JP3984708B2 - 画像形成装置 - Google Patents
画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3984708B2 JP3984708B2 JP19469098A JP19469098A JP3984708B2 JP 3984708 B2 JP3984708 B2 JP 3984708B2 JP 19469098 A JP19469098 A JP 19469098A JP 19469098 A JP19469098 A JP 19469098A JP 3984708 B2 JP3984708 B2 JP 3984708B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paper
- fixing
- pressure roller
- heater
- cleaning
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Fixing For Electrophotography (AREA)
- Control Or Security For Electrophotography (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機、レーザビームプリンタ等に使用される定着装置を搭載した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置における定着装置としては、熱ローラ方式やオンディマンド方式のものが知られている。
【0003】
熱ローラ方式の定着装置は、加熱装置を有する一対のローラ(定着ローラと加圧ローラ)を加圧当接させ、このニップ内に紙等の記録材たるシートを通過させることによってシート上のトナーを溶融させて定着させるものである。
【0004】
上述の一対のローラのうち、シート表面(トナーを担持した側をいう)に接触する定着ローラは、その表面が離型性の良い材料で構成された円筒状のローラであり、内側に配置されたハロゲンヒータ(加熱装置)によってトナーを加熱する。一方、シート裏面に接触する加圧ローラは、芯金上に弾性層を設けて構成され、トナー層に適度な加圧を行う。
【0005】
ここで、シート表面のトナーは、そのすべてが加熱溶融してシート表面に定着されるのが理想的であるが、溶けきらないコールドオフセット状態のトナー、溶けすぎたホットオフセット状態のトナー、静電的に定着ローラにオフセットしたトナー(以下「トナー汚れ」という)等が存在するとこれらのトナー汚れは、定着ローラと加圧ローラとのうちの離型性の悪い方のローラ表面に付着してしまう。
【0006】
加圧ローラに比べて定着ローラの離型性の方が低い場合、定着ローラにトナー汚れが付着するが、定着ローラは、画像形成中は常にトナー溶融温度に加熱されているため、トナー汚れは溶融した状態となっており、次のシートがきたときにその表面のトナー像と混ざってシートに移動するため、定着ローラが継続的に汚れているという状態は存在しにくい。しかし、場合によっては、トナー汚れが定着ローラ表面に存在することがあり、そのようなときは画像を汚してしまう可能性がある。
【0007】
一方、定着ローラに比べて加圧ローラの離型性が低い場合には、一旦、定着ローラにオフセットしたトナー汚れは加圧ローラに移る。加圧ローラは定着ローラと比べて温度が低く、移動したトナー汚れは加圧ローラ上では必ずしも完全に溶融した状態では存在しない。また、加圧ローラにはシート表面のトナー像は接触しないため、トナー汚れがトナー像に持っていかれることは少なく、一旦汚れると汚れが蓄積されていくといった欠点があった。そして、加圧ローラ上にトナー汚れが蓄積されると、加圧ローラの離型性が低下するためシート(特にシートがOHPフィルムの場合)が加圧ローラに巻き付いたり、場合によっては蓄積されたトナー汚れが一気にシート裏面を汚したりするという問題があった。
【0008】
次に、オンディマンド(On Demand)方式の定着装置は、上述の熱ローラ方式のものと比べ、クイックスタート、省電力を可能にしたものである。オンディマンド方式では、熱ローラ方式におけるハロゲンヒータ及び定着ローラに代えて、セラミック等のヒータとポリイミド等の薄いフィルムを用いて定着装置の熱容量を小さくすることにより、クイックスタート、省電力を可能にしている。
【0009】
このようなオンディマンド方式の定着装置では熱容量が小さくて温度応答性が良いため、定着装置を予熱する必要がなく、きめ細かな温度制御が可能であり、通紙時以外は定着装置への通電をオフすることができるようになった。
【0010】
しかしながら、オンディマンド方式の定着装置において、上述のような温度制御を行うと加圧ローラは通紙時以外は加熱されないため、熱ローラ方式に比べて温度が上昇しにくく、最大でも100℃程度にしか昇温しない。このため、定着フィルムにオフセットして加圧ローラに転移したトナー汚れは加圧ローラ上では溶融せずに、加圧ローラ上でほとんど固着した状態で存在する。
【0011】
このような状態であるため、シートを通紙したとき加圧ローラのトナー汚れはほとんどクリーニングできなかった。トナー汚れは、たとえ、特開平3−58074号公報で開示されているクリーニングペーパー、すなわち、ベタ画像を定着した紙でクリーニングを行っても、除去しきれなかった。場合によっては、クリーニングペーパー上のベタ画像のトナーが加圧ローラ上のトナーに剥ぎ取られて加圧ローラの汚れを促進することもあった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための本発明は、記録材にトナー像を形成する画像形成部と、少なくとも一方が回転可能な一対の定着部材及び前記一対の定着部材の間に形成される定着ニップ部を加熱するヒータを有し前記定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ記録材上のトナー像を加熱定着する加熱定着手段と、を有し、クリーニング用シートを前記定着ニップ部で挟持搬送して前記回転可能な定着部材をクリーニングするクリーニングモードを有する画像形成装置において、前記クリーニングモードが設定されると、前記定着ニップ部でクリーニング用シートを挟持した状態の搬送と停止が繰り返し行われ、クリーニング用シート停止中には、前記ヒータへ通電して前記定着ニップ部を加熱する加熱期間と前記ヒータへの通電を遮断状態とするまたは前記定着ニップ部の温度が下がるように前記ヒータへ通電する冷却期間があることを特徴とする。
【0082】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0083】
〈参考例〉
図1に、本発明に係る画像形成装置を示す。なお、同図は、本発明に係る画像形成装置の一例としてのレーザビームプリンタの概略構成を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、記録材のうち通常の定着に使用するのを「記録材P」といい、定着部材のクリーニングに使用するものを「シートP」といって区別するものとする。
【0084】
まず、同図を参照してレーザビームプリンタ(以下「画像形成装置」という)の構成を説明する。
【0085】
同図に示すレーザビームプリンタは、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)1を備えている。感光ドラム1は、装置本体Mによって回転自在に支持されており、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0086】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電ローラ(帯電装置)2、露光手段3、現像装置4、転写ローラ(転写装置)5、クリーニング装置6が配設されている。
【0087】
また、装置本体Mの下部には、紙等の記録材Pを収納した給紙カセット7が配配されており、記録材Pの搬送経路に沿って順に、給紙ローラ15、搬送ローラ8、トップセンサ9、搬送ガイド10、本発明に係る定着装置11、搬送ローラ12、排紙ローラ13、排紙トレイ14が配置されている。
【0088】
次に、上述構成の画像形成装置の動作を説明する。
【0089】
駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に回転駆動された感光ドラム1は、帯電ローラ2によって所定の極性、所定の電位に一様に帯電される。
【0090】
帯電後の感光ドラム1は、その表面に対しレーザ光学系等の露光手段3によって画像情報に基づいた画像露光Lがなされ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
【0091】
静電潜像は、現像装置4によって現像される。現像装置4は、現像ローラ4aを有し、この現像ローラ4aに現像バイアスを印加して感光ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させトナー像として現像(顕像化)する。
【0092】
トナー像は、転写ローラ5によって紙等の記録材Pに転写される。シートPは、給紙カセット7に収納されており、給紙ローラ15によって給紙され、搬送ローラ8によって搬送され、トップセンサ9を介して、感光ドラム1と転写ローラ5との間の転写ニップ部に搬送される。このとき記録材Pは、トップセンサ9によって先端が検知され、感光ドラム1上のトナー像と同期がとられる。転写ローラ5には、転写バイアスが印加され、これにより、感光ドラム1上のトナー像が記録材P上の所定の位置に転写される。
【0093】
転写によって表面に未定着トナー像を担持した記録材Pは、搬送ガイド10に沿って定着装置11に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱、加圧されて記録材P表面に定着される。なお、定着装置11については後に詳述する。
【0094】
トナー像定着後の記録材Pは、搬送ローラ12によって搬送され、排紙ローラ13によって装置本体上面の排紙トレイ14上に排出される。
【0095】
