JP3940222B2 - 両軸受リールの発音機構及び両軸受リール - Google Patents

両軸受リールの発音機構及び両軸受リール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発音機構、特に、リール本体に回転自在に装着されたハンドル軸とハンドル軸に相対回転自在に装着されたドラグ操作部材との相対回転により発音する両軸受リールの発音機構及びそれを装着した両軸受リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、両軸受リールは、ハンドルと、スプールが回転自在に支持されたリール本体と、リール本体の側方に配置されたスプール回転用のハンドルと、ハンドルのリール本体側に配置されたドラグ調整用のスタードラグとを備えている。ハンドルのクランクアームは、ハンドル軸の先端にナットにより固定されており、クランクアームの外側面にはナットを回り止めするためのリテーナがビス止めされている。スタードラグはハンドル軸に螺合しており、スタードラグを回すことでリール本体の内部に設けられたドラグ板の密着度合いを調整してドラグ力を調整できる。
【0003】
この種の両軸受リールにおいて、スタードラグを操作したときの操作感や操作性を向上させるために、スタードラグとハンドルアームとの間にスタードラグ操作時に発音する発音機構が設けられているものが従来知られている。
従来の発音機構は、ハンドルに装着されたリテーナに収納された音出しピンと、スタードラグに回転不能に装着された音出し部材と、音出しピンを音出し部材側に付勢するコイルばねとを備えている。音出しピンは、頭部と頭部より小径の軸部とを有しておりハンドル軸に沿って頭部を音出し部材に向けて配置されている。音出しピンは、クランクアームに設けられた貫通孔を貫通して貫通孔とリテーナとにわたって収納されている。音出し部材には音出しピンに対向する位置に周方向に間隔を隔てて多数の音出し穴が形成されている。音出し部材は、スタードラグに軸方向に移動自在に装着されており、付勢部材によりクランクアーム側に付勢されている。コイルばねは、音出しピンの外側に配置されており、一端が音出しピンの頭部に当接している。
【0004】
この発音機構では、スタードラグを操作してハンドルに対して相対回転させると、スタードラグは、ハンドル軸に螺合しているので軸方向に移動する。しかし、音出し部材はクランクアーム側に付勢されているので、音出し部材とクランクアームとの間隔が一定に維持され、音出し部材側に付勢された音出しピンが音出し穴への衝突を繰り返して発音する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、音出しピンをリテーナとクランクアームとにわたって収納しているため、リテーナの厚みが厚くなり、リールの軸方向寸法が大きくなる。また、ハンドル軸方向に移動するスタードラグと別に音出し部材を設けるとともに、音出し部材をクランクアーム側に付勢する付勢部材を設けなければならないので、発音機構の部品点数が増加し構成が複雑になる。また、ハンドル軸の外方に発音機構が配置されるので、スタードラグの径方向寸法が大きくなり、リールの寸法が大きくなる。
【0006】
また、クランクアームに複数の取付孔を設けハンドル軸からハンドル把手までのハンドル長さを変更可能な両軸受リールがある。このような両軸受リールでは、ハンドル長さを変更する場合、使用者はリテーナ及びナットを外してクランクアームをハンドル軸から外し、別の取付孔でクランクアームを再度ハンドル軸に取り付ける。このようなハンドル長さ変更を行う場合、リテーナを外すと音出しピンがコイルばねに付勢されて飛び出し、発音機構が分解されて部品を紛失するおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、スタードラグを操作すると発音する機構において、リールの小型化を図れかつ構成の簡素化を図れるようにすることにある。
