JP2002117790A - 陰極線管用パネル - Google Patents
陰極線管用パネルInfo
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- Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた電磁波遮蔽性、反射防止性とともに高
い膜強度を有して、陰極線管製造時の加熱処理による膜
透過率や反射色の変化を起こさない陰極線管用パネルを
提供する。 【解決手段】 パネルガラス10の外表面に、膜厚が5
0nm以上、透過率が90%以下、表面抵抗値が104
Ω/□以下であるルテニウム微粒子を含有する第1の薄
膜11と、第1の薄膜11の上にSiO2 微粒子を主成
分とする第2の薄膜12が形成されてなり、第1及び第
2の薄膜11、12は、450℃以上で少なくとも60
分以上加熱され、且つ加熱処理時の最高温度として、5
00〜520℃の温度条件下で焼成されてなる。
い膜強度を有して、陰極線管製造時の加熱処理による膜
透過率や反射色の変化を起こさない陰極線管用パネルを
提供する。 【解決手段】 パネルガラス10の外表面に、膜厚が5
0nm以上、透過率が90%以下、表面抵抗値が104
Ω/□以下であるルテニウム微粒子を含有する第1の薄
膜11と、第1の薄膜11の上にSiO2 微粒子を主成
分とする第2の薄膜12が形成されてなり、第1及び第
2の薄膜11、12は、450℃以上で少なくとも60
分以上加熱され、且つ加熱処理時の最高温度として、5
00〜520℃の温度条件下で焼成されてなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、輝度とコントラストを
調整可能とし、優れた電磁波遮蔽性、反射防止性ととも
に高い膜強度を有して、陰極線管製造時の加熱処理によ
る膜透過率や反射色の変化を起こさない陰極線管用パネ
ルに関するものである。
調整可能とし、優れた電磁波遮蔽性、反射防止性ととも
に高い膜強度を有して、陰極線管製造時の加熱処理によ
る膜透過率や反射色の変化を起こさない陰極線管用パネ
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】陰極線管は、画像が映し出されるパネル
と、その背後を形成するファンネル及びネックから構成
されるが、パネルに高電圧が帯電することによって、そ
の外表面に埃や塵が付着して画像品位が低下したり、人
体との間で放電が発生することがある。
と、その背後を形成するファンネル及びネックから構成
されるが、パネルに高電圧が帯電することによって、そ
の外表面に埃や塵が付着して画像品位が低下したり、人
体との間で放電が発生することがある。
【0003】また、陰極線管は、ネック管内に装着した
電子銃から出る電子ビームをファンネル周りに取り付け
た偏向コイルにより偏向させているが、特にこの偏向コ
イルから発生する不要電磁波が漏洩することにより、陰
極線管の周囲にある他の電子機器を誤動作させたり、人
体に悪影響を及ぼす虞がある。
電子銃から出る電子ビームをファンネル周りに取り付け
た偏向コイルにより偏向させているが、特にこの偏向コ
イルから発生する不要電磁波が漏洩することにより、陰
極線管の周囲にある他の電子機器を誤動作させたり、人
体に悪影響を及ぼす虞がある。
【0004】そこで、従来よりパネルガラスの外表面に
導電性を有する酸化錫(SnO2 )等の透明導電膜を形
成し、これによって帯電を防止し電磁波を遮蔽すること
が行われている。
導電性を有する酸化錫(SnO2 )等の透明導電膜を形
成し、これによって帯電を防止し電磁波を遮蔽すること
が行われている。
【0005】但し、SnO2 膜は、屈折率が2.0で、
パネルガラスの屈折率1.536に比べて高いため、パ
ネルガラス上にSnO2 膜を形成しただけでは表面反射
が大きくなり、画像が見づらくなる。
パネルガラスの屈折率1.536に比べて高いため、パ
ネルガラス上にSnO2 膜を形成しただけでは表面反射
が大きくなり、画像が見づらくなる。
【0006】表面反射を抑えるためには、パネルガラス
上にSnO2 膜を形成後、その上にSnO2 膜よりも屈
折率の低い反射防止膜を形成すればよく、例えばパネル
ガラスの外表面にCVD法によりSnO2 からなる透明
導電膜を形成し、その上にスピンコートによりSiO2
等の低屈折率材料からなる反射防止膜を形成することが
試みられている。
上にSnO2 膜を形成後、その上にSnO2 膜よりも屈
折率の低い反射防止膜を形成すればよく、例えばパネル
ガラスの外表面にCVD法によりSnO2 からなる透明
導電膜を形成し、その上にスピンコートによりSiO2
等の低屈折率材料からなる反射防止膜を形成することが
試みられている。
【0007】しかしながら上記にようにSnO2 膜とそ
の上にSiO2 膜が形成された陰極線管用パネルは、S
nO2 膜によって比較的良好な電磁波遮蔽性を有してい
るが、SnO2 膜の厚みが20〜40nmと薄く、その
表面抵抗値(正方形当たりの抵抗値)が1×106 Ω/
□以上と高いため、不要電磁波を完全に遮蔽するために
は未だ不十分である。
の上にSiO2 膜が形成された陰極線管用パネルは、S
nO2 膜によって比較的良好な電磁波遮蔽性を有してい
るが、SnO2 膜の厚みが20〜40nmと薄く、その
表面抵抗値(正方形当たりの抵抗値)が1×106 Ω/
□以上と高いため、不要電磁波を完全に遮蔽するために
は未だ不十分である。
【0008】そこで、不要電磁波の遮蔽を目的として、
パネルガラスの外表面に、ルテニウムからなる金属膜
と、その上に反射防止膜として機能するSiO2 膜を形
成することによる導電性反射防止膜を形成した陰極線管
用パネルが提案されている。
