JP7064987B2 - セラミックス接合体 - Google Patents

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Description

本明細書に開示される技術は、セラミックス接合体に関する。
半導体製造装置用部品として、サセプタ(加熱装置)が用いられる。サセプタは、例えば、内部にヒータを有する板状のセラミックス製の保持部材と、保持部材の一方の面側に配置される円筒状のセラミックス製の支持部材と、保持部材と支持部材との間に配置され、保持部材の一方の面と支持部材の一方の面とを接合する接合部とを備える。保持部材の一方の面とは反対側の保持面にウェハが配置される。サセプタは、ヒータに電圧が印加されることにより発生する熱を利用して、保持面に配置されたウェハを加熱する。
このようなサセプタは、セラミックス部材(保持部材、支持部材)の熱膨張率と接合部の熱膨張率とが互いに異なる場合、周囲の温度を高温から下げる際(降温時)にセラミックス部材と接合部との間に収縮差が生じ、例えば接合部にマイクロクラックが発生するおそれがある。マイクロクラックが発生すると、セラミックス部材同士の接合強度が低下したり、セラミックス部材同士の間の気密性が低下したりするおそれがある。従来のサセプタでは、保持部材と支持部材とが接合部を介して対向する対向方向において、接合部の寸法が一律5(μm)より大きい構成であるため、特に、マイクロクラックが発生しやすい(例えば特許文献1,2参照)。
特開2001-332525号公報 特開2014-65631号公報
上記の問題を回避するために、セラミックス部材と接合部との熱膨張率が略同一になるような材料により接合部を形成する方法が考えられる。しかし、セラミックス部材の熱膨張率は、セラミックス部材の形成材料によって比較的に大きく異なることがあるため、特に、セラミックス部材と同じ熱膨張率の材料により接合部を形成しようとすると、接合部の形成材料の選択が大きく制約される。
なお、このような課題は、サセプタを構成する保持部材と支持部材との接合体に限らず、例えば静電チャック等の保持装置を構成するセラミックス部材同士の接合体にも共通の課題である。また、このような課題は、保持装置に限らず、例えばシャワーヘッド等の半導体製造装置用部品を構成するセラミックス部材同士の接合体に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示されるセラミックス接合体は、第1のセラミックス部材と、第2のセラミックス部材と、前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材との間に配置され、前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材とを接合し、熱膨張率が前記第1のセラミックス部材および前記第2のセラミックス部材の熱膨張率より大きい材料により形成された接合部と、を備えるセラミックス接合体において、前記セラミックス接合体の少なくとも1つの断面であって、前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材とが前記接合部を介して対向する第1の方向に平行な前記少なくとも1つの断面に、前記第1の方向の前記接合部の寸法がD(μm)(但し、D(μm)は、0.5(μm) ≦ D(μm) ≦ 5(μm)とする)未満である第1の部分と、前記第1の方向の前記接合部の寸法がD(μm)以上である第2の部分と、を含む領域が存在する。本セラミックス接合体によれば、セラミックス接合体の第1の方向に平行な少なくとも1つの断面に、次の領域が存在する。該領域は、第1の方向の接合部の寸法がD(μm)未満である第1の部分と、第1の方向の接合部の寸法がD(μm)以上である第2の部分とを含む。但し、D(μm)は、0.5(μm) ≦ D(μm) ≦ 5(μm)とする。これにより、例えば接合部の上下方向の寸法が一律5(μm)以上である構成に比べて、セラミックス部材と接合部との収縮差によるマイクロクラックの発生を抑制することができる。また、例えば接合部の上下方向の寸法が一律0.5(μm)未満の所定値である構成に比べて、第1の部分と第2の部分とにより形成された凹凸によるアンカー効果により第1のセラミックス部材と第2のセラミックス部材との接合強度の低下を抑制することができる。すなわち、接合部におけるマイクロクラックの発生の抑制と、第1のセラミックス部材と第2のセラミックス部材との接合強度の低下の抑制とを図ることができる。
(2)上記セラミックス接合体において、前記領域は、前記第2の部分の両側に位置する一対の前記第1の部分を含む構成としてもよい。本セラミックス接合体によれば、領域は、第2の部分の両側に位置する一対の第1の部分を含む。これにより、仮に、第2の部分にマイクロクラックが発生したとしても、第2の部分の両側に位置する第1の部分により、発生したクラックが進展することを抑制することができる。
