JP2002107214A - 電子天秤 - Google Patents

電子天秤

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JP2002107214A
JP2002107214A JP2000299602A JP2000299602A JP2002107214A JP 2002107214 A JP2002107214 A JP 2002107214A JP 2000299602 A JP2000299602 A JP 2000299602A JP 2000299602 A JP2000299602 A JP 2000299602A JP 2002107214 A JP2002107214 A JP 2002107214A
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広明 綿引
Kunichi Murata
勲一 村田
Akio Sakai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易かつ精度良く組み立てることができ、小
型化と測定精度の向上が図れること。 【解決手段】 レバー4の自由端4bの固定面4baに
は平衡駆動手段6のコイル6bが固定される。1段低い
段差面4bbには位置検出センサ42の検知用板42a
と、規制手段のピン部材46がネジ47a、47cで固
定される。ネジ47a、47cの膨張で段差面4bbが
膨張しても固定面4baに影響を与えずコイル6bの固
定状態が変動しない。レバー4はバネ部34を支点とし
て固定部30に対し可動部32が移動し所定の減衰量を
有する。固定部30、可動部32間はブリッジ29a、
29bで連結固定され、寸法を維持した状態でロバーバ
ル機構2に取り付けることができる。組み付け後ブリッ
ジ29a、29bを切断する。レバー4は平面略T字型
の補強片38,39で補強され、剛性と軽量化が図れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被計量物の質量を
測定する電子天秤に係り、特に荷重負荷時に平衡状態か
ら移動するレバーを改良した電子天秤に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の第1の電子天秤(特公
平6−29761号に開示)を示す正面断面図、図11
は同斜視図である。この電子天秤80は、載置皿90が
設けられた可動部81bが固定部81aに対し可動する
ロバーバル機構81と、可動部81bの移動に連動する
レバー83と、レバー83が平衡状態となるよう移動制
御する電磁コイル85と、レバー83の平衡状態を検出
する位置検出センサ(不図示)と、電磁コイル85を通
電制御して被計量物の質量を演算出力する制御部(不図
示)とによって大略構成されている。
【0003】図示のようにロバーバル機構81は、直方
体形状のアルミニウム等を側部からくり抜き形成し上下
一対の平行なロバーバル部86を有する。ロバーバル部
86には計4点の薄肉なバネ部87が形成され、可動部
81bの載置皿90上に被計量物が載置されると、この
荷重を受けてバネ部87部分が変形し、可動部81bが
水平状態を維持した状態のまま下方向に移動する。
【0004】連動してレバー83の自由端83bは平衡
位置から上方向に変位する。制御部は、位置検出センサ
の出力に基づき、レバー83が平衡する状態となるよう
電磁コイル85を通電制御し、レバー83平衡時におけ
る電磁コイル85への電流値等に基づき被計量物の質量
を演算出力する。
【0005】図12は、従来の第2の電子天秤(特開平
11−51756号公報に開示)を示す分解斜視図であ
る。この電子天秤90は、ロバーバル機構91とレバー
92が別体で形成されている。レバー92はロバーバル
機構91の両側部を繋ぐ形で設けられており、このレバ
ー92は、支点部材93及び吊り部材94で保持されて
いる。
【0006】図13は、従来の第3の電子天秤(特許第
2922720号公報)を示す斜視図である。この電子
天秤100は、ロバーバル機構101を一側部からくり
抜き形成し、同時にレバーの取付部102を形成したも
のである。この取付部102に別体のレバー103を取
り付けて構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記第1の電子天秤の
