JP2002118344A - プリント基板の加工方法および装置 - Google Patents

プリント基板の加工方法および装置

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JP2002118344A JP2000308355A JP2000308355A JP2002118344A JP 2002118344 A JP2002118344 A JP 2002118344A JP 2000308355 A JP2000308355 A JP 2000308355A JP 2000308355 A JP2000308355 A JP 2000308355A JP 2002118344 A JP2002118344 A JP 2002118344A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工の信頼性および穴の品質を向上させると
共に、穴底に膜が残らないように加工してデスミア工程
を不要とするプリント基板の穴明け方法および装置を提
供する。 【解決手段】 表面の第1層が導体層であって、導体層
と絶縁層とが交互に積層されたプリント基板の加工方法
において、導体層と絶縁層が吸収する比率が高い第1の
波長のレーザ光のエネルギ密度を、導体層と絶縁層の分
解しきい値よりも高いエネルギ密度にして前記第1層の
導体層を加工し、導体層が吸収する比率は低いが、絶縁
層が吸収する比率が高い第2の波長のレーザ光のエネル
ギ密度を、前記導体層の分解しきい値よりも低く、前記
絶縁層の分解しきい値よりも高いエネルギ密度にして前
記第2層の絶縁層を加工し、導体層と絶縁層が吸収する
比率が高い第3の波長のレーザ光のエネルギ密度を、前
記絶縁層の分解しきい値よりも高く、導体層の分解しき
い値よりも低いエネルギ密度にして前記第2層の絶縁層
の加工を仕上げることにより、第3層の前記導体層を露
出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板の加
工方法および装置に係り、特にレーザ光を用いて上層と
下層の導体層を接続するための底付穴(ブラインドホー
ル)を加工するのに好適なプリント基板の加工方法およ
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図16は、従来のレーザ加工装置の構成
図である。
【0003】このレーザ加工装置では、レーザ発振器1
から出力されたレーザ光2は、コリメータ3により直径
をN倍に拡大あるいは縮小され、アパーチャ4により加
工に適した直径に整形される。整形されたレーザ光はコ
ーナーミラー5および加工ヘッドZ内のミラー14、第
1および第2の2つのガルバノミラー15a,15bを
介してfθレンズ16に入射し、ガルバノミラー15a
およびガルバノミラー15bにより位置決めされ、fθ
レンズ16から加工面の所定の位置に垂直に入射する。
加工は、fθレンズ16に対応する加工領域18毎に行
われ,図示を省略するXYワークテーブルにより、図中
の18 …18の順に移動する。なお、レーザ光が
UVレーザ光である場合とCOレーザ光である場合と
では、それぞれの機器の材質等が異なるが、機能は同じ
である。
【0004】図17は、コリメータ3の作用を示す図で
あり、(a)はUVレーザ光の場合、(b)はCO
ーザ光の場合である。いずれのレーザ光も、コリメータ
3の拡大率Nを変えることにより、エネルギ空間分布を
変えることができる。すなわち、たとえば拡大率Nを小
さくすると、上段に示すように、ビーム径が小さく、高
エネルギ密度、高出力密度のエネルギ空間分布(以下、
「分布A」という)が、また、拡大率Nを大きくする
と、下段に示すように、ビーム径が大きくなり、低エネ
ルギ密度、低出力密度のエネルギ空間分布(以下、「分
布B」という)が得られる。
【0005】アパーチャ4の機能は、以下の通りであ
る。アパーチャ4を光軸から外すと、フル出力のガウス
分布のエネルギ空間(以下、「分布C」という)が得ら
れる。しかし、いずれの場合も、エネルギ空間分布はガ
ウス分布であるため、アパーチャ4の直径をビーム径に
対して大きくするとエネルギが中央部に集中し、加工し
た穴底(すなわち、内層の導体層)が損傷することがあ
る。そこで、アパーチャ4によりビーム中央部のエネル
ギ分布が比較的均一な部分を切り取ることにより、加工
部におけるエネルギの大きさがほぼ均一(トップハット
形状)になるようにして、ブラインドホールの穴底を損
傷しないようにしている。
【0006】図18は、プリント基板の構成を示す図で
ある。プリント基板には、同図(a)に示すように、表
面が導体層21で、導体層21とガラス繊維24を含む
絶縁層22とが交互に配置されたFR−4ガラス繊維入
り基板(以下、「ガラス入り基板」という)、同図
(b)に示す表面の導体層21に絶縁層22を張り付け
た樹脂付きの銅箔(以下、「RCC基板」という)、同
図(c)に示す導体層21の表面に樹脂フィルムまたは
樹脂コーティングされた基板(以下、「樹脂ダイレクト
基板」という)などがある。絶縁層は、主としてエポキ
シ系、ポリイミド系樹脂の有機材料が使用される。絶縁
層の強化材としてガラス繊維24の代わりにセラミック
スなどの無機材料がフィラとして使用されることもあ
る。
【0007】COレーザを用いて、樹脂ダイレクト基
板の絶縁層にブラインドホールを加工する方法(以下、
「CO樹脂ダイレクト法」という。)は、1982年
に米国IPCレビューにより紹介され、実用化されてい
る(以下、「従来技術A」という)。
【0008】UVレーザの1つであるエキシマレーザを
用いて樹脂ダイレクト基板にブラインドホール加工する
方法は、1987年に米国IPCレビューにより紹介さ
れ、UV樹脂ダイレクト法として実用化されている(以
下、「従来技術B」という)。
【0009】ガラス入基板にブラインドホール穴明けす
る方法として、穴径に相当する導体層21を予め除去し
た後、COレーザにより絶縁層22を加工する方法が
ある。この方法では、例えば、特開昭58−64097
号公報ではケミカルエッチングにより(以下、「従来技
術C」という)、また、米国特許第5,010,232
号ではドリル加工(以下、「従来技術D」という)によ
り、穴径に相当する導体層21を予め除去してから、レ
ーザ光により絶縁層を除去している。
【0010】導体層と絶縁層を同時に加工する方法とし
て、UVレーザ光を円周動作させて導体層のウインド加
工とCOレーザによる絶縁層の除去を繰り返してブラ
インドホールあるいはスルーホールを加工するUV+C
レーザ法が、特開平1−266983号公報に開示
されている(以下、「従来技術E」という)。また、米
国特許第5,593,606号には、UVレーザだけで
導体層と絶縁層を加工するUVダイレクト法が開示され
ている(以下、「従来技術F」という)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図19は、前記従来技
術A(CO樹脂ダイレクト法)による穴明け例を示す
図であり、(a)はエネルギ分布と穴の形状を、(b)
は加工のタイミングチャートを示している。同図(a)
におけるEPJ19はパルスエネルギ、ETJ1 はト
ータルエネルギ、ESCJ19は絶縁層分解しきい値エ
ネルギ、EEPJ 19は有効加工エネルギ、VJ19
材料除去量をそれぞれ示す。また同図(b)における、
PJ19はパルス巾、TPPJ19はパルス周期、T
GCはガルバノミラーの位置決め時間、WPJ19はパ
ルス出力である。
【0012】従来技術Aでは、パルスエネルギE
PJ19、パルス巾TPJ19のパルスをパルス周期T
PPJ19で連続出力し、ショット数NJ19で絶縁層
をVJ19除去してブラインドホールを加工するが、穴
底に厚さt(0.2〜3μm)の膜が残る。その際、
エネルギ密度とショット数を増しても残膜厚tの厚さ
はほとんど変わらない。
【0013】このように膜が残る理由は、以下の通りで
ある。すなわち、COレーザ加工は、絶縁層がレーザ
光を吸収することにより樹脂の温度を上昇させて熱分解
させる方法である。内層導体である銅の熱伝導率は樹脂
に比べて約3桁大きいため、絶縁層が薄くなると、熱が
内層導体に流れる結果、樹脂の温度が分解温度に達する
ことができず、その結果、穴底に厚さ0.2〜3μmの
残膜が存在することになる。
【0014】このように膜が残ると、穴底に残った膜を
除去するためのケミカルデスミア工程(コンディショニ
ング、水洗、煮沸、冷却、水洗、膨潤、水洗、酸化デス
ミア、水洗、中和、水洗、乾燥等の工程からなる)が必
要である。また、穴径が100μm以下になると、処理
液の濡れ性が低下するため(処理液が加工した穴に入り
にくくなる)、デスミアプロセスの信頼性が低下する。
【0015】次に、UVレーザを用いる方法について説
明する。
【0016】図20は、UV樹脂ダイレクト法による穴
明け例を示す図であり、(a)は第1の条件で加工した
ときのエネルギ分布と穴の形状を、(b)はこのときの
加工のタイミングチャートを示し、(c)は第2の条件
で加工したときのエネルギ分布と穴の形状を、(d)は
このときの加工のタイミングチャートを示している。同
図(a)および(c)におけるEPI20、E
PI201はパルスエネルギ、ETI20、E
TI201はトータルエネルギ、ESCI20、E
SCI201は絶縁層分解しきい値エネルギ、E
EPi20、EEPI201は有効加工エネルギ、V
I20、VI201は材料除去量をそれぞれ示す。また
同図(b)および(d)におけるTTPI20、T
TPI201は1穴当たりの加工時間、T I20、T
PI201はパルス巾、TPPI2、T0PPI201
はパルス周期、TGCはガルバノミラーの位置決め時
間、WPI20、WPI201はパルス出力である。
【0017】従来技術Bでは、パルスエネルギE
PI20あるいはEPI201、パルス巾TPI20
るいはTPI201のパルスをパルス周期TPPI2
るいはT PPI201で連続出力し、ショット数N
I20あるいはNI201で絶縁層V I20あるいはV
I201を除去してブラインドホールを加工する。
【0018】ここで、第1の加工条件は、穴径100μ
m、絶縁層厚50μmの条件で下記の通りである。
【0019】 エネルギ密度EDI20:2〜4J/cm パルスエネルギEPI20:0.04〜0.08mJ パルスショット数NI20:50 トータルエネルギEPI20×NI20=2.0〜4.
