JP2002112907A - 排水口用ゴム栓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水圧を利用することによりゴム栓の止水性を
向上させる。 【解決手段】 排水口用ゴム栓１は、先細テーパ状排水
口２に密にはめ込まれる先細テーパ状栓部３と、排水口
２より上方に突出する露出頭部５と、露出頭部５にその
上端外周から順次径が小さくかつ同心円状に複数一体に
形成された３つの傘状張り出し部6，7，8とよりなり、
かつ３つの傘状張り出し部6，7，8の外周縁部6a，7a，8
aが露出頭部５の外周下端54とほぼ同一平面上にあるよ
うになされているものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽、洗面所など
の排水口に用いられるゴム栓に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、図５に示すように、この種のゴム
栓(31)としては、中央に引き抜きチェーン取り付け金具
(32)を備えた先細テーパ状のものが一般的であり、その
テーパ状外周面に合致したテーパ状内周面を有する排水
口(33)にはめ入れられることにより止水せられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のゴム栓(31)
では、排水口(33)に対してゴム栓(31)が傾いた状態には
め入れられることがある。すると、止水が不完全になっ
て水が洩れるので、手でゴム栓(31)を排水口(33)からい
ったん抜き、再びゴム栓(31)を排水口(33)にはめ入れね
ばならないことになり、面倒であった。

【０００４】また、上記のように、ゴム栓(31)を排水口
(33)に対して傾けてはめ入れたりすることが重なったり
すると、ゴム栓(31)の底面と外周面との交わる箇所が、
排水口(33)の開口縁により削り取られたり、外周面が摩
滅したりするため、これらの損傷部分から漏水が生じる
という問題があった。

【０００５】本発明の目的は、水圧を利用することによ
り止水性を向上させた排水口用水栓を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明による排
水口用ゴム栓は、先細テーパ状排水口に密にはめ込まれ
る先細テーパ状栓部と、排水口より上方に突出する露出
頭部と、露出頭部に一体に形成された傘状張り出し部と
よりなり、かつ傘状張り出し部の外周縁部が露出頭部の
外周下端とほぼ同一平面上にあるようになされているも
のである。

【０００７】請求項２の発明は、請求項１記載の排水口
用ゴム栓において、傘状張り出し部が、露出頭部にその
上端外周から順次径が小さくかつ同心円状に複数一体に
形成されているものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１ないし図４は、本発明の実施
の形態を示す。排水口用ゴム栓(1) は、浴槽の排水口に
用いられるものであって、先細テーパ状排水口(2) に密
にはめ込まれる先細テーパ状栓部(3) と、排水口(2) よ
り上方に突出しかつ中央に引き抜きチェーン取り付け金
具(4) を備えた露出頭部(5) と、露出頭部(5) にその上
端外周から順次径が小さくかつ同心円状に複数一体に形
成された３つの傘状張り出し部(6)(7)(8)とよりなり、
かつ３つの傘状張り出し部(6)(7)(8) の外周縁部(6a)(7
a)(8a)が露出頭部(5) の外周下端(54)とほぼ同一平面上
にあるようになされているものである。

【０００９】引き抜きチェーン取り付け金具(4) は円柱
状であって、ゴム栓内埋入部(4a)と、ゴム栓外上方突出
部(4b)とよりなる。ゴム栓内埋入部(4a)の下端には、抜
け止め鍔部(9) が設けられているとともに、高さの中程
に水平貫通孔(10)があけられており、貫通孔(10)内がゴ
ムで充填せられている。ゴム栓(1) と引き抜きチェーン
取り付け金具(4) のゴム栓内埋入部(4a)とは、ゴム栓
(1) の加硫時に一体化せられる。ゴム栓外上方突出部(4
b)の基端には、押さえ鍔(11)が設けられているととも
に、高さの中程に水平貫通孔(12)があけられており、こ
れに引き抜きチェーン(13)の基端が取り付けられたリン
グ(14)の一部が差し込まれている。

【００１０】排水口(2) は、外周ほぼ全体に雄ねじ(15)
が設けられ、上端に掛け止め鍔(16)を有する排水金具(1
7)に設けられている。排水金具(17)は、浴槽底壁(18)に
あけられた垂直貫通孔(19)に落とし込まれ、その掛け止
め鍔(16)が貫通孔(19)の周囲に形成せられた段部(20)に
環状パッキング(21)を介して掛け止められ、掛け止め鍔
(16)の上面と浴槽の底壁(18)の上面とがほぼ面一とな
り、掛け止め鍔(16)の上面が浴槽底壁(18)の底面、すな
わち槽底面の一部となるようになされている。排水金具
(17)の雄ねじ(15)には、その下からナット(22)が浴槽底
壁(18)に達するまでねじ締められ、排水金具(17)が浴槽
底壁(18)に固定せられている。排水金具(17)の下には、
排水管(23)が配され、上端に設けられた接続鍔(24)が環
状パッキング(25)を介して排水金具(17)の下端面に重ね
られ、袋ナット(26)にあけられた孔の縁部(27)に引っ掛
けられ、袋ナット(26)が排水金具(17)の雄ねじ(15)の下
部にねじ締められることにより、排水金具(17)と排水管
(23)が接続されている。

