JP2002118323A - 半導体レーザ並びに半導体ウェーハおよびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ並びに半導体ウェーハおよびその製造方法

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JP2002118323A
JP2002118323A JP2000308764A JP2000308764A JP2002118323A JP 2002118323 A JP2002118323 A JP 2002118323A JP 2000308764 A JP2000308764 A JP 2000308764A JP 2000308764 A JP2000308764 A JP 2000308764A JP 2002118323 A JP2002118323 A JP 2002118323A
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semiconductor
semiconductor laser
laser
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Hideyuki Tanaka
英行 田中
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種電子機器に使用される半導体レーザ、お
よびその材料である半導体ウェーハ、およびそれらの製
造方法に関するもので、半導体レーザの発振波長の安定
度を高めることを目的とする。 【解決手段】 p型InP12とn型InP14のクラッド層の
間に活性層としてInGaAsP13が挟まれている半導体レ
ーザ構造において、圧電材料11をp型InP12に接着し
た構成を有している。上記構成によって、AuZn17電極
とAu18電極の間に印加する電圧を制御することによ
り、圧電材料11が歪み、活性層13に応力が加わる。
圧電材料に印加する電圧を制御することにより、半導体
レーザの発振波長の安定度が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に使
用される半導体レーザ並びにその材料である半導体ウェ
ーハおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体レーザとしては、応用物
理、第67巻、第2号(1998年)195頁に開示さ
れている。従来の半導体レーザの構造を図11に示す。
図11に示すようにInP基板111、p型InPクラッド層
112、InGaAsP活性層113、n型InPクラッド層11
4、InGaAsキャップ層115、AuGeNi電極116、AuZn
電極117によって構成されている。両電極を通して電
流を活性層に注入し、レーザ発振する。
【0003】上記従来のデバイスの従来の製造方法を図
12に示す。まず、図12(a)に示すように、350μ
m厚のInP基板121上にp型InPクラッド層122、InG
aAsP活性層123、n型InPクラッド層124およびInGa
Asキャップ層125の多層構造をMO-CVD法で作成する。
続いて、図12(b)に示すように、活性層をストライ
プ状にエッチング加工し、図12(c)に示すように、
AuZn126およびAuGeNi127を蒸着して、それぞれp
型およびn型オーミック電極を形成する。最後に図12
(d)に示すように劈開し、チップ128に分割する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の半導体レー
ザにおいては、発光波長の温度変化を低減することが求
められている。近年、多重通信方式(Waveleng
th DivisionMultiplexing:W
DM)に代表される、波長を高精度で一定に保つ必要が
ある通信システムにおいて、環境温度の変化による半導
体レーザの発光波長の変化が無視できなくなったためで
ある。従来のレーザ発振波長の温度依存性を図13に示
す。横軸が温度、縦軸が波長である。
【0005】波長は、ゲインピーク波長とした。室温近
傍(−100℃から+100℃の範囲)では波長が温度
の1次式として変化し、その変化率はおよそ0.4nm
/℃である。この波長変化の主な理由は、温度によって
半導体レーザの活性層のエネルギーギャップが変化する
ためであることが、応用物理、第66巻、第2号(19
