JP3524072B2 - 電子天秤 - Google Patents

電子天秤

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JP3524072B2
JP3524072B2 JP2001154289A JP2001154289A JP3524072B2 JP 3524072 B2 JP3524072 B2 JP 3524072B2 JP 2001154289 A JP2001154289 A JP 2001154289A JP 2001154289 A JP2001154289 A JP 2001154289A JP 3524072 B2 JP3524072 B2 JP 3524072B2
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広明 綿引
勲一 村田
昭夫 坂井
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アンリツ産機システム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被計量物の質量を
測定する電子天秤に係り、特にレバーの平衡バランスを
保持するバランス調整機構を備えた電子天秤に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の電子天秤の一例(特公平
6−29761号公報に開示)を示す正面断面図であ
る。図10に示す電子天秤80は、被計量物が載置され
る載置皿90が設けられた可動部81bが、基台フレー
ム92の支持体92aに固定された固定部81aに対し
可動するロバーバル機構81と、可動部81bの移動に
連動するレバー83と、レバー83が平衡状態となるよ
う移動制御する電磁コイル85と、レバー83の平衡状
態を検出する位置検出センサ(不図示)と、電磁コイル
85を通電制御して被計量物の質量を演算出力する制御
部(不図示)とによって主に構成されている。
【0003】ロバーバル機構81は、直方体形状のアル
ミニウム等を側部からくり抜き形成し上下一対の平行な
ロバーバル部86を有する。ロバーバル部86には計4
点の薄肉なバネ部87が形成され、可動部81bの載置
皿90上に被計量物が載置されると、この荷重を受けて
バネ部87部分が変形し、可動部81bが水平状態を維
持した状態のまま下方向に移動する。
【0004】レバー83は、ロバーバル機構81と一体
にしてくり抜き形成され、ロバーバル部86内に配され
ている。このレバー83の基端83aは、両端に狭窄部
88a,88bが形成された連結部88により可動部8
1b側に連結されている。このレバー83は、基端83
aよりも自由端83b寄りの部位で、固定部81a側に
連続して支点となる狭窄部83cにより支持されてい
る。そして、レバー83の自由端83bには、電磁コイ
ル85が設けられている。
【0005】レバー83は、荷重を受けたロバーバル機
構81の可動部81bにおける下方向への移動に連動し
て自由端83bが平衡位置から上方向に変位する。制御
部は、レバー83の位置を検出する位置検出センサの出
力に基づき、レバー83が平衡する状態となるよう電磁
コイル85を通電制御し、レバー83平衡時における電
磁コイル85への電流値等に基づき被計量物の質量を演
算出力する。
【0006】ところで、上記のような構成の電子天秤で
は、載置皿90に被計量物を載せていない状態でも、載
置皿90の重量によってレバー83の自由端が上がるの
で、電磁コイル85に常に電流を流してレバー83の平
衡状態を維持している。載置皿90が軽量であればよい
が、被計量物を搬送しつつ測定する秤量コンベアが可動
部81bに設けられている場合には、秤量コンベアの重
量とバランスを保つために、電磁コイルに大きな電流を
流す必要がある。このため、電磁コイル85の発熱量が
大きくなって、高精度の測定ができなくなる。
【0007】また、秤量コンベアなどの大きな重量と、
電磁コイル85に流す電流で発生させた力で平衡状態と
した場合、秤量コンベアとレバー83に質量アンバラン
スが発生する。この結果、床や機器などの外部振動の影
響を受け高精度の測定ができなくなる。
【0008】そこで、レバー83の自由端83bに錘を
設けることにより、上記の問題を解消している。この錘
は、電子天秤に搭載する秤量コンベアなどの質量に応じ
てバランスの調整が必要とされている。このバランス調
整は、複数種の錘を追加・交換したり、あるいはレバー
83の長さ方向に錘を移動させることにより行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の電子天秤では、レバー83の自由端83bにて
