JP2002121392A - 湿気硬化型組成物の硬化促進剤及び硬化促進方法 - Google Patents

湿気硬化型組成物の硬化促進剤及び硬化促進方法

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JP2002121392A
JP2002121392A JP2000310901A JP2000310901A JP2002121392A JP 2002121392 A JP2002121392 A JP 2002121392A JP 2000310901 A JP2000310901 A JP 2000310901A JP 2000310901 A JP2000310901 A JP 2000310901A JP 2002121392 A JP2002121392 A JP 2002121392A
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curing
curing accelerator
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Takahiro Futamura
高博 二村
Masaya Kobayashi
正也 小林
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿気硬化型組成物を均一且つ速やかに湿気硬
化させ得るので、硬化後の湿気硬化型組成物中に部分的
な硬化不十分の箇所を生じることがなく、従って優れた
接着性能を発現する接合体を得ることが可能であり、且
つ、嵩張ったり、比重が重くなることもないので、取扱
い性や作業性も良好な湿気硬化型組成物の硬化促進剤、
及び、その硬化促進剤を用いる湿気硬化型組成物の硬化
促進方法を提供する。 【解決手段】 分子内に活性水素基を有する物質からな
る湿気硬化型組成物の硬化促進剤、または、分子内に活
性水素基を有する物質が有機溶剤中に溶解もしくは分散
されてなる湿気硬化型組成物の硬化促進剤、及び、分子
内に活性水素基を有する物質が水であり、有機溶剤が親
水性有機溶剤である上記硬化促進剤、並びに、上記硬化
促進剤を用いる湿気硬化型組成物の硬化促進方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿気硬化型組成物
の硬化促進剤及びその硬化促進剤を用いる湿気硬化型組
成物の硬化促進方法に関する。
【0002】
【従来の技術】湿気硬化型組成物は、1液型なので塗布
作業時や充填作業時に取扱い易く、湿気硬化後はバラン
スの良い性能を発現するので、接着剤、シーリング剤、
プライマー(下塗り剤)、塗料、コーティング剤、ライ
ニング剤等として幅広く使用されている。
【0003】特に、1液型のウレタン系湿気硬化型組成
物は、上記作業性が簡便であり、且つ、硬化後は優れた
接着力や弾力性等のバランスの良い性能を発現するの
で、従来から一般的に使用されてきたゴム系溶剤型組成
物や2液混合型のエポキシ系組成物等に代わり、接着剤
やシーリング剤等として幅広く使用されており、例え
ば、建築や土木等に現場においては、床材、壁パネル
材、天井材等の現場施工用接着剤やシーリング剤等とし
て、その需要を拡大しつつある。
【0004】ところが、1液型のウレタン系湿気硬化型
組成物に代表される湿気硬化型組成物は、被着体中の水
分や雰囲気中の湿気と反応して硬化するものであるた
め、湿気の少ない雰囲気中で使用される場合や、水分を
殆ど含有せず接合面の湿気硬化型組成物層に湿気を殆ど
供給しない金属やプラスチック等の難透湿性材料が被着
体である場合には、湿気硬化反応が十分に進行せず、特
に接合体の中央部近傍に位置する湿気硬化型組成物は容
易に硬化しないという問題点がある。
【0005】このような問題点に対応するため、例え
ば、特開平11−92729号公報では、硬化促進剤と
して結晶水を有する無機化合物を用い、この硬化促進剤
を1液型の湿気硬化型組成物に添加してなる1液型の湿
気硬化型組成物が開示されている。
【0006】しかし、上記開示にある1液型の湿気硬化
型組成物の場合、硬化促進剤として添加される無機化合
物中の結晶水のみが湿気硬化反応に利用されるため、多
量の無機化合物を添加しないと十分に湿気硬化反応を進
行させることが出来ず、硬化促進剤そのものやそれが添
加された湿気硬化型組成物が、嵩張ったり、比重が重く
なるという問題点がある。
【0007】また、結晶水を有する無機化合物(無機化
合物の水和物)は一般的に顆粒状や粉末状の固形物であ
るため、湿気硬化型組成物中に均一に分散させることが
難しく、結晶水は本質的には湿気硬化型組成物中で拡散
しないので、上記無機化合物の分散が不均一でムラがあ
ると、硬化後の湿気硬化型組成物中に部分的な硬化不十
