JP4224293B2 - バリ取り装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バリ取り装置に関し、特に、大径部と小径部を有する円柱状の被加工物の大径部の側端縁から軸方向に突出する加工バリを除去するバリ取り装置に関する。
【0002】
【従来技術】
例えばエンジンのカムシャフトには、カム面に研削加工が施されるが、その研削加工によってカム面の軸方向両側の側端縁には、軸方向に向かって突出するバリが発生してしまう。そこで、従来より、このバリを除去する方法及び装置が種々提案されている。
【0003】
図8は、従来のバリ取り装置を示す説明図である。この装置は、円周面に沿って溝が形成された円柱状の被加工物100を保持してその軸線の回りに回転させる被加工物保持部101と、この被加工物保持部101に保持されている被加工物100を挟む位置にて互いに対向配置された一対のカップ型ブラシ102と、これら一対のカップ型ブラシ102をそれぞれ保持して正逆方向に回転駆動するブラシ回転駆動部103と、これらのカップ型ブラシ102を被加工物100に接離する方向に往復移動させる第1テーブル部104と、これらのカップ型ブラシ102を被加工物100の軸線方向に相対的に移動させる第2テーブル部105を有している。
【0004】
カップ型ブラシ102は、回転中心軸線L2が被加工物100の軸線L1に直交するようにブラシ回転駆動部103に保持される円板状の基板102aと、この基板102aの一方面に植立され、基板102aから回転中心軸線に沿って突出する無数の線材102bを有している。
【0005】
この装置を用いてバリを取る場合には、先ず、被加工物100を保持してその軸線L1の回りに回転させる。そして、これら一対のカップ型ブラシ102を回転させながら被加工物100に当接させる。これにより、カップ型ブラシ102の線材102bを溝100aのエッジ部分に発生しているバリに当接させ、バリを根本から折ることによってカムシャフトから取り除いている。(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−57586号(段落番号「0009」〜「0010」、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置では、既に研削加工されている外周面100bもカップ型ブラシ102の線材102bによって擦られることとなる。したがって、研削加工された加工面(カム面)100bへの傷付きを防止すべく、線材102bをナイロンなどの柔らかい合成樹脂製の材料によって構成した場合には、バリは折れ曲がるだけで、除去することは難しい。一方、バリを確実に除去するために、線材102bを固いものによって構成した場合には、加工面100bに傷を付けてしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、加工面に傷を付けることなくバリを確実に除去することができるバリ取り装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の発明によるバリ取り装置は、大径部と小径部を有する円柱状の被加工物を保持して被加工物の軸線まわりに回転させる被加工物保持手段と、該被加工物保持手段によって回転される被加工物の側端縁に刃具を押接して前記大径部の側端縁から軸方向に突出する加工バリを除去するバリ除去手段を備えたバリ取り装置において、前記バリ除去手段は、前記被加工物保持手段によって保持された前記被加工物に対向して配置されるベース部と、 前記被加工物保持手段に保持された前記被加工物の側方位置で、前記被加工物の径方向外方に向かって延在し、前記被加工物の軸方向に所定距離だけ互いに離間して対をなし、互いに対向する面に基端に向かって移行するにしたがって、漸次互いに接近する傾斜面が形成された凹陥部を凹設し、該ベース部に揺動自在に支持され、前記刃具を保持する刃具ホルダを先端に有し、該刃具ホルダに保持された前記刃具を前記被加工物の側端縁に接離する方向に揺動自在なアーム部と、 前記ベース部に設けられ、前記アーム部の基端部よりも前記被加工物の径方向に離間した位置に基端が軸支され、先端側が前記被加工物の軸方向に揺動自在に支持されたシリンダと、該シリンダの先端より伸長及び収縮して前記一対のアーム部の間を該アーム部の延在方向に沿って往復移動可能なロッドと、該ロッドの先端に設けられ、一対の前記凹陥部内を前記アーム部の基端側に向かって移動することによって、前記傾斜面に当接し、前記アーム部の先端側を互いに接近する方向に揺動させる作動駒とを有し、前記一対のアーム部を該アーム部の先端側が互いに接近する方向に該作動駒を揺動させて、前記刃具を前記被加工物の前記大径部の両側端縁から押接するアーム部揺動手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
