JP2002108132A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002108132A
JP2002108132A JP2000296813A JP2000296813A JP2002108132A JP 2002108132 A JP2002108132 A JP 2002108132A JP 2000296813 A JP2000296813 A JP 2000296813A JP 2000296813 A JP2000296813 A JP 2000296813A JP 2002108132 A JP2002108132 A JP 2002108132A
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啓之 榊原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トナー物性や前回転温度制御時間、定着温度、
加圧ローラ回転数などの要因によらず、加圧ローラがト
ナーで汚れることなく、蓄積したトナーでシートを汚す
ことの無い画像形成装置を提供する。 【解決手段】記録材Pが定着ニップ部Nに到達する前に
ヒータ91を加熱する前回転温度制御時間をt1とする
と、時間t1において一定温度制御を行った時、フィル
ム92に付着しているトナーの70%以上が保持される
温度をT1とし、t2≧t1×0.4なる時間t2の間
は温度T1以下で少なくとも1段階は温度制御する。ま
たは、フィルムに付着したトナーが前回転制御後におい
ても20%以上が残るよう温度制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱定着方式によ
る定着装置(定着器)を用いる画像形成装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の複写機、レーザー
ビームプリンタ等の画像形成装置における定着装置とし
ては、熱ローラ方式やオンデマンド(On Deman
d)方式のものが知られている。
【0003】熱ローラ方式の定着装置は、加熱装置を有
する一対のローラ(定着ローラと加圧ローラ)を加圧当
接させ、その当接部である定着ニップ部(定着部)内に
紙等の記録材たるシートを通過させることによって、シ
ート上のトナーを溶融させて定着させるものである。
【0004】上述した一対のローラのうち、シート表面
(トナーを担持した側を言う)に接触する定着ローラ
は、その表面が離型性の良い材料で構成された円筒状の
ローラであり、内側に配置された加熱装置としてのハロ
ゲンヒータによってトナーを加熱する。一方、シート裏
面に接触する加圧ローラは、芯金上に弾性層を設けて構
成され、トナー層に適度な加圧を行う。
【0005】ここで、シート上のトナーは、その全てが
加熱溶融してシート表面に定着されるのが理想的である
が、溶けきらないコールドオフセット状態のトナー、溶
けすぎたホットオフセット状態のトナー、静電的に定着
ローラにオフセットしたトナー(以下「汚れトナー」と
言う)等が存在すると、これらの「汚れトナー」は定着
ローラと加圧ローラのうち離型性の悪い方のローラ表面
に付着してしまう。
【0006】加圧ローラに比べ定着ローラの離型性が低
い場合、定着ローラに「汚れトナー」が付着する。
【0007】しかし、定着ローラは、画像形成中は常に
トナー溶融温度に加熱されている。従って、「汚れトナ
ー」は溶融した状態となっており、次のシートが来た時
にその表面のトナーと混ざってシートに移動するため、
定着ローラが継続的に汚れているという状態は存在しに
くい。しかし、場合によっては「汚れトナー」が定着ロ
ーラ表面に存在することがあり、そのような場合は画像
を汚してしまう可能性がある。
【0008】一方、定着ローラに比べ加圧ローラの離型
性が低い場合には、一旦定着ローラにオフセットした
「汚れトナー」は加圧ローラに移る。加圧ローラは定着
ローラと比べて温度が低く、移動した「汚れトナー」は
加圧ローラ上では必ずしも完全に溶融した状態では存在
しない。
【0009】また、加圧ローラにはシート表面のトナー
像は接触しないため、「汚れトナー」がトナー像に持っ
ていかれることが無く、一旦汚れると蓄積されていくと
いった欠点があった。
【0010】そして、加圧ローラ上にトナー汚れが蓄積
されると、加圧ローラの離型性が低下するため、シート
(特にシートがOHTフィルムの場合)が加圧ローラに
巻き付く、あるいは蓄積された「汚れトナー」がシート
裏面に吐き出され、汚れてしまうという問題があった。
【0011】次に、オンデマンド方式の定着装置である
が、これは上述の熱ローラ方式のものと比べ、クイック
スタート、省電力を可能にしたものである。オンデマン
ド方式ではセラミック等のヒータとポリイミド等の薄い
フィルムを用いて、定着装置の熱容量を小さくすること
により、クイックスタート、省電力を可能にしている
(特開昭63−313182号公報、特開平2−157
878号公報、特開平4−44075〜44083号公
報、特開平4−204980〜204984号公報
等)。
【0012】このようなオンデマンド方式の定着装置で
は熱容量が小さくて温度応答性が良いため、定着装置を
予熱する必要がなく、きめ細かな温度制御が可能であ
り、通紙時以外は定着装置への通電をオフすることがで
きるようになった。
【0013】しかしながら、オンデマンド方式の定着装