0mJ パルス周期TPPI20:0.04ms(25KHz) パルス巾TPI20:約30ns ガルバノミラー位置決め時間TGC:1ms なお、このとき1穴あたりの穴明け時間TPTI20
0.003秒/穴である。 また第2の加工条件は、第
1の加工条件におけるパルスエネルギEPI2 0 、
PI201を0.01〜0.02mJに下げ、パルスシ
ョット数NI2 を100ショット、エネルギ密度E
DI201を0.5〜1.0J/cmに減らして加工
したものである。なお、この場合の1穴当たりの穴明け
時間TTP I201は0.005秒/穴である。
【0020】従来技術Bの場合、前記従来技術Aのよう
に、穴底に絶縁層が残ることはない。しかし、図20
(a)に示すようにエネルギ過多により、穴底の導体層
が深さdだけ除去される。このため、めっき強度を確保
するために設けられている導体層表面の凹凸が溶融分解
してなくなってしまう。すなわち、波長変換方式のUV
レーザはCOレーザのようにパルス巾やパルス周波数
によりパルスエネルギを加工途中で変えることができな
いため、樹脂と内層導体層の分解エネルギ密度しきい値
の差が小さく(UVレーザの場合、導体層は0.8〜
1.0J/cm以上で除去され始め、絶縁層は0.3
〜0.5J/cm以上で除去され始める)、かつ、絶
縁層材料の厚さが65μmに対して厚さのばらつきが約
20μmであり、大きい。そのため、加工深さを正確に
指定することが難しく、結果として穴底導体層が損傷す
る。また、絶縁層のエネルギ吸収率が低いと、穴底に到
達するエネルギ量が増加し、これによって穴底導体層の
エネルギ蓄積が増加する。このため、導体層上面の樹脂
が分解気化することがあり、この際、気化エネルギによ
り絶縁層が引き剥がされて、穴底コーナー周辺の絶縁層
がリング状に剥離することがある。一方、パルスエネル
ギを小さくすると、穴底の損傷を軽減することはできる
が、パルスショット数が増えるため、第2の加工条件
は、第1の加工条件に対して加工速度が40%低下す
る。
【0021】図21、図22および図23は、従来技術
C、Dを説明するための図である。従来技術C、Dで
は、図21に示すように、表面の導体層21に予めウイ
ンドウWEを形成しておく(コンフォ−マルマスク法と
いう)。ウインドウWEを形成する方法として、特開昭
58−64097号公報ではケミカルエッチングを、米
国特許第5,010,232号ではドリル加工を採用し
ている。
【0022】図22は、ウインドウWEを形成したガラ
ス入基板の絶縁層22をCOレーザで穴明けするとき
の例であり、同図におけるEPJ22はパルスエネル
ギ、E TJ22はトータルエネルギ、ESCJ22は絶
縁層分解しきい値エネルギ、E EPJ22は有効加工エ
ネルギ、VJ22は材料除去量である。
【0023】図23は、従来技術C、Dによるサイクル
加工の場合におけるタイミングチャートである。サイク
ル加工の場合、同一箇所に対してレーザ光を連続して照
射せず、必要ショット数になるまで、加工領域内の加工
箇所にパルス巾TPJI22のレーザ光を1ショットず
つ照射する工程を繰り返す。このようにすると、次の加
工までに加工によって発生した絶縁物のガスが穴の内部
から除去されて、品質および精度に優れた穴形状とする
ことができる。
【0024】図24は、従来技術Eを説明するための図
であり、(a)はUV(エキシマ)レーザによりガラス
入り基板を加工したときのエネルギ分布と穴の形状を、
(b)はこのときの加工のタイミングチャートを示して
いる。また、(c)はCOレーザで加工したときのエ
ネルギ分布と穴の形状を、(d)はこのときの加工のタ
イミングチャートを示している。同図(a)および
(c)におけるEPI24、EPJ24はパルスエネル
ギ、ETI24、ETJ24はトータルエネルギ、E
SCI24、ESCJ22は絶縁層分解しきい値エネル
ギ、VI24、VJ2 は材料除去量である。また、同
図(b)および(d)におけるTTPI20、T
TPI201は1穴当たりの加工時間、TPI20、T
PI201はパルス巾、TGCはガルバノミラーの位置
決め時間、WPI24、WPJ24はエネルギ出力であ
る。従来技術Eでは、UVレーザ光を円周動作させて導
体層のウインドウWEの加工と、COレーザによる絶
縁層の除去を繰り返してブラインドホールあるいはスル
ーホールを加工する。
【0025】しかし、従来技術C、D、Eは、いずれも
COレーザ仕上げになるので、従来技術Aの場合と同
様に、穴底に絶縁層の膜が残る。このため、いずれもデ
スミア処理を必要とする。
【0026】図25は、従来技術F(UVダイレクト
法)による、ガラス入り基板の円周加工法による加工例
を示す図である。なお、この場合のUVレーザは、固体
レーザを基本波にした波長変換方式のUVレーザであ
り、(a)はエネルギ分布と穴の形状を、(b)はこの
ときの加工のタイミングチャートを示している。同図
(a)におけるEPI25はパルスエネルギ、E
TI25はトータルエネルギ、E CI25は絶縁層分
解しきい値エネルギ、EEPi25は有効加工エネル
ギ、V I251、VI252、VI253は材料除去量
である。また、同図(b)におけるTTPI25は1穴
当たりの加工時間、TPI25はパルス巾、TPPI2
はパルス周期、TTPI25は1穴当たりの加工時
間、TGCはガルバノミラーの位置決め時間、W
PI25はエネルギ出力である。
【0027】円周加工法では、ガルバノミラーの位置決
めと同期して、パルス巾TPI25、パルス周期T
PPI25のレーザパルスが必要なパルス数NI25
ョットされ、第1回目の円周加工によりVI251が除
去されてウインドウが加工される。さらに第2回目の円
周加工によりVI252が、第3回目の円周加工により
I253が除去される。
【0028】たとえば、穴径100μm、絶縁層厚50
μmを下記の条件で加工したとき、エネルギ過多によ
り、導体層が深さdだけ除去されるだけでなく、穴の側
壁にガラスが突き出し、絶縁層がバレル状にえぐられ
る。
【0029】 エネルギ密度EDI25:4.8〜8.0J/cm パルスエネルギEPI25:0.06〜0.10mJ トータルエネルギEPI25×NI25=18〜30m
J パルスショット数NI25:100 円周加工回数nI25:3 総パルスショット数NI25×nI25:300 パルス周期TPPI25:0.33ms(3KHz) パルス巾TPI25:約30ns ガルバノミラー位置決め時間TGC:1ms なお、このとき穴明け時間TPTI25は0.1秒/穴
(10穴/秒)であり、実用穴明け速度(1000穴/
秒程度)の1/10〜1/100である。
【0030】絶縁層がエネルギ過多になる理由は、以下
の通りである。UVレーザ光に関するエネルギ吸収率
は、たとえば波長355nmの場合、エポキシ系材約3
0〜80%、銅約70〜75%以上、ガラス約20%
(80%透過、10%反射)であり、差が大きい。ま
た、分解エネルギのしきい値は、例えばエポキシ系材約
0.3〜0.5J/cm以上、銅0.8〜1.0J/c
以上、ガラス5〜6J/cm以上であり差が大き
い。また熱伝導率の差、すなわちエポキシ系材0.8
〜.085KW/m・K、銅386KW/m/K、ガラ
ス1.04〜1.09KW/m・Kであり、差が大き
い。
【0031】例えば、ガラス入り基板の場合、ガラス繊
維により、約80%のエネルギが穴内部に反射拡散され
て蓄積されるため、パルス周期を0.0033ms以下
(パルス周波数3KHz以上)にすると穴側壁の樹脂が
バレル状にえぐられ、ガラス繊維の突き出しが大きくな
り穴品質が低下する。したがって、加工速度が著しく低
下する。
【0032】また、この加工法では、絶縁層にガラス繊
維が入っていない場合でも、導体層を除去するため、エ
ネルギ密度3J/cm以上で加工をする。このため、
UV光に対する前記材料物性値の違いにより、熱の制御
が困難であるため、穴底の導体層を損傷してしまう。し
たがって、実用可能な穴品質を得ることは困難である。
【0033】図26は、従来技術F(UVダイレクト
法)による導体層の厚さが9μmのRCC基板の円周加
工法による加工例を示す図であり、(a)はエネルギ分
布と穴の形状を、(b)はこのときの加工のタイミング
チャートを示している。同図(a)におけるEPI26
はパルスエネルギ、ETI26はトータルエネルギ、E
SCI26は絶縁層分解しきい値エネルギ、E
EPi26は有効加工エネルギ、VI261、V
I262、VI263は材料除去量である。また、同図
(b)におけるTTPI26は1穴当たりの加工時間、
PI26はパルス巾、TPPI 26はパルス周期、T
TPI26は1穴当たりの加工時間、TGCはガルバノ
ミラーの位置決め時間、WPI26はエネルギ出力であ
る。
【0034】円周加工法では、ガルバノミラーの位置決
めと同期して、パルス巾TPI25、パルス周期T
PPI25のレーザパルスが必要なパルス数NI25
力され、第1回目の円周加工によりVI251が除去さ
れてウインドウWEが加工される。さらに第2回目の円
周加工によりVI252が、第3回目の円周加工により
I253が除去される。
