JP4792351B2 - ドリル刃の清掃機 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の切粉除去装置は、NC工作機械である自動穴明装置81に付属して設けられ、穴加工が終了する度に、ドリル刃88を切粉除去装置82を構成する回転ブラシ89の位置に移動させて、ナイロン製のブラシ毛を有する回転ブラシ89により、ドリル刃88に付着した切削屑92を除去する。この際、図7に示すように、ドリル刃88の軸と回転ブラシ89の回転軸とは直行し、ドリル刃88が回転ブラシ89の外周に接する位置になるよう設定されている。回転ブラシ89の回転方向は、ドリル刃88との当接位置において下方(ドリル刃88の先端方向に向かう方向)となる方向(図7の矢印方向)に設定され、ドリル刃88に巻きついた切削屑92を下側に落とす(特許文献1 段落0009−0011、第2図)。
また、回転ブラシからドリル刃に掛かる応力が大きくなりやすく、特に径が1mm以下であるような前記プリント基板穴明け用ドリル刃の清掃を行う場合には、ドリル刃が曲がったり折損したりするなどの問題が生じやすいという課題がある。
すなわち、螺旋状のドリル溝が形成されたドリル刃を保持するチャックと、外周部に設けられたブラシ毛が、前記チャックに保持されたドリル刃に当接して、該ドリル刃に付着した切削屑を除去する回転ブラシとを備えたドリル刃の清掃機において、前記回転ブラシは、ドリル刃との当接位置における、回転時の前記ブラシ毛の進行方向と前記ドリル溝の方向とが、一致するよう設けられていることを特徴とする。
これによれば、ドリル溝内に詰まった切削屑を、効率よく好適に除去できる。また、回転ブラシをドリル刃に強く当接させなくてもドリル溝内の切削屑を除去できるから、細径のドリル刃であっても曲がったり折損させたりすることなく、好適に清掃を行うことができる。
これによれば、様々な種類のドリル刃に対して、回転時のブラシ毛の進行方向とドリル溝との方向を一致させるよう、好適に調節することができる。
これによれば、ドリル溝に詰まって、ドリル溝内に繋がった状態となった切削屑を、同時に複数箇所において切断できるから、切削屑の除去を高効率に行うことができる。
これによれば、清掃効率が高まるとともに、ドリル刃に対するブラシ毛の接触角度が色々に変化して、ドリル刃表面のあらゆる箇所において切削屑をより好適に除去できる。また、ドリル刃が回転ブラシの広い範囲にわたって当たることになり、回転ブラシの一部分のブラシ毛が早く磨耗することを防いで、回転ブラシの長寿命化および回転ブラシ一個当たりの総作業本数の増加に繋がる。
図1および図2は、本実施の形態に係るドリル刃の清掃機Aの外観図である。
本実施の形態に係るドリル刃の清掃機Aは、特に直径0.1〜1.0mm程度の細径のドリル刃の清掃に適するよう構成される。
ブラシ毛は、金属製、特に、ステンレス製に設けると好適である。また、ブラシ毛は、長さが7mm程度、太さ(径)は60〜80μm程度に形成される。
本実施の形態においては、清掃品質を向上させるため、ブラシ毛4aの先端部を、図4(b)に示すように、先鋭状となるよう、予め加工する。この加工方法は、ブラシ毛4aを研磨部材に当接させて、回転ブラシ4を回転させることで行う。研磨部材としては、大径(例えば10〜50mm程度)のドリル刃を用いるとよい。ブラシ毛4aを、径が10〜50mm程度のドリル刃の外周面に当接させて、回転ブラシ4を回転することで、ブラシ毛4aの先端部が、図4(b)に示すように先鋭状に研磨される。
なお、各回転ブラシ4は、回転軸18aに対してそれぞれ着脱可能に設けられ、交換できるよう設けられる。
本実施の形態において清掃されるドリル刃Dは、その外周面における、ドリル刃の軸線方向に対するドリル溝の角度が、45°である。したがって、回転ブラシ4の傾斜角度θも45°に設定する。
なお、回転ブラシ4を回転駆動させるモータ18dの駆動制御は、制御部14(後述)により行われる。回転ブラシの回転速度は、制御部14への操作により、ユーザーが任意に設定できるよう設けられる。