一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、記録材Pに転写されないで表面に残ったトナー(転写残トナー)がクリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって除去され、次の画像形成に供される。
【0096】
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。
【0097】
次に、図2を参照して、本発明に係る定着装置11の一例について詳述する。なお、同図は、記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に沿った縦断面図である。
【0098】
同図に示す定着装置11は、フィルム状の定着回転体である定着フィルム25と、定着フィルム25に当接された定着回転体としての加圧ローラ26と、定着フィルム25を介してトナーを加熱するセラミックヒータ(ヒータ)20と、セラミックヒータ20の温度を制御する温度制御手段27と、クリーニングに使用する記録材Pの搬送を制御する回転制御手段28とを主要構成部材として構成されている。
【0099】
セラミックヒータ20は、抵抗発熱体であり、アルミナ等の耐熱性の基材20a上に例えば印刷によって抵抗体パターン20bを形成し、その表面をガラス層20cで被覆したものであり、記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に向かっての左右方向(すなわち、紙面垂直方向)に長く、すなわち、記録材Pの幅よりも長く形成されている。セラミックヒータ20は、装置本体Mに取り付けられたヒータホルダ22によって支持されている。ヒータホルダ22は、耐熱樹脂によって半円状に形成された部材であり、次の定着フィルム25の回転をガイドするガイド部材としても作用する。
【0100】
定着フィルム25は、熱容量が加圧ローラ26よりも小さい。定着フィルム25は、ポリイミド等の耐熱樹脂を円筒状に形成したものであり、表面にフッ素樹脂などの離型層が設けられている。定着フィルム25は、総厚100μm以下であり、上述のセラミックヒータ20及びヒータホルダ22に遊嵌されている。定着フィルム25は、後述の加圧ローラ26によってセラミックヒータ20に押し付けられており、これにより定着フィルム25の裏面がセラミックヒータ20の下面に当接されるようになっている。定着フィルム25は、加圧ローラ26の矢印R26方向の回転により記録材Pが矢印K方向に搬送されるのに伴って矢印R25方向に回転されるように構成されている。なお、定着フィルム25の左右の両端部は、ヒータホルダ22のガイド部(不図示)によって規制されており、セラミックヒータ20の長手方向にずれないようになっている。また、定着フィルム25の内面には、セラミックヒータ20やヒータホルダ22との間の摺動抵抗を低減するためにグリースを塗布してある。
【0101】
加圧ローラ26は、金属製の芯金26aの外周面に、シリコーンゴム等の弾性を有する耐熱性の離型層26bを設けたものであり、離型層26bの外周面により下方から定着フィルム25をセラミックヒータ20に押し付けて、定着フィルム25との間に定着ニップ部N(以下単に「ニップN」という。)を形成している。このニップNにおける、加圧ローラ26の回転方向(すなわち、記録材Pの搬送方向)についての幅(ニップ幅)をaとすると、このニップ幅aは、記録材P上のトナーを好適に加熱、加圧することができる程度に設定されている。
【0102】
回転制御手段28は、加圧ローラ26を回転駆動するモータ29と、モータ29の回転を制御するCPU30とを有する。モータ29としては、例えばステッピングモータ等を使用することができ、加圧ローラ26の回転を矢印R26方向に連続的に行う外、所定の角度ずつ断続的に行うことも可能である。つまり、加圧ローラ26の回転と停止とを繰り返しながら、後述のシートPをステップ送りすることもできる。
【0103】
温度制御手段27は、セラミックヒータ20の裏面に取り付けられた温度検知手段であるサーミスタ21と、サーミスタ21が検出するセラミックヒータ20の温度に基づいてトライアック24を制御し、セラミックヒータ20に対する通電を制御するCPU23とを有する。
【0104】
上述のように、定着装置11は、加圧ローラ26の矢印R26方向の回転により未定着トナーを担持している記録材PをニップNにて挟持搬送しつつ、セラミックヒータ20によってシート上のトナーを加熱する。この際、回転制御手段28によって加圧ローラ26の回転を制御することにより、シートPの送りを適宜に制御することができ、また、温度制御手段27によってセラミックヒータ20の温度を適宜に制御することができるものである。
【0105】
次に、図3のフローチャートを参照して、定着装置11のクリーニングについて説明する。なお、定着装置11において、通常の定着を行うためのモードを「定着モード」、クリーニングを行うためのモードを「クリーニングモード」というものとする。
【0106】
まず、スタート状態(S1)では定着装置11が待機状態である。この状態で、ユーザがクリーニングが必要であると判断すると、装置本体Mの操作パネルやホストコンピュータ(不図示)等からの信号によって画像形成装置をクリーニングモードに切り換える(S2)。クリーニングモードになった画像形成装置ではクリーニング用のシートP(クリーニングに使用するシートPという意味であり、参考例では、普通の記録材Pと同じ。以下適宜「紙」という。)の給紙を開始し(S3)、1枚の紙を画像形成することなく白紙で定着装置11に送る。この場合、画像形成して紙上に「クリーニングしました」等の記事を入れて、ユーザに知らせるようにしてもよい。
【0107】
ここで、紙の先端がニップNに到達する時間は、紙の搬送速度と、紙の先端がトップセンサ9を通過した時間とから算出することができ、また、同様にして紙の先端がニップNを出る時間も算出することができる。なお、この紙の先端がニップNを出たか否かの検出は、ニップ下流にセンサを配設してこれにより紙先端を検出するようにしてもよい。紙の先端がニップNを出たことを検出したときは(S4)、モータ29を停止して定着フィルム25と加圧ローラ26との回転を停止させ、セラミックヒータ20(以下適宜「ヒータ20」という)への通電をONし(S5)、タイマの時間tを0にセットして、ニップ内でのヒータ20による加熱を開始する(S6、S7)。
【0108】
なお、図3のフローチャートでは、この時点でヒータ20をONにしているが、それ以前からONにしておき、プリント時より低温で温調して定着フィルム25の摺動トルクを減らしておいてもよい。これは、定着フィルム25内面に塗布されているグリースの粘性が温度を上げることで低下することを利用するものである。さらに、加圧ローラ26の表面についたトナー等の付着物を軟化させてクリーニング用のシートである紙に付きやすくするために、紙がニップNに入る以前にある程度加圧ローラ26表面を暖めておくのもよい。この場合は、ヒータ20をプリント時と同じ高温に維持した状態で、加圧ローラ26を数回転だけ回転させておく必要がある。
【0109】
いずれの場合も、モータ29の停止(すなわち、定着フィルム25と加圧ローラ26との回転の停止)と同時に、タイマのカウントを開始する。タイマの時間tが、加圧ローラ26表面に付着したトナー等を軟化させて紙に付着させることができるまでの時間t1以上の加熱時間を経過したかどうかを見る(S8)。あるいは、サーミスタ21が検出するヒータ20の温度が所定の温度を超えたことで判断してもよい。この所定温度としては、トナーの軟化点又は融点が好ましい。なお、軟化点の測定方法については後述する。こうして一旦、加圧ローラ表面の付着物を軟化させた後に、モータ29を起動して紙をニップ幅a分だけ搬送すると(S9)、付着物は、加圧ローラ26表面から剥離して紙の裏面に転移する。
【0110】
このように、紙の停止中に加圧ローラ26表面のトナーを軟化させることで、軟化トナーを紙の凹凸に入り込ませ、紙に付着させることができる。
【0111】
上述の、付着物の軟化、紙のニップ幅a分の送りを、加圧ローラ26の1周分について繰り返すことで、加圧ローラ26表面全体をクリーニングすることができる。
【0112】
参考例では、S9で紙をニップ幅a分だけ送った後、モータ29を停止して加圧ローラ26及び定着フィルム25の回転を停止させている(S10)。そして、紙の後端がニップNに入るまではS6〜S11を繰り返す。
【0113】
クリーニングに用いた紙の後端がニップNに入ると(S11)、モータ29を正規の定速度で回転させ(S12)、ニップNからの排紙が完了したと判断されると(S13)、クリーニングモードを終了する(S14)。このクリーニングを終了するタイミングは、紙後端がニップNに入ってからでなくても、加圧ローラ26表面全面が少なくとも一度はニップN中で停止していればよい。
【0114】
次に、前述したトナーの軟化点の測定方法を以下に説明する。軟化点とは、下記方法で測定された温度T0 をいう。もちろん、測定方法は本発明で使用した方法を基に変更することもできる。測定は次のように行った。フローテスターCFT−500A型(島津製作所製)を使用し、ダイ(ノズル)の直径0.2mm、厚み1.0mmとして20kgの押出荷重を加え、初期設定温度70℃で予熱時間300秒の後、6℃/分の速度で等速昇温したとき描かれるトナーのプランジャー降下量−温度曲線(以下「軟化S字曲線」という)を求める。試料となるトナーは1〜3g精製した微粉末を用い、プランジャー断面積は1.0cm2 とした。
【0115】
軟化S字曲線は、普通、図11に示すようなカーブとなる。等速昇温するに従い、トナーは徐々に加熱され流出が開始される(プランジャー降下A→B)。さらに昇温すると溶融状態となったトナーは大きく流出し(B→C→D)、プランジャー降下が停止して終了する(D→E)。軟化S字曲線の高さHは、全流出量を示し、H/2のC点に対応する温度T0 はその軟化点を示す。
【0116】
参考例及び実施の形態1、2、3、4、5では軟化点が約110℃であるトナーを使用している。
【0117】
次に、参考例の具体例を示す。
【0118】
〈具体例1〉
