JP2002121058A - 水硬性組成物用混和剤 - Google Patents

水硬性組成物用混和剤

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JP2002121058A
JP2002121058A JP2000308072A JP2000308072A JP2002121058A JP 2002121058 A JP2002121058 A JP 2002121058A JP 2000308072 A JP2000308072 A JP 2000308072A JP 2000308072 A JP2000308072 A JP 2000308072A JP 2002121058 A JP2002121058 A JP 2002121058A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性、粘性、流動保持性及び遅延性をバラ
ンスよく満たす水硬性組成物が得られる混和剤を提供す
る。 【解決手段】 (A)ホスホン酸基(a1)とポリオキ
シアルキレン基(a2)とをそれぞれ少なくとも一つ有
する化合物、及び(B)平均重合度20〜300のポリ
オキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和単量体を
含む単量体混合物を重合して得られる重合体又は共重合
体を含有する水硬性組成物用混和剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント等の水硬
性組成物用の混和剤に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート等の水硬性組成物の流動
性、粘性、流動保持性及び遅延性を改善することを目的
に、種々の混和剤が使用されているが、いまだこれらの
物性をバランスよく満たす混和剤は見出されていない。
【0003】これまで、ナフタレン系、メラミン系、ポ
リカルボン酸系へと分散剤の開発が進められ(特開昭6
2−70250号、特開昭62−70252号、特開昭
62−78137号等)、更にポリカルボン酸系分散剤
の保持性の改善等を目的として、特開平8−12396
号、特開平7−247150号、特開平10−8154
9号等が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来報告され
ている方法で分散剤の保持性を改良すると、水硬性組成
物におけるペースト粘性が高くなり、施工性の改良が必
要となる。また、特表平8−505082号に開示され
ている、少なくとも一つのホスホン酸アミノアルキレン
基と少なくとも一つのポリオキシアルキレン基とからな
る化合物は、水硬性組成物に対し、低粘性で高い保持性
を与えるが、極めて大きな凝結遅延性を示し、施工時間
の延長が問題となる。また、WO9947468A1に
は、これらの化合物に低重合度ポリオキシエチレン基を
有するポリカルボン酸系分散剤を配合することが開示さ
れているが、流動保持と低粘性化と凝結遅延性のバラン
スが不十分であり、これらが適度にバランスされた水硬
性組成物用混和剤が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)少なく
とも一つのホスホン酸基(a1)と、少なくとも一つの
ポリオキシアルキレン基(a2)とを有する化合物又は
その塩〔以下、(A)成分という〕、及び(B)平均重
合度20〜300のポリオキシアルキレン基を有するエ
チレン性不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得
られる重合体又は共重合体〔以下、(B)成分という〕
を含有する水硬性組成物用混和剤に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】<(A)成分>(A)成分は、ホ
スホン酸基(a1)を少なくとも一つ有する。ホスホン
酸基(a1)は、下記一般式で表されるものであり、化
合物中でリン酸エステル結合を形成していてもよい。
【0007】
【化1】
【0008】〔Mは、同一でも異なっていてもよく、そ
れぞれ水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
ンモニウム基又は水酸基が置換していてもよいモノ、