図10中上下方向(縦方向)の移動が生じても電磁コイ
ル85によって制御可能であるが、図10にて奥行き方
向(横方向)の移動が生じた場合には制御することがで
きない。横揺れが生じると測定ノイズが発生して測定誤
差となる。なお、レバー83の自由端83bには、平衡
バランス保持のための錘が設けられているため、この錘
によって横揺れの収束が遅くなってしまう。
【0010】また、上記横揺れにより支点に負荷がかか
り、狭窄部83cとして構成された支点が破損するとい
う問題もある。特に、電子天秤の輸送中や、レバー83
のバランス調整時に、上記支点への負荷が係りやすく破
損の要因になっている。
【0011】そこで本発明は、上記課題を解消するため
に、レバーの横揺れを抑えて測定ノイズを低減し、且
つ、支点の破損を防ぐことができる電子天秤を提供する
ことを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による請求項1記載の電子天秤は、固定部12と
可動部14との間にバネ部20を介した一対のロバーバ
ル部18を設けてなり、被計量物の荷重を受けた前記可
動部14を水平状態のまま移動させるロバーバル機構2
と、前記固定部12との間に結合された支点34Aを有
し、前記可動部14の移動に連動した一端側の動きに応
じて他端側が所定量変位する第一の可動部材32bと、
前記固定部12との間に結合された支点34Bを有し、
前記第一の可動部材32bの他端側の変位に連動して所
定量変位する第二の可動部材32cと、前記第二の可動
部材32cの平衡状態のバランスを保つために前記第一
の可動部材32bに取り付けられた錘部材42と、を備
えたことを特徴とする。
【0013】請求項2記載の電子天秤は、固定部12と
可動部14との間にバネ部20を介した一対のロバーバ
ル部18を設けてなり、被計量物の荷重を受けた前記可
動部14を水平状態のまま移動させるロバーバル機構2
と、前記固定部12との間に結合された支点34Aを有
し、前記可動部14の移動に連動した一端側の動きに応
じて他端側が所定量変位する第一の可動部材32bと、
前記固定部12との間に結合された支点34Bを有し、
前記第一の可動部材32bの他端側の変位に連動して所
定量変位する第二の可動部材32cと、前記第一の可動
部材32bと前記第二の可動部材32cの間に設けら
れ、前記固定部12との間に結合された支点34Cを有
し、前記第一の可動部材32bの変位を前記第二の可動
部材32cに伝達する少なくとも一つの中間部材33
と、前記第二の可動部材32cの平衡状態のバランスを
保つために前記第一の可動部材32bまたは前記中間部
材33の何れか一つに取り付けられた錘部材42と、を
備えたことを特徴とする。
【0014】請求項3記載の電子天秤は、請求項1記載
の電子天秤において、前記固定部12に固定された固定
部材30と、前記可動部14に固定された第三の可動部
材32aとを有し、前記第一の可動部材32bが前記固
定部材30との間に結合された支点34Aを有し、一端
側が前記第三の可動部材32aと連結部35aを介して
結合され、前記第三の可動部材32aの移動に連動した
一端側の動きに応じて他端側が所定量変位し、前記第二
の可動部材32cが前記固定部材30との間に結合され
た支点34Bを有し、前記第一の可動部材32bの他端
側に連結部35bを介して結合され、前記第一の可動部
材32bの他端側の変位に連動して所定量変位し、前記
固定部材30、前記第一の可動部材32b、前記第二の
可動部材32cおよび前記第三の可動部材32aが一つ
の部材によって形成されたことを特徴とする。
【0015】請求項4記載の電子天秤は、請求項2記載
の電子天秤において、前記固定部12に固定された固定
部材30と、前記可動部14に固定された第三の可動部
材32aとを有し、前記第一の可動部材32bが前記固
定部材30との間に結合された支点34Aを有し、一端
側が前記第三の可動部材32aと連結部35aを介して
結合され、前記第三の可動部材32aの移動に連動した
一端側の動きに応じて他端側が所定量変位し、前記中間
部材33が前記固定部材30との間に結合された支点3
4Cを有し、前記第一の可動部材32bの他端側の変位
を連結部35cを介して受け所定量変位し、前記第二の
可動部材32cが前記固定部材30との間に結合された
支点34Bを有し、前記中間部材33に連結部35dを
介して結合され、前記中間部材33の変位に連動して所
定量変位し、前記固定部材30、前記第一の可動部材3
2b、前記第二の可動部材32c、前記中間部材33お
よび前記第三の可動部材32aが一つの部材によって形
成されたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一実施の形態を
図面を参照して具体的に説明する。図1は、電子天秤の
概要構成を示す斜視図である。この電子天秤1は、ロバ
ーバル機構2と、レバー4と、レバー4を平衡状態に制
御する電磁コイルからなる平衡駆動手段6と、位置検出
手段(不図示)と、制御手段(不図示)を有してなる。
【0017】ロバーバル機構2の可動部14上には、荷
重受け部材(不図示)が固定され、この荷重受け部材上
にコンベアが載置された動秤を構成できる。そして、コ
ンベアで被計量物を搬送させながら被計量物の質量を測
定するようになっている。なお、可動部14上に載置皿
を設けて被計量物を載置皿上に載せて質量を測定する静
秤として使用することも可能である。
【0018】図2はロバーバル機構を示す正面図、図3
は同側面図である。ロバーバル機構2は、固定部12
と、固定部12に対し上下方向に可動する可動部14を
有する。可動部14の上面は、固定部12に対し高く形
成されている。このロバーバル機構2は、長さL1、幅
W1の直方体形状の硬質材料であるアルミニウム塊等の
単一材の塊を正面側からくり抜き、内部に中空部16を
貫通形成してなる。また、このロバーバル機構2は押出
成形等により中空部16を形成してもよい。この際、上
下に所定厚を有する一対の平行なロバーバル部18が設
けられる。これら一対のロバーバル部18は長さ方向L
1に対して同じ長さを有し、両端にはそれぞれ薄肉なバ
ネ部20が形成されている。バネ部20は、上下面に二
箇所づつ計四箇所設けられ、各々上下面から側面で見て
円弧状であり、幅W1方向に連続する直線状に形成され
ている。
【0019】上記中空部16内であって、上部のロバー
バル部18の直下位置には、レバー固定部22が形成さ
れている。このレバー固定部22は、ロバーバル部18
と平行にして、固定部12と可動部14とを長さL1方
向で繋ぐように連続形成された後、幅W1方向に線状に
切断された間隔部22sを介して固定側22aと可動側
22bとに分割されている。
【0020】なお、上記の如く固定側22aと可動側2
2bに分割されたレバー固定部22には、レバー4が固
定される。即ち、固定側22aに、後述するレバー4の
固定部材30が固定され、可動側22bに、後述するレ
バー4の第三の可動部材32aが固定される。また、レ
バー固定部22は、ロバーバル部18と平行であり、レ
バー4をロバーバル部18と平行に固定する。
【0021】ロバーバル機構2の長さ方向L1の一端側
2aには、その上部に所定長さの突出片24が突出形成
されている。突出片24の下面には、平衡駆動手段6が
取り付けられる。また、突出片24の下方に位置するロ
バーバル機構2の一側面には、長さL1方向にて穿設さ
れて中空部16に連通するレバー収容部2bが開口形成
されている。
【0022】図4はレバーを示す正面図、図5は同側面
図である。レバー4は、長さL2、幅W2の略直方体形
状からなる。レバー4の長さL2方向の一端側である基
端4a側には、ロバーバル部18の固定部12(固定側
22a)、可動部14(可動側22b)にそれぞれ固定
される固定部材30、可動部材32が形成されている。
また、レバー4の長さL2方向の他端側は自由端4bと
されている。
【0023】このレバー4は、ロバーバル機構2の可動
部14の移動に可動部材32が連動し、自由端4b側が
上下に移動する。第一実施の形態でのレバー4は、二箇
所の支点34A,34Bを有しており、可動部14に加
わる被計量物の質量(荷重負荷)をこの二箇所の支点3
4A,34Bにより所定量減衰させる機能、及びレバー
4の長さL2の短縮化が図られている。
【0024】具体的なレバー4の構成を説明する。レバ
ー4は、ロバーバル機構2と同様にアルミニウム塊等の
単一材の塊がくり抜かれて形成される。この際、図4に
示すように、正面から切削部28(28a、28b、2
8c、28d)が貫通形成される。この切削部28によ
って略中央部に固定部材30が形成され、固定部材30
の両側及び下面に複数段の可動部材32(第三の可動部
材32a,第一の可動部材32b,第二の可動部材32
c)が形成される。
【0025】第三の可動部材32aは、レバー4の基端
4a側を構成し、ロバーバル部18の可動部14(可動
側22b)に固定される。第一の可動部材32bは、切
削部28aにより形成された連結部35aを介して長さ
L2方向の一端側が第三の可動部材32aと結合されて
いる。連結部35aは、上下端部に薄肉のバネ部を有し
て第三の可動部材32aと第一の可動部材32bとにそ
れぞれ結合されている。第二の可動部材32cは、レバ