本発明の別の課題は、ハンドル長さを変更可能な両軸受リールにおいて、ハンドル長さ変更時に発音機構が分解しないようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る両軸受リールの発音機構は、リール本体に回転自在に装着されたハンドル軸とハンドル軸に相対回転自在に装着されたドラグ操作部材との相対回転により発音する機構であって、ガイド部と、音出しピンと、凹凸部と、付勢部材とを備えている。ガイド部は、ハンドル軸の軸方向と交差する方向に沿って外周面に開口するようにハンドル軸に形成されている。音出しピンは、ガイド部に進退自在に装着されている。凹凸部は、開口に面するドラグ操作部材の内周面に周方向に沿って形成されている。付勢部材は、ガイド部に収納され音出しピンを凹凸部側に付勢する。
【0009】
この発音機構では、ドラグ操作部材をハンドル軸に対して回転させると、凹凸部も回転する。そして付勢部材により付勢された音出しピンが凹凸部への衝突を繰り返して発音する。この凹凸部は、ドラグ操作部材の内周面に設けられているので、凹凸を有する音出しのための部品を別に設けたり付勢部材を別に設ける必要がない。また、音出しピンがハンドル軸に形成された外周面に開口するガイド部に収納されているので、リールの軸方向や径方向の寸法の増加を招くことがない。このため、リールの小型化を図れかつ発音機構の構成を簡素化することができる。
【0010】
発明2に係る両軸受リールの発音機構は、発明1に記載の機構において、ハンドル軸のドラグ操作部材に対向する外周面には雄ネジ部が形成されており、ドラグ操作部材は、雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有するナット部を有し、凹凸部は、ドラグ操作部材のナット部の内周面に雌ネジ部と軸方向に並べて設けられている。この場合には、凹凸部とナット部とを並べて設けているので、ハンドル軸にドラグ操作部材が螺合する場合にも構成が簡素になる。
【0011】
発明3に係る両軸受リールの発音機構は、発明1又は2に記載の機構において、音出しピンは、先端が半球状の頭部と、頭部より小径の軸部とを有する。この場合には、付勢部材の先端を軸部と頭部との段差に係止することで音出しピンを簡単に凹凸部側に付勢できる。
【0012】
発明4に係る両軸受リールの発音機構は、発明3に記載の機構において、付勢部材は、軸部の外周側に配置されたコイルばねである。この場合には、軸部の外周に付勢部材を配置できるので、発音機構の構成がコンパクトになる。
発明5に係る両軸受リールの発音機構は、発明3又は4に記載の機構において、頭部には、係止凹部が形成されており、ハンドル軸には、先端面からガイド部に向けて軸方向に沿って形成された治具挿通孔が形成されている。この場合には、治具挿通孔から棒状の部材を挿入してその先端を係止凹部に係止すれば、音出しピンを付勢部材の付勢力に抗して所定の位置に係止できる。このため、組立時にドラグ操作部材をハンドル軸に装着する作業が容易になる。
【0013】
発明6に係る両軸受リールの発音機構は、発明5に記載の機構において、頭部は、先端が半球状の先端部と、先端部より大径で付勢部材が係止可能な係止部とを有し、係止凹部は、係止部に形成された環状溝である。この場合には、頭部が小径であるので、発音間隔を短くすることができる。しかも、係止凹部が環状溝であるので、組立時に音出しピンが軸回りに回転しても確実に音出しピンを係止できる。
【0014】
発明7に係る両軸受リールは、釣り竿に装着され、釣り竿の長手方向と交差する軸回りに釣り糸を巻き取る両軸受リールであって、リール本体と、ハンドル軸と、ハンドル組立体と、スプールと、回転伝達機構と、ドラグ機構と、ドラグ操作部材と、発音機構とを備えている。リール本体は、釣り竿に装着される。ハンドル軸は、リール本体に回転自在に支持され一端が外方に突出する軸である。ハンドル組立体は、先端がハンドル軸の径方向外方に延び径方向長さを変更可能にハンドル軸に着脱自在に固定されたクランクアームと、クランクアームの先端に装着された回転支持部と、回転支持部に装着されたハンドル把手とを有している。スプールは、リール本体に回転自在に装着されている。回転伝達機構は、ハンドル組立体の回転をスプールに伝達するための機構である。ドラグ機構は、回転伝達機構に設けられ、スプールの糸繰り出し方向の回転を制動する機構である。ドラグ操作部材は、ドラグ機構を操作するためにハンドル軸に装着された部材である。発音機構は、ハンドル軸とドラグ操作部材との間に設けられた、請求項1から6のいずれかに記載の機構である。
