 一般式(2):Ti(O-C3H7)m (OC2H4N(C2H4OH)2)4-m
(mは1〜3の整数) 一般式(3):Ti(O-nC4H9) m (OC2H4N(C2H4OH)2)
4-m(mは1〜3の整数) 一般式(4):(C8H17O)m Ti(OCH2CH(C2H5)CH(OH)C3H7)
4-m (mは1〜3の整数) 構造式(5):Ti(C5H7O2)4 一般式(6):Ti(OH)m (OCH(CH3)COOH)4-m (mは1〜
3の整数) 一般式(7):Ti(O-iC3H7)R1 m R2 3-m(mは1〜3の
整数であり、R1 およびR2 はイソステアロイル基、オ
クタノイル基、メタクリル基、ドデシルベンゼンスルホ
ニル基、ジオクチルホスフェート基、クミルフェニル
基、ジオクチルパイロホスフェート基、n−アミノエチ
ル−アミノエチル基、アセチルアセトナト基または2−
エチル−1,3−ヘキサンジオラト基を示す。) 一般式(8):(R3)4Ti(R4)2(R3 はイソプロピル基、
オクチル基または2,2−ジアリルオキシメチル−1−
ブチル基を示し、R4 はジオクチルホスファイト基また
はジドデシルホスファイト基を示す。) 一般式(9):(R5)Ti(R6)2 (R5 はオキシアセテート
基またはエチレン基を示し、R6 はジクミルフェニル
基、ジオクチルパイロホスフェート基またはイソステア
ロイル基を示す。) 一般式(10):Al(R7) m (R8)3-m(mは0〜3の整数
であり、R7 はアセチルアセトナート基を示し、R8
エチルアセトナート基を示す。) より具体的には、たとえば、上記一般式(7)において
1 がイソステアロイル基でm=3のイソプロピルトリ
イソステアロイルチタネートTi(O-iC3H7) (OCOC17H35)
3 、上記一般式(10)においてR7 がアセチルアセト
ナート基でm=3のアセチルアセトアルミニウム(CH3C
OCHCOCH3)3Al等が挙げられる。
【0022】熱分解性材料として用いることのできる前
記シラン化合物としては、特に限定はされないが、たと
えば、一般式(11):R9 (CH3 m SiX
3-m (ここで、R9 はγーグリシドキシプロピル基また
はγーメタクリロキシプロピル基を示し、Xは同一また
は異種の加水分解性基を示し、前記一般式(1)中のX
と同じであっても異なっていてもよく、mは0または1
である)で表されるもの等が挙げられる。加水分解性基
Xの具体例や好ましいものは、前記一般式(1)中のX
と同じである。このシラン化合物の具体例としては、特
に限定はされないが、たとえば、γーグリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン等が挙げられる。
【0023】熱分解性材料は、1種のみを用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。無機塗料中、熱分解性
材料の含有量は、特に限定はされないが、無機塗料の全
固形分に対して、好ましくは0.1〜25重量%、より
好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは3〜12
重量%である。熱分解性材料の含有量が0.1重量%未
満だと、その作用効果が発揮されにくくなる傾向があ
り、該含有量が25重量%を超えると、被膜強度が低下
する傾向がある。本発明で用いられる無機塗料は、必要
に応じ、該塗料の被膜の硬度をさらに高くする、表面平
滑性と耐クラック性を改善する等の種々の目的で、フィ
ラーをも含有していてもよい。
【0024】フィラーとしては、特に限定はされず、例
えば、シリカ、アルミナ等の無機酸化物等の無機系フィ
ラー;カーボンブラック等の有機系フィラー等、公知の
ものを使用できる。これらの中でも、無機系フィラー
(特に無機酸化物)が、耐溶剤性・耐酸性等の化学的安
定性、シリコーンレジン中への分散性、硬化被膜の耐摩
耗性等の点から特に好ましい。フィラーは、1種のみ用
いてもよいし、2種以上併用してもよい。前記シリカと
しては、特に限定はされず、公知のものを使用できる。
無機塗料に導入する際のシリカの形態は、後述するよう
に他のフィラーと同じく、特に限定はされず、たとえ
ば、粉体の形でもゾル状の形(コロイダルシリカ)でも
よい。上記コロイダルシリカとしては、特の限定はされ
ないが、たとえば、水分散性あるいはアルコール等の非
水系の有機溶媒分散性コロイダルが使用できる。一般
に、このようなコロイダルシリカは、固形分としてのシ
リカを20〜50重量%含有しており、この値からシリ
カ配合量を決定できる。なお、水分散性コロイダルシリ