置において、上述のような温度制御を行うと、加圧ロー
ラは通紙時以外では加熱されないため、熱ローラ方式に
比べ温度が上昇しにくい。加圧ローラの温度は最大でも
120℃程度しか昇温しない。
【0014】このため、定着フィルムにオフセットして
加圧ローラに転移した「汚れトナー」は、加圧ローラ上
では溶融せずに、加圧ローラ上でほとんど固着した状態
で存在し易くなる。
【0015】また、CaCO3をフィラーとして用いる
記録材を通紙した場合、CaCO3とオフセットしたト
ナーが付着し混練された状態になってしまいトナーの粘
度が低下する。従って加圧ローラの表面からトナーが剥
がれにくくなり、加圧ローラ汚れが悪化するという問題
があった。
【0016】このような問題を改善させるべく、プリン
ト動作終了後の定着装置の駆動停止後に定着装置の加熱
体を加熱し、定着ニップ部をトナーの軟化点温度以上に
させる(以下、「後加熱制御」という)画像形成装置が
提案され実用化されている(特開平2000−1224
63号公報)。
【0017】これは、プリント動作終了後の駆動停止状
態において、加熱体を加熱することによって、加圧ロー
ラに固着堆積したトナーを定着ニップ部内部で溶融した
状態にさせ、次のプリントの駆動時に定着ローラまたは
定着フィルム側にトナーを転移させるというものであ
る。
【0018】そしてシートが定着ニップ部を通過する
と、定着ローラまたは定着フィルムに付着したトナーは
シート表面に定着し、シートとともに排出される。
【0019】この時のオフセットトナーはシートが数枚
から数十枚で通紙されたレベルなので目には見えない程
度の微量のトナー量であり、シートに排出されたトナー
も当然目には見えないレベルである。
【0020】前記提案によれば加圧ローラの外周面のう
ち、プリント終了後に定着ニップ部に停止する部分は、
加圧ローラの停止毎に毎回異なるため、プリントを繰り
返すことで加圧ローラの外周面の全周にわたって汚れを
吐き出すことができる。これにより加圧ローラにトナー
等の汚れが蓄積することを防止することが可能になって
いた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、後加熱
制御を行い、定着ローラまたは定着フィルム側にトナー
を転移させても、画像形成装置によっては加圧ローラ汚
れが改善しないものもあった。
【0022】従って、本発明の目的は、トナー物性や前
回転温度制御時間、定着(プリント)温度、加圧ローラ
回転数等の要因によらず、加圧ローラがトナーで汚れる
ことが無く、蓄積したトナーでシートを汚すことの無い
画像形成装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成装置
は、上記課題を解決する為に、下記の構成を特徴とする
ものである。
【0024】(1)加熱源が内包されている回転体と、
該回転体と対をなして該回転体の一部に圧接され、未定
着画像が担持されている記録材を挟持搬送して該画像を
定着するための加圧部材から成る定着部を有し、記録材
が該定着部に到達する前に該加熱源を加熱する温度制御
において、該温度制御を行う時間をt1とすると、時間
t1において一定温度制御を行った時、該加熱源が内包
されている回転体に付着したトナーの70%以上が保持
される温度をT1とし、該時間t1に対してt2≧t1
×0.4なる時間t2の間は温度T1以下で少なくとも
1段階は温度制御することを特徴とする画像形成装置。
【0025】(2)加熱源が内包されている回転体と、
該回転体と対をなして該回転体の一部に圧接され、未定
着画像が担持されている記録材を挟持搬送して該画像を
定着するための加圧部材から成る定着部を有し、記録材
が該定着部に到達する前に該加熱源を加熱する温度制御
において、該温度制御を行う時間をt1とすると、該温
度制御前において、該加熱源が内包されている回転体に
付着したトナーが、該温度制御後においても20%以上
が残るよう温度制御することを特徴とする画像形成装
置。
【0026】(3)記録材排出後の駆動停止時におい
て、加熱源への加熱制御を行うことを特徴とする(1)
又は(2)に記載の画像形成装置。
【0027】(4)前記温度制御はプリント信号入力後
の1枚目が定着部に到達する前の温度制御であることを
特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の画
像形成装置。
【0028】(5)加熱源が内包されている回転体と加
圧部材の圧接で形成される定着部温度が100℃以下の
場合において、前記温度T1で1段階以上、温度制御す
ることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか1項に
記載の画像形成装置。
【0029】<作 用>上記のように、記録材が定着部
に到達する前に加熱源を加熱する温度制御において、該
温度制御を行う時間をt1とすると、時間t1において
一定温度制御を行った時、加熱源が内包されている回転
体に付着したトナーの70%以上が保持される温度をT
1とし、該時間t1に対してt2≧t1×0.4なる時
間t2の間は温度T1以下で少なくとも1段階は温度制
御することによって、加熱源を内包する回転体から加圧
部材へのトナー移動を低減する。
【0030】または、温度制御を行う時間をt1とする
と、該温度制御前において、加熱源が内包されている回
転体に付着したトナーが、温度制御後においても20%
以上が残るよう温度制御することによって、加熱源を内