構成におけるレバー83は、一側部側から幅方向に連続
してくり抜かれるため、所定の剛性を有するためには、
厚みを増さねばならず重量化した。即ち、レバー83の
幅はロバーバル機構81の幅と同一であり剛性を有しつ
つ軽量化することはできなかった。また、レバー83
は、長いほどロバーバル機構81の可動部81bに加わ
る荷重負荷を減衰させることができ、且つレバー83の
自由端83aの変位量(変位量)を増大させてより測定
精度を向上できるが、上記のレバー83ではロバーバル
機構81の長さ以下となる制約が生じる。
【0008】また、上記第2の電子天秤90では、ロバ
ーバル機構91とレバー92が別体で形成されているた
め、各部品の製造をより簡単に行える利点を有するが、
全体の大きさ、特に幅Wはロバーバル機構91の幅にレ
バー92の幅の分だけ加えた幅となり大型化した。例え
ば、以前より重い質量を測定しようとする場合、ロバー
バル機構91の幅Wを大きくすることになるが、全体の
幅は常にレバー92を加えた分だけ幅広となり小型化で
きない。また、レバー92の基端部92b側の保持が複
数の支点部材93及び吊りバンド94により保持される
ため、レバー92の組み立て、及び調整に手間がかかっ
た。
【0009】上記第3の電子天秤100についても、ロ
バーバル機構101とレバー103が別体で形成されて
いる利点を有するが、レバー103がロバーバル機構1
01の両側部に設けられるため、全体の大きさ、特に幅
Wが大型化し、小型化できない。
【0010】上記各従来ともに、ロバーバル機構及びレ
バーの材質としては、一般的にアルミニウムが用いられ
る。レバーの自由端部分に電磁コイルや平衡位置検出用
のセンサを設ける際、これらの取付は同種のアルミニウ
ムであると撓みに弱いので通常、ステンレス製のネジが
用いられる。このようにアルミとステンレスの異種金属
は線膨張係数が異なるため、ネジの取付部分に歪みが生
じると、電磁コイル、及び平衡位置検出用センサの取付
位置が変動することとなり、平衡制御に誤差が生じた
り、安定した制御が行えず計量精度を向上できなくな
る。
【0011】ところで、レバーに複数の支点を設けるこ
とにより、荷重負荷時の自由端側への減衰量を多く取る
ことができ、それだけ計量精度を向上できるようにな
る。しかしながら、各支点は、薄肉のバネ部で形成され
るため、支点が増えた分だけ加工精度を要求される箇所
が増え、簡単に製造できなくなる。ロバーバル機構とレ
バーを単に別体で形成した場合であっても、支点の数が
増えると、レバーの取扱を慎重に行わなければ組み立て
までの部品の状態でバネ部を損傷し使用できなくなる恐
れがある。
【0012】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、容易かつ精度良く組み立てることができ、小型化
と測定精度の向上が図れる電子天秤の提供を目的として
いる。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の電子天秤は、被計量物の荷重を受けて移動
する可動部14と、固定部12と前記可動部14との間
に所定長を有し一対で設けられ可動部14を水平状態の
まま移動させるロバーバル部18と、からなるロバーバ
ル機構2と、前記ロバーバル機構2の可動部14に基端
部4aが固定され、前記ロバーバル機構2の可動部14
の移動に連動することにより自由端4bが平衡状態から
所定量変位するレバー4と、前記レバー4に設けられ基
端部4aから自由端4bへ所定の力の減衰量を得るため
の支点A,Bを含み、該レバー4に固定部30と可動部
32を形成しこれらを連結する薄厚のバネ部34と、前
記レバー4の固定部30と可動部32との間に設けら
れ、該固定部30と可動部32の位置を固定保持するも
のであり、該レバー4を前記ロバーバル機構2に固定後
切断されるブリッジ29a、29bと、を備えたことを
特徴とする。
【0014】また、前記ロバーバル機構2には、長さ方
向の一端部2aから内部にレバー収容部2bが開口形成
され、前記レバー4は、前記レバー収容部2bに収容固
定された構成としてもよい。
【0015】また、前記ロバーバル機構2には、前記レ
バー4のブリッジ29a、29bの配置位置に該ブリッ
ジを切断するための切断用穴16,17が開口された構