パネルガラスの外表面に、ルテニウムからなる金属膜
と、その上に反射防止膜として機能するSiO2 膜を形
成することによる導電性反射防止膜を形成した陰極線管
用パネルが提案されている。
【0009】上記のルテニウム金属膜とSiO2 膜によ
る導電性反射防止膜は、ルテニウムの金属微粒子を含有
した塗布液をパネルガラスの外表面に塗布形成した後、
その上に珪酸塩を主成分とする塗布液を塗布した後、1
60〜180℃の温度で30分間加熱処理することによ
り形成される。
る導電性反射防止膜は、ルテニウムの金属微粒子を含有
した塗布液をパネルガラスの外表面に塗布形成した後、
その上に珪酸塩を主成分とする塗布液を塗布した後、1
60〜180℃の温度で30分間加熱処理することによ
り形成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ルテニウム金属膜とSiO2 膜による導電性反射防止膜
を備えた陰極線管用パネルにおいては、後の陰極線管の
製造工程における加熱処理により、膜の透過率が上昇し
たり、反射色が異なって見えるという問題がある。即
ち、陰極線管の製造工程においては、陰極線管用パネル
とファンネルとがフリットガラスを介して封着される封
着工程や、ガラスバルブの内部を真空排気する排気工程
があり、これらの工程において陰極線管用パネルは、3
00〜450℃といった高温条件下に曝されるため、ル
テニウム微粒子の酸化により屈折率や吸光係数が変化し
たり、また外層に形成されたSiO2 膜に化学変化が生
じる。その結果、陰極線管の製造工程後において、導電
性反射防止膜の透過率が上昇することにより所期の透過
率を有する膜を得るのが困難となったり、表面反射率曲
線が変化することにより反射色が陰極線管の製造工程前
後において異なって見えるという不都合を生じる。
ルテニウム金属膜とSiO2 膜による導電性反射防止膜
を備えた陰極線管用パネルにおいては、後の陰極線管の
製造工程における加熱処理により、膜の透過率が上昇し
たり、反射色が異なって見えるという問題がある。即
ち、陰極線管の製造工程においては、陰極線管用パネル
とファンネルとがフリットガラスを介して封着される封
着工程や、ガラスバルブの内部を真空排気する排気工程
があり、これらの工程において陰極線管用パネルは、3
00〜450℃といった高温条件下に曝されるため、ル
テニウム微粒子の酸化により屈折率や吸光係数が変化し
たり、また外層に形成されたSiO2 膜に化学変化が生
じる。その結果、陰極線管の製造工程後において、導電
性反射防止膜の透過率が上昇することにより所期の透過
率を有する膜を得るのが困難となったり、表面反射率曲
線が変化することにより反射色が陰極線管の製造工程前
後において異なって見えるという不都合を生じる。
【0011】また、上記従来の陰極線管用パネルにおい
ては、外層のSiO2 膜はその大部分が非晶質の状態で
あるため、膜強度としても弱く、後工程での取り扱い時
に膜の損傷を生じ易いという問題がある。
ては、外層のSiO2 膜はその大部分が非晶質の状態で
あるため、膜強度としても弱く、後工程での取り扱い時
に膜の損傷を生じ易いという問題がある。
【0012】そこで、本発明の目的は、優れた電磁波遮
蔽性、反射防止性とともに高い膜強度を有して、陰極線
管製造時の加熱処理による膜透過率や反射色の変化を起
こさない陰極線管用パネルを提供することである。
蔽性、反射防止性とともに高い膜強度を有して、陰極線
管製造時の加熱処理による膜透過率や反射色の変化を起
こさない陰極線管用パネルを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題及
び目的に鑑みてなされたもので、パネルガラスの外表面
に、膜厚が50nm以上、透過率が90%以下、表面抵
抗値が104 Ω/□以下であるルテニウム微粒子を含有
する第1の薄膜と、該第1の薄膜の上にSiO 2 微粒子
を主成分とする第2の薄膜が形成されてなり、前記第1
及び第2の薄膜は、450℃以上で少なくとも60分以
上加熱され、且つ加熱処理時の最高温度として500〜
520℃の温度条件下で焼成されてなることを特徴とす
る陰極線管用パネルである。
び目的に鑑みてなされたもので、パネルガラスの外表面
に、膜厚が50nm以上、透過率が90%以下、表面抵
抗値が104 Ω/□以下であるルテニウム微粒子を含有
する第1の薄膜と、該第1の薄膜の上にSiO 2 微粒子
を主成分とする第2の薄膜が形成されてなり、前記第1
及び第2の薄膜は、450℃以上で少なくとも60分以
上加熱され、且つ加熱処理時の最高温度として500〜
520℃の温度条件下で焼成されてなることを特徴とす
る陰極線管用パネルである。
【0014】また、上記パネルガラスが、波長546n
m、肉厚10.16mmでの透過率が40%以上のガラ
スから形成されてなることを特徴とする。
m、肉厚10.16mmでの透過率が40%以上のガラ
スから形成されてなることを特徴とする。
【0015】また、本発明は、パネルガラスの外表面
に、膜厚が50nm以上、透過率が90%以下、表面抵
抗値が104 Ω/□以下であるルテニウム微粒子を含有
する第1の薄膜と、該第1の薄膜の上にSiO2 微粒子
を主成分とする第2の薄膜と、該第2の薄膜の上に微細
な凹凸を有するSiO2 を主成分とする第3の薄膜とが
形成されてなり、前記第1、第2及び第3の薄膜は、4
50℃以上で少なくとも60分以上加熱され、且つ加熱
処理時の最高温度として500〜520℃の温度条件下
で焼成されてなることを特徴とする陰極線管用パネルで
ある。
に、膜厚が50nm以上、透過率が90%以下、表面抵
抗値が104 Ω/□以下であるルテニウム微粒子を含有
する第1の薄膜と、該第1の薄膜の上にSiO2 微粒子
を主成分とする第2の薄膜と、該第2の薄膜の上に微細
