JP2002125542A - 両軸受型リール - Google Patents

両軸受型リール

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JP2002125542A
JP2002125542A JP2000329578A JP2000329578A JP2002125542A JP 2002125542 A JP2002125542 A JP 2002125542A JP 2000329578 A JP2000329578 A JP 2000329578A JP 2000329578 A JP2000329578 A JP 2000329578A JP 2002125542 A JP2002125542 A JP 2002125542A
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spool
fishing line
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handle
type reel
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JP2000329578A
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Masaru Matsuura
賢 松浦
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KEN MATSUURA LACING SERVICE KK
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KEN MATSURA LACING SERVICE KK
KEN MATSUURA LACING SERVICE KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 両軸受型リールのハンドルの脱着作業を簡単
にし、ハンドルと入力軸との結合部における焼き付き等
の問題を解消して、両軸受型リールの耐久性の向上を図
る。 【解決手段】 一方のサイドカバー17に駆動手段40が装
着され、他方のサイドカバー17にドラッグ機構5が装着
されてなる両紬受型リールにおいて、駆動手段40は、ハ
ンドル11と、一方のサイドカバー17から突出する入力軸
75と、スプール1を一方向にのみ回転させる一方向クラ
ッチ13とを備え、ハンドル11と入力軸75とが、ピッチの
粗いねじ結合を介して脱着自在に連結され、該ねじ結合
部に、グリースが充填されている。ねじ結合部における
雌雄ねじには、固体皮膜潤滑剤がそれぞれコーティング
されている。一方向クラッチ13は、バックラッシ2のほ
とんど無いクラッチとされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願の発明は、主として、カジキ
マグロ等の大きな魚の釣り用に使用される両軸受型リー
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】両軸受型リールは、スプールに巻かれた
釣糸に一定以上のテンションが作用すると、スプールが
空転するように設計される。それは、釣糸が魚に強く引
っ張られた時に、切れないようにするためである。この
ことを実現するために、両軸受型リールは、ドラッグ機
構を内蔵している。ドラッグ機構は、スプールに一定以
上の回転トルクが作用したときに、スプールを回転させ
るクラッチ機構でもある。
【0003】両軸受型リールのドラッグ機構として最も
一般的な構造は、スプールの片面、あるいは、スプール
の回転軸に固定した円板に摩擦リングを固定したもので
ある。この構造の両軸受型リールは、スプ−ルを軸方向
に移動させると、摩擦リングがブレーキシューに押圧さ
れて、スプールを回転させる回転トルクを大きく調整す
るものである。
【0004】さらに、実公昭62−38536号公報に
記載されるように、電磁クラッチを使用したドラッグ機
構を内蔵する両軸受型リールも開発されている。この公
報に記載される両軸受型リールは、図16に図示される
ように、スプール01と一緒に回転される導電性材料から
なる円盤03を備えており、円盤03に接近して、磁石04を
配設している。この構造のドラッグ機構は、スプール01
が回転されると、円盤03に渦電流が流れ、この渦電流に
よって磁界が発生する。円盤03に発生する磁界は、円盤
03の回転トルクを大きくする方向、すなわち、ブレーキ
として作用する。この構造のドラッグ機構は、スプール
01の回転速度が速くなると、渦電流も大きくなって、ブ
レーキ作用が強くなる特性がある。
【0005】摩擦リングをブレーキシューに押圧する構
造のドラッグ機構も、電磁クラッチ式のドラッグ機構
も、スプールに巻かれた釣糸が少なくなるにしたがっ
て、釣糸に作用するテンションが大きく変化してしまう
欠点がある。それは、ドラッグ機構がスプールを一定の
トルクで回転させるとしても、スプールに巻かれた釣糸
が少なくなると、巻き径が小さくなるので、釣糸に作用
するテンションが大きくなってしまうからである。たと
えば、スプールに巻かれた釣糸の巻き径が半分になる
と、釣糸のテンションを2倍にしないと、スプールは同
じ回転トルクで回転できなくなる。釣糸がスプールを回
転させる回転トルクは、釣糸の巻き径と釣糸のテンショ
ンの積に比例するからである。
【0006】図24は、スプールの片面に摩擦リングを
固定した従来の両軸受型リールの逆転トルクが、スプー
ルの巻き径が小さくなるにしたがって大きくなる状態を
示している。この図は、スプールから一定の速度で釣糸
を繰り出したとき、釣糸に作用するテンションの変化を
示すグラフである。この図の横軸は時間軸であり、釣糸
の繰り出し量を示している。時間が経過するにしたがっ
て釣糸が長く引き出されて巻き径が小さくなると、釣糸
のテンションが急激に大きくなることを明示する。
【0007】このように、両軸受型リールは、スプール
の釣糸が長く繰り出されて、釣糸の巻き径が小さくなる
にしたがって、釣糸に作用するテンションが大きくなる
特性がある。このことは、釣糸を長く繰り出して、スプ
ールの巻き径が小さくなるにしたがって、釣糸が切れや
すくなることを意味する。釣糸を長く繰り出して切れな
いように、ドラッグ機構を調整してスプールを回転し易
くすると、スプールに長く釣糸を巻く状態、言い換える
と、スプールの巻き径が大きい状態では、釣糸のテンシ
ョンが非常に小さくなって、魚に釣糸が必要以上に長く
引き出されてしまう欠点がある。釣糸が長く引き出され
ないように、ドラッグ機構を調整すると、スプールの巻
き径が小さくなった時に、釣糸にかかるテンションが大
きくなって、釣糸が切れてしまう欠点がある。
【0008】このような弊害が発生するのは、両軸受型
リールが、スプールを回転させて、この回転するスプー
ルに釣糸を巻き付けるからである。スピニングリールの
ように、スプールを固定し、スプールの周囲に回転する
釣糸ロールで釣糸を巻き付ける構造のリールは、このよ
うな弊害が発生しない。釣糸に作用するテンションが、
釣糸ロールの回転半径で決定されるからである。釣糸ロ
ールの回転半径は、スプールに巻かれる釣糸の巻き径に
関係がなく、常に一定である。このため、スピニングリ
ールは、スプールの巻き径に関係なく、釣糸のテンショ
ンを一定に調整することができる。ただ、スピニングリ
ールは、カジキマグロ等の大型魚の釣には使用できない
欠点がある。それは、釣糸にきわめて強いテンションが
作用するので、釣糸ロールで釣糸を無理なくスプールに
巻き付けることができないからである。
【0009】両軸受型リールは、スプールを回転させ
て、ここに直接に釣糸を巻き付けるので、釣糸に強いテ
ンションがかかる魚釣りに使用することができる。た
だ、両軸受型リールは、カジキマグロ等の大型魚の釣り
に使用されるので、釣糸は、正に極限状態で使用される
ことになる。言い換えると、釣糸がきわめて切れやすい
状態で使用される。さらに、大型の魚を充分に弱らせる
ために、両軸受型リールのスプールには数百メートルも