紙の搬送速度が50mm/秒、加圧ローラ26の直径が25mm、加圧ローラ26の離型層26bのゴム厚が3mm、ニップ幅aが5mm、トップセンサ9からニップ中心までの距離が150mmにそれぞれ設定された画像形成装置の場合を例に説明する。通常のプリント時には、ヒータ20は、150℃から190℃の間で制御される。これは、加圧ローラ26の冷えている状態に対してはヒータ20を高温に維持し、逆に、加圧ローラ26が暖まった状態に対してはヒータ20を低温に制御することで、紙に対する熱供給を一定にするためである。図3のフローチャートに基づいて説明すると、給紙開始後、紙は、その先端がトップセンサ9を通過した後、(150+2.5)/50秒後にニップNから出始める(S4)。
【0119】
この時点で、モータ29を停止させて紙をニップ内で滞留させ、この状態で加熱を開始する。加熱制御温度はトナーの軟化点よりも高温の190℃とし、1秒通電後にモータ29を再度起動して、ニップ幅aに等しい5mmだけ紙を送る。その後再度モータ29を停止させる。このような、ニップ幅aだけ紙を搬送してモータ29を停止するステップ送りの工程を加圧ローラ26の1周分以上繰り返す。本具体例1の場合、加圧ローラ26の外周は78.5mmであるので、16回以上のステップ送りが必要となる。
【0120】
紙の後端がニップNに入るとこのステップ送りを終了して、定速で紙を搬送し排紙して停止させた。この方法で、加圧ローラ26に付着したトナー等の汚れは90%以上が除去され、しかも残った10%についても、通常のプリント時に加圧ローラ26から剥れて紙に付着するということはなく、優れたクリーニング効果を得ることができた。
【0121】
〈具体例2〉
具体例2では、紙がニップNに進入するまでの間に、加圧ローラ26を暖めておくことでクリーニング性能を向上させるとともに、クリーニング時間を短縮するものである。
【0122】
図3のフローチャートに基づいて説明すると、給紙開始後、紙がニップNに進入する前に、ヒータ20を190℃で制御しておく。トップセンサ9を紙先端を出た後、(150+2.5)/50秒後に紙の先端がニップNから出始める(S4)。
【0123】
この時点で、モータ29を停止させて紙をニップN内で滞留させ、この状態で加熱を開始する。加熱制御温度はトナーの軟化点よりも高温の190℃とし、0.5秒通電後にモータ29を再度起動して、5mmだけ紙を搬送してからモータ29を停止するステップ送りを行う。その後再度ステップ送りの工程を加圧ローラ26の1周分以上繰り返す。加圧ローラ26の外周はこの場合78.5mmであるので、16回以上の繰り返しが必要となる。紙の後端がニップNに入るとこのステップ送りを終了して、定速で紙を搬送し排紙して停止させた。
【0124】
この方法で、加圧ローラ26に付着したトナー等の汚れは93%以上が除去され、しかも残った7%も通常プリント時に紙上に剥がれて出てこないといった優れたクリーニング効果が得られた。
【0125】
前述の具体例1では、加圧ローラ26の1周のクリーニングに、モータ29の起動と停止時間を加えて約27秒が必要であったが、本具体例2では、約19秒でクリーニングできるので、格段に時間が短縮されたといえる。
【0126】
〈実施の形態1〉
本実施の形態1は先の参考例に改良を加え、さらにクリーニング性を向上させるものである。本実施の形態で使用されるトナー、画像形成装置、及び定着装置の寸法関係は前述の参考例と同一とする。
【0127】
図4のフローチャートを参照して、本実施の形態1における制御を説明する。参考例と違う点は、モータ29の停止中にヒータ20への通電をオフする点である。
【0128】
まず、スタート状態(S21)では定着装置11が待機状態である。この状態で、ユーザがクリーニングが必要であると判断すると、装置本体Mの操作パネルやホストコンピュータ(不図示)等からの信号によって画像形成装置をクリーニングモードに切り換える(S22)。クリーニングモードになった画像形成装置ではクリーニング用のシートP(紙)の給紙を開始し(S23)、1枚の紙を画像形成することなく白紙で定着装置11に送る。この場合、画像形成して紙上に「クリーニングしました」等の記事を入れて、ユーザに知らせるようにしてもよい。
【0129】
ここで、紙の先端がニップNに到達する時間は、紙の搬送速度と、紙の先端がトップセンサ9を通過した時間とから算出することができ、また、同様にして紙の先端がニップNを出る時間も算出することができる。なお、この紙の先端がニップNを出たか否かの検出は、ニップ下流にセンサを配設してこれにより紙先端を検出するようにしてもよい。紙の先端がニップNを出たことを検出したときは(S24)、モータ29を停止して定着フィルム25と加圧ローラ26との回転を停止させ、ヒータ20への通電をオンし(S25)、タイマの時間tを0にセットして、ニップ内でのヒータ20による加熱を開始する(S26、S27)。
【0130】
なお、図4のフローチャートでは、この時点でヒータ20をオンにしているが、それ以前からオンにしておき、プリント時より低温で温調して定着フィルム25の摺動トルクを減らしておいてもよい。これは、定着フィルム25内面に塗布されているグリースの粘性が温度を上げることで低下することを利用するものである。さらに、加圧ローラ26の表面についたトナー等の付着物を軟化させてクリーニング用のシートである紙に付きやすくするために、紙がニップNに入る以前にある程度加圧ローラ26表面を暖めておくのもよい。この場合は、ヒータ20をプリント時と同じ高温に維持した状態で、加圧ローラ26を数回転だけ回転させておく必要がある。
【0131】
いずれの場合も、モータ29の停止(すなわち、定着フィルム25と加圧ローラ26との回転の停止)と同時に、タイマのカウントを開始する。タイマの時間tが、加圧ローラ26表面に付着したトナー等を軟化させて紙に付着させることができるまでの時間t1以上の加熱時間を経過したかどうかを見る(S28)。あるいは、サーミスタ21の検出するヒータ20の温度が所定の温度を超えたことで判断してもよい。この所定温度としては、トナーの軟化点又は融点が好ましい。こうして一旦、加圧ローラ表面の付着物を軟化させた後に、ヒータ20への通電をオフにして非加熱とし(S29)、さらに、ヒータ20の温度が所定の温度よりも低くなるのを待つ。この所定温度としては、トナー温度を軟化点よりも低くする温度であればよく、軟化点でもよい。ここでは、タイマのカウントがあらかじめ定めた時間t2(所定の温度よりも低下する時間)を超えたかどうかで判断するようにしている(S30)。なお、サーミスタ21の検出する温度がトナーの軟化点よりも低い所定温度であるかどうかで判断してもよい。
【0132】
こうしてニップ内において加圧ローラ26の付着物が冷えると、加圧ローラ26と紙との表面粗さや表面エネルギーの違いに基づき、付着物は、加圧ローラ26よりも紙に強固に付着する。すなわち軟化前には加圧ローラ26表面に付着していた付着物は、軟化・冷却後には、加圧ローラ26よりも紙に強力に付着することになる。ここで、モータ29を起動して紙をニップ幅a分だけ搬送すると(S31)、付着物は、加圧ローラ26表面から剥離して紙の裏面に転移する。
【0133】
このように、紙の停止中に加圧ローラ26表面のトナーを軟化させることで、軟化トナーを紙の凹凸に入り込ませ、紙に付着させることができる。このため、そのまま紙を送ってもよいが、トナーを軟化させた後、冷却してから紙を送った方が一層効果的である。一旦冷却することで、軟化して紙の凹凸に入り込んだトナーを固まらせ確実に紙に付着させてクリーニング効果をあげるとともに、紙に付いた付着物が搬送途中で落下して、障害物となって発生するジャムや、紙折れといった問題をも防止できる。
【0134】
上述の、付着物の軟化、冷却、紙のニップ幅a分の送りを、加圧ローラ26の1周分について繰り返すことで、加圧ローラ26表面全体をクリーニングすることができる。
【0135】
本実施の形態では、S31で紙をニップ幅a分だけ送った後、モータ29を停止して加圧ローラ26及び定着フィルム25の回転を停止させている(S32)。そして、紙の後端がニップNに入るまではS26〜S33を繰り返す。
【0136】
クリーニングに用いた紙の後端がニップNに入ると(S33)、モータ29を正規の定速度で回転させ(S34)、ニップNからの排紙が完了したと判断されると(S35)、クリーニングモードを終了する(S36)。このクリーニングを終了するタイミングは、紙後端がニップNに入ってからでなくても、加圧ローラ26表面全面が少なくとも一度はニップN中で停止していればよい。
【0137】
次に、本実施の形態1の具体例を示す。
【0138】
〈具体例1〉
紙の搬送速度が50mm/秒、加圧ローラ26の直径が25mm、加圧ローラ26の離型層26bのゴム厚が3mm、ニップ幅aが5mm、トップセンサ9からニップ中心までの距離が150mmにそれぞれ設定された画像形成装置の場合を例に説明する。通常のプリント時には、ヒータ20は、150℃から190℃の間で制御される。これは、加圧ローラ26の冷えている状態に対してはヒータ20を高温に維持し、逆に、加圧ローラ26が暖まった状態に対してはヒータ20を低温に制御することで、紙に対する熱供給を一定にするためである。図4のフローチャートに基づいて説明すると、給紙開始後、紙は、その先端がトップセンサ9を通過した後、(150+2.5)/50秒後にニップNからで始める(S24)。
【0139】
この時点で、モータ29を停止させて紙をニップ内で滞留させ、この状態で加熱を開始する。加熱制御温度はトナーの軟化点よりも高温の190℃とし、1秒通電後に通電をオフして加熱を終了し、0.5秒経過後にヒータ温度で130℃にまで低下した時点でモータ29を再度起動して、ニップ幅aに等しい5mmだけ紙をステップ送りする。その後再度モータ29を停止させ、加熱と冷却の工程を加圧ローラ26の1周分以上繰り返す。本具体例1の場合、加圧ローラ26の外周は78.5mmであるので、16回以上のステップ送りが必要となる。
【0140】
紙の後端がニップNに入るとこのステップ送りを終了して、定速で紙を搬送し排紙して停止させた。この方法で、加圧ローラ26に付着したトナー等の汚れは95%以上が除去され、しかも残った5%についても、通常のプリント時に加圧ローラ26から剥れて紙に付着するということはなく、優れたクリーニング効果を得ることができた。