97年)p146に指摘されている。
【0006】従来の半導体レーザの活性層のエネルギー
ギャップと温度の関係を図14に示す。横軸が温度、縦
軸がエネルギーギャップである。室温近傍での変化率
は、エネルギーの単位を波長に変換すると、図13に示
した波長の変化率に等しい。この半導体レーザを温度を
一定に管理された恒温室でない一般の環境で用いると、
レーザ発振開始直後から定常状態になるまでの数分間の
温度変化、昼夜の温度変化または年間の温度変化でレー
ザの発振波長が最大10nmも変化し、WDM通信用に
は使用できない。
【0007】本発明は、半導体レーザの発光波長の安定
度を高めることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、圧電材料を半導体レーザに張り合わせたも
のであり、圧電材料に印加する電界により半導体レーザ
の活性層の伸縮が可能となる。一般に半導体に応力を加
え、その体積を変化させるとエネルギーギャップが変化
することが知られており、電界を印加された圧電材料が
与える活性層への応力は、活性層のエネルギーギャップ
変化をもたらし、エネルギーギャップの変化は発振波長
を変化させる。したがって、環境温度変化などによる発
光波長の変位を補正すべく、圧電材料に印加する電界を
制御することにより、高い発振波長安定度を有する半導
体レーザが得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、活性層の近傍に位置する圧電材料と、前記圧電材料
に電圧を印加するための電極を有する半導体レーザであ
り、圧電材料に印加される電界により活性層に応力を与
え、活性層のエネルギーギャップが制御される半導体レ
ーザを提供するという作用を有する。
【0010】請求項2に記載の発明は、活性層の近傍に
位置する圧電材料と、前記圧電材料に電圧を印加するた
めの電極を有し、前記電極に印加する電圧を制御するこ
とにより、活性層に応力を加え、前記応力によりレーザ
発振波長を制御する半導体レーザであり、発振波長が圧
電材料に印加される電界により制御される半導体レーザ
を提供するという作用を有する。
【0011】請求項3に記載の発明は、所定のレーザ発
振波長を得る如く、活性層の近傍に位置する圧電材料に
電圧を印加して、活性層に応力を加える半導体レーザで
あり、圧電材料に電界を印加して所望のレーザ発振波長
を得るというメカニズムを有する半導体レーザを提供す
るという作用を有する。
【0012】請求項4に記載の発明は、レーザ発振波長
の変位を計測する手段と、半導体レーザの活性層の近傍
に位置する圧電材料と、前記圧電材料に電圧を印加する
ための電極を有する半導体レーザであり、レーザ発振波
長の変位を検知して、圧電材料に電界を印加し、波長を
補正することが可能な半導体レーザを提供するという作
用を有する。
【0013】請求項5に記載の発明は、ファブリ・ペロ
ー・エタロン・フィルタと、活性層の近傍に位置する圧
電材料と、前記圧電材料に電圧を印加するための電極を
有する半導体レーザであり、圧電材料に電界を印加し
て、様々な要因によるレーザ発振波長の変位を補正する
ことが可能な半導体レーザを提供するという作用を有す
る。
【0014】請求項6に記載の発明は、活性層の近傍の
温度を計測する手段を有する請求項1ないし請求項5の
いずれか記載の半導体レーザであり、圧電材料に電界を
印加して、環境温度変化にともなうレーザ発振波長の変
位を補正することが可能な半導体レーザを提供するとい
う作用を有する。
【0015】請求項7に記載の発明は、圧電材料と半導
体レーザの接着面に対して、平行にレーザ光線が放射さ
れる請求項1ないし請求項6のいずれか記載の半導体レ
ーザであり、通信に利用しない後端面光を利用して発振
波長の変位を検知する半導体レーザを提供するという作
用を有する。
【0016】請求項8に記載の発明は、圧電材料と半導
体レーザの接着面に対して、垂直にレーザ光線が放射さ
れる請求項1ないし請求項6のいずれか記載の半導体レ
ーザであり、基板上に配列した半導体レーザの波長を安
定化させるという作用を有する。
【0017】請求項9に記載の発明は、第1の半導体/
第2の半導体B/第1の半導体A/圧電材料なる積層構
造を有し、前記第1の半導体のエネルギーギャップEA
と前記第2の半導体のエネルギーギャップEBにEA>E
Bなる関係を有する半導体ウェーハであり、圧電材料に
電界を印加して、レーザ発振波長を変位させることが可
能な半導体レーザ作製用の半導体ウェーハを提供すると
