JP2002113650A - 固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング方法および装置 - Google Patents

固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング方法および装置

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JP2002113650A JP2000306299A JP2000306299A JP2002113650A JP 2002113650 A JP2002113650 A JP 2002113650A JP 2000306299 A JP2000306299 A JP 2000306299A JP 2000306299 A JP2000306299 A JP 2000306299A JP 2002113650 A JP2002113650 A JP 2002113650A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定砥粒ワイヤ工具の目詰まりを確実に防止
し、かつ過剰に工具を摩耗させず、工具の長寿命化を実
現できる、工具クリーニング方法および装置を提供す
る。 【解決手段】 シリコンインゴッドなどの工作物24を
切断加工する際、走行中の固定砥粒ワイヤ工具20に対
してナイロンブラシなどの清掃部材30a、30bを押
し当てながら、ワイヤ表面にアルコールなどの洗浄液3
0を供給する。ブラシ洗浄と洗浄液洗浄とを重畳するこ
とで、切断加工によってワイヤ表面に付着・堆積した切
屑などの汚れを確実に洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン、水晶、
石英などの硬脆材料や金属材料を切断する固定砥粒ワイ
ヤ工具のクリーニング方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンインゴット、水晶、石英
などの硬脆材料や金属材料の切断工具としてワイヤ工具
が用いられているが、特に近年のシリコンウェーハの大
口径化にともない、ワイヤ工具はシリコンウェーハのイ
ンゴットを切断する手段として注目されている。
【0003】シリコンインゴットの切断加工には、従来
は内周刃による切断方式が適用されてきた。そして近
年、半導体デバイスの生産コストの低減、適正化をはか
るために、シリコンウェーハは大口径化の一途をたどっ
ているが、そうしたウェーハの大口径化に対しては、内
周刃の大径化で対応してきた。しかし、特に8インチ以
上のシリコンインゴットに対しては、「スループットの
向上に限界がある」、「カーフロスが大きい」、「切断
ジグへの内周刃のセッティングが困難である」などの理
由により、シリコンインゴットの切断方法は内周刃切断
方式からマルチワイヤ切断方式に置き換わりつつある。
【0004】このマルチワイヤ切断方式によるシリコン
インゴットの切断加工は、図8に示すように、ピアノ線
などのワイヤ1の新線リール2から巻き取りローラ5ま
での所定経路中に、ダンサローラ3および複数のメイン
ローラ4などを設けて、インゴット6に近接する所定の
ピッチのワイヤ列を形成するもので、スラリーノズル7
から高粘度の研磨剤スラリーを供給するとともに、イン
ゴット6をそのワイヤ列に押し付けることにより、イン
ゴット6の切断を行う、という遊離砥粒加工であった。
しかしながら、遊離砥粒加工法ゆえに、「多量の産業廃
棄物(廃液)を生じる」、「作業環境が極めて悪い」、
「ランニングコストが高い」、「切断後のウエーハ洗浄
が難しい」、「加工能率の向上が望めない」、「切断精
度が悪い」などの欠点があった。
【0005】そこで、これらの問題を解決するものとし
て、ワイヤに砥粒を固着させたワイヤ工具、すなわち固
定砥粒ワイヤ工具の発明・開発がなされている(例え
ば、特開平7−9645号公報、特開平8−12695
3号公報、特開平9−155631号公報、特開平10
−138114号公報、特開平11−48035号公
報、特願平10−032089号など)。
【0006】しかしながら、こうした固定砥粒ワイヤ工
具は、先述の遊離砥粒加工方式によるワイヤ切断加工の
欠点を解決できる反面、切断加工中に切屑が工具表面上
に堆積し、砥粒の突き出し高さが不十分となる、いわゆ
る目詰まりが生じやすいため、切断能率が急激に低下し
たり、切断抵抗が急増してしまうなどの問題が度々発生
する。
【0007】そこで、こうした固定砥粒ワイヤ工具の目
詰まりを防ぐために、工具のクリーニング方法として、
いくつかの発明がなされている。例えば、特開平11−
28654号公報には、ワイヤ工具にドレッシングスト
ーンを押しつけ、工具上に堆積した切屑などを除去する
方法が開示されている。しかし、研削砥石などの一般的
な固定砥粒加工工具と異なり、ワイヤ工具においては、
砥粒層が極めて薄いため、ドレッシングストーンを押し
つけることで、多くの砥粒が脱落してしまい、工具寿命
が著しく短くなる、という問題がある。こうした問題を
解決するために、特開平11−70456号公報には、
洗浄液を高圧で工具に噴射する方法が開示されている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
特開平11−70456号公報に開示された技術では、
ワイヤ表面に露出した多くの砥粒を十分にクリーニング
することが難しい、という問題がある。
【0008】本発明は、こうした問題に着目してなされ
たもので、固定砥粒ワイヤ工具の目詰まりを確実に防止
し、かつ過剰に工具を摩耗させず、工具の長寿命化を実
現できる、工具クリーニング方法および装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒ワイヤ工具
のクリーニング方法であって、前記固定砥粒ワイヤ工具
を用いた切断加工時に、走行中のワイヤ工具にブラシを
押し当てることによって、ワイヤ表面をクリーニングす
ることに特徴がある。
【0010】ブラシ洗浄は、機械的な作用による洗浄で
あるため、洗浄液による洗浄に比べ、洗浄能力に優れ、
また、ドレッシングストーンといった硬質な工具に比べ
ると、柔軟性、可撓性があるため、砥粒が固着してある
砥粒層を削り落とすことなく、工具表面に堆積した切屑
のみを除去することができる。こうして、ブラシをワイ
ヤ工具に押しあてることで、ワイヤ工具表面に堆積した
切屑のみを、確実かつ効果的に除去することが可能とな
り、安定した加工また工具の長寿命化を実現できる。
【0011】請求項2に記載の発明は、ワイヤ表面に砥
粒が固着された固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング方法
であって、前記固定砥粒ワイヤ工具を用いた切断加工時
に、走行中のワイヤ工具にブラシを当接し、このブラシ
を駆動することによって、ワイヤ表面をクリーニングす
ることに特徴がある。
【0012】ワイヤ表面にブラシを当接して回転させる
ことにより、ワイヤ工具表面に堆積した切屑を確実かつ
効果的に除去することが可能となる。
【0013】請求項3に記載の発明は、ワイヤ表面に砥
粒が固着された固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング方法
であって、前記固定砥粒ワイヤ工具を用いた切断加工時
に、走行中のワイヤ工具にブラシを当接し、このブラシ
を回転することによって、ワイヤ表面をクリーニングす
ることに特徴がある。
【0014】走行中のワイヤ工具にブラシを当接して回
転することにより、前記ワイヤ工具に付着・堆積した切
屑をブラシ面で掻き落とすことができる。例えば、ロー
ル状ブラシ対で2方向(例えば、上下方向から)からワ
イヤ工具を挟持しながら回転駆動すると、ワイヤ表面を
確実に拭い取ることができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2において、前記ブラシは、ナイロンブラシからなるこ
とに特徴がある。
【0016】ワイヤ工具クリーニング用のブラシとし
て、ナイロン製ブラシは、適度な可撓性を有するととも
に、繰り返しの撓み動作に対しても、容易に屈曲するこ