(3)上記セラミックス接合体において、前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材とは、いずれも、AlNを主成分とする材料により形成されており、前記接合部は、GdとAlとを含む複合酸化物を含み、AlNを含まない構成としてもよい。一般に、AlNを主成分とする材料により形成されたセラミックス部材は、比較的に熱伝導率が高いというメリットがある。一方、本セラミックス接合体によれば、接合部は、第1のセラミックス部材および第2のセラミックス部材より熱膨張率が高く、さらに、GdとAlとを含む複合酸化物を含み、AlNを含まない。このような組み合わせのセラミックス部材と接合部とを用いた場合においても、接合部の接合強度の低下を抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、静電チャック、真空チャック等の保持装置、サセプタ等の加熱装置、シャワーヘッド等の半導体製造装置用部品、それらの製造方法の形態で実現することが可能である。
本実施形態におけるサセプタ100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態におけるサセプタ100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態におけるサセプタ100の製造方法を示すフローチャートである。 サセプタ100の性能評価の結果を示す説明図である。 実施例1のサセプタ100のSEM画像を模式的に示す説明図である。 比較例1のサセプタ100のSEM画像を模式的に示す説明図である。
A.実施形態:
A-1.サセプタ100の構成:
図1は、本実施形態におけるサセプタ100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態におけるサセプタ100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、サセプタ100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。サセプタ100は、特許請求の範囲におけるセラミックス接合体に相当し、上下方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
サセプタ100は、対象物(例えばウェハW)を保持しつつ所定の処理温度に加熱する装置であり、例えば半導体装置の製造工程で使用される薄膜形成装置(例えばCVD装置やスパッタリング装置)やエッチング装置(例えばプラズマエッチング装置)に備えられている。サセプタ100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置された保持部材10および支持部材20を備える。保持部材10と支持部材20とは、保持部材10の下面(以下、「保持側接合面S2」という)と支持部材20の上面(以下、「支持側接合面S3」という)とが上記配列方向に対向するように配置されている。サセプタ100は、さらに、保持部材10の保持側接合面S2と支持部材20の支持側接合面S3との間に配置された接合層30を備える。保持部材10は、特許請求の範囲における第1のセラミックス部材に相当し、支持部材20は、特許請求の範囲における第2のセラミックス部材に相当し、接合層30は、特許請求の範囲における接合部に相当する。
(保持部材10)
保持部材10は、例えば円形平面の板状部材であり、AlN(窒化アルミニウム)を主成分とするセラミックスにより形成されている。なお、ここでいう主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。保持部材10の直径は、例えば100(mm)~500(mm)程度であり、保持部材10の厚さは、例えば3(mm)~15(mm)程度である。
保持部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成された線状の抵抗発熱体で構成されたヒータ50が設けられている。ヒータ50の一対の端部は、保持部材10の中央部付近に配置されている。また、保持部材10の内部には、一対のビア52が設けられている。各ビア52は、上下方向に延びる線状の導電体であり、各ビア52の上端は、ヒータ50の各端部に接続されており、各ビア52の下端は、保持部材10の保持側接合面S2側に配置されている。また、保持部材10の保持側接合面S2の中央部付近には、一対の受電電極54が配置されている。各受電電極54は、各ビア52の下端に接続されている。これにより、ヒータ50と各受電電極54とが電気的に接続されている。
(支持部材20)
