JP2002080431A - オクタフルオロトリシクロデカン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

オクタフルオロトリシクロデカン誘導体およびその製造方法

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JP2002080431A
JP2002080431A JP2001185429A JP2001185429A JP2002080431A JP 2002080431 A JP2002080431 A JP 2002080431A JP 2001185429 A JP2001185429 A JP 2001185429A JP 2001185429 A JP2001185429 A JP 2001185429A JP 2002080431 A JP2002080431 A JP 2002080431A
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Satoru Miyazawa
覚 宮澤
Mitsutaka Otani
充孝 大谷
Kentaro Tsutsumi
憲太郎 堤
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機能性高分子化合物製造のための単量体あるい
はその原料等として有用な新規な含フッ素シクロアルカ
ン誘導体を提供する。 【解決手段】一般式(1) (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基ま
たはハロゲン化炭化水素基を表し、R2は一般式(2) (式中、R3は水素原子または置換基を有することもあ
る炭化水素基を表し、mは0または1を表す。)で表さ
れる一価の基を表す。)で表されるオクタフルオロトリ
シクロデカン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水性、撥油性、
低吸水性、耐熱性、耐候性、耐腐食性、透明性、感光性
などを有する機能性高分子化合物の単量体あるいはその
原料等として有用な新規な含フッ素シクロアルカン誘導
体、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アダマンタンやビシクロアルカンなどの
環に、ヒドロキシル基が結合した脂肪族環状化合物は、
機能性高分子化合物製造のための単量体あるいはその原
料等として利用されている。しかしながら、ますます高
度化、多様化する要求に対してこれら既存の化合物が発
揮しうる機能は必ずしも充分ではなく、さらに優れた高
分子化合物を与え得る新規な単量体あるいはその原料の
創出が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は撥水
性、撥油性、低吸水性、耐熱性、耐候性、耐腐食性、透
明性、感光性などを有する機能性高分子化合物製造のた
めの単量体あるいはその原料等として有用な新規な含フ
ッ素シクロアルカン誘導体を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、一連の新規な
含フッ素シクロアルカン誘導体を合成し、さらにそれら
を効率的に製造する方法を見出すに及び、本発明を完成
するに至った。
【0005】すなわち本発明は、一般式(1)
【0006】
【化14】
【0007】(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、
炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を表し、R2
一般式(2)
【0008】
【化15】
【0009】(式中、R3は水素原子または置換基を有
することもある炭化水素基を表し、mは0または1を表
す。)で表される一価の基を表す。)で表されるオクタ
フルオロトリシクロデカン誘導体である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0011】本発明に係る一般式(1)で表されるオク
タフルオロトリシクロデカン誘導体は、式中、R1のハ
ロゲン原子としてフッ素、塩素、臭素などが例示でき、
また炭素数1〜20の炭化水素基としてメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジ
ル基、フェネチル基などが例示でき、なかでも炭素数1
〜10のものが好ましく、さらには炭素数1〜4のもの
がより好ましい。ハロゲン化炭化水素基としては前記ア
ルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で