な凹凸を有するSiO2 を主成分とする第3の薄膜とが
形成されてなり、前記第1、第2及び第3の薄膜は、4
50℃以上で少なくとも60分以上加熱され、且つ加熱
処理時の最高温度として500〜520℃の温度条件下
で焼成されてなることを特徴とする陰極線管用パネルで
ある。
【0016】また、上記パネルガラスが、波長546n
m、肉厚10.16mmでの透過率が40%以上のガラ
スから形成されてなることを特徴とする。
m、肉厚10.16mmでの透過率が40%以上のガラ
スから形成されてなることを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明において使用するルテニウム(Ru)微
粒子は、高導電性金属微粒子であり、これを含む薄膜
(第1の薄膜)は導電膜として作用する。
粒子は、高導電性金属微粒子であり、これを含む薄膜
(第1の薄膜)は導電膜として作用する。
【0018】本発明において、第1の薄膜の透過率が9
0%以下となるようにルテニウム微粒子を含有させ、且
つその膜厚を50nm以上にすると、その表面抵抗値は
10 4 Ω/□以下となり、優れた電磁波遮蔽性が得られ
る。表面抵抗値を考慮すると第1の薄膜の更に好ましい
透過率は80%以下である。また、ルテニウム微粒子の
平均粒径は、50nm以下が適当であり、表面にSi等
の無機化合物を付着させたルテニウム微粒子を使用する
と第1の薄膜の表面抵抗値を低下させる作用があるため
更に好適である。また、エタノール等の有機溶剤中にル
テニウム微粒子を均一に分散させて塗布液を形成する際
に、シリケート化合物を添加すると、膜強度が向上する
ため好ましいが、添加量が多くなるほど膜の表面抵抗値
が高くなるため、質量比で、SiO2 /Ruが1/10
以下とするのが好ましい。
0%以下となるようにルテニウム微粒子を含有させ、且
つその膜厚を50nm以上にすると、その表面抵抗値は
10 4 Ω/□以下となり、優れた電磁波遮蔽性が得られ
る。表面抵抗値を考慮すると第1の薄膜の更に好ましい
透過率は80%以下である。また、ルテニウム微粒子の
平均粒径は、50nm以下が適当であり、表面にSi等
の無機化合物を付着させたルテニウム微粒子を使用する
と第1の薄膜の表面抵抗値を低下させる作用があるため
更に好適である。また、エタノール等の有機溶剤中にル
テニウム微粒子を均一に分散させて塗布液を形成する際
に、シリケート化合物を添加すると、膜強度が向上する
ため好ましいが、添加量が多くなるほど膜の表面抵抗値
が高くなるため、質量比で、SiO2 /Ruが1/10
以下とするのが好ましい。
【0019】パネルガラス上にルテニウム微粒子を含有
する塗布液を塗布する方法としては、スピンコート法、
ディップコート法、スプレー法等が採用できるが、均一
な膜厚を得るためにはスピンコート法が最も適してい
る。
する塗布液を塗布する方法としては、スピンコート法、
ディップコート法、スプレー法等が採用できるが、均一
な膜厚を得るためにはスピンコート法が最も適してい
る。
【0020】本発明において、第1の薄膜の上に形成さ
れる第2の薄膜は、第1の薄膜の屈折率(1.7〜2.
5)よりも屈折率の低いSiO2 微粒子を主成分として
いることにより、表面反射を防止できる。SiO2 微粒
子を主成分とした第2の薄膜は、反射防止機能の他、耐
熱性が非常に高く、膜の密着強度が高い上、熱焼成によ
り膜強度を著しく向上できるという利点がある。かかる
SiO2 微粒子を含有する塗布液を塗布する方法として
は、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法
等、公知の方法が採られる。
れる第2の薄膜は、第1の薄膜の屈折率(1.7〜2.
5)よりも屈折率の低いSiO2 微粒子を主成分として
いることにより、表面反射を防止できる。SiO2 微粒
子を主成分とした第2の薄膜は、反射防止機能の他、耐
熱性が非常に高く、膜の密着強度が高い上、熱焼成によ
り膜強度を著しく向上できるという利点がある。かかる
SiO2 微粒子を含有する塗布液を塗布する方法として
は、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法
等、公知の方法が採られる。
【0021】本発明において、更に第2の薄膜の上に形
成される第3の薄膜は、微細な凹凸を有するSiO2 を
主成分とする薄膜であることにより、外部から光線が陰
極線管用パネルに照射した際の拡散反射が大きくなり、
逆に正反射が小さくなるため、防眩効果が得られる。か
かる第3の薄膜は、例えばSiアルコキシドを含む溶液
をスプレーコートすることにより、表面に凹凸を有する
SiO2 薄膜を形成できる。
成される第3の薄膜は、微細な凹凸を有するSiO2 を
主成分とする薄膜であることにより、外部から光線が陰
極線管用パネルに照射した際の拡散反射が大きくなり、
逆に正反射が小さくなるため、防眩効果が得られる。か
かる第3の薄膜は、例えばSiアルコキシドを含む溶液
をスプレーコートすることにより、表面に凹凸を有する
SiO2 薄膜を形成できる。
【0022】本発明において、ルテニウム微粒子を含有
する第1の薄膜と、第1の薄膜の上に形成されるSiO
2 微粒子を主成分とする第2の薄膜、また、必要に応じ
て、第2の薄膜の上に形成される微細な凹凸を有するS
iO2 を主成分とする第3の薄膜は、450℃以上で少
なくとも60分以上加熱されて焼成されていることによ
り、後の陰極線管の製造工程となる封着工程や排気工程
といった高温熱処理を伴う工程において、膜の屈折率や
吸光係数に変化を来すことなく、化学特性に変化を生じ
させず、外層に形成されたSiO2 膜についても膜の結
晶化が進行して安定化されることにより、膜厚等の膜状