この発明によると、被加工物をその軸線の回りに回転させ、大径部の側端縁に刃具を押接することから、加工バリをその根本からそぎ落とし、被加工物から完全に除去できる。また、大径部の外周面に対して非接触とすることにより、バリ取り作業に起因した大径部の外周面への傷付きを防止できる。また、アーム部揺動手段によってアーム部を揺動させることにより、刃具ホルダに保持されている刃具を大径部の側端縁に押接することができる。したがって、てこの原理によって、より大きな押接力で刃具を大径部の側端縁に押接することができ、加工バリを完全に除去することができる。また、刃具ホルダで刃具を保持させたことにより、刃具の交換作業の容易化が図れる。更に、1つのアーム部揺動手段によって一対のアーム部を揺動させることができる。したがって、アーム部揺動手段の個数を少なくすることができ、装置の製造コスト、及び運転コストを低くすることができる。更に特徴的な点として、凹陥部内で作動駒をアーム部の基端側に向かって移動させることによって、一対のアーム部の先端を互いに接近する方向に揺動させることができる。そして、シリンダの基端をベース部に軸支して、先端側を被加工物の軸方向に揺動自在に支持したことから、大径部の両方の側端縁に対して一対の刃具を互いに等しい押圧力で押接することができる。従って、例えば、被加工物の保持位置がバリ除去手段に対して軸方向にズレた場合や、製造誤差によって大径部の位置が軸方向にズレた場合には、シリンダの先端側を被加工物の軸方向に揺動させて、その軸方向のズレに追従させることができる。したがって、大径部の側端縁から加工バリを完全に除去することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバリ取り装置において、バリ除去手段の位置を、被加工物にバリ取り加工を施す加工位置と、被加工物から離間した待避位置とに変更可能な移動手段を有することを特徴とする。
【0012】
この発明によると、バリ除去手段の配置位置を、加工位置と待避位置に移動させることができるので、待避位置で刃具の交換作業や点検作業、清掃作業などを行うことができ、メンテナンスの容易化が図れる。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載のバリ取り装置において、刃具は、大径部の側面に刃具の先端が対向し、径方向外側に向かって延在し、刃具の基端が被加工物よりも径方向外側に位置し、刃具の先端から基端に移行するにしたがって大径部の側面に漸次接近し、被加工物の径方向に対して傾斜した姿勢状態で被加工物の側端縁に押接可能に保持されることを特徴とする。
【0016】
この発明によると、被加工物の径方向に対して傾斜した姿勢状態で刃具を被加工物の側端縁に押接するので、側端縁の角を取るように刃具を押接することができる。したがって、加工バリをその根本からそぎ落とし、完全に除去することができる。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリ取り装置において、ベース部は、加工位置で被加工物よりも上方位置に配置され、ベース部の下方位置にアーム部とアーム部揺動手段を吊り下げ支持することを特徴とする。
【0018】
この発明によると、加工位置では、ベース部が被加工物よりも上方位置に配置されるので、被加工物から除去した加工バリがベース部に付着することなく、そのまま落下させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態におけるバリ取り装置1の全体説明図、図2は、図1のA方向矢視図、図3は、図1のB方向矢視図、図4は、図3の要部を拡大して示す説明図、図5は、図2の要部を拡大して示す説明図、図6は、図4のC方向矢視図、図7は、バリ取り状態の説明図である。