カを使用する場合には、同コロイダルシリカ中に固形分
以外の成分として存在する水は、加水分解性オルガノシ
ランの(部分)加水分解に使用できる((部分)加水分
解の際の水の使用量に加算される)とともに、無機塗料
の硬化剤としても用いることができる。水分散性コロイ
ダルシリカは、通常、水ガラスから作られるが、市販品
として容易に入手することができる。また、有機溶媒分
散性コロイダルシリカは、前記水分散性コロイダルシリ
カの水を有機溶媒と置換することで容易に調製すること
ができる。このような有機溶媒分散性コロイダルシリカ
も水分散性コロイダルシリカと同様に市販品として容易
に入手できる。有機溶媒分散性コロイダルシリカにおい
て、コロイダルシリカが分散している有機溶媒の種類
は、特に限定はされないが、たとえば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エ
チレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリ
コール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘
導体;およびジアセトンアルコール等を挙げることがで
き、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以
上のものを使用することができる。これらの親水性有機
溶媒と併用して、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプ
タン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等
の1種もしくは2種以上も使用することができる。
【0025】なお、前述した光半導体にはフィラーとし
ての役目もあるので、以下では、この光半導体をフィラ
ーの範疇に含めて説明する。本発明で使用可能なフィラ
ーは、粉末、微粒子粉末、溶液分散ゾル粒子等、無機塗
料に分散可能なものであれば、いかなる形態のものでも
構わないが、ゾル状、特にpH7以下のゾル状であれ
ば、硬化がより短時間で進み、使用する上で利便性に優
れる。フィラーを無機塗料中に分散させるための分散媒
としては、フィラーを均一に分散させることのできるも
のであれば特に限定はされず、水系、非水系のいずれの
溶媒も用いることができる。
【0026】フィラーの分散媒として使用可能な水系溶
媒としては、特に限定はされないが、たとえば、水単独
の他、親水性有機溶媒(たとえば、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノ
ール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコー
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチ
レングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコ
ール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導
体;ジアセトンアルコール等)の少なくとも1種と水と
の混合溶媒を用いることができる。これらの水系溶媒の
中でも、水−メタノール混合溶媒が、フィラーの分散安
定性と、塗布後の分散媒の乾燥性の点で好ましい。
【0027】さらに、上記ゾル状フィラーとして水系の
ゾルを用い、これに、加水分解性オルガノシランの(部
分)加水分解時に必要に応じて用いられる触媒の一例で
ある酸性触媒の機能を兼ねさせることもできる。フィラ
ーの分散媒として使用可能な非水系溶媒としては、特に
限定はされないが、たとえば、上記親水性有機溶媒と、
トルエン、キシレン等の疎水性有機溶媒とからなる群の
中から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒を用いること
ができる。これらの非水系溶媒の中でも、メタノール
が、フィラーの分散安定性と、塗布後の分散媒の乾燥性
の点で好ましい。
【0028】フィラーは、特に限定されるわけではない
が、上述した、有機溶媒、または、水と親水性有機溶媒
との混合溶媒にフィラーが均一分散されてなるゾル状フ
ィラーの形で、加水分解性オルガノシランの(部分)加
水分解時に、その反応混合物に混合するか、あるいは、
加水分解性オルガノシランの(部分)加水分解後に、生
成したシリコーンレジンと混合することによって、無機
塗料に導入することが、該無機塗料の造膜性、製造工程
の簡素化の点で好ましい。しかし、これに限定されな