いう作用を有する。
【0018】請求項10に記載の発明は、半導体/圧電
材料なる積層構造を有し、圧電材料の厚さが半導体の厚
さの、約100倍以上である半導体ウェーハであり、半
導体を収縮・膨張させることが十分可能な応力を発生し
得る圧電材料を有する半導体ウェーハを提供するという
作用を有する。
【0019】請求項11に記載の発明は、圧電材料の厚
さの、約1/100以下の薄さまで半導体ウェーハを研
磨した後、この半導体ウェーハを圧電材料に接着する半
導体ウェーハの製造方法であり、与えられた圧電材料が
発生する応力で、収縮・膨張させることが十分可能な厚
さの半導体ウェーハの製造方法を提供するという作用を
有する。
【0020】以下、本発明の実施の形態について、本発
明の具体例とともに、図1から図10を用いて説明す
る。
【0021】(実施の形態1)図1は、本発明第1の実
施の形態における半導体レーザの構造を示す図である。
図1において、圧電材料11は印加された電界により伸
縮する誘電体物質から構成されている。p-InP12は半
導体レーザのクラッド層としてレーザ光を閉じこめると
同時に、エネルギーギャップが活性層より高いことを利
用して活性層にキャリアを閉じこめるもので、エピタキ
シャル成長させたp型InPの単結晶から構成されてい
る。InGaAsP13は半導体レーザの活性層として作用す
るもので、ドーパントを加えずエピタキシャル成長させ
たInGaAsPの4元混晶から構成されている。n-InP14は
半導体レーザのクラッド層としてレーザ光を閉じこめる
と同時に、エネルギーギャップが活性層より高いことを
利用して活性層にキャリアを閉じこめる作用を行うもの
で、エピタキシャル成長させたn型InPの単結晶から構成
されている。
【0022】InGaAs15はキャップ層として作用を行う
もので、エピタキシャル成長したn型InGaAsの3元混晶
から構成されている。AuGeNi16はn型でオーミックコ
ンタクトする電極で、AuGeNiの3元合金から構成されて
いる。AuZn17はp型でオーミックコンタクトすると同
時に圧電材料に電界を印加する電極で、AuZnの2元合金
から構成されている。Au18は圧電材料に電界を印加す
る電極で、Auの多結晶から構成されている。
【0023】図1に示した半導体レーザの作製方法を、
図2に示す本発明第1の実施の形態による半導体レーザ
の製造方法の説明図を用いて説明する。図2においてIn
GaAs21は、キャップ層として表面を保護するもので、
InGaAsの3元混晶から構成されている。n-InP22は、
クラッド層としてレーザ光を閉じこめると同時に、エネ
ルギーギャップが活性層より高いことを利用して活性層
にキャリアを閉じこめる作用を行うもので、n型InP単結
晶から構成されている。InGaAsP23は、レーザ光を発
する作用を行うもので、InGaAsPの4元混晶から構成さ
れている。
【0024】p-InP24は、クラッド層としてレーザ光
を閉じこめると同時に、エネルギーギャップが活性層よ
り高いことを利用して活性層にキャリアを閉じこめる作
用を行うもので、p型InP単結晶から構成されている。In
GaAs25は、エッチストップ層として作用を行うもの
で、InGaAsの3元混晶から構成されている。InP26
は、基板としてその上に物質をエピタキシャル成長させ
るもので、InP単結晶から構成されている。圧電材料2
7は印加された電界により伸縮する作用を行うもので、
誘電体物質から構成されている。
【0025】AuGeNi28はn型でオーミックコンタクト
する電極で、AuGeNiの3元合金から構成されている。Au
Zn29はp型でオーミックコンタクトすると同時に圧電
材料に電界を印加する電極で、AuZnの2元合金から構成
されている。Au210は圧電材料に電界を印加する電極
で、Auの多結晶から構成されている。チップ211は圧
電に印加する電界で発振波長を制御可能な半導体レーザ
として作用するもので、圧電材料に接着された半導体レ
ーザから構成されている。
【0026】まず、図2(a)に示すように、350μm
厚のInP基板26上に0.2μm厚のInGaAsエッチスト
ップ層25、1.5μm厚のp型InPクラッド層24、
0.15μm厚のInGaAsP活性層23、1.5μm厚のn
型InPクラッド層22および0.1μm厚のInGaAsキャ
ップ層21の多層構造をMO-CVD法で作成した。それぞれ
の層の厚さはレーザを作製する際の実用的な値として決