ー4の自由端4b側を構成し、第一の可動部材32bの
長さL2方向の他端側に対して切削部28b,28dに
より形成された薄肉のバネ部からなる連結部35bを介
して結合されている。連結部35a,35bのバネ部
は、ロバーバル機構2のバネ部20とほぼ同様の形状で
形成されるものであり説明は省略する。
【0026】第一の可動部材32bは、支点34Aを有
して固定部材30と結合されている。支点34Aは、切
削部28a,28bにより成形された薄肉のバネ部から
なる。第二の可動部材32cは、支点34Bを有して固
定部材30と結合されている。支点34Bは、切削部2
8b,28cにより成形された薄肉のバネ部からなる。
支点34A,34Bのバネ部は、ロバーバル機構2のバ
ネ部20とほぼ同様の形状で形成されるものであり説明
は省略する。
【0027】このように、レバー4は、基端4a側に負
荷される荷重をバネ部からなる支点34A,34Bを介
して効率よく自由端4b側に伝達し、併せて支点34
A,34Bの強度を維持するためにバネ部を有する連結
部35a,35bを介して複数段(第一実施の形態では
三段)に形成されている。
【0028】図6は電子天秤の組み立て状態を示す一部
裁断正面図である。この図は、便宜上、レバー4は裁断
せずロバーバル機構2のみ裁断した状態とした。
【0029】電子天秤1は、ロバーバル機構2内部にレ
バー4を挿入、固定して構成される。ロバーバル機構2
は、固定部12がベース板10上にネジ11で固定され
る。そして、ベース板10に固定されたロバーバル機構
1のレバー収容部2bには、レバー4が基端4a側から
挿入される。
【0030】レバー4は、固定部材30がレバー固定部
22の固定側22aにネジ25で固定される。また、レ
バー4は、可動部材32(第三の可動部材32a)がレ
バー固定部22の可動側22bにネジ25で固定され
る。この固定状態で、レバー4の自由端4b(第二の可
動部材32c)は、ロバーバル機構2の一端側2aに突
出し、突出片24の直下に位置する。このように、ロバ
ーバル機構2の内部にレバー4を設けることにより、全
体の小型化が図れる。
【0031】なお、レバー収容部2bを形成するレバー
固定部22の下面には、長さ方向L1に沿ってレバー4
の一側面を案内する段差部22dが形成されている。こ
れにより、レバー4の挿入時の位置決めを行いやすくし
て組み立てを容易にしている。
【0032】レバー4の第一の可動部材32bは、第二
の可動部材32cである自由端4bの下側にて、切削部
28dを介してレバー4の長さL2方向に延設された他
端側に錘取付部38を有している。この錘取付部38に
は、レバー4の平衡状態のバランスを保つバランス調整
機構40が設けられている。
【0033】図7は電子天秤の側面図である。図6およ
び図7に示すように、バランス調整機構40は、錘部材
42と、調整杆44とを有している。
【0034】錘部材42は、上記の如く組み立てられた
ロバーバル機構2の可動部14上に対する荷重受け部材
等の重量負荷時に、レバー4を平衡させるためのもので
ある。したがって、錘部材42は、レバー4を平衡させ
る分の所望の重さを有している。この錘部材42は、錘
取付部38の各ネジ穴38aにネジ固定される。
【0035】調整杆44は、錘部材42と一体にして錘
取付部38の延設された方向に延設されている。調整杆
44は、雄ネジをなし、調整用錘46を螺着可能として
いる。調整用錘46は、第一実施の形態では、ナットの
如く構成され、調整杆44に対して錘部材42に当接す
るまで締めつけられて固定される。調整用錘46は、重
さの異なる複数種(外形違い、厚み違い、材質違いなど
も含む)が用意されて、これらを組み合わせることによ
り第一の可動部材32bの他端側にかかる荷重を可変で
きる。
【0036】このようにして、バランス調整機構40
は、第一の可動部材32bにかかる荷重を可変させ、こ
の荷重を第一の可動部材32bから支点34Bを介して
第二の可動部材32cの自由端4bに伝達させてレバー
4の平衡状態のバランスを保つ。
【0037】なお、レバー4の平衡状態は、レバー4の
自由端4bに設けられるスリットと、突出片24側に固
定の位置検出センサ(不図示)により検出され、併せて
レバー4の移動方向も検出されるようになっている。
【0038】平衡駆動手段6を構成する電磁コイルは、
円環状の磁石体6aが突出片24下面に固定され、レバ
ー4の自由端4b上面には磁石体6aの円環内部に巻回
状のコイル6bが固定されている。このように、電磁コ
イルはロバーバル機構2の外部に設けることができるた
め、製造時の組み立て及び保守を簡単に行えるようにな
る。この平衡駆動手段6は、被計量物の測定時に制御部