包する回転体から加圧部材へのトナー移動を低減する。
トナー移動を低減させることで加圧部材の汚れを防止す
るものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。
【0032】<実施の形態1> (1)画像形成装置例 図1に、本発明に係る画像形成装置例の概略構成模型図
(縦断面模型図)を示す。本例の画像形成装置は、転写
式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタであ
る。
【0033】この画像形成装置は、像担持体としてドラ
ム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」と言う)1
を備えている。感光ドラム1は、装置本体によって回転
自在に支持されており、駆動手段(不図示)によって矢
印R1方向に所定のプロセススピードで回転駆動され
る。
【0034】感光ドラム1の周囲には、その回転方向に
沿ってほぼ順に、帯電ローラ(帯電装置)2、露光手段
3、現像装置4、転写ローラ(転写装置)5、クリーニ
ング装置6が配設されている。
【0035】又、装置本体の下部には、紙等のシート状
の記録材Pを収納した給紙カセット7が配置されてお
り、給紙ローラ8により記録材Pを給紙する。給紙され
た記録材Pは前途した転写ローラ5を通過した後、定着
装置9を通過し、排紙ローラ10を経て排紙トレイ11
へと積載される。
【0036】より詳しくは、駆動手段によって矢印R1
方向に回転駆動された感光ドラム1は、帯電ローラ2に
よって所定の極性、所定の電位に一様に帯電される。
【0037】帯電後の感光ドラム1は、その表面に対し
レーザー光学系露光手段3によって画像情報に基づいた
画像露光Lがなされ、露光部分の電荷が除去されて静電
潜像が形成される。
【0038】静電潜像は、現像装置4によって現像され
る。現像装置4は、現像スリーブ4aを有しており、こ
の現像スリーブ4aに現像バイアスを印加して感光ドラ
ム1上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像として
現像(顕像化)する。
【0039】トナー像は、転写ローラ5によって紙等の
記録材Pに転写される。記録材Pは、給紙カセット7に
収納されており、給紙ローラ8によって給紙され、感光
ドラム1と転写ローラ5との間の転写ニップ部Tに搬送
される。
【0040】このとき記録材Pは、不図示の紙有無検知
センサによって先端が検知され、感光ドラム1上のトナ
ー像と同期がとられる。転写ローラ5には、転写バイア
スが印加され、これにより、感光ドラム1上のトナー像
が記録材P上の所定の位置に転写される。
【0041】転写によって表面に未定着トナー像を担持
した記録材Pは、定着装置9に搬送され、定着ニップ部
Nにおいて未定着トナー像が加熱、加圧されて記録材P
表面に定着される。この定着装置9については次の
(2)項で詳述する。
【0042】トナー像定着後の記録材Pは、排紙ローラ
10によって装置本体上面の排紙トレイ11上に排出さ
れる。
【0043】一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、
記録材Pに転写されないで表面に残ったトナーがクリー
ニング装置6のクリーニングブレード6aによって除去
され、次の画像形成に備える。
【0044】以上の動作を繰り返すことで、次々と画像
形成を行うことができる。
【0045】(2)定着装置9 次に、図2を参照して、本例の定着装置9について詳述
する。本例の定着装置9は、例えば特開平4−4407
5〜44083号公報等に開示の、フィルム加熱方式・
加圧ローラ駆動式のオンデマンド方式定着装置である。
記録材Pの搬送方向は矢印K方向である。
【0046】定着装置9は、トナーを加熱する加熱体と
してのセラミックヒータ(以下便宜上単に「ヒータ」と
言う)91と、このヒータ91を内包する円筒状の定着
フィルム(定着回転体、以下単に「フィルム」と言う)
92と、フィルム92に当接された別の定着回転体とし
ての加圧ローラ93と、ヒータ91の温度を制御する温
度制御手段94とを主要構成部材として構成されてい
る。
【0047】ヒータ91は、アルミナ等の耐熱性の基材
91a上に、例えば印刷によって抵抗体パターン91b
を形成し、その表面をガラス層91cで被覆したもので
ある。
【0048】記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に直角
な左右方向において、記録材Pの幅よりも長く形成され
ている。
【0049】ヒータ91は装置本体に取り付けられたヒ
ータホルダ95によって支持されている。ヒータホルダ
95は、耐熱性樹脂によって半円状に形成された部材で
あり、フィルム92の回転をガイドするガイド部材とし
ても作用する。
【0050】フィルム92は、ポリイミド等の耐熱樹脂
を円筒状に外径φ24mmで形成したものであり、上述
のヒータ91及びヒータホルダ95に遊嵌されている。
このフィルム92は、後述の加圧ローラ93によってヒ
ータ91に押し付けられており、これにより裏面がヒー
タ91の下面に当接されるようになっている。フィルム
92と加圧ローラ93の圧接部が定着ニップ部Nであ
る。
【0051】加圧ローラ93は不図示の駆動手段により
矢印R2方向に回転駆動され、この加圧ローラ93の矢
印R2方向の回転により記録材Pが矢印K方向に搬送さ