置換されたものを例示でき、例えばトリフルオロメチル
基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフ
ルオロイソプロピル基などが例示できる。
【0012】また、R2は一般式(2)
【0013】
【化16】
【0014】(式中、R3は水素原子または置換基を有
することもある炭化水素基を表し、mは0または1を表
す。)で表される一価の基である。
【0015】R3は、置換基を有することもある炭化水
素基であり、炭素数1〜20のものが好ましい。重合性
の二重結合を持たないもとのしては、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、ベンジル基、フェネチル基などが例示できる。また
これらが有する置換基としてはアシル基、アリル基、ア
ルコキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル
基、カルボニル基、ヒドロキシル基、ニトリル基などが
例示できる。
【0016】また、R3としては、重合性の二重結合を
持つ一般式(3)
【0017】
【化17】
【0018】(式中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、置換基を有することもある炭
化水素基を表し、nは0〜8の整数を表す。)で表され
る一価の基が挙げられる。
【0019】R4、R5、R6としては、ハロゲン原子と
してフッ素、塩素、臭素などが挙げられ、また炭素数1
〜20の炭化水素基にはメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチ
ル基などが挙げられ、なかでも炭素数1〜10のものが
好ましく、さらには炭素数1〜4のものがより好まし
い。また置換基としてはアシル基、アリル基、アルコキ
シル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カ
ルボニル基、ヒドロキシル基、ビニル基、ニトリル基な
どが挙げられる。
【0020】R2としては、具体的には、ビニル基、ア
リル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが例示
できる。
【0021】以下、一般式(1)で表されるオクタフル
オロトリシクロデカン誘導体の合成方法について説明す
る。
【0022】一般式(1)で表されるオクタフルオロト
リシクロデカン誘導体は、2,3,3,4,4,5,
5,6−オクタフルオロトリシクロ[5.2.1.0
2,6]−8−デセンを出発物質として、そのエポキシ誘
導体、ケトン誘導体、アルコール誘導体などの中間体を
経由して合成される。
【0023】式(7)で表されるオクタフルオロトリシ
クロデカン誘導体(エポキシ化合物)の合成は慣用の方
法に従って行えばよく特に限定されるものではないが、
例えば、溶媒中で2,3,3,4,4,5,5,6−オ
クタフルオロトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−
デセンを過酸で処理する方法などが例示できる。溶媒と
しては2,3,3,4,4,5,5,6−オクタフルオ
ロトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセンと過
酸の両方を溶解できれば制限なく使用することができ、
例えば塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フランなどが例示できる。また過酸として過酢酸、メタ
クロロ過安息香酸、モノペルオキシフタル酸などが例示
できる。反応の温度と時間は、反応試剤の種類などによ
り適宜選ぶことができるが、好ましくは0〜100℃で
1〜48時間である。
【0024】また式(9)で表されるオクタフルオロト
リシクロデカン誘導体(ケトン化合物)の合成は慣用の
方法に従って行えばよく特に限定されるものないが、例
えば上記の方法で得られる式(7)で表されるエポキシ
化合物を酸触媒によりケトンへ転位させる方法を例示で
きる。酸触媒としては、三フッ化ホウ素−ジエチルエー
テル錯体、臭化マグネシウムなどのルイス酸や鉱酸が例
示できる。使用する溶媒は反応に不活性であればよく、
ジエチルエーテルやベンゼンなどを例示できる。また反
応の温度と時間は、反応試剤の種類などにより適宜選ぶ
ことができるが、0〜100℃で1〜48時間程度が好
ましい。
【0025】また式(8)で表されるオクタフルオロト
リシクロデカン誘導体(アルコール化合物)の合成は慣
用の方法に従って行えばよく特に限定されないが、2,
3,3,4,4,5,5,6−オクタフルオロトリシク
ロ[5.2.1.02,6]−8−デセンを酸水溶液で水