【0015】
この両軸受リールでは、ドラグ操作部材をハンドル軸に対して相対回転させると、凹凸部も回転する。そして付勢部材により付勢された音出しピンが凹凸部への衝突を繰り返して発音する。この凹凸部は、ドラグ操作部材の内周面に設けられているので、凹凸を有する音出しのための部品を別に設けたり付勢部材を別に設ける必要がない。また、音出しピンがハンドル軸に形成された外周面に開口するガイド部に収納されているので、リールの軸方向や径方向の寸法の増加を招くことがない。このため、リールの小型化を図れかつ発音機構の構成を簡素化することができる。しかも、発音機構がドラグ操作部材とハンドル軸との間散る設けられているので、クランクアームをハンドル軸から外しても発音機構が分解しない。このため、ハンドル長さを調整しても発音機構の部品を紛失するおそれはない。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1において、本発明の一実施形態を採用した両軸受リールは、たとえば、5号の釣り糸を300m程度巻き付け可能な中型の丸型リールである。丸型リールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル組立体2と、ハンドル組立体2のリール本体1側に配置されたスタードラグ3とを備えている。なお、この両軸受リールは、レベルワインド機構は有していない。
【0017】
リール本体1には、スプール15が回転自在に装着されている。リール本体1は、竿取付脚4を介して釣り竿RDに装着され得る。リール本体1は、図2に示すように、所定の間隔をあけて配置された左右1対の側板10,11と側板10,11を連結する複数の支持部材12とを有するフレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1カバー13及び第2カバー14と、第2カバー14に装着された機構装着板16とを有している。機構装着板16は側板11に接触して配置され、機構装着板16と第2カバー14との間には、後述する各種機構を収納するための空間が形成されている。
【0018】
フレーム5はダイキャスト成形により得られ、第2側カバー14は、金属薄板をプレス成形して得られる。1対の側板10,11及び第1カバー13は、それぞれ側面から見て円形をなしており、外周面はたとえば旋盤等を用いて機械加工されている。第2カバー14及び機構装着板15は、図2に示すように、側面から見て円形の一部が径方向に突出した形状である。第2側カバー14は、ハンドル軸30(後述)の装着部分を中心に軸方向外方にも膨出している。
【0019】
支持部材12は、両側板10,11の外周に沿う形状で両側板10,11と一体で形成された板状の部材であり、たとえばリール本体1の後部と下部と上部との3か所で1対の側板10,11を連結している。このように側板10,11と複数の支持部材12とを一体で形成することで、リール本体1に大きな荷重が作用しても撓み等の変形が生じがたく、巻上げ効率の低下が抑制される。この支持部材12の外周部も側板10,11及び第1カバー13と一体で機械加工されている。
【0020】
下部の支持部材12には竿取付脚4が固定されている。竿取付脚4は、フレーム5の側板10,11間の中心位置に沿って配置されている。この中心位置は、スプール15の糸巻取部の中心位置でもある。後部の支持部材12には、リールを釣り竿とともに保持するための合成樹脂製のサムレスト17が装着されている。
【0021】
サムレスト17は、支持部材12の上部と後部とに接するように形成され、かつ後部が側板10,11から径方向外方、つまり後方に突出している。サムレスト17の上面後部は、下方に凸に湾曲しながら傾斜している。また、サムレスト17の上面後部の左端及び右端は、後方への突出量が左側にいくにつれて徐々に減少している。
【0022】
このような形状のサムレスト17を設け、このサムレスト17にたとえば左手の親指を置いて他の指で釣り竿RDをつかみ釣り竿RDとともにリールを握ることで、バーチカルジギング時等に釣り竿RDをリールとともに確実に保持できる。
