JP2002121083A - セラミック部材と金属部材の接合体及びこれを用いたウエハ支持部材 - Google Patents

セラミック部材と金属部材の接合体及びこれを用いたウエハ支持部材

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JP2002121083A
JP2002121083A JP2000309942A JP2000309942A JP2002121083A JP 2002121083 A JP2002121083 A JP 2002121083A JP 2000309942 A JP2000309942 A JP 2000309942A JP 2000309942 A JP2000309942 A JP 2000309942A JP 2002121083 A JP2002121083 A JP 2002121083A
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flange portion
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plate
ceramic body
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Masao Yoshida
政生 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱サイクルに伴って発生する熱応力によって板
状セラミック体と筒状金属体のフランジ部を接合するロ
ウ材層との間に隙間ができたり、剥離すること、及び板
状セラミック体にクラックが発生することを効果的に防
ぎ、接合部の耐久性を大幅に向上させる。 【解決手段】板状セラミック体11に筒状金属体13のフラ
ンジ部13aを、厚みJが15〜200μmであるロウ材層14を
介して接合し、かつ上記フランジ部13aに前記板状セラ
ミック体11との熱膨張差が2×10-6/℃以下の応力緩和
部材1を、厚みKが15〜200μmであるロウ材層15で接
合するとともに、上記各ロウ材層14,15をそれぞれ上記
フランジ部13aの外側において一体化させて、上記板状
セラミック体11から上記応力緩和部材1にわたって滑ら
かな凹状の曲面を有するメニスカスPを形成し、該メニ
スカスPと上記板状セラミック体11とのなす角度を40
°以下としてウエハ支持部材を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック部材と
金属部材とをロウ材層を介して接合してなる接合体と、
これを用いたウエハ支持部材に関するものであり、上記
ウエハ支持部材としては、特にPVD、CVD、スパッ
タリング等の成膜処理やエッチング処理を施すための半
導体製造装置用として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミック部材と金属部材とを接
合した接合体を得るにあたり、両部材をロウ材層を介し
て接合することが行われている。
【0003】例えば、半導体装置の製造工程において、
半導体ウエハ(以下、ウエハと称す。)に薄膜を形成す
るPVD、CVD、スパッタリング等の成膜装置や、半
導体ウエハに微細加工を施すドライエッチング装置等の
半導体製造装置には、半導体ウエハを真空処理室内に保
持するためにサセプターや静電チャックと呼ばれるウエ
ハ支持部材が使用され、該ウエハ支持部材としては、図
4に示すような板状セラミック体11の上面にウエハ3
0を載せる載置面11aを有し、その内部に内部電極1
2を備えるとともに、上記板状セラミック体11の下面
に、筒状金属体13の上端に備えるフランジ部13aを
ロウ材層34を介して気密接合したものがあった。
【0004】なお、このウエハ支持部材は、筒状金属体
13の下端に備えるフランジ部13bをOリング17を
介して真空処理室18の底面に気密接合してあり、板状
セラミック体11の下面に備える、内部電極12への通
電端子21、熱電対等の温度検出素子22、測温用光フ
ァイバー等のウエハ30の温度検出素子23とそれぞれ
接続された導線を筒状金属体13の内側を通って外部へ
導出するようになっていた。
【0005】そして、このウエハ支持部材を使用するに
は、載置面11aにウエハ30を載置しておいて、真空
処理室18の内部を真空とし、内部電極12を静電吸着
用として用いる場合には、ウエハ30と内部電極12と
の間に直流電圧を印加して静電吸着力を発現させること
によって載置面11a上のウエハ30を吸着固定して各
種処理を行い、また、内部電極12をヒータ電極として
用いる場合には、内部電極12に交流電圧を印加するこ
とで、載置面11a上のウエハ30を加熱しながら各種
処理を行うようになっていた。
【0006】この時、筒状金属体13の上下端はそれぞ
れ気密接合されているため、この筒状金属体13の内側
は、真空処理室18内の雰囲気と遮断することができ
る。即ち、真空処理室18内は1.3×10-7Pa以下
の高真空で、腐食性ガスが導入された高温下にあるが、
筒状金属体13の内側は外部と連通した大気雰囲気とす
ることができる。その為、温度検出素子22,23や通
電端子21あるいはこれらに接続された導体が腐食性ガ
スに曝されることを防ぐことできるようになっている。
【0007】また、上記板状セラミック体11の材質と
して、近年、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミッ
クスが用いられる一方、筒状金属体13は金属で形成さ
れており、両部材の熱膨張差に伴う応力を緩和するため
に、筒状金属体13のフランジ部13aの肉厚は0.1