れるのに伴って、フィルム92は矢印R3方向に回転さ
れるように構成されている。
【0052】また、フィルム92の左右の両端部は、ヒ
ータホルダ95のガイド部(不図示)によって規制され
ており、ヒータ91の長手方向にはずれないようになっ
ている。
【0053】また、フィルム92内面には、ヒータ91
やヒータホルダ95との間の摺動抵抗を低減するために
グリースを塗布してある。
【0054】加圧ローラ93は、金属製の芯金93aの
外周面に、シリコーンゴム等の弾性を有する耐熱性の弾
性層93bを設け、更にその外層にフッ素樹脂等からな
る耐熱性、離型性に優れる離型層93cを設け外径φ2
0mmで構成されている。この加圧ローラ93は、下方
からフィルム92をヒータ91に押し付けて、フィルム
92との間に定着ニップ部Nを構成している。この定着
ニップ部Nにおける、加圧ローラ93の回転方向につい
ての幅(ニップ幅)は、記録材P上のトナーを好適に加
熱、加圧することができる程度に設定されている。
【0055】温度制御手段94は、ヒータ91の裏面に
取り付けられたサーミスタ(温度検知素子)96と、サ
ーミスタ96が検出する温度に基づいてトライアック9
7を制御し、ヒータ91に対する通電を制御するCPU
98とを有する。
【0056】上述のように、定着装置9は、加圧ローラ
93の矢印R2方向の回転により記録材Pを定着ニップ
部Nにて挟持搬送しつつ、ヒータ91によって記録材P
上のトナーを加熱する。この際、温度制御手段94によ
ってヒータ91の温度を適宜に制御することができるも
のである。
【0057】本実施の形態においては、加圧ローラ93
の回転数を0.9rpsにて制御し、ヒータ91への通
電開始から記録材Pが定着ニップ部Nに到達するまでの
時間は9secの画像形成装置を使用した。
【0058】(3)定着制御シーケンス 次に、従来例を含め本実施例における定着制御シーケン
スの詳細について以下に説明する。
【0059】a)後加熱制御 まずは、図3において、「後加熱制御」について説明す
る。これはプリント終了後の駆動停止時に、定着ニップ
部Nをトナーが軟化する温度以上に昇温させ、定着ニッ
プ部内部にてフィルム92及び加圧ローラ93に付着し
た各々のオフセットトナーを結合させてフィルム92側
に転移させる制御である(特開平2000−12246
3号公報)。
【0060】本実施例においては、停止した状態にて1
0sec間200℃で温度制御を行っている。その後、
次のプリント信号を待っている間に、トナーは硬化し、
プリント開始後の駆動直後に定着フィルム92側へと転
移する(図4)。
【0061】上記した「後加熱制御」にてフィルム92
へと転移させた「汚れトナー」を、フィルム92になる
べく保持し、目に見えない微小な粒として記録材の表側
に排出させていくのが前回転温度制御である。
【0062】b)前回転温度制御 次に図5において、本実施例の前回転温度制御シーケン
スについて述べる。
【0063】まず、プリント信号入力直後にモータ駆動
と同時にヒータ91への通電を開始する。その時の第一
目標制御温度T1を120℃とし、通電開始(モータ駆
動開始)から8sec間(記録材である紙が定着ニップ
部Nに突入する1sec前まで)は120℃で保持す
る。
【0064】次に通電開始から8sec後、つまり記録
材が定着ニップ部Nに突入する1sec前に、トナーを
定着するのに必要な温度である第二目標制御温度T2へ
と切り替えを行う。本実施例ではT2は220℃であ
る。
【0065】従来の前回転制御シーケンスは、プリント
信号入力直後に通電を開始するのは同様であるが、途中
に段階的な制御を設けない。
【0066】通電開始から直ぐにトナーを定着するのに
必要な温度T2へと温度制御を行っていた(図6)。
【0067】ここで、従来の前回転温度制御シーケンス
を用いた場合、後加熱制御によりフィルム92に転移さ
せたトナーがどの程度、フィルム92に保持できている
かを評価した結果を示す。
【0068】評価方法は、以下に示す通りである。
【0069】1)ハーフトーンパターン(印字率40
%)を印字した未定着画像を裏面通紙する。定着フィル
ムユニットAと加圧ローラAを用いる(図7)。
【0070】2)評価用の定着フィルムユニットBとト
ナー付着した加圧ローラAを組み合わせ、トナーの軟化
点温度をT0すると、ヒータをT0×1.4(℃)で1
0sec間停止状態で加熱温度制御する。その後、常温
に戻るまで自然冷却させる。本実施の形態ではT0=1
40℃である為、200℃にて加熱温度制御する(図
8)。
【0071】ここで、上記のトナーの軟化点温度は、本
実施の形態では以下のように定義する。すなわち、フロ
ーテスターCFT−500(島津製作所製)を使用し、
先ず加圧成形器を用いて成形した重量1.0gの試料を
初期設定温度50℃で、予熱時間300secの後、昇
温速度5.0℃/minでプランジャーにより2.0N
(20kgf)の荷重をかけ直径1mm、長さ1mmの
ノズルより押し出すようにし、これによりフローテスタ
ーのプランジャー降下量を測定する。フローテスターの
プランジャー降下量−温度曲線(図12のフローテスタ
ー流出曲線参照)によれば、等速昇温するに従い、トナ
ーが徐々に加熱され流出が開始される。(プランジャー
降下A→B)。この時、試料流出開始点における温度を
流出開始温度とする(B)。さらに昇温すると溶融状態
となったトナーは大きく流出し(B→C→D)プランジ
ャー降下が停止し、終了する(D→E)。その時のS字