の電流制御を受け、コイル6bに供給する電流によって
磁石体6aとの間の磁力を変化させ、レバー4を平衡状
態に復帰させる。
【0039】次に、上記構成の電子天秤1による被計量
物の質量測定動作を説明する。バランス調整機構40の
調整により、荷重受け部材(コンベア重量を含む)の重
量負荷状態におけるレバー4の平衡が取られる。このレ
バー4の平衡状態は位置検出センサにより検出される。
【0040】次に、被計量物が動秤としての荷重受け部
材に載置されるコンベア上に載置されこのコンベア上を
搬送移動する。ロバーバル機構2は、被計量物の荷重を
受けて可動部14が図6中Z1方向に下降する。この
際、ロバーバル部18は計四箇所のバネ部20の変形に
より、可動部14を水平状態を維持したままの状態で下
降移動させる。
【0041】可動部14の下降に連動して、レバー4の
第三の可動部材32aが同様に下降移動する。第三の可
動部材32aが移動すると、連結部35aを介して第一
の可動部材32bの一端側が移動する。第一の可動部材
32bは、固定部材30に結合された支点34Aを支点
として図6中Z2方向に上昇し、一端側の動きに応じて
他端側が所定量変位する。この第一の可動部材32bの
移動にともない、連結部35bを介して第二の可動部材
32cが移動する。第二の可動部材32cは、固定部材
30に結合された支点34Bを支点として第一の可動部
材32bの他端側の変位に連動して所定量変位する。こ
れにより、第二の可動部材32cがなすレバー4の自由
端4bが図6中Z3方向に上昇する。
【0042】レバー4の自由端4bは、平衡状態に対し
所定量変位(上昇)し、この変位量が位置検出センサで
検出される。制御部は、レバー4が再度平衡状態に復帰
するよう平衡駆動手段6の電磁コイルを通電制御する。
この際、電磁コイルのコイル6bに対する電流方向、及
び供給する電流量を制御し、位置検出センサによりレバ
ー4が再度平衡状態となったことを検出した際における
電磁コイルへの電流値を得て、この電流値に基づき被計
量物の質量を演算出力する。
【0043】上記のようにレバー4を、第三の可動部材
32a、第一の可動部材32b、第二の可動部材32c
の三段として、複数(二箇所)の支点34A,34Bを
設けることにより、第三の可動部材32a側に加わる被
計量物の質量(荷重負荷)を、自由端4b(第二の可動
部材32c)側へ減衰して伝達でき、同時に第三の可動
部材32a側の移動量に対して自由端4b(第二の可動
部材32c)側の変位量を増大させて得ることができ
る。これにより、計量精度の向上が図れる。また、レバ
ー4の長さL2方向を短距離化しつつ所定の減衰量を有
する構成にでき小型軽量化が図れる。さらに、レバー4
を小型、軽量化したことにより、荷重に対する移動の反
応をより敏感にでき、計量精度の向上が図れる。なお、
レバー4の自由端4b側から力を加えれば、増大させて
可動部材32(ロバーバル機構2の可動部14)側に伝
達できる為、自由端4b側での小さな力でレバー4を制
動できるようになる。
【0044】このように構成された第一実施の形態での
電子天秤1では、レバー4に三段の可動部材32a,3
2b,32cを設けて複数(二箇所)の支点34A,3
4Bとし、平衡駆動手段6を設ける自由端4bである第
二の可動部材32c以外の段である第一の可動部材32
bにレバー4の平衡状態を保つ錘部材42を取り付けて
いる。そして、レバー4の自由端4bに横方向(幅W2
方向)の振動が生じても、錘部材42が自由端4bの横
揺れを減衰してレバーの横揺れを抑えている。これによ
り、測定ノイズを低減し、支点34A,34Bの破損を
防ぐことが可能となる。
【0045】以下、本発明の第二実施の形態を図面を参
照して具体的に説明する。図8は第二実施の形態での電
子天秤の組み立て状態を示す一部裁断正面図である。こ
の図は、便宜上、レバー4は裁断せずロバーバル機構2
のみ裁断した状態とした。
【0046】なお、第二実施の形態では、第一実施の形
態に対してレバー4の構成が異なり、第一の可動部材3
2bと第二の可動部材32cの間に中間部材33を設け
てなる。ゆえに、以下に説明する第二実施の形態では、
レバー4について説明し、その他第一実施の形態と同一
部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0047】図8に示すように、レバー4は、ロバーバ
ル機構2と同様にアルミニウム塊等の単一材の塊がくり
抜かれて形成される。この際、正面から切削部28(2
8e、28f、28g、28h、28i)が貫通形成さ
れる。この切削部28によって略中央部に固定部材30
が形成され、固定部材30の両側及び下面に複数段の可