【0035】RCC基板の場合、ガラス繊維がないので
穴内部のエネルギの拡散蓄積が少なく壁面の仕上がりは
良い。しかし、前記と同様に、穴底の導体層は損傷を受
ける。なお、加工時間としては、パルス周期PPI26
を0.33ms(25KHz)にすることができるの
で、1穴当たりの加工時間TTPI26は0.015秒
/穴(67穴/秒)であり穴明け速度は改善されるが、
実用速度には達しない。
【0036】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、前記した課題を解決
し、加工の信頼性および穴の品質を向上させると共に、
穴底に残膜が形成されることがなく、デスミア工程が不
要なプリント基板の穴明け方法および装置を提供するに
ある。
【0037】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、第1の手段は、表面の第1層が導体層であって、導
体層と絶縁層とが交互に積層されたプリント基板の加工
方法において、導体層と絶縁層が吸収する比率が高い第
1の波長のレーザ光のエネルギ密度を、導体層と絶縁層
の分解しきい値よりも高いエネルギ密度にして前記第1
層の導体層を加工し、導体層が吸収する比率は低いが、
絶縁層が吸収する比率が高い第2の波長のレーザ光のエ
ネルギ密度を、前記導体層の分解しきい値よりも低く、
前記絶縁層の分解しきい値よりも高いエネルギ密度にし
て前記第2層の絶縁層を加工し、導体層と絶縁層が吸収
する比率が高い第3の波長のレーザ光のエネルギ密度
を、前記絶縁層の分解しきい値よりも高く、導体層の分
解しきい値よりも低いエネルギ密度にして前記第2層の
絶縁層の加工を仕上げることにより、第3層の前記導体
層を露出させることを特徴とする。
【0038】この場合、表面の前記第1層を導体層に代
えて絶縁層に、前記第2層を絶縁層に代えて導電層に、
前記第3層を導電層に代えて絶縁層にそれぞれ形成し、
前記第2の波長のレーザ光により第1層を加工し、前記
第3の波長のレーザ光により第2層の前記導体層を露出
させるように構成することもできる。その際、前記第2
の波長のレーザ光により前記第1層の絶縁層の途中まで
加工し、残りの絶縁層を前記第3の波長のレーザ光で加
工するようにしてもよい。
【0039】第2の手段は、第1の手段と同様の前提の
プリント基板の加工方法において、導体層が吸収する比
率は低いが、絶縁層が吸収する比率が高い第1の波長の
レーザ光のエネルギ密度を、前記導体層の分解しきい値
よりも低く、前記絶縁層の分解しきい値よりも高いエネ
ルギ密度にして前記第1層の絶縁層を加工し、導体層と
絶縁層が吸収する比率が高い第2の波長のレーザ光のエ
ネルギ密度を、導体層と絶縁層の分解しきい値よりも高
いエネルギ密度にして前記第2層の導体層を加工し、第
3層以降の奇数層は前記第1層の加工条件により加工
し、第3層以降の偶数層は前記第2層の加工条件により
加工し、最終工程では1つ前の奇数層の加工で除去され
ずに残った穴底の残膜を導体層と絶縁層が吸収する比率
が高い第3の波長のレーザ光のエネルギ密度を、前記絶
縁層の分解しきい値よりも高く、導体層の分解しきい値
よりも低いエネルギ密度にして除去して、目的の導体層
を露出させることを特徴とする。
【0040】第3の手段は、導体層と絶縁層とが交互に
積層されたプリント基板の加工方法において、導体層と
絶縁層が吸収する比率が高い第1の波長のレーザ光のエ
ネルギ密度を、導体層と絶縁層の分解しきい値よりも高
いエネルギ密度にして目的とする導体層の1つ前の導体
層まで加工し、導体層が吸収する比率は低いが、絶縁層
が吸収する比率が高い第2の波長のレーザ光のエネルギ
密度を、前記導体層の分解しきい値よりも低く、前記絶
縁層の分解しきい値よりも高いエネルギ密度にして前記
目的とする導体層に接する絶縁層を加工し、導体層と絶
縁層が吸収する比率が高い第3の波長のレーザ光のエネ
ルギ密度を、前記導体層の分解しきい値よりも高く、導
体層の分解しきい値よりも低いエネルギ密度にして前記
目的とする導体層に接する絶縁層を加工することによ
り、目的とする導体層を露出させることを特徴とする。
【0041】なお、第1ないし第3の手段において、前
記第1の波長のレーザ光は波長400nm以下のUVレ
ーザまたは1100nm以下の可視光および近赤外レー
ザ、前記第2の波長のレーザ光は波長9000〜111
00nmのCOレーザ、前記第3の波長のレーザ光は
波長400nm以下のUVレーザが使用される。
【0042】なお、前記第2の波長のレーザ光は絶縁層
厚で約3μmの残厚を残して分解できるエネルギ密度に
設定される。前記第1の波長のレーザ光と前記第3の波
長のレーザ光は1つのレーザ光から分配され、それぞれ
導体層除去と穴底の絶縁層除去のエネルギ密度、エネル
ギ空間分布、ビーム径は個別に設定される。
【0043】第4の手段は、表面の第1層が導体層であ
って、導体層と絶縁層とが交互に積層されたプリント基
板を加工する加工装置において、所望の波長のレーザ光
を出力するレーザ発振器および光学系からなるレーザ出
力手段と、前記レーザ出力手段から出力される波長を、
第1、第2および第3の波長に設定する設定手段と、表
面の第1層が導体層であって、導体層と絶縁層とが交互
に積層されたプリント基板を加工する加工装置におい
て、所望の波長のレーザ光を出力するレーザ発振器およ
び光学系からなるレーザ出力手段と、前記レーザ出力手
段から出力される波長を、第1、第2および第3の波長
に設定する設定手段と、導体層と絶縁層が吸収する比率
が高い前記第1の波長のレーザ光のエネルギ密度を、導
体層と絶縁層の分解しきい値よりも高いエネルギ密度に
して前記第1層の導体層を加工し、導体層が吸収する比
率は低いが、絶縁層が吸収する比率が高い前記第2の波
長のレーザ光のエネルギ密度を、前記導体層の分解しき
い値よりも低く、前記絶縁層の分解しきい値よりも高い
エネルギ密度にして前記第2層の絶縁層を加工し、導体
層と絶縁層が吸収する比率が高い第3の波長のレーザ光
のエネルギ密度を、前記絶縁層の分解しきい値よりも高
く、導体層の分解しきい値よりも低いエネルギ密度にし
て前記第2層の絶縁層の加工を仕上げる加工手段とを備
え、前記加工手段によって第3層の前記導体層を露出さ
せることを特徴とする。
【0044】この場合、前記第1のレーザ光から前記第
3のレーザ光を分配する分配手段を設けたり、前記第1
および第3の2つのレーザ光を同軸化する同軸化手段を
設けてもよい。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0046】1.第1の実施形態 1.1 レーザ加工装置の構成 図1は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置
の構成図である。同図において、加工系UiのUVレー
ザ発振器1iから出力された波長λ1が400nm以下
のレーザ光Biは、非球面レンズを組み合わせ、または
回折形光学素子を組み合わせたビーム整形ユニット30
iを通り、コリメータ3iにより直径をNi倍に拡大あ
るいは縮小され、アパーチャ4iにより加工に適した直
径に整形される。そして、コーナーミラー5iを介して
加工ヘッドZiに入射し、ヘッド部Zi(2個のガルバ
ノミラーとfθレンズとから構成されている−図16参
照)により集光されて加工面に垂直に入射する。なお、
レーザ光Biは、導体層と絶縁層の除去に適した(両方
の材料に対して吸収率が高く除去しやすい)レーザ光で
あればよく、波長λ1が400nm以下のUVレーザに
限らず、波長600nm以下の可視光レーザであっても
よい。
【0047】加工系Ujのレーザ発振器1jから出力さ
れた波長λ2が9200〜111000nmのCO
ーザ光Bjはビーム整形ユニット30jを通り、コリメ
ータ3jにより直径をNj倍に拡大あるいは縮小され、
アパーチャ4jにより加工に適した直径に整形される。
そして、コーナーミラー5jを介して加工ヘッドZjに
入射し、ヘッド部Zj(2個のガルバノミラーとfθレ
ンズとから構成されている)により集光されて加工面に
垂直に入射する。ここで、レーザ光Bjは、導体層の除
去に適さない(吸収率が低く除去されにくい)が、絶縁
層の除去に適した(吸収率はそれほどでもないが、単位
時間当たりの除去量が多い)レーザ光である。
【0048】加工系Ukのレーザ発振器1kから出力さ
れた波長λ3が400nm以下のUVレーザ光Bkは、
ビーム整形ユニット30kを通り、コリメータ3kによ
り直径をNk倍に拡大あるいは縮小され、アパーチャ4
kにより加工に適した直径に整形される。そして、コー
ナーミラー5kを介して加工ヘッドZkに入射し、ヘッ
ド部Zk(2個のガルバノミラーとfθレンズとから構
成されている)により集光されて加工面に垂直に入射す
る。ここで、レーザ光Bkは、導体層の除去には適さな
い(吸収率は高いがエネルギ密度が低く除去されにく
い)が、絶縁層の除去に適した(吸収率が高く除去しや
すい)レーザ光である。
【0049】加工系Ui、Uj、Ukのいずれもビーム