【0141】
〈具体例2〉
具体例2では、紙がニップNに進入するまでの間に、加圧ローラ26を暖めておくことでクリーニング性能を向上させるとともに、クリーニング時間を短縮するものである。
【0142】
図4のフローチャートに基づいて説明すると、給紙開始後、紙がニップNに進入する前に、ヒータ20を190℃で制御しておく。トップセンサ9を紙先端を出た後、(150+2.5)/50秒後に紙の先端がニップNから出始める(S24)。
【0143】
この時点で、モータ29を停止させて紙をニップ内で滞留させ、この状態で加熱を開始する。加熱制御温度は190℃とし、0.5秒通電後に通電をオフして加熱を終了し、0.5秒経過後にヒータ温度でトナーの軟化点よりも低温の130℃にまで低下した時点でモータ29を再度起動して、5mmだけ紙をステップ送りする。その後再度加熱と冷却の工程を加圧ローラ26の1周分以上繰り返す。加圧ローラ26の外周はこの場合78.5mmであるので、16回以上の繰り返しが必要となる。紙の後端がニップNに入るとこのステップ送りを終了して、定速で紙を搬送し排紙して停止させた。
【0144】
この方法で、加圧ローラ26に付着したトナー等の汚れは98%以上が除去され、しかも残った2%も通常プリント時に紙上に剥がれて出てこないといった優れたクリーニング効果が得られた。
【0145】
前述の具体例1では、加圧ローラ26の1周のクリーニングに、加熱冷却時間24.0秒にモータ29の起動と停止時間を加えて約35秒が必要であったが、本具体例2では、約27秒でクリーニングできるので、格段に時間が短縮されたといえる。
【0146】
〈実施の形態2〉
本実施の形態2は先の参考例及び実施の形態1に改良を加え、さらにクリーニング性を向上させるものである。本実施の形態で使用されるトナー、画像形成装置、及び定着装置の寸法関係は前述の実施の形態1と同一とする。
【0147】
図5のフローチャートを参照して、本実施の形態2における制御を説明する。参考例及び実施の形態1との相違点は、加圧ローラ26の1周全面が少なくとも1度は、ニップN中で停止したら、その後、ヒータ20の制御温度を上昇させる点である。
【0148】
まず、スタート状態(S41)では定着装置11が待機状態である。この状態で、ユーザがクリーニングが必要であると判断すると、装置本体Mの操作パネルやホストコンピュータ(不図示)等からの信号によって画像形成装置をクリーニングモードに切り換える(S42)。クリーニングモードになった画像形成装置では紙の給紙を開始し(S43)、1枚の紙を画像形成することなく白紙で定着装置11に送る。この場合、画像形成して紙上に「クリーニングしました」等の記事を入れて、ユーザに知らせるようにしてもよい。
【0149】
ここで、紙の先端がニップNに到達する時間は、紙の搬送速度と、紙の先端がトップセンサ9を通過した時間とから算出することができ、また、同様にして紙の先端がニップNを出る時間も算出することができる。なお、この紙の先端がニップNを出たか否かの検出は、ニップ下流にセンサを配設してこれにより紙先端を検出するようにしてもよい。紙の先端がニップNを出たことを検出したときは(S44)、モータ29を停止し(S45)、ヒータ20をオンし、タイマの時間tを0にセットして、ニップ内でのヒータ20による加熱を開始する(S46、S47)。
【0150】
なお、図5のフローチャートでは、この時点でヒータ20をオンにしているが、それ以前からオンにしておき、プリント時より低温で温調して定着フィルム25の摺動トルクを減らしておいてもよい。これは、定着フィルム25内面に塗布されているグリースの粘性が温度を上げることで低下することを利用するものである。さらに、加圧ローラ26の表面についたトナー等の付着物を軟化させてクリーニング用の紙に付きやすくするために、紙がニップNに入る以前にある程度加圧ローラ26表面を暖めておくのもよい。この場合は、ヒータ20をプリント時と同じ高温に維持した状態で、加圧ローラ26を数回転だけ回転させておく必要がある。
【0151】
いずれの場合も、モータ29の停止と同時に、タイマのカウントを開始する。タイマの時間tが、加圧ローラ26表面に付着したトナー等を軟化させて紙に付着させることができるまでの時間t1以上の加熱時間を経過したかどうかを見る(S48)。あるいは、ヒータ20の温度が所定の温度を超えたことで判断してもよい。こうして一旦、加圧ローラ表面の付着物を軟化させた後に、ヒータ20をオフにし(S49)、さらに、ヒータ20の温度が所定の温度よりも低下するのを待つ。ここでは、タイマのカウントがあらかじめ定めた時間t2(所定の温度よりも低下する時間)を超えたかどうかで判断するようにしている(S50)。なお、サーミスタ21の検出する温度が所定温度であるかどうかで判断してもよい。
【0152】
こうしてニップ内において加圧ローラ26の付着物が冷却されると、加圧ローラ26と紙との表面粗さや表面エネルギーの違いに基づき、付着物は、加圧ローラ26よりも紙に強固に付着される。すなわち軟化前には加圧ローラ26表面に付着していた付着物は、軟化・冷却後には、加圧ローラ26よりも紙に強力に付着することになる。ここで、モータ29を起動して紙をニップ幅a分だけ搬送すると(S51)、付着物は、加圧ローラ26表面から剥離して紙の裏面に転移する。
【0153】
このように一旦冷却することでクリーニング効果をあげるとともに、紙に付いた付着物が搬送途中で落下して、障害物となって発生するジャムや、紙折れといった問題をも防止できる。
【0154】
上述の、付着物の軟化、冷却、紙のニップ幅分のステップ送りを、加圧ローラ26の1周分について繰り返すことで、加圧ローラ26表面全体をクリーニングすることができる。
【0155】
紙の後端がニップNを出ていない場合(S52、S53)には、加圧ローラ26の1周分(1周分の回転量)のクリーニングが終了すると(S54)、さらに制御温度を10℃上昇させる(S55)。そして、S46に戻り、再度この温度でクリーニング工程を加圧ローラ1周分(次の1周分の回転量)に対して行う。この場合には、加圧ローラ26及び加圧ローラ表面に付着している汚れは、前回の1周に比較して、これよりもさらに加熱されるので、前回の1周では取り除くことのできなかった汚れまでクリーニング可能となった。この場合には、複数回、ヒータ20の温度を上げてもよいが、上げすぎると安全装置が作動するなどの弊害があるので、1周ごとに上げる制御温度の大きさ、何周にわたって温度を上げ続けるか等は、装置構成ごとに決められるものである。
【0156】
なお、本実施の形態では、紙をニップ幅a分だけ搬送してモータ29を停止するが、1度のステップ送り分は、ニップ幅aでなくてもよい。加圧ローラ26の1周全面が少なくとも1度はニップN中で停止した後でヒータ20の制御の温度を上昇させればよい。
【0157】
クリーニングに用いた紙の後端がニップNに入ると(S53)、モータ29を正規の定速度で回転させて(S56)、クリーニングに供された紙が、搬送ローラ12、排紙ローラ13を介して排紙トレイ14上に排出されると、クリーニングが終了したと判断され(S57)、クリーニングモードを終了する(S58)。これは、紙の後端が簡単に加圧ローラ26から分離されるようにすることで、紙が後端から加圧ローラ26に巻き込まれるジャムを防止するためである。
【0158】
〈具体例1〉
紙の搬送速度が50mm/秒、加圧ローラの直径が25mm、離型層26bのゴム厚が3mm、ニップ幅aが5mm、トップセンサ9からニップ中心までの距離が150mmに設定された画像形成装置の場合を例に説明する。通常のプリント時には、ヒータ20は、150℃から190℃の間で制御される。これは、加圧ローラ26の冷えている状態に対してはヒータ20を高温に維持し、逆に、加圧ローラ26が暖まっている状態に対してはヒータ20を低温に制御することで、紙に対する熱供給を一定にするためである。図5のフローに基づいて説明すると、給紙開始後、トップセンサ9を紙先端が通過した後、(150+2.5)/50秒後に紙の先端がニップNから出始める(S44)。
【0159】
この時点で、モータ29を停止させて紙をニップ内で滞留させ、この状態で加熱を開始する。加熱制御温度は190℃とし、1秒通電後に加熱を終了し、0.5秒経過後にヒータ温度で130℃にまで低下した時点でモータ29を再度起動して、5mmだけ紙をステップ送りする。その後、再度加熱と冷却の工程を加圧ローラ26の1周分以上繰り返す。加圧ローラ26の外周はこの場合78.5mmであるので、16回以上の繰り返しが必要となる。
【0160】
クリーニング用の紙にA4サイズの用紙を使用すると、加圧ローラ26の3.78周分のクリーニングが可能である。本実施の形態2では、加圧ローラ26の1周目で190℃でクリーニングし、2周目は200℃、3周目は210℃でクリーニングするようにした。なお、残りの0.78周分は、紙の先端と後端とに振り分けた。
【0161】
紙の後端がニップNに入るとこのステップ送りを終了して、定速で紙を搬送し排紙して停止させた。この方法で、加圧ローラ26に付着したトナー等の汚れは99%以上が除去され、しかも残った1%も通常のプリント時に紙に付着することがないといった優れたクリーニング効果が得られた。
【0162】
なお、本実施の形態2では、モータ29の停止中にヒータ20への通電をオフしているが、参考例のように、ヒータ20への通電をオフしなくても1周ごとに制御温度を上昇させることでクリーニング効果を高めることができる。
【0163】
なお、また、本実施の形態2においても、前述の実施の形態1と同様に、紙がニップ内に入る前に加圧ローラ26表面を暖めて、付着物を軟化させる工程を入れておいてもよいことはいうまでもない。
【0164】
本実施の形態2では加圧ローラ26の1周ごとに制御温度を上昇させてヒータ20の単位時間当たりの発熱量を上げているが、1周ごとに加熱量を増やすようにしてもよい。具体的には、1周ごとに温度を上昇させるのではなく、1周ごとに加熱時間を長くするようにしてもよい。
【0165】
〈実施の形態3〉
連続通紙などを行って加圧ローラ上のトナー汚れが溶融する温度まで加圧ローラが昇温しているときには、紙をステップ送りすると、紙が先端から加圧ローラに巻き付いてしまうことがある。