支持部材20は、例えば上下方向に延びた円筒状部材であり、支持側接合面S3(上面)から下面S4まで上下方向に貫通する貫通孔22が形成されている。支持部材20は、保持部材10と同様に、AlNを主成分とするセラミックスにより形成されている。支持部材20の外径は、例えば30(mm)~90(mm)程度であり、内径は、例えば10(mm)~60(mm)程度であり、上下方向の長さは、例えば100(mm)~300(mm)程度である。支持部材20の貫通孔22内には、一対の電極端子56が収容されている。各電極端子56は、上下方向に延びる棒状の導電体である。各電極端子56の上端は、各受電電極54にロウ付けにより接合されている。一対の電極端子56に電源(図示せず)から電圧が印加されると、ヒータ50が発熱することによって保持部材10が温められ、保持部材10の上面(以下、「保持面S1」という)に保持されたウェハWが温められる。なお、ヒータ50は、保持部材10の保持面S1をできるだけ満遍なく温めるため、例えばZ方向視で略同心円状に配置されている。また、支持部材20の貫通孔22内には、熱電対の2本の金属線60(図2では1本のみ図示)が収容されている。各金属線60は、上下方向に延びるように配置され、各金属線60の上端部分62は、保持部材10の中央部に埋め込まれている。これにより、保持部材10内の温度が測定され、その測定結果に基づきウェハWの温度制御が実現される。
(接合層30)
接合層30は、円環状のシート層であり、保持部材10の保持側接合面S2と支持部材20の支持側接合面S3とを接合している。本実施形態では、接合層30は、例えば、Gd(ガドリニウム)とAl(アルミニウム)とを含む複合酸化物を含む材料により形成されている。具体的には、接合層30は、GdAlOと、Al(アルミナ)とを含み、AlNを含まない材料により形成されている。なお、本明細書において、「AlNを含まない」とは、接合層30において、複数のAlN粒子の凝集体であって、互いに隣り合う複数のAlN粒子によって囲まれた隙間を有する凝集体を、含まないことを意味する。なお、サセプタ100の断面視において、接合層30(接合部)と保持部材10との境界付近において、遊離したAlN粒子間に接合層30(接合部)の一部が入り込んでいることがあるが、この形態は隙間を有する凝集体には該当しない。接合層30の外径は、例えば30(mm)~90(mm)程度であり、内径は、例えば10(mm)~60(mm)程度である。
本実施形態のサセプタ100の特定断面には、次述する特定領域が存在する。特定断面は、サセプタ100の上下方向に平行な少なくとも1つの断面である。特定領域は、上下方向において、接合層30の寸法がD(μm)未満である第1の部分34と、接合層30の寸法がD(μm)以上である第2の部分32とを含む領域である。但し、D(μm)は、0.5(μm) ≦ D(μm) ≦ 5(μm)とする。第1の部分34と第2の部分32との特定方法の一例は次の通りである。例えば、接合層30を含むサセプタ100の断面を切り出し、接合層30付近の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察する。接合層30のZ軸方向の寸法がD(μm)未満である部分を、第1の部分34であるとし、接合層30の寸法がD(μm)以上である部分を、第2の部分32であるとした。なお、接合層30の上下方向の平均寸法は、1(μm)以上、4(μm)以下であることが好ましい。第1の部分34の寸法と第2の部分32の寸法との比率は、50~90%:10~50%であることが好ましい。また、第1の部分34の寸法の最小値は0(μm)であり、第2の部分32の寸法の最大値は10(μm)であることが好ましい。
A-2.サセプタ100の製造方法:
次に、本実施形態におけるサセプタ100の製造方法を説明する。図3は、本実施形態におけるサセプタ100の製造方法を示すフローチャートである。はじめに、保持部材10と支持部材20とを準備する(S110)。上述したように、保持部材10と支持部材20とは、いずれもAlNを主成分とするセラミックスにより形成されている。なお、保持部材10および支持部材20は、公知の製造方法によって製造可能であるため、ここでは製造方法の説明を省略する。
次に、接合層30の形成材料であるペースト状の接合剤を準備する(S120)。具体的には、Gd(ガドリニア)粉末とAl粉末とを所定の割合で混合し、さらに、アクリルバインダおよびブチルカルビトールと共に混合することにより、ペースト状の接合剤を形成する。なお、ペースト状の接合剤の形成材料の組成比は、例えば、Gdが24mol%であり、Alが76mol%であることが好ましい。次に、保持部材10と支持部材20との間に、準備されたペースト状の接合剤を配置する(S130)。具体的には、保持部材10の保持側接合面S2と支持部材20の支持側接合面S3とをラップ研磨し、各接合面S2,S3の表面粗さを1μm以下、平坦度を10μm以下にする。さらに、接合面S2.S3の少なくとも一方の面を、粒度が比較的に小さい(粗い)第1の砥石で研磨する第1の工程と、その後、第1の砥石より粒度が大きい(細かい)第2の砥石で研磨しつつ、第1の工程で形成された研磨痕の溝を一部残す第2の工程とを実施する。そして、保持部材10の保持側接合面S2と支持部材20の支持側接合面S3との少なくとも一方に、マスク印刷により、ペースト状の接合剤を塗布して脱脂処理をする。塗布するペーストの厚みは、例えば、接合後の接合層30の厚みがD(μm)付近になるように調整する。その後、支持部材20の支持側接合面S3と保持部材10の保持側接合面S2とを、ペースト状の接合剤を介して重ね合わせることにより、保持部材10と支持部材20との積層体を形成する。これにより、第1の部分34と第2の部分32とを含む接合層30を形成することができる。