整形ユニット30i、30j、30kを制御することに
より、レーザ光Bi、Bj、Bkのエネルギ空間分布を
ガウス分布からトップハット形状に整形することができ
る。したがって、従来のビーム整形ユニット30i、3
0j、30kを使用しない場合に比べて、加工有効エネ
ルギを増すことができる。
【0050】また、アパーチャ径dAi、dAj、dA
kを変更することにより、加工面の加工位置(図中の
i、j、k。以下、加工位置という。)において、エネ
ルギ密度一定のまま加工ビーム径dSi、dSj、dS
kの調整が可能である。
【0051】また、アパーチャ径dAi、dAj、dA
kを一定にしたまま、コリメ−タ3i、3j、3kの拡
大率Ni、Nj、Nkを変えることによって異なるエネ
ルギ空間分布モード(以下、「モード」という。)Ai
1、Bi1、Aj1、Bj1、Ak1、Bk1とするこ
とができる。また、アパーチャを光路から外すと、エネ
ルギ空間分布をフル出力のモードCi1、Cj1、Ck
1とすることができる。
【0052】すなわち、例えば拡大率Niを小さくする
とビーム径dSiが縮小され導体層やガラス繊維の分解
除去が可能な、高エネルギ密度、高出力密度のモードA
i1にすることができる。また、拡大率Niを大きくす
るとビーム径dSiが拡大され、導体層を損傷すること
なく絶縁層加工を行うことができる低エネルギ密度、低
出力密度のモードBi1にすることができる。また、ア
パーチャを光軸から外してフル出力のモードCi1にす
ると、導体層加工をさらに効率よく加工することができ
る。
【0053】また、ヘッドZi、ヘッドZj、ヘッドZ
kはそれぞれ連続的に加工を行うことができ、それぞれ
プリント基板の全域を加工できる移動量をもっている。
そして、XYワークテーブルの移動距離が最小となるよ
うに、軸間距離Lij、Ljkが最小となるように、か
つそれぞれがワークテーブル上の同一のプリント基板を
加工できるようにして、レーザ加工装置上に直線的に配
置されている(詳細は後述する。)。
【0054】1.2 加工位置i、j、kにおけるエネ
ルギ密度 加工位置iにおいて導体層の除去に必要な実用有効エネ
ルギ密度EdSiは約3J/cm以上であるため、で
きるだけ大きな有効スポット径が得られるようにレーザ
光BiはモードモードCi1を適用する。また、絶縁層
の除去に必要な有効エネルギ密度は約1J/cm以上
でありモードAi1を適用する。
【0055】また、加工位置jにおいてRCC材および
樹脂ダイレクト基板の絶縁層を除去するために必要な実
用有効エネルギ密度EdSjは約10J/cm以上、
またFR−4ガラス入り基板の絶縁層を除去するために
必要な実用有効エネルギ密度EdSjは約30J/cm
以上であるため、絶縁層の厚さや材質に応じてモード
Aj1、モードBj1、モードCj1を適用する。たと
えば、モードAj1は1パルス当たりの除去量が多いの
で、絶縁層の加工を最も効率よく行うことができる。ま
た、ピ−ク出力が高いので穴底の残膜が少なく、ガラス
繊維をよりスム−ズに分解除去できる。
【0056】また、加工位置kにおいて穴底の絶縁層を
除去するのに必要なUVレーザのエネルギ密度EdSk
は0.3〜0.5J/cm以上(実用的には0.5J
/cm以上)である。このため、絶縁層を均一に除去
でき、かつ樹脂の引き剥がし強度を向上するために設け
られている内層導体表面の酸化物層を除去でき、かつ導
体層素材にほとんど損傷を与えないトップハット形状の
モードBk1(またはモードAk1)を適用する。これ
により、穴明け後に穴底の導体層上にわずかな分解飛散
物が残っても、レーザ加工の後工程のメッキ処理の最初
の工程であるソフトエッチング工程で内層の導体表面の
酸化物層と共に除去できるのでデスミア工程を省略でき
る。
【0057】なお、加工部i、j、kにおける加工スポ
ット径、ピ−ク出力密度、エネルギ密度は、アパーチャ
径と、アパーチャからfθレンズまでの光軸長と、fθ
レンズの焦点距離と、ピ−ク出力と、パルスエネルギ
と、コリメ−タの拡大率Nとから算出できる。そして、
加工部i、j、kにおいて必要な加工有効スポット径、
加工部出力密度、加工部エネルギ密度を得られるよう
に、これらのパラメ−タを設定する。
【0058】ここで、レーザ光i、j、kの諸元を以下
のように表示する。なお、添字のaはレーザ光i、j、
kの区分を、添字のbは図面番号である。
【0059】EdSab(=EPab/[π(dSab/
2)]):エネルギ密度 WdSab:ピ−ク出力密度 WdSab=EdSab/TPab=EPab/[T
Pab・π(dSab/2)] EEPab=αEPAB−ESAB: 有効パルスエネ
ルギ ただし、αR:絶縁層のエネルギ吸収率 αCu:導体層のエネルギ吸収率 αG :ガラスのエネルギ吸収率 EPab:パルスエネルギ WPab:ピ−ク出力(=EPab/TPab) ESab:分解エネルギしきい値 Nab:パルスショット数 ETab:トータルエネルギ(=EPab×Nab) Vab:材料除去量 TTPab:穴明け周期 TPab:パルス巾 TPPab:パルス周期 TGC:ガルバノミラー位置決め周期 dSab:加工スポット径(=dAab×[(fab
ab)−1]) dAab:アパーチャ径 Lab:アパーチャからfθレンズまでの距離 fab:レンズ焦点距離 EPabN:第N番目のパルスエネルギ VabN:第N番目のパルスによる材料除去量 ETab:トータルエネルギ(=ETPab1+E
TPab2+ETPab3) Vab:材料除去量(=Vab1+Vab2+Vab3) たとえば、レーザ光Bjにおいて異なるパルスエネルギ
を3ショットして仕上げる場合、Vj61はパルスエネ
ルギEPj61の第1パルスによる材料除去量、V
j62はパルスエネルギEPj62の第2パルスによる
材料除去量、Vj6 はパルスエネルギEPj63の第
3パルスによる材料除去量を表す。したがって、トータ
ルエネルギETj6は、 ETj6=ETPj61+ETPj62+ETPj63 そのときの材料除去量Vj6は、 Vj6=Vj61+Vj62+Vj63 である。
【0060】1.3 加工例 1.3.1 ガラス入り基板の加工例 図2はガラス入り基板の加工を行う場合のエネルギ分布
と穴の形状を加工順に示す図であり、図3はこのときの
加工のタイミングを示すタイミングチャートである。こ
れらの図において、図2における(a)〜(c)と図3
における(a)〜(c)はそれぞれ対応している。
【0061】図2(a)において、外層導体層21は、
レーザ光BiのパルスエネルギE i2が分解エネルギ
しきい値ESi2よりも高い範囲のエネルギ、すなわち
有効パルスエネルギEEPi2によって除去される。し
たがって、穴入口径はパルスエネルギEPi2と分解エ
ネルギしきい値ESi2の交点で決まることになる。そ
こで、パルス巾TPi2を30ns、パルス周期T
PPi2を0.04ms(周波数25kHz)、ピ−ク
出力をWPi24000W、パルスエネルギEPi
0.12mJのモードCi2を適用すると、パルスエネ
ルギ密度EdSi2を4J/cmを確保可能なレーザ
光Biの加工スポット径dSi6は60μm以下であ
る。この条件は、実用的に必要なエネルギ密度3J/c
以上(実験値である)を満足するので導体層を除去
することができる。しかし、厚さ9μmの導体層に穴径
100μmのウインドを加工するには、ビームスポット
を円周運動(図中矢印)させる必要がある。この場合、
パルス数Ni2を80ショットにすると加工ができ、こ
のときのトータルエネルギETi2は9.6mJであ
る。
【0062】図2(b)において、絶縁層22はレーザ
光BjのパルスエネルギEPj2が分解エネルギしきい
値ESj2よりも高い範囲のエネルギ、つまり有効パル
スエネルギEEPj2によってほとんど除去される。し
たがって、パルス巾TPj2を10μs、ピ−ク出力W
Pj2を800W、パルスエネルギEPj2を8mJの
モードBj2(またはモードCj2)、パルス数Nj2
を3ショットのサイクル加工を行う場合、パルスエネル
ギ密度EdSj2を45J/cmにすると、加工スポ
ット径dSj2をウインド径100μmよりも大きい1
50μmにすることができる。この条件は、実用的に必
要なパルスエネルギ密度30J/cm以上(実験値で
ある)を満足するため、ほとんどの絶縁層を除去できる
が、穴底に厚さtcが0.1〜3μmの膜が残る。そし
て、このときのトータルエネルギEPj2は24mJで
ある。
【0063】図2(c)において、絶縁層22はレーザ
光BkのパルスエネルギEPk2が分解エネルギしきい
値ESk2よりも高い範囲のエネルギ、つまり有効パル
スエネルギEEPk2によって除去されるが、外層導体
層21の分解エネルギしきい値ESi2よりも低ければ
内層の導体層24に損傷を与えることはない。したがっ
て、パルス巾TPk2を30ns、パルス周期T
PPk2を0.04ms(波数25kHz)、ピ−ク出
力WPk2を4000W、パルスエネルギEPk2
0.12mJのモードBk2を適用すると、加工スポッ
ト径dSk2をウインド径100μmよりも大きい15
0μmにしても、パルスエネルギ密度EdSk2を0.