ジ、トリアルキル(炭素数2〜5)アンモニウム基であ
る。〕。
【0009】また、(A)成分は、少なくとも一つのポ
リオキシアルキレン基(a2)を有する。該ポリオキシ
アルキレン基(a2)において、オキシアルキレン基の
平均重合度、すなわち平均付加モル数は1〜300、更
に5〜200が好ましい。オキシアルキレン基として
は、炭素数1〜4のものが好ましく、オキシエチレン
基、オキシプロピレン基又はこれらの混合がより好まし
く、オキシエチレン基が最も好ましい。なお、オキシエ
チレン基とオキシプロピレン基の混合の場合、オキシエ
チレン基の平均重合度(以下、EOpと表記)とオキシ
プロピレン基の平均重合度(以下、POpと表記)の比
率は、EOp/〔EOp+POp〕=0.3〜1、更に
0.75〜1が好ましい。
【0010】また、(A)成分は、ポリオキシアルキレ
ン基(a2)を分子中に1〜5個、更に1〜2個、特に
1個有することが好ましく、(A)成分における基(a
1)と基(a2)の個数の比率は、(a1)/(a2)
≧1が好ましく、5≧(a1)/(a2)≧1がより好
ましく、(a1)/(a2)=1又は2が特に好まし
く、(a1)/(a2)=2が最も好ましい。
【0011】(A)成分としては、下記一般式(a−
i)〜(a−iii)で表される化合物が好ましく、更に
は(a−i)、(a−ii)の化合物が好ましい。
【0012】
【化2】
【0013】〔式中、 X:−R、
【0014】
【化3】
【0015】RO−(AO)n−Ra1−であり、少なくと
も1つは
【0016】
【化4】
【0017】である R:水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基、好まし
くはアルキル基、特に好ましくはメチル基、最も好まし
くはRは水素原子又はメチル基 AO:炭素数2〜3のオキシアルキレン基 n:平均重合度であり、1〜300、好ましくは5〜2
00の数 Ra1、Ra2:同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭
素数1〜5のアルキレン基 m:1〜6 p:0〜5、好ましくは0の整数 M:同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基又は
水酸基が置換していてもよいモノ、ジ、トリアルキル
(炭素数2〜5)アンモニウム基、好ましくは水素原
子、Na、K、NH4、モノ、ジ、トリエタノールアン
モニウムを示す。〕。
【0018】一般式(a−i)において、Xは
【0019】
【化5】
【0020】が好ましく、更にはm=1〜3、特にはm
=1が好ましく、Ra1は炭素数2のアルキレン基、Ra2
は炭素数1のアルキレン基が好ましい。
【0021】<(B)成分>(B)成分としては、平均
重合度20〜300のポリオキシアルキレン基を有する
エチレン系不飽和カルボン酸エステル及び平均重合度2
0〜300のポリオキシアルキレン基を有するアルケニ
ル(炭素数3〜5)エーテルから選ばれる一種以上の単
量体(b1)と、エチレン性不飽和モノ又はジカルボン
酸もしくはその塩(b2)とを含む単量体混合物を重合
して得られる共重合体(B1)が好ましい。単量体(b
1)としては、平均重合度20〜300のポリオキシア
ルキレン基を有するエチレン系不飽和カルボン酸エステ
ルが好ましい。単量体(b1)、(b2)はそれぞれ2
種以上を併用してもよい。
【0022】該共重合体(B1)は、下記の一般式(b
−i)で表される単量体の少なくとも1種(bi)と下
記の一般式(b−ii)で表される単量体の少なくとも1
種(bii)とを共重合させて得られるものが好ましい。
単量体(bi)、(bii)はそれぞれ2種以上を併用し
てもよい。
【0023】
【化6】
【0024】〔式中、 R1、R2:水素原子又はメチル基 m:0〜2の数 R3:水素原子又は−COO(AO)nX p:0又は1の数 AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシス
チレン基 n:平均重合度であり20〜300、好ましくは50〜
150の数 Y:水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基 を表す。〕
【0025】
【化7】
【0026】〔式中、 R4〜R6:水素原子、メチル基又は(CH2)m1COOM2