とがないため、長時間にわたり、同程度のクリーニング
性を維持することができる。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項3におい
て、前記ブラシは、スポンジブラシからなることに特徴
がある。
【0018】工作物やワイヤ工具の種類に応じ、スポン
ジブラシを用いることで、適切な拭い取り動作を行うこ
とができる。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかにおいて、前記ブラシは、砥粒が固着された砥
粒入りブラシからなることに特徴がある。
【0020】ワイヤ工具クリーニング用のブラシとし
て、砥粒入りブラシを使用することで、砥粒なしの単な
るブラシに比べ、より効率的に、工具上に堆積した切屑
を除去することができる。砥粒なしの単なるブラシを使
用した場合、切屑をより完全に除去するために、ブラシ
押し当て力を強める必要が生じる場合があるが、この
時、ワイヤそのものが撓んでしまい、切断精度が劣化し
てしまう恐れがある。これに対し、砥粒入りブラシを使
用することで、砥粒なしの単なるブラシを使用する場合
に比べ、より低い押し当て力で切屑を完全に除去できる
ため、ワイヤ撓みを発生させることがなくなり、高い切
断精度を得ることができる。
【0021】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれかにおいて、前記走行中のワイヤ工具に対して洗
浄液を供給することに特徴がある。
【0022】ブラシ洗浄のみでワイヤ工具表面をクリー
ニングすると、切屑がブラシに付着し、ブラシによるク
リーニング性が徐々に低下していくが、洗浄液洗浄を重
畳させることにより、切屑をブラシからも除去でき、ク
リーニング性を維持することができる。また、切屑の除
去に効果的な洗浄液を用いることで、洗浄液の供給で除
去容易になった切屑を、ブラシにより完全に洗浄除去す
ることができる。
【0023】請求項8に記載の発明は、請求項7におい
て、前記洗浄液は、アルコールからなることに特徴があ
る。
【0024】切断対象が、例えばシリコンである場合、
工具表面に堆積する切屑は、シリコンとその酸化物であ
る。アルコールは、いずれに対しても洗浄効果に優れる
ため、ワイヤ工具の目詰まり防止に、極めて有効であ
る。さらに洗浄効果の強いものとして、アセトンやメチ
ルエチルケトンなどが挙げられるが、これら溶剤は、ワ
イヤ工具がレジンボンドワイヤ工具である場合、その結
合材樹脂をも軟化あるいは溶解させてしまう恐れがある
ため、使用することはできない。
【0025】請求項9に記載の発明は、ワイヤ表面に砥
粒が固着された固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング装置
であって、工作物の切断加工時に、前記固定砥粒ワイヤ
工具を走行させるワイヤ走行手段と、工作物の切断加工
でワイヤ表面に付着した汚れをクリーニングするための
ブラシと、このブラシを移動して走行中のワイヤ表面に
押し当てるための移動手段とを備えたことに特徴があ
る。
【0026】ブラシがワイヤ工具と接離可能なので、ブ
ラシによるワイヤ工具のクリーニングを、自動的かつ確
実に行うことができ、さらには、工具の目詰まり状態に
応じた、クリーニングの実施、例えば、クリーニングを
ある時間間隔で、不連続に行うこともでき、クリーニン
グを効果的に実施できる。
【0027】請求項10に記載の発明は、請求項9にお
いて、前記固定砥粒ワイヤ工具の走行方向に対し、前記
ブラシの長手方向が直交した状態で、前記ブラシがその
長手方向に往復動するよう、前記ブラシを揺動する揺動
手段を備えたことに特徴がある。
【0028】ブラシの揺動手段をさらに設けたことで、
ワイヤ工具のクリーニングを、より確実に行えるととも
に、ブラシに付着した切屑などがブラシより払い落とさ
れ、あるいは掻き落とされるので、ブラシのクリーニン
グ効果を長時間にわたり安定して保つことができる。
【0029】請求項11に記載の発明は、請求項9にお
いて、前記固定砥粒ワイヤ工具の走行方向に対し、前記
ブラシの長手方向が直交した状態で、前記ブラシがワイ
ヤ走行方向に往復動するよう、前記ブラシを揺動する揺
動手段を備えたことに特徴がある。
【0030】ブラシの揺動方向として、ワイヤ工具の長
手方向(走行方向)に直交する方向にした方が、クリー
ニング性能は高くなるが、ワイヤ工具を振動させる恐れ
がある。そこで、ワイヤ走行方向と平行する方向にブラ
シを揺動させることで、ワイヤ工具に振動を発生させ
ず、クリーニングを行うことができる。
【0031】請求項12に記載の発明は、請求項9にお
いて、前記ブラシが、走行中のワイヤ表面に当接しなが
ら水平面上で楕円動するよう、前記ブラシを揺動する揺
動手段を備えたことに特徴がある。
【0032】ブラシの揺動方向として、ワイヤ工具の長
手方向(走行方向)に直交する方向にした方が、クリー
ニング性能は高くなるが、ワイヤ工具を振動させる恐れ
がある。そこで、ブラシが楕円運動するように揺動する
ことで、ワイヤ工具に振動を発生させず、クリーニング
を行うことができる。
【0033】請求項13に記載の発明は、ワイヤ表面に
砥粒が固着された固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング装
置であって、工作物の切断加工時に、前記固定砥粒ワイ
ヤ工具を走行させるワイヤ走行手段と、ワイヤ走行方向
に対して長手方向が直交するように軸支されたロール状
ブラシと、このロール状ブラシを移動してワイヤ表面に
当接させるための移動手段と、前記ロール状ブラシを回
転駆動するための駆動手段とを備え、前記移動手段で前
記ロール状ブラシを移動してワイヤ表面に当接させ、前
記ワイヤ走行手段で前記固定砥粒ワイヤ工具を走行させ
ながら、前記駆動手段で前記ロール状ブラシを回転させ
ることで、工作物の切断加工時にワイヤ表面に付着した
汚れをクリーニングすることに特徴がある。
【0034】ロール状ブラシによっても、ワイヤ工具の
クリーニングを自動的かつ確実に行うことができ、さら
には、工具の目詰まり状態に応じた、クリーニングの実
施、例えば、クリーニングをある時間間隔で、不連続に
行うこともでき、クリーニングを効果的に実施できる。
【0035】請求項14に記載の発明は、ワイヤ表面に
砥粒が固着された固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング装
置であって、工作物の切断加工時に、前記固定砥粒ワイ
ヤ工具を走行させるワイヤ走行手段と、ワイヤ走行方向
に対して長手方向が直交するように軸支され、前記固定
砥粒ワイヤ工具を挟持可能なロール状ブラシ対と、この
ロール状ブラシ対を回転駆動するための駆動手段とを備
え、前記ワイヤ走行手段で前記固定砥粒ワイヤ工具を走
行させながら、前記ロール状ブラシ対で前記固定砥粒ワ
イヤ工具を挟持し、前記駆動手段で前記ロール状ブラシ
対を回転させることで、工作物の切断加工時にワイヤ表
面に付着した汚れをクリーニングすることに特徴があ
る。
【0036】ロール状ブラシ対でワイヤ工具を挟持しな
がら回転駆動すると、前記ワイヤ工具の外周に付着・堆
積した切屑を、工作物やワイヤ工具の種類に応じ、適切
な拭い取り動作で確実に拭い取り、あるいは掻き落とす
ことができる。
【0037】請求項15に記載の発明は、請求項9〜1
4のいずれかにおいて、前記ワイヤ表面にクリーニング
用の洗浄液を供給する洗浄液供給手段を備えたことに特
徴がある。
【0038】ブラシおよび洗浄液によるワイヤ工具のク
リーニングを、自動的かつ確実に行うことができ、さら
には、工具の目づまり状態に応じた、クリーニングの実
施、例えば、ブラシクリーニングや洗浄液供給をある時
間間隔で、不連続に行うこともでき、クリーニングを効
果的に実施できる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、固定砥粒ワイヤ工具を走行しながら、クリー
ニング用のブラシをワイヤ表面に押し当てることによっ
て、ワイヤ表面の汚れをクリーニングする固定砥粒ワイ
ヤ工具のクリーニング方法および装置の広範囲な応用を
含むものである。
【0040】[第1の実施形態]図1に、本発明の第1