動部材32(第三の可動部材32a,第一の可動部材3
2b,第二の可動部材32c)および中間部材33が形
成される。固定部材30は、レバー固定部22の固定側
22aにネジ25で固定される。
【0048】第三の可動部材32aは、レバー4の基端
4a側を構成し、ロバーバル部18の可動部14(可動
側22b)にネジ25にて固定される。第一の可動部材
32bは、切削部28eにより形成された連結部35a
を介して長さL2方向の一端側が第三の可動部材32a
と結合されている。連結部35aは、上下端部に薄肉の
バネ部を有して第三の可動部材32aと第一の可動部材
32bとにそれぞれ結合されている。中間部材33は、
第一の可動部材32bの長さL2方向の他端側に対して
切削部28f,28gにより形成された薄肉のバネ部か
らなる連結部35cを介して結合されている。第二の可
動部材32cは、レバー4の自由端4b側を構成し、中
間部材33に対して切削部28hにより形成された薄肉
のバネ部からなる連結部35bを介して結合されてい
る。連結部35a,35b,35cのバネ部は、ロバー
バル機構2のバネ部20とほぼ同様の形状で形成される
ものであり説明は省略する。
【0049】第一の可動部材32bは、支点34Aを有
して固定部材30と結合されている。支点34Aは、切
削部28e,28fにより成形された薄肉のバネ部から
なる。中間部材33は、支点34Cを有して固定部材3
0と結合されている。支点34Cは、切削部28f,2
8hにより成形された薄肉のバネ部からなる。第二の可
動部材32cは、支点34Bを有して固定部材30と結
合されている。支点34Bは、切削部28h,28iに
より成形された薄肉のバネ部からなる。支点34A,3
4B,24Cのバネ部は、ロバーバル機構2のバネ部2
0とほぼ同様の形状で形成されるものであり説明は省略
する。
【0050】このように、レバー4は、基端4a側に負
荷される荷重をバネ部からなる支点34A,34B,3
4Cを介して効率よく自由端4b側に伝達し、併せて支
点34A,34B,34Cの強度を維持するためにバネ
部を有する連結部35a,35b,35cを介して複数
段(第二実施の形態では中間部材33を含めて四段)に
形成されている。
【0051】レバー4の中間部材33は、第二の可動部
材32cである自由端4bの下側にて、錘取付部38を
有している。この錘取付部38には、レバー4の平衡状
態のバランスを保つバランス調整機構40が設けられて
いる。バランス調整機構40については、上述した第一
実施の形態と同じであり説明は省略する。
【0052】バランス調整機構40は、中間部材33に
かかる荷重を可変させ、この荷重を中間部材33から支
点34Bを介して第二の可動部材32cの自由端4bに
伝達させてレバー4の平衡状態のバランスを保つ。
【0053】次に、上記構成の電子天秤1による被計量
物の質量測定動作を説明する。バランス調整機構40の
調整により、荷重受け部材(コンベア重量を含む)の重
量負荷状態におけるレバー4の平衡が取られる。このレ
バー4の平衡状態は位置検出センサにより検出される。
【0054】次に、被計量物が動秤としての荷重受け部
材に載置されるコンベア上に載置されこのコンベア上を
搬送移動する。ロバーバル機構2は、被計量物の荷重を
受けて可動部14が図8中Z1方向に下降する。この
際、ロバーバル部18は計四箇所のバネ部20の変形に
より、可動部14を水平状態を維持したままの状態で下
降移動させる。
【0055】可動部14の下降に連動して、レバー4の
第三の可動部材32aが同様に下降移動する。第三の可
動部材32aが移動すると、連結部35aを介して第一
の可動部材32bの一端側が移動する。第一の可動部材
32bは、固定部材30に結合された支点34Aを支点
として図8中Z2方向に上昇し、一端側の動きに応じて
他端側が所定量変位する。この第一の可動部材32bの
移動にともない、連結部35cを介して中間部材33が
移動する。中間部材33は、固定部材30に結合された
支点34Cを支点として図8中Z2方向に移動し、第一
の可動部材32bの他端側の変位に連動して所定量変位
する。次いで、中間部材33の移動にともない、連結部
35bを介して第二の可動部材32cが移動する。第二
の可動部材32cは、固定部材30に結合された支点3
4Bを支点として中間部材33を介して伝達された第一
の可動部材32bの他端側の変位に連動して所定量変位
する。これにより、第二の可動部材32cがなすレバー
4の自由端4bが図8中Z3方向に上昇する。
【0056】レバー4の自由端4bは、平衡状態に対し
所定量変位(上昇)し、この変位量が位置検出センサで
検出される。制御部は、レバー4が再度平衡状態に復帰
