JP2002121234A - 変性エチレン系重合体及びその製造方法 - Google Patents
変性エチレン系重合体及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2002121234A JP2002121234A JP2000313365A JP2000313365A JP2002121234A JP 2002121234 A JP2002121234 A JP 2002121234A JP 2000313365 A JP2000313365 A JP 2000313365A JP 2000313365 A JP2000313365 A JP 2000313365A JP 2002121234 A JP2002121234 A JP 2002121234A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- ethylene
- anhydride
- carboxylic acid
- unsaturated carboxylic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Abstract
チレン系重合体、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 エチレン系重合体と不飽和カルボン酸若
しくはその無水物をグラフト反応条件に付して得られた
変性エチレン系重合体であって、不飽和カルボン酸若し
くはその無水物単位の付加量が0.5〜2重量%、未反
応不飽和カルボン酸若しくはその無水物の含有量が30
ppm以下、且つ、変性エチレン系重合体を不飽和カル
ボン酸若しくはその無水物単位の付加量が0.25重量
%となるように未変性エチレン系重合体で希釈したとき
のフィッシュアイの量が30個/g以下である変性エチ
レン系重合体、及び、2箇所以上の原料供給口及び1箇
所以上のベント口を有する二軸押出機を用い、混練部に
おける重合体温度を200〜270℃として溶融混練
し、次いでベント口より脱揮処理を施す溶融押出する変
性エチレン系重合体の製造方法。
Description
若しくはその無水物変性エチレン系重合体、及びその製
造方法に関し、更に詳しくは、被着材に対する接着力に
優れると共に、表面外観にも優れた積層体を得ることが
できる、不飽和カルボン酸若しくはその無水物変性エチ
レン系重合体、及びその製造方法に関する。
ン系重合体等のオレフィン系重合体は、その優れた成形
加工性、機械的特性、水蒸気バリア性、耐薬品性、熱封
着性等を生かして各種の包装・容器用資材等として多用
されているが、酸素ガスや炭酸ガス等のガスバリア性
や、フレーバー性や保香性等の内容物保護性等が劣り、
又、印刷性や塗装性等にも劣るという欠点がある。
らの欠点を改良する方法として、ポリエステル系樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリアミド系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の
各種樹脂や、アルミニウム等の金属箔等を被着材とした
積層体の形態が採られており、その際、オレフィン系重
合体がこれらの被着材との接着性に劣ることから、オレ
フィン系重合体としては、不飽和カルボン酸若しくはそ
の無水物を付加し変性した変性オレフィン系重合体が用
いられている。
レフィン系重合体を溶融状態、溶液状態、或いは水性懸
濁状態として、不飽和カルボン酸若しくはその無水物と
共に、ラジカル発生剤の存在下にグラフト反応条件に付
すことにより製造する方法が知られているが、いずれの
方法によって得られる変性オレフィン系重合体も、不飽
和カルボン酸若しくはその無水物の付加効率が低く、よ
って、付加量も上がらず、一方、不飽和カルボン酸若し
くはその無水物の使用量やラジカル発生剤の使用量を多
くすることにより、付加量は上げ得るものの、未反応不
飽和カルボン酸若しくはその無水物の残存量が増えた
り、オレフィン系重合体のゲル化等に起因するフィッシ
ュアイ等が発生することとなり、更に、得られた変性オ
レフィン系重合体から未反応不飽和カルボン酸若しくは
その無水物等を除去する後処理法も知られているが、そ
れによってフィッシュアイの発生や色相の悪化等を伴う
ことも多く、従って、被着体に対する接着力及び表面外
観において、市場の要求を満足させ得る変性オレフィン
系重合体は得られていないのが現状である。
て、溶剤等を用いずに押出機等で混練することにより変
性を簡便に実施することができる前記溶融混練法におい
て、又、特に、オレフィン系重合体の中で、ラジカル発
生剤に対して分解型であって分子量の低下を伴うプロピ
レン系重合体より、架橋型であって分子量の低下がない
エチレン系重合体において、前記問題が顕著であった。
フィン系重合体を製造する方法として、前記溶融混練法
において、例えば、無水マレイン酸等の官能性モノマー
及びラジカル発生剤を含む溶融状態のオレフィン系重合
体に抗酸化剤を添加する方法(特開平7−216032
号公報参照。)、無水マレイン酸等のラジカル重合性モ
ノマー及びラジカル重合開始剤のいずれか一方を含む溶
融状態のオレフィン系重合体に他方を供給する方法(特
開平7−316239号公報参照。)、溶融状態のオレ
フィン系重合体に、溶剤に溶解させた不飽和カルボン酸
及びラジカル発生剤の溶液を供給する方法(特許第28