のきわめて長い釣糸を巻いて使用している。このため、
スプールに巻かれる釣糸の巻き径が大きく変化すること
になる。
【0010】両軸受型リールは、釣糸が大きな魚に引っ
張られてきわめて切れやすい状態にあり、さらに、釣糸
のテンションがスプールの巻き径によって大幅に変動す
るというきわめて厳しい状況にあるので、カジキマグロ
等の大型魚のトローリングにおいては、餌に食い付いて
釣針に引っ掛かった魚を船に引き寄せて回収できる割合
は、数割以下ときわめて少ないのが実状である。釣針に
引っ掛かった魚を、いかに船上に回収できるかが、両軸
受型リールに要求されるもっとも大切な特性である。
【0011】このような難しい問題を解決するために、
本出願人は、先に日本国特許第2835583号公報に
記載の両軸受型リールを開発した。この両軸受型リール
は、きわめて簡単な構造で、スプールに巻かれる釣糸の
巻き径変化に起因する釣糸のテンション変動を少なくし
て、大型魚を有効に引き寄せて回収することができるも
のである。
【0012】この両軸受型リールは、前記のような難し
い問題を解決するために、図17〜図20に図示される
ように、釣糸を巻き取るスプール01と、このスプール01
に巻かれた釣糸に所定のテンションが作用するとスリッ
プしてスプール01を回転(逆転)させるドラッグ機構05
とを備えている。
【0013】さらに、このドラッグ機構05は、下記
(a)〜(e)のすべての横成を備えている。 (a)ドラッグ機構05は、内軸06および外輪07と、内軸
06と外輪07との間に転動できるように配設された複数の
ローラー08と、内軸06と外輪07とを相対的に軸方向に移
動可能に押圧するトルク調整部09とを備える。 (b)外輪07と内軸06とは、それぞれのローラー08の転
動面010をテーパー面としており、これらテーパー状の
転動面010、010の間に前記した複数のローラー08を転動
自在に配設している。転動面010のテーパー角は、αと
されている(図21参照)。 (c)ローラー08は、外輪07と内軸06の回転軸に対して
傾斜して転動面010、010間に配設されている。ローラー
08の外輪07と内軸06の回転軸に対する傾斜角はβとされ
ている(図21参照)。 (d)トルク調整部09は、外輪07と内軸06とを相対的に
軸方向に移動可能に押圧する機能を有し、トルク調整部
09が外輪07と内軸06とを相対的に軸方向に移動可能に押
圧することにより、外輪07と内軸06とのスリップトルク
が調整され、スプール01に巻かれた釣糸に一定以上のテ
ンションが作用すると、外輪07と内軸06とがスリップし
て、スプール01が回転して、巻かれた釣糸が繰り出され
るように構成されている。
【0014】(e)トルク調整部09は、スラストベアリ
ング025を介して外輪07を軸方向に向けて押圧する押圧
リング026と、この押圧リング026の側面を押圧するリン
グバネ027と、軸方向には移動できるが回転しないよう
にサイドカバー017に係止されているナット部材028と、
ナット部材028の中心に設けられている雌ねじ孔にねじ
込まれているねじ部材029と、このねじ部材029を外部か
ら回転させる操作部材030とからなり、操作部材030を回
動操作することにより、前記各部材の組合せからなる伝
動機構を介して、最終的にスラストベアリング025が外
輪07を軸方向(図19において右方向)に向けて押圧す
る。これにより、外輪07が内軸06に対して相対的に軸方
向に移動する。サイドカバー017は、本体枠014の一方側
面に固定されている。
【0015】さらに、この両軸受型リールは、釣糸のテ
ンション変動を少なくするために、スプール01から釣糸
が繰り出されるドラッグ機構05の発熱状態において、外
輪07の熱膨張が内軸06の熱膨張よりも小さくなるよう
に、言い換えると、内軸06の熱膨張を外輪07の熱膨張よ
りも大きくして、繰り出される釣糸のテンションをほぼ
均一になるよう制御している。
【0016】外輪07と内軸06の熱膨張による変形を異な
るようにするには、外輪07と内軸06を、熱膨張の異なる
金属で製作し、あるいは、外輪07に放熱フイン032を設
け、放熱フイン032で外輪07を内軸06よりも冷却する。
【0017】さらに、この両軸受型リールは、スプール
01とドラッグ機構05とを熱伝導が少ないように局部接触
させて、相対回転しないようにして連結している。この
ため、スプール01とドラッグ機構05とは、スプール01に
一体に連結される連結リング019の外周面に形成された
連結溝022と、外輪07の図19において右方端側の連結
筒部021の内周面に形成された連結溝022とに跨がって配
設された鋼球018を介して連結されている。
【0018】さらにまた、この両軸受型リールは、ドラ
ッグ機構05に、ローラー08を配設している外輪07と内軸
06との各転動面010、010の隙間を両側からシールするシ
ールリング023、023が設けられており、これらのシール
リング023、023により、外輪07と内軸06との各転動面01
0、010の間に海水や異物が侵入するのを阻止している。
【0019】この両軸受型リールの動作を分かり易くす
るために、図19ないし図21を参照して、その動作を
説明する。この両軸受型リールは、ドラッグ機構05の内
軸06をハンドル011で回転される回転軸012に連結し、外
輪07をスプール01に連結している。そして、次のような
動作〜により、スプール01の回転トルクを調整す
る。 トルク調整部09が、矢印Aで示すように、外輪07を
内軸06に対して相対的に軸方向(図20において右方
向、図21において左方向)に押圧する。 外輪07が矢印Aで示す方向に押圧されると、外輪07
と内軸06とは、転動面010、010の間隙が狭くなる方向に
押圧される。転動面010、010の間隙が狭くなる方向に押
圧されると、ローラー08がこれらの転動面010、010を強
く押圧するようになる。ローラー08は、外輪07と内軸06
との各転動面010を転動するが、表面の一部を転動面010
に沿って摺動させる。ローラー08の表面の一部が摺動す
るのは、外輪07と内軸06との各転動面010をテーパー状
にするとともに、ローラー08の中心軸を内軸06と外輪07
の中心軸に対して傾斜させているからである。
【0020】 表面の一部が転動面010の表面を擦り
ながら移動するローラー08は、軽く転動しない。特にロ
ーラー08が転動面010に強く押圧されるほどローラー08
は、転動面010をスムーズに回転できなくなる。ローラ
ー08が回転し難くなるほど、外輪07は内軸06と一緒に回
転しようとして、外輪07を回転するための大きな回転ト
ルクを必要とする。ハンドル011で回転される回転軸012
は、一方向クラッチ013によって、釣糸を巻き取る方向
(矢印C方向)にしか正転できないようになっている。
この状態で、スプール01に巻かれた釣糸に強いテンショ
ンが作用すると、外輪07は矢印B方向に回転しようとし
て、外輪07と内軸06とはスリップするが、回転軸012は
逆転されない。したがって、外輪07が内軸06に対してス
リップしないと、スプール01は回転しない。言い換える
と、外輪07が内輪06に対してスリップする回転トルクを
調整することにより、スプール01の逆転トルクを調整す
ることができる。
【0021】ここで、ローラー08が転動面010、010間に
配設されて、スプール01の回転トルクが調整される状況
を、図21を参照して、さらに詳細に説明する。図21
において、内軸06を固定して、外輪07を矢印Aで示す方
向に押圧して、外輪07を矢印Bで示す方向に回転させる
と、外輪07に対して内軸06が矢印Cで示す方向に相対的
に回転する。内軸06と外輪07とがそれぞれこの方向に相
対的に回転すると、ローラー08は、先細になる転動面01
0の先方部の両転動面010、010間の間隙に食い込む状態
となって、外輪07を回転させるために大きな回転トルク
が必要とされるようになる。内軸06を固定して、外輪07
を矢印Aで示す方向に強く押圧するほど、外輪07と内軸
06との結合度が強くなって、外輪07を内軸06に対して回
転させるのに必要な回転トルクは大きくなる。したがっ