次に、保持部材10と支持部材20との積層体をホットプレス炉内に配置し、窒素中で加圧しつつ加熱する(S140)。これにより、ペースト状の接合剤が溶融して接合層30が形成され、保持部材10と支持部材20とが接合層30により接合される。この加熱・加圧接合における圧力は、0.01MPa以上、15MPa以下の範囲内に設定されることが好ましい。加熱・加圧接合における圧力が0.01MPa以上に設定されると、被接合部材(保持部材10や支持部材20)の表面にうねり等があった場合でも被接合部材間に接合されない隙間が生じることが抑制され、初期の接合強度が低下することを抑制することができる。また、加熱・加圧接合における圧力が15MPa以下に設定されると、保持部材10の割れや支持部材20の変形が発生することを抑制することができる。
また、この加熱・加圧接合における温度は、1750(℃)まで上昇させることが好ましい。加熱・加圧接合における温度が1750(℃)まで上昇したら、1750(℃)の状態を約10(分)維持した後、ホットプレス炉内の温度を室温まで下げる。加熱・加圧接合の後、必要により後処理(外周や上下面の研磨、端子の形成等)を行う。以上の製造方法により、上述した構成のサセプタ100が製造される。なお、加熱・加圧接合時(1750(℃))のサセプタ100の前駆体においても、上述した特定断面および特定領域を有することで、室温まで温度を下げた際にも、第1の部分34と第2の部分32とによって形成された凹凸によるアンカー効果により、保持部材10と支持部材20との接合強度の低下を抑制することができる。
A-3.性能評価:
実施例1~4のサセプタ100と比較例1,2のサセプタとについて、以下に説明する性能評価を行った。
A-3-1.実施例1~4および比較例1,2について:
図4は、サセプタ100の性能評価の結果を示す説明図である。実施例1~4のサセプタ100と比較例1,2のサセプタとは、上述した製造方法で製造されたものである。まず、実施例1~4のサセプタ100と比較例1,2のサセプタとは、以下の点で共通している。
(保持板の構成)
・材料:AlNを主成分とするセラミックス
・直径:100(mm)~500(mm)
・厚さ:3(mm)~15(mm)
(支持体の構成)
・材料:AlNを主成分とするセラミックス
・外径:30(mm)~90(mm)
・内径:10(mm)~60(mm)
・上下方向の長さ:100(mm)~300(mm)
(接合層の外形)
・外径:30(mm)~90(mm)
・内径:10(mm)~60(mm)
次に、実施例1~4のサセプタ100と比較例1,2のサセプタとは、接合層30の厚さが互いに異なる。具体的には、実施例1のサセプタ100における接合層30の最小厚さ(上下方向の最小寸法)は0.5(μm)であり、接合層30の最大厚さ(上下方向の最大寸法)は5(μm)である。実施例2のサセプタ100における接合層30の最小厚さは2(μm)であり、接合層30の最大厚さは5(μm)である。実施例3のサセプタ100における接合層30の最小厚さは0.25(μm)であり、接合層30の最大厚さは4.5(μm)である。実施例4のサセプタ100における接合層30の最小厚さは0.2(μm)であり、接合層30の最大厚さは3(μm)である。比較例1のサセプタにおける接合層の最小厚さは5(μm)であり、接合層30の最大厚さは8(μm)である。比較例2のサセプタにおける接合層の最小厚さは9(μm)であり、接合層30の最大厚さは12.5(μm)である。
A-3-2.評価手法:
接合層の接合強度の評価として、実施例1~4のサセプタ100と比較例1,2のサセプタとについて、He(ヘリウム)リーク試験とSEM観察とを行った。
(Heリーク試験)
Heリーク試験では、例えば、実施例1のサセプタ100の支持部材20の下側開口端にHeリークディテクタ(図示せず)を連結し、接合層30の外周側からHeガスを吹き付ける。そして、Heリークディテクタの検出結果に基づき、接合層30におけるHeのリークの検出の有無を確認した。Heのリークが検出されることは、接合層30中に空洞が存在しているために接合強度が低いことを意味する。
(SEM観察)
SEM観察では、例えば実施例のサセプタ100の保持部材10と支持部材20と接合層30とを含む所定サイズの接合部分を試験片として切り出して、その試験片をSEMにより観察した。