の実施の形態に係るワイヤ工具のクリーニング装置の概
略構成を示し、図2にそのクリーニング部を示す。
【0041】図1において、ワイヤ列20は、少なくと
もダイヤモンドなどの砥粒が結合剤でワイヤ表面に固着
された、ワイヤ工具によって形成され、前記ワイヤ列2
0を双方向あるいは1方向に高速走行させることで、シ
リコンインゴッドなどの工作物24を多数枚に切断加工
するものである。前記ワイヤ工具は、一対のワイヤロー
ル(巻取り側および送出し側)21a、21bに巻きま
わされ、複数のガイドローラを介して一対のワイヤロー
ル21a、21b間を走行しながら、一対のワイヤロー
ル21a、21b間に配設された複数のメインローラ2
3a〜23cに巻き掛けられることで、水平なワイヤ列
20を形成する。
【0042】昇降機構25は、工作物24がその下部に
装着されたテーブルを垂直に昇降移動するもので、例え
ばボールネジ機構および直線ガイド機構からなる。具体
的には、メインローラ23a、23b間のワイヤ列20
に対して垂直に配設したベースの前面に一対のガイドレ
ールを設け、このガイドレール上を前記テーブルがスラ
イド可能なように構成する。さらに、前記ガイドレール
に沿ってボールネジを配設するとともに、前記テーブル
にナット部を形成し、前記ボールネジに前記ナット部を
螺合させ、前記ボールネジを駆動モータの駆動で正逆回
転させることにより、工作物24を装着した前記テーブ
ルが前記ガイドレールに沿って昇降移動する。なお、昇
降機構25には、本実施形態に限らず、ラックアンドピ
ニオン機構などを用いてもよい。
【0043】ここで、一対のワイヤロール21a、21
bが駆動モータの駆動で回転することにより、ワイヤ列
20が設定方向に走行し、昇降機構25の駆動で工作物
24が下降して、メインローラ23a、23b間に送り
込まれると、前記ワイヤ工具でマルチ切断加工がなされ
る。前述のように、前記ワイヤ工具は、一方向のみでな
く双方向に走行可能なので、双方向に走行する場合に
は、一対のワイヤロール21a、21bが走行方向に応
じて巻取り側または送出し側として使用されることとな
る。
【0044】前記メインローラ23a、23b間のワイ
ヤ列20の上方で、工作物24の下流(各メインローラ
側)には、2基の洗浄ノズル27a、27bを設け、工
作物24を切断加工した後のワイヤ列20に対して、洗
浄液槽26に貯蔵された洗浄液31をポンプ機構(図示
せず)で洗浄ノズル27a、27bから噴射、供給する
ように構成している。この洗浄ノズル27a、27bの
長手方向は、ワイヤ列20の走行方向と直交しており、
洗浄ノズル27a、27bの下面(ワイヤ列20と対向
する側)には、図3(a)に示すように、多数の噴射孔
27′が穿設されている。また、前記洗浄液31として
は、アルコール、水、油などを用いることができるが、
特に、洗浄効果の高いアルコールが好ましい。
【0045】また、前記メインローラ23a、23b間
のワイヤ列20の上方には、工作物24を挟むように清
掃部材30a、30bを平行に配設し、切断加工でワイ
ヤ工具に付着した切屑を除去するように構成している。
また、清掃部材30a、30bのブラシ軸(長手方向)
は、ワイヤ列20の走行方向と直交し、一端側が直線ガ
イド機構を有するアクチュエータ29a、29bに連結
されている。このアクチュエータ29a、29bは、所
定の周波数(振動数)で駆動し、清掃部材30a、30
bに対してワイヤ走行方向と直交する方向の直線振動を
与えるものであり、好ましくは、電磁または超音波リニ
アモータ、ラックアンドピニオン機構、カム機構、ボー
ルネジ機構のいずれかで構成する。清掃部材30a、3
0bは、アクチュエータ29a、29bの直線振動で、
図2に示す矢印方向に往復運動を行うこととなる。ま
た、清掃部材30a、30bおよびアクチュエータ29
a、29bは、昇降機構28によって昇降移動すること
で、ワイヤ列20と接離可能に構成されている。ここ
で、昇降機構28は、前記昇降機構25に準じ、例えば
ボールネジ機構および直線ガイド機構からなる。
【0046】また、図3(b)に示すように、清掃部材
30a、30bを構成するブラシ30′は、ワイヤ列2
0の各ワイヤ20a〜20gと一部交差しながら、前記
メインローラ23a、23bのローラ面に接触するよう
に構成されている。また、ブラシ30′には、適度な可
撓性を有し、ワイヤ工具を傷つけることなく、工具表面
に堆積した切屑のみを除去するとともに、繰り返しの撓
み動作にも容易に屈曲することがない材質を使用する必
要がある。例えば、ナイロンブラシを用いることが好ま
しい。さらに、ナイロンブラシに限らず、砥粒の固着し
た、砥粒入りブラシを使用することもできる。この場
合、砥粒を含まないブラシに比べ、効率的に、工具表面
に堆積した切屑を除去できる。ここで、ブラシ30′に
固着する砥粒としては、ダイヤモンドといった超砥粒を
はじめ、炭化珪素、酸化アルミニウムといった一般砥粒
を使用できる。
【0047】なお、ブラシ30′などの清掃部材30
a、30bを配設する場所は、本実施例に限らず、工作
物24が送り込まれないメインローラ23a、23c間
またはメインローラ23b、23c間、あるいは、メイ
ンローラ23a〜23c以外の箇所であってもよい。特
に、ブラシ30′をメインローラ23a〜23c上に配
設することが好ましい。ここで、各ローラ間でブラシ3
0′をワイヤ工具に押し当てた場合、その押圧力によ
り、ワイヤ工具が振動を起こす恐れがあるが、メインロ
ーラ23a〜23c上で押し当てることにより、この問
題を解決することができる。また、本実施形態では、一
対の清掃部材30a、30bを配設しているが、これに
限らず、ブラシ30′などの清掃部材を1本のみ配設し
てもよい。
【0048】また、本実施形態では、清掃部材30a、
30bのブラシ近傍に洗浄液の供給装置(洗浄ノズル2
7a、27b)を設けているが、これに限らず、装置の
設置スペースに応じて清掃部材30a、30bのブラシ
30′と洗浄ノズル27a、27bの間隔を、適宜調整
してもよい。また、清掃部材30a、30bと洗浄ノズ
ル27a、27bの駆動タイミングについて、両者の間
隔に応じ、切断加工に使用したワイヤ工具が洗浄液の供
給とブラシ洗浄を同時あるいは前後して施されるように
適宜調整してもよい。なお、前記駆動タイミングは、ワ
イヤロール21a、21bの駆動モータの駆動量(例え
ば、「ステッピングモータの1パルス当りの駆動量」×
「駆動パルス数」で算出できる。)や駆動時間に基づい
て決定してもよい。
【0049】なお、本実施形態に係るクリーニング装置
の制御部は、コントローラ(CPU、RAM/ROMな
ど)、操作表示部などで構成され、この操作表示部に
は、スタートボタンやテンキーなどの各種ボタンキー、
LCD表示器などを有し、動作モードの設定/表示や動
作開始/停止指示がユーザの操作で可能なように構成さ
れている。
【0050】次に、1方向にワイヤ工具を走行させる場
合のクリーニング方法について説明する。
【0051】本実施形態のワイヤクリーニング方法は、
前記ワイヤ工具に洗浄液31を供給して洗浄する洗浄液
洗浄工程と、洗浄液31が供給されたワイヤ工具をブラ
シ洗浄するブラシ洗浄工程とからなる。
【0052】洗浄液洗浄工程においては、例えば、ワイ
ヤロール21aからワイヤロール21bに向かってワイ
ヤ工具が走行している場合、切断加工開始と同時に前記
ポンプ機構を駆動し、ワイヤ列20の走行方向に対して
工作物24の下流側にある洗浄ノズル27bから洗浄液
を供給する。この方法により、1方向走行による工作物
24の切断加工時、前記ワイヤ工具の表面に付着・堆積
した切屑が洗浄液31によって洗浄され、ワイヤ表面が
クリーニングされることとなる。
【0053】また、ブラシ洗浄工程においては、切断加
工開始前に昇降機構28を駆動してアクチュエータ29
a、29bおよび清掃部材30a、30bを所定位置ま
で下降させる。この所定位置では、図3(b)に示すよ
うに、ブラシ30′とワイヤ工具が一部交差する。次い
で、切断加工開始と同時にアクチュエータ29bを駆動
し、ワイヤ列20の走行方向に対して工作物24の下流
側にある清掃部材30bを、ワイヤ列20の走行方向と
直交するように往復駆動させる。この方法により、1方
向走行による工作物24の切断加工時、前記ワイヤ工具