定した。次に、InP基板の結晶成長面の反対側(裏側)
を約340μm研磨し、残ったInP基板とInGaAsエッチ
ストップ層は選択エッチャントを用いて除去し、その厚
さは3.25μmとなった。
【0027】図2(b)にInP基板26とInGaAsエッチ
ストップ層25が除去され、p-InPクラッド層24が露
出した様子を示す。この基板と、500μm厚の鏡面研
磨されたジルコン酸チタン酸鉛を主成分とする圧電基板
27の両基板をH2SO4:H2O2:H2O混合液に浸した後、水洗
した。スピン乾燥機で両基板を乾燥させて、室温大気中
で、鏡面同士を密着させた。この段階で両基板は強度は
弱いながらも一体化した。その後、この室温接着された
基板に、N2ガス中で400℃の熱処理を30分間施し、強固
に接着した。なお、本実施例ではジルコン酸チタン酸鉛
を主成分とする圧電材料を用いたが、チタン酸バリウム
でもかまわない。特に、圧電材料として、例えばSrTiO3
(100)面などの単結晶基板を用意し、その表面をエ
ッチング処理もしくはホモエピタキシャル成長して、単
原子層ステップが並び、テラス面が現れる程度に原子レ
ベルで平滑にした後に加熱接着した結果、より強固で再
現性の高い接着が行えた。
【0028】この熱処理の後、図2(c)に示すよう
に、幅8μmのマスクを用いて活性層をストライプ状に
エッチング加工し、横幅6μm、厚さ0.15μmの活
性領域を形成した。更に、AuZn29およびAuGeNi28お
よびAu210を蒸着して、各電極を形成した。圧電材料
27のポーリングは、AuZn29とAu210の両電極間に
電圧を印加して行った。最後に図2(d)に示すように
チップ211に分割した。
【0029】なお、本実施例ではInPウェーハをウェ
ーハメーカーから購入し、当該事業場のMO−CVD装
置でエピタキシャル成長を行い、所望のクラッド層や活
性層を形成したが、図3に示す本発明第1の実施の形態
による半導体ウェーハの構造図に基づいた、すでにエピ
タキシャル層などを成長させた加工済みウェーハをウェ
ーハメーカーに注文し入手ても良い。
【0030】図3(a)は半導体ウェーハの平面図で、
同図(b)は断面図である。図3において、31はウェ
ーハで、半導体と圧電材料の多層構造から構成されてい
る。半導体A32は、半導体レーザのクラッド層として
レーザ光を閉じこめると同時に、活性層より高いエネル
ギーギャップを利用して活性層にキャリアを閉じこめる
作用を行うもので、エピタキシャル成長させた半導体単
結晶から構成されている。半導体B33は、半導体レー
ザの活性層として作用を行うもので、ドーパントを加え
ずエピタキシャル成長させた半導体混晶から構成されて
いる。圧電材料34は印加された電界により伸縮する作
用を行うもので、誘電体物質から構成されている。
【0031】なお、本実施の形態では圧電材料と半導体
を直接接着したが、接着面に低融点の合金を蒸着した
後、重ね合わせて加熱接着(AgSnなら250℃)しても
かまわない。また、接着面にAuZnを蒸着した後に重ね合
わせて加熱接着し、p型InPクラッド層へのオーミック電
極と圧電材料への電極を兼用させた構造としてもかまわ
ない。
【0032】本実施の形態による半導体レーザの他の構
造図を図4に示す。図4において、圧電材料41は印加
された電界により伸縮するもので、誘電体物質から構成
されている。図4において、p-InP42は半導体レーザ
のクラッド層としてレーザ光を閉じこめると同時に、エ
ネルギーギャップが活性層より高いことを利用して活性
層にキャリアを閉じこめる作用を行うもので、エピタキ
シャル成長させたp型InPの単結晶から構成されている。
図4において、InGaAsP43は半導体レーザの活性層と
して作用を行うもので、ドーパントを加えずエピタキシ
ャル成長させたInGaAsPの4元混晶から構成されてい
る。図4において、n-InP44は半導体レーザのクラッ
ド層としてレーザ光を閉じこめると同時に、エネルギー
ギャップが活性層より高いことを利用して活性層にキャ
リアを閉じこめる作用を行うもので、エピタキシャル成
長させたn型InPの単結晶から構成されている。図4にお
いて、InGaAs45はキャップ層として作用を行うもの
で、エピタキシャル成長したn型InGaAsの3元混晶から
構成されている。図4において、AuGeNi46はn型でオ
ーミックコンタクトする作用を行うもので、AuGeNiの3
元合金から構成されている。図4において、AuZn47は