【0026】
図1で符号10は、被加工物保持手段、符号20は、バリ除去手段、符号60は、カムシャフトである。
【0027】
円柱状の被加工物であるカムシャフト60は、水平対向型6気筒エンジンのものであり、ハイカム61とローカム62を有したVVC用のカムシャフト60である。このカムシャフト60は、図3に示すように、大径部であるハイカム61及びローカム62と、小径部である軸部63とを有しており、ローカム62の両側にハイカム61が配置され、このローカム62とハイカム61との組合せを一組として1バルブごとに、合計で6組が軸方向に所定間隔をおいて配置されている。
【0028】
被加工物保持手段10は、図1に示すように、カムシャフト60の両端を保持して、その軸線のまわりに回転させるものであり、互いに所定距離離間した位置に対向して配置される主軸台11と心押し台16を備えている。
【0029】
主軸台11は、心押し台16に対して接近または離間する方向に移動可能な第1スライドテーブル機構12を有しており、その第1スライドテーブル機構12の上部には、カムシャフト60の一方端部を同軸回転可能に保持するヘッドストック13と、ヘッドストック13を回転駆動する回転モータ14が設けられている。
【0030】
一方、心押し台16は、主軸台11の第1スライドテーブル機構12と同方向に移動可能な第2スライドテーブル機構17を有しており、その第2スライドテーブル機構17の上部には、カムシャフト60の他方端部を同軸回転可能に保持する心押センタ18が設けられている。
【0031】
主軸台11のヘッドストック13と心押し台16の心押センタ18は、互いの回転中心軸線Lxが同一直線上に配置されており、第1スライドテーブル機構12と第2スライドテーブル機構17によって互いに接近する方向に移動させ、カムシャフト60のセンタ穴64、65(図3参照)にそれぞれ嵌合することによって、カムシャフト60の両端を同軸回転可能に保持することができ、ヘッドストック13の回転駆動によって、カムシャフト60をその軸線回りに回転させることができるように構成されている。
【0032】
バリ除去手段20は、図1に示すように、主軸台11と心押し台16との間の位置に配置されており、回転中心軸線Lxの側方位置に立設された支柱部(図示せず)に揺動自在に支持されている。
【0033】
バリ除去手段20のベース部21は、所定の厚さを有する平板状の鋼板部材によって構成されており、図2に実線で示すように、被加工物保持手段10に保持されたカムシャフト60の上方位置でカムシャフト60に沿って略水平方向に延在する加工位置と、図2に2点鎖線でその一部を示すように、ベース部21の端部に設けられた支持ブラケット22の支持軸23を揺動中心として略垂直方向に延在する待避位置に、その配置位置を移動可能に設けられている。そして、加工位置への配置によってカムシャフト60に対向するベース部21の対向面24には、図3及び図4に示すように、カムシャフト60を間に介してその両側に各々一列に並んで配置される複数のアーム部30と、そのアーム部30を揺動させるためのアーム部揺動手段40が設けられている。
【0034】
アーム部30は、図4に示すように、略角柱形状を有しており、ハイカム61及びローカム62に対してそれぞれ一対ずつ設けられており、互いに略平行でかつそれぞれがハイカム61及びローカム62の両側の側端面に対応する位置に配置されている。そして、ベース部21に沿って回転中心軸線Lxに直交する方向でかつカムシャフト60から離間する方向に向かって延在し、略中央部分がベース部21に軸支され、先端部31が回転中心軸線Lxの延在方向に揺動自在に支持されている。
【0035】
アーム部30の先端部31には、図4に示すように、刃具ホルダ32が設けられており、刃具35が保持されている。刃具35は、矩形の平板部材によって構成されており、ハイカム61とローカム62との間の間隙よりも狭い板厚と、刃具ホルダ32に保持した場合にその先端部がハイカム61とローカム62の側端面61b、62bに対向する長さを有している。
【0036】
刃具ホルダ32は、刃具35の先端部がアーム部30の先端部31からアーム部30の延在方向に沿って突出する姿勢状態に刃具35を保持するものであり、図4のC方向矢視図である図6に示すように、アーム部30の先端部31でベース部21に直交する方向に亘って切り欠き形成された切欠溝32aを有している。