【0166】
本実施の形態3は、前述の参考例及び実施の形態1、2に改良を加え、紙がローラに巻き付くことを確実に防止できるようにしたものである。
【0167】
本実施の形態で使用されるトナー、画像形成装置及び定着装置11の寸法関係は前述の参考例及び実施の形態1、2と同一である。参考例及び実施の形態1、2との相違点は、紙先端が搬送部材間に挟持されてから最初のモータ停止を行う点である。
【0168】
図6のフローチャートに本実施の形態3の制御を示す。
【0169】
まず、スタート状態(S61)では画像形成装置が待機状態である。この状態で、ユーザがクリーニングが必要であると判断すると、装置本体Mの操作パネルやホストコンピュータ等(不図示)からの信号で画像形成装置をクリーニングモードに切り換える(S62)。
【0170】
クリーニングモードに切り換えられた画像形成装置は、紙の給紙を開始し(S63)、1枚の紙を画像形成することなく白紙の状態で定着装置11に送る。なお、この場合、画像形成することにより紙上に「クリーニングしました」等の記事を入れて、ユーザに知らせるようにしてもよい。
【0171】
本実施の形態3においては、紙の先端が定着装置11下流側の搬送部材対である搬送ローラ対12(図1参照)に到達した後に、モータ29を停止する。紙の先端が搬送ローラ対12に到達する時間は紙の搬送速度とトップセンサ9を通過した時間とから算出することができる。なお、搬送ローラ対12のすぐ下流側にセンサを設置し、このセンサが紙の先端を検知することにより、紙が搬送ローラ対12に到達したことを検知するようにしてもよい。
【0172】
紙の先端が搬送ローラ対12に挟まれたかどうかを判断し(S64)、挟まれているときには、モータ29を停止し(S65)、ヒータ20により、ニップ内の加熱を開始する(S66)。
【0173】
このように、紙の先端が搬送ローラ対12に挟まれてから、加圧ローラ26を停止させて付着物をとる作業(クリーニング作業)に入る理由は、搬送ローラ対12の搬送力によって、クリーニング用の紙先端が加圧ローラ26に巻き込まれることを防止するためである。
【0174】
なお、図6のフローチャートでは、この時点でヒータ20をオンにしているが、それ以前からオンにしておき、プリント時より低温で温調して定着フィルム25の摺動トルクを減らしておいてもよい。これは、定着フィルム25内面に塗布されているグリースの粘性が温度を上げることで低下することを利用するものである。さらに、加圧ローラ26の表面についたトナー等の付着物を軟化させてクリーニング用の紙に付きやすくするために、紙がニップNに入る以前にある程度加圧ローラ26表面を暖めておくのもよい。この場合は、ヒータ20をプリント時と同じ高温に維持した状態で、加圧ローラ26を数回転だけ回転させておく必要がある。
【0175】
いずれの場合も、モータ29の停止と同時に、タイマのカウントを開始する(S66、67)。タイマの時間tが、加圧ローラ26表面に付着したトナー等を軟化させて紙に付着させることができるまでの時間t1以上の加熱時間を経過したかどうかを見る(S68)。あるいは、ヒータ20の温度が所定の温度を超えたことで判断してもよい。こうして一旦、加圧ローラ表面の付着物を軟化させた後に、ヒータ20をオフにし(S69)、さらに、ヒータ20の温度が所定の温度よりも低下するのを待つ。ここでは、タイマのカウントがあらかじめ定めた時間t2(所定の温度よりも低下する時間)を超えたかどうかで判断するようにしている(S70)。なお、本実施の形態においても、実施の形態2と同様に、タイマの代わりに、サーミスタ21の検出温度で判断してもよい。
【0176】
こうしてニップ内において加圧ローラ26の付着物が冷却されると、加圧ローラ26と紙との表面粗さや表面エネルギーの違いに基づき、付着物は、加圧ローラ26よりも紙に強固に付着される。すなわち軟化前には加圧ローラ26表面に付着していた付着物は、軟化・冷却後には、加圧ローラ26よりも紙に強力に付着することになる。ここで、モータ29を起動して紙をニップ幅a分だけ搬送すると(S71)、付着物は、加圧ローラ26表面から剥離して紙の裏面に転移する。
【0177】
このように一旦冷却することでクリーニング効果をあげるとともに、紙に付いた付着物が搬送途中で落下して、障害物となって発生するジャムや、紙折れといった問題をも防止できる。
【0178】
上述の、付着物の軟化、冷却、紙のニップ幅分のステップ送りを、加圧ローラ26の1周分について繰り返すことで(S71、S72)、加圧ローラ26表面全体をクリーニングすることができる。
【0179】
クリーニングに用いた紙の後端がニップNに入ると(S73)、モータ29を正規の定速度で回転させ(S74)、ニップNからの排紙が完了したと判断されると(S75)、クリーニングモードを終了する(S76)。これは、紙の後端が簡単に加圧ローラ26から分離されるようにすることで、紙が後端から加圧ローラ26に巻き込まれるジャムを防止するためである。
【0180】
〈具体例1〉
紙の搬送速度が50mm/秒、加圧ローラ26の直径が25mm、加圧ローラ26の離型層26bのゴム厚が3mm、ニップ幅aが5mm、トップセンサ9から搬送ローラ対12までの距離が200mmに設定された画像形成装置の場合を例に説明する。通常のプリント時には、ヒータ20は、150℃から190℃の間で制御される。これは、加圧ローラ26の冷えている状態に対してはヒータ20を高温に維持し、逆に加圧ローラ26が暖まっている状態に対しては、ヒータ20を低温に制御することで、紙に対する熱供給を一定にするためである。図6のフローチャートに基づいて説明すると、給紙開始後、紙の先端がトップセンサ9を通過した後、200/50秒後に紙の先端が搬送ローラ対12に到達する(S64)。
【0181】
この時点で、モータ29を停止させて(S65)紙をニップ内で滞留させ、この状態で加熱を開始する。加熱制御温度は190℃とし、1秒通電後に加熱を終了し、0.5秒経過後にヒータ温度で130℃にまで低下した時点でモータ29を再度起動して、5mmだけ紙をステップ送りする。その後、再度加熱と冷却の工程を加圧ローラ26の1周分以上繰り返す。加圧ローラ26の外周はこの場合78.5mmであるので、16回以上の繰り返しが必要となる。
【0182】
紙の後端がニップに入るとこのステップ送りを終了して、定速で紙を搬送し排紙して停止させた。
【0183】
この方法で、加圧ローラ26に付着したトナー等の汚れは95%以上が除去され、しかも残った5%についても通常のプリント時に加圧ローラ26から剥れて紙に付着するといったことがなく、優れたクリーニング効果が得られた。
【0184】
また、前述の参考例及び実施の形態1、2においては、加圧ローラ26表面の汚れが著しい場合には、クリーニング中の紙が加圧ローラ26表面に巻き付いてジャムが発生するおそれがあるが、本実施の形態3によると、紙の先端が搬送ローラ対12によって挟持されてからモータ29が停止するので、このようなおそれはない。
【0185】
なお、本実施の形態3では、モータ29の停止中にヒータ20の通電をオフしているが、参考例のように、ヒータ20への通電をオフしなくてもよい。
【0186】
なお、また、本実施の形態3においても、前述の参考例及び実施の形態1、2と同様に、紙がニップ内に入る前に加圧ローラ表面を暖めて、あらかじめ付着物を軟化させる工程を入れてもよいのはいうまでもない。
【0187】
〈実施の形態4〉
本実施の形態4は、参考例及び実施の形態1、2、3に改良を加え、省電力、かつ短時間で効率よくクリーニングを行えるようにしたものである。参考例及び実施の形態1、2、3のクリーニングモードとの相違点は、ヒータへの通電をオンしているときのヒータの単位時間当たりの発熱量が、加圧ローラの停止中よりも紙がニップに到達する前のほうが小さい点である。
【0188】
本実施の形態で使用されるトナー、画像形成装置、及び定着装置11は、前述の参考例及び実施の形態1、2、3と同様であり、同一符号については、同一又は相当部分を示している。寸法関係は前述の参考例及び実施の形態1、2、3と異なる部分があるため、その部分については適宜記載する。
【0189】
図7のフローチャートを参照して、本実施の形態4における制御を説明する。まず、S111のスタート状態では、定着装置11が待機状態にある。この状態で、ユーザが加圧ローラ26のクリーニングが必要であると判断すると、操作パネル、又はホストコンピュータ等からの信号で定着装置11をクリーニングモードに切り換える(S112)。
【0190】
クリーニングモードになった定着装置11は、S113で、給紙部である給紙カセット7からの給紙を開始し、同時にモータ29をオン、ヒータ20へ通電をオンして加熱をはじめる。つまり、加圧ローラ26を暖めながら1枚の紙を白紙で給紙カセット7から給紙する。回転する加圧ローラ26はニップNにおいてヒータ20の発熱を定着フィルム25を介して受けて予熱される。この場合のヒータ20の単位時間当たりの発熱量は所定の第1のレベル(第1発熱量)に制御される。
【0191】
ヒータ20の制御温度はトナーの軟化点以上にすることが好ましい。本実施の形態4では、180℃である。ヒータ20の制御温度は加圧ローラ26の回転を停止しているときのヒータ20の最高温度よりも低く制御されることが好ましい。
【0192】
給紙カセット7から給紙された紙はニップNに到達し、先端がニップNにくわえ込まれてニップNを出て所定の位置まで搬送されると(S114)、モータ29の駆動が停止されて(S115)、紙搬送が停止される。
【0193】
給紙カセット7から給紙された紙がニップNに到達する時間は、紙の搬送速度とトップセンサ9を通過した時間とから算出され、それから紙先端がニップNを出て所定の位置まで搬送される時間も算出できる。あるいは、ニップNよりも下流においたセンサで紙先端を検知してもよい。そして指定の位置まで搬送されたかどうかの判断(S114)でYESとなると、モータ29を停止し(S115)、紙搬送を停止するのである。なお、S114は、紙が搬送ローラ対12間に挟持されているかどうかの判断でもよい。
【0194】