成としても良い。
【0016】他の発明の電子天秤は、被計量物の荷重を
受けて移動する可動部14と、固定部12と前記可動部
14との間に所定長を有し一対で設けられ可動部14を
水平状態のまま移動させるロバーバル部18と、からな
るロバーバル機構2と、前記ロバーバル機構2の可動部
14に基端部4aが固定され連動することにより自由端
4bが平衡状態から所定量変位するレバー4と、前記レ
バー4の自由端4b部分に設けられ、前記レバー4が平
衡状態となるよう移動制御する平衡駆動手段6と、前記
レバー4の変位量を検出する位置検出手段42と、前記
レバー4の自由端4bに形成され、前記平衡駆動手段6
が固定される固定面4baと、該固定面4baに対し該
レバー4が変位する方向に所定の段差を有し1段低く形
成される段差面4bbと、前記レバー4に対し平衡駆動
手段6及び位置検出手段42を固定する、該レバー4の
材質と異種金属の固定部材45とを備え、前記固定面4
baに前記平衡駆動手段6のみを固定し、前記段差面4
bbに前記位置検出手段42を配置固定したことを特徴
とする。
【0017】また、前記段差面4bbには、前記レバー
4の自由端4bの移動量を規制するための規制手段を構
成する規制部材46が配置固定された構成にもできる。
【0018】他の発明の電子天秤は、被計量物の荷重を
受けて移動する可動部14と、固定部12と前記可動部
14との間に所定長を有し一対で設けられ可動部14を
水平状態のまま移動させるロバーバル部18と、からな
るロバーバル機構2と、前記ロバーバル機構2の可動部
14に基端部4aが固定され、前記ロバーバル機構2の
可動部14の移動に連動することにより自由端4bが平
衡状態から所定量変位するレバー4とを備え、前記レバ
ー4には、幅方向に沿って所定厚さを有し突出形成され
た第1の補強片38と、前記レバー4の幅方向と直交す
る長さ方向に沿って所定厚さを有し、第1の補強片38
に連続する突出形成された第2の補強片39と、が設け
られたことをことを特徴とする。
【0019】上記構成によれば、ロバーバル機構2とレ
バー4が別体とされ、このレバー4には、固定部30と
可動部32間に連結固定用のブリッジ29a、29bが
設けられる。ブリッジ29a、29bは、ロバーバル機
構2に組み付け後に切断する。これにより、組み付け時
にレバー4の各部の寸法を維持した状態で取り付けるこ
とができ、簡単に組み立てできるとともに組み立てを精
度を向上できる。また、レバー4が固定部30と可動部
32からなりバネ部34に支点A,Bを設けた構成であ
るため所定の力の減衰量を有して高精度な測定が可能と
なる。レバー4の自由端4bには平衡駆動手段6や、位
置検出センサ42、レバー移動の規制手段が設けられ
る。うち、平衡駆動手段6を1段高い固定面4baに取
り付け、他を段差面4bbに取り付けることにより、こ
れらを固定する固定部材45が熱膨張し段差面4bbが
影響を受けても固定面4baの面位置がレバー4の変位
方向に対し変動することを防止できる。これにより、平
衡駆動手段6の取付の高さ位置の変動や、傾きが無く制
御電流の変動を生じず駆動特性を一定にできる。このレ
バー4には、互いに直交して突出形成された第1、第2
の補強片38,39が設けられており、レバー4がブロ
ック塊で無くとも所定の剛性を有し且つ小型軽量化でき
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子天秤の実施形
態を説明する。図1は、電子天秤の概要構成を示す斜視
図である。この電子天秤1は、ロバーバル機構2と、レ
バー4と、レバー4を平衡状態に制御する電磁コイルか
らなる平衡駆動手段6と、位置検出手段42と、制御部
(不図示)を有して成る。
【0021】ロバーバル機構2の可動部14上には、荷
重受け部材(不図示)が固定され、この荷重受け部材上
にコンベアを載置した動秤を構成できる。そして、コン
ベアで被計量物を搬送させながら被計量物の質量を測定
するようになっている。なお、可動部14上に載置皿を
設けて被計量物を載置皿上に載せて質量を測定する静秤
として使用することも可能である。
【0022】、図2はロバーバル機構2を示す正面図、
図3は同平面図、図4は同側面断面図である。ロバーバ
ル機構2は、固定部12と、固定部12に対し上下方向
に可動する可動部14を有する。可動部14の上面は、