するよう平衡駆動手段6の電磁コイルを通電制御する。
この際、電磁コイルのコイル6bに対する電流方向、及
び供給する電流量を制御し、位置検出センサによりレバ
ー4が再度平衡状態となったことを検出した際における
電磁コイルへの電流値を得て、この電流値に基づき被計
量物の質量を演算出力する。
【0057】上記のようにレバー4を、第三の可動部材
32a、第一の可動部材32b、第二の可動部材32c
の三段とするとともに、第一の可動部材32bと第二の
可動部材32cの間に中間部材33を設け、複数(二箇
所)の支点34A,34B,34Cを設けることによ
り、第三の可動部材32a側に加わる被計量物の質量
(荷重負荷)を、自由端4b(第二の可動部材32c)
側へ減衰して伝達でき、同時に第三の可動部材32a側
の移動量に対して自由端4b(第二の可動部材32c)
側の変位量を増大させて得ることができる。これによ
り、計量精度の向上が図れる。また、レバー4の長さL
2方向を短距離化しつつ所定の減衰量を有する構成にで
き小型軽量化が図れる。さらに、レバー4を小型、軽量
化したことにより、荷重に対する移動の反応をより敏感
にでき、計量精度の向上が図れる。なお、レバー4の自
由端4b側から力を加えれば、増大させて可動部材32
(ロバーバル機構2の可動部14)側に伝達できる為、
自由端4b側での小さな力でレバー4を制動できるよう
になる。
【0058】このように構成された第二実施の形態での
電子天秤1では、レバー4に三段の可動部材32a,3
2b,32cを設けるとともに、第一の可動部材32b
と第二の可動部材32cの間に中間部材33を設けて複
数(三箇所)の支点34A,34B,34Cとし、平衡
駆動手段6を設ける自由端4bである第二の可動部材3
2c以外の中間部材33にレバー4の平衡状態を保つ錘
部材42を取り付けている。そして、レバー4の自由端
4bに横方向(幅W2方向)の振動が生じても、錘部材
42が自由端4bの横揺れを減衰してレバーの横揺れを
抑えている。これにより、測定ノイズを低減し、支点3
4A,34B,34Cの破損を防ぐことが可能となる。
【0059】なお、上述した第二実施の形態では、中間
部材33に錘部材42を取り付けているが、中間部材3
3を設けた上で、第一の可動部材32bに錘部材42を
取り付けてもよい。
【0060】また、上述した第二実施の形態では、第一
の移動部材32bと第二の移動部材32cの間に中間部
材33を一つ設けた例であるが、図9に示すように複数
(図9では二つ)の中間部材33を設けてもよい。そし
て、第一の可動部材32bまたは中間部材33の何れか
一つに錘部材42を取り付ける。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明による電子天
秤は、ロバーバル機構の固定部との間に支点が結合され
て、ロバーバル機構の移動部の移動に連動した一端側の
動きに応じて他端側が所定量変位する第一の可動部材
と、固定部との間に支点が結合されて、第一の可動部材
の他端側の変位に連動して所定量変位する第二の可動部
材とを有し、第一の可動部材に第二の可動部材の平衡状
態のバランスを保つ錘部材を取り付けた。そして、第二
の可動部材に生じた横方向の振動を錘部材が減衰して抑
える。これにより、測定ノイズを低減し支点の破損を防
ぐことができる。
【0062】また、第一の可動部材と第二の可動部材の
間に、固定部との間に支点が結合されて、第一の可動部
材の変位を第二の可動部材に伝達する少なくとも一つの
中間部材を設け、第一の可動部材または中間部材の何れ
か一つに第二の可動部材の平衡状態のバランスを保つ錘
部材を取り付けても上記効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子天秤の概要構成を示す斜視図。
【図2】ロバーバル機構を示す正面図。
【図3】同ロバーバル機構を示す側面図。
【図4】レバーを示す正面図。
【図5】レバーを示す側面図。
【図6】電子天秤の組み立て状態を示す一部裁断正面
図。
【図7】電子天秤の側面図。
【図8】第二実施の形態での電子天秤の組み立て状態を
示す一部裁断正面図。
【図9】第二実施の形態での他の例の電子天秤を示す概
略構成図。
【図10】従来の電子天秤の一例を示す正面断面図。
【符号の説明】
1…電子天秤、2…ロバーバル機構、4…レバー、4b
…自由端、12…固定部、14…可動部、18…ロバー
バル部、20…バネ部、30…固定部材、32a…第三
の可動部材、32b…第一の可動部材、32c…第二の
可動部材、33…中間部材、34A,34B,34C…
支点、35a,35b,35c…連結部、42…錘部