て、外輪07を矢印Aで示す方向に押圧する力を大きくす
るほど、外輪07の回転トルクが大きくなる。図21の矢
印BとCとで示す方向と反対の方向に外輪07と内軸06と
を相対的に回転させると、ローラー08は転動面010、010
間の間隙に食い込むことがなく、外輪07を内軸06に対し
て軽く自由に回転することができる。この両軸受型リー
ルのドラッグ機構05は、スプール01に所定の逆転トルク
が作用するときに、外輪07を制動して回転させるもので
あるから、釣糸を引っ張ってスプール01を回転させる方
向が、図21の矢印Bで示す方向となるように設計され
る。
【0022】内軸06を固定して、外輪07を矢印Bで示す
方向に回転するための回転トルクは、図21において、
転動面010のテーパー角αと、ローラー08の中心軸が内
軸06と外輪07の中心軸に対して傾斜するねじれ角βとで
調整することができる。テーパー角αとねじれ角βと
は、大き過ぎても、小さ過ぎても、ローラー08の食い込
みが弱くなって、回転トルクが小さくなる。したがっ
て、テーパー角αとねじれ角βとは、要求される回転ト
ルクを考慮して、最適値に調整される。例えば、テーパ
ー角αは約15度、ねじれ角βは約20度に設定され
る。
【0023】スプール01の逆転トルクは、釣糸の最大テ
ンションを決定する。スプール01を弱いトルクで逆転で
きるようにドラッグ機構05を調整すると、釣糸に強いテ
ンションが作用しないようにスプール01が逆転する。釣
糸のテンションでスプール01が簡単に逆転するからであ
る。反対に、ドラッグ機構05でもって、スプール01の逆
転トルクを大きく調整すると、釣糸に大きなテンション
が作用したときに限って、スプール01が逆転されるの
で、釣糸の最大テンションを強く調整することができ
る。
【0024】この両軸受型リールのドラッグ機構05は、
ローラー08を転動面010に押圧する力で、スプール01の
逆転トルクを調整する。つまり、逆転トルクが、ローラ
ー08を転動面010に押圧する力の関数となる。ローラー0
8を転動面010に押圧する力を一定にして、スプール01の
逆転トルクを一定にすることができる。スプール01の逆
転トルクを一定にすると、前にも述べたように、スプー
ル01に巻かれる釣糸の巻き径に応じて釣糸の最大テンシ
ョンが変わってしまう。釣糸がスプール01を逆転させよ
うとするトルクが、釣糸のテンションと巻き径の積に比
例するからである。釣糸の巻き径が小さくなると、釣糸
の最大テンションが大きくなってしまう。
【0025】 最後に、この両軸受型リールは、簡単
な構造であるが、外輪07と内軸06との各熱膨張を有効に
利用するというきわめて巧妙な技術により、スプール01
の回転トルクを調整して、釣糸の巻き径の変化に対する
釣糸の最大テンションの変動を確実に少なくしている。
【0026】この点について、次に詳しく説明する。釣
糸に強いテンションが作用して、釣糸がスプール01から
引き出され、巻き径が小さくなるにしたがって、外輪07
と内軸06とは加熱される。それは、ローラー08が転動面
010に押圧され、この状態で、表面の一部が転動面010と
摩擦接触しながら転動するからである。釣糸が引き出さ
れて、外輪07と内軸06とが加熱されると、外輪07と内軸
06の両方が熱膨張する。外輪07は内軸06よりも直径が大
きいので、転動面010の直径は、外輪07のそれの方が内
軸06のそれよりも大きく熱膨張する。したがって、外輪
07と内軸06とが加熱されるにしたがって、両転動面01
0、010間の隙間が広くなり、ローラー08が転動面010に
押圧される力が弱くなって、スプール01の逆転トルクが
弱くなる。言い換えると、釣糸が長く引き出されるにし
たがって、外輪07と内軸06とが加熱されて、スプール01
の逆転トルクが弱く調整される。このため、釣糸が長く
引き出されて、スプール01の巻き径が小さくなると、ス
プール01の逆転トルクが弱く調整され、釣糸の最大テン
ションが急激に大きくなるのを有効に防止することがで
きる。
【0027】特に外輪07と内軸06とに同じ材質の金属が
使用される場合、この両軸受型リールは、前記した従来
のスプールの片面に摩擦リングを固定した両軸受型リー
ルの場合(図24参照)とは反対に、図22に図示され
るように、釣糸の繰り出し量1が増加して、スプール01
の巻き径が小さくなるにしたがって、釣糸のテンション
が次第に小さくなる傾向がある。このことは、外輪07と
内軸06の熱膨張によるスプール01の逆転トルクの補正が
充分に効いていることを意味している。すなわち、この
両軸受型リールは、外輪07と内軸06とが熱膨張すること
を利用して、スプール01の逆転トルクの急激な変動を阻
止することはできるが、釣糸の繰り出し量が多くなる
と、多少は逆転トルクが小さくなってしまう特性があ
る。
【0028】この特性は、外輪07の熱膨張を少なくし、
さらに、外輪07と内軸06の材質を選択することにより、
その逆転トルクが最適値になるように、調整することが
可能である。外輪07の熱膨張を少なくするには、図19
に図示されるように、外輪07に放熱フイン032を設け
て、外輪07を強制的に冷却する。放熱フイン032は、釣
糸でスプール01が逆転されたときに発生する熱を、外輪
07から有効に発熱する。
【0029】さらに、外輪07に内軸06よりも熱膨張の少
ない金属を使用して、図22におけるトルクカーブの右
側の低下をさらに少なくすることができる。外輪07の熱
膨張が内軸06よりも小さくなると、外輪07を強制的に冷
却するのと同じように、外輪07と内軸06とが加熱された
状態で、転動面010の隙間が広くなるのを少なくするこ
とができるからである。
【0030】図23は、内軸06にSUS440Cを使用
し、外輪07には内輪06よりも熱膨張の小さいウッデホル
ム株式会社のエルマックス(ELMAX)を使用し、さ
らに、外輪07に放熱フイン032を設けた両軸受型リール
のトルクカーブ(釣糸のテンションカーブ)を示してい
る。この図に示されるように、外輪07と内軸06の材質を
選択して、外輪07の熱膨張を内軸06の熱膨張よりも小さ
くし、さらに、外輪07に放熱フイン032を設けて強制的
に冷却することによって、釣糸を長く引き出して巻き径
が小さくなっても、釣糸の最大テンションが急激に変化
することのないようにし、釣糸のテンションカーブを理
想的に近いまで均一化することができる。外輪07と内軸
06とにそれぞれ使用される材料の熱膨張率と、放熱フイ
ン032の面積とは、テンションカーブが平坦になるよう
に最適に選択、設計される。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この両
軸受型リール(本出願人による先の日本国特許第283
5583号公報に記載の両軸受型リール)においては、
スプール01を回転させる駆動手段の外部露出部分である
操作ハンドル011が、サイドカバー017から突出する入力
軸にねじ止め等により固着されており、このハンドル01
1を釣りを楽しむプレイヤの身体に適したリーチを有す
るハンドルに交換しようとすると、このねじ止めを工具
により分解して、新しいハンドルに付け換えなければな
らず、ハンドルの脱着・交換作業が煩瑣なものになって
いた。
【0032】本願の発明は、従来の両軸受型リールが有
する前記のような問題点を解決して、両軸受型リールの
駆動手段の外部露出部分であるハンドルの脱着作業を簡
単にするとともに、ハンドルと入力軸との結合部におけ
る焼き付き等の問題を解消して、両軸受型リールの耐久
性を向上させた両軸受型リールを提供することを課題と
する。
【0033】
【課題を解決するための手段および効果】本願の発明
は、前記のような課題を解決した両軸受型リールに係
り、その請求項1に記載された発明は、釣り竿(50)に
装着されるかご状の本体枠(14)と、前記本体枠(14)
の内側に回転自在に装着されて釣糸を巻き取るスプール
(1)と、前記本体枠(14)の両側に装着されるサイド
カバー(17)、(17)と、前記スプール(1)を回転さ
せる駆動手段(40)と、前記スプール(1)に巻かれた
釣糸に所定のテンションが作用するとスリップして前記