ハンドル組立体2は、図1〜図3に示すように、ハンドル軸30の先端に回転不能に装着されたクランクアーム6と、クランクアーム6の一端にクランクアーム6の一端部と直交する軸回りに回転自在に装着されたハンドル把手7と、ハンドル把手7をクランクアーム6に回転自在に装着するための回転支持部8とを有している。
【0023】
ハンドル軸30の先端には、第1雄ネジ部30aと、第1雄ネジ部30aから基端側にかけて面取り部30bとが形成されている。また、第1雄ネジ部30aに隣接してそれより大径の第2雄ネジ部30cが形成されている。
ハンドル組立体2において、クランクアーム6のハンドル軸30装着部分が回転支持部8装着部分よりリール本体1から離反している。つまり、ハンドル把手7の基端部の回転平面がクランクアーム6のハンドル軸30への固定部分の回転平面よりリール本体1側に接近している。
【0024】
クランクアーム6は、ハンドル軸30の径方向に延びる平板状の金属製の部材である。クランクアーム6は、ハンドル軸30に回転不能に装着されている。クランクアーム6の基端部には、図1及び図2に示すように、2つの取付孔6dが径方向に並べて配置されている。この2つの取付孔6dのいずれかでクランクアーム6はハンドル軸30の面取り部30bに回転不能に係止されており、第1雄ネジ部30aに螺合する固定ナット41によりハンドル軸30に着脱自在に固定されている。固定ナット41は、クランクアーム6にビス止めされたリテーナ42により回り止めされている。したがって、ハンドル組立体2は、ハンドル長さ(ハンドル軸30からハンドル把手7までの距離)を長短2段階に調節可能である。
【0025】
スタードラグ3は、図1及び図3に示すように、第2雄ネジ部30cに螺合してハンドル軸30の軸方向に移動し、ドラグ力を調整するための部材である。スタードラグ3は、放射状の複数のアーム部35aを有する、たとえばアルミニウム合金等の金属製の操作部35と、操作部35に回転不能に装着されたたとえばしんちゅう(黄銅)等の金属製のナット部36とを有している。ナット部36の内周面には、第2雄ネジ部30cに螺合する雌ネジ部36aが形成されている。ナット部36とハンドル軸30との間には発音機構34が設けられている。なお、操作部35とナット部36との接合部分では少なくともいずれかの接合面をメッキ処理している。これにより接合部分での電解腐食の発生を防止している。
【0026】
発音機構34は、図3及び図4に示すように、ハンドル軸30の第2雄ネジ部に形成されハンドル軸30の外周面に開口するガイド孔30dと、ガイド孔30dに進退自在に装着された音出しピン37と、ナット部36の内周面に形成された凹凸部36bと、ガイド孔30dに収納され音出しピン37を凹凸部36b側に付勢するコイルばね38とを有している。
【0027】
ガイド孔30dは、ハンドル軸30の軸方向と交差する径方向に沿って第2雄ネジ部30cが形成された外周面に開口するようにハンドル軸30に形成されている。
【0028】
凹凸部36bは、ナット部36の内周面に雌ネジ部36aと軸方向に並べて設けられている。凹凸部36bの軸方向長さは、ドラグ調整によりスタードラグ3が軸方向に移動しても常に音出しピン37の先端に接触可能な長さに形成されている。凹凸部36bは、雌ネジ部36aより大径の内周面に多数の円弧を周方向に沿って並べて形成した形状である。
【0029】
音出しピン37は、先端が半球状の頭部37aと、頭部より小径の軸部37bとを有している。頭部37aは、半球状の先端部37cと、先端部37cより大径でコイルばね38の先端が係止可能な円柱状の係止部37dとを有している。係止部37dの軸方向の中央部には、環状溝37e形成されている。ハンドル軸30には、ハンドル軸30の先端面からガイド孔30dに向けて治具挿通孔30eが形成されている。図4に示すように、この治具挿通孔30eに棒状の係止具39を挿入して先端を環状溝37eに係止することで、コイルばね38の付勢力に抗して音出しピン37の頭部37aをガイド孔30dに引っ込めた状態に維持できる。これによりスタードラグ3をハンドル軸30に組み付けやすくなる。また、頭部37aの先端部37cが小径なため、凹凸部36bの凹凸間隔を小さくすることができ、発生するクリック音の間隔が短くなる。