態の変化を誘起せしめず、反射色の変化や反射率の変化
を大幅に抑制することができる。また、上記の加熱処理
においての最高温度として、500〜520℃の温度条
件下で焼成されることにより、外層のSiO2 膜の膜強
度が極めて高くなり、後の高温熱処理を伴う陰極線管の
製造工程において、膜の化学特性に変化を生じさせない
とともに、強度的にも優れた性能を有する膜が形成され
ることとなる。一方、加熱処理の最高温度が520℃を
超えるとパネルガラスの変形が実用に供し得ない程度と
なる。
する第1の薄膜と、第1の薄膜の上に形成されるSiO
2 微粒子を主成分とする第2の薄膜、また、必要に応じ
て、第2の薄膜の上に形成される微細な凹凸を有するS
iO2 を主成分とする第3の薄膜は、450℃以上で少
なくとも60分以上加熱されて焼成されていることによ
り、後の陰極線管の製造工程となる封着工程や排気工程
といった高温熱処理を伴う工程において、膜の屈折率や
吸光係数に変化を来すことなく、化学特性に変化を生じ
させず、外層に形成されたSiO2 膜についても膜の結
晶化が進行して安定化されることにより、膜厚等の膜状
態の変化を誘起せしめず、反射色の変化や反射率の変化
を大幅に抑制することができる。また、上記の加熱処理
においての最高温度として、500〜520℃の温度条
件下で焼成されることにより、外層のSiO2 膜の膜強
度が極めて高くなり、後の高温熱処理を伴う陰極線管の
製造工程において、膜の化学特性に変化を生じさせない
とともに、強度的にも優れた性能を有する膜が形成され
ることとなる。一方、加熱処理の最高温度が520℃を
超えるとパネルガラスの変形が実用に供し得ない程度と
なる。
【0023】このように、パネルガラスの外表面に形成
される上記の薄膜が、450℃以上で少なくとも60分
以上加熱され、且つ加熱処理時の最高温度として500
〜520℃の温度条件下で焼成されていることにより、
後の高温熱処理を伴う工程においても、かかる工程前に
得られた所期の膜特性を安定して維持でき、高温安定性
及び強度の高い導電性反射防止膜を再現良く得ることが
できる。
される上記の薄膜が、450℃以上で少なくとも60分
以上加熱され、且つ加熱処理時の最高温度として500
〜520℃の温度条件下で焼成されていることにより、
後の高温熱処理を伴う工程においても、かかる工程前に
得られた所期の膜特性を安定して維持でき、高温安定性
及び強度の高い導電性反射防止膜を再現良く得ることが
できる。
【0024】加熱焼成に使用する焼成炉としては、バッ
チ式、連続移動式等、公知の温度調節可能な焼成炉を使
用すればよい。
チ式、連続移動式等、公知の温度調節可能な焼成炉を使
用すればよい。
【0025】本発明において、ルテニウム微粒子が酸化
してできる酸化ルテニウム(RuO 2 )微粒子は、高導
電性金属酸化物であり、ルテニウム微粒子と同様に導電
膜として作用する。これらのルテニウム微粒子及び酸化
ルテニウム微粒子は何れも黒体であり、可視光を吸収す
る作用を有しているため、第1の薄膜の透過光量は少な
くなる。陰極線管用パネルの透過量は、画像を表示した
際の輝度とコントラストに影響する。即ち、陰極線管用
パネルの透過光量が多く、透過率が高くなると、輝度が
高くなり、コントラストが低下する。逆に透過光量が少
なく、透過率が低くなると、輝度が小さくなり、コント
ラストが向上する。従って、ルテニウム微粒子の含有量
とパネルガラスの透過率を組み合わせることによって輝
度とコントラストを調整することが可能となる。
してできる酸化ルテニウム(RuO 2 )微粒子は、高導
電性金属酸化物であり、ルテニウム微粒子と同様に導電
膜として作用する。これらのルテニウム微粒子及び酸化
ルテニウム微粒子は何れも黒体であり、可視光を吸収す
る作用を有しているため、第1の薄膜の透過光量は少な
くなる。陰極線管用パネルの透過量は、画像を表示した
際の輝度とコントラストに影響する。即ち、陰極線管用
パネルの透過光量が多く、透過率が高くなると、輝度が
高くなり、コントラストが低下する。逆に透過光量が少
なく、透過率が低くなると、輝度が小さくなり、コント
ラストが向上する。従って、ルテニウム微粒子の含有量
とパネルガラスの透過率を組み合わせることによって輝
度とコントラストを調整することが可能となる。
【0026】陰極線管用パネルの肉厚は、パネルの軽量
化とガラスバルブとしての真空応力に抗する強度上の観
点から、その中央部にくらべて周辺部が厚肉に成形され
ており、そのためパネルの中央部と周辺部とで透過率の
差が生じ、画像を映し出したとき、輝度とコントラスト
の差が生じる。そのため、本発明においては、パネルガ
ラスが、波長546nm、肉厚10.16mmでの透過
率が40%以上のガラスを用いることが、より好まし
い。特に、パネルガラス外表面の曲率半径がパネル中心
より全ての方向において10000mm以上であるフラ
ットパネルにおいては、パネルガラスの真空強度を維持
するために、パネルガラスの周辺部が中央部に比べて一
層厚肉に成形されているために、中央部と周辺部との透
過率の差による輝度差、コントラスト差が大きく、この
ようなフラットパネルの場合においては、パネルガラス
が、波長546nm、肉厚10.16mmでの透過率が
70%以上のガラスを用いることが、更に好ましい。か
かる透過率の高いパネルガラスを使用すると、その上に
透過率の低いルテニウム微粒子を含有する第1の薄膜を
形成することによって、パネルガラスの中央部と周辺部
における輝度とコントラストの差が小さくなる。
化とガラスバルブとしての真空応力に抗する強度上の観
点から、その中央部にくらべて周辺部が厚肉に成形され
ており、そのためパネルの中央部と周辺部とで透過率の
差が生じ、画像を映し出したとき、輝度とコントラスト
の差が生じる。そのため、本発明においては、パネルガ