スプール(1)を逆転させるドラッグ機構(5)とを備
え、一方の前記サイドカバー(17)に前記駆動手段(4
0)が装着され、他方の前記サイドカバー(17)に前記
ドラッグ機構(5)が装着されてなる両軸受型リールに
おいて、前記駆動手段(40)は、ハンドル(11)と、一
方の前記サイドカバー(17)から突出する入力軸(75)
と、前記スプール(1)を一方向にのみ回転させる一方
向クラッチ(13)とを備え、前記ハンドル(11)と前記
入力軸(75)とが、ピッチの粗いねじ結合を介して脱着
自在に連結され、前記ねじ結合部に、グリースが充填さ
れたことを特徴とする両軸受型リールである。
【0034】請求項1に記載された発明は、前記のよう
に構成されており、本体枠(14)と、スプール(1)
と、サイドカバー(17)、(17)と、スプール(1)の
騒動手段(40)と、ドラッグ機構(5)とを前記の態様
で備え、一方のサイドカバー(17)に駆動手段(40)が
装着され、他方のサイドカバー(17)にドラッグ機構
(5)が装着されてなる両軸受型リールにおいて、駆動
手段(40)は、ハンドル(11)と、一方のサイドカバー
(17)から突出する入力軸(75)と、スプール(1)を
一方向にのみ回転させる一方向クラッチ(13)とを備
え、ハンドル(11)と入力軸(75)とが、ピッチの粗い
ねじ結合を介して脱着自在に連結されて、該ねじ結合部
に、グリースが充填される。
【0035】この結果、ハンドル(11)を一方向クラッ
チ(13)がスプール(1)に回転を伝達する方向と逆の
方向に回転させれば、一方向クラッチ(13)は逆転しな
いので、ハンドル(11)と入力軸(75)とのねじ結合を
簡単に分解することができる。しかも、このねじ結合
は、ピッチの粗いねじ結合とされており、このねじ結合
部には、グリースが充填されるので、その分解は迅速、
かつ、円滑に行なわれる。これらにより、ハンドルの脱
着がきわめて簡単になる。また、このねじ結合は、ピッ
チの粗いねじ結合とされているので、ねじの締まり過ぎ
を防止することができる。なお、グリースの充填によ
り、ハンドル(11)の正転方向の回転が円滑化されるこ
とはいうまでもない。
【0036】また、請求項2記載のように請求項1記載
の発明を構成することにより、ハンドル(11)と入力軸
(75)とのねじ結合部における雌雄ねじに、固体皮膜潤
滑剤がそれぞれコーティングされる。この結果、ハンド
ル(11)の回転がさらに円滑化されるとともに、雌雄ね
じの噛合による焼き付きを防止することができる。
【0037】また、請求項3記載のように請求項1また
は請求項2記載の発明を構成することにより、入力軸
(75)の雄ねじ(75a)の基部に、ハンドル(11)の雌
ねじを受ける座面(75b)が設けられる。この結果、面
当たりで雌ねじを固定することができて、雌ねじの雄ね
じ(75a)に対する食い込みを防止することができる。
【0038】さらに、請求項4記載のように請求項3記
載の発明を構成することにより、座面(75b)に、固体
皮膜潤滑剤がコーティングされるので、ハンドル(11)
の雌ねじの端面と座面(75b)との当接部の焼き付きを
防止することができる。
【0039】また、その請求項5に記載された発明は、
釣り竿(50)に装着されるかご状の本体枠(14)と、前
記本体枠(14)の内側に回転自在に装着されて釣糸を巻
き取るスプール(1)と、前記本体枠(14)の両側に装
着されるサイドカバー(17)、(17)と、前記スプール
(1)を回転させる駆動手段(40)と、前記スプール
(1)に巻かれた釣糸に所定のテンションが作用すると
スリップして前記スプール(1)を逆転させるドラッグ
機構(5)とを備え、一方の前記サイドカバー(17)に
前記駆動手段(40)が装着され、他方の前記サイドカバ
ー(17)に前記ドラッグ機構(5)が装着されてなる両
軸受型リールにおいて、前記駆動手段(40)は、ハンド
ル(11)と、一方の前記サイドカバー(17)から突出す
る入力軸(75)と、前記スプール(1)を一方向にのみ
回転させる一方向クラッチ(13)とを備え、前記ハンド
ル(11)と前記入力軸(75)とが、セレーション結合を
介して脱着自在に連結され、前記セレーション結合部
に、グリースが充填されたことを特徴とする両軸受型リ
ールである。
【0040】請求項5に記載された発明は、前記のよう
に構成されており、本体枠(14)と、スプール(1)
と、サイドカバー(17)、(17)と、スプール(1)の
駆動手段(40)と、ドラッグ機構(5)とを前記の態様
で備え、一方のサイドカバー(17)に駆動手段(40)が
装着され、他方のサイドカバー(17)にドラッグ機構
(5)が装着されてなる両軸受型リールにおいて、駆動
手段(40)は、ハンドル(11)と、一方のサイドカバー
(17)から突出する入力軸(75)と、スプール(1)を
一方向にのみ回転させる一方向クラッチ(13)とを備
え、ハンドル(11)と入力軸(75)とが、セレーション
結合を介して脱着自在に連結され、該セレーション結合
部に、グリースが充填される。
【0041】この結果、ハンドル(11)を入力軸(75)
の軸方向に引き抜くことにより、ハンドル(11)と入力
軸(75)とのセレーション結合を簡単に分解することが
できる。しかも、このセレーション結合部には、グリー
スが充填されるので、その分解は円滑に行なわれる。こ
れらにより、ハンドルの脱着がきわめて簡単になる。
【0042】さらにまた、請求項6記載のように請求項
1ないし請求項5のいずれかに記載の発明を構成するこ
とにより、一方向クラッチ(13)は、バックラッシのほ
とんど無いクラッチとされる。
【0043】この結果、魚がヒットして、釣糸が繰り出
される瞬間、スプール(1)が一方向クラッチ(13)の
バックラッシ分逆転するようなことがなく、釣糸に衝撃
を与えることがない。これにより、釣糸の耐久性が向上
する。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本願の請求項1〜請求項6
に記載された発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に
説明する。但し、以下に示す実施形態は、本願の発明の
技術思想を具体化するための両軸受型リールを例示する
ものであって、本願の発明は、その両軸受型リールを下
記のものに特定しない。
【0045】さらに、この明細書においては、特許請求
の範囲を理解し易いように、実施形態に示される部材に
付された符号を「特許請求の範囲」の欄および「課題を
解決するための手段および効果」の欄に示される部材に
付記している。しかしながら、このことは、特許請求の
範囲に記載される部材を実施形態の部材に特定するもの
ではない。
【0046】先ず、図1〜図5に基づいて、本実施形態
における両軸受型リールの全体構成のあらましを説明す
る。図1は、本実施形態における両軸受型リールの正面
図、図2は、図1の右側面図、図3は、図1の左側面
図、図4は、図1の両軸受型リールの本体枠の斜視図、
図5は、図2のV1−V1線矢視部分断面図およびハンド
ル部のV2−V2線矢視断面図、図3のV3−V3線矢視部
分断面図およびクリック部のV4−V4線矢視断面図を重
ね合わせて示した合成図である。
【0047】これらの図において、両軸受型リールは、
釣り竿50に装着される筒状の本体枠14(図4参照)と、
この本体枠14の内側に回転自在に装着されて釣糸を巻き
取るスプール1と、この本体枠14の一方の側面に取り付
けられ、スプール1を回転させる駆動手段40と、この本
体枠14の他方の側面に取り付けられ、スプール1に巻か
れた釣糸に一定のテンションが作用すると、スプール1
を釣糸の繰り出し方向に回転(逆転)させるドラック機
構5とを備えている。
【0048】駆動手投40とドラッグ機構5とは、本体枠
14の側面に固定される右左のサイドカバー17、17にそれ
ぞれ装着されており、これらのサイドカバー17、17を介
して本体枠14の側面にそれぞれ取り付けられている。図
1において、右のサイドカバー17内には、駆動手段40を
構成する歯車伝動機構や一方向クラッチ13(図5参照)