曲線高さをHとすると、H/2のC点に対応する温度T
0をトナーの軟化点温度とする。
【0072】3)ニップ位置をずらし、ニップ部の「汚
れトナー」が定着フィルムユニットBに転移した状態を
作る(図9)。
【0073】4)定着フィルムユニットBと評価用の加
圧ローラBを組み合わせて画像形成装置に装備し、前回
転温度制御終了後(記録材が定着ニップに突入する直
前)に停止させる。ここでの前回転温度制御時間は使用
する画像形成装置によって異なる為、その画像形成装置
の時間を設定する。本実施の形態1では9secである
(図10・図11)。
【0074】5)フィルム92において「汚れトナー」
の付着していた部分に、まだ残っているトナーを紙に転
写する。すなわち、その部分をニップ部にセットし、停
止したままT0×1.4=200(℃)で10sec間
加熱する。
【0075】6)紙に転写した「残存トナー」の反射率
D1をマクベス濃度計(MacbethRD914)に
より測定する。
【0076】7)前記3)にて作成したイニシャル状態
の定着フィルム付着トナーの濃度D2も5)・6)の要
領にて測定する。そして濃度D1、D2をそれぞれ反射
率R1、R2に換算する 8)トナー残存率αをα=(R1/R2)×100にて
求める。
【0077】上記した方法によりトナー残存率を測定し
たところ、従来の前回転温度制御シーケンス(図6参
照)の場合トナー残存率は0である。つまり、後加熱制
御によりフィルム92に転移させた「汚れトナー」は、
前回転温度制御中にすべて加圧ローラ93に戻っていた
ことになる。
【0078】この現象は前回転温度制御時にヒータ91
に通電することでフィルム側と加圧ローラ側で急激な温
度勾配が生じ、少しずつ温度の低い加圧ローラ側にトナ
ーが戻ってきていたからであり、従来でも加圧ローラ側
にトナーは少しずつ戻ってはいた。
【0079】この「戻りトナー」が少ないうちにシート
が定着ニップ部Nまで搬送され、シート表面上にトナー
を目に見えない程度の粒で吐き出すことが出来ている場
合は、加圧ローラ93がトナーで汚れる事を防止でき
る。
【0080】しかし、加圧ローラ93への「戻りトナ
ー」が多い場合には、加圧ローラ93上の「汚れトナ
ー」が吐き出される量以上にオフセットトナー量のほう
が多くなってしまい、結果として加圧ローラ93にトナ
ーが堆積してしまっていた。
【0081】このフィルム92に付着したトナーが加圧
ローラ93に戻る量を左右する要因としては、トナーの
物性値、ヒータの制御温度、前回転温度制御時間、加圧
ローラの回転数等が挙げられる。
【0082】前記した、加圧ローラ93への「戻りトナ
ー」と制御温度との関係を求めた結果を図13に示す。
ここでの評価方法は、前回転温度制御シーケンスを段階
的な制御を求めることなく、従来のように通電開始から
直ぐに目標温度へと立ち上げる。その時の目標温度を1
20℃から220℃まで変更して評価した。前回転温度
制御時間はどれも9secで行った。縦軸はフィルム9
2へのトナー残存率を表しており、数値が高いほうが、
よりフィルム92にトナーが残っていることを表す。つ
まり、記録材の表面に吐き出しやすくなる。
【0083】図13に示すとおり、制御温度が140℃
以下であればフィルム92に転移した「汚れトナー」
は、ほぼ100%フィルム92に保持できることがわか
る。
【0084】次に、本実施の形態1の2段階前回転温度
制御(図5参照)でのトナー残存率であるが、これは3
3%であった。これは、通電開始から8sec後に22
0℃に切り替えたことで、その後加圧ローラ93への
「戻りトナー」量が増加した為である。
【0085】しかし上記検討からも判るように、前回転
温度制御中において、通電開始から8sec間、フィル
ム92に転移した「汚れトナー」が加圧ローラ93へと
戻らない温度で制御し、記録材が定着ニップに突入する
直前に、定着温度T2に上昇させることで、加圧ローラ
93から確実に「汚れトナー」をクリーニングすること
が可能となった。実際には、現在述べている経路からの
クリーニングだけではなく、通紙中に、わずかに加圧ロ
ーラ93から紙裏への排出もある。
【0086】しかも、本実施の形態1のように2段階前
回転温度制御にすることによって、加圧ローラ93のク
リーニングを確実に行えるだけではなく、定着不良など
の不具合も発生しない。
【0087】この加圧ローラ93のクリーニング効果を
確認すべく、低温低湿環境下で文字パターンを印字する
加圧ローラ93の汚れ評価を行った。検討結果は以下に
記す通りであった。
【0088】
【表1】
【0089】次に、本実施の形態と従来の制御における
定着能力を比較した結果を以下に示す。
【0090】
【表2】
【0091】定着能力評価…5mm四方のべた黒パター
ンを印字、定着させ、次に紙を介在させて接触面積30
mm×30mm、重さ0.03N(300gf)の重り
にて擦り、その前後の濃度を測定して濃度低下率を求め
る。濃度低下率が低い程、定着性能が良い。
【0092】上記したように、本実施の形態1の前回転
制御シーケンスを用いることで、加圧ローラ汚れの発生
を防止することが可能となった。
【0093】更に、トナー物性、前回転温度制御時間、
加圧ローラ回転数、ヒータ制御温度の要因についても検
討した結果、上記した全ての要素を構成要素とみなして
も、以下の条件に設定しておくことで、常に加圧ローラ
汚れを防止できることを見出した。
【0094】前回転温度制御時間をt1とすると、時間