い。たとえば、粉体状のフィラーを分散機でシリコーン
レジン中に直接分散させることで無機塗料に導入しても
よい。
【0029】フィラーとしては、ガラス基材等に無機塗
料を塗布した際の表面の平滑性および光沢性と、塗膜の
透明性を確保するとともに、過酷な摩擦条件下に置かれ
ても、充分な耐摩耗性を発揮し、塗膜表面の傷付きや、
摩耗による塗膜表面からのフィラーの欠落が発生しにく
い塗膜を得るために、平均一次粒子径が通常10〜30
nmのものが好ましい。フィラーの平均一次粒子径が1
0nm未満だと、塗膜の強度や表面硬度を向上させる効
果が弱く、塗膜の耐摩耗性が劣り、傷付きやすくなった
り、摩耗によりフィラーが塗膜表面から欠落しやすくな
ったりする傾向がある。他方、30nmを超えると、基
材表面の平滑性および光沢性が失われる、塗膜の完全な
透明性が得られにくい(塗膜を透過する光の一部が拡散
し、若干白濁する現象が起きる)等の傾向があり、表面
の平滑性および光沢性や、安全上、防曇性が必要とされ
るガラス基材等には不向きである。
【0030】また、無機塗料中に分散した状態でのフィ
ラーの平均分散粒子径は、好ましくは10〜200n
m、より好ましくは10〜100nmである。フィラー
の平均分散粒子径が10nm未満だと、塗膜の強度や表
面硬度を向上させる効果が弱く、塗膜の耐摩耗性が劣
り、傷付きやすくなったり、摩耗によりフィラーが塗膜
表面から欠落しやすくなったりする傾向があり、200
nmを超えると、基材表面の平滑性および光沢性が失わ
れる、塗膜の完全な透明性が得られにくい(塗膜を透過
する光の一部が拡散し、若干白濁する現象が起きる)等
の傾向があり、表面の平滑性および光沢性や、安全上、
防曇性が必要とされるガラス基材等には不向きである。
【0031】フィラーの配合量は、特に限定はされない
が、たとえば、シリコーンレジンの縮合化合物換算量に
対するフィラーの重量比率が、固形分基準で、0.1≦
フィラー/シリコーンレジン≦4であることが好まし
く、0.2≦フィラー/シリコーンレジン≦3であるこ
とがより好ましく、0.5≦フィラー/シリコーンレジ
ン≦2であることがさらに好ましい。上記比率が0.1
未満だと、フィラーの添加効果が充分に得られにくい傾
向があり、また、4を超えると、クラックが発生しやす
くなる等、塗膜性能が低下する傾向がある。フィラーを
無機塗料中に均一に分散させる方法としては、特に限定
されるものではなく、たとえば、ホモジナイザー、ディ
スパー、ペイントシェーカー、ビーズミル等を用いた通
常の各種分散方法を用いることができる。
【0032】塗布後の分散媒の乾燥温度も、熱分解性材
料が熱分解しない温度であれば、特に限定はされず、分
散媒の種類、所望される塗膜の表面硬度、耐摩耗性等に
応じて適宜設定すればよい。本発明で用いられる無機塗
料は、100℃を超える温度で加熱硬化させる場合は硬
化触媒を含む必要はないが、シリコーンレジンの縮合反
応を促進することによって塗布被膜の硬化を促進させた
り常温でも硬化させたりする等の目的で必要に応じて、
さらに硬化触媒を含むことができる。硬化触媒として
は、特に限定はされないが、たとえば、アルキルチタン
酸塩類;オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジオ
クチル錫ジマレエート等のカルボン酸金属塩類;ジブチ
ルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテー
ト、エタノールアミンアセテート等のアミン塩類;酢酸
テトラメチルアンモニウム等のカルボン酸第4級アンモ
ニウム塩;テトラエチルペンタミン等のアミン類、N−
β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン等のアミン系シランカップリング
剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩酸等の酸
類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート
等のアルミニウム化合物;酢酸リチウム、酢酸カリウ
ム、蟻酸リチウム、蟻酸ナトリウム、リン酸カリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属塩;テトライソプロピ
ルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニウムテ
トラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物;メチ
ルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメ
チルモノクロロシラン等のハロゲン化シラン類等が挙げ
られる。しかし、これらの他に、シリコーンレジンの縮
合反応の促進に有効なものであれば特に制限はない。
【0033】本発明で用いられる無機塗料が硬化触媒を
も含む場合、その量は、固形分基準で、シリコーンレジ
ンの縮合化合物換算量に対し、好ましくは10重量%以
下、より好ましくは5%以下である。10重量%を超え
ると、無機塗料の貯蔵安定性を損なう可能性がある。本
発明で用いられる無機塗料は、硬化触媒を用い、100
℃以下の低温に加熱するか常温放置することにより、シ
リコーンレジンの有する官能基同士(たとえば、X基と
X基、X基とOH基、または、OH基とOH基等)が縮
合反応して硬化被膜を形成する。したがって、このよう
な無機塗料は、常温で硬化するときにも湿度の影響をほ
とんど受けない。また、100℃を超える温度で加熱処
理を行えば、硬化触媒を用いなくても縮合反応を促進し
て硬化被膜を形成することができる。
【0034】なお、レベリング剤、紫外線吸収剤、金属
粉、ガラス粉、抗菌剤、酸化防止剤、色素、顔料、導電
剤等の添加剤が、本発明の効果に悪影響を与えない範囲
内で無機塗料に含まれていてもよい。本発明で用いられ
る無機塗料は、取り扱いの容易さから必要に応じて各種
有機溶媒で希釈して使用できるし、また、同有機溶媒で
希釈したものであってもよい。有機溶媒の種類は、シリ
コーンレジンの各成分の有する有機基の種類、または、
シリコーンレジンの各成分の分子量の大きさ等に応じて
適宜選定することができる。このような有機溶媒として
は、特に限定はされないが、たとえば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エ
チレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリ
コール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘
導体;および、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタ
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム、ジ
アセトンアルコール等を挙げることができ、これらから
なる群より選ばれた1種もしくは2種以上を使用するこ
とができる。有機溶媒での希釈割合は特に制限はなく、
必要に応じて希釈割合を適宜決定すれば良い。
【0035】本発明で用いられる無機塗料を製造する方
法は、特に限定はされず、各成分を通常の方法および装
置等を用いて混合すればよい。無機塗料に導入する際の
各成分の形態についても、それ自身液状のものや、溶媒
に溶解してなる溶液、分散媒中に分散してなる分散液等
の液状、粉体等の固体状等を問わず、特に限定はされな
い。各成分を溶液または分散液の形で導入する場合、そ
の溶媒または分散媒としては、たとえば、水、上述の有
機溶媒、または、水と上述の有機溶媒との混合物を使用
できる。また、各成分は、別個に添加してもよいし、あ
るいは、2成分以上を予め混合しておいてから残りの成
分と混合したり、全成分を同時に混合したりしてもよ
く、その添加や混合の時期等についても特に限定はされ
ない。
【0036】無機塗料を塗布する方法は、特に限定され
るものではなく、たとえば、刷毛塗り、スプレーコー
ト、浸漬(ディッピング、ディップコートとも言う)、
ロールコート、フローコート(基材の被塗装部位の上部
から塗料を流して塗装する流し塗り塗装法)、カーテン
コート、ナイフコート、スピンコート、バーコート等の
通常の各種塗布方法を選択することができる。無機塗料
の塗膜の硬化方法については、公知の方法を用いればよ
く、特に限定はされない。また、硬化の際の温度も、熱
分解性材料が熱分解しない温度であれば、特に限定はさ
れず、所望される硬化被膜性能や、フィラーや基材の耐
熱性等に応じて常温〜加熱温度の広い範囲をとることが
できる。
【0037】塗膜の硬化後、熱分解性材料を熱分解させ
る際の加熱温度は、熱分解性材料が熱分解する最低温度
以上の温度であればよく、使用する熱分解性材料の種類
や、フィラーおよび基材の耐熱性等に応じて異なり、特
に限定はされないが、たとえば、熱分解性材料が前記有
機金属化合物および/またはシラン化合物の場合は20
0〜350℃程度である。本発明の方法により形成され
る無機被膜の厚みは、クラックや剥離等が発生しないた
めには、たとえば、0.05〜2μm程度であればよい
が、該無機被膜の各種機能をより効果的に発揮させたり