固定部12に対しやや高く形成されている。このロバー
バル機構2は、長さL、幅W1の直方体形状のアルミニ
ウム塊等を正面側からくり抜き内部に中空部16を貫通
形成してなる。また、このロバーバル機構2は、押出成
形等により中空部16を形成してもよい。この中空部1
6にはレバー4のブリッジ29の一方29aが表出して
いる。レバー4の他方のブリッジ29bの一部分にも同
様のくり抜きによりブリッジ切断用穴17が貫通形成さ
れている。
【0023】このくり抜き形成の際同時に、上下に所定
厚を有する一対の平行なロバーバル部18が設けられ
る。これら一対のロバーバル部18は長さ方向Lに対し
て同じ長さを有し、両端にはそれぞれ薄肉なバネ部20
が形成されている。バネ部20は、上下面に2カ所づつ
計4カ所設けられ、各々上下面から側面で見て円弧状で
あり、幅W1方向に連続する直線状に形成されている。
【0024】上部のロバーバル部18の直下位置には、
このロバーバル部18と平行にレバー4を固定するため
のレバー固定部22が形成されている。このレバー固定
部22は、ロバーバル部18の固定部12と可動部14
に対応して長さL方向の中途部に切断部22sを有し、
固定部12に対する可動部14の移動を妨げない隙間を
有している。この切断によって、レバー固定部22は、
固定側22aと可動側22bを有する。
【0025】このロバーバル機構2の長さ方向Lの一端
側2aには、上部に所定長さの突出片24が突出形成さ
れており、下面には平衡駆動手段6が取り付けられる。
また、この一端側2aに位置するロバーバル機構2の一
側面の中央部からロバーバル機構2の内部に向けて、く
り抜きによりほぼ直方体形状のレバー収容部2bが開口
形成される。このレバー収容部2bは、レバー固定部2
2の下面に形成されるものであり、図2の正面側から見
て可動部14側の位置まで(上記ロバーバル部18のバ
ネ部20を越えた位置に達するまで)くり抜き形成され
ている。
【0026】図5はレバー4の正面図、図6は同平面
図、図7は同側面図である。レバー4は、ロバーバル機
構2の幅W1に対して小さな幅W2を有し小型軽量化が
図られている。基端部4a側には、ロバーバル部18の
固定部12、可動部14にそれぞれ固定される固定部3
0、可動部32aが形成されている。また他端側は自由
端4bとされ、この自由端4bはレバー固定後の状態で
ロバーバル機構2の外部位置まで延出され突出片24の
直下に位置する。
【0027】このレバー4は、ロバーバル機構2の可動
部14の移動に可動部32aが連動し、自由端4b側が
上下に移動する。このレバー4は、2箇所の支点A,B
を有しており、可動部14に加わる被計量物の質量(荷
重負荷)をこの2箇所の支点A,Bにより所定量減衰さ
せる機能、及びレバー4の長さL2の短縮化が図られて
いる。
【0028】このレバー4についても、アルミニウム塊
等をくり抜き形成される。特に正面から見て略U字形状
に切削部28(28a、28b、28c)が貫通形成さ
れる。この切削部28によって略中央部に固定部30、
固定部30の両側及び下面にそれぞれ可動部32(32
a,32b,32c)が形成される。レバー4の固定部
30と可動部32は、支点A,Bに位置する2箇所の薄
肉のバネ部34によって互いに接続されている。バネ部
34は、ロバーバル機構2のバネ部20とほぼ同様の形
状で形成されるものであり、説明は省略する。
【0029】なお、可動部32側には、基端部4aに負
荷される荷重をバネ部34での支点A,Bを介して効率
よく自由端4b側に伝達し、併せてバネ部34の強度を
維持するために所要箇所(計3カ所)に複数のバネ部3
6がバネ部34同様に形成されている。
【0030】このレバー4は、製造時には固定部30と
可動部32を固定保持状態に維持するブリッジ29を残
して形成される。このブリッジ29(29a、29b)
は、図5の正面図で見て略U字形状に形成される切削部
28の両開放端部分の2カ所に所定厚を有して形成され
る。これらブリッジ29は、図6の平面図で見てレバー
4の両側部にそれぞれ所定幅で形成されており、合計4
カ所設けられることになる。このブリッジ29を残した
状態でレバー4は、固定部30に可動部32が固定され
た状態となり、レバー4をロバーバル機構2に組み付け
る迄の部品状態においてバネ部34,36への不意な負