p型でオーミックコンタクトすると同時に圧電材料に電
界を印加する作用を行うもので、AuZnの2元合金から構
成されている。図4において、Au48は圧電材料に電界
を印加する作用を行うもので、Auの多結晶から構成され
ている。
【0033】圧電材料へ電圧を印加せずに、作製した半
導体レーザの発振波長の温度変化を測定したところ、結
果は従来の半導体レーザの発振波長の温度依存性を示す
図13とほぼ一致した。他方、作製した半導体レーザを
一定温度(設定値20℃)の恒温槽内に設置し、圧電材
料へ電圧を加えたところ、発振波長は図5のように変化
した。縦軸が波長で、横軸が圧電材料に印加する電圧で
ある。従って、半導体レーザの温度を計測し、基準温度
(本実施例では20℃)からのずれに応じて圧電に印加
する電圧を適切にフィードバック制御することにより、
温度変化を半導体レーザに与えても発振波長の変化を著
しく低く出来ることが判明した。なお、圧電材料の厚さ
を500μmよりかなり薄い50μmとした場合は、圧
電材料に電圧を印加すると反りが発生し、接着している
半導体に応力を有効に加えることが出来なかった。
【0034】このシステムを、図8の本発明第1の実施
の形態による発振波長安定化のためのフィードバック回
路の構成図に示す。図8において、圧電材料81は印加
された電界により伸縮する作用を行うもので、誘電体物
質から構成されている。半導体レーザ82はレーザ光線
を発するもので、半導体から構成されている。前端面光
83はレーザ光線である。電気信号84は圧電素子駆動
電圧を制御するもので、温度計からの出力信号である。
圧電素子駆動電源85は圧電素子駆動電圧を出力するも
のでる。圧電素子駆動電圧86は圧電材料を伸縮させる
電圧で、温度計から出力される電気信号によって制御さ
れた圧電素子駆動電源からの出力電圧である。温度計8
7は半導体レーザの活性層の温度変化を計測するもの
で、サーミスターから構成されている。
【0035】発振波長の温度変化を抑制するための、圧
電材料への印加電圧は、半導体レーザの活性層の熱膨張
量と圧電材料の印加電圧に対する歪み量を比較し、見積
もった。活性層の熱膨張量を図6に示す。基準温度T0
は20℃で、その時の活性層の横幅からの伸びを温度の
関数として表している。一方、図7に本発明第1の実施
の形態による半導体レーザに用いた圧電基板面内の歪み
量と圧電基板に印加した電圧の関係を示す。電圧加える
と基板面内は膨張した。図6と図7から、熱膨張と同じ
大きさの収縮を圧電材料基板面内で起こさせる電圧が温
度の関数として求めることが出来る。サーミスター温度
計の示す値に対して、得られた関数で圧電素子に電圧を
印加したところ、温度変化が生じても活性層は膨張せ
ず、そのエネルギーギャップは一定に保たれ、発振波長
は安定化した。
【0036】また、以上の説明では、ファブリ・ペロー
共振器構造を有した半導体レーザの例で説明したが、そ
の他の例えば分布帰還(Distributed Fe
ed−Back:DFB)型構造を有した半導体レーザ
についても同様に実施可能である。
【0037】(実施の形態2)本発明第2の実施の形態
による半導体レーザを図面を用いて説明する。従来の半
導体レーザでは温度に対して再現性のない発振波長の変
化を起こすこともあり、おそらく、活性層に何らかの欠
陥が生じ、発振波長の変化をもたらしたものと思われ
る。この様な経時変化による発振波長変化は、図8に示
した温度の関数として与えられた圧電素子電圧制御では
抑制することが出来ない。
【0038】この問題を解決する発振波長安定化のため
のフィードバック回路の構成図を図9に示す。図9にお
いて、圧電基板91は印加された電界により伸縮するも
ので、誘電体物質から構成されている。半導体レーザ9
2はレーザ光線を発するもので、半導体から構成されて
いる。前端面光93はレーザ光線である。電気信号94
は圧電基板駆動電圧を制御するもので、波長モニタ用光
検出器の出力信号である。圧電基板駆動電源95は圧電
基板駆動電圧を出力するもので、トランスなどの電子部
品から構成されている。圧電基板駆動電圧96は圧電材
料を伸縮させるもので、波長モニタ用光検出器から出力
される電気信号によって制御された圧電基板駆動電源か
らの出力電圧である。波長モニタ用光検出器97は半導
体レーザの発振波長の変化を計測するものである。フィ
ルタ透過光98はフィルタを透過したレーザ光である。
ファブリ・ペロー・エタロン・フィルタ99は入射した
レーザ光を入射面と出射面の間で往復させ干渉させるも