和処理する方法、および式(7)で表されるエポキシ化
合物を水素化金属、例えば水素化リチウムアルミニウ
ム、水素化ホウ素、水素化ナトリウム、水素化リチウム
などで水素化して還元する方法が例示できる。
【0026】一般式(4)(R1は水素原子、ハロゲン
原子ではない)で表される第3級アルコール化合物の合
成方法として、上記の方法で得られる式(9)で表され
るケトン化合物を有機金属化合物、例えば、一般式R1
MX(式中、R1は式(1)におけるのと同じ、但しハ
ロゲン原子ではない。Mは金属、Xはハロゲンを表
す。)で表されるグリニヤール試薬(金属はマグネシウ
ム、ハロゲンは塩素、臭素ヨウ素が好適である。例え
ば、ハロゲン化アルキルマグネシウム化合物)あるいは
有機リチウム化合物などと有機溶媒中で反応させ、次い
で水で加水分解する方法が例示できる。使用する溶媒は
反応に対して不活性であればよく、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ヘキサンなどを例示できる。また
有機金属化合物としては臭化エチルマグネシウム、ブチ
ルリチウムなどを例示できる。有機金属化合物の使用量
は、1〜2当量である。また反応の温度と時間は使用す
る有機金属化合物の種類などにより適宜選択できるが、
例えば−50〜100℃、3〜48時間程度が好適であ
る。
【0027】一般式(1)で表されるオクタフルオロト
リシクロデカン誘導体は、例えば次の様な方法で製造す
ることができる。
【0028】一般式(1)で表されるオクタフルオロト
リシクロデカン誘導体のうちエステル化合物について
は、一般式(4)で表されるオクタフルオロトリシクロ
デカン誘導体(アルコール化合物)と一般式(5) R3COOH (5) (式中、R3は一般式(1)における意味と同じ。)で
表されるカルボン酸をエステル化反応して一般式(6)
【0029】
【化18】
【0030】(式中、R3は一般式(1)における意味
と同じ。)で表されるオクタフルオロトリシクロデカン
誘導体(エステル化合物)を製造することができる。
【0031】アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ルなどは、上述の方法で得られる式(4)で表されるア
ルコール化合物とアクリル酸またはメタクリル酸から慣
用のエステル化反応の方法により誘導される。アクリル
酸エステルまたはメタクリル酸エステルの合成は、アル
コール化合物の一般的なエステル化反応をおこなえばよ
く、例えば硫酸などの酸触媒の存在下、式(4)で表さ
れるアルコール化合物を20〜120℃でアクリル酸ま
たはメタクリル酸と反応させる方法が例示できる。
【0032】また、一般式(1)で表されるオクタフル
オロトリシクロデカン誘導体のうちエーテル化合物につ
いては、一般式(4)で表されるオクタフルオロトリシ
クロデカン誘導体(アルコール化合物)と一般式(1
0) R3−X (10) (式中、R3は一般式(1)における意味と同じ、但し
水素原子は除く。Xは塩素、臭素、ヨウ素を表す)で表
されるハロゲン化物を反応させることで一般式(11)
【0033】
【化19】
【0034】(式中、R3は一般式(1)における意味
と同じ。)で表されるオクタフルオロトリシクロデカン
誘導体(ビニルエーテル化合物)を製造することができ
る。
【0035】例えば、塩基の存在下0〜100℃で3〜
48時間程度反応させる方法が例示できる。使用する溶
媒としては反応に対して不活性であればよく、例えばテ
トラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル系
溶剤、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤、ジメ
チルホルムアミドなどが使用できる。塩基としては有機
または無機のものが使用できるが、トリエチルアミン、
水素化ナトリウムなどが例示できる。
【0036】また、ビニルエーテル化合物の合成は、例
えばアルカリ金属の酸化物などを触媒として100〜2
00℃で式(4)で表されるアルコール化合物とアセチ
レンを反応させる方法が例示できる。またアリルエーテ
ル化合物の合成は、例えば0〜100℃で式(4)で表
されるアルコール化合物と塩化アリルを反応させる方法
が例示できる。
【0037】各反応後の生成物の分離精製は慣用の方法
でおこなえばよく、例えば濃縮、蒸留、抽出、再結晶、
ろ過、カラムクロマトグラフィーなどを用いることがで
き、また二種類以上の方法を組み合わせて用いてもよ
い。
【0038】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
【0039】〔実施例1〕 「2,3,3,4,4,5,5,6−オクタフルオロト
リシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセンの合成」
窒素気流下、2LSUS反応管に室温でオクタフルオロシク
ロペンテン747g(3.52mol)、シクロペンタジエン74.0g
(1.12mol)を加え反応管を密封し、170℃まで加熱し72時
間温度を維持した。続いて反応管を氷冷し内圧を下げた
後、内容物を2Lなす型フラスコに移し減圧蒸留を行っ
た。52〜55℃/12mmHgの留分193g(0.694mol,収率62.0%
(シクロペンタジエン基準))を回収し、得られた化合
物の同定を核磁気共鳴法(1H、13C、19F)、赤外分光法に
より行った。生成物1、生成物2は異性体である。
【0040】物性データ1 H-NMR(CDCl3, TMS基準) 生成物1 δ: 6.13(2H, br-s) 3.24(2H, br-s) 2.45(1H, dd, J=1
0.0Hz, 1.2Hz) 2.18(1H,dd, J=10.2Hz, 1.2Hz) 生成物2 δ: 6.48(2H, br-s) 3.39(2H, d, J=1.2Hz) 1.87-1.78
(1H, m) 1.74(1H, br-d,J=11.6Hz) IR(neat) ν(cm-1): 1333, 1291, 1180, 1168
【0041】以下a〜cの工程でおこなった。 a.「下記式(7)で示されるエポキシ化合物の合成」
【0042】
【化20】
【0043】窒素雰囲気下、25mlなす型フラスコに室温
で2,3,3,4,4,5,5,6−オクタフルオロト
リシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン261.5mg
(0.9402mmol)、ジクロロメタン3.1mlを加えた。続いて
室温でメタクロロ過安息香酸695.3mg(2.8205mmol)を加
え、室温で48時間撹拌した。次に亜硫酸水素ナトリウム
水溶液(8.4615mmol)を室温で滴下し過剰の試薬を分解
後、多量の酢酸エチルで希釈し、0.5N水酸化ナトリウム
水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、イオン交換
水、飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、エヴァポレーターにて減圧濃縮し
た。
【0044】この混合物をシリカゲルカラムクロマト
(酢酸エチル/n-ヘキサン=0/1〜1/5)にて分離精製し、エ
ポキシ化合物138.5mg(0.4709mmol)を得た。得られた化
合物の同定を核磁気共鳴法(1H、19F)、赤外分光法によ
り行った。生成物3、生成物4は異性体である。
【0045】物性データ1 H-NMR(CDCl3, TMS) 生成物3 δ:3.58(2H, s), 3.17(2H, s), 1.66(1H, ddd, J=12.4,
7.6, 7.6Hz), 1.14(1H,d, J=12.4Hz) 生成物4 δ: 3.34(2H, s), 3.19-3.11(2H, m), 1.96(1H, d, J=1
1.6Hz), 1.83(1H, d, J=11.6Hz)。
【0046】b.「下記式(8)で示されるアルコール
化合物の合成」
【0047】
【化21】
【0048】窒素雰囲気下、25mlなす型フラスコに室温
でa.で得られたエポキシ化合物102.4mg(0.3481mmo
l)、テトラヒドロフラン3.5mlを加えた。続いて氷冷下
で水素化リチウムアルミニウム13.2mg(0.3481mmol)を加
え、0℃で3時間、室温で12時間撹拌した。次に多量のテ
トラヒドロフランで希釈した後、イオン交換水20μlを
加え室温で1時間攪拌し過剰の試薬を分解した。続いて
沈殿物をシリカゲルにて濾別し、エヴァポレーターにて
減圧濃縮した。
【0049】この混合物をシリカゲルカラムクロマト
(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/8〜1/2)にて分離精製し、式
(7)で示されるアルコール化合物68.7mg(0.2319mmol)
を得た。得られた化合物の同定を核磁気共鳴法(1H、
19F)、赤外分光法により行った。生成物5、生成物6は
異性体である。
【0050】物性データ1 H-NMR(CDCl3, TMS) 生成物5 δ:4.45(1H, d,J=6.8Hz), 2.90-2.71(2H, m), 2.48(1H,
dd, J=14.4, 7.2Hz),2.36-2.19(1H, m),1.80-1.49(2H,
m) 生成物6 δ:4.25(1H, d,J=4.8Hz), 2.90-2.71(2H, m), 2.24-2.