であり、(CH2)m1COOM2はCOOM1又は他の(CH
2)m1COOM2と無水物を形成していてもよく、その場
合、それらの基のM1,M2は存在しない。 M1、M2:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アンモニウム基又は水酸基が置換していてもよいモ
ノ、ジ、トリアルキル(炭素数2〜5)アンモニウム基 m1:0〜2の数 を表す。〕。
【0027】一般式(b−i)で表される単量体(b
i)としては、メトキシポリエチレングリコール、メト
キシポリプロピレングリコール、メトキシポリブチレン
グリコール、メトキシポリスチレングリコール、エトキ
シポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端ア
ルキル封鎖ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリ
ル酸、マレイン酸との(ハーフ)エステル化物や、3−
メチル−3−ブテニルアルコール、(メタ)アリルアル
コールとのエーテル化物、及び(メタ)アクリル酸、マ
レイン酸、3−メチル−3−ブテニルアルコール、(メ
タ)アリルアルコールへのエチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド付加物が挙げられる。R3は水素原子が好ま
しく、pは1が好ましく、mは0が好ましい。AOはオ
キシエチレン基が好ましい。単量体(bi)としては、
アルコキシ、特にはメトキシポリエチレングリコールと
(メタ)アクリル酸とのエステル化物がより好ましい。
【0028】また、一般式(b−ii)で表される単量体
(bii)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等
のモノカルボン酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸、
フマル酸等のジカルボン酸系単量体、又はこれらの無水
物もしくは塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金
属塩、アンモニウム塩、水酸基が置換されていてもよい
モノ、ジ、トリアルキル(炭素数2〜8)アンモニウム
塩が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、更に好ましくは(メタ)ア
クリル酸又はこれらのアルカリ金属塩である。
【0029】単量体(bi)と単量体(bii)のモル比
は、(bii)/(bi)=40/60〜99/1、更に
60/40〜95/5が好ましい。
【0030】エチレン性不飽和単量体を含む単量体混合
物、好ましくは単量体(bi)と単量体(bii)を含む
単量体混合物の重合反応は、無溶媒で又は溶媒の存在下
で行ってもよい。溶媒としては、水、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコ
ール;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;n−ヘキサン
等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル類;アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類等を挙げること
ができる。これらの中でも、取り扱いが容易で、単量
体、重合体の溶解性の点から、水、低級アルコールが好
ましい。
【0031】重合反応においては、重合開始剤を添加す
ることができる。重合開始剤としては、有機過酸化物、
無機過酸化物、ニトリル系化合物、アゾ系化合物、ジア
ゾ系化合物、スルフィン酸系化合物等を挙げることがで
きる。重合開始剤の添加量は、全単量体の合計に対して
0.05〜50モル%が好ましい。
【0032】重合反応においては、連鎖移動剤を添加す
ることができる。連鎖移動剤としては、低級アルキルメ
ルカプタン、低級メルカプト脂肪酸、チオグリセリン、
チオリンゴ酸、2−メルカプトエタノール等を挙げるこ
とができる。重合反応の反応温度は、0〜120℃が好
ましい。
【0033】得られた重合体又は共重合体は、必要に応
じて、脱臭処理をすることができる。特に連鎖移動剤と
してメルカプトエタノール等のチオールを用いた場合に