分の箇所が生じるという問題点もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、湿気硬化型組成物を均一且つ速やかに湿
気硬化させ得るので、硬化後の湿気硬化型組成物中に部
分的な硬化不十分の箇所を生じることがなく、従って優
れた接着性能を発現する接合体を得ることが可能であ
り、且つ、嵩張ったり、比重が重くなることもないの
で、取扱い性や作業性も良好な湿気硬化型組成物の硬化
促進剤、及び、その硬化促進剤を用いる湿気硬化型組成
物の硬化促進方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よる湿気硬化型組成物の硬化促進剤(以下、単に「硬化
促進剤」と略記する)は、分子内に活性水素基を有する
物質からなることを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の発明による硬化促進剤
は、分子内に活性水素基を有する物質が有機溶剤中に溶
解もしくは分散されてなることを特徴とする。
【0011】また、請求項3に記載の発明による硬化促
進剤は、上記請求項1または請求項2に記載の硬化促進
剤において、分子内に活性水素基を有する物質が水であ
ることを特徴とする。
【0012】また、請求項4に記載の発明による硬化促
進剤は、上記請求項2または請求項3に記載の硬化促進
剤において、有機溶剤が親水性有機溶剤であることを特
徴とする。
【0013】また、請求項5に記載の発明による硬化促
進剤は、請求項1または請求項2に記載の硬化促進剤に
おいて、分子内に活性水素基を有する物質がポリビニル
アルコールと揮発性物質との混合物であることを特徴と
する。
【0014】また、請求項6に記載の発明による硬化促
進剤は、請求項1〜5に記載の硬化促進剤において、イ
ミダゾール系触媒もしくはモルフォリン系触媒を含有す
ることを特徴とする。
【0015】請求項7に記載の発明による湿気硬化型組
成物の硬化促進方法(以下、単に「硬化促進方法」と略
記する)は、上記請求項1〜6のいずれかに記載の硬化
促進剤を用いることを特徴とする。
【0016】本発明の硬化促進剤及び硬化促進方法は、
特に限定されるものではないが、例えば、ウレタン系湿
気硬化型組成物、シリコーン系湿気硬化型組成物、変成
シリコーン系湿気硬化型組成物、シアノアクリレート系
湿気硬化型組成物等の従来公知の1液型の湿気硬化型組
成物に対して好適に適用され得るが、なかでも1液型の
ウレタン系湿気硬化型組成物に対して特に好適に適用さ
れ得る。
【0017】本発明の硬化促進剤に用いられる分子内に
活性水素基を有する物質としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、水や、分子内にヒドロキシル基や
アミノ基などの活性水素基を含有する官能基を有する物
質等が挙げられ、好適に用いられる。これらの分子内に
活性水素基を有する物質は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0018】分子内にヒドロキシル基を有する物質とし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、テトラメチレングリコール、グリセリン、フェ
ノール、クレゾール等や、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、ベンジルアルコールなどのアルコール類等が挙げら
れ、好適に用いられる。これらの分子内にヒドロキシル
基を有する物質は、単独で用いられても良いし、2種類
以上が併用されても良い。
【0019】また、分子内にアミノ基を有する物質とし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、エチル
アミン、プロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、アニリン等が挙げ
られ、好適に用いられる。これらの分子内にアミノ基を
有する物質は、単独で用いられても良いし、2種類以上
が併用されても良い。
【0020】本発明においては、上記分子内に活性水素
基を有する物質のなかでも、安全性や取扱い性に優れ、
安価でもあることから、水が特に好適に用いられる。上
記水は、単独で用いられても勿論良いし、水以外の分子
内に活性水素基を有する物質の1種もしくは2種以上と
併用されても良い。
【0021】上記分子内に活性水素基を有する物質の形
態は、特に限定されるものではなく、常温で液体状、半
固形状、固形状等のいずれの形態であっても良い。
【0022】分子内に活性水素基を有する物質が常温で
液体状である場合、そのままの状態で硬化促進剤として
用いても良いが、塗布作業や塗布量調節を容易にするた
めに、上記液体状の物質を有機溶剤中に溶解もしくは分