の表面に付着・堆積した切屑は、前述のように洗浄液3
1によって洗浄されるとともに、ブラシ30′によって
除去されることとなる。すなわち、洗浄液の供給後に残
留した切屑についても、洗浄液の供給で除去容易となっ
ており、ブラシ洗浄で完全に除去されることとなり、ワ
イヤ表面が確実にクリーニングされる。
【0054】こうして、ワイヤロール21aからワイヤ
ロール21bへ前記ワイヤ工具が全て巻き取られ、1方
向の切断加工が終了すると、次いで、前記ワイヤ工具の
走行方向をワイヤロール21bからワイヤロール21a
へ向かうように切り換える。ここで、ワイヤ列20の走
行方向に対して工作物24の下流側にある洗浄ノズル2
7aから洗浄液を供給するとともに(洗浄液洗浄工
程)、アクチュエータ29aを駆動して、ワイヤ列20
の走行方向と直交するように清掃部材30aを往復駆動
させる(ブラシ洗浄工程)。
【0055】次に、双方向にワイヤ工具を走行させる場
合のクリーニング方法について説明する。この場合、予
め双方向におけるワイヤ工具の走行量が異なるように設
定して、前記ワイヤ工具を往復走行することにより、い
ずれかのワイヤロールにて前記ワイヤ工具を巻き取る。
【0056】例えば、ワイヤロール21aからワイヤロ
ール21bへ向けたワイヤ工具の送り量をS1mとし、
ワイヤロール21bからワイヤロール21aへ向けたワ
イヤ工具の送り量をS2mとする(S1>S2)。この
送り量での往復走行を1サイクルとすると、前記ワイヤ
工具は、1サイクル当り(S1−S2)mだけ、ワイヤ
ロール21bに巻き取られることとなる。
【0057】前記洗浄液洗浄工程においては、ワイヤ列
20の走行方向に対して工作物24の下流側にある洗浄
ノズル27bまたは27aから洗浄液31を供給するよ
うに、1サイクルに1回、往走行と復走行で洗浄ノズル
を切り換える。あるいは、各サイクルとも同時に洗浄ノ
ズル27a、27bから洗浄液を供給するように制御し
てもよい。
【0058】また、前記ブラシ洗浄工程においては、切
断加工開始前に昇降機構28を駆動してアクチュエータ
29a、29bおよび清掃部材30a、30bを前記所
定位置まで下降させる。次いで、切断加工開始と同時に
アクチュエータ29bを駆動し、ワイヤ列20の走行方
向に対して工作物24の下流側にある清掃部材30bま
たは30aのブラシ30′が、ワイヤ列20の走行方向
と直交するように往復駆動させる。あるいは、各サイク
ルとも同時にアクチュエータ29a、29bを駆動し、
清掃部材30a、30bのブラシ30′がワイヤ列20
の走行方向と直交するように往復駆動させてもよい。
【0059】いずれの方法によっても、双方向走行によ
る工作物24の切断加工時、前記ワイヤ工具の表面に付
着・堆積した切屑は、前述のように洗浄液31によって
洗浄されるとともに、ブラシ30′によって除去され、
ワイヤ表面が確実にクリーニングされることとなる。
【0060】本実施形態では、ワイヤ工具による工作物
24の切断加工を行いながら、前記ワイヤ工具の使用部
分に洗浄液31を供給する洗浄ノズル27a、27bな
どの洗浄液供給機構と、前記ワイヤ工具の使用部分を清
掃する清掃部材30a、30bなどのブラシ洗浄機構と
を設け、前記ワイヤ工具の使用部分に対してブラシ洗浄
に洗浄液洗浄を重畳させので、切断加工直後に、速やか
にクリーニングを行い、前記ワイヤ工具の表面に付着・
堆積した切屑を確実に除去することができる。さらに、
工具のクリーニングとともに、ブラシ30′の洗浄も併
せて行うことができる。
【0061】また、本実施形態では、ナイロンブラシ
(ブラシ30′)が、その適度な可撓性で繰り返しの撓
み動作にも耐え得ることから、長期間にわたり適切なク
リーニング効果を得ることができる。なお、洗浄液31
として、アルコールを用いることにより、水、油などと
比べて高いクリーニング効果が得られる。
【0062】さらに、本実施形態に限らず、クリーニン
グ動作(前述の洗浄液洗浄工程、ブラシ洗浄工程を含
む)を予め設定した間隔で不連続に行い、あるいは予め
設定した期間に行うようにしてもよい。この場合、前記
間隔や期間の設定は、前記操作表示部のキー操作などで
ユーザが設定可能としてもよい。さらに、前述のクリー
ニング動作を示す動作モードを前記操作表示部から設定
可能とし、クリーニングモードが設定されている場合は
切断加工時にクリーニング動作を行い、クリーニングモ
ードが設定されていない場合には、ブラシ30′などの
清掃部材30a、30bおよび洗浄ノズル27a、27
bなどをワイヤ列20から離間して、所定位置に退避さ
せるように制御してもよい。なお、前記操作表示部から
ユーザが設定入力した内容は、前記コントローラのRA
Mなどに更新可能に記憶する。
【0063】[第2の実施形態]図4に、本発明の第2
の実施の形態に係るワイヤ工具のクリーニング装置の概
略構成を示す。なお、第1の実施形態と同一構成には同
一符号を付与して説明を省略する。
【0064】本実施形態は、第1の実施形態とは、ワイ
ヤ工具による工作物24の切断加工を行いながら、前記
ワイヤ工具の使用部分に洗浄液31を供給する洗浄ノズ
ル27a、27bなどの洗浄液供給機構と、前記ワイヤ
工具の使用部分を清掃するブラシ30′などの清掃部材
30a、30b、およびブラシ30′をワイヤ走行方向
と平行に往復させ、あるいは楕円運動させるロボット部
33を含むブラシ洗浄機構とを設けた点が相違してい
る。この構成により、前記ワイヤ工具の状態や工作物2
4に応じ、適切なブラシ洗浄動作を行って前記ワイヤ工
具に付着・堆積した切屑を確実に除去することができ
る。
【0065】図4において、制御部32は、A/D変換
回路、CPU、RAM/ROMなどのメモリ、入出力装
置などからなり、ロボット部33のアーム34a、34
bに取り付けた清掃部材30a、30bのブラシの位置
情報を、位置センサ(図示せず)などからの信号として
入力し、A/D変換して解析して、予めROMに格納し
たプログラムに従い、所定の動作条件でロボット部33
を作動させる。
【0066】ロボット部33は、例えば、直交制御多関
節型(5軸自由度)のロボットおよびコントローラから
なり、このコントローラは制御部32と結合されてい
る。したがって、前記コントローラは、予め制御部32
のROMに入力された動作条件により、直交制御多関節
型ロボットのアーム34a、34bを動作させ、それに
取り付けた清掃部材30a、30bのブラシに楕円運
動、あるいはワイヤ走行方向と平行な直線往復運動など
を所望の運動速度で行わせる。
【0067】なお、ロボット部33のコントローラと、
第1の実施形態のクリーニング装置の制御部とを結合
し、この制御部からロボット部33を制御するように構
成してもよい。
【0068】次に、1方向にワイヤ工具を走行させる場
合のクリーニング方法について説明する。
【0069】本実施形態のワイヤクリーニング方法は、
第1の実施形態に準じ、前記洗浄液洗浄工程と前記ブラ
シ洗浄工程とからなる。
【0070】洗浄液洗浄工程においては、前述のよう
に、切断加工開始と同時に前記ポンプ機構を駆動し、ワ
イヤ列20の走行方向に対して工作物24の下流側にあ
る洗浄ノズルから洗浄液(アルコール)を供給する。こ
の方法により、1方向走行による工作物24の切断加工
時、前記ワイヤ工具の表面に付着・堆積した切屑が洗浄
液によって洗浄され、ワイヤ表面がクリーニングされる
こととなる。
【0071】また、ブラシ洗浄工程においては、切断加
工開始前にロボット部33を駆動してアーム34a、3
4bを前記所定位置まで移動させる。次いで、切断加工
開始と同時にロボット部33駆動し、ワイヤ列20の走
行方向に対して工作物24の下流側にある清掃部材のブ
ラシを、ワイヤ列20の走行方向と平行に往復駆動させ
る。この方法により、1方向走行による工作物24の切
断加工時、前記ワイヤ工具の表面に付着・堆積した切屑
は、前述のように洗浄液31によって洗浄されるととも
に、ブラシによって除去されることとなる。
【0072】こうして、前記ワイヤ工具が全て巻き取ら
れて1方向の切断加工が終了すると、次いで、前記ワイ
ヤ工具の走行方向を逆方向に切り換える。ここで、ワイ
ヤ列20の走行方向に対して工作物24の下流側にある
洗浄ノズルから洗浄液を供給するとともに(洗浄液洗浄
工程)、ロボット部33を駆動して、ワイヤ列20の走