等が内蔵され、左のサイドカバー17内には、ドラッグ機
構5を構成するスリップトルク形成部60(図5参照)が
内蔵されている。駆動手段40のハンドル11は、右のサイ
ドカバー17の外側に露出した状態で設けられている。
【0049】図1および図5に示す両軸受型リールは、
駆動手段40のハンドル11で回転軸12を回転し、回転軸12
の先端をドラッグ機構5を介してスプール1に連結して
いる。一方向クラッチ13は、スプール1に釣糸を巻き取
る方向にのみ回転軸12を回転させる。この一方向クラッ
チ13には、バックラッシのほとんど無いものが使用され
ている。この構造の両軸受型リールは、ハンドル11で回
転軸12を回転し、回転軸12の回転をドラッグ機構5を介
してスプール1に伝達する。したがって、ハンドル11を
回転してスプール1を回転させることができる。ドラッ
グ機構5は、釣糸に一定以上のテンションが作用したと
きにスリップして、スプール1を逆転させて、釣糸を繰
り出す機構である。
【0050】スプール1が内蔵される本体枠14は、図1
および図4に図示されるように、スプール1の両側に位
置するリング状のサイドフレーム15と、両側のサイドフ
レーム15を連結してスプール1の外周を覆う複数本の連
結ロッド16とにより構成されている。サイドフレーム15
と複数本の連結ロッド16とからなる本体枠14は、アルミ
ニウム、チタン、ステンレス等の金属で一体的に成形さ
れている。ただし、両側のサイドフレーム15と、複数本
の連結ロッド16とを別々のパーツとして製作し、これ等
のパーツを溶接、接着、あるいはネジ止め等の方法で連
結して、本体枠14を製作することもできる。
【0051】図4に示す本体枠14は、両側のサイドフレ
ーム15を4本の連結ロッド16で連結している。図4にお
いて、底部の連結ロッド16は、本体枠14を釣り竿50に連
結する固定部材を装着するので、他の3本の連結ロッド
16よりも幅が広くされている。サイドフレーム15を連結
する4本の全ての連結ロッド16は、図4に図示されるよ
うに、スプール1の中央部分で外側に膨らませられて、
中央部内径が両側部内径よりも大きく成形されている。
円環状に形成されているサイドフレーム15の両側面に
は、サイドカバー17が着脱自在に、あるいは、ネジ止め
等の方法でそれぞれ連結されている。
【0052】駆動手段40は、図1および図5に図示され
るように、ハンドル11と、ハンドル11の回転を回転軸12
に伝達する入力軸75、歯車群41と、ハンドル11が釣糸を
巻き取る方向にのみ回転する一方向クラッチ13とを備え
ている。これらのうち、歯車群41と一方向クラッチ13と
は、前記のとおり、サイドカバー17内に内蔵されてい
る。入力軸75は、その一方端部がサイドカバー17を貫通
して外部に突出して、ハンドル11とねじ結合により連結
されている。このサイドカバー17は、歯車群41を覆う副
サイドカバー42を備えている。図5に図示される両軸受
型リールは、回転軸12に一方向クラッチ13を取り付けて
いるが、一方向クラッチ13は、回転軸12を釣糸の巻き取
り方向にのみ回転させる全ての位置に取り付けることが
できる。
【0053】本体枠14の図1において左側に連結される
サイドカバー17には、ドラッグ機構5のスリップトルク
形成部60が内蔵されている。サイドカバー17がドラッグ
機構5のスリップトルク形成部60を内蔵する部分の断面
図が図5に、ドラッグ機構5の断面図が図8に、それぞ
れ示されている。これ等の図に示されるドラッグ機構5
は、回転軸12に連結される内軸6と、スプール1に連結
される外輪7と、内軸6と外輪7の間に転動できるよう
に配設された複数のローラー8と、外輪7を軸方向に押
圧するトルク調整部9とを備えている。
【0054】内軸6と外輪7とは、ローラー8の転動面
10をテーパー面としており、それぞれのテーパー状の転
動面10、10の間に、複数のローラー8が転動自在に配設
されている。転動面10は、軸方向の表面を完全な直線状
とすることもできるが、多少湾曲させることもできる。
ローラー8を転動面10、10間に所定の位置関係で配設す
るために、転動面10、10間には通常のベアリングのよう
にリテーナ67が配設される。このリテーナ67は、金属ま
たはプラスチック製で、円筒状に成形され、かつ、ロー
ラー8を回転自在に保持するスリット状の隙間が設けら
れている。さらに、ローラー8は、中心軸を、外輪7と
内軸6の中心軸に対して傾斜させる姿勢で転動面10、10
間に配設されている。内軸6と外輪7との各転動面10の
形成、ローラー8の保持態様およびそれらの作用は、従
来のものと異なるところはない(図19、図21参
照)。
【0055】ドラッグ機構5は、図8〜図12に図示さ
れている。図8は、前記のとおり、ドラッグ機構5の縦
断面図、図9は、図8のIX−IX線矢視断面図、図10
は、図8の右側面図、図11は、図8の左側面図、図1
2は、図8の部分拡大図である。
【0056】図8に図示されるように、ドラッグ機構5
は、その内軸6が回転軸12と一体構造とされ、その外輪
7が連結リング19に、これらが相対的に回転しないよう
に(一体的に回転するように)、鋼球18を介して連結さ
れている。この連結構造について、さらに詳細に説明す
ると、連結リング19の外周面と外輪7の図8において右
方端側の連結筒部21の内周面とに軸方向に対をなす連結
溝22、22が複数対設けられ、連結リング19が連結筒部21
内に挿入され、これらの対の連結溝22、22間に、両連結
溝22、22に跨がるようにして、鋼球18が配設される。こ
れにより、外輪7と連結リング19とが相対的に回転しな
いように、かつ、軸方向には相対的に移動可能に連結さ
れる。
【0057】連結リング19は、2個のベアリング20、20
を介して回転軸12に回転自在に軸受され、その図8にお
いて右方端側は、六角頭部19a(図10参照)とされて
いて、スプール1の六角凹部1a(図5参照)と係合し
合うようにされている。このようにして、外輪7がスプ
ール1に連結される。比較的小型の2個のベアリング2
0、20が使用されることにより、回転軸12に対する連結
リング19の支持の安定化が図られている。
【0058】周方向に間隔をおいて形成された複数対の
連結溝22、22の各対間には、図12により良く図示され
ているように、ドラッグ解放時、外輪7を内軸6から離
反させる弾発手段をなすコイルスプリング62を収容する
対の凹溝63、63が、連結リング19の外周面と外輪7の連
結筒部21の内周面とにそれぞれ形成されている。これに
より、ドラッグ解放時には、外輪7が内軸6から離反さ
せられるので、ローラー8が転動面10、10を押す力が消
失されて、スプール1は自由に回転することができる。
【0059】外輪7の外面には、連結リング19の図8に
おいて左方端部にまで跨がって、ケーシング61が嵌着さ
れている。このケーシング61の外周面には、環状で薄板
状の放熱フイン32が一体に加工形成されている。放熱フ
イン32は、その長さ方向(周方向)の複数個所に切欠き
32aが形成されている。これにより、外輪7の回転時、
空気が撹拌されるので、放熱効果を促進することができ
る。放熱フイン32は、螺旋状に形成されてもよい。
【0060】連結リング19の外周面とケーシング61の内
周面との間および外輪7の外周面とケーシング61の内周
面との間には、ローラー8の転動部に供給されている潤
滑油が漏れるのを防止するためのOリング68、68がそれ
ぞれ介装されている。また、連結リング19の内周面と回
転軸12の外周面との間および外輪7の図8において左端
部の内周面と回転軸12の外周面との間にも、同様の目的
のためのVパッキンであるシールリング23、23がそれぞ
れ介装されている。シールリング23には、Vパツキンに
代えて、オイルシールやOリングも使用することができ
る。
【0061】これらのOリング68、68、シールリング2
3、23により液封され、外輪7、ケーシング61、連結リ
ング19、回転軸12、内軸6により囲まれて形成される潤
滑油の収容室Eには、ローラー8の転動部を潤滑するた
めの潤滑油が収容されている。この潤滑油は、内軸6に
設けられた複数の通孔69を通り、複数のローラー8の間