【００１１】図１に示すように、排水口(2) にゴム栓
(1) の栓部(3) をはめ入れると、３つの傘状張り出し部
(6)(7)(8) の外周縁部(6a)(7a)(8a)は、露出頭部(5) の
外周下端(5a)とほぼ同一平面上にあるようになされてい
るから、図１に示すように、３つの傘状張り出し部(6)
(7)(8) は、槽底面に必然的に被さった状態となる。こ
の状態で浴槽に水ないし湯を入れると、図４に示すよう
に、水圧(P) によりゴムよりなる３つの傘状張り出し部
(6)(7)(8) は、扁平化して槽底面に押さえつけられるの
で、それぞれの外周縁部(6a)(7a)(8a)と槽底面とは水密
状となる。

【００１２】また、仮に栓部(3) が排水口(2) に対し少
々傾いた状態ではまっていても３つの傘状張り出し部
(6)(7)(8) に加わった水圧(P) により、前記傾きが矯正
せられ、栓部(3) が排出口(2) に正しくはめ込まれる。

【００１３】上記実施の形態では、傘状張り出し部が３
つ存在していたが、この数は１つでもよいし、２つ、４
つなどの複数でもよい。

【００１４】なお、図５において、ゴム栓および排水口
以外の部分は図１と実質的に異ならないので、図１と同
一符号を付し、その説明を省略した。

【００１５】

【発明の効果】請求項１の排水口用ゴム栓によれば、先
細テーパ状排水口に密にはめ込まれる先細テーパ状栓部
と、排水口より上方に突出する露出頭部と、露出頭部に
一体に形成された傘状張り出し部とよりなり、かつ傘状
張り出し部の外周縁部が露出頭部の外周下端とほぼ同一
平面上にあるようになされているので、水圧により、ゴ
ムよりなる傘状張り出し部は、扁平化して浴槽底壁の上
面に押さえつけられ、その外周縁部と槽底面とは水密状
となり、栓部による排水口の水密性確保とあいまって止
水性能が従来の水栓に較べてはるかに優れたものとなる
ばかりか、仮に栓部に従来品と同様な損傷が生じても傘
状張り出し部の存在はこれを補なって水密性が保持され
るから、漏水のおそれがない。さらに、栓部が排水口に
対し少々傾いた状態ではまるようなことがあっても傘状
張り出し部に加わった水圧により、前記傾きが自然に矯
正せられ、栓部が排出口 に正しくはめ込まれるので、
栓部を排水口からいったん抜いてはめ直さねばならない
というわずらわしさがない。

【００１６】請求項２の発明の排水口用ゴム栓によれ
ば、傘状張り出し部が、露出頭部にその上端外周から順
次径が小さくかつ同心円状に複数一体に形成されている
ので、止水効果が一層確実となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示し、ゴム栓が排水口に施
されかつ水圧が加わる前の状態における垂直断面図であ
る。

【図２】一部を切り欠いた図１のゴム栓の側面図であ
る。

【図３】図１のゴム栓の底面図である。

【図４】本発明の実施形態を示し、ゴム栓が排水口に施
されかつ水圧が加わつた後の状態における垂直断面図で
ある。

【図５】従来例を示し、ゴム栓が排水口に施された状態
における垂直断面図である。

【符号の説明】

(1)(31)：排水口用ゴム栓 (2)(40)(41)：排水口 (3)：栓部 (5)：露出頭部 (6)(7)(8)：傘状張り出し部 (6a)(7a)(8a)：傘状張り出し部の外縁部 (5a)：露出頭部の外周下端

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先細テーパ状排水口に密にはめ込まれる
   先細テーパ状栓部と、排水口より上方に突出する露出頭
   部と、露出頭部に一体に形成された傘状張り出し部とよ
   りなり、かつ傘状張り出し部の外周縁部が露出頭部の外
   周下端とほぼ同一平面上にあるようになされている排水
   口用ゴム栓。
2. 【請求項２】 傘状張り出し部が、露出頭部にその上端
   外周から順次径が小さくかつ同心円状に複数一体に形成
   されている請求項１記載の排水口用ゴム栓。