は、不快臭が重合体中に残存しやすいため、脱臭処理を
することが望ましい。
【0034】(B)成分の重合体又は共重合体がポリカ
ルボン酸系重合体の場合、酸型のままでもセメント用分
散剤として適用することができるが、酸性によるエステ
ルの加水分解を抑制する観点から、アルカリによる中和
によって塩の形にすることが好ましい。このアルカリと
しては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化
物、アンモニア、モノ、ジ、トリアルキル(炭素数2〜
8)アミン、モノ、ジ、トリアルカノール(炭素数2〜
8)アミン等を挙げることができる。(メタ)アクリル
酸系重合体をセメント用分散剤として使用する場合は、
一部又は完全中和することが好ましい。
【0035】(B)成分の重量平均分子量〔ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー法、ポリエチレングリコ
ール換算、カラム:G4000PWXL+G2500P
WXL(東ソー(株)製)、溶離液:0.2Mリン酸緩
衝液/アセトニトリル=7/3(体積比)〕は、充分な
分散性を得るため、1千〜20万が好ましく、1万〜1
0万がより好ましく、2万5千〜8万が特に好ましい。
【0036】なお、(B)成分を製造するにあたり、更
に、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチ
レン、(メタ)アクリル酸アルキル(水酸基を有してい
てもよい炭素数1〜12のもの)エステル、メタリルス
ルホン酸、スチレンスルホン酸、ホスホエチルメタクリ
レート、スルホエチルメタクリレート、平均重合度20
未満又は300超のポリオキシアルキレン基を有するエ
チレン性不飽和単量体等の共重合可能な単量体を併用し
てもよい。これらは全単量体中50重量%以下、更に3
0重量%以下の比率で使用できるが、0重量%が好まし
い。
【0037】<水硬性組成物用混和剤>本発明におい
て、(A)成分と(B)成分の重量比は、(A)/
(B)=95/5〜1/99が好ましく、70/30〜
10/90がより好ましく、50/50〜20/80が
より好ましい。
【0038】本発明の混和剤には、消泡性の観点から消
泡剤を併用することが好ましく、消泡剤としては、
(1)メタノール、エタノール等の低級アルコール系、
(2)ジメチルシリコーンオイル、フルオロシリコーン
オイル等のシリコーン系、(3)鉱物油と界面活性剤の
配合品等の鉱物油系、(4)リン酸トリブチル等のリン
酸エステル系、(5)オレイン酸、ソルビタンオレイン
酸モノエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ル、ポリエチレン/ポリプロピレングリコール脂肪酸エ
ステル等の脂肪酸又はそのエステル系、(6)ポリプロ
ピレングリコール、ポリエチレン/ポリプロピレングリ
コールアルキルエーテル等のノニオン系が挙げられる。
好ましくは(4)リン酸エステル系、(5)脂肪酸又は
そのエステル系であり、更に好ましくはポリエチレン/
ポリプロピレングリコール脂肪酸エステルである。消泡
剤の添加量は、(B)成分100重量部(固形分)に対
し0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量
部が更に好ましく、0.1〜3重量部が特に好ましい。
【0039】また、本発明の混和剤は、高性能減水剤、
AE剤、遅延剤、気泡剤、防水剤、防腐剤等の各種添加
剤(材)を含有してもよい。これらは当業界で公知のも
のが用いられる。更に、高炉スラグ、フライアッシュ、
シリカヒューム、石粉等の微粉末を配合してもよい。
【0040】本発明の水硬性組成物用混和剤と、セメン
ト、細骨材、更に粗骨材等から水硬性組成物が得られ
る。本発明の混和剤は、水硬性組成物中の水硬性粉体
(好ましくはセメント)に対して0.01〜3.0重量
%(固形分として)、特に0.05〜1.0重量%の比
率で配合するのが好ましい。水硬性組成物の用途も、気
泡(軽量)コンクリート、重量コンクリート、防水コン
クリート、モルタル、ホットミックスコンクリート、水
中不分離コンクリート、プレパックドコンクリート、ト
レミーコンクリート、グラウト、鋼管充填用コンクリー
ト、寒中コンクリート、暑中コンクリート、セルフレベ
リング材、プラスター、石炭・水スラリー用、石膏・水