【0037】
切欠溝32aは、刃具35の基端部を挿入できる切欠幅を有しており、そのベース部21側の端部は、ベース部21より離間する側の端部から刃具35を挿入した場合に、底面を形成するように、抜け留め板32bによって封鎖されている。一方、切欠溝32aのベース部21より離間する側の端部には、刃具35を切欠溝32a内に挿入した状態で固定する押さえ駒32cを有している。
【0038】
押さえ駒32cは、アーム部30に回動自在に基端が支持されており、先端を回動させて切欠溝32aの端部を閉塞する位置に配置し、押さえネジ32dを締め付けることによって、抜け留め板32bとの間に刃具35を挟持できるように構成されている。また、図6で符号32eは、切欠溝32a内で刃具35のガタつきを抑えるくさび片である。くさび片32eは、押さえ駒32cによって切欠溝32a内に押し込まれることにより、刃具35のガタつきを抑え、確実に固定するように構成されている。
【0039】
一方、アーム部30の基端部33には、図3及び図4に示すように、凹陥部34が凹設されている。凹陥部34は、他方のアーム部30との対峙面に互いに対をなすように対称に設けられており、後述するアーム部揺動手段40の作動駒43との当接によってアーム部30を揺動させ、刃具35をハイカム61及びローカム62の側端縁61a、62aに押接可能な押接位置に配置する押接位置配置面34aと、刃具35をハイカム61及びローカム62の側端縁61a、62aから離間させる離間位置に配置する離間位置配置面34bを有している。
【0040】
図7は、ローカム62の側端縁62aに対する刃具35の押接状態を説明する要部拡大図である。尚、ハイカム61については、ローカム62と同様であるのでその説明を省略する。一対のアーム部30は、刃具35をローカム62に押接した状態で、先端側から基端側に向かって移行するにしたがって漸次互いの離間距離が縮まる、いわゆる「逆ハの字」の姿勢状態を取るように、ベース部21に軸支されている。
【0041】
これにより、刃具35は、ローカム62の側端面62bに刃具35の先端が対向し、カムシャフト60の径方向外側に向かって延在し、刃具35の基端がハイカム61及びローカム62よりも径方向外側に位置し、刃具35の先端から基端に移行するにしたがってローカム62の側端面62bに漸次接近し、ローカム62の側端面62bに対して若干傾斜した姿勢状態で側端縁62aに押接される。したがって、側端縁62aの角を取るように刃具35を押接することができる。
【0042】
アーム部揺動手段40は、アーム部30を揺動させて刃具35をハイカム61及びローカム62の側端縁61a、62aに押接するものであり、圧縮空気などの供給によってシリンダ41からロッド42を伸長及び収縮させるシリンダ構造を有しており、図3に示すように、アーム部30の基端部33から回転中心軸線Lxに直交する方向でかつ回転中心軸線Lxから離間する方向に向かって延在するように配置され、シリンダ41の基端部41bがベース部21に軸支され、シリンダ41の先端部41a側が回転中心軸線Lxに沿って揺動できるように支持されている。
【0043】
ロッド42の先端には、作動駒43が取り付けられており、一対のアーム部30の凹陥部34間に介在するように配置されている。作動駒43は、図4に示すように、ロッド42との結合部分から先端に向かって移行するにしたがって漸次拡径するテーパ面部43aと、テーパ面部43aの前端から連続して前方に突出する半球凸状の球面部43bを有している。このテーパ面部43aは、ロッド42の収縮により凹陥部34の押接位置配置面34aに当接して刃具35をハイカム61及びローカム62の側端縁61a、62aに押接させる形状を有している。また、球面部43bは、ロッド42の伸長により凹陥部34の離間位置配置面34bに当接して刃具35をハイカム61及びローカム62の側端縁61a、62aから離間させる形状を有している。
【0044】
アーム部30とアーム部揺動手段40は、図2及び図5に示すように、回転中心軸線Lxに対してオフセット配置されている。具体的には、カムシャフト60を間に介して一方側と他方側(図2及び図5では右側と左側)とで、ベース部21からの離間距離が互いに異なり、回転中心軸線Lxに対して対称となる位置に偏位して配置されており、カムシャフト60の回転によりハイカム61及びローカム62の側端縁61a、62aに、刃具35の上端縁部35aが押接されるように構成されている。