ドリル刃パレットリロード部7は、載置されたドリル刃パレットCを、コンベア機構により、図2中奥側のチャック8,8・・の下方から手前側へ、順次搬送する。
また、ドリル刃の清掃機Aは、ドリル刃パレットロード部6上の、チャック8,8・・の下方まで到達したドリル刃パレットCを、順次、図2中の左方向に平行移動し、ドリル刃パレットリロード部7上に移送する、ドリル刃パレット移送手段(図示せず)を有する。
なお、ドリル刃パレットロード部6およびドリル刃パレットリロード部7のコンベア機構、ならびに、ドリル刃パレット移送手段の駆動制御は、制御部14(後述)により行われる。
チャック8,8・・は、一般的なコレットチャックであり、円柱状の本体と、本体の端面(下面)に形成された、ドリル刃Dの刃先の他端側の根本が入り込む開口部8b(図3参照)と、その根本を挟持して保持する保持部とを有する。なお、前記保持部の駆動制御は、制御部14(後述)により行われる。
ドリル刃回転手段は、ドリル刃を50〜100rpmで回転させることができるよう設けられる。この回転速度であれば、細径(径が1mm以下)のドリル刃であっても無理な応力が掛かることなく、好適に清掃効率を上げることができる。また、この回転速度は、制御部14への操作により、ユーザーにより任意に設定可能に設けられる。
また、この鉛直駆動部12は、後述する往復動手段を構成する。
なお、制御部14の制御の手順を表すタイムチャートは、ユーザーが任意に設定可能に設けられている。これは、制御部14の操作パネル14a(図1参照)や、図示しないインタフェースに接続したパソコン等を介して入力および設定することができる。
続いて、制御部14は、鉛直駆動部12のモータ12bを制御し、チャック8,8・・を下方に下げるよう駆動し(図5 「チャック上下」の「ドリル受取」)、チャック8,8・・の開口部8b内に、ドリル刃パレットロード部6上のドリル刃パレットCに収納されたドリル刃Dの根本を入れる。そして、チャック8,8・・の前記保持部を閉じるよう制御を行い、チャック8,8・・によりドリル刃Dを保持する。続いて、制御部14は、鉛直駆動部12のモータ12bを制御し、チャック8,8・・を上方に上げる。
したがって、チャック8,8・・にドリル刃D,D・・を保持する際には、チャック8,8・・を複数回(3回)上下させ、一回上下動に伴ってドリル刃パレットCに収納されたドリル刃Dを二つおきに保持し、上下動の一回ごとに、チャック8,8・・とドリル刃パレットCとの水平方向(図1,図2中の左右方向)の位置関係を、水平駆動部10を駆動してずらしていくことで、全てのチャック8,8・・にドリル刃パレットC一列分のドリル刃D,D・・の全てを保持させる。
なお、図5のタイムチャート上では、この鉛直駆動部12(チャック上下)の複数回の駆動を、1回の上下動に省略して記載している。
そして、制御部14は、鉛直駆動部12のモータ12bを駆動してチャック8,8・・を下降させる。回転ブラシ4,4・・およびチャック8,8・・は、このときに回転ブラシ4の外周面のブラシ毛4aと、チャック8に保持されたドリル刃Dの外周面とが当接するよう、予め配設位置が調節されて設けられている。
なお、本実施の形態においては、この停止時間は、0.5sに設定している。
この際の鉛直駆動部12の駆動速度は、1.5〜5.0mm/sであることが望ましい。この速度であれば、径が0.1〜1.0mm程度の細径のドリル刃Dであっても、無理な応力が掛からず、曲がったり折損したりすることなく、かつ高効率に切削屑の清掃を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、前記往復動を2回行う。
なお、この「チャック上下」に該当する駆動と、「往復動」に該当する駆動とを、別々の駆動部により実現するよう構成してもよい。例えば、チャック支持部8a上に、「往復動」用として各チャック8,8・・をドリル刃D,D・・の軸線方向に移動させる機構を設けてもよい。