S116のヒータ20のオンは、上記S113における場合よりもニップ内でヒータ20をさらに発熱させる、すなわち、ヒータ20の単位時間当たりの発熱量を前記第1のレベルよりも大きい所定の第2のレベル(第2発熱量)に変化させることである。これにより、ニップNにおいて、紙、加圧ローラ表面の汚染付着物としてのトナーta(図8参照)、加圧ローラ26の加熱を開始する。
【0195】
図9に、外径20mm(芯金13mm、アルミ無垢)の加圧ローラ26と、電力約400Wのヒータ20とを有し、ニップ幅aが約4.5mmである定着装置11を用いて加圧ローラ26をクリーニングしているときのサーミスタ21の温度と、加圧ローラ側のトナー温度と、紙側のトナー温度との推移を示す。
【0196】
図8にニップNの拡大模型図を示す。クリーニングモードにおいてモータ29が停止すると(S115)、加圧ローラ26は温められているためトナーtaの加圧ローラ26に接している部分は軟化状態にある。しかし空気と接しているトナーtaの表面は加圧ローラ側よりも冷えており、さらに給紙された紙Pは常温に近いため紙側のトナーta表面は、紙Pに熱をさらに奪われ冷却される。
【0197】
ヒータ20をオンし単位時間当たりの発熱量を増加させ(S116)、サーミスタ21によって指定加熱温度約200℃が検知される(S117)まで加熱を続行する。このとき、紙側のトナーtaは完全に溶けて紙Pに浸透し付着するが、加圧ローラ側のトナーtaは加圧ローラ26に熱を奪われ、あまり温度上昇はしない(図9参照)。
【0198】
サーミスタ21によって指定加熱温度約200℃が検知されたら(S117)、ヒータ20への通電をオフにする(S118)。このヒータ20のオフによりヒータ20が降温してニップNが冷却される。このとき、図9に示すように、紙側のトナーtaは定着フィルム25及び紙Pの熱容量が小さいため、冷却速度が早く、紙Pに固着される。しかし熱容量の大きな加圧ローラ26側のトナーtaは軟化状態にある。
【0199】
サーミスタ21によって指定冷却温度約180℃が検知されたら(S119)、モータ29を起動させて紙PをニップNのニップ幅a分だけ搬送させる(S120)。なお、指定冷却温度は紙側のトナー温度が、軟化点よりも低くなるようにすることが好ましい。
【0200】
この紙Pのニップ幅a分のステップ送りにより、ニップNに対応している加圧ローラ表面部分のトナーtaが加圧ローラ表面部分に対応している紙面部分に転移して加圧ローラ表面部分から剥がされて除去される。
【0201】
そして、紙Pが指定の位置まで搬送(所定の長さ分搬送)され終わるまで、上記のS115〜S120の動作サイクルが繰り返えされる。この繰り返しにより、加圧ローラ表面のトナーtaはニップNのニップ幅領域分ずつ順次紙面に付着して加圧ローラ表面部分から剥がされて除去され、最終的に加圧ローラ表面が全周的にクリーニングされる。
【0202】
上記のS115〜S120の動作サイクルが繰り返されて実行され、紙Pが指定の位置まで搬送されると(S121)、モータ29を正規の一定速度で駆動させて、加圧ローラ26のクリーニングに使用した紙Pを定着装置11から排出される(S122)。
【0203】
排紙が完了したと判断されると、加圧ローラ26のクリーニングモードを終了する(S123)。
【0204】
加圧ローラ26は熱容量が大きく、紙PがニップNに突入するまでの予熱によって多くの熱を蓄えることが可能である。一方、給紙されてくる紙Pは常温に近く、さらに応答性が良いため、図9に示すようにヒータ裏のサーミスタ21によって決められた温度まで加熱・冷却することが可能である。このことから加圧ローラ26側のトナーtaを軟化状態にしたまま紙P側のトナーtaを紙Pに固着することが可能になる。
【0205】
もちろん、定着装置11の熱容量・ヒータ電力、トナーの軟化点等により、S117とS119のサーミスタ指定温度等は変化する。
【0206】
S113のように、給紙と同時にヒータ20をオンすることにより、定着フィルム25の摺動トルクを減らしておくこともできる。これは、定着フィルム内面に塗ったグリースの粘性が温度を上げることで低下することを利用できるからである。しかも熱容量の大きい加圧ローラ26を予熱することにより、加圧ローラ26の芯金26aから温めておくことが可能である。
【0207】
また、S113でのヒータ20の単位時間当たりの発熱量をS117でのヒータ20の単位時間当たりの発熱量よりも低くすることで、予熱における消費電力を抑え、省電力で効率よく、短時間でクリーニングを行うことが可能となる。
【0208】
〈実施の形態5〉
本実施の形態5は、実施の形態4を改良したもので、汚れ具合が均一でない加圧ローラを効率よくクリーニングできるようにしたものである。実施の形態4との相違点はステップ送りの幅がニップ幅の半分以下である点である。
【0209】
本実施の形態で使用されるトナー、画像形成装置、及び定着装置11は、前述の実施の形態4と同一である。
【0210】
図10にニップNの拡大模型図を示す。同図に示すように、加圧ローラ26に付着しているトナーtaの濃度は一定ではなく、場所によって異なり、場合によってはニップN内で密度が異なることもある。
【0211】
この状態でニップNから排出されるとトナーtaのほとんどはクリーニングされるが、密度の薄い箇所は紙側のトナーtaと紙間の付着力とが弱いため、加圧ローラ26に付着したまま排出されない可能性がある。
【0212】
そこで、本実施の形態5では、ステップ送り幅をニップ幅aの半分以下にしている。このようにすることで、図10のニップNの前半のトナーtaは、加熱により密度をほぼ一定にされた後、ニップNの後半に移動する。そしてニップNの後半で再度加熱されることにより紙側の付着物は紙Pに浸透し紙Pに強固に付着する。
【0213】
このように、本実施の形態5のクリーニングモードは、加圧ローラ26のトナー汚れの具合が不均一であっても、効率よくクリーニングを行うことができるものである。
【0214】
なお、実施の形態4、5のクリーニングモードでは画像形成されていない白紙を定着装置11に送っているが、前述の参考例及び実施の形態1、2、3と同様に白紙に代えて、「クリーニングしました」等のユーザへのコメントが画像形成された紙を定着装置11へ送ってもよい。
【0215】
また、上述の参考例及び実施の形態1、2、3、4、5で説明に用いた寸法、温度、時間はそれぞれ例示であり、実際には、画像形成装置の構成や、トナーの性状等に応じて個別に決定されるものである。
【0216】
また、モータ20によるステップ送りの量も必ずしも、ニップ幅aに合わせる必要はなく、クリーニング工程の中で加圧ローラ26を数回転させて加圧ローラ26の全周面を万遍なくクリーニングできるように分割されていれば、問題ない。
【0217】
以上の実施の形態では、白い紙でクリーニングを行っているので、一旦画像形成した紙を再給紙することや、クリーニングペーパーの表裏を確かめて給紙する必要がなく、クリーニング操作が容易である。また、クリーニングの煩雑さをなくすために、1枚の紙の通紙でクリーニングするものであったが、何枚通紙してもよい。さらに、また、よりクリーニング効果をあげるためには、例えば、図12に示すような先端P1 、後端P2 を有する紙(シート)Pに、斜めに黒い帯Sを印字し、この印字面を加圧ローラ26側に向けた状態で、定着装置11のニップNに矢印K′方向に通紙しながら、上述のクリーニングモードを使用するとよい。
【0218】
また、クリーニングの効果をあげるために、加圧ローラ26の表層は、PFA、PTFE、FEPなどの離型性のよい樹脂性のコート層としたり、同様の樹脂性のチューブで被覆したりして構成することが好ましい。
【0219】
また、クリーニング動作中にレーザ光学系を動作させてユーザにクリーニングをしていることを認識させてもよい。これは、クリーニング中にユーザが不要な操作を行うことを防ぐ効果がある。
【0220】
上述の参考例及び実施の形態1、2、3、4、5では、定着装置11として、定着フィルム25を使用したものについて説明したが、本発明は、この方式の定着装置11に限らず、従来公知の、図13に示すような定着ローラ31と加圧ローラ32と組み合わせた構成の定着装置に対しても適用することが可能である。
【0221】
加圧ローラ32はシリコーンゴム表層321を有する定着回転体であり、定着ローラ31は芯金311と、フッ素系樹脂などからなる離型表層312とを有する定着回転体である。定着ローラ31の内側にはハロゲンヒータHなどの熱源が設けられている。
【0222】
そして、本発明は、加圧ローラ26、32との間にニップNを形成する定着フィルム25、定着ローラ31に対しても、加圧ローラ26、32と同様のクリーニング効果がある。つまり、加圧ローラ26、32をはじめとして定着フィルム25、定着ローラ31等の任意の定着回転体にも効果がある。なお、ニップNを形成する一方が定着回転体であれば、他方は定着回転体に限らず、固定的に配置された圧接部材であってもよいのはもちろんである。このような構成においても、圧接部材に当接された定着回転体の表面に付着したトナーを良好に除去することができる。
【0223】
例えば、導電性かつ強磁性の部材に磁力を作用させて誘導電流を発生させ、該部材を発熱させる電磁加熱方式の装置でもよい。
【0224】
図14(a)は、このような電磁加熱方式の加熱装置の概略構成図である。
【0225】
同図において、116は横断面略樋形のフィルム内面ガイドステーであり、液晶ポリマー、フェノール樹脂等で構成され、内側には、芯材(鉄心)152bに巻線152aを巻き付けて構成した励磁コイル152を収納させてある。
【0226】
このステー116と励磁コイル152とのアセンブリに加熱体としての円筒状の定着フィルム112をルーズに外嵌させ、この定着フィルム112を挟んで加圧ローラ113を圧接させている。加圧ローラ113は、芯金114とその外周面を囲繞する離型層115とによって構成されている。
【0227】
定着フィルム112は、図14(b)に示すように、ポリイミド・ポリアミドイミド・PEEK・PES・PTFE・FEP等の耐熱性樹脂をエンドレス状のフィルムを基層112aとして、その基層112aの外周上に導電層112bとして、鉄やコバルト、ニッケル、銅、クロム等の金属層を形成している。さらにその導電層112bの外周面にPTF・PTFE・FEP等のトナー離型の良好な耐熱性樹脂を混合ないし独立で被覆して離型層112cを形成した3層構成のものである。この例ではフィルム基層112aと導電層112bを別々の層としたが、フィルムの基層112aそのものを導電層としてもよい。