A-3-3.評価結果:
(Heリーク試験)
実施例1~4のサセプタ100では、Heリーク試験において、Heのリークは検出されなかった。一方、比較例1,2のサセプタでは、Heリーク試験において、Heのリークが検出された。
(SEM観察)
図5は、実施例1のサセプタ100のSEM画像を模式的に示す説明図であり、図6は、比較例1のサセプタのSEM画像を模式的に示す説明図である。図5に示すように、実施例1のサセプタ100では、第1の部分34における接合層30の厚さ(平均厚さ)D2はD(μm)未満であり、第2の部分32における接合層30の厚さD1は、D(μm)以上である。実施例1のサセプタ100では、マイクロクラックは確認されなかった。一方、図6に示すように、比較例1のサセプタでは、接合層の厚さDXが一律5(μm)以上であり、マイクロクラックが確認された。これにより、実施例1のサセプタ100では、接合層の厚さが一律5(μm)以上である比較例1,2のサセプタに比べて、セラミックス部材と接合層との収縮差によるマイクロクラックの発生を抑制することができる。また、例えば接合層の厚さが一律5(μm)未満の所定値である構成に比べて、第1の部分34と第2の部分32とにより形成された凹凸によるアンカー効果により保持部材10と支持部材20との接合強度の低下を抑制することができる。すなわち、接合層30におけるマイクロクラックの発生の抑制と、保持部材10と支持部材20との接合強度の低下の抑制とを図ることができる。なお、実施例2~4のサセプタ100についても、実施例1のサセプタ100と同様、SEM画像において、第1の部分34における接合層30の厚さ(平均厚さ)はD(μm)未満であり、第2の部分32における接合層30の厚さは、D(μm)以上であり、また、マイクロクラックは確認されなかった。
また、実施例1のサセプタ100では、1対の第1の部分34が、上下方向に直交する面方向において、第2の部分32の両側にそれぞれ位置している。これにより、仮に、第2の部分32にマイクロクラックが発生したとしても、第2の部分32の両側に位置する第1の部分34により、発生したクラックが進展することを抑制することができる。そのため、マイクロクラックが連通して、接合層30にHeリークの経路が形成されることを抑制することができる。
また、AlNを主成分とする材料により形成されたセラミックス部材(保持部材10、支持部材20)は、比較的に熱伝導率が高いというメリットがある。一方、本実施形態のサセプタ100によれば、接合層30は、保持部材10および支持部材20より熱膨張率が高く、さらに、GdとAlとを含む複合酸化物を含み、AlNを含まない。このため、このような組み合わせのセラミックス部材と接合層とを用いた場合においても、接合層30の接合強度の低下を抑制することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における保持部材10および支持部材20を形成するセラミックスは、AlNを主成分として含んでいれば、他の元素を含んでいてもよい。また、保持部材10および支持部材20の少なくとも一方は、AlNを主成分としないセラミックスにより形成されているとしてもよい。また、接合層30は、GdAlOとAl(アルミナ)以外の、Alを含む複合酸化物を主成分とする材料により形成されていてもよいし、AlNを含んでいてもよい。要するに、接合層30は、保持部材10および支持部材20の熱膨張率より大きい材料により形成されていればよい。なお、接合層30の熱膨張率が、保持部材10および支持部材20の熱膨張率より大きいか否かは、例えば次の工程(a)~(c)を行うことによって判定することができる。
(a)接合層30の断面のSEM観察およびEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)、微小X線結晶構造解析(XRD)を行い、接合層30を構成する化合物の同定および構成比を調べる。
(b)接合層30を構成する化合物の熱膨張率を文献等によって調べる(文献等でも分からない場合には、サンプルを作製して、そのサンプルの熱膨張率を測定する)
(c)求めた接合層30の熱膨張率を、保持部材10および支持部材20の熱膨張率と比較する。
また、接合層30は、外部に露出し、かつ、第1のセラミックス部材(保持部材10)と第2のセラミックス部材(支持部材20)との両方に接触し、AlNを主成分とする材料により形成された第1の接合部と、Alを含む複合酸化物を主成分とする材料により形成された第2の接合部と、を含む構成であるとしてもよい。