行方向と平行にブラシを往復駆動させる(ブラシ洗浄工
程)。
【0073】次に、双方向にワイヤ工具を走行させる場
合のクリーニング方法について説明する。この場合、第
1の実施形態に準じ、予め双方向におけるワイヤ工具の
走行量が異なるように設定して、前記ワイヤ工具を往復
走行することにより、いずれかのワイヤロールにて前記
ワイヤ工具を巻き取る。
【0074】前記洗浄液洗浄工程においては、ワイヤ列
20の走行方向に対して工作物24の下流側にある洗浄
ノズルから洗浄液を供給するように、1サイクルに1
回、往走行と復走行で洗浄ノズル27a、27bを切り
換える。あるいは、各サイクルとも同時に洗浄ノズル2
7a、27bから洗浄液を供給するように制御する。
【0075】また、前記ブラシ洗浄工程においては、切
断加工開始前にロボット部33を駆動してアーム34
a、34bを前記所定位置まで移動させる。次いで、切
断加工開始と同時にロボット部33を駆動し、ワイヤ列
20の走行方向に対して工作物24の下流側にある清掃
部材のブラシを、ワイヤ列20の走行方向と平行に往復
駆動させる。あるいは、各サイクルとも同時にロボット
部33を駆動し、清掃部材30a、30bのブラシをワ
イヤ列20の走行方向と平行に往復駆動させる。
【0076】本実施形態においても、第1の実施形態と
同様に、洗浄液の供給後、ワイヤ表面に残留した切屑
は、洗浄液の供給で除去容易となっているため、ブラシ
洗浄で確実に除去され、また、ブラシ自体も洗浄される
こととなる。
【0077】さらに、本実施形態に限らず、清掃部材3
0a、30bのブラシが、ワイヤ列20と一部交差した
状態で楕円運動するように制御してもよい。この方法に
よっても、洗浄液洗浄とブラシ洗浄を重畳することで、
ワイヤ表面に付着・堆積した切屑を確実に除去すること
ができる。
【0078】また、本実施形態に限らず、前述のように
クリーニング動作(前述の洗浄液洗浄工程、ブラシ洗浄
工程を含む)を予め設定した間隔で不連続に行い、ある
いは予め設定した期間に行うようにしてもよい。あるい
は、前述のようにクリーニング動作を示す動作モードを
前記操作表示部から設定可能とし、クリーニングモード
が設定されている場合は切断加工時にクリーニング動作
を行い、クリーニングモードが設定されていない場合に
は、ブラシなどの清掃部材30a、30bおよび洗浄ノ
ズル27a、27bなどをワイヤ列20から離間して、
所定位置に退避させるように制御してもよい。
【0079】[第3の実施形態]図5に、本発明の第3
の実施の形態に係るワイヤ工具のクリーニング装置の一
部構成を示す。なお、全体構成については、ブラシおよ
びアクチュエータを除き、第1の実施形態と概ね同様で
あるため、図1を用いるとともに、同一構成には同一符
号を付与して説明を省略する。
【0080】本実施形態は、第1の実施形態とは、ワイ
ヤ工具による工作物24の切断加工を行いながら、前記
ワイヤ工具の使用部分に洗浄液31を供給する洗浄ノズ
ル27a、27bなどの洗浄液供給機構と、前記ワイヤ
工具の使用部分を回転清掃するロール状ブラシ(円筒状
本体の周壁に毛状部材を有し、本体の中心軸周りに回転
可能なもの)35a、35bなどのブラシ洗浄機構とを
設け、このロール状ブラシ35a、35bの軸方向(長
手方向)とワイヤ走行方向とが直交するように配置した
点が相違している。この構成により、前記ワイヤ工具に
付着・堆積した切屑を洗浄液31の供給で洗浄しなが
ら、ロール状ブラシ35a、35bを回転させて適切な
ブラシ洗浄動作を行うことで、前記ワイヤ工具の表面を
確実にクリーニングするすることができる。
【0081】図5において、ロール状ブラシ35aの駆
動軸は、ローラ駆動部36aの駆動モータ(図示せず)
の駆動軸に連結され、ロール状ブラシ35bの駆動軸
は、ローラ駆動部36bの駆動モータ(図示せず)の駆
動軸に連結されて、これらの駆動モータの駆動により、
クリーニング動作時、ロール状ブラシ35a、35bは
それぞれ図中矢印方向に回転する。また、ロール状ブラ
シ35a、35bおよびローラ駆動部36a、36bな
どのブラシ洗浄機構は、昇降機構28によって上下方向
に移動可能に構成されている。
【0082】また、ロール状ブラシ35a、35bは、
ワイヤ列20の各ワイヤと一部交差しながら、メインロ
ーラ23a、23bのローラ面に接触するように配設さ
れている。また、ロール状ブラシ35a、35bには、
適度な可撓性を有し、ワイヤ工具を傷つけることなく、
工具表面に堆積した切屑のみを除去するとともに、繰り
返しの撓み動作にも容易に屈曲することがない材質(ナ
イロンなど)を使用する。さらに、ナイロンブラシに限
らず、砥粒の固着した、砥粒入りブラシでロール状ブラ
シ35a、35bを構成してもよい。この場合、砥粒を
含まないロール状ブラシに比べ、効率的に、工具表面に
堆積した切屑を除去できる。ここで、ロール状ブラシ3
5a、35bに固着する砥粒としては、ダイヤモンドと
いった超砥粒をはじめ、炭化珪素、酸化アルミニウムと
いった一般砥粒を使用できる。
【0083】なお、ロール状ブラシ35a、35bを配
設する場所は、本実施例に限らず、工作物24が送り込
まれないメインローラ23a、23c間またはメインロ
ーラ23b、23c間、あるいは、メインローラ23a
〜23c以外の箇所であってもよい。特に、ロール状ブ
ラシ35a、35bをメインローラ23a〜23c上に
配設することが好ましい。これは、各ローラ間でロール
状ブラシ35a、35bをワイヤ工具に押し当てた場
合、その押圧力により、ワイヤ工具が振動を起こす恐れ
があるが、メインローラ23a〜23c上で押し当てる
ことにより、この問題を解決することができる。また、
本実施形態では、一対のロール状ブラシ35a、35b
を配設しているが、これに限らず、1本のみ配設しても
よい。
【0084】また、本実施形態に係るクリーニング装置
の制御部は、前述のように、コントローラ、操作表示部
などで構成され、この操作表示部の操作で、動作モード
の設定/表示や動作開始/停止指示が可能なように構成
されている。
【0085】次に、1方向にワイヤ工具を走行させる場
合のクリーニング方法について説明する。
【0086】本実施形態のワイヤクリーニング方法は、
第1の実施形態に準じ、前記洗浄液洗浄工程と前記ブラ
シ洗浄工程とからなる。
【0087】洗浄液洗浄工程においては、前述のよう
に、切断加工開始と同時に前記ポンプ機構を駆動し、ワ
イヤ列20の走行方向に対して工作物24の下流側にあ
る洗浄ノズルから洗浄液(アルコール)を供給する。こ
の方法により、1方向走行による工作物24の切断加工
時、前記ワイヤ工具の表面に付着・堆積した切屑が洗浄
液によって洗浄され、ワイヤ表面がクリーニングされる
こととなる。
【0088】また、ブラシ洗浄工程においては、切断加
工開始前に昇降機構28を駆動して前記ロール状ブラシ
35a、35bなどのブラシ洗浄機構を前記所定位置ま
で下降させる。次いで、切断加工開始と同時に前記駆動
モータを駆動し、ワイヤ列20の走行方向に対して工作
物24の下流側にあるロール状ブラシを、ワイヤ列20
の走行方向と対向する方向(図中、矢印方向)に回転さ
せる。この方法により、1方向走行による工作物24の
切断加工時、前記ワイヤ工具の表面に付着・堆積した切
屑は、前述のように洗浄液によって洗浄されるととも
に、ロール状ブラシによって除去されることとなる。
【0089】こうして、前記ワイヤ工具が全て巻き取ら
れて1方向の切断加工が終了すると、次いで、前記ワイ
ヤ工具の走行方向を逆方向に切り換える。ここで、ワイ
ヤ列20の走行方向に対して工作物24の下流側にある
洗浄ノズルから洗浄液を供給するとともに(洗浄液洗浄
工程)、前記駆動モータを駆動して、ワイヤ列20の走
行方向と対向する方向(図中、矢印方向)にロール状ブ
ラシを回転させる(ブラシ洗浄工程)。
【0090】次に、双方向にワイヤ工具を走行させる場
合のクリーニング方法について説明する。この場合、第
1の実施形態に準じ、予め双方向におけるワイヤ工具の
走行量が異なるように設定して、前記ワイヤ工具を往復
走行することにより、いずれかのワイヤロールにて前記
ワイヤ工具を巻き取る。
【0091】前記洗浄液洗浄工程においては、ワイヤ列
20の走行方向に対して工作物24の下流側にある洗浄