87747号公報参照。)等も提案されているが、本発
明者等の検討によると、いずれの方法も、ある程度の改
良は認められるものの、市場の要求を充分に満足させ得
る程には接着力と表面外観を改良し得ているものではな
いことが判明した。
技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、被着
材に対する接着力に優れると共に、表面外観にも優れた
積層体を得ることができる、不飽和カルボン酸若しくは
その無水物変性エチレン系重合体、及びその製造方法を
提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意検討した結果、不飽和カルボン酸若し
くはその無水物を、特定状態下のラジカル発生剤を含有
する溶融状態のエチレン系重合体に特定の形態で供給す
ることにより、前記目的を達成できることを見出し本発
明に到達したもので、即ち、本発明は、エチレン系重合
体と不飽和カルボン酸若しくはその無水物をグラフト反
応条件に付して得られた変性エチレン系重合体であっ
て、不飽和カルボン酸若しくはその無水物単位の付加量
が0.5〜2重量%、未反応不飽和カルボン酸若しくは
その無水物の含有量が30ppm以下、且つ、変性エチ
レン系重合体を不飽和カルボン酸若しくはその無水物単
位の付加量が0.25重量%となるように未変性エチレ
ン系重合体で希釈したときのフィッシュアイの量が30
個/g以下である変性エチレン系重合体、を要旨とす
る。
カルボン酸若しくはその無水物をラジカル発生剤の存在
下にグラフト反応条件に付して変性エチレン系重合体を
製造するにおいて、2箇所以上の原料供給口及び1箇所
以上のベント口を有する二軸押出機を用い、不飽和カル
ボン酸若しくはその無水物を、分解率が5〜70%とな
っているラジカル発生剤を含有するエチレン系重合体に
流体状で供給し、混練部における重合体温度を200〜
270℃として溶融混練することにより不飽和カルボン
酸若しくはその無水物をエチレン系重合体に付加させ、
次いでベント口より脱揮処理を施した後、エチレン系重
合体の押出機内の滞留時間を、前記重合体温度における
ラジカル発生剤の99.9%分解時間の3倍以上として
溶融押出する変性エチレン系重合体の製造方法、を要旨
とする。
は、エチレン系重合体と不飽和カルボン酸若しくはその
無水物をグラフト反応条件に付して得られたものであ
り、そのエチレン系重合体としては、例えば、エチレン
の単独重合体、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、
3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−デセン、1−オクタデセン等の炭素
数3〜18程度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、
(メタ)アクリル酸〔尚、ここで、「(メタ)アクリ
ル」とは、アクリル及びメタクリルを意味するものとす
る。〕、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体等
が挙げられ、具体的には、例えば、低・中・高密度ポリ
エチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレン単独重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブ
テン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重
合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、
エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプ
テン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共
重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル
酸メチル共重合体等のエチレン系樹脂、及び、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役
ジエン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチ
レン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体等のエチレン
系ゴム等が挙げられる。中で、本発明においては、分岐
状低密度エチレン単独重合体、又は直鎖状低密度エチレ
ン−α−オレフィン共重合体等の樹脂が好ましい。
7210に準拠して温度190℃、荷重21.18Nで
測定したメルトフローレートが0.01〜200g/1
0分のものが好ましく、0.1〜100g/10分のも
のが特に好ましい。
体としては、特に、エチレンと、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1
−デセン等の炭素数6〜12のα−オレフィンとからな
り、密度が0.850〜0.915g/cm3 、同上条
件でのメルトフローレートが0.01〜50g/10分
である直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体が好ま
しい。
ン共重合体としては、従来より汎用されているチーグラ