スラリー用、副生石膏・水スラリー用等、限定されるも
のではない。
【0041】
【実施例】製造例1 特表平8−505082号の実施例に準じて、不活性雰
囲気下、エタノールアミンの無水テトラヒドフラン溶液
にジフェニルメチルカリウム等の塩基を加えた後、アル
キレンオキサイド(以下、AOと表記する)付加(AO
の種類、平均重合度は表1の通り)を行い、得られたA
O付加物と2倍モル量のリン酸混合物に、塩酸存在下ホ
ルムアルデヒドを添加、反応させて表1に示す種々の目
的物を得た。
【0042】
【表1】
【0043】(注)表中、EOはオキシエチレン基、P
Oはオキシプロピレン基であり、それぞれの次の数字
は、それぞれの平均重合度である(以下同様)。
【0044】製造例2 ガラス製反応容器に、メトキシポリオキシアルキレング
リコール(AOの種類、平均重合度は表3の通り)10
00gと、白金触媒/C担体100gと水9000gを
仕込み、酸素を吹き込みながら70℃で24時間加熱撹
拌した。触媒を濾過した後、減圧濾過により水分を1%
以下にして、メトキシポリオキシアルキレンカルボン酸
を得た。このメトキシポリオキシアルキレンカルボン酸
を2.7モル、亜リン酸(H3PO3)を2.3モル、ス
ルホラン(溶媒)290gを反応容器に投入し、85〜
90℃で溶融した。ここへ、塩化リン(PCl3)25
0gを滴下し、90℃で25時間反応させた後、過剰の
塩酸を加え100℃で11時間加水分解して、表2に示
す種々のメトキシポリオキシアルキレンジホスホン酸を
得た。
【0045】
【表2】
【0046】製造例3 ガラス製反応容器内に3モルのメトキシポリオキシアル
キレングリコール(AOの種類、平均重合度は表2の通
り)と1モルの無水リン酸(P25)を投入し、80℃
に加熱し、この温度で24時間溶融撹拌し、表3に示す
種々の生成物を得た。なお、反応終点は多段階酸価滴定
によって確認した。
【0047】
【表3】
【0048】(B)成分として下記表4のものを用い
た。表4中、Mwは重量平均分子量である。なお、
(B)成分としての共重合体には、すべて脂肪酸エステ
ル系消泡剤(フォームレックス797、日華化学社)を
0.5重量%(対共重合体固形分)添加した。
【0049】
【表4】
【0050】なお、b−7は、以下の製造例4により得
られたものである。
【0051】製造例4 (1)単量体 単量体として下記のものを用い、下記製造方法により、
共重合体混合物を製造した。 ・A−1:メトキシポリエチレングリコールモノメタク
リレート(EOp=9、重量平均分子量496) ・A−2:メトキシポリエチレングリコールモノメタク
リレート(EOp=120、重量平均分子量5380) ・B−1:メタクリル酸 (2)共重合体混合物の製造 ガラス製反応容器に水1107重量部を仕込み、窒素雰
囲気下で70℃まで昇温した。次に、単量体A−1を1
79重量部、単量体A−2を343重量部、単量体B−
1を101重量部、水を281重量部混合した単量体混
合液(1)と10%−2−メルカプトエタノール水溶液
41.0重量部と10%−過硫酸アンモニウム水溶液3
6.5重量部の3液を同時に55分間滴下し共重合反応
を行い、ついで、この反応系に単量体A−1を76重量
部、単量体A−2を124重量部、単量体B−1を2
5.7重量部、水を103重量部混合した単量体混合液
(2)と10%−2-メルカプトエタノール水溶液1
2.0重量部と10%−過硫酸アンモニウム水溶液1
0.8重量部の3液を同時に20分間滴下し共重合反応
を行い、更に、単量体A−1を62重量部、単量体A−
2を94重量部、単量体B−1を15重量部、水を78
重量部混合した単量体混合液(3)と10%−2−メル
カプトエタノール水溶液18重量部と10%−過硫酸ア
ンモニウム水溶液7.2重量部の3液を同時に15分間
滴下し共重合反応を行い、合計90分間の反応を行っ
た。滴下終了後、同温で1時間熟成し、10%−過硫酸
アンモニウム水溶液27.3重量部を10分間かけて滴
下した後、70℃で2時間熟成させ重合反応を完結させ
た。更に48%水酸化ナトリウム水溶液59重量部を加
えて中和し、共重合体混合物を得た。
【0052】実施例 表1〜3の(A)成分と、表4の(B)成分を用いて混
合物を調製し、以下の試験を行った。
【0053】(1)コンクリート配合 W=320g(水道水) C=800g(普通ポルトランドセメント、比重=3.