散させた溶液もしくは分散液の状態で硬化促進剤として
用いることが好ましい。また、分子内に活性水素基を有
する物質が常温で半固形状や固形状である場合、加熱溶
融した状態で硬化促進剤として用いても良いが、塗布作
業や塗布量調節を容易にするために、上記半固形状や固
形状の物質を有機溶剤中に溶解もしくは分散させた溶液
もしくは分散液の状態で硬化促進剤として用いることが
好ましい。
【0023】上記有機溶剤としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、シク
ロヘキサノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素類、シクロヘキサンなどの
脂環族炭化水素類;ノルマルヘキサンなどの脂肪族炭化
水素類;蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;ジエチル
エーテル、プロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチ
レングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテルなどのエーテル類;ジクロロメタン、テトラヒド
ロフラン等が挙げられ、好適に用いられる。これらの有
機溶剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併
用されても良い。
【0024】本発明においては、上記有機溶剤のなかで
も、ケトン類、エチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、テトラヒドロフランなどの
ような親水性有機溶剤が特に好適に用いられる。硬化促
進剤として、前記分子内に活性水素基を有する物質を親
水性有機溶剤中に溶解もしくは分散させた溶液もしくは
分散液を用いることにより、分子内に活性水素基を有す
る物質と親水性有機溶剤との相乗効果により、湿気硬化
型組成物の硬化促進効果は著しく向上する。
【0025】前記分子内に活性水素基を有する物質と有
機溶剤との混合割合は、分子内に活性水素基を有する物
質の種類や組成、有機溶剤の種類や組成、硬化促進剤に
付与したい硬化促進効果のレベルや粘度、固形分、乾燥
速度等に応じて適宜設定されれば良く、特に限定される
ものではない。
【0026】また、本発明による硬化促進剤は分子内に
活性水素基を有する物質が揮発性物質である場合はポリ
ビニルアルコールと混合されていることが好ましい。ポ
リビニルアルコールは揮発性物質の蒸発を抑える働きが
あり揮発性物質であっても長い間硬化促進効果を持続さ
せることができる。なお、鹸化度が40モル%以上のポ
リビニルアルコールであると比較的高い親水性を示し、
水への溶解性や保湿性にも優れているので特に好まし
い。
【0027】特に、水とポリビニルアルコールとが混合
されている場合が好ましく、ポリビニルアルコールが水
100重量部に対して0.1〜10重量部含有されてい
ることが好ましい。ポリビニルアルコールが0.1重量
部未満であると十分な保湿性が得られにくく、10重量
部を超えると接着面の密着性が悪くなる可能性がある。
【0028】また、本発明の硬化促進剤には硬化促進効
果をさらに高めるためにイミダゾール系触媒もしくはモ
ルフォリン系触媒が含有されてあってもよい。イミダゾ
ール系触媒としては例えば、1−シアノエチル−2−メ
チルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミ
ダゾール、1−シアノエチル−2−ヘキシルイミダゾー
ル、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダ
ゾールなどがあげられ、モルフォリン系触媒としては例
えば、2,2’−ジモルフォリノジエチルエーテル、ジ
(2,6−ジメチルモルフォリノエチル)エーテル、ビ
ス{2−(2,6−ジメチル−4−モルフォリノ)エチ
ル}−{2−(4−モルフォリノ)エチル}アミン、ビ
ス{2−(2,6−ジメチル−4−モルフォリノ)エチ
ル}−{2−(2,6−エチル−4−モルフォリノ)エ
チル}アミン、トリス{2−(4−モルフォリノ)エチ
ル}アミン、トリス{2−(4−モルフォリノ)プロピ
ル}アミン、トリス{2−(4−モルフォリノ)ブチ
ル}アミン、トリス{2−(2,6−ジメチル−4−モ
ルフォリノ)エチル}アミン、トリス{2−(2,6−
ジエチル−4−モルフォリノ)エチル}アミン、トリス
{2−(2−エチル−4−モルフォリノ)エチル}アミ
ン等があげられる。
【0029】イミダゾール系触媒の含有量は分子内に活
性水素基を有する物質100重量部に対して0.01〜
10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.