これにより、回転ブラシ4とドリル刃Dとを当接させた清掃の工程(図5 「1回目清掃」および「2回目清掃」)において、ドリル溝に詰まって、ドリル溝内に繋がった状態となった切削屑を、前記軸線方向に並んだ複数箇所において同時に除去して切断できるから、ドリル溝内に詰まった切削屑の除去を高効率に行うことができる。
続いて、制御部14は、ドリル刃パレットロード部6のコンベア機構を駆動させて、ドリル刃パレットCの、次の列がチャック8,8・・の真下に来るよう、ドリル刃パレットCをチャック8,8・・の並び方向に垂直な水平方向(図2中の奥行き方向)に移動させる(図5 「製品列変更」)。
なお、一つのドリル刃パレットC内の全ての列の清掃が終わると、制御部14はドリル刃パレット移送手段を駆動して、ドリル刃パレットロード部6上のそのドリル刃パレットCをドリル刃パレットリロード部7上に移送させ、ドリル刃パレットロード部6上の次のドリル刃パレットCを、コンベア機構によりチャック8,8・・の真下に移動させる。
また、ドリル刃パレットリロード部7上の、清掃済みのドリル刃D,D・・が収納されたドリル刃パレットCは、順次、ドリル刃パレットロード部6上のドリル刃パレットCとは逆方向にコンベア機構により移動され、ドリル刃の清掃機Aから排出される。
例えば、ドリル刃の清掃機A上に、ゴム質等の弾性体を設け、ドリル刃D,D・・を回転ブラシ4,4・・に当接させる清掃(図5 「1回目清掃」および「2回目清掃」)の終了後、鉛直駆動部12および水平駆動部10を駆動させて、ドリル刃D,D・・をその弾性体の上方に移動させ、さらに鉛直駆動部12を駆動させてドリル刃D,D・・の先端をその弾性体に当接させて、ドリル刃D,D・・の先端の端面に付着している切削屑を弾性体へ転写させるドリル刃先端清掃手段および工程ステップを設けるとよい。
これによれば、回転ブラシだけでは除去しにくい、ドリル刃の先端に付着した切削屑を、好適に除去することができる。
また、エア吸引手段を設けることで、ドリル刃Dから除去された切削屑を吸引して、回転ブラシ4や装置周辺を清潔に保つことができる。
C ドリル刃パレット
D ドリル刃
2 基台
4 回転ブラシ
4a ブラシ毛
6 ドリル刃パレットロード部
7 ドリル刃パレットリロード部
8 チャック
10 水平駆動部
12 鉛直駆動部(往復動手段)
14 制御部
Claims (5)
- 螺旋状のドリル溝が形成されたドリル刃を保持するチャックと、
外周部に設けられたブラシ毛が、前記チャックに保持されたドリル刃に当接して、該ドリル刃に付着した切削屑を除去する回転ブラシとを備えたドリル刃の清掃機において、
前記回転ブラシは、ドリル刃との当接位置における、回転時の前記ブラシ毛の進行方向と前記ドリル溝の方向とが、一致するよう設けられていることを特徴とするドリル刃の清掃機。 - 前記回転ブラシとドリル刃との当接位置における、回転時の前記ブラシ毛の進行方向と前記ドリル溝の方向とを一致させるべく、前記回転ブラシの回転軸とドリル刃との相対角度を調節可能な角度調節手段を備えることを特徴とする請求項1記載のドリル刃の清掃機。
- 前記回転ブラシは、ドリル刃の側面にドリル刃の軸線方向に並んで表れる前記ドリル溝の複数箇所に対して同時に当接するよう、ドリル刃との当接位置における幅が、該軸線方向に隣り合う各該複数箇所の間隔よりも広く設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のドリル刃の清掃機。
- 前記ブラシ毛は、前記回転ブラシの回転軸に対して放射状に配設されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項記載のドリル刃の清掃機。
- ドリル刃を前記回転ブラシに当接させた状態で、ドリル刃を、回転ブラシに対して相対的に、ドリル刃の軸線方向に往復動させる往復動手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項記載のドリル刃の清掃機。
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