7J/cmが確保できる。この条件は、実用的に必要
なエネルギ密度0.3〜0.8J/cm以上を満足す
るため、絶縁層の残膜を除去することができる。そし
て、このときの、絶縁層除去速度は約0.5μm/パル
スであり、パルス数Nk2は10〜15ショットであ
る。
【0064】そして、以上の方法によれば、導体層の加
工とガラス繊維を含む絶縁層の加工を最も効率よく行う
ことができる。また、UVレーザ光の穴底に到達するト
ータルエネルギは約0.55mJ(≒0.12mJ×1
0パルス×(φ100/φ150))であり、絶縁層
を直接加工する場合のトータルエネルギ6mJ(0.1
2mJ×50パルス)の約10%以下である。したがっ
て、UVレーザ光の吸収率が低い材料であっても、穴底
が損傷することはない。また、穴底コーナー周辺部で導
体層と絶縁層との間にクラックが生じることはない。さ
らに、絶縁層の厚さがばらついても、レーザ光Bi加工
後の残膜厚は変わらないので、加工の信頼性が向上す
る。なお、穴明け後に穴底の導体層上にわずかな分解飛
散物が残っていたとしても、レーザ加工の後工程のメッ
キ処理の最初の工程であるソフトエッチング工程におい
て、内層導体表面の酸化物層等と共に除去することがで
きるので、デスミア工程を省略できる。また、デスミア
工程を設けるとしても、デスミア処理時間を大巾に短縮
することができる。
【0065】1.3.2 RCC基板の加工例 図4はRCC基板の加工を行う場合のエネルギ分布と穴
の形状を加工手順に示す図であり、図5はこのときの加
工のタイミングを示すタイミングチャートある。図4に
おける(a)〜(c)と図5における(a)〜(c)は
それぞれ対応している。
【0066】RCC基板では、導体層21の加工は、図
4(a)に示すように、前記図2(a)と同様に行われ
る。図4(b)のCOレーザによる絶縁層22の除去
加工はガラス入り基板に比べて分解エネルギ密度しきい
値が低いので、たとえば、モードBj4(またはモード
Cj4)のパルス巾TPj4が10ms、ピ−ク出力W
Pj4が500W、パルスエネルギEPj4が5mJの
COレーザ光Bjが適用される。そして、加工スポッ
ト径dSj4を150μmにしても、3.0MW/cm
のピーク出力密度WdSj4、30J/cmのパル
スエネルギ密度EdSj4が得られ、実用パルスエネル
ギ密度10J/cm以上を満足する。この条件によれ
ば、1〜2ショットでほとんどの絶縁層を除去できる
が、穴底に厚さtcが0.1〜3μmの残膜が残る。し
かし、図2(c)の場合と同様にして、残膜を除去する
ことができる。したがって、デスミア工程の負荷を軽減
できるためデスミア処理時間を大巾に短縮でき、材料に
よってはデスミア工程を省略できる。
【0067】1.3.3 表面に導体層のないFR−4
基板の加工例 図6において、(a)、(c)は、表面に導体層のない
FR−4基板の加工を行う場合のエネルギ分布と穴の形
状を示す図であり、(b)、(d)はそのときのタイミ
ングを示すタイミングチャートである。表面に導体層の
ないFR-4基板加工では、同図(a)に示すように、
穴入口径が、絶縁層を除去するためのレーザ光Bjのパ
ルスエネルギEPi6と絶縁層の分解エネルギしきい値
Si6により決まることを除いて、図2(b)の絶縁
層の除去加工と同様に行われる。また、同図(b)の絶
縁層22のレーザ光Bkによる穴底の絶縁層残膜の除去
は図2(c)の穴底の残膜除去と同様に行われる。した
がって、前記と同様な効果を得ることができ、デスミア
工程を省略できる。また、デスミア工程の負荷を軽減で
きるためデスミア処理時間を大巾に短縮できる。
【0068】1.3.4 表面に導体層のない樹脂基板
の加工例 図7において、(a)、(c)は、表面に導体層のない
樹脂基板の加工を行う場合のエネルギ分布と穴の形状を
示す図であり、(b)、(d)はそのときのタイミング
を示すタイミングチャートである。表面に導体層のない
樹脂基板では同図(a)に示すように、穴入口径が絶縁
層を除去するためのレーザ光BjのパルスエネルギE
Pi7と絶縁層の分解エネルギしきい値ESi7で決ま
ることを除いて、図4(b)の絶縁層の加工と同様に行
われる。また、同図(c)の絶縁層22のレーザ光Bk
による穴底の絶縁層の残膜除去は、図4(c)の穴底の
残膜除去と同様に行われる。したがって、前記の場合と
同様の効果を得ることができ、デスミア工程を省略でき
る。また、デスミア工程の負荷を軽減できるためデスミ
ア処理時間を大巾に短縮できる。
【0069】1.3.5 表面に導体層のない樹脂基板
(あるいは導体層のないFR−4基板)の加工例 図8において、(a)、(c)は、表面に導体層のない
樹脂基板(あるいは導体層のないFR−4基板)の加工
を行う場合のエネルギ分布と穴の形状を示す図であり、
(b)、(d)はそのときのタイミングを示すタイミン
グチャートである。表面に導体層のない樹脂基板では、
同図(a)に示すように、レーザ光Bjの代わりにUV
レーザ光BiのモードBi8を適用し、パルスエネルギ
Pi8と絶縁層の材質により、絶縁層を絶縁層の厚さ
のばらつき分、例えばtcが5〜10μm残るように加
工する。また、同図(c)に示すように、レーザ光Bk
により穴底の残膜厚tcを除去することもできる。した
がって、絶縁層の厚さにばらつきがあっても、レーザ光
Bjが穴底を損傷することはない。したがって、前記の
場合と同様の効果を得ることができ、デスミア工程を省
略できる。
【0070】ところで、デスミア処理は本来穴底の樹脂
残膜の除去を目的とする処理であるが、穴底の残膜を除
去する際に、穴壁が3〜5mm除去されてしまい、通
常、穴径が直径で最大10mm大きくなってしまう。し
かし、本発明によれば、デスミア工程が不要あるいは処
理時間を大巾に短縮できるため、穴径はほとんど変化せ
ず、精度に優れる小径穴を加工することができる。
【0071】1.4 加工時間の短縮効果 図1の装置を適用した場合、加工時間は以下のようにし
て短縮される。なお、加工法と加工領域および加工順序
により加工速度が異なるため、加工法毎の穴明け周期を
以下のように定める。すなわち、 導体層除去に適用されるレーザ光Biの円周加工穴明け周期TTPRabを、 TTPRab=TGC+TPPab×(Nab−1)・・・ 式1 絶縁層加工に適用されるレーザ光Bjのサイクル加工穴
明け周期TTPRab、を、 TTPRab=(TGC+TPab)×Nab ・・・ 式2 絶縁層加工に適用されるレーザ光Bjのバ−スト加工穴
明け周期TTPRabを、 TTPRab=TGC+TPPab×(Nab−1)・ 式3 穴底の残膜除去に適用されるレーザ光Bkのバ−スト加
工穴明け周期TTPRa を、 TTPRab=TGC+TPPab×Nab−1)]・ 式4 ただし、Rは加工領域の番号、aはレーザ光の種類を、
bは図の番号である。
【0072】図9は、図2にで説明したガラス入り基板
を加工する場合の加工ヘッドの位置および加工順序を示
す図である。同図において、(b)はヘッドZiのみの
加工領域1、(c)はヘッドZi、ヘッドZjの同時加
工領域2、(d)はヘッドZi、ヘッドZj、ヘッドZ
kの同時加工領域3、(e)はヘッドZj、ヘッドZk
の同時加工領域4、(f)はヘッドZkのみの加工領域
5を示している。図中、Sはプリント基板上の加工開始
位置、Fは加工終了位置である。すなわち、プリント基
板がヘッドZiに対して加工開始位置Sに位置決めされ
るとヘッドZiの加工が開始され表面導体層にウインド
ウWEが加工される。加工が進み、ヘッドZjが位置S
に達すると、ヘッドZjにより絶縁層除去加工が開始さ
れる。さらに加工が進み、ヘッドZkが位置Sに達する
と、ヘッドZkにより穴底の絶縁層残膜除去加工が開始
され、以後、ヘッドZiが位置Fに達するまで3ヘッド
による同時加工が続行される。そして、ヘッドZiが位
置Fに達すると、ヘッドZiの加工が停止される。次
に、ヘッドZjが位置Fに達するとヘッドZjの加工が
停止される。そして、ヘッドZkが位置Fに達するとヘ
ッドZkの加工が停止され、加工が終了する。
【0073】したがって、Lij=Ljk、また穴が一
定ピッチで穴数Mが格子状に分布する基板を穴明けする
場合、前記各加工領域の加工時間およびトータル穴明け
時間TPTについて、ヘッドZiのみの加工領域1(穴
数M1)の加工時間TPT1は、 TPT1=TTP1i2・M1 ・・・・・ 式5 ヘッドZi、ヘッドZjの同時加工領域2(穴数M2=
M1)の加工時間TPT は、 TPT2=Max〔TTP2i2・M2、TTP2j2・M2〕・・・式6 ヘッドZi、ヘッドZj、ヘッドZkの同時加工領域3
(穴数M3)の加工時間TPT3は、TPT3=Max
〔TTP3i2・M3、TTP2j2・M3、T
TP3k2・M3〕 ・・・ 式7ヘッドZj、ヘッ
ドZkの同時加工領域4(穴数M4=M1)の加工時間
PT は、 TPT4=Max〔TTP4j2・M4、TTPk2・M4〕 ・・ 式8 ヘッドZkのみの加工領域5(穴数M5=M1)の加工