【0045】
図2及び図5で符号25は、エアブロー用の開口穴である。この開口穴25は、ベース部21の対向面24の所定箇所、より詳細には、ハイカム61及びローカム62の側端縁61a、62aと刃具35との当接位置に対応する箇所に、それぞれ開口形成されており、ベース部21内を回転中心軸線Lxに沿って貫通するエア供給通路26に連通している。そして、図示していないエアー源からエア供給通路26に圧縮空気を供給することによって、エアを噴射することができ、刃具35によって除去した加工バリ65をそのエアによって吹き飛ばすことができるように構成されている。
【0046】
図1及び図2で符号50は、バリ除去手段移動手段である。バリ除去手段移動手段50は、基端が支柱部(図示せず)に支持されたシリンダ本体部51と、シリンダ本体部51の先端で伸縮自在に設けられ、その先端がベース部21の背面に支持されたシリンダロッド52とを有している。そして、図示していない電磁弁等によって圧縮空気などの流体を切換供給してシリンダロッド52を伸長或いは収縮させることにより、バリ除去手段20を加工位置と待避位置に移動させることができるように構成されている。
【0047】
次に、上記構成を有するバリ取り装置1を用いたカムシャフト60のバリ除去方法について以下に説明する。
【0048】
まず最初に、カムシャフト60をバリ取り装置1に装着する。ここでは、事前準備として、被加工物保持手段10の主軸台11と心押し台16が互いに離間した原点位置に配置され、バリ除去手段20が待避位置に配置される。この事前準備が完了すると、バリ除去作業の対象となるカムシャフト60が、図示していない搬送装置によって搬入され、主軸台11と心押し台16の間の位置で回転中心軸線Lx上に配置される。
【0049】
カムシャフト60が回転中心軸線Lx上に配置されると、心押し台16を主軸台11側に移動させて、予め設定された位置に配置する。そして、主軸台11を心押し台16に接近する方向に移動させ、主軸台11のヘッドストック13をカムシャフト60のセンタ穴65に挿入してカムシャフト60の一方端部を同軸回転可能に保持すると共に、心押し台16の心押センタ18をカムシャフト60の他方端部のセンタ穴64に挿入して同軸上に保持する。これにより、カムシャフト60は、回転中心軸線Lx上に同軸回転可能に保持される。そして、図示していない搬送装置を待避させる。
【0050】
次に、カムシャフト60を回転させながら、刃具35をハイカム61及びローカム62の側端縁61a、62aに押接する。ここでは、まず、バリ除去手段20を待避位置に配置した状態で、アーム部揺動手段40のロッド42を伸長させ、作動駒43の球面部43bを凹陥部34の離間位置配置面34bに押接させる。これにより、一対のアーム部30の先端部31側を互いに離間する方向に揺動させ、互いに対向する刃具35の間隔をハイカム61及びローカム62のカム幅よりも拡げ、ハイカム61とローカム62の間に介在される刃具35については、バリ除去手段20を加工位置に移動させた際に刃具35の先端をハイカム61とローカム62の間に挿入可能な位置に配置する。
【0051】
次に、バリ除去手段20を待避位置から加工位置に移動させ、互いに略平行に並んだ二列のアーム部30群の間にカムシャフト60を介在させる(図2〜図4参照)。そして、主軸部11の回転モータ14を回転駆動し、ヘッドストック13を回転させて、カムシャフト60をその軸線回りに回転させる。カムシャフト60の回転速度が所定回転速度に到達すると、アーム部揺動手段40のロッド42を収縮させて、作動駒43のテーパ面部43bを凹陥部34の押接位置配置面34aに押接する。これにより、一対のアーム部30の先端部31側を互いに接近する方向に揺動させて、刃具35をハイカム61及びローカム62の側端面61b、62bに接近する方向に移動させ、回転しているカムシャフト60のハイカム61及びローカム62の側端縁61a、62aに刃具35を押接して、バリ除去作業状態とする。
【0052】