1〜5重量部である。なお、含有量が0.01重量部未
満であると硬化促進効果を十分に向上させることが難し
く、また10重量部を超えると含有量が増えても更なる
硬化促進効果が得られにくくなる。モルフォリン系触媒
の含有量は分子内に活性水素基を有する物質100重量
部に対して0.001〜1重量部であることが好まし
く、より好ましくは0.01〜0.5重量部である。な
お、含有量が0.001重量部未満であると硬化促進効
果を十分に向上させることが難しく、また1重量部を超
えると含有量が増えても更なる硬化促進効果が得られに
くくなる。
【0030】次に、本発明の硬化促進方法は、上述した
本発明の硬化促進剤を用いて行う。
【0031】本発明の硬化促進剤の使用方法は、特に限
定されるものではなく、例えば、接合すべき2つの被着
体の内の一方もしくは両方の被着体の接合面に先ず硬化
促進剤を塗布し、必要なら乾燥や冷却を行った後、上記
硬化促進剤が塗布された一方もしくは両方の被着体の接
合面に湿気硬化型組成物を塗布(湿気硬化型組成物が湿
気硬化型接着剤である場合)もしくは充填(湿気硬化型
組成物が湿気硬化型シーリング剤である場合)して、両
被着体の接合面を貼り合わせ、必要なら圧着することに
より、両被着体を接合する方法を採っても良いし、ま
た、接合すべき2つの被着体の内の一方もしくは両方の
被着体の接合面に先ず湿気硬化型組成物を塗布もしくは
充填した後、一方もしくは両方の被着体の接合面に塗布
もしくは充填された湿気硬化型組成物上に硬化促進剤を
塗布し、必要なら乾燥や冷却を行って、両被着体の接合
面を貼り合わせ、必要なら圧着することにより、両被着
体を接合する方法を採っても良い。
【0032】湿気硬化型組成物が湿気硬化型接着剤であ
る場合、接合すべき2つの被着体の内の一方の被着体の
接合面に硬化促進剤を塗布し、必要なら乾燥や冷却を行
うと共に、接合すべき2つの被着体の内の他方の被着体
の接合面に湿気硬化型組成物を塗布した後、両被着体の
接合面を貼り合わせ、必要なら圧着することにより、両
被着体を接合する方法を採ることが、接合体の中央部近
傍に位置する湿気硬化型組成物も深部まで十分に湿気硬
化させることが出来ると共に、作業性も簡便で良好なこ
とから、好ましい。
【0033】被着体の接合面に硬化促進剤を塗布する方
法は、特に限定されるものではなく、例えば、ロールコ
ーター、フローコーター、スプレー塗布機、ホットメル
トアプリケーター、ハンドガン等の通常の各種塗布装置
を用いて、常温下もしくは加熱下で、塗布を行えば良
い。
【0034】また、被着体の接合面に湿気硬化型組成物
を塗布もしくは充填する方法は、特に限定されるもので
はなく、例えば、ロールコーター、フローコーター、ス
プレー塗布機、ホットメルトアプリサーター、ハンドガ
ン等の通常の各種塗布装置を用いて、常温下もしくは加
熱下で、塗布もしくは充填を行えば良い。
【0035】さらに、硬化促進剤や湿気硬化型組成物が
塗布された両被着体を圧着する方法は、特に限定される
ものではなく、例えば、常温プレス(冷プレス)や加熱
プレス等の通常の各種圧着装置を用いて、常温下もしく
は加熱下で、両接合体の圧着を行えば良い。
【0036】本発明の硬化促進方法においては、上記硬
化促進剤の塗布や湿気硬化型組成物の塗布もしくは充填
に先立って、必要に応じて、接合すべき2つの被着体の
内の一方もしくは両方の被着体の接合面に予めプライマ
ーが塗布されていても良い。
【0037】上記プライマーとしては、特に限定される
ものではないが、例えば、ポリイソシアネート化合物、
ウレタンプレポリマー、ウレタン樹脂等を有機溶剤に溶
解してなるイソシアネート系溶剤型プライマーや、シラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウ
ムカップリング剤等を有機溶剤に溶解してなるカップリ
ング剤系溶剤型プライマー等が挙げられ、好適に用いら
れる。これらのプライマーは、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。また、一方の被着
体の接合面に塗布されるプライマーと他方の被着体の接
合面に塗布されるプライマーとは、同一のものであって
も良いし、異なるものであっても良く、被着体の種類や
硬化促進剤や湿気硬化型組成物の種類に応じて、適宜選
択されれば良い。
【0038】また、上記溶剤型プライマー中に前記分子
内に活性水素基を有する物質を溶解もしくは分散させて
なるプライマー兼硬化促進剤を用いても良く、このよう
なプライマー兼硬化促進剤を用いることにより、塗布工
程の短縮化を図ることが出来る。
【0039】上記プライマー兼硬化促進剤は、溶剤型プ
ライマーと分子内に活性水素基を有する物質とが反応性
を有しない場合には、予め両者を混合した1液型プライ
マー兼硬化促進剤として用いれば良く、また、溶剤型プ
ライマーと分子内に活性水素基を有する物質とが反応性
を有する場合には、使用直前に両者を混合する2液型プ
ライマー兼硬化促進剤として用いれば良い。
【0040】上記プライマー兼硬化促進剤の好ましい例
としては、特に限定されるものではないが、例えば、ノ
ルマルヘキサンを有機溶剤とするイソシアネート系溶剤
型プライマーと、分子内に活性水素基を有する物質とし
ての水と親水性有機溶剤としてのアセトンとからなる水
−アセトン系溶剤型硬化促進剤との混合物等が挙げら
れ、好適に用いられる。上記プライマー兼硬化促進剤
は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用され
ても良い。
【0041】被着体の接合面に上記プライマー兼硬化促
進剤を塗布する方法は、特に限定されるものではなく、
前記硬化促進剤の場合と同様の塗布方法で良い。また、
一方の被着体の接合面に塗布されるプライマー兼硬化促
進剤と他方の被着体の接合面に塗布されるプライマー兼
硬化促進剤とは、同一のものであっても良いし、異なる
ものであっても良く、被着体の種類や湿気硬化型組成物
の種類に応じて、適宜選択されれば良い。
【0042】(作用)本発明の硬化促進剤は、分子内に
活性水素基を有する物質そのものからなるか、または、
分子内に活性水素基を有する物質が有機溶剤中に溶解も
しくは分散されてなるので、湿気硬化型組成物を均一且
つ速やかに湿気硬化させ得る。特に、分子内に活性水素
基を有する物質として水を用い、有機溶剤として親水性
有機溶剤を用いることにより、湿気硬化型組成物に対す
る上記硬化促進効果は著しく優れたものとなる。また、
本発明の硬化促進剤は、無機化合物の水和物などを用い
ないので、嵩張ったり、比重が重くなることもない。
【0043】また、本発明の硬化促進方法は、被着体の
接合面に予め上記本発明の硬化促進剤を均一に塗布した
後に湿気硬化型組成物と接触させる方法を採るか、また
は、被着体の接合面に予め塗布もしくは充填された湿気
硬化型組成物上に上記本発明の硬化促進剤を均一に塗布
する方法を採るので、硬化後の湿気硬化型組成物中に部
分的な硬化不十分の箇所を生じることなく、接合体の中
央部近傍に位置する湿気硬化型組成物も深部まで十分に
湿気硬化させることが出来る。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0045】(実施例1)被着体としてL字状の形状を
有するジシクロペンタジエン樹脂成形品2個を用いた。
先ず、両方の成形品の接合面にイソシアネート系溶剤型
プライマー(商品名「エスダインプライマーP−KM
C」、積水化学工業社製)を塗布し、乾燥させて、プラ
イマー層を形成した。
【0046】次に、一方の成形品のプライマー層の上に
水50重量%及びアセトン50重量%からなる硬化促進
剤を塗布し硬化促進剤層を形成した。次いで、他方の成
形品のプライマー層の上に1液型のウレタン系湿気硬化
型接着剤(商品名「エスダインU−770」、積水化学
工業社製)を塗布した後、上記一方の成形品の硬化促進
剤層が形成された面と貼り合わせ、圧着して、接合体を
作製した。
【0047】(実施例2)被着体としてL字状の形状を
有するジシクロペンタジエン樹脂成形品2個を用いた。
先ず、両方の成形品の接合面にイソシアネート系溶剤型
プライマー(商品名「エスダインプライマーP−KM
C」、積水化学工業社製)を塗布し、乾燥させて、プラ
イマー層を形成した。
【0048】次に、水50重量%及びアセトン50重量
%からなる分子内に活性水素基を有する物質100重量
部に対してイミダゾール系触媒(商品名「キュアゾール
2E4MZCN」、四国化成社製)を0.5重量部含有
させて調製した硬化促進剤を、一方の成形品のプライマ
ー層の上に適量を塗布し硬化促進剤層を形成した。次い
で、他方の成形品のプライマー層の上に1液型のウレタ
ン系湿気硬化型接着剤(商品名「エスダインU−77
0」、積水化学工業社製)を塗布した後、上記一方の成
形品の硬化促進剤層が形成された面と貼り合わせ、圧着
して、接合体を作製した。
【0049】(実施例3)イミダゾール系触媒(商品名
「キュアゾール2E4MZCN」、四国化成社製)を
0.5重量部に代えてモルフォリン系触媒(商品名「U
−CAT165M」、サンアプロ社製)を用いたこと以
外は実施例2と同様にして接合体を作製した。
【0050】(比較例1)一方の成形品のプライマー層
の上に硬化促進剤層を形成しなかったこと以外は実施例
の場合と同様にして、接合体を作製した。
【0051】(比較例2)水50重量%及びアセトン5
0重量%からなる硬化促進剤に代えてアセトン100重
量部に対してモルフォリン系触媒(商品名「U−CAT
165M」、サンアプロ社製)を0.05重量部含有さ
せて調製した硬化促進剤を用いたこと以外は実施例の場
合と同様にして接合体を作製した。
【0052】実施例1〜3及び比較例1、2で得られた
接合体を5℃−45%RHの雰囲気下で16時間養生し
た後、20℃−65%RHの雰囲気下で、引張り試験機
を用いて引張り速度5mm/分でT型剥離試験を行い、
T形剥離強度を測定した。また、破壊状態を目視で観察
して未硬化部分の有無を確認した。その結果は表1及び
表2に示すとおりであった。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表1から明らかなように、本発明の硬化促
進剤を用いて本発明の硬化促進方法により作製した実施
例1〜3の接合体は、ウレタン系湿気硬化型接着剤が接
合体の中央部まで完全に硬化していた。また、T形剥離
強度が高く、破壊状態も100%凝集破壊であり、優れ
た接着性能を発現した。
【0056】これに対し、本発明の硬化促進剤を用いる
ことなく作製した比較例1、2の接合体は、接合体の中
央部に位置するウレタン系湿気硬化型接着剤が未硬化で
あった。また、T形剥離強度が低く、破壊状態も界面剥
離と凝集破壊とが半々ずつ混在しており、接着性能が劣
っていた。
【0057】(実施例4)被着体としてL字状の形状を
有するジシクロペンタジエン樹脂成形品2個を用いた。
先ず、両方の成形品の接合面にイソシアネート系溶剤型
プライマー(商品名「エスダインプライマーP−KM
C」、積水化学工業社製)を塗布し、乾燥させて、プラ
イマー層を形成した。
【0058】次に、一方の成形品のプライマー層の上に
水50重量%及びアセトン50重量%からなる硬化促進
剤を塗布し5分もしくは15分間そのまま放置した。次
いで、この放置時間を利用して他方の成形品のプライマ
ー層の上に1液型のウレタン系湿気硬化型接着剤(商品
名「エスダインU−770」、積水化学工業社製)を塗
布した後、放置時間に達した時点で接着剤面と硬化促進
剤層が形成された面と貼り合わせ、圧着して、接合体を
作製した。なお、放置時間を15分間とした場合はウレ
タン系湿気硬化型接着剤の塗り置き時間が長くならない
ように貼り合わせる5分前に塗布を行った。
【0059】(実施例5)水50重量%及びアセトン5
0重量%からなる硬化促進剤に代えて水50重量%及び
アセトン50重量%からなる分子内に活性水素基を有す
る物質100重量部に対してポリビニルアルコール(商
品名「ゴーラセンL−3166」、鹸化度87.5モル
%、日本合成化学工業社製)を0.5重量部含有させて
調製した硬化促進剤を用いたこと以外は実施例4と同様
にして接合体を作製した。
【0060】実施例4、5で得られた接合体を5℃−4
5%RHの雰囲気下で16時間養生した後、20℃−6
5%RHの雰囲気下で、引張り試験機を用いて引張り速
度5mm/分でT型剥離試験を行い、T形剥離強度を測
定した。また、破壊状態を目視で観察して未硬化部分の
有無を確認した。その結果は表3に示すとおりであっ
た。
【0061】
【表3】
【0062】表3から明らかなように、本発明の硬化促
進剤を用いて本発明の硬化促進方法により作製した実施
例4の接合体は放置時間(オープンタイム)を長くとる
と硬化促進剤の働きが弱まり一部界面破壊が現れたが、
水が保水性に優れるポリビニルアルコールと混合された
実施例5の接合体ではオープンタイムを長くとっても優
れた接着性能を発現した。
【0063】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の硬化促進剤
は、湿気硬化型組成物を均一且つ速やかに湿気硬化させ
得るので、硬化後の湿気硬化型組成物中に部分的な硬化
不十分の箇所を生じることがなく、従って優れた接着性
能を発現する接合体を得るに適する。また、本発明の硬
化促進剤は、嵩張ったり、比重が重くなることもないの
で、取扱い性や作業性も良好であり、各種湿気硬化型組
成物用の硬化促進剤として好適に用いられる。
【0064】また、上記本発明の硬化促進剤を用いて行
う本発明の硬化促進方法によれば、接合体の中央部近傍
に位置する湿気硬化型組成物も深部まで十分に湿気硬化
させることが出来るので、優れた接着性能を発現する接
合体を簡便且つ容易に得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BE021 DE027 EA018 EA058 EC037 EC047 EC057 ED028 EE038 EH038 EH158 EJ027 EN027 EN037 EN047 EN067 EU116 EU236 FD147 FD156 FD208 GH00 GJ01 HA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に活性水素基を有する物質からな
    ることを特徴とする湿気硬化型組成物の硬化促進剤。
  2. 【請求項2】 分子内に活性水素基を有する物質が有機
    溶剤中に溶解もしくは分散されてなることを特徴とする
    湿気硬化型組成物の硬化促進剤。
  3. 【請求項3】 分子内に活性水素基を有する物質が水で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    湿気硬化型組成物の硬化促進剤。
  4. 【請求項4】 有機溶剤が親水性有機溶剤であることを
    特徴とする請求項2または請求項3に記載の湿気硬化型
    組成物の硬化促進剤。
  5. 【請求項5】 分子内に活性水素基を有する物質がポリ
    ビニルアルコールと揮発性物質との混合物であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の湿気硬化型
    組成物の硬化促進剤。
  6. 【請求項6】 イミダゾール系触媒もしくはモルフォリ
    ン系触媒を含有することを特徴とする請求項1〜5に記
    載の湿気硬化型組成物の硬化促進剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の湿気硬
    化型組成物の硬化促進剤を用いることを特徴とする湿気
    硬化型組成物の硬化促進方法。
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