時間TPT5は、 TPT5=TTP5k2・M5 ・・・・・・ 式9 ただし、M=M1+M2+M3=M3+M4+M5 ・・・・・・・・ 式10 トータル穴あけ加工時間TPTは TPT=TPT1+TPT2+TPT3+TPT4+TPT5 ・式11 テ−ブル移動を含めたトータル加工時間は、 T=TPT+TTT ・・・・・・・ 式12 ただし、TTTはトータルテ−ブル移動時間であり、 TTT=Roundup (L+2LijX)/L S)・Roundup (L/L S)・T T ・・・・・ 式13 また、 L、L:基板加工エリアX、Y寸法 LS:スキャンエリアX、Y寸法 TT:テ−ブル移動時間(秒/回) である。したがって、 表面導体層厚:9μm 絶縁層厚:65μm 基板加工エリア400mm×500mm スキャンエリア寸法LS:50×50mm 穴数M:50000穴 軸間距離Lij=Ljk:100mm 穴径100μm 2mm等ピッチ分布 の基板を下記パラメータで図6の手順で加工すると、 パルス周期TPPi2:0.00004秒 パルスショット数Ni2:80 パルス周期TPPj2:0.001秒 パルスショット数Nj2:3(サイクル加工) パルス周期TPk2:0.00004秒 パルスショット数Nk2:15 ガルバノ位置決め時間TGC:0.001秒 テ−ブル位置決め時間TTT:0.2秒 テ−ブル移動を含めたトータル加工時間TPTは、 TPT=257.5+24.0=297.5秒 となる。ただし、 TPT1=0.0042・12500=52.5秒 TPT2=Max〔0.0042・12500、0.003・12500〕=52.
5秒 TPT3=Max〔0.0042・25000、0.003・25000、0.001
6・25000〕=105秒 TPT4=Max〔0.003・12500、0.0016・12500〕=37.
5秒 TPT5=0.0016・12500=20秒 TTT=Roundup (400+2・100)/50)・Roundup (500/50)
・0.002=24秒 なお 、サイクル加工のパルス巾はガルバノ位置決め時
間に対して十分短いので無視している。
【0074】図10は、ヘッドZi、ヘッドZjだけを
使用し、ヘッドZiのアパーチャと光路長を切換え、ヘ
ッドZiをヘッドZkと同様のモードBkで加工するよ
うにした場合の加工ヘッドの位置および加工順序を示す
図である。
【0075】同図において、(b)はヘッドZiのみの
加工領域、(c)はヘッドZi、ヘッドZjの同時加工
領域、(d)はヘッドZiの加工領域、(f)はヘッド
Ziだけの加工領域を示している。
【0076】加工領域1、加工領域2、加工領域4は前
記図9の場合と同様に行われ、加工領域3は加工領域2
の延長であるが、加工領域5は加工領域4の加工終了後
に加工が行われるため、加工時間TPTは以下のように
なる。
【0077】したがって、 TPT=327.5+38.0=363.5秒 TPT1=0.0042・12500=52.5秒 TPT2=Max〔0.0042・12500、0.003・12500〕=52.5秒 TPT3=Max〔0.0042・25000、0.003・25000〕=105秒 TPT4=Max〔0.003・12500〕=37.5秒 TPT5=0.0016・50000=80秒 TTT=Roundup (400+100)/50)・Roundup (500/50)・0.
002+Roundup (400)/50)・Roundup (500/50)・0.002=36
秒 すなわち、図2に示す手順で加工を行う場合、図1のヘ
ッドZi、ヘッドZj、ヘッドZkで構成される装置
は、ヘッドZi、ヘッドZjのみで構成される装置に比
べて約20%加工時間を短縮できる。
【0078】2.第2の実施形態 2.1 レーザ加工装置の構成 図11は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装
置の構成図であり、図1と同じものまたは同一機能のも
のは、同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】同図において、10はレーザ光Biの光軸
上に設置されたP波を透過させ、S波を反射するビーム
スプリッタ、11はレーザ光Bkの光軸上に設置された
P波を透過させ、S波を反射するλi/2偏光子、12
は全反射コーナーミラーである。全反射コーナーミラー
12はレーザ光Bkがビームスプリッタ(偏光ビームコ
ンバイナ)10を透過したレーザ光Biと同軸になるよ
うに配置されている。また、レーザ発振器1iとレーザ
発振器1kは偏光方向と光軸が互いに平行となるように
配置されている。
【0080】2.2 動作 レーザ光BiのP波成分Pi2はビームスプリッタ10
を直進するが、S波成分Si2は、ビームスプリッタ1
0に反射され、ビームダンパ(図示せず)に吸収され
る。一方、レーザ光BkのP波成分Pk2はλi/2偏
光子11によりS波成分Sk2に変換される。S波成分
k2は全反射コーナーミラー12で反射してもS波成
分Sk2のままである。この結果、レーザ光BkのP波
成分Pk2とS波成分Sk2を同軸化することができる
ので、加工位置iにおいてモードBi1のP波成分P
i2と、モードBi2のP波成分Pi2およびモードB
k2のレーザ光BkのS波成分Sk2を同軸化したレー
ザ光が時間軸で同時および直列的に加算される。すなわ
ち、ヘッドZiの出力を一定にした状態で加工部に、異
なるエネルギ密度、出力密度、スポット径のビームを供
給することができる。また、λi/2偏光子11、全反
射コーナーミラー12を光軸から外すことにより、図の
場合と同様に、加工位置iおよび加工位置kにおいてレ
ーザ光Bi、レーザ光Bkにより同時および個別加工を
行うこともできる。
【0081】なお、たとえばレーザ光Biの磁界が紙面
垂直方向、レーザ光Bkの磁界が紙面平行方向となるよ
うにレーザ発振器1iとレーザ発振器1kを設置する
と、レーザ光BkのP波成分Pk2はS波成分Sk2
等価であるので、ビームスプリッタ10と全反射コーナ
ーミラー12を図1におけるそれぞれの光軸に設置する
だけで同軸化することができる。
【0082】なお、レーザ光Bi、レーザ光Bkを同軸
化する際に、ビームスプリッタ10、の反射によるエネ
ルギロス、P波成分Pk2からS波成分Sk2変換によ
るエネルギロスが発生するが、エネルギ空間分布などの
特性はそのまま引き継がれる。そして、加工に必要なS
波成分Sk4の出力密度はP波成分Pk4の1/4以下
であり損失が加工上問題になることはない。
【0083】2.3 加工例 2.3.1 RCC基板の加工例 図12は、図11に示した構成の装置によるRCC基板
の加工例を示す図である。
【0084】同図において、導体層加工と絶縁層加工と
を導体層除去エネルギ密度に設定したモードCi2(ま
たはモードAi2)のレーザ光BiおよびモードBk2
の穴底の樹脂残厚は除去できるが導体層に損傷を与えな
いエネルギ密度のレーザ光Bkにより、所定の絶縁層厚
に対して10μmを残し、途中まで同時に加工を行う。
引き続きヘッドZkによりモードBk2のレーザ光Bk
で樹脂残厚を連続的にショットして穴明けする。これに
より、製造工程における絶縁層厚誤差の影響を受けるこ
となく導体層と絶縁層の除去が可能になり、穴底を損傷
することなくブラインドホールを加工できるため穴品質
が向上する。また、ガルバノミラーの位置決め後のトー
タルパルスショット時間0.012秒(25KHz、3
00ショット)は同時加工により変わらない。しかも、
軸間距離Lij、Ljkの影響がなくなり、テ−ブル移
動回数が25%減るので加工時間を短縮することができ
る。
【0085】2.3.2 樹脂基板(層厚40μm)の
加工例 図13は、図11に示した構成の装置による樹脂基板
(層厚40μm)の加工例を示す図である。
【0086】同図において、絶縁層除去エネルギ密度に
設定したモードAi2(またはモードBi2)のレーザ
光Bi、およびモードBk2の絶縁層は除去できるが導
体層に損傷を与えないエネルギ密度のレーザ光Bkによ
り、所定の絶縁層厚に対して10μmを残し途中まで同
時に加工を行い、引き続きヘッドZkでモードBk2の
レーザ光Bkにより連続的にショットして穴明けする。
これにより、製造工程における絶縁層厚誤差の影響を受
けることなく導体層と絶縁層の除去が可能になり、穴底
を損傷することなくブラインドホールを加工できるため
穴品質が向上する。また、ガルバノミラーの位置決め後
のトータルパルスショット時間0.001秒(40KH
z、40ショト)は同時加工により従来の0.002秒
(40KHz、80ショット)から大巾に低減できる。
しかも、軸間距離Lij、Ljkの影響がなくなり、テ
−ブル移動回数が25%減るので加工時間を短縮するこ
とができる。
【0087】3.第3の実施形態 3.1 レーザ加工装置の構成 図14は、本発明に係る第3の実施形態に係るレーザ加
工装置の構成を示す図であり、図1、11と同じものま
たは同一機能のものは、同一の符号を付して説明を省略
する。なお、レーザ源1iは、磁界が直線偏光であるレ
ーザ光Biの磁界方向が紙面垂直方向のP波成分になる
ように設置されている。同図において、6a、6bは音
響光学装置であり、磁界が垂直偏光のレーザ光Biの光
軸上に設置されている。7、8は0次回折光用のビーム
ダンパである。
【0088】3.2 音響光学装置の動作 音響光学装置6a、6bは、動作電圧(RF電圧)が印
加されない場合、図14の右方から入射する入射光を直
進させる。また、動作電圧が印加されると、入射光はブ
ラグ効果により形成される超音波面で回折し、出射光の
出射角が変化する。そこで、レーザ源1iを動作させる
と共に音響光学装置6aにRF電圧VRFiをパルス巾
時間印加すると、出射角θのP波の1次回折光レーザ
光Biが得られる。また、音響光学装置6aにRF電圧
RFiを印加しない状態で、レーザ源1iを動作させ
ると共に音響光学装置6bにパルス巾時間RF電圧V
RF を印加すると、出射角θのP波の1次回折光レ
ーザ光Bkが得られる。すなわち、RF電圧VRFi
RF電圧VRFjを直列的に出力することにより、レー
ザ光Biとレーザ光Bkを直列的に得ることができる。
なお、S波成分は、超音波面による回折が起きないの
で、音響光学装置6a、6bの内部を直進してビームダ
ンパ7、8に吸収される。
【0089】なお、レーザ光Biおよびレーザ光Bk
は、音響光学装置6a、6bによるエネルギロスが発生
するため、エネルギ密度、出力密度は図1におけるレー
ザ光Bi、レーザ光Bkに対し、それぞれ約15%低下
する。しかし、エネルギ空間分布などの特性は変化しな
いので、出力を調整することにより、図1に示した第1
の実施形態と実質的に同じ加工を行うことができる。
【0090】3.3 加工例 3.3.1 ガラス入り基板の加工例 ガラス入り基板を加工する場合には、次のような手順で
行う。先ず、エネルギ密度を導体層除去エネルギ密度に
設定したモ−ドCi2(またはモ−ドAi2)のレーザ
光Biにより導体層を除去した後、モ−ドAj2(また
はモ−ドBj2)のレーザ光Bjにより絶縁層を除去
し、さらに、モ−ドBk2(絶縁層は除去できるが導体
層に損傷を与えないエネルギ密度)のレーザ光Bkによ
り穴底の残膜を除去して、ブラインドホールを形成す
る。この場合、ガルバノミラーを位置決めしてから、シ
ョット時間が最も長いのは導体層除去時の0.0012
秒である。また、絶縁層除去では0.003秒、穴底の
残膜除去は0.0004秒である。したがって、穴底の
残膜除去を導体層除去のガルバノミラー移動中に行うこ
とができるため、実質的な加工速度は図1に示した第1
の実施形態と変わらない。この結果、1個のレーザ源1
iで図1におけるレーザ源1iとレーザ源1kの動作を
兼用することができるので、装置のコストを低減するこ
とができる。
【0091】4.第4の実施形態 4.1 レーザ加工装置の構成 図15は、本発明に係る第4の実施形態に係るレーザ加
工装置の構成を示す図であり、第1ないし第3の実施形
態における前述の図1、11、14と同じものまたは同
一機能のものは、同一の符号を付して説明を省略する。
【0092】この実施形態は、前記第3の実施形態の加
工系Uiの光軸上に音響光学装置6a、6bを配置し、
加工系Ukの光軸上にλi/2偏光子11と全反射コー
ナーミラー12およびビームスプリッタ10を配置する
ことにより、1台のレーザ源1iからレーザ光Bi、レ
ーザ光Bkを分離あるいは同軸化するようにしたもので
ある。
【0093】4.2 レーザ光の同軸化 同図において、レーザ光Bkとレーザ光Biの同軸化は
以下のようにして行われる。
【0094】すなわち、レーザ源1iの磁界がP波の直
線偏光(磁界が紙面垂直方向)であれば、レーザ光Bか
ら分波したレーザ光Biとレーザ光BkもP波の直線偏
光である。ビームスプリッタ10はP波成分を透過さ
せ、S波成分を反射するので、レーザ光BiのP波成分
Pi4はそのまま直進する。レーザ光BiのS波成分S
k4は反射され、ビームダンパ8に吸収される。一方、
レーザ光BkのP波成分Pk4はλi/2偏光子11に
より、直進するS波成分Sk4に変換される。S波成分
Sk4は全反射コーナーミラー12で反射反射されても
S波成分Sk4のままであるから、前記第2の実施形態
で説明したように、S波成分Sk4とP波成分Pi4を
同軸化することができる。
【0095】この結果、加工位置iにおいて、モ−ドB
i4のレーザ光BiのP波成分Pi4と、モ−ドBk4
のレーザ光BkのS波成分Sk4を時間軸で直列的供給
することができる。すなわち、ヘッドZiにより、加工
部に、異なるエネルギ密度、出力密度、スポット径のビ
ームを同時(並列)および直列的に供給することができ
る。また、ビームスプリッタ10、λi/2偏光子1
1、および全反射コーナーミラー12を光軸から外すこ
とにより、図1の場合と同様に、加工位置iおよび加工
位置kにおいてレーザ光Bi、レーザ光Bkを用いるこ
とにより個別に加工を行うこともできる。
【0096】なお、レーザ光Bi、レーザ光Bkは、音
響光学装置によるエネルギロス、また同軸化によるエネ
ルギロスが発生するが、エネルギ空間分布などの特性は
変化しない。そして、S波成分Sk4に要求される出力
密度は、P波成分Pk4の1/4以下であるので、出力
を適切に調整することにより、このような損失が加工上
問題になることはない。
【0097】4.3 加工例 この第4の実施形態に係るレーザ加工装置によって樹脂
ダイレクト基板(絶縁層の厚さは40μmである。)の
加工を行う場合、穴明け方法は前記第2の実施形態と同
様にして行われる。これにより、第2の実施形態と同様
に穴品質が向上する。また、ガルバノミラーの位置決め
後のレーザ光Bi、レーザ光Bkはそれぞれ時間をずら
せてショットされるが、レーザ光Biの出力を増すこと
により、ト−タルパルスショット時間0.001秒(4
0KHz、40ショト)を維持できる。テ−ブル移動回
数についても前記第2の実施形態の場合の加工速度と同
じである。
【0098】また、レーザ光を同軸化するためのビーム
スプリッタ10、λi/2偏光子11、および全反射コ
ーナーミラー12を光軸から外すことにより前記第3の
実施形態で示したレーザ加工装置の機能と同等にするこ
とができる。すなわち、1つのレーザ源で第2の実施形
態と同じ機能を持たせることができる。その結果、装置
コストの低減を図ることができる。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
表面の第1層が導体層である導体層と絶縁層とが交互
に積層されたプリント基板の加工方法において、導体層
と絶縁層が吸収する比率が高い第1の波長のレーザ光の
エネルギ密度を、導体層と絶縁層の分解しきい値よりも
高いエネルギ密度にして前記第1層の導体層を加工し、
導体層が吸収する比率は低いが、絶縁層が吸収する比率
が高い第2の波長のレーザ光のエネルギ密度を、前記導
体層の分解しきい値よりも低く、前記絶縁層の分解しき
い値よりも高いエネルギ密度にして前記第2層の絶縁層
を加工し、導体層と絶縁層が吸収する比率が高い第3の
波長のレーザ光のエネルギ密度を、前記絶縁層の分解し
きい値よりも高く、導体層の分解しきい値よりも低いエ
ネルギ密度にして前記第2層の絶縁層の加工を仕上げ
る。
【0100】すなわち、穴底の絶縁層の残膜を除去でき
るので、デスミア処理工程が不要あるいは、処理時間を
短縮することができる。
【0101】また、穴底コーナー部のクラックが発生し
ないので、穴品質が向上する。
【0102】さらに、レーザ光を分配するように構成す
ると、1台のUVレーザ源で、導体層を加工するための
レーザ光と絶縁層の残膜を除去するためのUVレーザ光
の両者を供給できるので、装置の低コスト化を実現する
ことができる。
【0103】また、レーザ光の分配手段と組み合わせて
UVレーザ光とUVレーザ光を同軸化するように構成す
ると、2ヘッド構成でUVレーザ光BiによるUV加工
とUVレーザ光Bkによる穴底仕上げを同軸で連続して
行うことができるため、テ−ブル移動回数を減らすこと
ができ、加工時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置
の構成図である。
【図2】本発明による加工部のエネルギ分布と穴の形状
を加工順に示す図である。
【図3】図2のタイミングチャートを示す図である。
【図4】本発明による加工部のエネルギ分布と穴の形状
を加工順に示す図である。
【図5】図4のタイミングチャートを示す図である。
【図6】本発明による加工部のエネルギ分布と穴の形状
およびタイミングチャートである。
【図7】本発明による加工部のエネルギ分布と穴の形状
およびタイミングチャートである。
【図8】本発明による加工部のエネルギ分布と穴の形状
およびタイミングチャートである。
【図9】本発明による加工ヘッドの位置および加工順序
を示す図である。
【図10】本発明による加工ヘッドの位置および加工順
序を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装