【0030】
コイルばね38は、軸部37bの外周側に配置され、先端が係止部37dと軸部37bとの段差部分に当接し、基端がガイド孔30dの底部に当接している。そして通常は、ガイド孔30d内に圧縮状態で装着されている。これにより、音出しピン37を常に凹凸部36b側に付勢している。
ここでは、凹凸部36bがスタードラグ3の内周面に設けられているので、音出しのための部品を別に設けたりその部材を付勢する部材を別に設ける必要がない。また、音出しピン37がハンドル軸30に形成されたガイド孔30dに収納されているので、リールの軸方向や径方向の寸法の増加を招くことがない。このため、リールの小型化を図れかつ発音機構の構成を簡素化することができる。
【0031】
スプール15は、図2に示すように、1対の側板10,11間に回転自在に配置されている。スプール15は、糸巻胴部15aと、糸巻胴部15aの両端に一体で形成されたフランジ部15bとを有している。スプール15の中心にはスプール軸25が貫通して固定されている。スプール軸25は第1カバー13及び機構装着板16に軸受26a,26bを介して回転自在に支持されている。
【0032】
機構装着板16と第2カバー14の間の空間には、ハンドル組立体2からのトルクをスプール15に伝えるための回転伝達機構20と、回転伝達機構20内に設けられたクラッチ機構21と、クラッチ機構21をオンオフ操作するためのクラッチ操作機構22とが配置されている。
回転伝達機構20は、スプール15からハンドル組立体2側にトルクが逆に伝達された場合のトルクを規制するための回転制御機構23を含んでいる。また、側板11の中心部には糸繰り出し方向に自由回転するスプール15を制動するための遠心ブレーキ機構24が配置されている。側板10の外側で第1カバー13内には、スプール15回転時に発音させる発音機構や根がかりしたとき等にスプール15を完全にロックして糸切れしやすくするためのロック機構等が配置されている。
【0033】
回転伝達機構20は、一端にハンドル組立体2が固定されたハンドル軸30と、ハンドル軸30の他端に回転制御機構23を介して連結されたメインギア31と、メインギア31に噛み合うピニオンギア32とを有している。
ハンドル軸30は、スプール軸25と平行に配置されており、一端側が機構装着板16に回転自在に支持されている。メインギア31は、ハンドル軸30の一端側に回転制御機構23を介して相対回転不能に連結することが可能である。このような構成では、クラッチ機構21がオンされた状態では、ハンドル組立体2からのトルクがスプール15に直接伝達される。
【0034】
クラッチ機構21は、スプール軸25の外周部にスライド自在に装着された筒状のピニオンギア32と、ピニオンギア32の一部に配置された係合溝32aとスプール軸25に配置されたピン33とを有している。スプール軸25に沿ってピニオンギア32を摺動させて、係合溝32aをピン33と係合すれば、スプール軸25とピニオンギア32との間で回転力が伝達される。この状態が連結状態(クラッチオン状態)である。係合溝32aとピン33の係合を外せば、スプール軸25とピニオンギア32との間で回転力は伝達されない。この状態が遮断状態(クラッチオフ状態)である。クラッチオフ状態では、スプール15は自由に回転する。ピニオンギア32は、クラッチ操作機構22により係合溝32aとピン33とが係合する方向すなわちクラッチオン状態に付勢されている。
【0035】
回転制御機構23は、ハンドル軸30を糸巻取方向にのみ回転させる(糸繰り出し方向の回転を禁止する)ローラ型のワンウェイクラッチ機構55と、スプール15の糸繰り出し方向の回転に対して設定したドラグ力を作用させるためのドラグ機構57と、ハンドル軸30を糸巻取方向にのみ回転させる爪式のラチェット機構59とを有している。ドラグ機構57は、スタードラグ3によりドラグ力を調整される。ドラグ機構57は、スタードラグ3とメインギア31との間に配置された複数の摩擦ディスクを有している。
【0036】