常温での硬化時間をより短くしたりするとともに、該無
機被膜が長期的に安定に密着、保持されるためには、
0.1〜1μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより
好ましい。
【0038】無機塗料が塗布される基材(本発明の塗装
品に用いられる基材でもある)としては、有機、無機を
問わず、各種基材を用いることができ、特に限定はされ
ないが、たとえば、ガラス、金属、プラスチック等が挙
げられる。これらの基材は、塗装の際に塗膜を均一に形
成できるようにするため、または、塗膜との密着性を向
上させるために、前洗浄しておくと良い。その方法とし
ては、特に限定はされないが、たとえば、アルカリ洗
浄、ふっ化アンモニウム洗浄、プラズマ洗浄、UV洗浄
等が挙げられる。
【0039】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
詳細に説明する。実施例および比較例中、特に断らない
限り、「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて
「重量%」を表す。また、分子量はGPC(ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー)により、測定機種とし
て東ソー(株)のHLC8020を用いて、標準ポリス
チレンで検量線を作成し、その換算値として測定したも
のである。なお、本発明は、下記の実施例に限定されな
い。 <実施例1>テトラエトキシシラン208部にメタノー
ル356部を加え、さらに水18部および0.01Nの
塩酸18部を混合し、ディスパーを用いてよく混合し
た。得られた液を60℃恒温槽中で2時間加熱して重量
平均分子量を950に調製することにより、シリコーン
レジンを得た。
【0040】次に、このシリコーンレジンに、熱分解性
材料としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(熱分解温度280℃)を、得ようとしている無機塗
料の全固形分に対して10%、光半導体として酸化チタ
ン水ゾル(固形分21%、平均一次粒子径20nm)を
光半導体/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の固
形分基準で重量比が0.5となるように添加し、全固形
分が5%になるようメタノールで希釈することにより、
無機塗料を得た。この無機塗料を1時間放置した後にス
ピンコータによりガラス基材に塗装して塗膜を形成し、
この塗膜を200℃で0.5時間硬化させた後、300
℃で0.5時間焼成して前記熱分解性材料を熱分解する
ことにより、厚さ0.3μmの無機被膜を有する塗装品
を作製した。
【0041】<実施例2>実施例1において、熱分解性
材料としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンの代わりにγーメタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン(熱分解温度320℃)を、得ようとしている無
機塗料の全固形分に対して10%添加して無機塗料を調
製するとともに、塗膜の焼成温度を340℃に変更する
以外は実施例1と同様の操作を行って無機塗料を得た。
次いで、この無機塗料を用い、実施例1と同様の方法で
塗装品を作製した。 <実施例3>実施例1において、熱分解性材料としてγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりに
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(熱
分解温度270℃)を、得ようとしている無機塗料の全
固形分に対して10%添加する以外は実施例1と同様の
操作を行って無機塗料を得た。次いで、この無機塗料を
用い、実施例1と同様の方法で塗装品を作製した。
【0042】<実施例4>実施例1において、熱分解性
材料としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンの代わりにアセチルアセトアルミニウム(CH3CO
CHCOCH33Al(熱分解温度200℃)を、得よ
うとしている無機塗料の全固形分に対して10%添加し
て無機塗料を調製するとともに、塗膜の硬化温度を15
0℃に変更する以外は実施例1と同様の操作を行って無
機塗料を得た。次いで、この無機塗料を用い、実施例1
と同様の方法で塗装品を作製した。 <実施例5>実施例1において、熱分解性材料としてγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりに
イソプロピルトリイソステアロイルチタネートTi(O
−iC37)(OCOC17353(熱分解温度250
℃)を、得ようとしている無機塗料の全固形分に対して
5%添加する以外は実施例1と同様の操作を行って無機
塗料を得た。次いで、この無機塗料を用い、実施例1と
同様の方法で塗装品を作製した。
【0043】<実施例6>実施例1において、フィラー
成分としてシリカメタノールゾル(商品名:メタノール
シリカゾル、日産化学工業製、粒径10〜20nm)を
フィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の固
形分基準で重量比が1.5となるように添加する以外は
実施例1と同様の操作を行って無機塗料を得た。次い
で、この無機塗料を用い、実施例1と同様の方法で塗装
品を作製した。 <実施例7>実施例1において、熱分解性材料としてγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりに
アセチルアセトアルミニウム(CH3COCHCOC
33Al(熱分解温度200℃)を、得ようとしてい
る無機塗料の全固形分に対して20%添加して無機塗料
を調製するとともに、塗膜の硬化温度を150℃に変更
する以外は実施例1と同様の操作を行って無機塗料を得
た。次いで、この無機塗料を用い、実施例1と同様の方
法で塗装品を作製した。
【0044】<比較例1>実施例1において、熱分解性
材料を全く添加せずに無機塗料を調製し、これをガラス
基材に塗装する以外は実施例1と同様の方法で塗装品を
作製した。 <比較例2>実施例1において、塗膜の焼成温度を15
0℃(熱分解性材料が熱分解しない温度)に変更する以
外は実施例1と同様の方法で塗装品を作製した。 <比較例3>実施例4において、塗膜の焼成温度を15
0℃(熱分解性材料が熱分解しない温度)に変更する以
外は実施例4と同様の方法で塗装品を作製した。
【0045】[塗膜性能の評価]以上のようにして得ら
れた塗装品の塗膜性能を以下の方法で評価した。 (光半導体による有機物の分解性):オレイン酸を一定
量(0.2cc)塗膜面に滴下し、1時間放置後、オレ
イン酸を水拭きし、乾燥して試験片とした。これに紫外
線(約1mW/cm2 )を照射し、12時間後の塗膜表
面の水に対する接触角を測定し、光半導体による有機物
の分解性を以下の基準で評価した。 ◎:計測不能(≒0°) ○:5°以下 △:5°超〜15°以下 ×:15°超 (耐摩耗性=ハードコート性):トラバース式摩耗試験
機を用い、キャンバス布を塗装品の塗装面に接触させ、
1000回往復摺動(荷重100g/cm2 、ストロー
ク100mm)させることにより、摩耗試験を行った。
そして、摩耗試験後、塗膜表面の傷の発生度合いを光学
顕微鏡で観察した。その判定基準は以下の通りである。
【0046】 ○:傷無し。 △:傷が1cm2 当たり数本発生。 ×:傷が多数発生。剥離あり。 評価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1にみるように、実施例1〜7はいずれ
も、比較例1〜3に比べ、光半導体による有機物の分解
性が良好であった。これに対し、熱分解性材料を全く添
加しなかった比較例1は、熱分解性材料を添加した実施
例1〜7と比べて、光半導体による有機物の分解性が低
かった。また、実施例1〜7と比べて焼成温度が低い比
較例2、3は、光半導体による有機物の分解性と、耐摩
耗性が悪かった。
【0049】
【発明の効果】本発明は、ハードコート性(表面硬度、
耐磨耗性、耐擦傷性等)を保ちつつ光半導体の光触媒作
用に由来する各種特性を十分に発揮する無機被膜を形成
することのできる方法と、この方法により得られる塗装
品とを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/02 C09D 183/02 Fターム(参考) 4D075 BB26Y BB28Z BB93Y BB93Z CA02 CA03 CA34 CA37 CA45 DA06 DB01 DB13 DB31 EA10 EB43 EC02 EC08 EC13 4G069 AA03 AA08 BA02B BA04A BA04B BA27A BA27B BA27C BA37 BA48A BC50B CA01 CA10 CA11 DA06 EA07 FB23 FB30 FB34 4J038 DL021 HA216 JC38 KA04 KA06 KA08 NA05 NA06 NA11 NA17 NA20 PA21 PB01 PB02 PB05 PB08 PC02 PC03 PC04 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1):一般式SiX4 (ここでX