ので、反射率25%の酸化物多層膜が両面に形成された
石英ガラスから構成されている。後端面光910はファ
ブリ・ペロー・エタロン・フィルタ99に入射する半導
体レーザの発振光である。
【0039】発振波長変化を直接検出するため、半導体
レーザ92から発せられるレーザ光の一部である、後端
面向910をファブリ・ペロー・エタロン・フィルタ9
9に通し、その透過光98を波長モニタ用光検出器97
で捕らえ、電気信号94の強度が一定になるように圧電
素子駆動電源95から圧電基板91へ供給する圧電基板
駆動電圧96を制御した。このフィードバック方式によ
り、より安定性の高い発振波長を有する半導体レーザを
得ることが出来た。
【0040】(実施の形態3)本発明第3の実施の形態
による半導体レーザを図面を用いて説明する。図10に
面発光型半導体レーザを用いた、本実施の形態による発
振波長の安定化のためのフィードバック回路の構成図を
示す。図10において、圧電基板101は印加された電
界により伸縮するもので、誘電体物質から構成されてい
る。半導体レーザ102は圧電基板平面にマトリクス状
に配置されており、面発光レーザ素子から構成されてい
る。レーザ光103は半導体レーザ102はからのレー
ザ光線である。電気信号104は圧電基板駆動電圧を制
御する信号で、波長モニタ用光検出器の出力信号であ
る。圧電基板駆動電源105は圧電基板駆動電圧を出力
するもので、トランスなどの電子部品から構成されてい
る。圧電基板駆動電圧106は圧電基板を伸縮させるも
ので、波長モニタ用光検出器から出力される電気信号に
よって制御された圧電基板駆動電源105からの出力電
圧である。波長モニタ用光検出器107は半導体レーザ
の発振波長の変化を計測するものである。フィルタ透過
光108はフィルタを透過したレーザ光である。ファブ
リ・ペロー・エタロン・フィルタ109は入射したレー
ザ光を入射面と出射面の間で往復させ干渉させるもの
で、反射率25%の酸化物多層膜が両面に形成された石
英ガラスから構成されている。反射光1010はファブ
リ・ペロー・エタロン・フィルタ109に入射する発振
光である。ハーフミラー1011はファブリ・ペロー・
エタロン・フィルタ109に発振光を入射させるもの
で、石英ガラスから構成されている。
【0041】図10において、発振波長変化を直接検出
するため、半導体レーザ102の一つから発せられるレ
ーザ光をハーフミラー1011に入射し、その反射光1
010をファブリ・ペロー・エタロン・フィルタ109
に通し、透過光108を波長モニタ用光検出器107で
捕らえ、電気信号104の強度が一定になるように圧電
素子駆動電源105から圧電基板101へ供給する圧電
基板駆動電圧106を制御した。このフィードバック方
式により、より安定性の高い発振波長を有する半導体レ
ーザを得ることが出来た。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、圧電材料
に印加する電界を制御することにより、半導体レーザの
発振波長の安定度が高まるという有利な効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施の形態による半導体レーザを
示す図
【図2】同第1の実施の形態による半導体レーザの製造
方法を示す図
【図3】同第1の実施の形態による半導体ウェーハを示
す図
【図4】本発明第1の実施の形態による半導体レーザを
示す図
【図5】本発明第1の実施の形態による半導体レーザの
圧電材料に印加する電圧と発振波長の関係を示す図
【図6】本発明第1の実施の形態による半導体レーザに
おいて活性層の熱膨張量と温度との関係を示す図
【図7】本発明第1の実施の形態による半導体レーザに
用いた圧電基板面内の歪み量と圧電基板に印加した電圧
の関係を示す図
【図8】本発明第1の実施の形態による発振波長安定化
のためのフィードバック回路を示す図
【図9】本発明第2の実施の形態による発振波長安定化
のためのフィードバック回路を示す図
【図10】本発明第3の実施の形態による発振波長安定
化のためのフィードバック回路を示す図
【図11】従来の半導体レーザの構造を示す図
【図12】従来の半導体レーザの製造方法を示す図
【図13】従来の半導体レーザの発振波長の温度依存性
を示す図
【図14】従来の半導体レーザの活性層のエネルギーギ
ャップの温度依存性を示す図
【符号の説明】