荷を防止し損傷を防止できる。なお、後述するが、レバ
ー4はロバーバル機構2に組み付け後、計4カ所のブリ
ッジ29を中空部16、及びブリッジ切断用穴17から
治具を挿入して切断し、可動部32を移動可能にさせ
る。
【0031】レバー4の自由端4b側である可動部32
cは、所定長を有する板状に形成されるが、この可動部
32cの途中位置下面にはレバー4の幅方向に沿って所
定厚さの補強片38が下方に向けて突出形成されてい
る。また、この突出片38の中央部から基端部側にかけ
ては、レバー4の延在方向(基端部から自由端)に沿っ
て中央に所定厚さを有する補強片39が連続して形成さ
れている。これら補強片38,39により平面で見て略
T字型の補強片を形成している。補強片39の下面は図
5に示すように補強片38の下端に向けて傾斜する傾斜
面39aとされていて、可動部32cを最小限の材料量
で補強できるようになる。これら補強片38,39は図
6の平面で見て略T字型に形成され、可動部32cを軽
量化しつつ所定の剛性を維持する。
【0032】補強片39には略水平なネジ穴38b部分
に平衡用錘40が水平方向にスライド可能に取り付けら
れる。この平衡用錘40は、後述するが、ロバーバル機
構2の可動部14上に対する荷重受け部材等の重量負荷
時に、この平衡用錘40の調整でレバー4を平衡させる
ために設けられる。
【0033】また、レバー4の自由端4b上面には、位
置検出センサ42が配置される。位置検出センサ42
は、レバー4の自由端4b側に上下に所定高さを有して
固定される検知用板42aと、ロバーバル機構2の突出
片24下面に固定される投受光センサ42bにより構成
されている。検知用板42aには検知穴が開口され、投
受光センサ42bは検知用板42aの検知穴の上下移動
を検出してレバー4の平衡状態及び平衡状態を基準とし
た上下の変位量を検出して制御部に出力する。
【0034】平衡駆動手段6を構成する電磁コイルは、
円環状の磁石体6aが突出片24下面に固定され、レバ
ー4の自由端4b上面には磁石体6aの円環内部に巻回
状のコイル6bが固定されている。この平衡駆動手段6
は、被計量物の測定時に制御部の電流制御を受け、コイ
ル6bに供給する電流によって磁石体6aとの間の磁力
を変化させ、レバー4を平衡状態に復帰させる。
【0035】図8の斜視図に示すように、レバー4の自
由端4bには、長さL方向に延出するピン部材46が設
けられている。この自由端4bの直上にある突出片24
には、規制手段の規制板48が設けられている。この規
制板48は、ロバーバル機構2の固定部12側に取り付
けられているため、ロバーバル機構2の移動には関与し
ない。ゆえに、規制板48は、ベース板10側に固定さ
れていてもよい。また、規制板48には、ピン部材46
を遊挿する挿通穴48aが形成されている。挿通穴48
aは、遊挿されたピン部材46の移動範囲を所定の範囲
とするように形成されている。これにより、レバー4の
自由端4bが所定の範囲の移動とされ、レバー4の可動
部分(バネ34,36)が破損するようなレバー4の移
動を抑止する。
【0036】これら位置検出センサ42の検知用板42
a、及び平衡駆動手段6のコイル6bは、レバー4の自
由端4bにネジ45(45a、45b)を用いて固定さ
れる。レバー4の材質はアルミニウムであり、ネジ4
5、及びピン部材46はステンレス製である。
【0037】この自由端4bには、ネジ45固定用のネ
ジ穴47(47a,47b)及びピン部材46のネジ穴
(圧入穴でも良い)47cが形成されている。ここで、
レバー4の自由端4bにおいてコイル6bが固定される
固定面4baは、レバー4の長さ方向に沿って直線状に
形成され、段差面4bbは固定面4baの面位置に対し
高さが低く形成されている。上記のネジ穴47はいずれ
もこの両側部4bbに形成されている。
【0038】図9は電子天秤の組み立て状態を示す一部
裁断正面図である。この図は、便宜上、レバー4は裁断
せずロバーバル機構2のみ裁断した状態とした。電子天
秤1は、ロバーバル機構2内部にレバー4を挿入、固定
して構成される。ロバーバル機構2は、固定部12がベ
ース板10上にネジ11で固定される。レバー収容部2
bには、レバー4が挿入され基端側4aがレバー固定部
22にネジ25で固定される。図4に示すように、レバ
ー収容部2bを形成するレバー固定部22下面には、長
さ方向Lに沿ってレバー4の一側面を案内する段差部2
2dが形成されている。これにより、レバー4挿入時の
取付誤差を無くし正確に位置決めでき、組み立てを容易
に行える。
【0039】この際、レバー4は、ブリッジ29が残さ
れ、固定部30及び可動部32間が連結された状態にあ
り、固定部30と可動部32の各部の寸法を維持した状
態で取り付けることができる。また、部品状態のレバー
4の搬入から組み立てる迄の間、バネ部34,36に不
要な力が付与されずバネ部34,36の損傷を防止して
いる。
【0040】そして、レバー4の固定部30はレバー固
定部22の固定側22aに固定され、レバー4の可動部
32はレバー固定部22の可動側22bに固定される。
固定後、レバー4のブリッジ29を切断する。切断は、
ロバーバル機構2の正面、及び裏面側に貫通形成された
中空部16及びブリッジ切断用穴17から切断用の治具
(例えばペンチ等)を用いて正面、裏面側から計4カ所
のブリッジ29a、29bを切断する。この切断によ
り、レバー4の可動部32が移動可能(測定可能)とな
る。なお、図9においてブリッジ29a、29bは便宜
上、点線で記載した。
【0041】レバー4は、この固定状態で、自由端4b
がロバーバル機構2の一端側2aに突出し、突出片24
の直下に位置する。これにより、平衡駆動手段(電磁コ
イル)6はロバーバル機構2の外部に設けることができ
るため、製造時の組み立て及び組み立て後の調整、交換
等の保守を簡単に行えるようになる。また、ロバーバル
機構2の内部から外部にかけてレバー4を設けた構成に
より、レバー4の長さを大きく取ることができるととも
に、電子天秤1全体の幅はロバーバル機構2の幅で決定
でき、電子天秤1の幅及び長さのいずれも小型化できる
ようになる。
【0042】次に、上記構成の電子天秤1による被計量
物の質量測定動作を説明する。平衡用錘40を水平方向
に移動調整させることにより、荷重受け部(コンベア重
量を含む)の重量負荷状態でレバー4の平衡を取るよう
調整できる。このレバーの平衡状態は位置検出センサ4
2により検出される。
【0043】次に、被計量物がコンベア上に載置されこ
のコンベア上を搬送移動する。ロバーバル機構2は、被
計量物の荷重を受けて可動部14が図中Z1方向に下降
する。この際、ロバーバル部18は計4カ所のバネ部2
0の変形により、可動部14を水平状態を維持したまま
の状態で下降させる。
【0044】可動部14の下降に連動して、レバー4の
可動部32が同様に下降する。可動部32aが下降する
と、バネ部34(支点A)を中心として可動部32bが
Z2方向に移動し、レバー4の自由端4b(可動部32
c)はバネ部34(支点B)を中心としてZ3方向に上
昇する。
【0045】レバー4の自由端4bは、平衡状態に対し
所定量変位(上昇)し、この変位量が位置検出センサ4
2で検出される。制御部は、レバー4が再度平衡状態に
復帰するよう平衡手段6の電磁コイルを通電制御する。
この際、電磁コイルのコイル6bに対する電流方向、及
び供給する電流量を制御し、位置検出センサ42により
レバー4が再度平衡状態となったことを検出した際にお
けるコイル6bへの電流値を得て、この電流値に基づき
被計量物の質量を演算出力する。
【0046】上記のようにレバー4に支点を2箇所A,
B設けることにより、可動部32側に加わる被計量物の
質量(荷重負荷)を、自由端4b側へ減衰して伝達で
き、同時に可動部32側の移動量に対して自由端4b側
の変位量を増大させて得ることができる。これにより、
計量精度の向上が図れる。また、レバー4の長さL2短
くしつつ所定の力の減衰量を有する構成にできる。ま
た、レバー4の可動部32cは、補強片38,39によ
って補強されており、可動部32cの剛性を維持しつつ
重量を軽量化できる。レバー4を小型、軽量化したこと
により、荷重に対する移動の反応をより敏感にでき、計
量精度の向上が図れる。
【0047】また、レバー4自由端4b側から力を加え
れば、増大させて可動部32側(ロバーバル機構2の可
動部14側)に伝達できる為、自由端4b側での小さな
力でレバー4を制動できるようになる。これにより、レ
バー4の自由端4bに設けられるピン部材46は、規制
板48の挿通穴48aに開口された移動範囲だけで移動
することができ、この小さなピン部材46でレバー4全
体の移動を規制しつつ可動部分(バネ34,36)の破
損を防止できる。
【0048】ところで、レバー4は、ネジ穴47にネジ
45,ピン部材46がネジ止めされるが、環境温度の変
化等により、ステンレスのネジ45側が熱膨張した場合
でも、アルミニウムで出来たレバー4の固定面4baの
面位置は変動しない。即ち、ネジ45側が熱膨張する
と、レバー4はネジ穴47を介し段差面4bb部分が膨
張するが、この段差面4bbは固定面4baに対して1
段低く形成されているため、固定面4baの面位置は変
動しない。
【0049】平衡駆動手段6はレバー4の自由端4b
(コイル6b)側が高さ方向に移動すし、固定の磁石体
6aとの相対位置に基づきレバー4の平衡位置を検出す
るものであるため、コイル6b側の高さ位置の変動及び
傾きが生じると同じ移動量を得るために必要な制御電流
が変わる影響が生じる。しかし、上記構成によれば、固
定面4ba(コイル6b)の面位置が高さ方向に対し不
変であるため、平衡駆動手段6によりレバー4を平衡位
置に移動させるための制御電流は変わらず、駆動特性を
一定に維持できる。
【0050】そして、上記の電子天秤1は、特に、荷重
受け部上にコンベア等の重量物が設けられる動秤として
の使用に耐えることができる。この剛性は、ロバーバル
機構2が比較的広い幅W1を有していることにより得ら
れる。この剛性の向上により、コンベア上に被計量物が
載置される際の衝撃等に耐え得る電子天秤1を構成でき
る。このように、ロバーバル機構2の幅W1を広げた場
合であっても、レバー4はロバーバル機構2の内部に設
けられるため、電子天秤1の幅はこのロバーバル機構2
の幅で決定することができ、全体の小型化が図れるよう
になる。
【0051】
【発明の効果】本発明の電子天秤によれば、ロバーバル
機構とレバーを別体とし、レバーに支点を設けた構成と
したので所定の力の減衰量を有して高精度な測定が可能
となる。このレバーには、固定部と可動部間に連結固定
用のブリッジを設けておき、ロバーバル機構に組み付け
後に切断する構成としたので、組み付け時にレバーの各
部の寸法を維持した状態で取り付けることができ、簡単
に組み立てできるとともに組み立てを精度を向上でき
る。また、部品状態時のレバーは、可動部が固定部に固
定保持されるのでバネ部の損傷を防止でき、部品扱いを
容易化できる。上記支点を有するレバーは長さを短くで
き、電子天秤を小型化できる効果を有する。加えて、ロ
バーバルに開口形成したレバー収容部にレバーを収容固
定する構成とすれば、レバーの幅を取らずより全体の小
型化が図れる。
【0052】また、レバーの自由端には平衡駆動手段
や、位置検出センサ、レバー移動の規制手段等が設けら
れるが、これらのうち、平衡駆動手段を1段高い固定面
に取り付け、他を段差面に取り付ける構成とすれば、固
定用の固定部材が熱膨張し段差面が影響を受けても固定
面の面位置がレバーの変位方向に対し変動することを防
止できる。これにより、平衡駆動手段の取付の高さ位置
の変動や、傾きが無く制御電流の変動を生じず駆動特性
を一定にでき、レバーを平衡化させる制御を安定して行
える。また、レバーには、互いに直交して突出形成され
た第1、第2の補強片で補強する構成とすることによ
り、レバーがブロック塊で無くとも所定の剛性を有し且
つ小型軽量化できるようになる。レバーを小型、軽量化
できることにより、荷重に対するレバーの移動の反応を
より敏感にでき、計量精度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子天秤の実施の形態を示す斜視図。
【図2】ロバーバル機構を示す正面図。
【図3】ロバーバル機構の平面図。
【図4】ロバーバル機構の側面断面図。
【図5】レバーを示す正面図。
【図6】レバーの平面図。
【図7】レバーの側面図。
【図8】レバーの自由端部分を示す斜視図。
【図9】ロバーバル機構にレバーを組み込んだ状態を示
す裁断正面図。
【図10】従来の第1の電子天秤を示す正面断面図。
【図11】同従来の第1の電子天秤の斜視図。
【図12】従来の第2の電子天秤を示す分解斜視図。
【図13】従来の第3の電子天秤を示す斜視図。
【符号の説明】
1…電子天秤、2…ロバーバル機構、2b…レバー収容
部、4…レバー、4a…基端部、4b…自由端、4ba
…固定面、4bb…段差面、6…平衡駆動手段(電磁コ
イル)、6b…コイル、12…固定部、14…可動部、
17…ブリッジ切断用穴、18…ロバーバル部、20…
バネ部、22…レバー固定部、30…固定部、32(3
2a、32b、32c)…可動部、34…バネ部(支点
A,B)、38,39…補強片、42…位置検出セン
サ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被計量物の荷重を受けて移動する可動部
    (14)と、固定部(12)と前記可動部との間に所定
    長を有し一対で設けられ可動部を水平状態のまま移動さ
    せるロバーバル部(18)と、からなるロバーバル機構
    (2)と、 前記ロバーバル機構の可動部に基端部(4a)が固定さ
    れ、前記ロバーバル機構の可動部の移動に連動すること
    により自由端(4b)が平衡状態から所定量変位するレ
    バー(4)と、 前記レバーに設けられ基端部から自由端へ所定の力の減
    衰量を得るための支点(A,B)を含み、該レバーに固
    定部(30)と可動部(32)を形成しこれらを連結す
    る薄厚のバネ部(34)と、 前記レバーの固定部と可動部との間に設けられ、該固定
    部と可動部の位置を固定保持するものであり、該レバー
    を前記ロバーバル機構に固定後切断されるブリッジ(2
    9a、29b)と、を備えたことを特徴とする電子天
    秤。
  2. 【請求項2】 前記ロバーバル機構(2)には、長さ方
    向の一端部(2a)から内部にレバー収容部(2b)が
    開口形成され、 前記レバー(4)は、前記レバー収容部に収容固定され
    る請求項1記載の電子天秤。
  3. 【請求項3】 前記ロバーバル機構(2)には、前記レ
    バー(4)のブリッジ(29a、29b)の配置位置に
    該ブリッジを切断するための切断用穴(16,17)が
    開口された請求項1記載の電子天秤。
  4. 【請求項4】 被計量物の荷重を受けて移動する可動部
    (14)と、固定部(12)と前記可動部との間に所定
    長を有し一対で設けられ可動部を水平状態のまま移動さ
    せるロバーバル部(18)と、からなるロバーバル機構
    (2)と、 前記ロバーバル機構の可動部に基端部(4a)が固定さ
    れ連動することにより自由端(4b)が平衡状態から所
    定量変位するレバー(4)と、 前記レバーの自由端(4b)部分に設けられ、前記レバ
    ーが平衡状態となるよう移動制御する平衡駆動手段
    (6)と、 前記レバーの変位量を検出する位置検出手段(42)
    と、 前記レバーの自由端に形成され、前記平衡駆動手段が固
    定される固定面(4ba)と、該固定面に対し該レバー
    が変位する方向に所定の段差を有し1段低く形成される
    段差面(4bb)と、 前記レバーに対し平衡駆動手段及び位置検出手段を固定
    する、該レバーの材質と異種金属の固定部材(45)と
    を備え、 前記固定面に前記平衡駆動手段のみを固定し、前記段差
    面に前記位置検出手段を配置固定したことを特徴とする
    電子天秤。
  5. 【請求項5】 前記段差面(4bb)には、 前記レバー(4)の自由端(4b)の移動量を規制する
    ための規制手段を構成する規制部材(46)が配置固定
    された請求項4記載の電子天秤。
  6. 【請求項6】 被計量物の荷重を受けて移動する可動部
    (14)と、固定部(12)と前記可動部との間に所定
    長を有し一対で設けられ可動部を水平状態のまま移動さ
    せるロバーバル部(18)と、からなるロバーバル機構
    (2)と、 前記ロバーバル機構の可動部に基端部(4a)が固定さ
    れ、前記ロバーバル機構の可動部の移動に連動すること
    により自由端(4b)が平衡状態から所定量変位するレ
    バー(4)とを備え、 前記レバーには、幅方向に沿って所定厚さを有し突出形
    成された第1の補強片(38)と、 前記レバーの幅方向と直交する長さ方向に沿って所定厚
    さを有し、第1の補強片に連続する突出形成された第2
    の補強片(39)と、が設けられたことを特徴とする記
    載の電子天秤。
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