14(1H, m),2.09-1.99(1H, m),1.80-1.49(2H, m)
【0051】c.「下記式(12)で示されるメタクリ
ル酸エステルの合成」
【0052】
【化22】
【0053】窒素雰囲気下、25mlなす型フラスコに室温
でb.で得られたアルコール化合物68.7mg(0.2319mmo
l)、メタクリル酸0.3ml(3.4796mmol)、ヒドロキノン2.5
mg(0.0232mmol)を加えた。続いて室温で濃硫酸35.9mg
(0.3479mmol)を加え、60℃で5時間撹拌した。次に室温
まで冷却し多量の酢酸エチルで希釈した後、適量のイオ
ン交換水を加え有機層を抽出した。続いてこの有機層を
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、イオン交換水、飽和食
塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで
乾燥し、エヴァポレーターにて減圧濃縮した。
【0054】この混合物をシリカゲルカラムクロマト
(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/10)にて分離精製し、メタク
リル酸エステル54.1mg(0.1485mmol)を得た。得られた化
合物の同定を核磁気共鳴法(1H、19F)、赤外分光法によ
り行った。
【0055】物性データ1 H-NMR(CDCl3, TMS基準) δ:6.07-6.00(1H, m), 5.54(1H, t, J=1.2Hz), 5.19(1
H, d, J=7.2Hz),2.97(1H,s), 2.84(1H, d, J=4.4Hz),2.
55(1H, dd, J=14.8Hz, 7.2Hz), 2.15-2.11(1H,m), 1.96
-1.68(4H, m), 1.59-1.53(1H, m) IR(neat) ν(cm-1):2960, 1730, 1450, 1320, 1160, 1040, 950,
810
【0056】〔実施例2〕 a.「下記式(9)で表されるケトンの合成」
【0057】
【化23】
【0058】窒素雰囲気下、25mlなす型フラスコに室温
でエポキシド145.5mg(0.4947mmol)、ベンゼン4.9ml(0.1
M)を加えた。続いて室温でトリフルオロメタンスルホン
酸43.8μl(0.4947mmol)を加え、24時間加熱還流した。
その後氷冷下、反応液にイオン交換水を加え、続いて大
過剰の酢酸エチルで希釈し有機層を抽出した。更にこの
有機層を0.5N水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗
浄した。得られた有機層を適量の硫酸マグネシウムで乾
燥し、エヴァポレーターにて減圧濃縮した。
【0059】この混合物をシリカゲルカラムクロマト
(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/7)にて分離精製し、ケトン9
4.1mg(0.3201mmol)を得た。得られた化合物について核
磁気共鳴法(1H、19F)、赤外分光法、質量分析法より構
造を確認した。
【0060】物性データ1 H-NMR(CDCl3, TMS) δ:3.31-3.26(1H, m), 3.26(1H, s), 2.68(1H, dd, J=1
8.4, 4.4Hz), 2.42(1H,ddd, J=18.4, 5.2, 4.8Hz),2.13
(1H, d, J=12.0Hz), 2.07-1.96(1H, m)
【0061】b.「下記式(13)で示される3級アルコ
ールの合成」
【0062】
【化24】
【0063】窒素雰囲気下、20mlなす型フラスコに室温
でケトン53.1mg(0.1805mmol)、テトラヒドロフラン1.8m
l(0.1M)を加えた。続いて-78℃に冷却し、エチルマグネ
シウムブロミド(テトラヒドロフラン溶液/1.0M)270.8μ
l(0.2708mmol)を加え-20℃まで徐々に昇温した。次に-2
0℃恒温槽内で24時間放置した後、氷冷下で飽和塩化
アンモニウム水溶液を加え過剰の試薬を分解した。続い
て大過剰の酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和塩化アン
モニウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。得られた有機
層を適量の硫酸マグネシウムで乾燥し、エヴァポレータ
ーにて減圧濃縮した。この混合物をシリカゲルカラムク
ロマト(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/10)にて分離精製し、
3級アルコール35.7mg(0.1101mmol)を得た。得られた化
合物について核磁気共鳴法(1H、19F)、赤外分光法、質
量分析法より構造を確認した。
【0064】物性データ1 H-NMR(CDCl3, TMS) δ:2.83(1H, br-s), 2.69(1H, br-s), 2.40(1H, d, J=1
6.4Hz), 2.02-1.93(1H,m), 1.96(1H, br-s),1.83(1H, d
dd, J=13.2, 8.4, 8.4Hz), 1.72(1H, dq, J=13.2, 7.2H
z), 1.68(1H, dq, J=13.2, 7.2Hz),1.62(1H, br-d, J=1
3.2Hz),1.01(3H,t, J=7.2Hz)
【0065】
【発明の効果】本発明により、撥水性、撥油性、低吸水
性、耐熱性、耐候性、耐腐食性、透明性、感光性などを
有する機能性高分子化合物の単量体あるいはその原料等
として有用な新規な含フッ素シクロアルカン誘導体が提
供される。また本発明の方法により、上記の新規な含フ
ッ素シクロアルカン誘導体を効率的に得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 67/08 C07C 67/08 (72)発明者 堤 憲太郎 埼玉県川越市今福中台2805番地 セントラ ル硝子株式会社化学研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB46 AC41 AC44 AC48 FC36 FE12 FE72 FE74

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基ま
    たはハロゲン化炭化水素基を表し、R2は一般式(2) 【化2】 (式中、R3は水素原子または置換基を有することもあ
    る炭化水素基を表し、mは0または1を表す。)で表さ
    れる一価の基を表す。)で表されるオクタフルオロトリ
    シクロデカン誘導体。
  2. 【請求項2】R3が、一般式(3) 【化3】 (式中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に水素原子、ハ
    ロゲン原子、置換基を有することもある炭化水素基を表
    し、nは0〜8の整数を表す。)で表される一価の基で
    ある請求項1記載のオクタフルオロトリシクロデカン誘
    導体。
  3. 【請求項3】R2が、ビニル基、アリル基、アクリロイ
    ル基またはメタクリロイル基である請求項1記載のオク
    タフルオロトリシクロデカン誘導体。
  4. 【請求項4】一般式(4) 【化4】 (式中、R1は一般式(1)における意味と同じ。)で
    表されるオクタフルオロトリシクロデカン誘導体と一般
    式(5) R3COOH (5) (式中、R3は一般式(1)における意味と同じ。)で
    表されるカルボン酸をエステル化反応させることからな
    る一般式(6) 【化5】 (式中、R3は一般式(1)における意味と同じ。)で
    表されるオクタフルオロトリシクロデカン誘導体の製造
    方法。
  5. 【請求項5】2,3,3,4,4,5,5,6−オクタ
    フルオロトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセ
    ンをエポキシ化して、式(7) 【化6】 で表される化合物とし、それを還元することからなる式
    (8) 【化7】 で表されるオクタフルオロトリシクロデカン誘導体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】式(7) 【化8】 で表される化合物を転移反応させて得られた式(9) 【化9】 で表される化合物と一般式R1MX(式中、R1は式
    (1)におけるのと同じ、但しハロゲン原子ではない。
    Mは金属、Xはハロゲン原子を表す。)で表される有機
    金属化合物を反応させ、それを加水分解することからな
    る一般式(4) 【化10】 (式中、R3は一般式(1)における意味と同じ。)で
    表されるオクタフルオロトリシクロデカン誘導体の製造
    方法。
  7. 【請求項7】式(7) 【化11】 で表される化合物。
  8. 【請求項8】式(8) 【化12】 で表される化合物。
  9. 【請求項9】式(9) 【化13】 で表される化合物。
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