材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−104092(JP,A) 特開 昭58−162818(JP,A) 特開 平9−318425(JP,A) 特公 平6−29761(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01G 3/14,7/02 G01G 21/24,21/26 G01G 23/01 G01G 23/06 G01G 23/12 G01G 21/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部(12)と可動部(14)との間
    にバネ部(20)を介した一対のロバーバル部(18)
    を設けてなり、被計量物の荷重を受けた前記可動部を水
    平状態のまま移動させるロバーバル機構(2)と、 前記固定部との間に結合された支点(34A)を有し、
    前記可動部の移動に連動した一端側の動きに応じて他端
    側が所定量変位する第一の可動部材(32b)と、 前記固定部との間に結合された支点(34B)を有し、
    前記第一の可動部材の他端側の変位に連動して所定量変
    位する第二の可動部材(32c)と、 前記第二の可動部材の平衡状態のバランスを保つために
    前記第一の可動部材に取り付けられた錘部材(42)
    と、 を備えたことを特徴とする電子天秤。
  2. 【請求項2】 固定部(12)と可動部(14)との間
    にバネ部(20)を介した一対のロバーバル部(18)
    を設けてなり、被計量物の荷重を受けた前記可動部を水
    平状態のまま移動させるロバーバル機構(2)と、 前記固定部との間に結合された支点(34A)を有し、
    前記可動部の移動に連動した一端側の動きに応じて他端
    側が所定量変位する第一の可動部材(32b)と、 前記固定部との間に結合された支点(34B)を有し、
    前記第一の可動部材の他端側の変位に連動して所定量変
    位する第二の可動部材(32c)と、 前記第一の可動部材と前記第二の可動部材の間に設けら
    れ、前記固定部との間に結合された支点(34C)を有
    し、前記第一の可動部材の変位を前記第二の可動部材に
    伝達する少なくとも一つの中間部材(33)と、 前記第二の可動部材の平衡状態のバランスを保つために
    前記第一の可動部材または前記中間部材の何れか一つに
    取り付けられた錘部材(42)と、 を備えたことを特徴とする電子天秤。
  3. 【請求項3】 前記固定部(12)に固定された固定部
    材(30)と、 前記可動部(14)に固定された第三の可動部材(32
    a)とを有し、 前記第一の可動部材(32b)が前記固定部材との間に
    結合された支点(34A)を有し、一端側が前記第三の
    可動部材と連結部(35a)を介して結合され、前記第
    三の可動部材の移動に連動した一端側の動きに応じて他
    端側が所定量変位し、 前記第二の可動部材(32c)が前記固定部材との間に
    結合された支点(34B)を有し、前記第一の可動部材
    の他端側に連結部(35b)を介して結合され、前記第
    一の可動部材の他端側の変位に連動して所定量変位し、 前記固定部材、前記第一の可動部材、前記第二の可動部
    材および前記第三の可動部材が一つの部材によって形成
    されたことを特徴とする請求項1記載の電子天秤。
  4. 【請求項4】 前記固定部(12)に固定された固定部
    材(30)と、 前記可動部(14)に固定された第三の可動部材(32
    a)とを有し、 前記第一の可動部材(32b)が前記固定部材との間に
    結合された支点(34A)を有し、一端側が前記第三の
    可動部材と連結部(35a)を介して結合され、前記第
    三の可動部材の移動に連動した一端側の動きに応じて他
    端側が所定量変位し、 前記中間部材(33)が前記固定部材との間に結合され
    た支点(34C)を有し、前記第一の可動部材の他端側
    の変位を連結部(35c)を介して受け所定量変位し、 前記第二の可動部材(32c)が前記固定部材との間に
    結合された支点(34B)を有し、前記中間部材に連結
    部(35d)を介して結合され、前記中間部材の変位に
    連動して所定量変位し、 前記固定部材、前記第一の可動部材、前記第二の可動部
    材、前記中間部材および前記第三の可動部材が一つの部
    材によって形成されたことを特徴とする請求項2記載の
    電子天秤。
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