〜2mm程度の薄肉とされていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した半
導体製造装置では、100〜300℃、さらには600
℃程度の高温条件でウエハ30に各種処理を施すことが
多く、上記ウエハ支持部材には常温から各種処理の間で
の熱サイクルが加わることになる。
【0009】その為、この熱サイクルによる熱応力が、
筒状金属体13と板状セラミック体11とのロウ材層3
4に集中して繰り返し発生することから、図5(a)
(b)に示すように筒状金属体13のフランジ部13a
がクリープ変形してロウ材層34に隙間が生じたり、あ
るいは筒状金属体13のフランジ部13aが板状セラミ
ック体11から剥離してしまうといった課題があった。
即ち、加熱時に通常の形状で接合していた熱膨脹率の大
きい筒状金属体13と熱膨脹率の小さい板状セラミック
板11とが冷却されると、板状セラミック体11より筒
状金属体13の方が収縮が進み、ロウ材層34で筒状金
属体13及び板状セラミック体11の両部材に引張応力
が作用し、この状態が進行するとロウ材層34より剥離
や割れが生じるというものであった。
【0010】そして、この課題は図4に示すウエハ支持
部材において、数サイクルから数十サイクルの使用で発
生し、半導体製造装置のように高真空状態が要求される
場合、ウエハ支持部材を構成する板状セラミック体11
と筒状金属体13との間からガスリークが発生し、高真
空状態を維持できなくなるとともに、ガスリークが発生
すると、真空処理室18内の腐食性ガスが筒状金属体1
3の内側に侵入し、温度検出素子22,23、通電端子
21、及び導体を腐食させるといった課題もあった。
【0011】そこで、本件出願人はこれらの課題を解決
するため、図6に示すように、筒状金属体13のフラン
ジ部13aの下面に、板状セラミック体11との熱膨張
差が近似したリング状の応力緩和部材16をロウ材層3
5を介して接合するウエハ支持部材を先に提案している
(特開平9−213775号公報参照)。
【0012】このウエハ支持部材では、筒状金属体13
のフランジ部13aを、熱膨張係数が近似した板状セラ
ミック体11と応力緩和部材16とで挟持し、フランジ
部13aの変形を拘束することができるため、ロウ材層
34に隙間ができることを効果的に防ぐことができると
いった利点があった。
【0013】しかしながら、特開平9−213775号
公報に開示した技術では、板状セラミック体11と筒状
金属体13のフランジ部13aとを接合するロウ材層3
4及び応力緩和部材16と筒状金属体13のフランジ部
13aとを接合するロウ材層35がそれぞれ外側に流出
して板状セラミック体11と応力緩和部材16との間に
筒状金属体13のフランジ部13aを覆うロウ材溜まり
Qが形成される恐れがあり、このロウ材溜まりQができ
ると、熱サイクルによってロウ材溜まりQに熱応力が集
中し、結果として板状セラミック体11にクラックが発
生するといった恐れがあった。
【0014】そこで、本件出願人は、この課題を解決す
るものとして、図7に示すように、応力緩和部材16に
おける上記筒状金属体13のフランジ部13aとの接合
面側の外周エッジ部に切欠部16aを設けるとともに、
該切欠部16aの始点Sを上記フランジ部13aの外側
に形成し、切欠部16aの始点Sからフランジ部13a
の外周までの距離Lが0mm<L≦2mmとなるように
してロウ付け接合することを提案している(特開200
0−169252)。
【0015】ところが、近年、板状セラミック体11と
筒状金属体13の接合強度を高めることが望まれてお
り、上記板状セラミック体11と上記筒状金属体13の
フランジ部13aとを接合するロウ材層34及び上記応
力緩和部材16と上記筒状金属体13のフランジ部13
aとを接合するロウ材層35の厚みをそれぞれ15μm
以上とし、強度アップを図ることが求められている。
【0016】しかしながら、各ロウ材層34,35の厚
みが15μm以上となると、応力緩和部材16の外周エ
ッジ部に切欠部16aを形成したとしても、図6に示す
接合構造と同様に、板状セラミック体11と応力緩和部
材16との間に筒状金属体13のフランジ部13aを覆
うロウ材溜まりが形成され、このロウ材溜まりに熱サイ
クルによって熱応力が集中する結果、板状セラミック体
11にクラックが発生するといった課題があった。
【0017】
【発明の目的】本発明の目的は、セラミック部材と金属
部材のフランジ部とをロウ材層を介して強固に接合する
ことができるとともに、大きな熱応力が繰り返し加わっ
たとしてもセラミック部材が破損することのないセラミ
ック部材と金属部材の接合体及びこれを用いたウエハ支
持部材を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、請求項1に係る発明は、セラミック部材に金
属部材のフランジ部をロウ材層を介して接合するととも
に、上記フランジ部に前記セラミック部材との熱膨張差
が2×10-6/℃以下の応力緩和部材をロウ材層を介し
て接合してなるセラミック部材と金属部材の接合体にお
いて、上記セラミック部材と上記金属部材のフランジ部
とを接合するロウ材層及び上記応力緩和部材と上記金属
部材のフランジ部とを接合するロウ材層の厚みをそれぞ
れ15〜200μmとするとともに、上記セラミック部
材と上記金属部材のフランジ部とを接合するロウ材層及
び上記応力緩和部材と上記金属部材のフランジ部とを接
合するロウ材層とが上記金属部材のフランジ部外側にお
いて一体化され、かつ上記セラミック部材から上記応力
緩和部材にわたって滑らかな凹状の曲面を有するメニス
カスを形成してなり、該メニスカスと上記セラミック部
材とのなす角度が40°以下となるようにしたことを特
徴とする。
【0019】請求項2に係る発明は、上記応力緩和部材
の上記フランジ部との接合面側の外周エッジ部に切欠部
を設け、該切欠部の始点が上記金属部材のフランジ部の
外周より内側に位置するように配置するとともに、上記
切欠部の始点からフランジ部の外周までの距離Lが0m
m<L≦2mmとなるようにしたことを特徴とする。
【0020】請求項3に係る発明は、上記セラミック部
材と上記金属部材のフランジ部とを接合するロウ材層及
び上記応力緩和部材と上記金属部材のフランジ部とを接
合するロウ材層の降伏応力をそれぞれ196〜980M
Paとしたことを特徴とする。
【0021】請求項4に係る発明は、上記応力緩和部材
に形成する切欠部をテーパ面又は凸状の曲面としたこと
を特徴とする。
【0022】請求項5に係る発明は、ウエハの載置面を
有する板状セラミック体の下面に、筒状金属体のフラン
ジ部をロウ材層を介して接合するとともに、上記フラン
ジ部に前記板状セラミック体との熱膨張差が2×10-6
/℃以下の応力緩和部材をロウ材層を介して接合してな
るウエハ支持部材において、上記板状セラミック体と上
記筒状金属体のフランジ部とを接合するロウ材層及び上
記応力緩和部材と上記筒状金属体のフランジ部とを接合
するロウ材層の厚みをそれぞれ15〜200μmとする
とともに、上記板状セラミック体と上記筒状金属体のフ
ランジ部とを接合するロウ材層及び上記応力緩和部材と
上記筒状金属体のフランジ部とを接合するロウ材層とが
上記筒状金属体のフランジ部外側において一体化され、
かつ上記板状セラミック体から上記応力緩和部材にわた
って滑らかな凹状の曲面を有するメニスカスを形成して
なり、該メニスカスと上記板状セラミック体とのなす角
度を40°以下としたことを特徴とする。
【0023】請求項6に係る発明は、上記ウエハ支持部
材において、応力緩和部材のフランジ部との接合面側の
外周エッジ部に切欠部を設け、該切欠部の始点が上記金
属部材のフランジ部の外周より内側に位置するように配
置するとともに、上記切欠部の始点からフランジ部の外
周までの距離Lが0mm<L≦2mmとなるようにした
ことを特徴とする。
【0024】請求項7に係る発明は、上記ウエハ支持部
材において、板状セラミック体と筒状金属体のフランジ
部とを接合するロウ材層及び応力緩和部材と筒状金属体
のフランジ部とを接合するロウ材層の降伏応力をそれぞ
れ196〜980MPaとしたことを特徴とする。
【0025】請求項8に係る発明は、上記ウエハ支持部
材において、上記応力緩和部材を形成する切欠部をテー
パ面又は凸状の曲面としたことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0027】図1は本発明のセラミック部材と金属部材
との接合体を、半導体ウエハを保持するウエハ支持部材
に適用した例を示す断面図であり、図2はその要部であ
る接合部を示す拡大断面図である。なお、従来例と同一
部分は同一符号で表す。
【0028】このウエハ支持部材は、板状セラミック体
11の上面を半導体ウエハ30を載せる載置面11aと
し、その内部に内部電極12を埋設している。また、板
状セラミック体11の下面には、筒状金属体13の上端
に備えるフランジ部13aを、厚みJが15〜200μ
mのロウ材層14を介して気密接合するとともに、この
フランジ部13aの下面に、厚みKが15〜200μm
のロウ材層15を介して上記板状セラミック体11との
熱膨張差が2×10-6/℃以下であるリング状をした応
力緩和部材1を接合してある。そして、筒状金属体13
の下端に備えるフランジ部13bをOリング17を介し
て真空処理室18の底面に気密接合してウエハ支持部材
を真空処理室18内に設置してある。
【0029】また、板状セラミック体11の下面には、
内部電極12への通電端子21や、板状セラミック体1
1の温度を測定する熱電対等の温度検出素子22、ある
いはウエハ30の温度を測定する測温用光ファイバー等
の温度検出素子23を設置してあり、これらと接続され
る導線を筒状金属体13の内側を通って外部へ導出する
ようになっている。
【0030】さらに、上記応力緩和部材1は、筒状金属
体13のフランジ部13aの幅N以下の幅Mを有し、上
記フランジ部13aとの接合面側の外周エッジ部には周
方向に沿ってテーパ面状の切欠部2を形成してあり、上
記板状セラミック体11と上記筒状金属体13のフラン
ジ部13aとを接合するロウ材層14と上記応力緩和部
材1と上記筒状金属体13のフランジ13aとを接合す
るロウ材層15とが上記筒状金属体13のフランジ部1
3aの外側を覆うように一体化され、かつ板状セラミッ
ク体11の下面から応力緩和部材1の切欠部2にわたっ
て滑らかな凹状の曲面を有するメニスカスPが形成され
るようにしてあり、該メニスカスPと板状セラミック体
11とのなす角度αが40°以下となるようにしてあ
る。
【0031】そして、このウエハ支持部材を使用するに
は、載置面11aにウエハ30を載置しておいて、真空
処理室18の内部を真空とし、内部電極12を静電吸着
用として用いる場合には、ウエハ30と内部電極12と
の間に直流電圧を印加して静電吸着力を発現させること
によって載置面11a上のウエハ30を吸着固定して各
種処理を行い、また、内部電極12をヒータ電極として
用いる場合には、内部電極12に交流電圧を印加するこ
とで、載置面11a上のウエハ30を加熱しながら各種
処理を行うようになっている。
【0032】この時、筒状金属体13の上下端はそれぞ
れ気密接合してあるため、この筒状金属体13の内側
は、真空処理室18の内部と完全に遮断することができ
る。即ち、真空処理室18内は1.3×10-7Pa以下
の高真空で、腐食性ガスが導入された高温下にあるが、
筒状金属体13の内側は外部と連通した大気雰囲気とす
ることができる。
【0033】その為、筒状金属体13内に設けられた温
度検出素子22,23や通電端子21あるいはこれらに
接続された導体が腐食性ガスに曝されることを防ぐこと
できる。
【0034】また、本発明によれば、筒状金属体13の
フランジ部13aの下面に、板状セラミック体11との
熱膨張差が2×10-6/℃以下である応力緩和部材1を
接合してあることから、熱サイクルが加わってもロウ材
層14に隙間が生じ難くすることができ、ガスリークの
発生を防ぐことができる。
【0035】即ち、図2に接合部の拡大断面図を示すよ
うに、板状セラミック体11の下面にロウ材層14によ
って筒状金属体13のフランジ部13aを接合するとと
もに、このフランジ部13aの反対側の下面には、ロウ
材層15を介してリング状の応力緩和部材1を接合する
のであるが、熱サイクルが加わったときに、板状セラミ
ック体11と筒状金属体13のフランジ部13aとの間
に熱膨張差が生じても、上記フランジ部13aは板状セ
ラミック体11と板状セラミック体11との熱膨張差が
近似した応力緩和部材1とで挟持して拘束することがで
きるため、フランジ部13aが変形することを防止する
ことができる。その結果、ロウ材層14に隙間が生じ難
く、ガスリークの発生を効果的に防ぐことができる。
【0036】さらに、本発明では、板状セラミック体1
1と筒状金属体13のフランジ部13aとを接合するロ
ウ材層14及び応力緩和部材1と筒状金属体13のフラ
ンジ部13aとを接合するロウ材層15の厚みJ,Kを
それぞれ15〜200μmとして接合強度を高めてある
が、各ロウ材層14,15の厚さJ,Kを15μm以上
とする場合、応力緩和部材1の幅Mを筒状金属体13の
フランジ13aの幅Nより短くするとともに、応力緩和
部材1に形成した切欠部2の始点Sをフランジ部13aよ
りも内側に位置するように、上記フランジ部13aとの
接合面3側の外周エッジ部に、周方向に沿ってテーパ面
状の切欠部2を形成してあるため、各ロウ材層14,1
5の厚みJ,Kを15〜200μmと厚くして外側にロ
ウ材が流出し、筒状金属体13のフランジ部13aの外
側において各ロウ材層14,15が一体化しても、板状
セラミック体11の下面から応力緩和部材1の切欠部2
にわたって滑らかな凹状の曲面を有するメニスカスPを
形成することができ、図6に示す従来のようにロウ材溜
まりQが形成されることを効果的に防ぐことができる。
【0037】ただし、板状セラミック体11の下面から
応力緩和部材1の切欠部2にわたって滑らかな凹状の曲
面を有するメニスカスPを形成したとしても、メニスカ
スPと板状セラミック体11とのなす角度αが40°を
超えると、メニスカスの端部に応力が集中し、板状セラ
ミック体11にクラックが発生するのであるが、本発明
は、上述したようにメニスカスPと板状セラミック体1
1とのなす角度αを40°以下としてあることから、ロ
ウ材層14の剥離や板状セラミック体11の破損を効果
的に防止することができる。なお、好ましくは、メニス
カスPと板状セラミック体11とのなす角度αを30°
以下とすることが良い。なお、メニスカスPと板状セラ
ミック体11とのなす角度αは、メニスカスPの先端か
らフランジ部13aの外周までの距離の30%以上の長
さにおけるメニスカスPの曲線を直線に近似し、この直
線と板状セラミック体11とのなす角度のうち最も小さ
い値を角度αとした。
【0038】ところで、各ロウ材層14,15の厚さ
J,Kを15μm以上としたのは、ロウ材層14,15
の厚さJ,Kが15μm未満になると、180MPa以
上の引張強度を確保することができないからで、望まし
くは30μm以上とすることが良い。また、ロウ材層1
4,15の厚さJ,Kが200μmを越えると、応力緩
和部材1を設けたとしてもフランジ部13aの変形を防
止する効果が乏しいからで、望ましくは100μm以下
とすることが良い。
【0039】また、各ロウ材層14,15の降伏応力は
196MPa以上とすることが良い。これは、ロウ材層
14,15の降伏応力が196MPa未満となると、フ
ランジ部13aの変形によってロウ材層14,15が破
損し、接合部の気密性が損なわれるからで、望ましくは
250MPa以上のものを用いることが好ましい。ただ
し、ロウ材層14,15の降伏応力が980MPaを超
えると、ロウ材の応力集中により、板状セラミック体1
1又は応力緩和部材1を破損させる恐れがあるからであ
る。その為、ロウ材層14,15としては、その降伏応
力が196〜980MPaの範囲にあるものを用いるこ
とが良く、好ましくは250〜780MPaの範囲にあ
るものを用いることが良い。なお、このようなロウ材層
14,15を形成するロウ材としては、高温中で溶融、
液化を生じないものが良く、具体的にはAg,Au,A
l,Cu,Pt,Pd,Inを主体とするロウ材を用い
ることかができ、これらの中でも特にAg−Cu系、T
i−Cu−Ag系、Au−Ni系のロウ材を用いること
が良い。
【0040】また、上記応力緩和部材1の材質として
は、板状セラミック体11との熱膨張率差が2×10-6
/℃以下の範囲にあれば金属やセラミックスのいずれの
材質を用いても良いが、特に、板状セラミック体11と
同じ主成分のセラミックス、望ましくは板状セラミック
体11と同一のセラミックスを用いることが好適であ
る。
【0041】また、応力緩和部材1の厚みWは1mm以
上とすることが良い。これは、厚みWが1mm未満で
は、フランジ部13aの変形を防止する効果が乏しいか
らで、望ましくは5mm以上が良い。なお、上限につい
ては特に制約はないが、構造上許容される範囲内とすれ
ば良い。
【0042】さらに、応力緩和部材1をフランジ部13
aに接合した際、応力緩和部材1の接合面3と切欠部2
をなすテーパ面4との交点を切欠部2の始点Sとした
時、この始点Sがフランジ部13aの外周より内側に位
置することが重要であり、切欠部2の始点Sからフラン
ジ部13aの外周までの距離Lは0mm<L≦2mmと
することが重要である。
【0043】これは切欠部2の始点Sからフランジ部1
3aの外周までの距離Lが0mm未満であると、応力緩
和部材1に切欠部2を設けたことによる効果がなく、図
6に示す従来技術のように、フランジ部13aの外側に
ロウ材溜まりが形成されるからであり、逆に、切欠部2
の始点Sからフランジ部13aの外周までの距離Lが2
mmを越えると、応力緩和部材1とフランジ部13aの
接合面積が小さくなるため、応力を緩和する効果が小さ
く、ロウ材層14の剥離等を生じる恐れがあるからであ
る。
【0044】なお、好ましくは、切欠部2の始点Sから
フランジ部13aの外周までの距離Lは0.6mm≦L
≦1.3mmとすることが良い。
【0045】また、切欠部2をなすテーパ面4の接合面
3に対する傾斜角度βは、20°〜70°とするととも
に、切欠部2の幅Tは、0.3mm以上とすることが好
ましい。これは、傾斜角度βが20°未満では、外側へ
はみ出したロウ材層15を構成するロウ材が切欠部2の
テーパ面4へ流れ難く、板状セラミック体11の下面か
ら応力緩和部材1の切欠部2にわたって滑らかな凹状の
曲面を有するメニスカスPを形成することができないか
らであり、逆に、傾斜角度βが70°を越えると、外側
へはみ出したロウ材層15を構成するロウ材が切欠部2
のテーパ面4へ流れるものの、テーパ面4の傾斜がきつ
いため、板状セラミック体11の下面から応力緩和部材
1の切欠部2にわたって滑らかな凹状の曲面を有するメ
ニスカスPを形成することができず、熱サイクルに伴う
熱応力を十分に吸収することができないために、応力緩
和部材1に割れが発生する恐れがあるからである。
【0046】また、切欠部2の幅Tが0.3mm未満で
は、外側にはみ出したロウ材をテーパ面4に沿って逃が
す効果がなく、板状セラミック体11と応力緩和部材1
の切欠部2との間にロウ材溜まりが形成されることを防
ぐ効果が殆ど得られないからである。なお、切欠部2の
幅Tとは、切欠部2の始点Sから応力緩和部材1の外周
より引いた延長線までの最短距離のことである。
【0047】一方、筒状金属体13に有するフランジ部
13aの肉厚Uは、板状セラミック体11との熱膨張差
に伴う応力を小さくする観点からできるだけ薄い方が良
く、2.0mm以下とすることが良い。ただし、肉厚U
が0.05mm以下となると強度不足となる。その為、
フランジ部13aの肉厚Uは、0.05〜2.0mmが
良く、好ましくは0.1〜2.0mmの範囲が良い。
【0048】ところで、この実施形態において、板状セ
ラミック体11を成すセラミックスとしては、Al
23,AlN,ZrO2,SiC,Si34等の一種以
上を主成分とするセラミックスを用いることができる。
これらの中でも特に腐食性ガスに対する耐食性及び耐プ
ラズマ性の点から、99重量%以上のAl23を主成分
としSiO2,MgO,CaO等の焼結助剤を含有する
アルミナセラミックスや、AlNを主成分とした窒化ア
ルミニウム質セラミックス、あるいは99重量%以上の
AlNを主成分とする高純度窒化アルミニウム質セラミ
ックスのいずれかが好適である。
【0049】また、筒状金属体13の材質としては、腐
食性ガスに対する耐食性や耐プラズマ性が高く、上記板
状セラミック体11との熱膨張率差が2×10-6/℃以
下の金属を用いることが好ましい。これは、熱膨張率差
が2×10-6/℃を超えると、ロウ付け直後にセラミッ
クスの接合界面にクラックが生じ易くなるためである。
具体的には、W,Mo,Ni,Al,Cu,Ti,Fe
−Ni−Co合金、Fe−Ni合金等を用いることがで
きる。
【0050】さらに、応力緩和部材1の材質としては、
ロウ材層14と板状セラミック体11や筒状金属体13
のフランジ部13aとの接合界面における剥離を防止す
る観点から、上記板状セラミック体11との熱膨張差が
2×10-6/℃以下の金属又はセラミックスを用いるこ
とが重要であり、好ましくは上記板状セラミック体11
と同様のセラミックス、さらには板状セラミック体11
と同一のセラミックスにより形成するを用いることが好
ましい。
【0051】次に、本発明の他の実施形態を説明する。
【0052】図3は、応力緩和部材1に形成する切欠部
2を凸状の曲面5とする以外は図2と同様の構造をした
もので、このように切欠部2を曲面5としても、板状セ
ラミック体11の下面から応力緩和部材1の切欠部2に
わたって滑らかな凹状の曲面を有するメニスカスPを形
成することができるとともに、該メニスカスPと板状セ
ラミック体11とのなす角度αを40°以下とすること
ができるため、熱サイクルが繰り返し加わったとしても
熱応力の集中を防止し、板状セラミック体11が破損す
ることを効果的に防止することができる。なお、切欠部
2を凸状の曲面5とした場合、上述した効果を奏するた
めには、曲面5の曲率半径Rを0.3mm以上とするこ
とが良い。
【0053】以上の実施形態では、ウエハ支持部材の例
をもって説明したが、本発明は、この実施形態だけに限
定されるものではなく、セラミック部材と金属部材とを
ロウ材層を介して接合してなる接合体であればどのよう
な形状のセラミック部材と金属部材の接合体であっても
適用することができることは言うまでもない。
【0054】
【実施例】本発明実施例として、図1に示すウエハ支持
部材を試作した。
【0055】板状セラミック体11は、直径12インチ
(約300mm)の円板状で、AlN含有量が99.9
重量%の窒化アルミニウム質セラミックスにより形成し
た。この板状セラミック体11は、上記AlN粉末の一
次原料をメタノールに混合し、粉砕して平均粒径1μm
とした後、10%の有機バインダーを添加してスラリー
とした。このスラリーをスプレードライヤーにて造粒
し、所定の造粒粉体を作製した。そして、この造粒粉体
を用い、ヒータ電極としてモリブデン(Mo)からなる
内部電極12を埋設してなる成形体を形成し、この成形
体をホットプレス焼結した。なお、ホットプレスの条件
は1910℃、200kg/cm2とした。板状セラミ
ック体11を形成する窒化アルミニウム質セラミックス
の特性を調べたところ、比重が3.26g/cm3と理
論密度に対して充分な焼結密度を有しており、その熱膨
張率は5×10-6/℃であった。
【0056】一方、筒状金属体13は、熱膨張率が7×
10-6/℃であるFe−Ni−Co合金により形成し、
その寸法は、筒部の外径が265.5mm、内径が26
5.0mmとするとともに、フランジ部13aの外径を
280.0mm、内径を265.0mm、肉厚を0.5
mmとした。
【0057】さらに、応力緩和部材1は、上記板状セラ
ミック体11と同一の窒化アルミニウム質セラミックス
により形成し、その寸法は、厚みWを5mm、幅Mを6
mmとしたリング体とした。そして、この応力緩和部材
1の接合面3の外周エッジ部に切欠部2としてテーパ面
4を形成し、切欠部2の始点Sから筒状金属体13のフ
ランジ部13aの外周までの距離Lを異ならせるように
した。
【0058】なお、上記板状セラミック体11、筒状金
属体13のフランジ部13a、応力緩和部材1をロウ付
け接合する際、予め板状セラミック体11の下面と応力
緩和部材1の接合面3及びテーパ面4に、Ag−Cu−
Ti系のロウ材を用いて800℃でメタライズ層を形成
し、この表面にNiメッキを施した。一方筒状金属体1
3のフランジ部13aにもNiメッキを施した。そし
て、これらに対し、ロウ材としてAg−Cu系のロウを
用いて850℃の真空中でロウ付け固定して、板状セラ
ミック体11と筒状金属体13のフランジ部13aを厚
みJが50μmのロウ材層14で、上記フランジ部13
aと応力緩和部材1を厚みKが50μmのロウ材層15
でそれぞれ接合して図1に示すウエハ支持部材を製作し
た。 (実験例1)そこで、板状セラミック体11の下面から
応力緩和部材1の切欠部2にわたって形成されるメニス
カスと板状セラミック体11とのなす角度αを異ならせ
たウエハ支持部材を各々20個ずつ製作し、各ウエハ支
持部材をCVD装置の真空処理室18内に気密に設置
し、40℃/分の昇温速度で常温から500℃までの熱
サイクルを加えた時の板状セラミック体11の破損の有
無について調べる実験を行った。
【0059】結果は表1に示す通りである。
【0060】
【表1】
【0061】この結果、板状セラミック体11の下面か
ら応力緩和部材1の切欠部2にわたって形成されるメニ
スカスと板状セラミック体11とのなす角度αを40°
以下とすることにより、50回の熱サイクルを加えたと
しても板状セラミック体11に破損は見られず、500
回もの熱サイクル後においても1個しか破損が見られ
ず、優れていた。特に、メニスカスと板状セラミック体
11とのなす角度αを30°以下とすれば、500回も
の熱サイクル後においても板状セラミック体11には全
く破損が見られなかった。 (実験例2)次に、応力緩和部材1に形成する切欠部2
の始点Sから筒状金属体13のフランジ部3aの外周ま
での距離を異ならせる以外は実験例1と同様の条件にて
熱サイクル試験を行ない、板状セラミック体11と筒状
金属体13との接合部におけるガスリークの有無をHe
ガスリークディテクターを用いて測定し、ガスリークが
発生するまでの熱サイクル回数を調べる耐久試験を行っ
た。
【0062】ただし、切欠部2の始点Sから筒状金属体
13のフランジ部3aの外周までの距離Lは、切欠部2
の始点Sが筒状金属体13のフランジ部13aの内側に
ある場合を正として表し、切欠部2の始点Sが筒状金属
体13のフランジ部13aの外側にある場合を負として
表した。また、各ウエハ支持部材とも、板状セラミック
体11の下面から応力緩和部材1の切欠部2にわたって
形成されるメニスカスと板状セラミック体11とのなす
角度αは30°以下となるようにした。
【0063】結果は表2に示す通りである。
【0064】
【表2】
【0065】この結果、切欠部2の始点Sからフランジ
部13aの外周までの距離Lが0mm以下では、50回
の熱サイクルで20個中1個以上にHeガスのリークが
見られ、500回の熱サイクルでは20個中2個以上に
Heガスのリークが見られた。特に、切欠部2の始点S
からフランジ部13aの外周までの距離Lが−0.6m
mであるものでは、10回の熱サイクルでも20個中1
個にHeガスのリークが見られた。
【0066】また、切欠部2の始点Sからフランジ部1
3aの外縁までの距離Lが2.0mmを越えると、50
回の熱サイクルで20個中1個以上にHeガスのリーク
が見られ、500回の熱サイクルでは20個中8個以上
にHeガスのリークが発生した。
【0067】これに対し、切欠部2の始点Sからフラン
ジ部13aの外縁までの距離Lが0mm<L≦2mmの
範囲にあるものは、50回の熱サイクル試験においてH
eガスのリークが見られず、500回の熱サイクルにお
いても、Heガスのリークが見られたのは多くても2個
だけであり、耐久性に優れていた。特に、試料No.1
0,11のように、切欠部2の始点Sからフランジ部1
3aの外周までの距離Lが0.6mm≦L≦1.3mmの
範囲にあるものでは、500回の熱サイクルにおいても
Heガスのリークが見られず特に優れていた。
【0068】この結果、応力緩和部材1に形成する切欠
部2の始点Sからフランジ部13aの外周までの距離L
は、0mm<L≦2mmとすれば、板状セラミック体1
1と筒状金属体13との十分な気密性が得られ、接合部
の耐久性を高められることが判る。 (実施例3)次に、厚みWが5mm、切欠部2の始点S
からフランジ部13aの外縁までの距離Lを0.6mmと
した応力緩和部材1を用意し、各ロウ材層14,15の
厚さを50μmになるようにロウ付けし、Auの添加量
の異なる数種類のAu−Ni系のロウ材を用意し、ロウ
材層14,15の降伏応力をそれぞれ異ならせた時のH
eガスのリーク個数と板状セラミック体11の破損(ク
ラック発生)の個数について調べる実験を実験例1と同
様の条件にて行った。
【0069】それぞれの結果は表3に示す通りである。
【0070】
【表3】
【0071】この結果、試料No.28,29のように、
ロウ材層14,15の降伏応力が1080MPa以上で
は、ロウ材層14,15が硬く、板状セラミック体11
にクラックが発生することを効果的に防ぐことができ
ず、50回の熱サイクルで20個中3個以上の板状セラ
ミック体11にクラックが発生するとともに、50回の
熱サイクルで20個中2個以上にHeガスのリークが発
生した。
【0072】また、試料No.34,35のように、ロウ
材層14,15の降伏応力が150MPa以下では、ロ
ウ材層14,15が軟らかく、ロウ材自体の強度が低い
ため、50回の熱サイクルで20個中1個以上にHeガ
スのリーク及び板状セラミック体11の破損が発生し
た。
【0073】これに対し、ロウ材層14,15の降伏応
力が196〜1080MPaの範囲にあるものは、50
回の熱サイクル試験においてはクラックの発生及びHe
ガスのリークは見られず、500回の熱サイクルにおい
てクラックの発生は見られず、Heガスがリークしたも
のも20個中1個と優れていた。
【0074】この結果、ロウ材層14,15の降伏応力
は196〜1080MPaの範囲にあるものが良いこと
が判る。
【0075】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セラミ
ック部材に金属部材のフランジ部をロウ材層を介して接
合するとともに、上記フランジ部に前記セラミック部材
との熱膨張差が2×10-6/℃以下の応力緩和部材をロ
ウ材層を介して接合してなるセラミック部材と金属部材
の接合体において、上記板状セラミック体と上記金属部
材のフランジ部とを接合するロウ材層及び上記応力緩和
部材と上記金属部材のフランジ部とを接合するロウ材層
の厚みをそれぞれ15〜200μmとするとともに、上
記板状セラミック体と上記金属部材のフランジ部とを接
合するロウ材層及び上記応力緩和部材と上記金属部材の
フランジ部とを接合するロウ材層とが上記金属部材のフ
ランジ部外側において一体化され、かつ上記セラミック
部材から上記応力緩和部材にわたって滑らかな凹状の曲
面を有するメニスカスを形成してなり、該メニスカスと
上記セラミック部材とのなす角度が40°以下となるよ
うにしたことによって、熱サイクルに伴って発生する熱
応力によってセラミック部材と金属部材のフランジ部を
接合するロウ材層との間に隙間ができたり、剥離するこ
とを防ぐことができるとともに、セラミック部材にクラ
ックが発生することも防ぐことができ、耐久性を大幅に
向上させることができる。その為、上記セラミック部材
と金属部材の接合構造を、ウエハ支持部材を形成する板
状セラミック体と筒状金属体のフランジ部との接合部に
用いることで、真空処理室内の高真空度を維持できると
ともに、筒状金属体内に備える通電端子や温度検出素子
及びこれらと接続される導体等が腐食性ガスに曝される
ことを防ぎ、長期間にわたって使用可能な信頼性の高い
ウエハ支持部材を得ることができる。
【0076】また、上記応力緩和部材の上記フランジ部
との接合面側の外周エッジ部に切欠部を設け、該切欠部
の始点が上記金属部材のフランジ部の外周より内側に位
置するように配置するとともに、上記切欠部の始点から
フランジ部の外周までの距離Lが0mm<L≦2mmと
なるようにすることで、セラミック部材と金属部材のフ
ランジ部を接合するロウ材層との間に隙間ができたり、
剥離することを効果的に防ぐことができるとともに、板
状セラミック体にクラックが発生することも効果的に防
ぐことができ、特に、上記応力緩和部材に形成する切欠
部はテーパ面又は凸状の曲面とすることが良い。
【0077】さらに、上記板状セラミック体と上記金属
部材のフランジ部とを接合するロウ材層及び上記応力緩
和部材と上記金属部材のフランジ部とを接合するロウ材
層の降伏応力をそれぞれ196〜980MPaとするこ
とによっても、セラミック部材と金属部材のフランジ部
を接合するロウ材層との間に隙間ができたり、剥離する
ことを効果的に防ぐことができるとともに、板状セラミ
ック体にクラックが発生することも効果的に防ぐことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック部材と金属部材との接合体
を、半導体ウエハを保持するウエハ支持部材に適用した
例を示す断面図である。
【図2】本発明のウエハ支持部材における板状セラミッ
ク体と筒状金属体との接合部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明のウエハ支持部材における板状セラミッ
ク体と筒状金属体との他の接合構造を示す拡大断面図で
ある。
【図4】従来のウエハ支持部材を真空処理室内に設置し
た状態を示す断面図である。
【図5】(a)(b)は、従来のウエハ支持部材におけ
る板状セラミック体と筒状金属体との接合部における破
損状態を説明するための拡大断面図である。
【図6】本件出願人が先に提案した板状セラミック体と
筒状金属体との接合部を示す拡大断面図である。
【図7】本件出願人が先に提案した板状セラミック体と
筒状金属体との接合部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】 1:応力緩和部材 2:切欠部 3:接合面 4:テー
パ面 5:凸状の曲面 11:板状セラミック体 11a:載置面 12:内部
電極 13:筒状金属体 13a:筒状金属体のフランジ部 14,15:ロウ材
層 16:応力緩和部材 17:Oリング 18:真空処理室 21:通電端子
22,23:温度検出素子 30:半導体ウエハ J:板状セラミック体と筒状金属体のフランジ部とを接
合するロウ材層の厚み K:応力緩和部材と筒状金属体のフランジ部とを接合す
るロウ材層の厚み M:応力緩和部材の幅 N:筒状金属体のフランジ部の
幅 P:メニスカス Q:ロウ材溜まり R:凸状曲面の曲率半径 S:切欠
部の始点 T:切欠部の幅 U:筒状金属体のフランジ部の肉厚 W:応力緩和部材
の厚み α:メニスカスと板状セラミック体とのなす角度 β:応力緩和部材の接合面とテーパ面のなす角度

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック部材に金属部材のフランジ部を
    ロウ材層を介して接合するとともに、上記フランジ部に
    前記セラミック部材との熱膨張差が2×10-6/℃以下
    の応力緩和部材をロウ材層を介して接合してなるセラミ
    ック部材と金属部材の接合体において、上記セラミック
    部材と上記金属部材のフランジ部とを接合するロウ材層
    及び上記応力緩和部材と上記金属部材のフランジ部とを
    接合するロウ材層の厚みがそれぞれ15〜200μmで
    あるとともに、上記セラミック部材と上記金属部材のフ
    ランジ部とを接合するロウ材層及び上記応力緩和部材と
    上記金属部材のフランジ部とを接合するロウ材層とが上
    記金属部材のフランジ部外側において一体化され、かつ
    上記セラミック部材から上記応力緩和部材にわたって凹
    状のメニスカスを形成してなり、該メニスカスと上記セ
    ラミック部材とのなす角度が40°以下であることを特
    徴とするセラミック部材と金属部材との接合体。
  2. 【請求項2】上記応力緩和部材の上記フランジ部との接
    合面側の外周エッジ部に切欠部を備えてなり、該切欠部
    の始点が上記フランジ部の外周より内側にあり、かつ上
    記切欠部の始点からフランジ部の外周までの距離Lが0
    mm<L≦2mmであることを特徴とする請求項1に記
    載のセラミック部材と金属部材との接合体。
  3. 【請求項3】上記セラミック部材と上記金属部材のフラ
    ンジ部とを接合するロウ材層及び上記応力緩和部材と上
    記金属部材のフランジ部とを接合するロウ材層の降伏応
    力がそれぞれ196〜980MPaであることを特徴と
    する請求項1に記載のセラミック部材と金属部材との接
    合体。
  4. 【請求項4】上記応力緩和部材に形成した切欠部がテー
    パ面又は凸状の曲面であることを特徴とする請求項2に
    記載のセラミック部材と金属部材との接合体。
  5. 【請求項5】ウエハの載置面を有する板状セラミック体
    の下面に、筒状金属体のフランジ部をロウ材層を介して
    接合するとともに、上記フランジ部に前記板状セラミッ
    ク体との熱膨張差が2×10-6/℃以下の応力緩和部材
    をロウ材層を介して接合してなるウエハ支持部材におい
    て、上記板状セラミック体と上記筒状金属体のフランジ
    部とを接合するロウ材層及び上記応力緩和部材と上記筒
    状金属体のフランジ部とを接合するロウ材層の厚みがそ
    れぞれ15〜200μmであるとともに、上記板状セラ
    ミック体と上記筒状金属体のフランジ部とを接合するロ
    ウ材層及び上記応力緩和部材と上記筒状金属体のフラン
    ジ部とを接合するロウ材層とが上記筒状金属体のフラン
    ジ部外側において一体化され、かつ上記板状セラミック
    体から上記応力緩和部材にわたって凹状のメニスカスを
    形成してなり、該メニスカスと上記板状セラミック体と
    のなす角度が40°以下であることを特徴とするウエハ
    支持部材。
  6. 【請求項6】上記応力緩和部材の上記フランジ部との接
    合面側の外周エッジ部に切欠部を備えてなり、該切欠部
    の始点が上記フランジ部の外周より内側にあり、かつ上
    記切欠部の始点からフランジ部の外周までの距離Lが0
    mm<L≦2mmであることを特徴とする請求項5に記
    載のウエハ支持部材。
  7. 【請求項7】上記板状セラミック体と上記筒状金属体の
    フランジ部とを接合するロウ材層及び上記応力緩和部材
    と上記筒状金属体のフランジ部とを接合するロウ材層の
    降伏応力がそれぞれ196〜980MPaであることを
    特徴とする請求項5に記載のウエハ支持部材。
  8. 【請求項8】上記応力緩和部材に形成した切欠部がテー
    パ面又は凸状の曲面であることを特徴とする請求項6に
    記載のウエハ支持部材。
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