ー・ナッタ系触媒等の存在下に共重合されたものより、
メタロセン系触媒の存在下に共重合されたものであるの
が好ましい。
−オレフィン共重合体は、例えば、特開昭58−193
09号、同59−95292号、同60−35005
号、同60−35006号、同60−35007号、同
60−35008号、同60−35009号、同61−
130314号、特開平3−163088号の各公報、
欧州特許公開第420436号公報、米国特許第505
5438号明細書、及び国際公開WO91/04257
号公報等に記載されている、メタロセン系触媒、特にメ
タロセン・アルモキサン系触媒を用い、又は、例えば、
国際公開WO92/01723号公報等に記載されてい
る、メタロセン化合物と該化合物と反応して安定なアニ
オンとなる化合物からなる触媒を用い、例えば、気相
法、スラリー法、溶液法、高圧イオン重合法等の重合
法、中で好ましくは高圧イオン重合法によって製造する
ことができる。
水物としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸
等の不飽和カルボン酸、若しくはその無水物が挙げら
れ、中で、不飽和ジカルボン酸若しくはその無水物、特
にマレイン酸若しくはその無水物が好ましい。
ルボン酸若しくはその無水物のグラフト反応条件として
は、特に限定されるものではないが、後述するように、
エチレン系重合体の溶融状態下にラジカル発生剤の存在
下で溶融混練するものであるのが好ましい。
は、不飽和カルボン酸若しくはその無水物単位の付加量
が0.5〜2重量%、未反応不飽和カルボン酸若しくは
その無水物の含有量が30ppm以下、且つ、変性エチ
レン系重合体を不飽和カルボン酸若しくはその無水物単
位の付加量が0.25重量%となるように未変性エチレ
ン系重合体で希釈したときのフィッシュアイの量が30
個/g以下であることを必須とする。
の付加量が前記範囲未満、及び、未反応不飽和カルボン
酸若しくはその無水物の含有量が前記範囲超過では、変
性エチレン系重合体として被着材に対する接着力が劣る
こととなり、又、フィッシュアイの量が前記範囲超過で
は、変性エチレン系重合体として被着材に対する接着力
が劣ると共に、表面外観が不良となる。又、不飽和カル
ボン酸若しくはその無水物の付加量が前記範囲超過で
は、未反応不飽和カルボン酸若しくはその無水物の前記
範囲の含有量、又は/及び、フィッシュアイの前記範囲
の量を達成することが困難となる。
記エチレン系重合体と前記不飽和カルボン酸若しくはそ
の無水物をラジカル発生剤の存在下にグラフト反応条件
に付すことにより製造することができる。
の無水物の使用量は、前記エチレン系重合体100重量
部に対して、0.5〜20重量部とするのが好ましく、
0.8〜10重量部とするのが特に好ましい。不飽和カ
ルボン酸若しくはその無水物の使用量が前記範囲未満で
は、得られる変性エチレン系重合体における不飽和カル
ボン酸若しくはその無水物の付加量が不十分となって、
被着材に対する接着力が劣る傾向となり、一方、前記範
囲超過では、得られる変性エチレン系重合体における未
反応不飽和カルボン酸若しくはその無水物等の含有量が
多くなって、やはり被着材に対する接着力が劣る傾向と
なる。
ボン酸若しくはその無水物のエチレン系重合体に対する
付加反応性の面から、半減期1分となる温度(1分間半
減期温度)が150〜200℃の範囲にある有機過酸化
物が好ましく、具体的には、例えば、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド(1分間半減期温度193℃)、t−ブチ
ルクミルパーオキサイド(同178℃)、ジクミルパー
オキサイド(171℃)、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(同179℃)、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3(同193℃)等のジアルキルパーオ
キサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート(同15
9℃)、t−ブチルパーオキシラウレート(同165
℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(同166
℃)、ジ−t−ブチルジパーオキシフタレート(同15
9℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト(同158℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベ
ンゾイルパーオキシ)ヘキサン(同162℃)、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキ
シン−3(同162℃)等のパーオキシエステル類、メ
チルエチルケトンパーオキサイド(同171℃)、シク
ロヘキサノンパーオキサイド(同174℃)等のケトン
パーオキサイド類等が挙げられ、これらは2種以上が併
用されてもよい。
の混練温度(後述する混練部での重合体温度)におい
て、エチレン系重合体の滞留時間の0.1〜10倍の半
減期を有する有機過酸化物が好ましく、具体的には、例
えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキル
パーオキサイド類が特に好ましい。
は、前記エチレン系重合体100重量部に対して、0.