置の構成図である。
【図12】本発明による加工部のエネルギ分布と穴の形
状およびタイミングチャートである。
【図13】本発明による加工部のエネルギ分布と穴の形
状およびタイミングチャートである。
【図14】本発明の第3の実施形態に係るレーザ加工装
置の構成図である。
【図15】本発明の第4の実施形態に係るレーザ加工装
置の構成図である。
【図16】従来のレーザ加工装置の構成図である。
【図17】コリメータの作用を示す図でありる。
【図18】プリント基板の構成を示す図である。
【図19】従来技術の説明図である。
【図20】従来技術の説明図である。
【図21】従来技術の説明図である。
【図22】従来技術の説明図である。
【図23】従来技術の説明図である。
【図24】従来技術の説明図である。
【図25】従来技術の説明図である。
【図26】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1,1i,1j,1k レーザ発振器 2 レーザ光 3,3i,3j,3k コリメータ 4,4i,4j,4k アパーチャ 5,5i,5j,5k コーナーミラー 14 ミラー 15a,15b ガルバノミラー 16 fθレンズ 30i,30j,30k ビーム整形ユニット Bi,Bj,Bk レーザ光 Zi,Zj,Zk ヘッド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北 泰彦 神奈川県海老名市上今泉2100番地 日立ビ アメカニクス株式会社内 Fターム(参考) 4E068 AA05 CD05 DA11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の第1層が導体層であって、導体層
    と絶縁層とが交互に積層されたプリント基板の加工方法
    において、 導体層と絶縁層が吸収する比率が高い第1の波長のレー
    ザ光のエネルギ密度を、導体層と絶縁層の分解しきい値
    よりも高いエネルギ密度にして前記第1層の導体層を加
    工し、 導体層が吸収する比率は低いが、絶縁層が吸収する比率
    が高い第2の波長のレーザ光のエネルギ密度を、前記導
    体層の分解しきい値よりも低く、前記絶縁層の分解しき
    い値よりも高いエネルギ密度にして前記第2層の絶縁層
    を加工し、 導体層と絶縁層が吸収する比率が高い第3の波長のレー
    ザ光のエネルギ密度を、前記絶縁層の分解しきい値より
    も高く、導体層の分解しきい値よりも低いエネルギ密度
    にして前記第2層の絶縁層の加工を仕上げることによ
    り、第3層の前記導体層を露出させることを特徴とする
    プリント基板の加工方法。
  2. 【請求項2】 表面の前記第1層を導体層に代えて絶縁
    層に、前記第2層を絶縁層に代えて導電層に、前記第3
    層を導電層に代えて絶縁層にそれぞれ形成し、 前記第2の波長のレーザ光により第1層を加工し、前記
    第3の波長のレーザ光により第2層の前記導体層を露出
    させることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板
    の加工方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の波長のレーザ光により前記第
    1層の絶縁層の途中まで加工し、残りの絶縁層を前記第
    3の波長のレーザ光で加工することを特徴とする請求項
    2に記載のプリント基板の加工方法。
  4. 【請求項4】 表面の第1層が導体層であって、導体層
    と絶縁層とが交互に積層されたプリント基板の加工方法
    において、 導体層が吸収する比率は低いが、絶縁層が吸収する比率
    が高い第1の波長のレーザ光のエネルギ密度を、前記導
    体層の分解しきい値よりも低く、前記絶縁層の分解しき
    い値よりも高いエネルギ密度にして前記第1層の絶縁層
    を加工し、 導体層と絶縁層が吸収する比率が高い第2の波長のレー
    ザ光のエネルギ密度を、導体層と絶縁層の分解しきい値
    よりも高いエネルギ密度にして前記第2層の導体層を加
    工し、 第3層以降の奇数層は前記第1層の加工条件により加工
    し、 第3層以降の偶数層は前記第2層の加工条件により加工
    し、 最終工程では1つ前の奇数層の加工で除去されずに残っ
    た穴底の残膜を導体層と絶縁層が吸収する比率が高い第
    3の波長のレーザ光のエネルギ密度を、前記絶縁層の分
    解しきい値よりも高く、導体層の分解しきい値よりも低
    いエネルギ密度にして除去して、目的の導体層を露出さ
    せることを特徴とするプリント基板の加工方法。
  5. 【請求項5】 導体層と絶縁層とが交互に積層されたプ
    リント基板の加工方法において、 導体層と絶縁層が吸収する比率が高い第1の波長のレー
    ザ光のエネルギ密度を、導体層と絶縁層の分解しきい値
    よりも高いエネルギ密度にして目的とする導体層の1つ
    前の導体層まで加工し、 導体層が吸収する比率は低いが、絶縁層が吸収する比率
    が高い第2の波長のレーザ光のエネルギ密度を、前記導
    体層の分解しきい値よりも低く、前記絶縁層の分解しき
    い値よりも高いエネルギ密度にして前記目的とする導体
    層に接する絶縁層を加工し、 導体層と絶縁層が吸収する比率が高い第3の波長のレー
    ザ光のエネルギ密度を、前記導体層の分解しきい値より
    も高く、導体層の分解しきい値よりも低いエネルギ密度
    にして前記目的とする導体層に接する絶縁層を加工する
    ことにより、目的とする導体層を露出させることを特徴
    とするプリント基板の加工方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の波長のレーザ光は波長400
    nm以下のUVレーザまたは波長1100nm以下の可
    視光および近赤外レーザからなり、 前記第2の波長のレーザ光は波長9000〜11100
    nmのCOレーザからなり、 前記第3の波長のレーザ光は波長400nm以下のUV
    レーザからなることを特徴とする請求項1ないし請求項
    5のいずれか1項に記載のプリント基板の加工方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の波長のレーザ光が、絶縁層厚
    で約3μmの残厚を残して分解できるエネルギ密度に設
    定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6
    のいずれか1項に記載のプリント基板の加工方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の波長のレーザ光と前記第3の
    波長のレーザ光は1つのレーザ光から分配され、それぞ
    れ導体層除去と穴底の絶縁層除去のエネルギ密度、エネ
    ルギ空間分布、ビーム径は個別に設定されることを特徴
    とする請求項1、4および5のいずれか1項に記載のプ
    リント基板の加工方法。
  9. 【請求項9】 表面の第1層が導体層であって、導体層
    と絶縁層とが交互に積層されたプリント基板を加工する
    加工装置において、 所望の波長のレーザ光を出力するレーザ発振器および光
    学系からなるレーザ出力手段と、 前記レーザ出力手段から出力される波長を、第1、第2
    および第3の波長に設定する設定手段と、 導体層と絶縁層が吸収する比率が高い前記第1の波長の
    レーザ光のエネルギ密度を、導体層と絶縁層の分解しき
    い値よりも高いエネルギ密度にして前記第1層の導体層
    を加工し、導体層が吸収する比率は低いが、絶縁層が吸
    収する比率が高い前記第2の波長のレーザ光のエネルギ
    密度を、前記導体層の分解しきい値よりも低く、前記絶
    縁層の分解しきい値よりも高いエネルギ密度にして前記
    第2層の絶縁層を加工し、導体層と絶縁層が吸収する比
    率が高い第3の波長のレーザ光のエネルギ密度を、前記
    絶縁層の分解しきい値よりも高く、導体層の分解しきい
    値よりも低いエネルギ密度にして前記第2層の絶縁層の
    加工を仕上げる加工手段と、を備え、前記加工手段によ
    って第3層の前記導体層を露出させることを特徴とする
    プリント基板の加工装置。
  10. 【請求項10】 前記第1のレーザ光から前記第3のレ
    ーザ光を分配する分配手段を設けたことを特徴とする請
    求項9に記載のプリント基板の加工装置。
  11. 【請求項11】 前記第1および第3の2つのレーザ光
    を同軸化する同軸化手段を備えたことを特徴とする請求
    項10に記載のプリント基板加工装置。
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