上記実施形態において、第1の部分34が、上下方向に直交する面方向において、第2の部分32の一方側だけに位置しているとしてもよい。このような構成でも、該一方側において、発生したクラックが進展することを抑制することができる。例えば、上記実施形態において、接合層30の外周側では、接合層30の内周側に比べて、接合層の厚さがD(μm)以上である第2の部分32が多く形成されることによってマイクロクラックが発生しやすい。しかし、例えば、第2の部分32より接合層30の内周側に、接合層の厚さがD(μm)未満である第1の部分34が位置している構成では、発生したマイクロクラックが接合層30の内周側に進展することを抑制することができる。
上記実施形態において、保持部材10と支持部材20とが、一体の接合層30ではなく、複数の接合部分によって接合されているとしてもよい。具体的には、保持部材10と支持部材20との間に、保持部材10と支持部材20との対向方向に直交する一の仮想平面上に配置された複数の接合部分が離散的に形成されているとともに、保持部材10と支持部材20とが、保持部材10および支持部材20の形成材料であるAlN粒子を介して部分的に連結されているとしてもよい。
また、上記実施形態におけるサセプタ100の製造方法はあくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、接合層30の厚みの調整は、次の方法(1)~(4)の少なくとも1つを行うことにより、接合後の接合層30の厚みを薄くすることができる。
(1)被接合部(保持部材10の保持側接合面S2、および、支持部材20の支持側接合面S3の少なくとも一方)の平面度(平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさ)を上げる(幾何学的に正しい平面に近づける)方法
(2)被接合部(保持部材10の保持側接合面S2、および、支持部材20の支持側接合面S3の少なくとも一方)の表面粗さを小さくする方法
(3)被接合部(保持部材10の保持側接合面S2、および、支持部材20の支持側接合面S3の少なくとも一方)への接合剤の印刷厚みを薄くする方法
(4)S140における接合時の加熱時間を長くすることにより、接合剤の形成材料を被接合部(保持部材10の保持側接合面S2、および、支持部材20の支持側接合面S3の少なくとも一方)側に拡散させる方法
なお、接合後の接合層30の厚みの調整のために、方法(1)~(3)を行うこと、方法(1)(2)(4)を行うことや、方法(1)~(4)を行うことが、より好ましい。
本発明は、サセプタ100に限らず、ポリイミドヒータ等の他の加熱装置、セラミックス板とベース板とを備え、セラミックス板の表面上に対象物を保持する保持装置(例えば、静電チャックや真空チャック)、シャワーヘッド等の他の半導体製造装置用部品にも適用可能である。
10:保持部材 20:支持部材 22:貫通孔 30:接合層 32:第2の部分 34:第1の部分 50:ヒータ 52:ビア 54:受電電極 56:電極端子 60:金属線 62:上端部分 100:サセプタ D1:第2の部分の厚さ D2:第1の厚さの厚さ DX:厚さ S1:保持面 S2:保持側接合面 S3:支持側接合面 S4:下面 W:ウェハ

Claims (3)

  1. 第1のセラミックス部材と、
    第2のセラミックス部材と、
    前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材との間に配置され、前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材とを接合し、熱膨張率が前記第1のセラミックス部材および前記第2のセラミックス部材の熱膨張率より大きい材料により形成された接合部と、を備えるセラミックス接合体において、
    前記セラミックス接合体の少なくとも1つの断面であって、前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材とが前記接合部を介して対向する第1の方向に平行な前記少なくとも1つの断面に、前記第1の方向の前記接合部の寸法がD(μm)(但し、D(μm)は、0.5(μm) ≦ D(μm) ≦ 5(μm)とする)未満である第1の部分と、前記第1の方向の前記接合部の寸法がD(μm)以上である第2の部分と、を含む領域が存在する、
    ことを特徴とするセラミックス接合体。
  2. 請求項1に記載のセラミックス接合体において、
    前記領域は、前記第2の部分の両側に位置する一対の前記第1の部分を含む、
    ことを特徴とするセラミックス接合体。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセラミックス接合体において、
    前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材とは、いずれも、AlNを主成分とする材料により形成されており、
    前記接合部は、GdとAlとを含む複合酸化物を含み、AlNを含まない、
    ことを特徴とする、セラミックス接合体。
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