t1においてフィルム92に付着した「汚れトナー」の
残存率が70%以上になる一定温度をT1とし、時間t
1に対してt2≧t1×0.4なる時間t2において温
度T1以下で少なくとも1段階は温度制御することで常
に加圧ローラ汚れを防止できる。
【0095】ここで、前回転温度制御時間t1は、プリ
ント信号入力後のモータ駆動開始から記録材が定着ニッ
プ部Nに突入するまでの時間とする。モータ駆動開始と
ヒータへの通電開始のタイミングが異なる場合は、どち
らか早い方のタイミングを基点とする(図14)。
【0096】残存率が70%以上となる一定温度T1
は、図13に示す通り本実施の形態1ではT1<170
℃となる。
【0097】時間t2は本実施の形態1ではt2≧9×
0.4=3.6secとなる。
【0098】ここで、「汚れトナー」残存率と時間t2
に関して加圧ローラ汚れに対する効果の一覧を図15に
記す。
【0099】時間t1においてフィルムに付着した「汚
れトナー」の残存率が70%未満になる一定温度をT1
に設定した場合、あるいは前記制御時間t2をt2<
0.4×t1で制御すると、加圧ローラ汚れへの効果は
ほとんど無くなる。これは、前回転温度制御中に加圧ロ
ーラ93に「汚れトナー」が戻ってしまう為である。
【0100】図15からわかるとおり、温度T1は「汚
れトナー」の残存率が70%以上になる温度に設定して
おくことが必要であり、好ましくは残存率が80%に設
定しておくことであり、もう更に好ましくは残存率を9
0%以上に設定しておくことが好ましい。
【0101】前記温度T1での制御時間t2は、温度制
御開始から記録材が定着ニップに突入するまでの時間t
1に対して、t2≧0.4×t1で制御することが好ま
しいが、更に好ましくは、t2≧0.6×t1であり、
もう更に好ましくはt2≧0.8×t1である。
【0102】更に本発明者らの検討によれば、前回転温
度制御をトータルで考えた場合、フィルム92に付着し
た「汚れトナー」の残存率が20%以上になるように設
定しておくことで、常に加圧ローラ汚れが防止できるこ
とも見出した。つまり、トータル前回転温度制御時間t
1の前後における「汚れトナー」残存率(本実施の形態
1では9sec後の残存率)が20%以上になるよう設
定しておくことである。
【0103】以下に、トータル前回転温度制御時間t1
の前後におけるフィルム92に付着した「汚れトナー」
の残存率と加圧ローラ汚れの関係について記す。下記検
討は、温度T1、T2や時間t1、t2を適宜変更して
「汚れトナー」残存率を変更したが、同様の結果が得ら
れた。
【0104】
【表3】
【0105】上記したように加圧ローラ汚れには、トー
タル前回転温度制御時間t1の前後におけるフィルム9
2に付着した「汚れトナー」の残存率を20%以上に設
定しておくことで効果が見られる。
【0106】残存率が10%以下の場合には、通紙耐久
500枚で加圧ローラ汚れが発生し、15%の場合には
1000枚で汚れが発生した。
【0107】一方、残存率が20%と25%の場合に
は、通紙耐久10000枚で加圧ローラ上に非常に微小
なトナーが数粒程度付着しているのみであり、使用上ま
ったく問題無いレベルであった。更に、残存率を30%
に設定した場合は通紙耐久30000枚で加圧ローラの
汚れは微小なトナーが数粒程度付着しているのみであ
り、同じく使用上まったく問題無いレベルであった。更
に、残存率を35%以上に設定した場合は通紙耐久50
000枚で加圧ローラの汚れは皆無であった本実施の形
態1においては、プリントが終了してモータ駆動も停止
した後に「後加熱制御」シーケンスを取り入れている
が、これはフィルム92へのトナー転移を確実に行う為
である。
【0108】しかし、定着器が高温状態の時は「後加熱
制御」シーケンスを廃止してもモータ駆動が停止するこ
とで同様の効果が得られる。つまり、「後加熱制御」シ
ーケンスは適宜OFFにしてもかまわない。
【0109】本実施の形態1では、モータ駆動と同時に
ヒータ91への通電を開始したが(図5)、モータ駆動
開始後に通電を開始することによって、更に加圧ローラ
93への「汚れトナー」の戻り量を低減することが可能
となり加圧ローラ汚れへの効果が得られる(図16)。
【0110】オンデマンド方式について詳述したが、前
述した熱ローラ方式にも適用できる。
【0111】<実施の形態2>本実施の形態2では前回
転温度制御シーケンス以外は、実施の形態1と同様の構
成とする。
【0112】以下に本実施の形態2の前回転温度制御シ
ーケンスについて説明する。本実施の形態2において
は、前回転温度制御シーケンスを3段階に制御すること
を特徴とする(図17)。
【0113】まず、プリント信号入力直後にモータ駆動
と同時にヒータ91への通電を開始する。
【0114】その時の第一目標制御温度T1を120℃
とし、通電開始(モータ駆動開始)から6sec間は1
20℃で保持する。
【0115】次に通電開始から6secと通電開始から
8sec(2sec間)までは、第二目標制御温度T2
を160℃とし保持する。
【0116】その後、通電開始から8sec後、つまり
記録材が定着ニップに突入する1sec前に、トナーを
定着するのに必要な温度である第三目標制御温度T3へ
と切り替えを行う。本実施例ではT3は220℃であ
る。
【0117】この前回転温度制御シーケンスは、実施の
形態1に比べるとフィルム92に転移した「汚れトナ
ー」の加圧ローラ93への「戻りトナー量」は増えてし
まう。