を縫って外輪7と内軸6との間を抜ける循環路を、ロー
ラー8の自転および公転運動に伴って生起されるポンプ
作用により、循環する。通孔69は、内軸6の中心軸方向
に指向し、円周方向に間隔を置いて、かつ、両端が開放
するようにして、内軸6に形成されている。潤滑油は、
この循環路を循環する間に、ローラー8の転動部におい
てローラー8が転動面10、10と摩擦接触して摺動するこ
とにより発生する熱を運び去り、この熱が収容室Eを囲
む周壁部、特に外輪7およびケーシング61の放熱フイン
32から大気中に放散されるのを促す。ローラー8の転動
部は、このような潤滑油の循環により、軸方向および周
方向に均一に冷却される。
【0062】外輪7を軸方向に押圧するトルク調整部9
は、図5および図8に図示されるように、スラストベア
リング25を介して外輪7を軸方向に向けて押圧する押圧
リング26と、この押圧リング26の側面を押圧するリング
バネ27と、軸方向には移動できるが、回転不能にサイド
カバー17に固定することができるナット部材28と、この
ナット部材28の中心に設けられている雌ねじ孔にねじ込
まれているねじ部材29と、このねじ部材29にねじ止めさ
れて一体に連結され、このねじ部材29を回転させること
ができる操作部材をなすドラッグレバー30(図1、図
3、図5参照)とを備えている。ドラッグレバー30は、
サイドカバー17の外側に設けられる。ねじ部材29は、中
央に貫通孔を有し、回転軸12の外周面とサイドカバー17
の中央円孔との間に軸方向に移動不能に、かつ、これら
に対して相対的に回動自在に貫挿されている。ねじ部材
29と回転軸12との間には、ベアリング31が介装されてい
る。
【0063】ドラッグレバー30は、外輪7と内軸6との
スリップトルクが急激に増大する方向への回動を一旦停
止させることができるストッパー手段70を備えている
(図3、図13参照)。図13は、図3および図5にお
いて、ドラッグレバー30とねじ部材29との結合を解い
て、ドラッグレバー30をねじ部材29およびサイドカバー
17から分離させて、これを裏返して見た裏面図、図14
は、ドラッグレバー30を分離して見たドラッグ機構5側
サイドカバー17の正面図である。
【0064】図3および図13に図示されるように、こ
のストッパー手段70は、ドラッグレバー30の操作部(操
作用摘み部)30aに添設される操作部70aを有し、ドラ
ッグレバー30を回動操作しながら、その直ぐ近傍で、こ
のストッパー手段70の操作部70aを操作することができ
る。
【0065】ドラッグレバー30がねじ部材29と一体に連
結された状態においては、ドラッグレバー30の外周環状
突壁30bは、サイドカバー17の内周環状突壁17aに丁度
嵌合する。そして、ドラッグレバー30は、サイドカバー
17とのこの嵌合部において、内周環状突壁17aにガイド
されながら回動することができる。ドラッグレバー30の
この回動により、ねじ部材29が回転して、ねじ部材29と
ナット部材28とのねじ結合を介して、ナット部材28が軸
方向に移動する。
【0066】ドラッグレバー30の外周環状突壁30bは、
L字状ストッパー手段70が支軸70bの回りに回動する範
囲において切り欠かれている。サイドカバー17の内周環
状突壁17aは、ドラッグレバー30の回動により外輪7と
内軸6とのスリップトルクが急激に増大するに至る直前
のドラッグレバー30の回動位置Fまでの所定領域におい
て、その外径が小さくなるように切り欠かれている。
【0067】ストッパー手段70の操作部70aと反対側の
先端部70cは、ドラッグレバー30がサイドカバー17の内
周環状突壁17aにガイドされながら回動するとき、内周
環状突壁17aのこの切欠き部17bに乗っかり、この切欠
き部17bの面上を滑りながら移動することができる。そ
して、ドラッグレバー30が回動位置Fまで回動したと
き、先端部70cは回動位置Fにおける遮壁17cに衝突す
る。このようにして、ドラッグレバー30の、外輪7と内
軸6とのスリップトルクが急激に増大する方向への回動
が一旦停止させられる。
【0068】外輪7と内軸6とのスリップトルクをさら
に大きくする必要がある場合には、ドラッグレバー30の
操作部30aを握る手の指をストッパー手段70の操作部70
aに引っ掛け、スプリング71の弾発力に抗して図13に
おいて反時計方向、図3において時計方向に回転させれ
ば、先端部70cは遮壁17cを乗り越えることができる。
これにより、ドラッグレバー30は、回動位置Fを越えて
さらに回動することができる。
【0069】ナット部材28は、回転不能にサイドカバー
17に固定されていて、ドラッグレバー30が回動されたと
き、ねじ部材29とのねじ結合を介して軸方向に移動して
リングバネ27を弾発するが、ナット部材28のサイドカバ
ー17に対する固定位置は、調整軸部材66をサイドカバー
17の外側から回動操作することにより、調整することが
できるようにされている。これにより、ドラッグ荷重の
初期設定値を補正することができる。
【0070】このために、ナット部材28の外周には歯車
64が形成され、この歯車64と噛み合う歯車65を先端に有
する調整軸部材66がサイドカバー17を貫通して取り付け
られている。図6により良く図示されているように、こ
の調整軸部材66の歯車65は、平常時にはサイドカバー17
に取り付けられたストッパー歯車73とも噛み合ってい
て、平常時、調整軸部材66は静止している。この状態に
おいて、調整軸部材66の外方端部の摘み部72を掴んで、
弾発手段(スプリング)74の弾発力に抗して調整軸部材
66を引き抜くと、調整軸部材66の歯車65とストッパー歯
車73との噛合がはずれる。そして、調整軸部材66の歯車
65は、ナット部材28の歯車64とのみ噛み合うようにな
る。したがって、この状態において、調整軸部材66の摘
み部72を掴んで調整軸部材66を所望量回動させれば、ナ
ット部材28を所望量回動させて、その軸方向位置を調整
することができる。調整軸部材66の摘み部72を離すと、
調整軸部材66の歯車65は、弾発手段74の弾発力によりス
トッパー歯車73の中に飛び込んで、これと噛み合い、平
常状態に戻る。
【0071】駆動手段40のハンドル11は、入力軸75の外
方端部に形成された雄ねじ75a(図7参照)にねじ結合
により嵌着されている。ハンドル11をスプール1に釣糸
を巻き取る方向に回転させるとき、このねじ結合は締ま
る。ハンドル11を反対の方向に回転させるとき、一方向
クラッチ13の作用により回転軸12が逆転しないので、こ
のねじ結合は緩む。そこで、ハンドル11を反対の方向に
回転させて、このねじ結合を解いて、プレイヤに適した
リーチを持ったハンドルに容易に交換することができ、
また、両軸受型リールの不使用時(保管、移動時等)に
は、全体装置をコンパクトにすることができる。
【0072】入力軸75の雄ねじ75aは、図7に図示され
ているように、そのねじピッチが比較的大きめに形成さ
れている。このようにすると、ハンドル11の雌ねじを入
力軸75の雄ねじ75aに締め込むときの締まり過ぎを防止
することができる。また、この大きめのねじピッチのね
じ溝内にグリースを十分に充填して、ハンドルの脱着を
容易にすることができる。
【0073】ハンドル11の雌ねじと入力軸75の雄ねじ75
aには、SUS材料が使用されるが、このように同材料
が使用される場合には、これらの雌雄ねじ部に焼き付き
を生じ易いので、これらの雌雄ねじ部にそれぞれ固体皮
膜潤滑剤をコーティング処理する。また、入力軸75の雄
ねじ75aには、ねじ部座面75bが設けられていて、面当
たりでハンドル11の雌ねじを固定するので、必要以上の
雌ねじの雄ねじ部75aへの食い込みが防止される。この
座面75bにも、雌雄ねじ部と同様の固体皮膜潤滑剤がコ
ーティング処理されていて、ハンドル11の雌ねじ端面と
座面75bとの当接部の焼き付きが防止されている。
【0074】ハンドル11と入力軸75との結合は、ねじ結
合に依らずに、セレーション結合とされてもよい。セレ
ーション結合とされる場合、コスト面でやや不利になる
が、ハンドル11の脱着作業をより簡単に行なうことがで
きる。この場合においても、セレーション結合部には、