11 圧電材料 12 p-InP 13 InGaAsP 14 n-InP 15 InGaAs 16 AuGeNi 17 AuZn 18 Au 21 InGaAs 22 n-InP 23 InGaAsP 24 p-InP 25 InGaAs 26 InP基板 27 圧電基板 28 AuGeNi 29 AuZn 210 Au 211 チップ 31 ウェーハ 32 半導体A 33 半導体B 34 圧電材料 41 圧電材料 42 p-InP 43 InGaAsP 44 n-InP 45 InGaAs 46 AuGeNi 47 AuZn 48 Au 81 圧電基板 82 半導体レーザ 83 前端面光 84 電気信号 85 圧電基板駆動電源 86 圧電基板駆動電圧 87 温度計 91 圧電基板 92 半導体レーザ 93 前端面光 94 電気信号 95 圧電基板駆動電源 96 圧電基板駆動電圧 97 波長モニタ用光検出器 98 フィルタ透過光 99 ファブリ・ペロー・エタロン・フィルタ 910 後端面光 101 圧電基板 102 半導体レーザ 103 レーザ光 104 電気信号 105 圧電基板駆動電源 106 圧電基板駆動電圧 107 波長モニタ用光検出器 108 フィルタ透過光 109 ファブリ・ペロー・エタロン・フィルタ 1010 反射光 1011 ハーフミラー 111 InP 112 p-InP 113 InGaAsP 114 n-InP 115 InGaAs 116 AuGeNi 117 AuZn 121 InP基板 122 p-InP 123 InGaAsP 124 n-InP 125 InGaAs 126 AuZn 127 AuGeNi 128 チップ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層の近傍に位置する圧電材料と、前
    記圧電材料に電圧を印加するための電極を有する半導体
    レーザ。
  2. 【請求項2】 活性層の近傍に位置する圧電材料と、前
    記圧電材料に電圧を印加するための電極を有し、前記電
    極に印加する電圧を制御することにより、活性層に応力
    を加え、前記応力によりレーザ発振波長を制御する半導
    体レーザ。
  3. 【請求項3】 活性層の近傍に位置する圧電材料に電圧
    を印加して、所定のレーザ発振波長を得る如く、活性層
    に応力を加える半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 レーザ発振波長の変位を計測する手段
    と、半導体レーザの活性層の近傍に位置する圧電材料
    と、前記圧電材料に電圧を印加するための電極を有する
    半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 ファブリ・ペロー・エタロン・フィルタ
    と、活性層の近傍に位置する圧電材料と、前記圧電材料
    に電圧を印加するための電極を有する半導体レーザ。
  6. 【請求項6】 活性層の近傍の温度を計測する手段を有
    する請求項1ないし請求項5のいずれか記載の半導体レ
    ーザ。
  7. 【請求項7】 圧電材料と半導体レーザの接着面に対し
    て、平行にレーザ光線が放射される請求項1ないし請求
    項6のいずれか記載の半導体レーザ。
  8. 【請求項8】 圧電材料と半導体レーザの接着面に対し
    て、垂直にレーザ光線が放射される請求項1ないし請求
    項6のいずれか記載の半導体レーザ。
  9. 【請求項9】 第1の半導体/第2の半導体B/第1の
    半導体A/圧電材料なる積層構造を有し、前記第1の半
    導体のエネルギーギャップEAと前記第2の半導体のエ
    ネルギーギャップEBにEA>EBなる関係を有する半導
    体ウェーハ。
  10. 【請求項10】 半導体/圧電材料なる積層構造を有
    し、圧電材料の厚さが半導体の厚さの、約100倍以上
    である半導体ウェーハ。
  11. 【請求項11】 圧電材料の厚さの、約1/100以下
    の薄さまで半導体ウェーハを研磨した後、この半導体ウ
    ェーハを圧電材料に接着する半導体ウェーハの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100631968B1 (ko) 2005-02-28 2006-10-11 삼성전기주식회사 파장변환형 발광장치

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