【0228】
この構成によると、加圧ローラ113の回転により定着フィルム112の回転がなされ、励磁回路から励磁コイル152への電圧印加がなされて電磁誘導により定着フィルム112の導電層112bが発熱した状態において、ニップNに被加熱体としての紙Pが導入され、フィルム下面に密着した状態で定着フィルム112と一緒にニップNを通過することで、定着フィルム112の熱が紙Pに付与され、未定着トナー画像Taが定着処理される。
【0229】
また、その他の電磁加熱方式の加熱装置としては、図14(c)に示すように励磁コイル152からの磁束により、平板状の導電性部材(強磁性の金属等)である加熱体154を発熱させ、この加熱体154に対して定着フィルム112を挟んで圧接し、ニップNを形成した加圧部材113を回転駆動させ、ニップNに導入された紙Pを挟持搬送して加熱処理する構成の装置であってもよい。
【0230】
また、フィルムの駆動方式が上記形態例のものと異なる以下のようなものでもよい。図15(a)、(b)はそれぞれ他の方式の定着装置を示す概略構成図である。
【0231】
(a)の定着装置は、発熱体としてのヒータ117と駆動ローラ155とテンションローラ156との3部材間にエンドレスベルト状の定着フィルム112を懸回張設し、定着駆動手段Mにより駆動ローラ155を駆動して定着フィルム112を回転駆動させるようにしたものである。なお、加圧ローラ113は定着フィルム112の回転移動に従動させている。
【0232】
(b)の定着装置は、定着フィルム112としてロール巻きにした長尺の有端フィルムを用い、これを繰り出し軸158からヒータ117を経由させて巻き取り軸157へ所定の速度で走行移動させるように構成したものである。
【0233】
上記図14の定着装置においては、加圧ローラ113の速度を直接代えることにより、また、図15の定着装置においては、加圧ローラ113を従動ローラとした場合、駆動ローラ155や巻き取り軸157の回転速度を変えて、又はステップ送りして、紙Pの通紙速度を変え、加圧ローラ113の速度を変えることにより、参考例及び実施の形態1、2、3、4、5と同様の効果が得られる。
【0234】
また、前述の実施の形態1、2、3、4、5では、紙Pの停止中にヒータ20への通電をオン・オフさせているが、通電オフの代わりに、ヒータ20の単位時間当たりの発熱量を下げるようにしてもよい。すなわち、ヒータ20の単位時間当たりの発熱量を下げることで、付着物を加熱する加熱量を小さくし、軟化した付着物を固まらせてもよい。
【0235】
なお、また、前述の実施の形態1、2、3では、タイマでヒータ20の温度を制御しているが、加圧ローラ26の表面温度を検知する検知手段を設け、検知した加圧ローラ26の表面温度に応じてヒータ20の温度制御を行ってもよい。つまり、加圧ローラ26の表面温度がトナーの軟化点以上の所定温度になるとヒータ20への通電をオフし、トナーの軟化点よりも低い所定温度になるとニップ分送るようにしてもよい。
【0236】
また、前述の参考例及び実施の形態1、2、3、4、5では、ユーザが必要であると判断した場合にクリーニングを行うようになっているが、所定枚数の画像を記録材Pに定着する毎に自動的にクリーニングモードに切り替わるようにしてもよい。
【0237】
また、近年、紙に含まれているCaCO3 や、紙粉とトナーとの混合物が加圧ローラなどの定着回転体に付着してローラの離型性を阻害してしまうことがあるが、本発明はCaCO3 や、紙粉とトナーとの混合物のクリーニングにも効果的である。すなわち、本発明により、長期にわたってジャムや画像汚れのない画像形成装置を提供することが可能となるのである。
【0238】
また、紙送りの停止中に、複数回、付着物の軟化と固化とを繰り返すように加熱量を変化させてもよい。
【0239】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムの1部として適用しても、1つの機器(例えば複写機、ファクシミリ装置)からなる装置の1部に適用してもよい。
【0240】
また、本発明は上記実施の形態を実現するための装置及び方法のみに限定されるものではなく、上記システム又は装置内のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に、上記実施の形態を実現するためのソフトウエアのプログラムコードを供給し、このプログラムコードに従って上記システムあるいは装置のコンピュータが上記各種デバイスを動作させることにより上記実施の形態を実現する場合も本発明の範疇に含まれる。
【0241】
また、この場合、前記ソフトウエアのプログラムコード自体が上記実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、具体的には上記プログラムコードを格納した記憶媒体は本発明の範疇に含まれる。
【0242】
この様なプログラムコードを格納する記録媒体としては、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0243】
また、上記コンピュータが、供給されたプログラムコードのみに従って各種デバイスを制御することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合だけではなく、上記プログラムコードがコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上記実施の形態が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の範疇に含まれる。
【0244】
さらに、この供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能格納ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記実施の形態が実現される場合も本発明の範疇に含まれる。
【0245】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、定着回転体表面がニップを通過中に、その表面に付着している付着物(例えばトナー)の軟化及び固化とが起きるため、軟化及び固化されたトナーがクリーニング用のシートに付着し、その状態でニップからでていくので、定着回転体表面を簡単な構成で良好にクリーニングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す縦断面図。
【図2】 本発明に係る定着装置の構成を示す縦断面図。
【図3】 参考例のクリーニング動作を示すフローチャート。
【図4】 実施の形態1のクリーニング動作を示すフローチャート。
【図5】 実施の形態2のクリーニング動作を示すフローチャート。
【図6】 実施の形態3のクリーニング動作を示すフローチャート。
【図7】 実施の形態4のクリーニング動作を示すフローチャート。
【図8】 実施の形態4を説明するためのニップの拡大模型図。
【図9】 実施の形態4のニップの温度推移を示す図。
【図10】 実施の形態5を説明するためのニップの拡大模型図。
【図11】 トナーの軟化点を説明するための図。
【図12】 クリーニングに使用するシートの印字パターンを示す図。
【図13】 本発明に係る定着装置の他の構成例を示す概略断面図。
【図14】 (a)、(b)、(c)は、本発明に係る定着装置の別の構成例を示す概略断面図。
【図15】 (a)、(b)は、本発明に係る定着装置のさらに別の構成例を示す概略断面図。
【符号の説明】
1 像担持体(感光ドラム)
9 トップセンサ
11 定着装置
12 搬送ローラ対
20 加熱手段(セラミックヒータ)
21 サーミスタ
23 CPU
24 トライアック
25 定着部材(定着フィルム)
26 定着部材(加圧ローラ)
27 温度制御手段
28 回転制御手段
29 モータ
30 CPU
N ニップ
P 記録材、クリーニング用のシート
Claims (6)
- 記録材にトナー像を形成する画像形成部と、少なくとも一方が回転可能な一対の定着部材及び前記一対の定着部材の間に形成される定着ニップ部を加熱するヒータを有し前記定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ記録材上のトナー像を加熱定着する加熱定着手段と、を有し、クリーニング用シートを前記定着ニップ部で挟持搬送して前記回転可能な定着部材をクリーニングするクリーニングモードを有する画像形成装置において、
前記クリーニングモードが設定されると、前記定着ニップ部でクリーニング用シートを挟持した状態の搬送と停止が繰り返し行われ、クリーニング用シート停止中には、前記ヒータへ通電して前記定着ニップ部を加熱する加熱期間と前記ヒータへの通電を遮断状態とするまたは前記定着ニップ部の温度が下がるように前記ヒータへ通電する冷却期間があることを特徴とする画像形成装置。 - 前記加熱期間における前記定着ニップ部内の前記回転可能な定着部材の表面温度は前記トナーの軟化点以上に達することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングモード時に、前記回転可能な定着部材の全周面は、停止した状態で前記シートと少なくとも1回は接触することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記定着ニップ部でクリーニング用シートを挟持した状態の搬送と停止の繰り返しが少なくとも前記回転可能な定着部材の一周分行われると、その後の前記加熱期間では前記定着ニップ部の温度が一周目より高くなるように前記ヒータを制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記一対の定着部材は筒状の定着フィルムと前記定着フィルムの外面と接触する加圧ローラであり、前記ヒータは前記定着フィルムの内面に接触し前記加圧ローラと共に前記定着フィルムを介して前記定着ニップ部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 記録材にトナー像を形成する画像形成部と、少なくとも一方が回転可能な一対の定着部材及び前記一対の定着部材の間に形成される定着ニップ部を加熱するように前記定着部材の一方を発熱させる励磁コイルを有し前記定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ記録材上のトナー像を加熱定着する加熱定着手段と、を有し、クリーニング用シートを前記定着ニップ部で挟持搬送して前記回転可能な定着部材をクリーニングするクリーニングモードを有する画像形成装置において、