    は同一または異種の加水分解性基を示す)で表される4
    官能加水分解性オルガノシランの(部分)加水分解物を
    含む4官能シリコーンレジンからなるシリコーンレジン
    と光半導体とを含有する無機塗料を基材に塗装して塗膜
    を形成した後、該塗膜を硬化させることにより、前記基
    材の表面に無機被膜を形成する方法であって、前記無機
    塗料中に、その塗膜を硬化させようとする温度では熱分
    解せずに、それより高い温度で熱分解する熱分解性材料
    をも含有させるとともに、前記無機塗料の塗膜を、前記
    熱分解性材料が熱分解しない温度で硬化させた後、温度
    を前記熱分解性材料が熱分解する温度に上げて前記熱分
    解性材料を熱分解することを特徴とする無機被膜形成方
    法。
  2. 【請求項2】前記熱分解性材料が少なくとも1種の有機
    金属化合物である、請求項1に記載の無機被膜形成方
    法。
  3. 【請求項3】前記有機金属化合物が有機チタン化合物お
    よび有機アルミニウム化合物からなる群から選ばれた少
    なくとも1種である、請求項2に記載の無機被膜形成方
    法。
  4. 【請求項4】前記有機金属化合物が以下に示す一般式
    (2)〜(4)、構造式(5)、一般式(6)〜(9)
    で表される有機チタン化合物および一般式(10)で表
    される有機アルミニウム化合物からなる群から選ばれた
    少なくとも1種である、請求項3に記載の無機被膜形成
    方法。 一般式(2):Ti(O-C3H7)m (OC2H4N(C2H4OH)2)4-m
    (mは1〜3の整数) 一般式(3):Ti(O-nC4H9) m (OC2H4N(C2H4OH)2)
    4-m(mは1〜3の整数) 一般式(4):(C8H17O)m Ti(OCH2CH(C2H5)CH(OH)C3H7)
    4-m (mは1〜3の整数) 構造式(5):Ti(C5H7O2)4 一般式(6):Ti(OH)m (OCH(CH3)COOH)4-m (mは1〜
    3の整数) 一般式(7):Ti(O-iC3H7)R1 m R2 3-m(mは1〜3の
    整数であり、R1 およびR2 はイソステアロイル基、オ
    クタノイル基、メタクリル基、ドデシルベンゼンスルホ
    ニル基、ジオクチルホスフェート基、クミルフェニル
    基、ジオクチルパイロホスフェート基、n−アミノエチ
    ル−アミノエチル基、アセチルアセトナト基または2−
    エチル−1,3−ヘキサンジオラト基を示す。) 一般式(8):(R3)4Ti(R4)2(R3 はイソプロピル基、
    オクチル基または2,2−ジアリルオキシメチル−1−
    ブチル基を示し、R4 はジオクチルホスファイト基また
    はジドデシルホスファイト基を示す。) 一般式(9):(R5)Ti(R6)2 (R5 はオキシアセテート
    基またはエチレン基を示し、R6 はジクミルフェニル
    基、ジオクチルパイロホスフェート基またはイソステア
    ロイル基を示す。) 一般式(10):Al(R7) m (R8)3-m(mは0〜3の整数
    であり、R7 はアセチルアセトナート基を示し、R8
    エチルアセトナート基を示す。)
  5. 【請求項5】前記熱分解性材料が一般式(11):R9
    (CH3 m SiX3-m (ここで、R9 はγーグリシド
    キシプロピル基またはγーメタクリロキシプロピル基を
    示し、Xは同一または異種の加水分解性基を示し、前記
    一般式(1)中のXと同じであっても異なっていてもよ
    く、mは0または1である)で表される少なくとも1種
    のシラン化合物である、請求項1に記載の無機被膜形成
    方法。
  6. 【請求項6】前記無機塗料中、前記熱分解性材料の含有
    量が該無機塗料の全固形分に対して0.1〜25重量%
    である、請求項1から5までのいずれかに記載の無機被
    膜形成方法。
  7. 【請求項7】前記無機塗料が無機系フィラーをも含有す
    る、請求項1から6までのいずれかに記載の無機被膜形
    成方法。
  8. 【請求項8】請求項1から7までのいずれかに記載の無
    機被膜形成方法により得られた塗装品。
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