したがって、加工バリ65をその根本からそぎ落とし、側端縁61a、62aから除去することができる。特に、刃具35を、ハイカム61及びローカム62の側端面61b、62bに対して若干傾斜した姿勢状態で押接するので、側端縁61a、62aの角を取るように刃具35を押接することができ、加工バリ65を側端縁61a、62aから完全に除去することができる。また、ハイカム61及びローカム62の研削加工されたカム面(加工面)61c、62cに接触することなく、加工バリ65を除去することから、バリ取り作業に起因したカム面61c、62cへの傷付きを防止できる。
【0053】
ここで除去された加工バリ65は、ベース部21に付着することなく、そのまま下方に落下し、或いは、開口穴25からのエアブローによって下方に向かって飛ばされ、回転中心軸線Lxの下方位置に配置されているバリ受皿2に受け止められる。このように、加工位置では、ベース部21をカムシャフト60よりも上方位置に配置し、対向面24にアーム部30とアーム部揺動手段40を吊り下げ支持する配置構成を取るので、カムシャフト60から除去した加工バリ65が刃具35の周辺やベース部21などのバリ除去手段20に付着して堆積するのを防止することができる。したがって、バリ除去手段20の清掃作業を簡易なものとすることができる。
【0054】
次に、加工バリ65を除去したカムシャフト60をバリ取り装置1から搬出する。まず、バリ除去作業状態で、所定時間が経過すると、加工バリ65の除去が終了したと判断し、アーム部揺動手段40のロッド42を伸長させ、作動駒43の球面部43bを離間位置配置面34bに押接する。これにより、アーム部30の先端部31をハイカム61及びローカム62の側端面61b、62bから離間する方向に揺動させ、刃具35を側端縁61a、62aから離間させる。それから、バリ除去手段20を加工位置から退避位置に移動させ、カムシャフト60の回転を停止する。
【0055】
そして、図示していない搬送装置によってカムシャフト60を支持した後に、主軸台11と心押し台16を互いに離間する方向に移動させて被加工物保持手段10によるカムシャフト60の保持を解除し、バリ取り装置1から外部に搬出して、カムシャフト60のバリ取り作業を終了する。
【0056】
カムシャフト60のバリ取り作業が終了した後は、主軸台11と心押し台16は互いに離間する位置に配置され、両者の間に作業スペースが形成され、また、バリ除去手段20が待避位置に配置されて、ベース部21が垂直方向に起立する姿勢状態に保持されることから、作業員による刃具35の交換や点検作業などのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0057】
上記構成を有するバリ取り装置1によれば、アーム部揺動手段40が、シリンダ41の基端部41bをベース部21に軸支し、シリンダ41の先端部41aを回転中心軸線Lxに沿って揺動自在に設けられているので、刃具35を側端縁61a、62aに互いに等しい押圧力で押接することができる。したがって、カムシャフト60に対して均一な精度のバリ取り加工を施すことができ、製品の品質を一定に保つことができる。
【0058】
また、例えばカムシャフト60の被加工物保持手段10による保持位置が軸方向にズレた場合や、製品誤差によってハイカム61及びローカム62の位置が軸方向にズレた場合には、ハイカム61及びローカム62の側端縁61a、62aの位置ズレに対して一対のアーム部30を追従させることができる。したがって、ハイカム61及びローカム62の側端縁61a、62aから加工バリ65を完全に除去することができる。
【0059】
また、略平板形状を有する刃具35を使用しているので、その取り付け向きを入れ替えたり、例えば隣の刃具ホルダ32に保持させる等によって、1枚の刃具35について合計で8カ所を利用することができる。したがって、刃具35の交換サイクルを長くすることができ、ランニングコストを低くすることができる。
【0060】
更に、一つのアーム部揺動手段40によって一対のアーム部20を揺動しているので、アーム部揺動手段40の個数を少なくすることができ、装置の製造コスト、及び運転コストを低くすることができる。
【0061】