01〜20重量部とするのが好ましく、0.05〜10
重量部とするのが特に好ましい。ラジカル発生剤の使用
量が前記範囲未満では、得られる変性エチレン系重合体
における不飽和カルボン酸若しくはその無水物の付加量
が不十分となって、被着材に対する接着力が劣る傾向と
なり、一方、前記範囲超過では、得られる変性エチレン
系重合体中にゲル化等に起因するフイッシュアイ等が多
くなって、表面外観が不良となる傾向となる。
は、2箇所以上の原料供給口及び1箇所以上のベント口
を有する二軸押出機を用い、前記不飽和カルボン酸若し
くはその無水物を、分解率が5〜70%となっている前
記ラジカル発生剤を含有する前記エチレン系重合体に流
体状で供給し、溶融混練することにより前記不飽和カル
ボン酸若しくはその無水物を前記エチレン系重合体に付
加させる。
口、及びジャケットを備えたバレル、その内部に配さ
れ、表面に複数条の溝が刻設され、同方向又は異方向に
回転する二本のスクリュー、並びに押出機先端に取り付
けられたダイから構成され、そのスクリュー途中には、
複数枚のニーディングディスクによって構成される混練
部が、相互に噛み合う形態又は相互に噛み合わない形態
で設けられており、高混練機能を有する押出機として、
例えば、日本製鋼所(株)より「TEXα」シリーズと
して、又、東芝機械(株)より「TEM−SS」シリー
ズとして市販されている。
3箇所の原料供給口、2〜3箇所のベント口を有し、ス
クリュー径(D)に対するスクリュー長さ(L)の比
(L/D)が10〜50、回転方向が同方向、噛み合い
形態が部分又は完全の噛み合い型のものが好適である。
機への不飽和カルボン酸若しくはその無水物の供給は、
分解率が5〜70%となっているラジカル発生剤を含有
するエチレン系重合体に対して、且つ、流体状でなすこ
とを必須とする。又、その際のエチレン系重合体の温度
としては、100〜250℃の範囲にあるのが好まし
い。
の無水物を、分解率が5〜70%となっているラジカル
発生剤を含有するエチレン系重合体に対して供給するに
は、具体的には、例えば、二軸押出機の第1原料供給口
からエチレン系重合体とラジカル発生剤を供給すると共
に、第2原料供給口から不飽和カルボン酸若しくはその
無水物を供給する方法、又は、第1原料供給口からエチ
レン系重合体を供給し第2原料供給口からラジカル発生
剤を供給すると共に、第3原料供給口から不飽和カルボ
ン酸若しくはその無水物を供給する方法等が好適な方法
として挙げられる。尚、その際、第2原料供給口以降の
原料供給口における不飽和カルボン酸若しくはその無水
物、又はラジカル発生剤の供給は、プランジャーポンプ
等による圧入によりなされる。
の無水物の流体状形態としては、具体的には、例えば、
不飽和カルボン酸若しくはその無水物を融点以上に加熱
した溶融状、又は溶剤に溶解させた溶液状等の形態が挙
げられる。
造方法は、前記不飽和カルボン酸若しくはその無水物を
供給した後、混練部における重合体温度を200〜27