グリースが充填される。
【0075】一方向クラッチ13には、前記のとおり、バ
ックラッシのほとんどないものが使用されているので、
魚がヒットして、釣糸が繰り出される瞬間においても、
スプール1が一方向クラッチ13のバックラッシ分逆転す
るようなことがなく、釣糸に衝撃を与えることがない。
【0076】この構造のトルク調整部9は、次のような
動作をして、外輪7を軸方向に押圧する押圧力を調整す
る。 外部からの操作により、ドラッグレバー30が回転し
て、これに連結されたネジ部材29が回転する。 ネジ部材29が回転すると、これにねじ込まれたナッ
ト部材28が軸方向に移動する。 ナット部材28が軸方向に移動すると、リングバネ27
が押圧リング26を押圧する力が変化する。図8におい
て、ナット部材28が右に移動すると、リングバネ27はよ
り強く押圧リング26を押圧する。 押圧リング26が強く押圧されると、外輪7は矢印D
で示す方向に強く押圧されるようになる。 外輪7の矢印D方向への押圧力が増加すると、内軸
6に対する外輪7の回転トルクが大きくなる。言い換え
ると、釣糸がスプール1を逆転させる逆転トルクが大き
く調整される。
【0077】図8に図示されるドラッグ機構5は、以上
のようにしてドラッグレバー30によりリングバネ27を軸
方向に移動させて、スプール1が釣糸により逆転される
逆転トルクを自由に調整することができる。このドラッ
グ機構5は、その内輪6が回転軸12に、その外輪7がス
プール1に、それぞれ連結されているが、本願の発明の
両軸受型リールは、内軸をスプールに、外輪を回転軸
に、それぞれ連結するように改変することもできるのは
言うまでもない。
【0078】本願の発明の両軸受型リールは、従来の両
軸受型リールと同様に、外輪7と内軸6の熱膨張を有効
に利用して、釣糸に作用する最大テンションの変動を防
止する。すなわち、外輪7と内軸6とに同じ材質の金属
が使用されているので、図22に図示されるように、釣
糸の繰り出し量が増加して、スプールの巻き径が小さく
なるにしたがって、釣糸のテンションでスプール1を逆
転させる逆転トルクが次第に小さくなる。したがって、
図24に図示されるような逆転トルクの急激な変動を阻
止することはできるが、釣糸の繰り出し量が多くなる
と、逆転トルクが小さくなってしまう特性がある。
【0079】そこで、本実施形態においては、外輪7を
放熱フイン32により強制的に冷却するとともに、内軸6
に複数の通孔69を形成して、ローラー8の転動部を潤滑
する潤滑油の循環路を形成し、この潤滑油の循環路を巡
る循環により、ローラー8の転動部において発生する熱
の放散を促進することによって、この特性をさらに最適
値に調整している。
【0080】放熱フイン32は、釣糸によりスプール1が
逆転されたときに発生する熱を外輪7から有効に放散す
る。本実施形態においては、外輪7の外面に嵌着された
ケーシング61の外周面に放熱フイン32が一体に形成され
ているが、この外輪7とケーシング61とは、一体に形成
されてもよい。放熱フイン32により外輪7を冷却するド
ラッグ機構5は、放熱フイン32でもって外輪7の熱膨張
を少なく調整する。外輪7の熱膨張を少なくすると、釣
糸がスプール1から繰り出されたときに、釣糸のテンシ
ョンが必要以上に低下するのを阻止することができる。
つまり、図22において、テンションカーブの右側の低
下を少なくすることができる。
【0081】ローラー8の転動部を潤滑するための潤滑
油の循環は、ローラー8の転動部において発生する熱を
運び去り、この熱が収容室Eを囲む周壁部、特に外輪7
およびケーシング61の放熱フイン32から大気中に放散さ
れるのを促進するので、前記のような、図22のテンシ
ョンカーブの右側の低下を少なくする効果をさらに高め
ることができる。図15は、このようにして得られた本
実施形態における両軸受型リールの釣糸の繰り出し量に
対する釣糸のテンションカーブを示しており、この図か
ら明らかなように、釣糸のテンションカーブを理想的に
均一化することができる特徴がある。
【0082】図15の釣糸のテンションカーブを、従来
の、外輪7に内軸6よりも熱膨張の少ない金属を使用し
た図23の釣糸のテンションカーブと比較すると、図2
3の釣糸のテンションカーブにおいては、釣糸を長く引
き出して巻き径が小さくなった時の釣り糸のテンション
の右上がり傾向および釣糸を長く引き出して巻き径が非
常に小さくなった時の釣り糸のテンションの極大化傾向
が見られたが、図15の釣糸のテンションカーブにおい
ては、このような傾向が完全に解消されている。のみな
らず、釣糸を長く引き出す過程において散見された無視
することができない瞬時瞬時の釣り糸のテンションの変
動も、大きく平滑化されている。なお、図15は、図2
3の釣糸の繰り出し時間の倍の時間釣糸を繰り出した時
に得られた実験結果を示すグラフである。
【0083】以上のとおり、本実施形態における両軸受
型リールは、外輪7に放熱フィン32を設けて冷却し、さ
らに、ローラー8の転動部を潤滑するための潤滑油の循
環路を形成することによって、釣糸のテンションカーブ
を理想的な特性にできる特徴がある。放熱フイン32の面
積と潤滑油の材質は、釣糸のテンションカーブが平坦に
なるように最適に選択され、設計される。
【0084】なお、本実施形態における両軸受型リール
において、43は、騒動手段40に備えられ、歯車群41の切
り替えを行なう調節摘みである(図1、図2、図5参
照)。また、76はクリックであって(図3、図5参
照)、その内部の棒状体76aが弾発手段76bにより弾発
されて、棒状体76aの先端がスプール1の図5において
左側の環状端面に周方向に等間隔に形成された小さい凹
部(図示されず)に出入することができるようにされて
おり、これにより、スプール1が回転するとき、カチッ
カチッという音が発せられるので、スプール1の回転動
作と回転量のおおよそを把握することができるようにさ
れている。
【0085】本実施形態における両軸受型リールは、前
記のように構成されているので、次のような効果を奏す
ることができる。釣り竿50に装着されるかご状の本体枠
14と、本体枠14の内側に回転自在に装着されて釣糸を巻
き取るスプール1と、本体枠14の両側に装着されるサイ
ドカバー17、17と、スプール1を回転させる駆動手段40
と、スプール1に巻かれた釣糸に所定のテンションが作
用するとスリップしてスプール1を逆転させるドラッグ
機構5とを備え、一方のサイドカバー17に駆動手段40が
装着され、他方のサイドカバー17にドラッグ機構5が装
着されてなる両軸受型リールにおいて、駆動手段40は、
ハンドル11と、一方のサイドカバー17から突出する入力
軸75と、スプール1を一方向にのみ回転させる一方向ク
ラッチ13とを備え、ハンドル11と入力軸75とが、ピッチ
の粗いねじ結合を介して脱着自在に連結され、該ねじ結
合部に、グリースが充填されている。
【0086】この結果、この両軸受型リールにおいて
は、ハンドル11を一方向クラッチ13がスプール1に回転
を伝達する方向と逆の方向に回転させれば、一方向クラ
ッチ13は逆転しないので、ハンドル11と入力軸75とのね
じ結合を簡単に分解することができる。しかも、このね
じ結合は、ピッチの粗いねじ結合とされており、このね
じ結合部には、グリースが充填されてるので、その分解
は迅速、かつ、円滑に行なわれる。これらにより、ハン
ドルの脱着がきわめて簡単になる。また、このねじ結合
は、ピッチの粗いねじ結合とされているので、ねじの締
まり過ぎを防止することができる。
【0087】また、ハンドル11と入力軸75とのねじ結合
部における雌雄ねじには、固体皮膜潤滑剤がそれぞれコ
ーティングされているので、ハンドル11の回転がさらに
円滑化されるとともに、雌雄ねじの噛合による焼き付き
を防止することができる。さらに、座面75bにも、固体
皮膜潤滑剤がコーティングされるので、ハンドル11の雌
ねじの端面と座面75bとの当接部の焼き付きを防止する
ことができる。
【0088】また、入力軸75の雄ねじ75aの基部には、
ハンドル11の雌ねじを受ける座面75bが設けられている
ので、面当たりで雌ねじを固定することができて、雌ね