前記クリーニングモードが設定されると、前記定着ニップ部でクリーニング用シートを挟持した状態の搬送と停止が繰り返し行われ、クリーニング用シート停止中には、前記励磁コイルへ通電して前記定着ニップ部を加熱する加熱期間と前記励磁コイルへの通電を遮断状態とするまたは前記定着ニップ部の温度が下がるように前記励磁コイルへ通電する冷却期間があることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19469098A JP3984708B2 (ja) | 1997-07-14 | 1998-07-09 | 画像形成装置 |
US09/113,352 US6094559A (en) | 1997-07-14 | 1998-07-10 | Fixing apparatus having cleaning mode and storage medium storing program therefor |
DE69826782T DE69826782T2 (de) | 1997-07-14 | 1998-07-13 | Fixiervorrichtung mit Reinigungsmodus und einem Speicher zum Speichern des Programms hierfür |
EP98112996A EP0892322B1 (en) | 1997-07-14 | 1998-07-13 | Fixing apparatus having cleaning mode and storage medium storing program therefor |
AU76148/98A AU753472B2 (en) | 1997-07-14 | 1998-07-14 | Fixing apparatus having cleaning mode and storage medium storing program therefor |
CNB981174221A CN1136482C (zh) | 1997-07-14 | 1998-07-14 | 具有清洁模式的定影装置和用于存储其程序的存储介质 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-188818 | 1997-07-14 | ||
JP18881897 | 1997-07-14 | ||
JP10-165969 | 1998-05-29 | ||
JP16596998 | 1998-05-29 | ||
JP19469098A JP3984708B2 (ja) | 1997-07-14 | 1998-07-09 | 画像形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000047509A JP2000047509A (ja) | 2000-02-18 |
JP3984708B2 true JP3984708B2 (ja) | 2007-10-03 |
Family
ID=27322604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19469098A Expired - Lifetime JP3984708B2 (ja) | 1997-07-14 | 1998-07-09 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3984708B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5574806B2 (ja) * | 2010-04-30 | 2014-08-20 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
JP5451513B2 (ja) | 2010-04-30 | 2014-03-26 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
JP5836599B2 (ja) * | 2011-01-24 | 2015-12-24 | キヤノン株式会社 | 印刷装置、印刷装置の制御方法、及びプログラム |
JP5875287B2 (ja) | 2011-08-22 | 2016-03-02 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
US10203638B2 (en) | 2016-04-27 | 2019-02-12 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
-
1998
- 1998-07-09 JP JP19469098A patent/JP3984708B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000047509A (ja) | 2000-02-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6094559A (en) | Fixing apparatus having cleaning mode and storage medium storing program therefor | |
JP3711764B2 (ja) | 定着装置およびこの定着装置を用いた画像形成装置 | |
JP5105987B2 (ja) | 画像形成装置、及びその画像形成装置が有する定着部材のクリーニング方法 | |
JP3984708B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4817525B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP3093591B2 (ja) | 定着装置 | |
JPH02162382A (ja) | 定着装置 | |
JP3984737B2 (ja) | 定着装置 | |
JP3787433B2 (ja) | 定着装置及びこれを備えた画像形成装置 | |
JP3869936B2 (ja) | 定着装置 | |
JP3902972B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4280386B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2003248392A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2003076198A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2006221089A (ja) | 画像形成装置 | |
JP4649032B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JPH1154243A (ja) | 加熱装置、像加熱装置および画像形成装置 | |
JPH11344888A (ja) | 加熱装置、及びこれを備えた画像形成装置 | |
JP2001117399A (ja) | 像加熱装置及び画像形成装置 | |
JP2000147930A (ja) | 加熱装置及び画像形成装置 | |
JP2001331058A (ja) | 定着装置 | |
JP2001027864A (ja) | 像加熱装置及び画像形成装置 | |
JP2002091229A (ja) | 定着装置 | |
JP2000235328A (ja) | 定着装置、及びこれを備えた画像形成装置 | |
JP2006010753A (ja) | 加熱定着装置及び画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050708 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060807 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070403 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070604 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070703 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070709 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100713 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100713 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110713 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120713 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120713 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130713 Year of fee payment: 6 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |