JP2002121161A - 5−フタランカルボニトリル化合物の製造方法、その中間体およびその製造方法 - Google Patents
5−フタランカルボニトリル化合物の製造方法、その中間体およびその製造方法Info
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Abstract
物、塩化チオニルなどの環境に対して負荷の大きな試剤
を使用しない)、安全な5−フタランカルボニトリル化
合物の製造方法。 【解決手段】 式[I]で表される新規な化合物を鍵中間
体として利用することにより、全く新しい観点から、5
−フタランカルボニトリル化合物を製造する。 【化1】 (式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示
す)
Description
タロプラムの中間体として有用である5−フタランカル
ボニトリル化合物の製造方法、その中間体およびその製
造方法に関する。詳細には、新規な後述する式[I]で表
される化合物を経由する全く新しい観点からの5−フタ
ランカルボニトリル化合物の製造方法に関する。
合物は、式[VII]
合成中間体として有用な化合物である。5−フタランカ
ルボニトリル化合物の製造方法としては、下記スキーム
のような方法が知られている(WO98/19511
号)。
ルキルオキシカルボニル基、または炭素数2〜6のアル
キルアミノカルボニル基を示し、Halはハロゲン原子
を示す。) 当該方法において、Rがシアノ基以外である場合には、
還元および閉環反応後、シアノ化を行なう必要がある。
例えば、Rがアルキルオキシカルボニル基である場合に
は、加水分解、アミド化、クロロスルホニルイソシアネ
ートとの反応の3ステップでシアノ化を行なっており、
Rがアルキルアミノカルボニル基である場合には、塩化
チオニルまたは五塩化リンとの反応によりシアノ化を行
なっている。これらの方法では、クロロスルホニルイソ
シアネート、塩化チオニルや五塩化リンといった環境面
で好ましくない試薬を使用しており、また、Rがアルキ
ルオキシカルボニル基である場合にはシアノ化を3ステ
ップで行っており、簡便な方法とはいえない。Rがシア
ノ基である場合には、出発原料である5−シアノフタリ
ドの製造方法に改良すべき点が存在している。つまり、
5−シアノフタリドは、硫酸銅の存在下、5−アミノフ
タリドから誘導されるジアゾニウム塩にシアン化カリウ
ムを作用させることにより得られることが知られている
(Bull.Soc.Sci.Bretagne,2
6,1951,35)。この反応では、シアン化カリウ
ムや硫酸銅を使用しており、毒物や重金属塩を使用する
点で、好ましい方法とは言えない。また、5−アミノフ
タリドを合成するにあたっては、フタルイミドのニトロ
化という危険な反応(Organinc Synthe
sis II,459)を行う必要があり、さらに塩化
錫によるアミノ基への還元及び亜鉛によるフタルイミド
の半還元反応(J.Chem.Soc.,1931,8
67)を行う必要があり、廃重金属が発生する観点から
も工業的には好ましいとはいえない。
負荷が小さく、安全な、5−フタランカルボニトリル化
合物の製造方法を提供することである。
が小さく、安全に5−フタランカルボニトリル化合物を
製造できる方法について鋭意検討した結果、後記式[A]
で表される化合物(以下、化合物[A]ともいう)を出発
原料とし、後記式[I]で表される新規な化合物(以下、
化合物[I]ともいう)を鍵中間体として経由することに
より、シタロプラムの中間体として有用な5−フタラン
カルボニトリル化合物(後記式[VI]で表される化合物)
を塩化チオニルなどを使用せずに安全で、かつ環境負荷
が小さい方法で製造することができることを見出し、ま
た本発明の5−フタランカルボニトリル化合物の製造方
法において用いることができる、式[II]、[III]、[I
V]、[V]で表される新規な化合物(以下、それぞれ化合
物[II]、[III]、[IV]、[V]ともいう)およびそれらの製
造方法を考案し、本発明を完成させるに至った。また、
従来のシタロプラムの製造方法では、すべて5−置換フ
タリド化合物(例えば、5−ホルミルフタリドなど)を
経由しているのに対して、本発明は化合物[I]を経由す
る全く新しい合成ストラテジーによっている。
ウ素原子を示す)で表される化合物。 (2)式[II]
カノイル基、炭素数1から5であるアルキル基、テトラ
ヒドロピラン−2−イル基、アルコキシル基の炭素数が
1から5であるアルコキシメチル基、アルコキシル基の
炭素数が1であるかもしくは3から10である1−アル
コキシエチル基、または各アルキル基の炭素数が1から
5であるトリアルキルシリル基を示し、Xは塩素原子、
臭素原子またはヨウ素原子を示す)で表される化合物。 (3)R1がアセチル基であり、かつXが臭素原子であ
る上記(2)の化合物。 (4)式[III]
カノイル基を示す)で表される化合物を、塩素化、臭素
化またはヨウ素化のいずれかに付した後、脱アシル化す
ることを特徴とする、化合物[I]の製造方法。 (8)式[II-b]
キル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、アルコキシ
ル基の炭素数が1から5であるアルコキシメチル基、ア
ルコキシル基の炭素数が1から10である1−アルコキ
シエチル基、または各アルキル基の炭素数が1から5で
あるトリアルキルシリル基を示し、Xは塩素原子、臭素
原子またはヨウ素原子を示す)で表される化合物(以
下、化合物[II-b]という)を、グリニャール試薬また
はリチウム化合物に変換後、これをパラフルオロベン
ズアルデヒドとカップリングさせ、さらに得られたカ
ップリング化合物をR1bの脱保護及び環化に付すことを
特徴とする、化合物[III]の製造方法。 (9)化合物[III]を酸化することを特徴とする、化合
物[IV]の製造方法。 (10)化合物[IV]を、ヒドロキシルアミンまたはその
鉱酸塩と反応させることを特徴とする、化合物[V]の製
造方法。 (11)化合物[V]を脱水することを特徴とする、式[V
I]
合物(以下、化合物[VI]という)の製造方法。 (12)化合物[IV]を、ヒドロキシルアミンまたはその
鉱酸塩と反応後、脱水させることを特徴とする、化合物
[VI]の製造方法。 (13)化合物[I]のヒドロキシル基を、炭素数1か
ら5であるアルコキシル基、テトラヒドロピラン−2−
イルオキシ基、アルコキシル基の炭素数が1から5であ
るアルコキシメトキシ基、アルコキシル基の炭素数が1
から10である1−アルコキシエトキシ基、または各ア
ルキル基の炭素数が1から5であるトリアルキルシリル
オキシ基に変換するか、または化合物[A]を、塩素
化、臭素化またはヨウ素化のいずれかに付すことを特徴
とする、式[II']
ルカノイル基、炭素数1から5であるアルキル基、テト
ラヒドロピラン−2−イル基、アルコキシル基の炭素数
が1から5であるアルコキシメチル基、アルコキシル基
の炭素数が1から10である1−アルコキシエチル基、
または各アルキル基の炭素数が1から5であるトリアル
キルシリル基を示し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨ
ウ素原子を示す)で表される化合物(以下、化合物[I
I']という)の製造方法。
号の定義を行う。本発明におけるアルキル基およびアル
コキシル基などにおいて、語頭(例えばイソ、ネオな
ど)や符号(例えばsec−、tert−など)を付し
ていない限り直鎖状であり、例えば単にプロピルとあれ
ば直鎖状のプロピルを表す。
素数2から5であるアルカノイル基」は、好ましくは炭
素数2から5である、直鎖状または分岐鎖状のアルカノ
イル基であり、例えばアセチル、ブタノイル、プロパノ
イル、ペンタノイル、ピバロイルなどが挙げられ、好ま
しくはアセチル、プロパノイル、ピバロイルである。
から5であるアルキル基」は、好ましくは炭素数1から
4である、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、
例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、イソペンチルなどが挙げられ、好ましくはメ
チル、tert−ブチルが挙げられる。
シル基の炭素数が1から5であるアルコキシメチル
基、」は、好ましくは炭素数1または2である、直鎖状
または分岐鎖状のアルコキシル基を有するアルコキシメ
チル基であり、例えばメトキシメチル、エトキシメチ
ル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキ
シメチル、イソブトキシメチル、sec−ブトキシメチ
ル、tert−ブトキシメチル、ペントキシメチル、イ
ソペントキシメチルなどが挙げられ、好ましくはメトキ
シメチル、エトキシメチルが挙げられる。
1であるかもしくは3から10である1−アルコキシエ
チル基」は、アルコキシル基の炭素数が好ましくは1お
よび3から6である、直鎖状、分岐鎖状または環状の1
−アルコキシエチル基であり、例えば1−メトキシエチ
ル、1−プロポキシエチル、1−イソプロポキシエチ
ル、1−ブトキシエチル、1−イソブトキシエチル、1
−sec−ブトキシエチル、1−tert−ブトキシエ
チル、1−ペントキシエチル、1−イソペントキシエチ
ル、1−ヘキシルオキシエチル、1−シクロへキシルオ
キシエチル、1−ヘプチルオキシエチル、1−オクチル
オキシエチル、1−ノニルオキシエチル、1−デシルオ
キシエチルなどが挙げられ、好ましくは1−プロポキシ
エチル、1−ブトキシエチル、1−シクロへキシルオキ
シエチルが挙げられる。
基の炭素数が1から10である1−アルコキシエチル
基」は、アルコキシル基の炭素数が好ましくは1から6
である、直鎖状、分岐鎖状または環状の1−アルコキシ
エチル基であり、例えば1−メトキシエチル、1−エト
キシエチル、1−プロポキシエチル、1−イソプロポキ
シエチル、1−ブトキシエチル、1−イソブトキシエチ
ル、1−sec−ブトキシエチル、1−tert−ブト
キシエチル、1−ペントキシエチル、1−イソペントキ
シエチル、1−ヘキシルオキシエチル、1−シクロへキ
シルオキシエチル、1−ヘプチルオキシエチル、1−オ
クチルオキシエチル、1−ノニルオキシエチル、1−デ
シルオキシエチルなどが挙げられ、好ましくは1−エト
キシエチル、1−プロポキシエチル、1−ブトキシエチ
ル、1−シクロへキシルオキシエチルが挙げられる。
ル基の炭素数が1から5であるトリアルキルシリル基」
におけるアルキル基は、それぞれ独立して、好ましくは
炭素数1から4である、直鎖状または分岐鎖状のアルキ
ル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、イソペンチルなどが挙げられ、
好ましくはメチル、tert−ブチルが挙げられる。該
トリアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシ
リル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリイ
ソプロピルシリル、トリブチルシリル、トリイソブチル
シリル、トリsec−ブチルシリル、トリペンチルシリ
ル、トリイソペンチルシリル、tert−ブチルジメチ
ルシリルなどが挙げられ、好ましくはトリメチルシリ
ル、トリブチルシリル、tert−ブチルジメチルシリ
ルが挙げられる。
ヨウ素化のいずれかに付した後、脱アシル化することに
より、効率よく得ることができる。例えば、塩素化、臭
素化またはヨウ素化、好ましくは臭素化は、反応溶媒
中、化合物[A]をハロゲン化剤と反応させることによ
り、式[II-a]
ヨウ素原子を示し、R1aは炭素数2から5であるアルカ
ノイル基を示す)で表される化合物(以下、化合物[II-
a]という)を得ることができ、この反応は好ましくは塩
基の存在下で行う。ここでいうXとしては後の工程(化
合物[II-b]のリチウム化合物またはグリニャール試薬へ
の変換)を考慮すると、臭素原子が好ましく、R1aとし
ては合成上の容易さおよび脱保護の容易さから、特にア
セチル基が好ましい。また、脱アシル化は酸または塩基
の水溶液、好ましくは酸性水溶液に、得られた化合物[I
I-a]もしくは化合物[II-a]の有機溶媒溶液を加えて加水
分解反応させることにより行うことができる。
はm−キシリレングリコールジアセテート、m−キシリ
レングリコールジプロピオネート、m−キシリレングリ
コールジピバレートを用いる。
反応溶媒としては、氷酢酸、酢酸水溶液(濃度:60〜
100重量%、好ましくは80〜100重量%)、水、
モノクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、酢酸エ
チル、tert−ブチルメチルエーテル;水を含んでい
てもよい、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、アセトンなどが挙げられ、好ましくは氷酢酸、
酢酸水溶液、メタノール、オルトジクロロベンゼン、酢
酸エチルが挙げられる。該反応溶媒の使用量は、化合物
[A]1kgに対して、通常1L〜20L、好ましくは3
L〜10Lである。
塩基としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド
などが挙げられ、好ましくは酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウムが挙げられる。該塩基の使用量は、
化合物[A]に対して、通常0.1当量〜10当量、好ま
しくは0.8当量〜6当量である。
ハロゲン化剤としては、臭素、塩素、N−ブロモこはく
酸イミド、N−クロロこはく酸イミド、塩化スルフリル
などが挙げられ、好ましくは臭素、N−ブロモこはく酸
イミドが挙げられる。該ハロゲン化剤の使用量は、化合
物[A]1モルに対して、通常0.8モル〜8モル、好ま
しくは2モル〜6モルである。
するため触媒を加えてもよい。該触媒としては、鉄、
銅、亜鉛、アルミニウムなどの単体金属;塩化第一鉄、
塩化第二鉄、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩
化第一銅、塩化第二銅、塩化マグネシウム、臭化マグネ
シウム、ヨウ化マグネシウム、四塩化チタン、塩化亜
鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛などの金属ハロゲン化物が挙
げられ、好ましくは鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化
マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化亜鉛、臭化亜
鉛、ヨウ化亜鉛が挙げられる。該触媒の使用量は、化合
物[A]1モルに対して、通常0.0001モル〜0.5
モル、好ましくは0.001モル〜0.2モルである。
応温度は、通常−30℃〜80℃、好ましくは0℃〜5
0℃であり、反応時間は通常30分〜24時間、好まし
くは2時間〜18時間である。
化に付すと、ハロゲン化物として2,4−ジ置換体であ
る化合物[II-a]以外に、2,6−ジ置換体が副生する場
合もあり、これらハロゲン化物の単離は、例えば氷冷
下、還元性水溶液(例えば、亜硫酸ナトリウム水溶液や
チオ硫酸ナトリウム水溶液など)に反応液を注ぐか、ま
たは還元性水溶液を反応液に注入し、次にこれに有機溶
媒を添加して、抽出し、溶媒を留去することにより行う
ことができる。ハロゲン化物の混合物からの化合物[II-
a]の単離は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再
結晶等により行うことができる。ハロゲン化物の混合物
からの化合物[II-a]の単離は行っても行わなくてもどち
らでもよく、該単離を行うことなく次の工程に付す場
合、各工程において、生成物と同時に対応の2,6−ジ
置換体、例えば化合物[I]の2,6−ジ置換体や化合物
[II-b]の2,6−ジ置換体が得られることになる。
化物(ハロゲン化物が混合物である場合には混合物)1
kgに対して、通常0.5L〜20L、好ましくは3L
〜10Lである。反応を阻害しない溶媒であれば併用し
てもよく、例えばアルコール系溶媒(例えば、メタノー
ル、エタノールなど)、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジオキサンなどが挙げられ、また、これらの溶媒
でハロゲン化物を溶解してもよい。ハロゲン化物の溶解
に使用する場合の該溶媒の使用量は、ハロゲン化物(ハ
ロゲン化物が混合物である場合には混合物)1kgに対
して、通常0.5L〜20L、好ましくは2L〜10L
である。
用するものであれば特に限定はなく、例えば塩酸、臭化
水素酸、フッ化水素酸、硫酸、りん酸などの無機酸、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸
などが挙げられ、好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸が
挙げられる。酸の使用量は、ハロゲン化物(ハロゲン化
物が混合物である場合には混合物)1kgに対して、通
常0.001kg〜10kg、好ましくは0.01kg
〜0.3kgである。
使用するものであれば特に限定はなく、例えばアルカリ
金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなど)
またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネ
シウムなど)の、水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩、ア
ルカリ金属のアルコキシド(例えばメトキシド、エトキ
シドなど)などの無機塩基;トリアルキルアミン(例え
ば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)などの
有機塩基が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸カリウム、ナトリムメトキシドが挙
げられる。塩基の使用量は、ハロゲン化物(ハロゲン化
物が混合物である場合には混合物)に対して、通常0.
8当量〜10当量、好ましくは1当量〜5当量である。
0℃〜100℃、好ましくは10℃〜80℃であり、反
応時間は、通常10分〜24時間、好ましくは30分〜
8時間である。
例えば反応液を中和後、結晶化することにより行うこと
ができる。
り、当該化合物[II']における置換基R1'から1−エト
キシエチル基のみを除いた化合物は、新規な化合物[II]
に対応する。化合物[II']は、 化合物[I]のヒドロキシル基を、炭素数1から5であ
るアルコキシル基、テトラヒドロピラン−2−イルオキ
シ基、アルコキシル基の炭素数が1から5であるアルコ
キシメトキシ基、アルコキシル基の炭素数が1から10
である1−アルコキシエトキシ基、または各アルキル基
の炭素数が1から5であるトリアルキルシリルオキシ基
に変換するか、または 化合物[A]を、塩素化、臭素化またはヨウ素化のいず
れかに付すことにより得ることができる。
物[II-b]を得ることができ、ヒドロキシル基の各基への
変換方法は、通常ヒドロキシル基をこれら各基に変換す
る方法であればどのような方法で行ってもよい。1−ア
ルコキシエトキシ基への変換は、例えば、反応溶媒中、
触媒の存在下、化合物[I]を、式:R3CH=CH2(式
中、R3は炭素数1から10のアルコキシル基を示す)
で表されるアルキルビニルエーテルと反応させることに
より行うことができる。
(化合物[III]のリチウム化合物またはグリニャール試
薬への変換)を考慮する場合、好ましくは2,4−ビス
(ヒドロキシメチル)ブロモベンゼンを用いる。
のアルコキシル基は、化合物[II']中の置換基R1’にお
ける「アルコキシル基の炭素数が1から10である1−
アルコキシエチル基」の「アルコキシル基」に対応して
いる。反応に使用するアルキルビニルエーテルとして
は、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテ
ル、シクロへキシルビニルエーテル、ヘキシルビニルエ
ーテル、へプチルビニルエーテル、オクチルビニルエー
テル、ノニルビニルエーテル、デシルビニルエーテルな
どが挙げられ、好ましくはエチルビニルエーテル、プロ
ピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロへ
キシルビニルエーテルが挙げられる。該アルキルビニル
エーテルの使用量は、化合物[I]1モルに対して、通常
2モル〜4モル、好ましくは2モル〜3モルである。
ン酸、メタンスルホン酸、硫酸、塩酸、トリフルオロ酢
酸、トリフルオロメタンスルホン酸;Amberlys
t15E、AmberliteIR−118などの酸性
イオン交換樹脂などが挙げられ、好ましくはパラトルエ
ンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、塩酸が挙げら
れる。これらの触媒は水和物の形態でも使用することが
できる。該触媒の使用量は、化合物[I]1モルに対し
て、通常0.0001モル〜0.2モル、好ましくは
0.0005モル〜0.01モルである。
レン、モノクロロベンゼン、塩化メチレン、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エ
チルなどが挙げられ、好ましくはトルエン、キシレン、
モノクロロベンゼン、塩化メチレンが挙げられる。該反
応溶媒の使用量は、化合物[I]1kgに対して、通常1
L〜20L、好ましくは2L〜12Lである。
ましくは0℃〜60℃であり、反応時間は、通常10分
〜10時間、好ましくは30分〜6時間である。目的物
の単離は、常法(例えば抽出など)で行うことができ
る。
換についても、常法で行えばよく、アルコキシル基への
変換には、R4OH(式中、R4は炭素数1から5のアル
キル基を示す)、R4Br(式中、R4は前記と同義であ
る)、R4I(式中、R4は前記と同義である)、
(R4)2SO4(式中、R4は前記と同義である)などの
試薬;テトラヒドロピラン−2−イルオキシ基への変換
には、3,4−ジヒドロ−2〔H〕−ピランなどの試
薬;アルコキシメトキシ基への変換には、R5OCH2O
H(式中、R5は炭素数1から5のアルキル基を示
す)、R5OCH2OR5(式中、R5は前記と同義であ
る)、R5OCH2Cl(式中、R5は前記と同義であ
る)、R5OCH2Br(式中、R5は前記と同義であ
る)などの試薬;およびトリアルキルシリルオキシ基へ
の変換には、(R6)3SiCl(式中、R6は炭素数1
から5のアルキル基を示す)などの試薬を用いることに
より行うことができる。上記R4〜R6の定義は、これら
の対応するR1’と同義である。
できる。における化合物[A]の塩素化、臭素化および
ヨウ素化は、化合物[I]の製造における塩素化、臭素化
およびヨウ素化と同様に行えばよい。後の工程(化合物
[II-b]のリチウム化合物またはグリニャール試薬への変
換)を考慮すると、臭素化を行うのが好ましい。
を得ることができ、例えば、R1bが炭素数1から5であ
るアルキル基である化合物[II-b]は、工程1:反応溶媒
中、m−キシリレンジクロリドをR’OM(式中、R’
は炭素数1から5であるアルキルを示し、Mはアルカリ
金属を示す)で表されるアルカリ金属アルコキシドと反
応させて、1,3−ビス(アルコキシメチル)ベンゼン
を得、次に工程2:これを塩素化、臭素化またはヨウ素
化のいずれかに付すことにより得ることができる。
中、m−キシリレンジクロリドに、アルカリ金属アルコ
キシドを添加することにより、1,3−ビス(アルコキ
シメチル)ベンゼンを得ることができる。
ール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、tert−ブチルアルコールなど)、
テトラヒドロフラン(THF)、tert−ブチルメチ
ルエーテル、トルエン、モノクロロベンゼン、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙
げられ、当該溶媒の使用量は、m−キシリレンジクロリ
ド1kgに対して、通常1L〜30L、好ましくは2L
〜15Lである。
の、アルキル部としてはR1bにおけるアルキル基と同様
なものが挙げられ、アルカリ金属としてはナトリウム、
カリウムなどが挙げられ、好ましいアルカリ金属アルコ
キシドとしてはナトリウムメトキシド、tert−ブト
キシカリウムが挙げられる。アルカリ金属アルコキシド
の使用量は、m−キシリレンジクロリド1モルに対し
て、通常1.8モル〜4モル、好ましくは2モル〜3.
2モルである。
〜100℃、好ましくは20℃〜70℃であり、反応時
間は、通常0.5時間〜10時間、好ましくは1時間〜
6時間である。
ンの単離は常法で行うことができ、例えば溶媒の留去
後、抽出、乾燥により行うことができる。
おける塩素化、臭素化、ヨウ素化と同様にして行えばよ
く、反応条件も同様にすればよい。塩素化、臭素化、ヨ
ウ素化で使用する、反応溶媒、塩基、ハロゲン化剤、触
媒については、化合物[I]の製造方法で挙げたものと同
様のものが挙げられ、化合物[I]の製造方法と同様な使
用量で使用することができる。また、反応後の生成物の
単離についても化合物[I]の製造方法で挙げた方法で行
えばよい。
させ、更に 得られたカップリング化合物をR1bの脱保護及び環化
に付す ことにより得ることができる。
シル基を保護したものであり、パラフルオロベンズアル
デヒドとの反応に使用する、リチウム化合物またはグリ
ニャール試薬を製造するのに必要な化合物である。その
ため、該化合物[II-b]におけるXは、化合物[II-b]がリ
チウム化合物またはグリニャール試薬へ変換可能である
ものであれば特に制限はなく、上記変換の速さと変換後
のリチウム化合物またはグリニャール試薬の安定性から
臭素原子が好ましい。R1bとしては、脱保護が容易に起
こる観点から、テトラヒドロピラン−2−イル基、アル
コキシル基の炭素数が1から5であるアルコキシメチル
基、アルコキシル基の炭素数が1から10である1−ア
ルコキシエチル基、各アルキル基の炭素数が1から5で
あるトリアルキルシリル基が好ましく、より好ましくは
テトラヒドロピラン−2−イル基、メトキシメチル基、
アルコキシル基の炭素数1から10である1−アルコキ
シエチル基であり、特に好ましくは、1−エトキシエチ
ル基、1−プロポキシエチル基、1−ブトキシエチル
基、1−シクロヘキシルオキシエチル基である。合成の
容易さからは、メチル基、tert−ブチル基が特に好
ましい。
−ビス(1’−エトキシエトキシメチル)ブロモベンゼ
ン、2,4−ビス(1’−ブトキシエトキシメチル)ブ
ロモベンゼン、2,4−ビス(1’−シクロへキシルオ
キシエトキシメチル)ブロモベンゼンが挙げられる。
ついて:化合物[II-b]をグリニャール試薬またはリチウ
ム化合物に変換する方法は、ハロゲン化物からグリニャ
ール試薬またはリチウム化合物を得る従来公知の方法で
よく、例えば有機溶媒中、化合物[II-b]に、金属マグネ
シウムを作用させるか、または有機リチウム化合物の有
機溶媒溶液を滴下すればよい。金属マグネシウムまたは
有機リチウム化合物は、通常、ハロゲン化物をグリニャ
ール試薬またはリチウム化合物に変換するのに必要とす
る量を添加すればよく、例えば化合物[II-b]1モルに対
して、金属マグネシウムは、通常0.9モル〜3モル、
好ましくは1モル〜1.5モル添加すればよく、有機リ
チウム化合物は、通常0.9モル〜1.5モル、好まし
くは1モル〜1.3モル添加すればよい。また該有機リ
チウム化合物としては、例えばn−ブチルリチウム、フ
ェニルリチウム、メチルリチウム、sec−ブチルリチ
ウム、tert−ブチルリチウムが挙げられ、好ましく
はn−ブチルリチウム、メチルリチウムが挙げられる。
操作の容易性および反応収率の点から、化合物[II-b]は
リチウム化合物に変換するほうが好ましい。
えば、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエ
ーテル、ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、エチル
エーテルなど)、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシ
レンなどが挙げられ、好ましくはヘキサン、テトラヒド
ロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキ
シエタンが挙げられる。該有機溶媒の使用量は、化合物
[II-b]1kgに対して、通常1L〜30L、好ましくは
5L〜20Lである。
0℃、好ましくは−50℃〜−10℃であり、反応時間
は、通常10分〜6時間、好ましくは10分〜2時間で
ある。で得られた反応液は常法により単離および生成
することができるが、得られたまま次の反応に付しても
よい。
ベンズアルデヒドを滴下することにより、カップリング
反応を行うことができる。該パラフルオロベンズアルデ
ヒドの使用量は、化合物[II-b]1モルに対して、通常
0.8モル〜3モル、好ましくは1モル〜1.5モルで
ある。パラフルオロベンズアルデヒドは、有機溶媒の溶
液として添加してもよく、この時の有機溶媒としては特
に限定はなく、例えばテトラヒドロフラン、tert−
ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ヘキサン、
ヘプタンなどが挙げられる。
0℃、好ましくは−50℃〜30℃であり、反応時間
は、通常10分〜6時間、好ましくは10分〜2時間で
ある。
酸水溶液などを添加することにより、反応物を加水分解
する。加水分解後のカップリング化合物は、例えば分液
し、溶媒を留去することにより単離することができる。
リング化合物と酸触媒とを反応させることにより、R1b
の脱保護および環化を行うことができる。添加方法は特
に限定されておらず、例えばカップリング化合物の反応
溶媒溶液に酸触媒を添加すればよい。また、反応は、通
常2kPa〜110kPa、好ましくは5kPa〜80
kPaの圧力下で、脱保護された低沸点アルデヒド類を
除きながら反応させることが副生成物を抑える意味でよ
り好ましい。
し、更に適当な有機溶媒を加えてもよい。加える有機溶
媒としては水と混和するものであっても、水と分離する
ものであってもよく、例えばメタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、トルエン、キシレンが挙げられる。反応溶媒の使用
量は化合物[II-b]1kgに対して、通常0.5L〜20
L、好ましくは1L〜10Lである。
性イオン交換樹脂、ルイス酸が挙げられ、好ましくは、
リン酸、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸が挙げられる。該酸触媒は、化合物[II-b]1モ
ルに対して、通常0.1ミリモル〜30モル、好ましく
は0.1モル〜20モルである。該酸触媒は水溶液の形
態としても使用することができる。
0℃、好ましくは50℃〜100℃であり、反応時間
は、通常10分〜20時間、好ましくは1時間〜6時間
である。
方法(例えば、濾過、再結晶など)により行うことがで
きる。
-b]のグリニャール試薬またはリチウム化合物を経由
し、さらに式
れるカップリング化合物を経由して得ることができる。
り得ることができる。化合物[III]には易酸化部位とし
て、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン環の5位にある
ヒドロキシメチル基の他に、1位と3位の炭素が存在す
る。このため、化合物[III]の酸化により1位と3位の
炭素の酸化が副反応として生じることが懸念される。し
かしながら、例えばN−オキシルラジカル触媒存在下、
次亜塩素酸塩を用いて化合物[III]を酸化することによ
り、選択的にヒドロキシメチル基が酸化され、収率よ
く、化合物[IV]を得ることができる。具体的には、例え
ば、塩基、触媒およびN−オキシルラジカル触媒の存在
下、化合物[III]の有機溶媒溶液に、次亜塩素酸塩を添
加、好ましくは水溶液として滴下することにより、化合
物[IV]を得ることができる。
例えば次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次
亜塩素酸カルシウムなどが挙げられ、好ましくは次亜塩
素酸ナトリウムが挙げられる。該次亜塩素酸塩の使用量
は、化合物[III]1モルに対して、通常0.8モル〜2
モル、好ましくは0.85モル〜1.3モルである。次
亜塩素酸ナトリウムは水溶液の形態で用いるのが好まし
く、該水溶液の濃度は、通常8重量%〜15重量%が適
当であり、好ましくは11重量%〜14重量%である。
媒としては、4−置換−2,2,6,6−テトラメチル
−1−ピペリジニルオキシを例示することができ、該触
媒の使用量は、化合物[III]1モルに対して、通常0.
0001モル〜0.1モル、好ましくは0.0001モ
ル〜0.01モルである。4位の置換基としては、例え
ば水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1から10である
アルコキシル基、炭素数1から10である脂肪族炭化水
素残基を有するアシルオキシ基、炭素数1から10であ
る脂肪族炭化水素残基を有するカルボニルアミノ基等が
挙げられ、収率の観点から、特に好ましくはヒドロキシ
ル基が挙げられる。
基」は、好ましくは炭素数1〜5である、直鎖状または
分岐鎖状のアルコキシル基であり、例えばメトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ
ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペ
ントキシ、イソペントキシ、ヘキシルオキシ、へプチル
オキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ
が挙げられ、好ましくはメトキシ、エトキシ、イソプロ
ポキシが挙げられる。
素残基を有するアシルオキシ基」は、好ましくは炭素数
1〜6である、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素
残基を有するアシルオキシ基であり、例えばアセチルオ
キシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチ
リルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ピ
バロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、へプタノイルオ
キシ、オクタノイルオキシ、ノナノイルオキシ、デカノ
イルオキシ、ウンデカノイルオキシ、アクリロイルオキ
シ、メタクリロイルオキシが挙げられ、好ましくはアセ
チルオキシ、メタクリロイルオキシが挙げられる。
素残基を有するカルボニルアミノ基」は、好ましくは炭
素数1〜6である、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化
水素残基を有するカルボニルアミノ基であり、例えばア
セチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、
イソブチリルアミノ、バレリルアミノ、イソバレリルア
ミノ、ピバロイルアミノ、ヘキサノイルアミノ、へプタ
ノイルアミノ、オクタノイルアミノ、ノナノイルアミ
ノ、デカノイルアミノ、ウンデカノイルアミノ、アクリ
ロイルアミノ、メタクリロイルアミノが挙げられ、好ま
しくはアセチルアミノが挙げられる。
−1−ピペリジニルオキシとしては、好ましくは4−ヒ
ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリ
ジニルオキシ、4−メタクリロイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4−
アセチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−
ピペリジニルオキシ、4−アセチルアミノ−2,2,
6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシが挙げ
られ、特に好ましくは、収率の観点から、4−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニル
オキシが挙げられる。
れば特に限定はなく、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸リ
チウムなどが挙げられ、好ましくは炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムである。該塩基の使用量は、化合
物[III]1モルに対して、通常0.01モル〜2モル、
好ましくは0.1モル〜0.9モルである。
ニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、
テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアン
モニウムサルフェート、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド
などの相間移動触媒、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、
ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウムなどのハロゲン化金
属触媒などが挙げられ、好ましくはテトラブチルアンモ
ニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロ
リド、ヨウ化カリウム、臭化カリウムが挙げられる。該
触媒の使用量は、化合物[III]1モルに対して、通常
0.0001モル〜0.3モル、好ましくは0.01モ
ル〜0.2モルである。
ば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、エチルメチルケ
トン、イソブチルメチルケトン、トルエン、キシレン、
tert−ブチルメチルエーテルなどが挙げられ、好ま
しくは酢酸エチル、アセトン、エチルメチルケトン、イ
ソブチルメチルケトン、トルエンが挙げられる。該溶媒
の使用量は、化合物[III]1kgに対して、1L〜20
L、好ましくは3L〜10Lである。
ましくは0℃〜50℃であり、反応時間は、通常10分
〜10時間、好ましくは10分〜2時間である。
の常法により行うことができる。
方法 化合物[VI](5−フタランカルボニトリル化合物)はシ
タロプラムの製造中間体であり、新規な化合物[IV]をヒ
ドロキシルアミンまたはその鉱酸塩と反応させることに
より、新規な化合物[V](本発明における化合物[V]は、
シン体、アンチ体のどちらも含む)を経由して、即ちオ
キシム化および脱水反応を経て、得ることができる。操
作の簡便性から、a)化合物[V]を単離することなく直
接脱水反応に付すのが好ましく、例えば、有機溶媒中、
化合物[IV]およびヒドロキシルアミンまたはその鉱酸塩
を添加後、そのまま加熱することによって、化合物[VI]
を得ることができる。
は、b)化合物[V]を単離後、脱水反応に付すのが好ま
しい。化合物[V]は、化合物[IV]をヒドロキシルアミン
またはその鉱酸塩と反応させることによって得られ、当
該化合物[V]を脱水することによって、化合物[VI]を製
造することができる。具体的には、有機溶媒中、化合物
[IV]およびヒドロキシルアミンまたはその鉱酸塩を添加
後、攪拌することによって化合物[V]を得、得られた化
合物[V]を単離後、加熱することによって化合物[VI]を
得ることができる。化合物[V]の単離は、常法で行うこ
とができる。
ば、ヒドロキシルアミンと塩酸、硫酸、燐酸、硝酸など
との塩が挙げられ、好ましくはヒドロキシルアミン塩酸
塩、ヒドロキシルアミン硫酸塩が挙げられる。
用量は、化合物[IV]に対して、通常0.8当量〜5当
量、好ましくは0.9当量〜2当量である。ヒドロキシ
ルアミンまたはその鉱酸塩は、そのまま、好ましくは溶
液(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール、水など)として用いる。反応規模にもよる
が、特に、ヒドロキシルアミンまたはその鉱酸塩のメタ
ノール溶液を、20℃〜50℃で滴下するのが好まし
い。
いる場合には、ヒドロキシルアミン鉱酸塩に対して、適
当な塩基を1当量〜5当量添加するのが好ましい。該塩
基としては、シアノ基への影響が少ないものであれば特
に制限はなく、例えば、有機塩基類(例えば、トリエチ
ルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ピリ
ジン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、
カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド
等)、無機塩基類(例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナ
トリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カ
リウム、水酸化カリウム等)などが挙げられ、好ましく
はトリエチルアミンが挙げられる。塩基の添加はヒドロ
キシルアミン鉱酸塩の添加前に行うのが、工業的に好ま
しい。
うため、更に脱水剤を作用させてもよい。脱水剤として
は、例えば酸無水物(例えば、無水酢酸、無水フタル酸
等)、メタンスルホニルクロリド、パラトルエンスルホ
ニルクロリド等が使用でき、無水酢酸を使用するのが環
境面および収率の点から好ましい。脱水剤の使用量は、
上記a)の場合、ヒドロキシルアミンまたはその鉱酸塩
に対して、好ましくは0.8当量〜5当量であり、上記
b)の場合、化合物[V]に対して、通常1当量〜10当
量、好ましくは1当量〜5当量である。上記a)におい
ては、脱水剤はヒドロキシルアミンまたはその鉱酸塩と
同時に添加してもよいが、ヒドロキシルアミンまたはそ
の鉱酸塩の添加後に加えるのが好ましい。
であれば特に限定はなく、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、酢酸エチル、アセトニトリル、
トルエン、キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロ
ロベンゼン、N−メチルピロリドン、ニトロエタン、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタンな
ど;これらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはアセトニ
トリル、トルエン、キシレン、N−メチルピロリドン、
ニトロエタン、酢酸エチル、酢酸エチルとメタノールと
の混合溶媒、酢酸エチルとエタノールとの混合溶媒、酢
酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶媒、トル
エンとメタノールとの混合溶媒が挙げられる。該有機溶
媒の使用量は上記a)の場合、化合物[IV]1kgに対し
て、通常0.5L〜50L、好ましくは1L〜20Lで
あり、上記b)の場合、化合物[V]1kgに対して、通
常0.5L〜50L、好ましくは1L〜20Lである。
〜220℃、好ましくは80℃〜150℃であり、反応
時間は、通常1時間〜20時間、好ましくは2時間〜8
時間である。
0℃〜120℃、好ましくは40℃〜100℃で、通常
10分〜4時間、好ましくは30分〜2時間行い、脱水
反応を通常60℃〜160℃、好ましくは120℃〜1
50℃、より好ましくは125℃〜150℃で、通常3
0分〜8時間、好ましくは90分〜6時間行う。
抽出、結晶化などの常法により、行うことができる。
Phys.Org.Chem.,3(12),789−
98(1990)記載の方法に準じて製造することがで
きる。
重金属、金属シアン化物、塩化チオニルなどの環境に対
して負荷の大きな試剤を使用することなく、5−フタラ
ンカルボニトリル化合物を製造することができる。更
に、全工程において収率良く、反応が進行する。
O98/19511に記載の方法によって、シタロプラ
ムに誘導することができる。これにより、抗うつ薬とし
て有用なシタロプラムを製造することができる。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。また、実施例中の試薬に対する%単位は、全て重量
%を意味している。
成 m−キシリレングリコールジアセテート28.4g、酢
酸ナトリウム55.2gを氷酢酸130mlに分散させ
た懸濁液中に、15〜20℃で臭素102.5gを30
分かけて滴下した後、20〜30℃で13時間攪拌し
た。反応液は氷浴下、10%亜硫酸ナトリウム水溶液7
00ml中にあけ攪拌した後、酢酸エチル250mlで
2回抽出した。酢酸エチル層は10%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液300mlで3回洗浄した後、溶媒を留去する
ことにより、2,4−ビス(アセトキシメチル)ブロモ
ベンゼン、および2,6−ビス(アセトキシメチル)ブ
ロモベンゼンの約93:7の混合物37.6g(97.
6%)を黄色油状物として得た。2,4−ビス(アセト
キシメチル)ブロモベンゼンは、測定用として分取HP
LCにより単離した。
(s),1476(m),1378(m),1226
(s),1028(s),858(w),820(w)
cm-1
ベンゼン:1 H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=2.11
(3H,s),2.15(3H,s),5.07(2
H,s),5.19(2H,s),7.19(1H,d
d,J=8Hz,J=2Hz),7.39(1H,d,
J=2Hz),7.57(1H,d,J=8Hz)pp
m
成 2,4−ビス(アセトキシメチル)ブロモベンゼン、お
よび2,6−ビス(アセトキシメチル)ブロモベンゼン
の約93:7の混合物36.7gをメタノール183m
lに溶解させ、10℃に冷却した溶液中に10%水酸化
ナトリウム水溶液133gを滴下した。反応液は1時間
室温で攪拌した後、溶媒を約200ml留去し、希塩酸
約200mlで中和した。中和液中にトルエン150m
lを加え80〜85℃で1時間攪拌させた後、冷却し生
じた結晶を濾過、減圧乾燥することにより、2,4−ビ
ス(ヒドロキシメチル)ブロモベンゼン、および2,6
−ビス(ヒドロキシメチル)ブロモベンゼンの約93:
7の混合物22.2g(83.7%)をほとんど白色の
結晶として得た。2,4−ビス(ヒドロキシメチル)ブ
ロモベンゼンを、測定用として、分取HPLCにより単
離した。
(s),1413(s),1228(s),1158
(s),1063(s),1002(s),824
(s),741(s),641(s)cm-1
ベンゼン:1 H−NMR(DMSO−d6,400MHz)δ=4.
46(2H,d,J=5Hz),4.49(2H,d,
J=5Hz),5.26(1H,t,J=5Hz),
5.41(1H,t,J=5Hz),7.12(1H,
dd,J=8Hz,J=2Hz),7.48(1H,
d,J=8Hz),7.50(1H,d,J=2Hz)
ppm
ベンゼンの合成 2,4−ビス(ヒドロキシメチル)ブロモベンゼン、お
よび2,6−ビス(ヒドロキシメチル)ブロモベンゼン
の約 93:7 の混合物 22.1g,パラトルエンス
ルホン酸一水和物 0.1g をトルエン220mlに分
散させた懸濁液に、エチルビニルエーテル18.4gを
24〜32℃で滴下し、その後室温で2時間攪拌した。
反応液は5%炭酸ナトリウム水溶液100mlにあけ、
有機層を5%炭酸ナトリウム水溶液100mlで洗浄
後、炭酸カリウム上で脱水し、溶媒を留去することによ
り、2,4−ビス(1’−エトキシエトキシメチル)ブ
ロモベンゼン、および2,6−ビス(1’−エトキシエ
トキシメチル)ブロモベンゼンの約93:7 の混合物
35.7g(97.1%)を黄色油状物として得た。
2,4−ビス(1’−エトキシエトキシメチル)ブロモ
ベンゼンは、測定用として分取HPLCにより単離し
た。
チル)ブロモベンゼン:1 H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=1.22
(3H,t,J=7Hz),1.23(3H,t,J=
7Hz),1.36(3H,d,J=5Hz),1.4
1(3H,d,J=5Hz),3.48−3.59(2
H,m),3.63−3.75(2H,m),4.49
(1H,d,J=12Hz),4.58(1H,d,J
=13Hz),4.61(1H,d,J=12Hz),
4.69(1H,d,J=13Hz),4.81(1
H,q,J=5Hz),4.88(1H,q,J=5H
z),7.14(1H,dd,J=8Hz,J=2H
z),7.47(1H,d,J=2Hz),7.50
(1H,d,J=8Hz)ppm
25ml)溶液に28%ナトリウムメトキシド含有メタ
ノール溶液82.6gを室温で加えた後、60℃、3時
間加熱攪拌した。反応液は、溶媒を留去後、上水150
mlを加え、ヘプタン80mlで2回抽出し、へプタン
を減圧留去することにより、m−キシリレングリコール
ジメチルエーテル25.3gを得た。m−キシリレング
リコールジメチルエーテル25.3gを酢酸125ml
に溶解させ、酢酸ナトリウム68gを加えた後、室温で
臭素68gを滴下した。室温で3時間攪拌後、10%亜
硫酸ナトリウム水溶液750ml中にあけ、ヘプタン3
50mlで2回抽出した。ヘプタン層を10%水酸化ナ
トリウム水溶液150mlで2回、水150mlで1回
抽出した後、溶媒を留去し、残渣をヘプタン−酢酸エチ
ル(15:1)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製することにより、無色透明油状の標
題化合物10.4g(収率:29.7%)を得た。
ンゼン:1 H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=3.38
(3H,s)、3.53(3H,s)、4.42(2
H,s)、4.52(2H,s)、7.13(1H,d
d,J=8Hz,J=2Hz),7.43(1H,d,
J=2Hz),7.51(1H,d,J=8Hz)pp
m
ソベンゾフラン−5−イルメタノールの合成 窒素雰囲気下で、2,4−ビス(1’−エトキシエトキ
シメチル)ブロモベンゼン、および2,6−ビス(1’
−エトキシエトキシメチル)ブロモベンゼンの約93:
7の混合物34.7gを脱水テトラヒドロフラン250
mlに溶解させ、−40℃まで冷却した後、n−ブチル
リチウムのヘキサン溶液(1.57mol/L)64.
3ml を−40℃から−30℃の範囲で滴下した。−
20℃まで昇温した後、これにパラフルオロベンズアル
デヒド12.5gを滴下し、そのまま1時間かけて15
℃まで昇温させた。反応液を20%塩化アンモニウム水
溶液200mlにあけ、有機層を分離した後、水層をト
ルエン200mlで抽出した。あわせた有機層は20%
食塩水250mlで2回洗浄した後、溶媒を留去した。
残渣38.5gに60%りん酸 300gを加えた溶液
を9.31−13.3kPa(70〜100Tor
r)、80〜85℃で2時間加熱攪拌した後、10℃ま
で冷却し、生じた結晶を濾過、エタノールでよく洗浄し
た後乾燥することにより、1−(4’−フルオロフェニ
ル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イルメ
タノール20.8g(88.7%)を微黄色結晶として
得た。
(w),1606(s),1511(s),1225
(s),1157(m),1135(m),1046
(s),1015(s),824(s),810
(s),783(m)cm-1;1 H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=4.72
(2H,s),5.19(1H,d,J=12Hz),
5.31(1H,d,J=12Hz),6.14(1
H,s),6.98(1H,d,J=8Hz),7.0
3(2H,t,J=9Hz),7.24(1H,d,J
=8Hz),7.29(2H,dd,J=9Hz,J=
6Hz),7.32(1H,s)ppm
ソベンゾフラン−5−カルバルデヒドの合成 1−(4’−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイ
ソベンゾフラン−5−イルメタノール 20.6gを酢
酸エチル160mlに溶解させた溶液に、炭酸水素ナト
リウム2.9g、テトラブチルアンモニウムブロミド
1.6gおよび4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチル−1−ピペリジニルオキシ0.13gを加え5
℃まで冷却した後、5−10℃で12.9%の次亜塩素
酸ナトリウム水溶液52.7gを滴下し1時間攪拌し
た。反応液に水100mlを加えた後、酢酸エチル10
0mlで2回抽出し、抽出液は5%炭酸水素ナトリウム
水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、シリカゲル3g
を加えてから濾過、溶媒を留去することにより、1−
(4’−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベ
ンゾフラン−5−カルバルデヒド17.2g(84.2
%)を得た。
(m),2743(w),1697(s),1605
(s),1509(s),1225(s),1157
(m),1144(m),1045(s),832
(s),816(s),786(m)cm-1;1 H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=5.25
(1H,d,J=13Hz),5.38(1H,d,J
=13Hz),6.18(1H,s),7.06(2
H,t,J=9Hz),7.16(1H,d,J=8H
z),7.30(2H,d,J=9Hz,J=5H
z),7.77(1H,d,J=8Hz),7.83
(1H,s),10.03(1H,s)ppm
ソベンゾフラン−5−カルバルデヒドオキシムの合成 1−(4’−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイ
ソベンゾフラン−5−カルバルデヒド5.96gをトル
エン30mlに溶解させ、トリエチルアミン2.75g
を流入した後、ヒドロキシルアミン塩酸塩1.88gを
添加し、80〜90℃で1時間反応させた。反応液に熱
水30mlを加え、90℃で熱時分液した。有機層を0
〜5℃まで冷却することによって生じた結晶を濾取する
ことによって、標題化合物5.02g(収率:79.2
%)を得た。
(1H,d,J=13Hz),5.32(1H,d,J
=13Hz),6.14(1H,s),7.01(1
H,d,J=8Hz),7.04(2H,t,J=9H
z),7.29(2H,dd,J=9Hz,J=5H
z),7.43(1H,d,J=8Hz),7.53
(1H,s),7.82(1H,br),8.16(1
H,s)ppm
ソベンゾフラン−5−カルボニトリルの合成 1−(4’−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイ
ソベンゾフラン−5−カルバルデヒド17.00gをト
ルエン200mlに溶解させ、これにヒドロキシルアミ
ン塩酸塩5.5gおよびトリエチルアミン8.0gを加
え、80〜100℃で2時間攪拌した。生じたトリエチ
ルアミン塩酸塩を濾過した後、溶媒を留去し、更に無水
酢酸 36.5g を加え、125〜130℃で5時間攪
拌した。反応液を10%水酸化ナトリウム水溶液300
ml中にあけ、トルエン200mlで2回抽出した。ト
ルエン層は5%水酸化ナトリウム水溶液、水、飽和食塩
水の順に洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水した後、シ
リカゲル5gを加え、よく攪拌した後、濾過し、溶媒を
留去することにより、粗1−(4’−フルオロフェニ
ル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボ
ニトリル14.2gを得た。このものはエタノール/へ
キサン混合溶媒から再結晶し、1−(4’−フルオロフ
ェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カ
ルボニトリル9.52g(59.8%)を得た。
2228(s),1603(s),1510(s),1
224(s),1157(m),1048(s),10
31(s),832(s)cm-1;1 H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=5.21
(1H,d,J=13Hz),5.34(1H,d,J
=13Hz),6.16(1H,s),7.06(2
H,t,J=9Hz),7.10(1H,d,J=8H
z),7.27(2H,dd,J=9Hz,J=5H
z),7.55(1H,d,J=8Hz),7.60
(1H,s)ppm
l)および酢酸カリウム34.0g(171mmol)
をアセトン125mlに懸濁させ、懸濁液にベンジルト
リエチルアンモニウムクロリド4.8gを加え、2.5
時間還流させた。反応液は冷却後濾過した後、溶媒を留
去させ、トルエン50mlを加えた。トルエン層は水5
0mlおよび飽和食塩水50mlで洗浄した後、溶媒を
留去することにより、m−キシリレングリコールジアセ
テート31.3g(98.7%)を油状物として得た。
ルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン
−5−カルボニトリル(シタロプラム)の合成 60%水素化ナトリウム0.92gをTHF30mlに
分散させた懸濁液に1−(4’−フルオロフェニル)−
1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニトリ
ル4.80gのTHF(10ml)溶液を40〜50℃
で滴下した。同温度で30分攪拌した後、3−ジメチル
アミノプロピルクロリド3.2gのトルエン(20m
l)溶液を滴下し、10分攪拌した。その後、更にジメ
チルスルホキシド30mlを滴下し、65〜70℃で3
時間攪拌した。反応液を氷水200mlにあけ、トルエ
ン60mlで3回抽出した。有機層は20%酢酸水60
mlで2回抽出し、水層を中和後、トルエン60mlで
2回抽出し、水洗後、無水炭酸カリウム2gおよびシリ
カゲル2gを加え、攪拌、濾過し、溶媒を留去すること
により、粘稠オイル状の1−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)−1−(4’−フルオロフェニル)−1,3−ジ
ヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニトリル(シタロ
プラムベース)3.37g(51.6%)を得た。
δ=1.26〜1.52(2H,m),2.11〜2.
26(4H,m),2.13(6H,s),5.15
(1H,d,J=13Hz),5.19(1H,d,J
=13Hz),7.00(2H,t,J=9Hz),
7.41(1H,d,J=8Hz),7.43(2H,
dd,J=9Hz,J=5Hz),7.50(1H,
s),7.59(1H,d,J=8Hz)ppm このものを常法により臭化水素酸塩とした結晶の融点は
184〜186℃であった。
物、または塩化チオニルのような環境に対して負荷の大
きな試剤を使用しない(環境負荷が小さい)、収率のよ
い、工業的にも有利な5−フタランカルボニトリル化合
物の製造方法を提供することができる。このようにして
得られた5−フタランカルボニトリル化合物より、抗う
つ剤として有用なシタロプラムを提供することができ
る。
Claims (13)
- 【請求項1】 式[I] 【化1】 (式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示
す)で表される化合物。 - 【請求項2】 式[II] 【化2】 (式中、R1は炭素数2から5であるアルカノイル基、
炭素数1から5であるアルキル基、テトラヒドロピラン
−2−イル基、アルコキシル基の炭素数が1から5であ
るアルコキシメチル基、アルコキシル基の炭素数が1で
あるかもしくは3から10である1−アルコキシエチル
基、または各アルキル基の炭素数が1から5であるトリ
アルキルシリル基を示し、Xは塩素原子、臭素原子また
はヨウ素原子を示す)で表される化合物。 - 【請求項3】 R1がアセチル基であり、かつXが臭素
原子である請求項2記載の化合物。 - 【請求項4】 式[III] 【化3】 で表される化合物。
- 【請求項5】 式[IV] 【化4】 で表される化合物。
- 【請求項6】 式[V] 【化5】 で表されるオキシム化合物。
- 【請求項7】 式[A] 【化6】 (式中、R2は炭素数2から5であるアルカノイル基を
示す)で表される化合物を、塩素化、臭素化またはヨウ
素化のいずれかに付した後、脱アシル化することを特徴
とする、式[I] 【化7】 (式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示
す)で表される化合物の製造方法。 - 【請求項8】 式[II-b] 【化8】 (式中、R1bは炭素数1から5であるアルキル基、テト
ラヒドロピラン−2−イル基、アルコキシル基の炭素数
が1から5であるアルコキシメチル基、アルコキシル基
の炭素数が1から10である1−アルコキシエチル基、
または各アルキル基の炭素数が1から5であるトリアル
キルシリル基を示し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨ
ウ素原子を示す)で表される化合物を、グリニャール
試薬またはリチウム化合物に変換後、これをパラフル
オロベンズアルデヒドとカップリングさせ、さらに得
られたカップリング化合物をR1bの脱保護及び環化に付
すことを特徴とする、式[III] 【化9】 で表される化合物の製造方法。 - 【請求項9】 式[III] 【化10】 で表される化合物を酸化することを特徴とする、式[IV] 【化11】 で表される化合物の製造方法。
- 【請求項10】 式[IV] 【化12】 で表される化合物を、ヒドロキシルアミンまたはその鉱
酸塩と反応させることを特徴とする、式[V] 【化13】 で表されるオキシム化合物の製造方法。 - 【請求項11】 式[V] 【化14】 で表されるオキシム化合物を脱水することを特徴とす
る、式[VI] 【化15】 で表される5−フタランカルボニトリル化合物の製造方
法。 - 【請求項12】 式[IV] 【化16】 で表される化合物を、ヒドロキシルアミンまたはその鉱
酸塩と反応後、脱水させることを特徴とする、式[VI] 【化17】 で表される5−フタランカルボニトリル化合物の製造方
法。 - 【請求項13】 式[I] 【化18】 (式中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を
示す)で表される化合物のヒドロキシル基を、炭素数1
から5であるアルコキシル基、テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ基、アルコキシル基の炭素数が1から5で
あるアルコキシメトキシ基、アルコキシル基の炭素数が
1から10である1−アルコキシエトキシ基、または各
アルキル基の炭素数が1から5であるトリアルキルシリ
ルオキシ基に変換するか、または式[A] 【化19】 (式中、R2は炭素数2から5であるアルカノイル基を
示す)で表される化合物を、塩素化、臭素化またはヨウ
素化のいずれかに付すことを特徴とする、式[II'] 【化20】 (式中、R1’は炭素数2から5であるアルカノイル
基、炭素数1から5であるアルキル基、テトラヒドロピ
ラン−2−イル基、アルコキシル基の炭素数が1から5
であるアルコキシメチル基、アルコキシル基の炭素数が
1から10である1−アルコキシエチル基、または各ア
ルキル基の炭素数が1から5であるトリアルキルシリル
基を示し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を
示す)で表される化合物の製造方法。
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JP2000285068A JP3641420B2 (ja) | 1999-11-01 | 2000-09-20 | 5−フタランカルボニトリル化合物の製造方法、その中間体およびその製造方法 |
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JP31170399 | 1999-11-01 | ||
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WO2006001529A1 (ja) * | 2004-06-28 | 2006-01-05 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 5-フタランカルボニトリル化合物の製造方法及びその中間体 |
WO2006057261A1 (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-01 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 5-フタランカルボニトリル及びシタロプラムの製造方法 |
JP2006520351A (ja) * | 2003-03-13 | 2006-09-07 | エイドルケム テクノロジー エスピーエー | シアノイソベンゾフランの製造方法 |
-
2000
- 2000-09-20 JP JP2000285068A patent/JP3641420B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2006057261A1 (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-01 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 5-フタランカルボニトリル及びシタロプラムの製造方法 |
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