16) S=1500g(君津産丘砂) W/C=40%。
【0054】(2)評価項目 (2−1)粘性 モルタルミキサーを使用して、上記配合成分を混練(6
3rpm、120秒)し、コンクリートを調製する。そ
の際、モルタルフローが220mmになるように混合物
の量を調節した。このコンクリートから目開き5mmの
篩で粗骨材を分離して得たモルタルを、ステンレス鋼
(SUS304)を加工して作製した図1の形状の装置
に、下部排出開口を閉じた状態で充填し上部投入開口の
面で擦り切った後、下部排出開口を開放してモルタルを
自然流下させ、上部投入開口から目視で観察したときに
モルタルの少なくとも一部に孔が確認されるまでの時間
(流下時間)を測定し、これを粘性の評価に用いた。流
下時間が短いほどコンクリートの粘性が低い。
【0055】(2−2)保持率 上記(2−1)において、モルタル練り始めから90分
後のモルタルフロー値(F90)を測定し、初期フロー値
(F0)に対する百分率〔(F90/F0)×100〕で保
持率(%)を算出した。
【0056】(2−3)凝結時間 カロリーメーターを使用して、第一水和発熱ピーク時間
を測定し、凝結時間とした。
【0057】(3)判定基準 上記(2)の結果は下記表5の基準で判定し、合計点で
総合評価した。その結果を表6、7に示す。総合評価の
点数が12以上であれば、全ての要求性能に対して良好
な結果が得られていることを示し、11以下の場合は何
れかの要求性能に問題あるか、性能が不十分であること
を示す。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
【表7】
【0061】比較例11の混和剤Aは、以下の製造例5
により製造された共重合体からなる混和剤である。
【0062】製造例5 攪拌機付き反応容器に水26モルを仕込み、攪拌しなが
ら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。メ
トキシポリエチレングリコール・メタクリル酸エステル
(EOp=130)を0.05モルとアクリル酸メチル
を0.95モルとを混合溶解したものと20%過硫酸ア
ンモニウム水溶液0.05モル、及び20%2−メルカ
プトエタノール水溶液0.1モルの三者をそれぞれ同時
に2時間かけて滴下する。次に20%過硫酸アンモニウ
ム水溶液0.02モルを30分かけて滴下し、1時間同
温度(75℃)で熟成する。熟成後95℃に昇温して3
5%過酸化水素0.2モルを30分かけて滴下し、2時
間同温度(95℃)で熟成終了後、分子量20,000
の共重合体を得た。
【0063】
【発明の効果】本発明の混和剤によれば、流動性、粘
性、流動保持性及び遅延性をバランスよく満たす水硬性
組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で流下時間の測定に用いた装置を示す概
略図
【符号の説明】
1…上部投入開口 2…下部排出開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 299/02 C08F 299/02 C08L 55/00 C08L 55/00 71/02 71/02 // C04B 103:30 C04B 103:30 Fターム(参考) 4J002 BQ00X CH05W FD310 GL00 4J027 AC03 AC04 AC06 AC07 AJ01 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA13 BA14 CB02 CB03 CB09 CD09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)少なくとも一つのホスホン酸基
    (a1)と、少なくとも一つのポリオキシアルキレン基
    (a2)とを有する化合物又はその塩、及び(B)平均
    重合度20〜300のポリオキシアルキレン基を有する
    エチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して
    得られる重合体又は共重合体を含有する水硬性組成物用
    混和剤。
  2. 【請求項2】 (A)/(B)重量比が、(A)/
    (B)=95/5〜1/99である請求項1記載の水硬
    性組成物用混和剤。
  3. 【請求項3】 (A)の基(a1)と基(a2)の個数
    の比率が、(a1)/(a2)≧1であり、且つ基(a
    2)におけるオキシアルキレン基の平均重合度が1〜3
    00である請求項1又は2記載の水硬性組成物用混和
    剤。
  4. 【請求項4】 (B)が、平均重合度20〜300のポ
    リオキシアルキレン基を有するエチレン系不飽和カルボ
    ン酸エステル及び平均重合度20〜300のポリオキシ
    アルキレン基を有するアルケニル(炭素数3〜5)エー
    テルから選ばれる一種以上の単量体(b1)と、エチレ
    ン性不飽和モノ又はジカルボン酸もしくはその塩(b
    2)とを含む単量体混合物を重合して得られる共重合体
    (B1)である請求項1〜3の何れか1項記載の水硬性
    組成物用混和剤。
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