【0118】しかし、定着器(定着フィルムユニットと
加圧ローラ93)への供給熱量が増える為に、定着器の
温度を上げることができる。
【0119】このような前回転温度制御シーケンスは厚
紙や封筒など、一般的に定着性が悪い紙に対して用いる
と有効である。
【0120】比較として、実施の形態1と本実施の形態
2の前回転温度制御シーケンスでの加圧ローラ温度を測
定したところ、実施の形態1のシーケンスは80℃、本
実施例のシーケンスでは86℃であった。測定は常温状
態から通電を開始して9sec時点での値である。
【0121】次に、両シーケンスでの定着能力を比較し
た結果を以下に示す。試験方法は、実施の形態1と同様
である。
【0122】
【表4】
【0123】上記した通り、本実施の形態2の前回転温
度制御シーケンスを採用することによって、定着能力の
向上が図れる。
【0124】実施の形態1と同様の加圧ローラ93の汚
れ評価を行ったところ、30000枚時点でわずかなが
らのトナー付着が見られたものの、まったく問題無いレ
ベルであった。
【0125】本実施の形態2におけるトータル前回転温
度制御時間t1の前後におけるフィルムに付着した「汚
れトナー」の残存率は30%であった。
【0126】以上のように、前回転温度制御シーケンス
における制御温度と切り替えタイミングを適宜調節する
ことで、定着能力を向上させつつ、加圧ローラ汚れを防
止することも可能である。
【0127】このように、実施の形態1で説明したフィ
ルムに付着した「汚れトナー」の残存率の関係や時間を
満足させておけば、前回転温度制御シーケンスでの段回
数はいくつ設定してもかまわない。
【0128】本実施の形態2においても、実施の形態1
で述べたのと同様に適宜、後加熱制御を廃止しても何ら
問題無い。
【0129】また、モータ駆動開始後に通電を開始する
ことによって、更に加圧ローラ93への「汚れトナー」
の戻り量を低減することが可能となることも実施の形態
1と同様である。
【0130】更に、前途した熱ローラ方式にも適用でき
るのも実施の形態1と同様である。
【0131】<実施の形態3>本実施の形態3では前回
転温度制御シーケンス以外は、実施の形態1と同様の構
成とする。
【0132】前回転温度制御シーケンスについて説明す
る。本実施の形態3においては、前回転温度制御シーケ
ンスを図18に示すような3段階の温度制御形態を用い
ることを特徴とする。
【0133】まず、プリント信号入力直後にモータ駆動
と同時にヒータへの通電を開始する。
【0134】その時の第一目標制御温度T1を220℃
とし、通電開始(モータ駆動開始)から2sec間、T
1を目標に制御する。このとき、通電開始から2sec
ではヒータ91の温度は220℃まで達しない。しか
し、目標温度を高く設定しておくことでヒータ91の温
度は上昇しやすくなる。つまり、定着器が暖まりやすく
なる。
【0135】ここで、本来ならば140℃を超えたとこ
ろから、徐々にフィルム92に転移した「汚れトナー」
は加圧ローラ93に戻り始めるが、通電開始直後の定着
器が冷えている状態である為、加圧ローラ93に戻って
くるトナー量は少ない。
【0136】次に通電開始から2secと通電開始から
8secの間は、第二目標制御温度T2を120℃と
し、6sec間保持する。
【0137】その後、通電開始から8sec後、つまり
記録材が定着ニップ部Nに突入する1sec前に、トナ
ーを定着するのに必要な温度である第三目標制御温度T
3へと切り替えを行う。本実施例ではT3は220℃で
ある。
【0138】この前回転温度制御シーケンスは、実施の
形態1に比べるとフィルム92に転移した「汚れトナ
ー」の加圧ローラ93へのトナー戻り量は増えてしま
う。
【0139】しかし、定着装置(定着フィルムユニット
と加圧ローラ)への供給熱量が増える為に温度を上げる
ことができる。
【0140】更に、通電開始直後に短時間だけ高温で制
御を行う事で、加圧ローラ93や定着フィルムユニット
は早く加熱できる。しかし、フィルム92へと転移した
「汚れトナー」が戻り始める前にT1よりも低い第二目
標制御温度T2(120℃)へと切り替えることで、加
圧ローラ93への「戻りトナー」を減らしつつ、定着装
置を加熱することが可能となる。
【0141】つまり、ここでの制御温度T1は加圧ロー
ラ93にトナーが戻り始める直前で切り替えることが好
ましい。
【0142】このような前回転温度制御シーケンスは実
施の形態2と同様に厚紙や封筒など、一般的に定着性が
悪い紙に対して用いると有効である。
【0143】実施の形態2と同様に、加圧ローラ温度を
測定したところ本実施の形態のシーケンスでは85℃で
あった。以下に定着能力を測定した結果を示す。
【0144】
【表5】
【0145】上記した通り、本実施の形態3の前回転温
度制御シーケンスを採用することによって、定着能力の
向上が図れる。
【0146】実施の形態1と同様の加圧ローラ93の汚
れ評価を行ったところ、30000枚時点でわずかなが
らのトナー付着が見られたものの、まったく問題無いレ
ベルであった。
【0147】本実施の形態3におけるトータル前回転温
度制御時間t1の前後におけるフィルムに付着した「汚
れトナー」の残存率は30%であった。
【0148】以上のように、前回転温度制御シーケンス
の制御温度と切り替えタイミングを適宜調節すること
で、定着能力を向上させつつ、加圧ローラ汚れを防止す
ることも可能である。
【0149】このように、実施の形態1で説明したフィ