じの雄ねじ75aに対する食い込みを防止することができ
る。
【0089】さらに、一方向クラッチ13は、バックラッ
シのほとんど無いクラッチが使用されているので、魚が
ヒットして、釣糸が繰り出される瞬間であっても、スプ
ール1が一方向クラッチ13のバックラッシ分逆転するよ
うなことがなく、釣糸に衝撃を与えることがない。これ
により、釣糸の耐久性を向上させることができる。
【0090】なお、ハンドル11と入力軸75とは、ねじ結
合に代わるセレーション結合を介して脱着自在に連結さ
れるようにしてもよく、このセレーション結合部にグリ
ースが充填されてもよい。このようにされる場合でも、
ハンドル11を入力軸75の軸方向に引き抜くことにより、
ハンドル11と入力軸75とのセレーション結合を簡単に分
解することができる。しかも、このセレーション結合部
にグリースが充填されることにより、その分解はさらに
円滑に行なわれる。これらにより、ハンドルの脱看がき
わめて簡単になる。なお、この場合には、ハンドル11が
重力の作用により自然に入力軸75から離脱することのな
いように、手動操作可能な抜け止めピン等の必要な手段
が設けられることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1〜12に記載された発明の一実施
形態における両軸受型リールの正面図である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】図1の左側面図である。
【図4】図1の両軸受型リールの本体枠の斜視図であ
る。
【図5】図2のV1−V1線矢視部分断面図およびハンド
ル部のV2−V2線矢視断面図、図3のV3−V3線矢視部
分断面図およびクリック部のV4−V4線矢視断面図を重
ね合わせて示した合成図である。
【図6】図5の部分拡大図である。
【図7】ハンドル紋付け部の入力軸の雄ねじ部の詳細図
である。
【図8】ドラッグ機構5の縦断面図である。
【図9】図8のIX−IX線矢視断面図である。
【図10】図8の右側面図である。
【図11】図8の左側面図である。
【図12】図8の部分拡大図である。
【図13】ドラッグレバーの裏面図である。
【図14】ドラッグレバーを分離して見たドラッグ機構
側サイドカバーの正面図である。
【図15】図1の両軸受型リールの釣糸の繰り出し量と
釣糸のテンションとの関係を示すグラフである。
【図16】従来の両軸受型リールの縦断面図である。
【図17】他の従来の両軸受型リールの正面図である。
【図18】図17の部分縦断面図である。
【図19】図17の両軸受型リールのドラッグ機構の縦
断面図である。
【図20】図17の両軸受型リールの断面構造の模式図
である。
【図21】ドラッグ機構の動作原理を示す説明図であ
る。
【図22】従来の両軸受型リールの釣糸の繰り出し量と
釣糸のテンションとの関係を示すグラフである。
【図23】他の従来の両軸受型リールの釣糸の繰り出し
量と釣糸のテンションとの関係を示すグラフである。
【図24】さらに他の従来の両軸受型リールの釣糸の繰
り出し量と釣糸のテンションとの関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1…スプール、1a…六角凹部、5…ドラッグ機構、6
…内軸、7…外輪、8…ローラー、9…トルク調整部、
10…転動面、11…ハンドル、12…回転軸、13…一方向ク
ラッチ、14…本体枠、15…サイドフレーム、16…連結ロ
ッド、17…サイドカバー、17a…内周環状突壁、17b…
切欠き部、17c…遮壁、18…鋼球、19…連結リング、19
a…六角頭部、20…ベアリング、21…連結筒部、22…連
結溝、23…シールリング、25…スラストベアリング、26
…押圧リング、27…リングバネ、28…ナット部材、29…
ねじ部材、30…操作部材(ドラッグレバー)、30a…操
作部、30b…外周環状突壁、31…ベアリング、32…放熱
フイン、32a…切欠き、40…駆動手段、41…歯車群、42
…副サイドカバー、43…調節摘み、50…釣り竿、60…ス
リップトルク形成部、61…ケーシング、62…コイルスプ
リング、63…凹溝、64…歯車、65…歯車、66…調整軸部
材、67…リテーナ、68…Oリング、69…通孔、70…スト
ッパー手段、70a…操作部、70b…支軸、70c…先端
部、71…スプリング、72…摘み部、73…ストッパー歯
車、74…弾発手段、75…入力軸、75a…雄ねじ、、75b
…ねじ部座面、76…、76a…、E…潤滑油収容室。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 釣り竿(50)に装着されるかご状の本体
    枠(14)と、前記本体枠(14)の内側に回転自在に装着
    されて釣糸を巻き取るスプール(1)と、前記本体枠
    (14)の両側に装着されるサイドカバー(17)、(17)
    と、前記スプール(1)を回転させる駆動手段(40)
    と、前記スプール(1)に巻かれた釣糸に所定のテンシ
    ョンが作用するとスリップして前記スプール(1)を逆
    転させるドラッグ機構(5)とを備え、 一方の前記サイドカバー(17)に前記駆動手段(40)が
    装着され、他方の前記サイドカバー(17)に前記ドラッ
    グ機構(5)が装着されてなる両軸受型リールにおい
    て、 前記駆動手段(40)は、ハンドル(11)と、一方の前記
    サイドカバー(17)から突出する入力軸(75)と、前記
    スプール(1)を一方向にのみ回転させる一方向クラッ
    チ(13)とを備え、 前記ハンドル(11)と前記入力軸(75)とが、ピッチの
    粗いねじ結合を介して脱着自在に連結され、 前記ねじ結合部に、グリースが充填されたことを特徴と
    する両軸受型リール。
  2. 【請求項2】 前記ねじ結合部における雌雄ねじに、固
    体皮膜潤滑剤がそれぞれコーティングされたことを特徴
    とする請求項1記載の両軸受型リール。
  3. 【請求項3】 前記入力軸(75)の雄ねじ(75a)の基
    部に、前記ハンドル(11)の雌ねじを受ける座面(75
    b)が設けられたことを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の両軸受型リール。
  4. 【請求項4】 前記座面(75b)に、固体皮膜潤滑剤が
    コーティングされたことを特徴とする請求項3記載の両
    軸受型リール。
  5. 【請求項5】 釣り竿(50)に装着されるかご状の本体
    枠(14)と、前記本体枠(14)の内側に回転自在に装着
    されて釣糸を巻き取るスプール(1)と、前記本体枠
    (14)の両側に装着されるサイドカバー(17)、(17)
    と、前記スプール(1)を回転させる駆動手段(40)
    と、前記スプール(1)に巻かれた釣糸に所定のテンシ
    ョンが作用するとスリップして前記スプール(1)を逆
    転させるドラッグ機構(5)とを備え、 一方の前記サイドカバー(17)に前記駆動手段(40)が
    装着され、他方の前記サイドカバー(17)に前記ドラッ
    グ機構(5)が装着されてなる両軸受型リールにおい
    て、 前記駆動手段(40)は、ハンドル(11)と、一方の前記
    サイドカバー(17)から突出する入力軸(75)と、前記
    スプール(1)を一方向にのみ回転させる一方向クラッ
    チ(13)とを備え、 前記ハンドル(11)と前記入力軸(75)とが、セレーシ
    ョン結合を介して脱着自在に連結され、 前記セレーション結合部に、グリースが充填されたこと
    を特徴とする両軸受型リール。
  6. 【請求項6】 前記一方向クラッチ(13)は、バックラ
    ッシのほとんど無いクラッチとされたことを特徴とする
    請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の両軸受型リ
    ール。
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