尚、本発明の実施の形態では、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施の形態では、被加工物がエンジンのカムシャフト60である場合を例に説明したが、大径部61、62と小径部63を有する円柱状の被加工物であって、大径部61、62の外周面61c、62cに研削加工を施すこと等によって、大径部61、62の側端面61b、62bから軸方向に加工バリ65が突出する被加工物であればよく、例えば、エンジンのクランクシャフト等であってもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るバリ取り装置によれば、回転している被加工物の大径部の側端縁に刃具を押接することから、加工バリをその根本からそぎ落とし、被加工物から完全に除去することができる。また、大径部の外周面に接触することなく、加工バリを除去するので、加工バリの除去作業によって加工面に傷が付くのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるバリ取り装置の全体説明図である。
【図2】図1のA方向矢視図である。
【図3】図1のB方向矢視図である。
【図4】図3の要部を拡大して示す説明図である。
【図5】図2の要部を拡大して示す説明図である。
【図6】図4のC方向矢視図である。
【図7】バリ取り状態の説明図である。
【図8】従来のバリ取り装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 バリ取り装置
10 被加工物保持手段
20 バリ除去手段
30 アーム部
35 刃具
40 アーム部揺動手段
50 バリ除去手段移動手段
60 被加工物
61 ハイカム(大径部)
62 ローカム(大径部)
63 小径部
61a、62a 側端縁
61b、62b 側端面
61c、62c カム面(加工面)

Claims (4)

  1. 大径部と小径部を有する円柱状の被加工物を保持して被加工物の軸線まわりに回転させる被加工物保持手段と、該被加工物保持手段によって回転される被加工物の側端縁に刃具を押接して前記大径部の側端縁から軸方向に突出する加工バリを除去するバリ除去手段を備えたバリ取り装置において、
    前記バリ除去手段は、
    前記被加工物保持手段によって保持された前記被加工物に対向して配置されるベース部と、
    前記被加工物保持手段に保持された前記被加工物の側方位置で、前記被加工物の径方向外方に向かって延在し、前記被加工物の軸方向に所定距離だけ互いに離間して対をなし、互いに対向する面に基端に向かって移行するにしたがって、漸次互いに接近する傾斜面が形成された凹陥部を凹設し、該ベース部に揺動自在に支持され、前記刃具を保持する刃具ホルダを先端に有し、該刃具ホルダに保持された前記刃具を前記被加工物の側端縁に接離する方向に揺動自在なアーム部と、
    前記ベース部に設けられ、前記アーム部の基端部よりも前記被加工物の径方向に離間した位置に基端が軸支され、先端側が前記被加工物の軸方向に揺動自在に支持されたシリンダと、該シリンダの先端より伸長及び収縮して前記一対のアーム部の間を該アーム部の延在方向に沿って往復移動可能なロッドと、該ロッドの先端に設けられ、一対の前記凹陥部内を前記アーム部の基端側に向かって移動することによって、前記傾斜面に当接し、前記アーム部の先端側を互いに接近する方向に揺動させる作動駒とを有し、前記一対のアーム部を該アーム部の先端側が互いに接近する方向に該作動駒を揺動させて、前記刃具を前記被加工物の前記大径部の両側端縁から押接するアーム部揺動手段と、を有することを特徴とするバリ取り装置。
  2. 前記バリ除去手段の位置を、前記被加工物にバリ取り加工を施す加工位置と、前記被加工物から離間した待避位置とに変更可能な移動手段を有することを特徴とする請求項1に記載のバリ取り装置。
  3. 前記刃具は、
    該刃具の先端が前記大径部の側面に対向し、前記被加工物の径方向外側に向かって延在し、前記刃具の基端が前記被加工物よりも径方向外側に位置し、前記刃具の先端から基端に移行するにしたがって前記大径部の側面に漸次接近し、前記被加工物の径方向に対して傾斜した姿勢状態で前記被加工物の側端縁に押接可能に保持されることを特徴とする請求項1または2に記載のバリ取り装置。
  4. 前記ベース部は、
    前記加工位置で前記被加工物よりも上方位置に配置され、前記ベース部の下方位置に前記アーム部と前記アーム部揺動手段を吊り下げ支持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリ取り装置。
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