ノズルから洗浄液を供給するように、1サイクルに1
回、往走行と復走行で洗浄ノズル27a、27bを切り
換える。あるいは、各サイクルとも同時に洗浄ノズル2
7a、27bから洗浄液を供給するように制御する。
【0092】また、前記ブラシ洗浄工程においては、切
断加工開始前に昇降機構28を駆動して前記ブラシ洗浄
機構を前記所定位置まで下降させる。次いで、切断加工
開始と同時に前記駆動モータを駆動し、ワイヤ列20の
走行方向に対して工作物24の下流側にあるロール状ブ
ラシを、ワイヤ列20の走行方向と対向する方向(図
中、矢印方向)に回転させる。あるいは、各サイクルと
も同時に前記駆動モータを駆動し、ロール状ブラシ35
a、35bをワイヤ列20の走行方向と対向する方向
(図中、矢印方向)に回転させる。
【0093】本実施形態においても、洗浄液の供給後、
ワイヤ表面に残留した切屑がロール状ブラシ35a、3
5bによる洗浄で確実に除去され、また、ロール状ブラ
シ自体も洗浄されることとなる。
【0094】なお、本実施形態に限らず、1駆動モータ
の駆動をロール状ブラシ35a、35bに伝達し、ロー
ル状ブラシ35a、35bの回転軸にワンウェイクラッ
チを設けて、それぞれ1方向(図中、矢印方向)のみの
駆動伝達がなされるように構成してもよい。この場合、
ワイヤ走行方向に応じて前記1駆動モータを正逆切り替
えて駆動することになる。
【0095】また、本実施形態に限らず、前述のように
クリーニング動作(前述の洗浄液洗浄工程、ブラシ洗浄
工程を含む)を予め設定した間隔で不連続に行い、ある
いは予め設定した期間に行うようにしてもよい。あるい
は、前述のようにクリーニング動作を示すクリーニング
モードを前記操作表示部から設定可能とし、クリーニン
グモードが設定されている場合は切断加工時にクリーニ
ング動作を行い、クリーニングモードが設定されていな
い場合には、ロール状ブラシ35a、35bおよび洗浄
ノズル27a、27bなどをワイヤ列20から離間し
て、所定位置に退避させるように制御してもよい。
【0096】また、本実施形態に限らず、ロール状ブラ
シ35a、35bを軟質弾性部材で構成してもよい。例
えば、円筒状本体の周壁に複数の突起を有するスポンジ
部材を有し、本体の中心軸周りに回転可能なスポンジブ
ラシを用いる。この場合、前記ブラシ洗浄工程では、前
記スポンジブラシをワイヤ走行速度よりも低速で回転さ
せることにより、前記スポンジブラシによってワイヤ表
面の切屑を拭い取るように掻き落とすこととなる。この
構成により、少なくとも切断加工中は、ワイヤ表面に供
給した洗浄液をスポンジブラシで保持しながら、ワイヤ
工具に付着・堆積した切屑を容易に掻き落とすことがで
きる。
【0097】[第4の実施形態]図6に、本発明の第4
の実施の形態に係るワイヤ工具のクリーニング装置の要
部構成を示す。なお、本実施形態の全体構成は、ブラシ
の昇降機構を除いて第1の実施形態と概ね同様であるた
め、図1を用いるとともに、同一構成には同一符号を付
与して説明を省略する。
【0098】本実施形態は、第1の実施形態とは、ワイ
ヤ工具による工作物24の切断加工を行いながら、前記
ワイヤ工具の使用部分を挟持して拭き取るスポンジブラ
シ対36a、37a、36b、37bと、前記ワイヤ工
具の使用部分およびワイヤ清掃用のスポンジブラシ対3
6a、37a、36b、37bに洗浄液31を供給する
洗浄ノズル27a、27bなどの洗浄液供給機構とを設
け、このスポンジブラシ対36a、37a、36b、3
7bの軸方向とワイヤ走行方向とが直交するように配置
した点が相違している。この構成により、前記ワイヤ工
具に洗浄液31の供給しながら、スポンジブラシ対36
a、37a、36b、37bのリップ部を通過させて適
切な拭き取り洗浄動作を行うことで、前記ワイヤ工具の
表面に付着・堆積した切屑を確実にクリーニングするす
ることができる。
【0099】図6において、従動側のスポンジブラシ3
6a、36bは、円筒状本体の周壁に軟質弾性部材の層
(スポンジ層)を形成したもので、回転可能に軸支され
るとともに、駆動側のスポンジブラシ37a、37bに
それぞれ当接して連れ回りするように構成されている。
また、駆動側のスポンジブラシ37a、37bも、スポ
ンジ層を軸周りに形成したものである。このスポンジブ
ラシ37aの支持軸は、駆動モータ(図示せず)の回転
軸に連結され、スポンジブラシ37bの支持軸は、他の
駆動モータ(図示せず)の回転軸に連結されている。こ
れらの駆動モータの駆動により、クリーニング動作時、
スポンジブラシ対36a、37a、36b、37bはそ
れぞれ図中矢印方向に回転する。なお、各スポンジブラ
シ36a、36b、37a、37bは、それぞれ図示し
ない接離機構(例えば、スプリングやソレノイド機構)
により、ワイヤ列20および対向スポンジブラシと接離
可能に構成され、加工時以外はワイヤ列20および対向
スポンジブラシと離間、退避している。
【0100】また、スポンジブラシ対36a、37a、
36b、37bは、ワイヤ列20の各ワイヤを挟持しな
がら、メインローラ23a、23bのローラ面と接触し
ないように離間、配設されている。なお、本実施形態に
限らず、砥粒入りスポンジブラシを用いてもよい。この
場合、砥粒を含まないスポンジブラシに比べ、効率的
に、工具表面に堆積した切屑を除去できる。ここで、前
記砥粒としては、ダイヤモンドといった超砥粒をはじ
め、炭化珪素、酸化アルミニウムといった一般砥粒を使
用できる。また、本実施形態に限らず、前記スポンジ層
の表面に凹凸(複数の突起)を形成し、ワイヤ列20の
各ワイヤ間とスポンジ層の凹凸部が交差するようにして
もよい。この構成により、前述のようにワイヤ工具に供
給した洗浄液31をスポンジ層で保持しながら、ワイヤ
外周を確実に拭い取ることができる。
【0101】なお、スポンジブラシ対36a、37a、
36b、37bを配設する場所は、本実施例に限らず、
工作物24が送り込まれないメインローラ23a、23
c間またはメインローラ23b、23c間、あるいは、
メインローラ23a〜23c以外の箇所であってもよ
い。また、本実施形態では、2対のスポンジブラシ対3
6a、37a、36b、37bを配設しているが、これ
に限らず、1対のみ配設してもよい。さらに、従動側の
スポンジブラシ対36a、36bの支持軸に1方向クラ
ッチを設け、スポンジブラシ対36a、36bが加工後
のワイヤ工具の巻取り方向と反対方向にのみ回転するよ
うにしてもよい。
【0102】また、第1の実施形態に準じ、前記ワイヤ
工具は、一対のワイヤロール(巻取り側および送出し
側)21a、21bに巻きまわされ、複数のガイドロー
ラを介して一対のワイヤロール21a、21b間を走行
しながら、複数のメインローラ23a〜23cに巻き掛
けられることで、水平なワイヤ列20を形成している。
また、昇降機構25は、工作物24がその下部に装着さ
れたテーブルを垂直に昇降移動するもので、例えばボー
ルネジ機構および直線ガイド機構からなる。ここで、一
対のワイヤロール21a、21bが駆動モータの駆動で
回転することにより、ワイヤ列20が設定方向に走行
し、昇降機構25の駆動で工作物24が下降して、メイ
ンローラ23a、23b間に送り込まれると、前記ワイ
ヤ工具でマルチ切断加工がなされる。
【0103】また、第1の実施形態に準じ、工作物24
を切断加工した後のワイヤ列20に対して、前記ポンプ
機構により、洗浄液槽26に貯蔵されたアルコールなど
の洗浄液31を、多数の噴射孔を有する2基の洗浄ノズ
ル27a、27bから供給するように構成している。こ
の洗浄ノズル27a、27bの長手方向は、ワイヤ列2
0の走行方向と直交している。
【0104】次に、1方向にワイヤ工具を走行させる場
合のクリーニング方法について説明する。
【0105】本実施形態のワイヤクリーニング方法は、
第1の実施形態に準じ、前記洗浄液洗浄工程と前記ブラ
シ洗浄工程に替わるスポンジ洗浄工程とからなる。
【0106】洗浄液洗浄工程においては、前述のよう
に、切断加工開始と同時に前記ポンプ機構を駆動し、ワ
イヤ列20の走行方向に対して工作物24の下流側にあ
る洗浄ノズルから洗浄液(アルコール)31を供給す
る。この方法により、1方向走行による工作物24の切
断加工時、前記ワイヤ工具の表面に付着・堆積した切屑
が洗浄液31によってクリーニングされることとなる。
【0107】また、スポンジ洗浄工程においては、切断
加工開始と同時に前記駆動モータを駆動し、ワイヤ列2
0の走行方向に対して工作物24の下流側にあるスポン
ジブラシを、ワイヤ列20の走行方向と対向する方向
(図中、矢印方向)に回転させる。この方法により、1
方向走行による工作物24の切断加工時、前述のように
洗浄液31が供給された前記ワイヤ工具が、スポンジブ
ラシ対で挟持されながら巻き取られる際、前記ワイヤ工
具の表面に付着・堆積した切屑(洗浄液31の供給のみ
では除去しきれなかったもの)が前記スポンジブラシ対
のニップ部で拭い取られて除去されることとなる。
【0108】こうして、前記ワイヤ工具が全て巻き取ら
れて1方向の切断加工が終了すると、次いで、前記ワイ
ヤ工具の走行方向を逆方向に切り換える。ここで、ワイ
ヤ列20の走行方向に対して工作物24の下流側にある
洗浄ノズルから洗浄液31を供給するとともに(洗浄液
洗浄工程)、前記駆動モータを駆動して、ワイヤ列20
の走行方向と対向する方向(図中、矢印方向)にスポン
ジブラシ対を回転させる(スポンジ洗浄工程)。
【0109】次に、双方向にワイヤ工具を走行させる場
合のクリーニング方法について説明する。この場合、第
1の実施形態に準じ、予め双方向におけるワイヤ工具の
走行量が異なるように設定して、前記ワイヤ工具を往復
走行することにより、いずれかのワイヤロールにて前記
ワイヤ工具を巻き取る。
【0110】洗浄液洗浄工程においては、ワイヤ列20
の走行方向に対して工作物24の下流側にある洗浄ノズ
ルから洗浄液を供給するように、1サイクルに1回、往
走行と復走行で洗浄ノズルを切り換える。あるいは、各
サイクルとも同時に洗浄ノズル27a、27bから洗浄
液31を供給するように制御する。
【0111】また、スポンジ洗浄工程においては、切断
加工開始と同時に前記駆動モータを駆動し、ワイヤ列2
0の走行方向に対して工作物24の下流側にあるスポン
ジブラシを、ワイヤ列20の走行方向と対向する方向
(図中、矢印方向)に回転させる。あるいは、各サイク
ルとも同時に前記駆動モータを駆動し、スポンジブラシ
対36a、37a、36b、37bをワイヤ列20の走
行方向と対向する方向(図中、矢印方向)に回転させ
る。
【0112】本実施形態においては、洗浄液31の供給
のみでは除去しきれず、ワイヤ表面に残留した切屑が、
洗浄液31を含んだスポンジブラシ対36a、37a、
36b、37bの拭き取り動作で確実に除去され、ま
た、スポンジブラシ自体も洗浄液31で洗浄されること
となる。
【0113】なお、本実施形態に限らず、1駆動モータ
の駆動を駆動側のスポンジブラシ37a、37bに伝達
し、スポンジブラシ37a、37bの駆動軸に1方向ク
ラッチを設けて、それぞれ1方向(図中、矢印方向)の
みの駆動伝達がなされるように構成してもよい。この場
合、ワイヤ走行方向に応じ、前記1駆動モータを正逆切
り替えて駆動することとなる。また、本実施形態に限ら
ず、前記駆動モータを間欠駆動し、駆動側のスポンジブ
ラシ37a、37bが予め設定した間隔で1方向(図
中、矢印方向)に回転するようにしてもよい。この方法
により、消費電力を低減しつつ、ワイヤ表面を拭き取る
ローラ面を適宜変更することができる。
【0114】さらに、前述の各実施形態で、洗浄液31
を供給する際、高圧状態で噴射、供給するようにしても
よい。この方法により、ワイヤ工具の表面に付着・堆積
した切屑を高圧洗浄液で吹飛ばすことができ、洗浄液洗
浄工程での洗浄能力が向上する。
【0115】前述の各実施形態では、ワイヤロール21
a、21bなどが前記ワイヤ走行手段を構成し、清掃部
材30a、30b(ブラシ30′)、ロール状ブラシ3
5a、35b、スポンジブラシ36a、37aなどが前
記ブラシを構成し、昇降機構28、ロボット部33など
が前記移動手段を構成し、アクチュエータ29a、29
b、ロボット部33などが前記揺動手段を構成し、ロー
ラ駆動部36a、36b、前記駆動モータなどが前記駆
動手段を構成し、洗浄ノズル27a、27b、洗浄液槽
26、前記ポンプ機構などが前記洗浄液供給手段を構成
し、スポンジブラシ対36a、37aなどが前記ロール
状ブラシ対を構成する。
【0116】
【実施例】前述の第1の実施形態に準じたワイヤ工具ク
リーニング装置について、クリーニング特性評価を行っ
た。まず、ワイヤ列20を形成するワイヤ工具として
は、30m長のレジンボンドダイヤモンドワイヤ工具を
用い、また工作物24には、3インチのシリコンインゴ
ットを用い、そして切断方法としては、ワイヤ列20が
双方向に往復動する方法を採用した。ここで、切断条件
は、工具線速度700m/min、工具切込み速度1m
m/min、工具張力30N、切断時間30minであ
る。なお、シリコンインゴット24の切断部に対して
は、加工液として純水を供給する。また、ブラシ30′
としてナイロンブラシを用い、このナイロンブラシ3
0′および洗浄液供給装置(洗浄ノズル27a、27
b)を、工作物24を挟む、メインローラ23a、23
b上に1対設置する。また、洗浄ノズル27a、27b
から供給する洗浄液31には、エチルアルコールを使用
する。
【0117】この構成により、切断加工開始と同時に、
ナイロンブラシ30′を、マルチに張られたワイヤ列2
0に押し当て、同時に洗浄液31を供給する。そして、
ワイヤ工具走行方向の直交方向に、ナイロンブラシ3
0′を、揺動距離(アクチュエータ29a、29bによ
るブラシ駆動量)2mm、揺動周波数(アクチュエータ
29a、29bの振動数)1Hzで、往復動させる。な
お、本実施例との比較対象として、シリコンインゴット
24の切断部に対する加工液として純水のみを供給し、
クリーニング処理は施さない切断加工を実施した。
【0118】ここで、図7に切断加工前後のワイヤ工具
断面を模式的に示す。図7(a)は、ダイヤモンド砥粒
12および添加材14を含む結合剤層13がワイヤ11
の表面に形成されたレジンボンドダイヤモンドワイヤ工
具の加工前の断面を示す。切断加工前なので、ダイヤモ
ンド砥粒12の剥離や結合材層13の摩耗は見られな
い。
【0119】図7(b)は、本実施例で切断加工直後
に、前述の洗浄液洗浄工程およびブラシ洗浄工程からな
るクリーニングを施した、レジンボンドダイヤモンドワ
イヤ工具の断面を示す。切断加工後にも拘わらず、ワイ
ヤ工具は目詰まりを生じておらず、また、一部結合剤層
13の摩耗が見られるものの、過剰に結合剤部分が削り
取られてもおらず、良好な工具表面状態を保っている。
【0120】図7(c)は、切断加工直後にクリーニン
グを実施しなかった場合のレジンボンドダイヤモンドワ
イヤ工具の断面を示す。クリーニングを実施せずに切断
加工を行った場合、加工後のワイヤ工具表面には、切屑
15が厚み5〜20μm程度堆積し、目詰まりを生じて
いる。
【0121】以上のワイヤ表面状態の比較にあわせて、
さらに、切断加工進行にともなう、切断能率(加工能
率)を測定したところ、本実施例のクリーニングを実施
しない場合は、徐々に切断能率が低下するのに対し、本
実施例のクリーニングを施した場合は、終始、加工初期
とほぼ同じ、一定の切断能率を維持できることが確認さ
れた。
【0122】なお、工具クリーニングの方法として、洗
浄液(エチルアルコール)の供給のみにて洗浄した場合
には、ワイヤ表面に付着・堆積した切屑を除去すること
が難しく、この場合、切断加工後のワイヤ表面の状態は
図7(c)と概ね同様であった。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
切断加工中に、固定砥粒ワイヤ工具の表面を適切にクリ
ーニングすることで、ワイヤ工具の目詰まりを確実に防
止できるとともに、安定した切断加工が実現され、また
過剰に工具を摩耗させないため、工具の長寿命化を実現
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るワイヤ工具の
クリーニング装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るワイヤ工具の
クリーニング装置の要部を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る洗浄ノズルの
噴射孔および清掃部材のブラシの配置を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るワイヤ工具の
クリーニング装置の概略構成図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るワイヤ工具の
クリーニング装置の要部を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係るワイヤ工具の
クリーニング装置の要部を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るワイヤ工具の
クリーニング方法によるクリーニング結果を示す図であ
る。
【図8】マルチワイヤ切断方式を示す図である。
【符号の説明】
20 ワイヤ列(ワイヤ工具) 21a、21b ワイヤロール 23a〜23c メインローラ 24 工作物(シリコンインゴッド) 25、28 昇降機構 26 洗浄液槽 27a、27b 洗浄ノズル 29a、29b アクチュエータ 30a、30b ブラシ(ナイロンブラシ) 31 洗浄液(アルコール) 36a、37a、36b、37b ブラシ(スポンジブ
ラシ)対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C047 FF06 FF09 FF19 3C058 AA05 AC01 CA05 CB03 CB06 DA03

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒ワ
    イヤ工具のクリーニング方法であって、 前記固定砥粒ワイヤ工具を用いた切断加工時に、走行中
    のワイヤ工具にブラシを押し当てることによって、ワイ
    ヤ表面をクリーニングすることを特徴とする固定砥粒ワ
    イヤ工具のクリーニング方法。
  2. 【請求項2】ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒ワ
    イヤ工具のクリーニング方法であって、 前記固定砥粒ワイヤ工具を用いた切断加工時に、走行中
    のワイヤ工具にブラシを当接し、このブラシを駆動する
    ことによって、ワイヤ表面をクリーニングすることを特
    徴とする固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング方法。
  3. 【請求項3】ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒ワ
    イヤ工具のクリーニング方法であって、 前記固定砥粒ワイヤ工具を用いた切断加工時に、走行中
    のワイヤ工具にブラシを当接し、このブラシを回転する
    ことによって、ワイヤ表面をクリーニングすることを特
    徴とする固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング方法。
  4. 【請求項4】前記ブラシは、ナイロンブラシからなるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の固定砥粒ワイ
    ヤ工具のクリーニング方法。
  5. 【請求項5】前記ブラシは、スポンジブラシからなるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の固定砥粒ワイヤ工具の
    クリーニング方法。
  6. 【請求項6】前記ブラシは、砥粒が固着された砥粒入り
    ブラシからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング方法。
  7. 【請求項7】前記走行中のワイヤ工具に対して洗浄液を
    供給することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング方法。
  8. 【請求項8】前記洗浄液は、アルコールからなることを
    特徴とする請求項7に記載の固定砥粒ワイヤ工具のクリ
    ーニング方法。
  9. 【請求項9】ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒ワ
    イヤ工具のクリーニング装置であって、 工作物の切断加工時に、前記固定砥粒ワイヤ工具を走行
    させるワイヤ走行手段と、工作物の切断加工でワイヤ表
    面に付着した汚れをクリーニングするためのブラシと、
    このブラシを移動して走行中のワイヤ表面に押し当てる
    ための移動手段とを備えたことを特徴とする固定砥粒ワ
    イヤ工具のクリーニング装置。
  10. 【請求項10】前記固定砥粒ワイヤ工具の走行方向に対
    し、前記ブラシの長手方向が直交した状態で、前記ブラ
    シがその長手方向に往復動するよう、前記ブラシを揺動
    する揺動手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載
    の固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング装置。
  11. 【請求項11】前記固定砥粒ワイヤ工具の走行方向に対
    し、前記ブラシの長手方向が直交した状態で、前記ブラ
    シがワイヤ走行方向に往復動するよう、前記ブラシを揺
    動する揺動手段を備えたことを特徴とする請求項9に記
    載の固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング装置。
  12. 【請求項12】前記ブラシが、走行中のワイヤ表面に当
    接しながら水平面上で楕円動するよう、前記ブラシを揺
    動する揺動手段を備えたことを特徴とする請求項9に記
    載の固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング装置。
  13. 【請求項13】ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒
    ワイヤ工具のクリーニング装置であって、 工作物の切断加工時に、前記固定砥粒ワイヤ工具を走行
    させるワイヤ走行手段と、ワイヤ走行方向に対して長手
    方向が直交するように軸支されたロール状ブラシと、こ
    のロール状ブラシを移動してワイヤ表面に当接させるた
    めの移動手段と、前記ロール状ブラシを回転駆動するた
    めの駆動手段とを備え、 前記移動手段で前記ロール状ブラシを移動してワイヤ表
    面に当接させ、前記ワイヤ走行手段で前記固定砥粒ワイ
    ヤ工具を走行させながら、前記駆動手段で前記ロール状
    ブラシを回転させることで、工作物の切断加工時にワイ
    ヤ表面に付着した汚れをクリーニングすることを特徴と
    する固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング装置。
  14. 【請求項14】ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒
    ワイヤ工具のクリーニング装置であって、 工作物の切断加工時に、前記固定砥粒ワイヤ工具を走行
    させるワイヤ走行手段と、ワイヤ走行方向に対して長手
    方向が直交するように軸支され、前記固定砥粒ワイヤ工
    具を挟持可能なロール状ブラシ対と、このロール状ブラ
    シ対を回転駆動するための駆動手段とを備え、 前記ワイヤ走行手段で前記固定砥粒ワイヤ工具を走行さ
    せながら、前記ロール状ブラシ対で前記固定砥粒ワイヤ
    工具を挟持し、前記駆動手段で前記ロール状ブラシ対を
    回転させることで、工作物の切断加工時にワイヤ表面に
    付着した汚れをクリーニングすることを特徴とする固定
    砥粒ワイヤ工具のクリーニング装置。
  15. 【請求項15】前記ワイヤ表面に洗浄液を供給する洗浄
    液供給手段を備えたことを特徴とする請求項9〜14の
    いずれかに記載の固定砥粒ワイヤ工具のクリーニング装
    置。
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