ルムに付着した「汚れトナー」の残存率の関係や時間を
満足させておけば、前回転温度制御シーケンスでの段回
数や制御温度の順番はどのように設定しても何ら問題無
い。
【0150】但し、記録材が定着ニップ部Nに到達した
時点でトナーを定着するのに必要な制御温度に到達して
いることが必要なのは言うまでも無い。
【0151】本実施例においても、実施の形態1で述べ
たのと同様に適宜、後加熱制御を排紙しても何ら問題無
い。
【0152】また、モータ駆動開始後に通電を開始する
ことによって、更に加圧ローラへの「汚れトナー」の戻
り量を低減することが可能となることも実施の形態1と
同様である。
【0153】更に、前途した熱ローラ方式にも適用でき
るのも実施の形態1と同様である。
【0154】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、トナー
物性や前回転温度制御時間、定着(プリント)温度、加
圧ローラ回転数によらず、加圧ローラがトナーで汚れる
ことが無く、蓄積したトナーでシートを汚すことの無い
画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における画像形成装置の略図。
【図2】 定着装置の略図。
【図3】 後加熱制御の説明図(その1)。
【図4】 後加熱制御の説明図(その2)。
【図5】 前回転温度制御図。
【図6】 従来例の前回転温度制御図。
【図7】 定着フィルムに転移したトナーの残存率測定
法の説明図(その1)
【図8】 定着フィルムに転移したトナーの残存率測定
法の説明図(その2)
【図9】 定着フィルムに転移したトナーの残存率測定
法の説明図(その3)
【図10】 定着フィルムに転移したトナーの残存率測
定法の説明図(その4)
【図11】 定着フィルムに転移したトナーの残存率測
定法の説明図(その5)
【図12】 フローテスターのプランジャー降下量−温
度曲線(フローテスター流出曲線)
【図13】 定着フィルムに転移したトナーの残存率グ
ラフ。
【図14】 前回転温度制御図。
【図15】 効果の説明図。
【図16】 前回転温度制御図。
【図17】 実施の形態2における前回転温度制御図。
【図18】 実施の形態3における前回転温度制御図。
【符号の説明】 1・・感光ドラム 2・・帯電ローラ 3・・露光装置 4・・現像装置 4a・・現像ローラ 5・・転写ローラ 6・・クリーニング装置 6a・・クリーニングブレード 7・・給紙カセット P・・記録材 8・・給紙ローラ 9・・定着装置(定着器) 91・・ヒータ 91a・・ヒータ基材 91b・・ヒータ抵抗体 91c・・ヒータガラス層 92・・定着フィルム 93・・加圧ローラ 93a・・加圧ローラ芯金 93b・・加圧ローラ離型層 94・・温度制御手段 95・・ヒータホルダ 96・・サーミスタ 97・・トライアック 98・・CPU 10・・排紙ローラ 11・・排紙トレイ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱源が内包されている回転体と、該回
    転体と対をなして該回転体の一部に圧接され、未定着画
    像が担持されている記録材を挟持搬送して該画像を定着
    するための加圧部材から成る定着部を有し、記録材が該
    定着部に到達する前に該加熱源を加熱する温度制御にお
    いて、該温度制御を行う時間をt1とすると、時間t1
    において一定温度制御を行った時、該加熱源が内包され
    ている回転体に付着したトナーの70%以上が保持され
    る温度をT1とし、該時間t1に対してt2≧t1×
    0.4なる時間t2の間は温度T1以下で少なくとも1
    段階は温度制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 加熱源が内包されている回転体と、該回
    転体と対をなして該回転体の一部に圧接され、未定着画
    像が担持されている記録材を挟持搬送して該画像を定着
    するための加圧部材から成る定着部を有し、記録材が該
    定着部に到達する前に該加熱源を加熱する温度制御にお
    いて、該温度制御を行う時間をt1とすると、該温度制
    御前において、該加熱源が内包されている回転体に付着
    したトナーが、該温度制御後においても20%以上が残
    るよう温度制御することを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 記録材排出後の駆動停止時において、加
    熱源への加熱制御を行うことを特徴とする請求項1又は
    2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記温度制御はプリント信号入力後の1
    枚目が定着部に到達する前の温度制御であることを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成
    装置。
  5. 【請求項5】 加熱源が内包されている回転体と加圧部
    材の圧接で形成される定着部温度が100℃以下の場合
    において、前記温度T1で1段階以上、温度制御するこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    画像形成装置。
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