0℃として溶融混練し、次いで、ベント口より脱揮処理
を施した後、エチレン系重合体の二軸押出機内の滞留時
間を、混練部での前記重合体温度におけるラジカル発生
剤の99.9%分解時間の3倍以上として溶融押出する
ことを必須とする。
好ましくは複数箇所に設けたベント口より、0.1〜8
5kPaの減圧範囲で漸次減圧度を上げるのが好まし
く、又、エチレン系重合体の滞留時間は、0.1〜10
分の範囲で設定される。
物の供給時におけるラジカル発生剤の分解率、及び不飽
和カルボン酸若しくはその無水物の供給時の形態、混練
部における重合体の温度(混練温度)、混練物の脱揮処
理、並びに、エチレン系重合体の滞留時間のいずれで
も、前記要件を満たさない場合には、得られる変性エチ
レン系重合体は、被着材に対する接着力が劣ることとな
るか、又は/及び、表面外観が劣ることとなる。
系重合体は、変性前のエチレン系重合体の、前述の条件
でのメルトフローレートに対する変性エチレン系重合体
のメルトフローレートの比が、0.05〜1.0の範囲
であるのが好ましい。
その製造方法において、前記エチレン系重合体、前記ラ
ジカル発生剤、及び前記不飽和カルボン酸若しくはその
無水物の外に、本発明の効果を損なわない範囲で、他の
熱可塑性樹脂やゴム、及び、酸化防止剤、光安定剤、紫
外線吸収剤、造核剤、中和剤、帯電防止剤、滑剤、ブロ
ッキング防止剤、流動性改良剤、可塑剤、離型剤、難燃
剤、着色剤、分散剤、充填材等が用いられてもよい。
ラジカル発生剤、又は必要に応じて用いられるその他樹
脂やゴム、添加剤等は、二軸押出機への供給に先立ち、
通常、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、V型
ブレンダー、ヘンシェルミキサー等により均一に混合す
る。
レン系重合体は、通常、従来公知の方法により、被着材
上にアンカーコート剤を介して又は介さずして、逐次押
出ラミネート、サンドイッチ押出ラミネート、共押出ラ
ミネートする方法、或いは、被着材樹脂と共に共押出す
る方法、並びに、予めフィルム状とし被着材樹脂に熱融
着する方法等により積層体とされる。
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体鹸化物、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等
の各種熱可塑性樹脂、アルミニウム、銅、鉛、ステンレ
ス等の金属の箔・板、及び、紙等が挙げられる。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
あり、3箇所の原料供給口及び2箇所のベント口を有す
る二軸押出機(スクリュー径32mm、L/D42.
5、日本製鋼所社製「TEX30」)を用い、直鎖状低
密度エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(密度0.
898g/cm3 、メルトフローレート15g/10
分)100重量部と、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂社製「パ
ーヘキサ25B」)0.065重量部とを、ヘンシェル
ミキサーで混合した後、第1原料供給口より二軸押出機
に供給し、引き続いて、直下の樹脂温度として185℃
に設定された第2原料供給口より、約70℃に加熱した
溶融状の無水マレイン酸1.3重量部を供給し、樹脂温
度として245℃に設定された混練部で溶融混練するこ
とにより無水マレイン酸をエチレン−α−オレフィン共
重合体樹脂に付加反応させ、次いで、1.3kPaの減
圧度とした第1ベント口、及び1.3kPaの減圧度と
した第2ベント口より脱揮した後、エチレン−α−オレ
フィン共重合体樹脂の押出機内の滞留時間が15秒とな
るようにストランド状に溶融押出し、冷却固化させてカ
ッティングすることにより、ペレット状の無水マレイン
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂を製造し
た。
2原料供給口までの樹脂の滞留時間は5秒であり、以下
の方法により算出した、無水マレイン酸供給位置におけ
るラジカル発生剤の分解率は10%であった。又、以下
の方法により算出した、混練部での樹脂温度245℃に
おけるラジカル発生剤の99.9%分解時間は3秒であ
り、従って、樹脂の滞留時間15秒は、その5倍であっ
た。
℃)から下記式(1) により、アレニウスの式[k=Ae
xp(−E/RT)、ここで、kは速度定数、Aは頻度
因子、Eは活性化エネルギー、Rは気体定数、Tは絶対
温度である。]における頻度因子Aを求め、その頻度因
子A、及び、無水マレイン酸を供給したときの樹脂の温
度T℃(185℃)、無水マレイン酸を供給するまでの
樹脂の滞留時間t1 秒(5秒)から下記式(2) 及び下記
式(3) により、無水マレイン酸供給位置におけるラジカ
ル発生剤の分解率(%)を算出した。 A={(ln2)/60}/exp{−E/R(T1/2 +273)} (1) B=exp[t1 Aexp{−E/R(T+273)}] (2) ラジカル発生剤の分解率(%)=1−(1/B) (3)
(4) [尚、式(4) において、C、Dはラジカル発生剤固
有の定数であり、「パーヘキサ25B」の場合、メーカ
ー日本油脂社のカタログによれば、C=−0.076、
D=17.44である。]により、該温度におけるラジ
カル発生剤の半減期t1/2 秒を求め、その半減期t1/2
秒から下記式(5) により、ラジカル発生剤の99.9%
分解時間(秒)を算出した。 lnt1/2 =CT+D (4) 99.9%分解時間(秒)=3t1/2 /log2 (5)
−オレフィン共重合体樹脂について、以下に示す方法
で、メルトフローレート、無水マレイン酸単位の付加量
及び付加率、未反応無水マレイン酸の含有量、並びに、
フィッシュアイの量を測定し、結果を表1に示した。メルトフローレート JIS K7210に準拠して温度190℃、荷重2
1.18Nで測定した。
のフィルムを作製し、赤外線吸収スペクトルによりカル
ボニル基吸収を測定し、別途作成した検量線から、変性
樹脂中の全無水マレイン酸量を求めた。一方、変性樹脂
ペレットを沸騰キシレンに溶解させた後、アセトン中で
再沈させ、その沈澱物を濾過し、80℃で6時間真空乾
燥させて得た試料から、前記と同様にして、変性樹脂中
の無水マレイン酸単位の付加量を求め、更に、前記全無
水マレイン酸量に対する付加率を算出した。
トンを抽出溶媒として8時間還流抽出を行い、抽出液を
風乾後、0.1Mの燐酸二水素ナトリウム(pH2)5
mlに溶解させた後、0.45μmのフィルターで濾過
した濾液について、高速液体クロマトグラフィー(東ソ
ー社製「HPLC8020シリーズ」、カラムは、東ソ
ー社製「TSK−Gel ODS−120T」、150
mm×4.6mm、粒径5μmを使用。)にて定量し
た。
体樹脂(メルトフローレート2g/10分)を用いて、
希釈後の樹脂中の無水マレイン酸単位の付加量が0.2
5重量%となるように変性樹脂を希釈し、この希釈樹脂
から、成形温度170℃で厚み30μmのフィルムをイ
ンフレーション成形した後、このフィルムから100c
m2 の大きさの試験片を切り出し、0.2〜0.5mm
の大きさのフィッシュアイの個数を数え、その個数を単
位重量g当たりの個数に換算した。
ン−α−オレフィン共重合体樹脂について、以下に示す
方法で、被着材に対する接着強度を測定し、結果を表1
に示した。
(密度0.950g/cm3 、メルトフローレート4g
/10分)25重量%、直鎖状低密度エチレン−α−オ
レフィン共重合体樹脂(密度0.920g/cm3 、メ
ルトフローレート2g/10分)25重量%、直鎖状低
密度エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(密度0.