ラスが、波長546nm、肉厚10.16mmでの透過
率が40%以上のガラスを用いることが、より好まし
い。特に、パネルガラス外表面の曲率半径がパネル中心
より全ての方向において10000mm以上であるフラ
ットパネルにおいては、パネルガラスの真空強度を維持
するために、パネルガラスの周辺部が中央部に比べて一
層厚肉に成形されているために、中央部と周辺部との透
過率の差による輝度差、コントラスト差が大きく、この
ようなフラットパネルの場合においては、パネルガラス
が、波長546nm、肉厚10.16mmでの透過率が
70%以上のガラスを用いることが、更に好ましい。か
かる透過率の高いパネルガラスを使用すると、その上に
透過率の低いルテニウム微粒子を含有する第1の薄膜を
形成することによって、パネルガラスの中央部と周辺部
における輝度とコントラストの差が小さくなる。
【0027】また、本発明において、波長546nm、
肉厚10.16mmでの透過率が70%以上のパネルガ
ラスを用いる場合、パネルガラスに膜を形成した後の輝
度やコントラストのバランスから、ルテニウム微粒子を
含有する第1の薄膜の透過率を40〜60%とする必要
がある。このため、ルテニウム微粒子を含有する膜の膜
厚を大きくすると、表面抵抗値が非常に小さく、電磁波
遮蔽性の高い膜が得られるが、一方で、ルテニウム微粒
子のみを含有する膜では、可視光の吸収係数が1.2〜
2.0と非常に大きいため、これを使用した導電性反射
防止膜は、裏面反射率が高くなり、陰極線管用パネル内
面の蛍光体の光が導電性反射防止膜の裏面で反射され、
再び陰極線管用パネル内面で反射されるので、陰極線管
用パネルの表面には蛍光体からの直接光による映像と、
反射光による位相がずれた映像とが同時に映し出され、
映像が二重に見えるという現象が生じることから、この
場合には、ルテニウム微粒子を含有する第1の薄膜に更
にコバルト含有無機顔料の微粒子を含有させ、幾何学的
厚みを70〜200mm、可視光の吸収係数を0.05
〜1.0の導電性を備えた光吸収係数の低い着色層とす
ることにより、膜と基体との密着強度を向上させるとと
もに、上層のSiO2 膜との干渉作用により表面反射光
を低減させながら、裏面反射率を著しく低減させること
ができる。コバルト含有無機顔料としては、例えば、コ
バルトブルー(Co、Mg)O・Al 2 O3 、コバルト
グリーンCoO−ZnO、セルリアンブルー2(Co、
Mg)O・SnO2 等が適している。
肉厚10.16mmでの透過率が70%以上のパネルガ
ラスを用いる場合、パネルガラスに膜を形成した後の輝
度やコントラストのバランスから、ルテニウム微粒子を
含有する第1の薄膜の透過率を40〜60%とする必要
がある。このため、ルテニウム微粒子を含有する膜の膜
厚を大きくすると、表面抵抗値が非常に小さく、電磁波
遮蔽性の高い膜が得られるが、一方で、ルテニウム微粒
子のみを含有する膜では、可視光の吸収係数が1.2〜
2.0と非常に大きいため、これを使用した導電性反射
防止膜は、裏面反射率が高くなり、陰極線管用パネル内
面の蛍光体の光が導電性反射防止膜の裏面で反射され、
再び陰極線管用パネル内面で反射されるので、陰極線管
用パネルの表面には蛍光体からの直接光による映像と、
反射光による位相がずれた映像とが同時に映し出され、
映像が二重に見えるという現象が生じることから、この
場合には、ルテニウム微粒子を含有する第1の薄膜に更
にコバルト含有無機顔料の微粒子を含有させ、幾何学的
厚みを70〜200mm、可視光の吸収係数を0.05
〜1.0の導電性を備えた光吸収係数の低い着色層とす
ることにより、膜と基体との密着強度を向上させるとと
もに、上層のSiO2 膜との干渉作用により表面反射光
を低減させながら、裏面反射率を著しく低減させること
ができる。コバルト含有無機顔料としては、例えば、コ
バルトブルー(Co、Mg)O・Al 2 O3 、コバルト
グリーンCoO−ZnO、セルリアンブルー2(Co、
Mg)O・SnO2 等が適している。
【0028】
【実施例】以下、本発明の陰極線管用パネルについて、
実施例に基づいて説明する。
実施例に基づいて説明する。
【0029】(実施例1)図1は、本発明の陰極線管用
パネルの概略縦断面図である。
パネルの概略縦断面図である。
【0030】図中、波長546nmにおいて、肉厚1
0.16mmでの透過率が57%(ティント)の17イ
ンチのパネルガラス(屈折率1.536、中央肉厚12
mm)10の外表面には、ルテニウム微粒子を含み、透
過率が80%で、100nmの膜厚を有する第1の薄膜
(屈折率1.75)11が形成され、その上に80nm
の膜厚を有するSiO2 微粒子を主成分とする第2の薄
膜(屈折率1.46)12が形成されている。
0.16mmでの透過率が57%(ティント)の17イ
ンチのパネルガラス(屈折率1.536、中央肉厚12
mm)10の外表面には、ルテニウム微粒子を含み、透
過率が80%で、100nmの膜厚を有する第1の薄膜
(屈折率1.75)11が形成され、その上に80nm
の膜厚を有するSiO2 微粒子を主成分とする第2の薄
膜(屈折率1.46)12が形成されている。
【0031】この陰極線管用パネルの作成方法は以下の
通りである。
通りである。
【0032】まず、パネルガラス10を洗浄、乾燥して
から予熱した状態で回転させ、その上に有機溶媒中にル
テニウム微粒子を分散させた溶剤を滴下した後、自然乾
燥させることで、ルテニウム微粒子を含有する第1の薄
膜11を形成し、続いてこの第1の薄膜11上にSiO
2 微粒子を含有するアルコール溶液を滴下した後、自然
乾燥することで、第1の薄膜11の上にSiO2 微粒子
を主成分とする第2の薄膜12を形成した。このように
して2層膜が形成されたパネルガラス10を、常温〜4