なお、ハンドル軸30の逆転(糸繰り出し方向の回転)を禁止するだけであれば、ラチェット機構59のみを設けてワンウェイクラッチ機構55を省いてもよい。しかし、ラチェット機構59は、ラチェット爪がラチェットホイールに噛み合ったり外れたりする動作にある程度の時間がかかる。釣りの動作に要求される迅速で滑らかな逆転禁止動作を果たすには、前記のようなローラ型のワンウェイクラッチ機構55が好ましく、ワンウェイクラッチ機構55では負担できないような過大な力をラチェット機構59で負担することが有効である。 クラッチ操作機構22は、リール本体1の第2カバー14に連結姿勢と遮断姿勢との間で揺動自在に装着されたクラッチレバー40を備えている。
【0037】
次に、釣用リールの使用時におけるリールの動作について説明する。
釣りを行う前にドラグ力を調整する。ドラグ力を調整する場合には、目標とする魚と同程度の重さを有する重りやばねばかりを釣り糸の先端に連結し、ばねばかりや重りを引っ張って所望のドラグ力が発生するようにスタードラグ3を回転させる。スタードラグ3を回転させると、ハンドル軸30との螺合によりスタードラグ3がハンドル軸30の軸方向に移動し、ドラグ機構57の摩擦ディスクを介してメインギア31を押圧するドラグ力が変化する。また、スタードラグ3を回転させると、凹凸部36bとハンドル軸30とが相対回転するので、音出しピン37が凹凸部36bとの衝突を繰り返しクリック音を発生する。
【0038】
釣り糸を繰り出す時には、クラッチレバー40によりクラッチ機構21をクラッチオフ状態にする。これによりスプール15が自由回転状態になり、ジグ(仕掛け)の自重によりスプール15が糸繰り出し方向に回転し、釣り糸がスプール15から繰り出される。ジグが海底に到達するとハンドル組立体2を糸巻取方向に回転させてバーチカルジギングを開始する。ハンドル組立体2を糸巻取方向に回転させると図示しないクラッチリターン機構によりクラッチオン状態になる。
【0039】
バーチカルジギングを行うときには、たとえば、左の脇に釣り竿RDの図示しない後端部を挟み、リール本体1の後部に固定されたサムレスト17に左手の親指を置き、残りの指で釣り竿を掴んでリールと釣り竿RDとを保持し、左手で釣り竿RDをしゃくりつつ右手でハンドル組立体2のハンドル把手7をつまみ、高速でハンドル軸30を回す動作を繰り返す。 ハンドル組立体2を糸巻取方向に回転させると、ハンドル組立体2の回転がハンドル軸30からワンウェイクラッチ機構55、ドラグ機構57を介してメインギア31にそのまま伝達される。このときクラッチ機構21はオン状態のため、メインギア31の回転はピニオンギア32からスプール15に伝達されて、釣り糸が巻き上げられる。このとき、ワンウェイクラッチ機構55及びラチェット機構59では、回転が糸巻取方向であるので回転を許容する。
【0040】
魚の引きなどで釣り糸が繰り出される際には、スプール15の回転がメインギア31に伝達され、ドラグ機構57を介してハンドル軸30およびワンウェイクラッチ機構5に伝わる。ワンウェイクラッチ機構55ではハンドル軸30の逆転が禁止される。魚の引きが弱ければ、スプール15は回転せず釣糸が引き出されることもない。そして、魚の引きが強くなりスプール15の回転力が大きくなると、伝達される回転力がドラグ機構57の設定回転抵抗力を超える。すると、ドラグ機構57滑りが生じるので、メインギア31を含むスプール15側は回転を始める。このとき、スプール15には常にドラグ機構57から一定の抵抗力すなわちドラグ力が作用する。
【0041】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、音出しピンを頭部と軸部とで構成したが、頭部だけで構成してもよい。この場合、頭部を球状のボールだけで構成してもよい。
(b) 前記実施形態では、操作部35とナット部とを別体で構成したが、操作部35とナット部36とを金属又は樹脂で一体で形成してもよい。ただし、歯切れがよいクリック音を出したい場合には、ナット部36は金属製が好ましい。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、凹凸部がドラグ操作部材の内周面に設けられているので、凹凸を有する音出しのための部品を別に設けたり付勢部材を別に設ける必要がない。また、音出しピンがハンドル軸に形成された外周面に開口するガイド部に収納されているので、リールの軸方向や径方向の寸法の増加を招くことがない。このため、リールの小型化を図れかつ発音機構の構成を簡素化することができる。
【0043】
また、このハンドル長さを調整可能な両軸受リールでは、ハンドル長さを変更する際に、発音機構が分解せず、発音機構の部品を紛失するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。
【図2】その断面図。
【図3】ドラグ機構の断面図。
【図4】図3のIV−IV断面図。
【符号の説明】
1 リール本体
2 ハンドル組立体
3 スタードラグ
30 ハンドル軸
30c 第2雄ネジ部
30d 凹凸部
30e 治具挿通孔
34 発音機構
35 操作部
36 ナット部
36a 雌ネジ部
36b 凹凸部
37 音出しピン
37a 頭部
37b 軸部
37c 先端部
37d 係止部
37e 環状溝
38 コイルばね

Claims (7)

  1. リール本体に回転自在に装着されたハンドル軸と前記ハンドル軸に相対回転自在に装着されたドラグ操作部材との相対回転により発音する両軸受リールの発音機構であって、
    前記ハンドル軸の軸方向と交差する方向に沿って外周面に開口するように前記ハンドル軸に形成されたガイド部と、
    前記ガイド部に進退自在に装着された音出しピンと、
    前記開口に面する前記ドラグ操作部材の内周面に周方向に沿って形成された凹凸部と、
    前記ガイド部に収納され前記音出しピンを前記凹凸部側に付勢する付勢部材と、
    を備えた両軸受リールの発音機構。
  2. 前記ハンドル軸の前記ドラグ操作部材に対向する外周面には雄ネジ部が形成されており、
    前記ドラグ操作部材は、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有するナット部を有し、
    前記凹凸部は、前記ドラグ操作部材のナット部の内周面に前記雌ネジ部と軸方向に並べて設けられている、請求項1に記載の両軸受リールの発音機構。
  3. 前記音出しピンは、先端が半球状の頭部と、前記頭部より小径の軸部とを有する、請求項1又は2に記載の両軸受リールの発音機構。
  4. 前記付勢部材は、前記軸部の外周側に配置されたコイルばねである、請求項3に記載の両軸受リールの発音機構。
  5. 前記頭部には、係止凹部が形成されており、
    前記ハンドル軸には、先端面から前記ガイド部に向けて軸方向に沿って形成された治具挿通孔が形成されている、請求項3又は4に記載の両軸受リールの発音機構。
  6. 前記頭部は、
    先端が半球状の先端部と、前記先端部より大径で前記付勢部材が係止可能な係止部とを有し、
    前記係止凹部は、前記係止部に形成された環状溝である、請求項5に記載の両軸受リールの発音機構。
  7. 釣り竿に装着され、前記釣り竿の長手方向と交差する軸回りに釣り糸を巻き取る両軸受リールであって、
    前記釣り竿に装着されるリール本体と、
    前記リール本体に回転自在に支持され一端が外方に突出するハンドル軸と、
    先端が前記ハンドル軸の径方向外方に延び径方向長さを変更可能に前記ハンドル軸に着脱自在に固定されたクランクアームと、前記クランクアームの先端に装着された回転支持部と、前記回転支持部に装着されたハンドル把手とを有するハンドル組立体と、
    前記リール本体に回転自在に装着されたスプールと、
    前記ハンドル組立体の回転を前記スプールに伝達するための回転伝達機構と、
    前記回転伝達機構に設けられ、前記スプールの糸繰り出し方向の回転を制動するドラグ機構と、
    前記ドラグ機構を操作するために前記ハンドル軸に装着されたドラグ操作部材と、
    前記ハンドル軸とドラグ操作部材との間に設けられた、請求項1から6のいずれかに記載の発音機構と、
    を備えた両軸受リール。
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