898g/cm3 、メルトフローレート15g/10
分)25重量%の樹脂組成物と、エチレン−酢酸ビニル
共重合体鹸化物とを、成形温度190℃、成形速度を3
0m/分、50m/分、又は70m/分とし、エアーギ
ャップ250mmの条件で、変性樹脂含有樹脂組成物層
35μm、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物層35
μmの2層積層フィルムをインフレーション成形した。
これから幅10mm、長さ120mmの試験片を切り出
し、ショッパー型引張試験機にて、JIS K6854
に準拠して、剥離速度500mm/分でT形剥離試験を
行い剥離強度を測定した。
供給位置、無水マレイン酸を供給する原料供給口までの
樹脂の滞留時間及び該原料供給口における樹脂温度、無
水マレイン酸の供給形態、混練部の樹脂温度、ベント口
からの脱揮処理の有無、樹脂の押出機内の滞留時間のい
ずれかを表1に示すように変えた外は、実施例1と同様
にして、無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン
共重合体樹脂を製造し、メルトフローレート、無水マレ
イン酸単位の付加量及び付加率、未反応無水マレイン酸
の含有量、並びに、フィッシュアイの量を測定し、更
に、被着材に対する接着強度を測定し、結果を表1に示
した。
に優れると共に、表面外観にも優れた積層体を得ること
ができる、不飽和カルボン酸若しくはその無水物変性エ
チレン系重合体、及びその製造方法を提供することがで
きる。
Claims (8)
- 【請求項1】 エチレン系重合体と不飽和カルボン酸若
しくはその無水物をグラフト反応条件に付して得られた
変性エチレン系重合体であって、不飽和カルボン酸若し
くはその無水物単位の付加量が0.5〜2重量%、未反
応不飽和カルボン酸若しくはその無水物の含有量が30
ppm以下、且つ、変性エチレン系重合体を不飽和カル
ボン酸若しくはその無水物単位の付加量が0.25重量
%となるように未変性エチレン系重合体で希釈したとき
のフィッシュアイの量が30個/g以下であることを特
徴とする変性エチレン系重合体。 - 【請求項2】 グラフト反応条件が、エチレン系重合体
の溶融状態下におけるものである請求項1に記載の変性
エチレン系重合体。 - 【請求項3】 エチレン系重合体が、エチレン単独重合
体又はエチレン−α−オレフィン共重合体である請求項
1又は2に記載の変性エチレン系重合体。 - 【請求項4】 エチレン系重合体と不飽和カルボン酸若
しくはその無水物をラジカル発生剤の存在下にグラフト
反応条件に付して変性エチレン系重合体を製造するにお
いて、2箇所以上の原料供給口及び1箇所以上のベント
口を有する二軸押出機を用い、不飽和カルボン酸若しく
はその無水物を、分解率が5〜70%となっているラジ
カル発生剤を含有するエチレン系重合体に流体状で供給
し、混練部における重合体温度を200〜270℃とし
て溶融混練することにより不飽和カルボン酸若しくはそ
の無水物をエチレン系重合体に付加させ、次いでベント
口より脱揮処理を施した後、エチレン系重合体の押出機
内の滞留時間を、前記重合体温度におけるラジカル発生
剤の99.9%分解時間の3倍以上として溶融押出する
ことを特徴とする変性エチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項5】 二軸押出機の第1原料供給口からエチレ
ン系重合体とラジカル発生剤を供給するか、又は、第1
原料供給口からエチレン系重合体を供給し第2原料供給
口からラジカル発生剤を供給すると共に、第2原料供給
口以降の原料供給口から不飽和カルボン酸若しくはその
無水物を供給する請求項4に記載の変性エチレン系重合
体の製造方法。 - 【請求項6】 不飽和カルボン酸若しくはその無水物の
供給を、100〜250℃の温度のエチレン系重合体に
対して行う請求項4又は5に記載の変性エチレン系重合
体の製造方法。 - 【請求項7】 流体状の不飽和カルボン酸若しくはその
無水物が、不飽和カルボン酸若しくはその無水物を融点
以上に加熱した溶融状である請求項4乃至6のいずれか
に記載の変性エチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項8】 エチレン系重合体が、エチレン単独重合
体又はエチレン−α−オレフィン共重合体である請求項
4乃至7のいずれかに記載の変性エチレン系重合体の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000313365A JP3945140B2 (ja) | 2000-10-13 | 2000-10-13 | 変性エチレン系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000313365A JP3945140B2 (ja) | 2000-10-13 | 2000-10-13 | 変性エチレン系重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002121234A true JP2002121234A (ja) | 2002-04-23 |
JP3945140B2 JP3945140B2 (ja) | 2007-07-18 |
Family
ID=18792795