00℃までを10℃/分、400〜510℃までを3℃
/分の加熱条件で昇温し、510℃で30分間保持した
後、510〜350℃までを3℃/分、350℃〜常温
までを10℃/分の条件で降温するよう温度勾配を形成
した連続炉中に通し、外表面に加熱焼成により形成され
た2層膜を有するパネルガラス10を作製した。
から予熱した状態で回転させ、その上に有機溶媒中にル
テニウム微粒子を分散させた溶剤を滴下した後、自然乾
燥させることで、ルテニウム微粒子を含有する第1の薄
膜11を形成し、続いてこの第1の薄膜11上にSiO
2 微粒子を含有するアルコール溶液を滴下した後、自然
乾燥することで、第1の薄膜11の上にSiO2 微粒子
を主成分とする第2の薄膜12を形成した。このように
して2層膜が形成されたパネルガラス10を、常温〜4
00℃までを10℃/分、400〜510℃までを3℃
/分の加熱条件で昇温し、510℃で30分間保持した
後、510〜350℃までを3℃/分、350℃〜常温
までを10℃/分の条件で降温するよう温度勾配を形成
した連続炉中に通し、外表面に加熱焼成により形成され
た2層膜を有するパネルガラス10を作製した。
【0033】(実施例2)図2は、本発明の他の陰極線
管用パネルの概略縦断面図である。
管用パネルの概略縦断面図である。
【0034】図中、波長546nmにおいて、肉厚1
0.16mmでの透過率が57%(ティント)の17イ
ンチのパネルガラス(屈折率1.536、中央肉厚12
mm)10の外表面には、ルテニウム微粒子を含み、透
過率が80%で、100nmの膜厚を有する第1の薄膜
(屈折率1.75)11が形成され、その上に80nm
の膜厚を有するSiO2 微粒子を主成分とする第2の薄
膜(屈折率1.46)12が形成され、更にその上に微
細な凹凸を有するSiO2 を主成分とする第3の薄膜1
3が形成されている。
0.16mmでの透過率が57%(ティント)の17イ
ンチのパネルガラス(屈折率1.536、中央肉厚12
mm)10の外表面には、ルテニウム微粒子を含み、透
過率が80%で、100nmの膜厚を有する第1の薄膜
(屈折率1.75)11が形成され、その上に80nm
の膜厚を有するSiO2 微粒子を主成分とする第2の薄
膜(屈折率1.46)12が形成され、更にその上に微
細な凹凸を有するSiO2 を主成分とする第3の薄膜1
3が形成されている。
【0035】この陰極線管用パネルの作成方法は実施例
1と同様に、パネルガラス10にルテニウム微粒子を含
有する第1の薄膜11と、第1の薄膜11上にSiO2
微粒子を主成分とする第2の薄膜12とを形成した後、
第2の薄膜12の上にSiアルコキシドを含む溶液をス
プレーコートすることにより、表面に凹凸を有するSi
O2 薄膜を第3の薄膜13として形成した。
1と同様に、パネルガラス10にルテニウム微粒子を含
有する第1の薄膜11と、第1の薄膜11上にSiO2
微粒子を主成分とする第2の薄膜12とを形成した後、
第2の薄膜12の上にSiアルコキシドを含む溶液をス
プレーコートすることにより、表面に凹凸を有するSi
O2 薄膜を第3の薄膜13として形成した。
【0036】このようにして3層膜が形成されたパネル
ガラス10を、実施例1と同条件の温度勾配を形成した
連続炉中に通し、外表面に加熱焼成により形成された3
層膜を有するパネルガラス10を作製した。
ガラス10を、実施例1と同条件の温度勾配を形成した
連続炉中に通し、外表面に加熱焼成により形成された3
層膜を有するパネルガラス10を作製した。
【0037】(実施例3)本実施例の図面については実
施例1で用いた図1を用いて説明する。
施例1で用いた図1を用いて説明する。
【0038】図中、波長546nmにおいて、肉厚1
0.16mmでの透過率が80%(クリア)の17イン
チのパネルガラス(屈折率1.536、中央肉厚12m
m)10の外表面には、ルテニウム微粒子及びコバルト
ブルー微粒子を含み、透過率が50%で、120nmの
膜厚を有する第1の薄膜(屈折率1.70)11が形成
され、その上に90nmの膜厚を有するSiO2 微粒子
を主成分とする第2の薄膜(屈折率1.46)12が形
成されている。
0.16mmでの透過率が80%(クリア)の17イン
チのパネルガラス(屈折率1.536、中央肉厚12m
m)10の外表面には、ルテニウム微粒子及びコバルト
ブルー微粒子を含み、透過率が50%で、120nmの
膜厚を有する第1の薄膜(屈折率1.70)11が形成
され、その上に90nmの膜厚を有するSiO2 微粒子
を主成分とする第2の薄膜(屈折率1.46)12が形
成されている。
【0039】この陰極線管用パネルの作成方法は以下の
通りである。
通りである。
【0040】まず、パネルガラス10を洗浄、乾燥して
から予熱した状態で回転させ、その上に有機溶媒中にル
テニウム微粒子及びコバルトブルー微粒子を分散させた
溶剤を滴下した後、自然乾燥させることで、ルテニウム
微粒子とコバルトブルー微粒子を含有する第1の薄膜1
1を形成し、続いてこの第1の薄膜11上にSiO2微
粒子を含有するアルコール溶液を滴下した後、自然乾燥
することで、第1の薄膜11の上にSiO2 微粒子を主
成分とする第2の薄膜12を形成した。このようにして
2層膜が形成されたパネルガラス10を、実施例1と同
条件の温度勾配を形成した連続炉中に通し、外表面に加
熱焼成により形成された2層膜を有するパネルガラス1
0を作製した。
から予熱した状態で回転させ、その上に有機溶媒中にル
テニウム微粒子及びコバルトブルー微粒子を分散させた
溶剤を滴下した後、自然乾燥させることで、ルテニウム
微粒子とコバルトブルー微粒子を含有する第1の薄膜1
1を形成し、続いてこの第1の薄膜11上にSiO2微
粒子を含有するアルコール溶液を滴下した後、自然乾燥
することで、第1の薄膜11の上にSiO2 微粒子を主
成分とする第2の薄膜12を形成した。このようにして
2層膜が形成されたパネルガラス10を、実施例1と同
条件の温度勾配を形成した連続炉中に通し、外表面に加
熱焼成により形成された2層膜を有するパネルガラス1
0を作製した。
【0041】(比較例1)実施例1と同様のパネルガラ
スに、実施例1と同様の第1の薄膜と第2の薄膜を形成
し、常温〜200℃までを10℃/分の加熱条件で昇温
し、200℃で30分間保持した後、200〜常温まで
を10℃/分の条件で降温するよう温度勾配を形成した
連続炉中に通し、外表面に加熱焼成により形成された2
層膜を有するパネルガラスを作製した。
スに、実施例1と同様の第1の薄膜と第2の薄膜を形成
し、常温〜200℃までを10℃/分の加熱条件で昇温
し、200℃で30分間保持した後、200〜常温まで
を10℃/分の条件で降温するよう温度勾配を形成した
連続炉中に通し、外表面に加熱焼成により形成された2
層膜を有するパネルガラスを作製した。
【0042】(比較例2)実施例2と同様のパネルガラ
スに、実施例2と同様の第1の薄膜と第2の薄膜及び第
3の薄膜を形成し、常温〜350℃までを10℃/分、
350〜450℃までを3℃/分の加熱条件で昇温し、
450℃で30分間保持した後、450〜350℃常温
までを3℃/分、350℃〜常温までを10℃/分の条
件で降温するよう温度勾配を形成した連続炉中に通し、
外表面に加熱焼成により形成された3層膜を有するパネ
ルガラスを作製した。
スに、実施例2と同様の第1の薄膜と第2の薄膜及び第
3の薄膜を形成し、常温〜350℃までを10℃/分、
350〜450℃までを3℃/分の加熱条件で昇温し、
450℃で30分間保持した後、450〜350℃常温
までを3℃/分、350℃〜常温までを10℃/分の条
件で降温するよう温度勾配を形成した連続炉中に通し、
外表面に加熱焼成により形成された3層膜を有するパネ
ルガラスを作製した。
【0043】表1及び表2は、各例の導電性反射防止膜
を構成する各薄膜層の材料と幾何学的厚み、及び加熱焼
成の最高温度と保持時間を示す。
を構成する各薄膜層の材料と幾何学的厚み、及び加熱焼
成の最高温度と保持時間を示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】実施例1〜3及び比較例1、2の導電性反
射防止膜を有する陰極線管用パネルの中央部において、
D65光源2°視野での波長400〜700nmにおけ
る表面視感反射率及びCIE反射色度、また、波長55
0nmにおける透過率を測定した後、各例の陰極線管用
パネルを450℃で60分間再加熱処理し、再度、上記
の表面視感反射率、反射色度、透過率を測定した。
射防止膜を有する陰極線管用パネルの中央部において、
D65光源2°視野での波長400〜700nmにおけ
る表面視感反射率及びCIE反射色度、また、波長55
0nmにおける透過率を測定した後、各例の陰極線管用
パネルを450℃で60分間再加熱処理し、再度、上記
の表面視感反射率、反射色度、透過率を測定した。
【0047】
【表3】
【0048】実施例1〜3の陰極線管用パネルの表面抵
抗値は、8×102 Ω/□、7×102 Ω/□と低抵抗
で、優れた電磁波遮蔽性を有しており、再加熱処理後に
おいても表面抵抗値に変化はみられなかった。
抗値は、8×102 Ω/□、7×102 Ω/□と低抵抗
で、優れた電磁波遮蔽性を有しており、再加熱処理後に
おいても表面抵抗値に変化はみられなかった。
【0049】また、実施例1〜3の陰極線管用パネルの
波長400〜700nmにおける表面視感反射率は、図
3のグラフに示すように、何れも広範囲に亘って低い反
射率を示しており、優れた反射防止特性を備え、再加熱
処理後においてもこれら反射率の値に変化はみられなか
った。また、表3に示すように、反射色度も変化せず、
外観上もその反射色調に変化は確認されなかった。
波長400〜700nmにおける表面視感反射率は、図
3のグラフに示すように、何れも広範囲に亘って低い反
射率を示しており、優れた反射防止特性を備え、再加熱
処理後においてもこれら反射率の値に変化はみられなか
った。また、表3に示すように、反射色度も変化せず、
外観上もその反射色調に変化は確認されなかった。
【0050】これに対して、比較例1の陰極線管用パネ
ルの波長400〜700nmにおける表面視感反射率
は、図3のグラフに示すように、再加熱処理前後におい
て、その反射率曲線は短波長方向に変化が確認された。
また、比較例1及び2の陰極線管用パネルは、表3に示
すように再加熱処理前後で反射色度が変化し、外観上の
反射色調にも変化が確認された。
ルの波長400〜700nmにおける表面視感反射率
は、図3のグラフに示すように、再加熱処理前後におい
て、その反射率曲線は短波長方向に変化が確認された。
また、比較例1及び2の陰極線管用パネルは、表3に示
すように再加熱処理前後で反射色度が変化し、外観上の
反射色調にも変化が確認された。
【0051】また、実施例1〜3の陰極線管用パネル
は、表3に示すように再加熱処理前後で透過率の変化は
みられなかったが、比較例1及び2の陰極線管用パネル
では、再加熱処理前後で透過率の変化が確認された。
は、表3に示すように再加熱処理前後で透過率の変化は
みられなかったが、比較例1及び2の陰極線管用パネル
では、再加熱処理前後で透過率の変化が確認された。
【0052】更に、実施例1〜3の陰極線管用パネル
は、表3に示すように、鉛筆硬度が9Hと非常に高く、
高強度の膜を形成しているが、対する比較例1及び2の
陰極線管用パネルでは、強度が低く、傷を発生させ易い
結果となった。
は、表3に示すように、鉛筆硬度が9Hと非常に高く、
高強度の膜を形成しているが、対する比較例1及び2の
陰極線管用パネルでは、強度が低く、傷を発生させ易い
結果となった。
【0053】なお、上記の表面抵抗値は、東亜電波株式
会社製絶縁抵抗計によって測定し、また、反射率は、大
塚電子株式会社製MCPD−1000を用いて15°正
反射によって測定し、更に、視感透過率(膜及びガラス
の透過率の和)は、日立製作所株式会社製U−4000
分光光度計によって測定したものである。
会社製絶縁抵抗計によって測定し、また、反射率は、大
塚電子株式会社製MCPD−1000を用いて15°正
反射によって測定し、更に、視感透過率(膜及びガラス
の透過率の和)は、日立製作所株式会社製U−4000
分光光度計によって測定したものである。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の陰極線管
用パネルによれば、優れた電磁波遮蔽性、反射防止性と
ともに高い膜強度を有して、陰極線管製造時の加熱処理
による膜透過率や反射色の変化を起こさないという優れ
た効果を奏するものである。
用パネルによれば、優れた電磁波遮蔽性、反射防止性と
ともに高い膜強度を有して、陰極線管製造時の加熱処理
による膜透過率や反射色の変化を起こさないという優れ
た効果を奏するものである。
【図1】本発明の陰極線管用パネルを示す概略縦断面図
である。
である。
【図2】本発明の他の陰極線管用パネルを示す概略縦断
面図である。
面図である。
【図3】実施例1〜3及び比較例1の陰極線管用パネル
の400〜700nmにおける反射率曲線を示すグラフ
である。
の400〜700nmにおける反射率曲線を示すグラフ
である。
10 パネルガラス 11 第1の薄膜 12 第2の薄膜 13 第3の薄膜
Claims (4)
- 【請求項1】 パネルガラスの外表面に、膜厚が50n
m以上、透過率が90%以下、表面抵抗値が104 Ω/
□以下であるルテニウム微粒子を含有する第1の薄膜
と、該第1の薄膜の上にSiO2 微粒子を主成分とする
第2の薄膜が形成されてなり、前記第1及び第2の薄膜
は、450℃以上で少なくとも60分以上加熱され、且
つ加熱処理時の最高温度として、500〜520℃の温
度条件下で焼成されてなることを特徴とする陰極線管用
パネル。 - 【請求項2】 パネルガラスが、波長546nm、肉厚
10.16mmでの透過率が40%以上のガラスから形
成されてなることを特徴とする請求項1記載の陰極線管
用パネル。 - 【請求項3】 パネルガラスの外表面に、膜厚が50n
m以上、透過率が90%以下、表面抵抗値が104 Ω/
□以下であるルテニウム微粒子を含有する第1の薄膜
と、該第1の薄膜の上にSiO2 微粒子を主成分とする
第2の薄膜と、該第2の薄膜の上に微細な凹凸を有する
SiO2 を主成分とする第3の薄膜とが形成されてな
り、前記第1、第2及び第3の薄膜は、450℃以上で
少なくとも60分以上加熱され、且つ加熱処理時の最高
温度として、500〜520℃の温度条件下で焼成され
てなることを特徴とする陰極線管用パネル。 - 【請求項4】 パネルガラスが、波長546nm、肉厚
10.16mmでの透過率が40%以上のガラスから形
成されてなることを特徴とする請求項3記載の陰極線管
用パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000305745A JP2002117790A (ja) | 2000-10-05 | 2000-10-05 | 陰極線管用パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000305745A JP2002117790A (ja) | 2000-10-05 | 2000-10-05 | 陰極線管用パネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002117790A true JP2002117790A (ja) | 2002-04-19 |
Family
ID=18786547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000305745A Pending JP2002117790A (ja) | 2000-10-05 | 2000-10-05 | 陰極線管用パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002117790A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019003570A1 (ja) * | 2017-06-27 | 2019-01-03 | Nissha株式会社 | 加飾ガラスパネル及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-10-05 JP JP2000305745A patent/JP2002117790A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019003570A1 (ja) * | 2017-06-27 | 2019-01-03 | Nissha株式会社 | 加飾ガラスパネル及びその製造方法 |
CN110809567A (zh) * | 2017-06-27 | 2020-02-18 | Nissha株式会社 | 装饰玻璃面板及其制造方法 |
US10981368B2 (en) | 2017-06-27 | 2021-04-20 | Nissha Co., Ltd. | Decorative glass panel and manufacturing method therefor |
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