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000313365A Expired - Lifetime JP3945140B2 (ja) | 2000-10-13 | 2000-10-13 | 変性エチレン系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3945140B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112009000386T5 (de) | 2008-02-29 | 2011-01-13 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Verfahren zur Herstellung eines modifizierten Olefinpolymers |
-
2000
- 2000-10-13 JP JP2000313365A patent/JP3945140B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112009000386T5 (de) | 2008-02-29 | 2011-01-13 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Verfahren zur Herstellung eines modifizierten Olefinpolymers |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3945140B2 (ja) | 2007-07-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH08509772A (ja) | グラフト改質した実質的に線状であるエチレンポリマー類と他の熱可塑性ポリマー類とのブレンド物 | |
JPH08867B2 (ja) | ポリオレフインと反応性添加剤含有ポリマーとのブレンド物からの製品の製造方法 | |
EP0428510A1 (en) | COPOLYMERIC PRODUCTS GRAFTED WITH MALEIC ACID ANHYDRIDE HAVING LOW YELLOW INDEX, AND PREPARATION. | |
JPH04272950A (ja) | 接着性樹脂組成物 | |
JP4944379B2 (ja) | 改善されたポリオレフィン系接着樹脂及び接着樹脂の製造方法 | |
KR101540740B1 (ko) | 접착성 수지 조성물 및 알루미늄 복합 판넬 | |
EP0581360A2 (en) | Process for functionalizing ethylene polymers | |
JP2013189567A (ja) | 樹脂組成物及び積層体 | |
MX2008005738A (es) | Copolimeros injertados, mediados por coagente. | |
WO2022065286A1 (ja) | 接着剤組成物、フィルム状接着剤及び多層フィルム | |
JP2018135488A (ja) | 接着性樹脂組成物及び積層体 | |
JP5104132B2 (ja) | 多層積層体 | |
JP2002187914A (ja) | 変性エチレン系重合体の製造方法 | |
JPH09278956A (ja) | 無水マレイン酸変性ポリオレフィンの製造方法 | |
JP2002121234A (ja) | 変性エチレン系重合体及びその製造方法 | |
JP6969116B2 (ja) | 接着性樹脂組成物及び積層体 | |
JP2001098121A (ja) | 接着性樹脂組成物及びそれを用いた積層体 | |
JP2005105169A (ja) | 変性オレフィン系重合体組成物およびその製造方法 | |
JPS603097B2 (ja) | 接着性のすぐれたポリオレフイン組成物 | |
JP5166893B2 (ja) | 変性ポリプロピレン樹脂、およびその製造方法 | |
JP5361192B2 (ja) | 変性ポリプロピレン系重合体およびその組成物 | |
JP4513576B2 (ja) | 変性ポリオレフィン樹脂およびその製造方法並びに接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物 | |
JP2003013024A (ja) | 接着性重合体組成物及びそれを用いた積層体 | |
JP4013459B2 (ja) | 接着性重合体組成物 | |
JP3320526B2 (ja) | 4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040401 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050812 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050906 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051101 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070320 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070402 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3945140 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100420 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130420 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140420 Year of fee payment: 7 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |