JP2002105500A - インクジェットプリンタ用洗浄液 - Google Patents

インクジェットプリンタ用洗浄液

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エマルジョン樹脂、もしくは顔料、もしく
は顔料が樹脂で被覆されたマイクロカプセル顔料等を含
有する水性インクを用いたインクジェットプリンタ用と
して、優れた洗浄効果を有する洗浄液を提供する。 【解決手段】少なくとも、ヒドロキシカルボン酸の水可
溶性塩、より好ましくはクエン酸もしくはグルコン酸の
水可溶性塩とリモネンを含有し、かつ界面活性剤を含有
するインクジェットプリンタ用洗浄液。界面活性剤はノ
ニオン性又はアニオン性界面活性剤であることが好まし
く、特に該界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキル
エーテルであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタ用洗浄液に関し、さらに詳しくは、水分散性樹
脂、もしくは水分散性着色粒子を含む水性インクを用い
たインクジェットプリンタ用の洗浄液に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタ用の洗浄液とし
て、特開昭58−71170号公報では染料インクから
染料を除いた液を洗浄液とすることが例示されている。
特開昭62−169876号公報では多価アルコール類
と一価アルコール類と水とからなるメンテナンス液、特
開昭62−169877号公報では低級アルコールと陰
イオン性界面活性剤と水とからなるメンテナンス液、特
開平01−148557号公報では水溶性キレート化剤
からなるインクジェットプリンター用水性メンテナンス
液が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のメンテナンス液
は水性染料を溶解させた完全溶解系のインクを用いたイ
ンクジェットプリンタの洗浄・メンテナンスには効果を
有しているが、着色剤以外にエマルジョン等の水分散性
樹脂を含む水性インク、顔料を分散剤で分散せしめた水
性顔料インク、顔料を水分散性の樹脂で被覆したマイク
ロカプセルインク等ではプリントヘッドのノズルに水不
溶物が付着しやすく、工業的にインクジェットプリンタ
を使用する場合にはノズル洗浄が必要とされる場合が多
い。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、インク
ジェットプリンタ用洗浄液に関し、優れた洗浄効果によ
りノズル目詰まり障害を容易に回復させることの出来る
インクジェットプリンタ用洗浄液を提供することにあ
る。特に、エマルジョン樹脂、顔料、顔料が樹脂で被覆
されたマイクロカプセル顔料等を含有する水性インクを
用いたインクジェットプリンタ用として優れた洗浄効果
を有する洗浄液を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、少なくとも、ヒドロキシカルボン酸の水可
溶性塩、リモネンを含有し、かつ界面活性剤を含有する
インクジェットプリンタ用洗浄液を提供する。
【0006】ヒドロキシカルボン酸塩はキレート効果を
有し、特に金属の洗浄に効果があることが一般に知られ
ている。中でもヒドロキシカルボン酸がクエン酸又はグ
ルコン酸であることが好ましく、それらのアルカリ金属
(リチウム、カリウム、ナトリウム)との水可溶性塩は
金属のみならずガラス・セラミック・プラスチック等幅
広いヘッド材料に対して、腐食することなく強力な洗浄
効果を示す。
【0007】リモネンはオレンジ等柑橘類に多く含まれ
る物質で油脂等の溶解能力に優れているが、それ自体は
水に不溶の有機溶剤として挙動する。第3成分として界
面活性剤を含有することによりリモネンを洗浄液中に溶
解させ、かつヒドロキシカルボン酸塩とリモネンの洗浄
効果に加えて、相乗的に洗浄液の洗浄能力を高めること
が可能となる。
【0008】本発明の界面活性剤として好ましい種類は
ノニオン性又はアニオン性界面活性剤であり、公知慣用
のものが使用可能であり、具体的には以下に挙げられる
ものがあるがこれらに限られたものではない。
【0009】ノニオン性界面活性剤としては、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグ
リン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール・ペンタエリスリトール脂肪酸エ
ステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコ
ール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレ
ン・ブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、アセチレングリコール、ポリオキシエ
チレンひまし油・硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラ
ノリン・ラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアル
キルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレ
ンパーフルオロアルキル等のフッ素系界面活性剤等があ
る。
【0010】アニオン性界面活性剤としては、アルキル
硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、N−アシ
ルアミノ酸とその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ジ
アルキルスルホコハク酸塩、スルホコハク酸モノエステ
ルジナトリウム、N−アルキルスルホコハク酸モノアミ
ド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アル
キルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル燐酸塩等がある。
【0011】界面活性剤として中でもノニオン性のポリ
オキシアルキレンアルキルエーテルの総称で呼ばれる、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックポリマー
が効果の点で好ましい。
【0012】洗浄剤成分であるヒドロキシカルボン酸の
水可溶性塩、リモネン、界面活性剤の洗浄液中の含有量
総量は0.01〜10重量%の範囲が好ましく、特に
0.05〜5.0重量%の範囲が洗浄剤粘度が低くノズ
ル内の流動性が良好で洗浄効果が高いことから好まし
い。
【0013】その他の添加剤としては、必要に応じてイ
ンクジェット用水性インクで用いられる乾燥防止剤や、
防腐剤、無機のアルカリやアルコールアミン類、低級ア
ルコール等の水溶性有機溶剤を加えることが出来る。
【0014】本発明の洗浄剤と組み合わせるインクは染
料インクでも効果を有するが、エマルジョン樹脂含有イ
ンク又は水分散性着色粒子を含む顔料インクのようなイ
ンクジェット用水性インクで特に洗浄効果を発揮する。
【0015】顔料インクの顔料としては例えば、カーボ
ンブラック、チタンブラック、チタンホワイト、硫化亜
鉛、ベンガラの如き無機顔料;フタロシアニン顔料、モ
ノアゾ系、ジスアゾ系等のアゾ顔料、フタロシアニン顔
料、キナクリドン顔料の如き有機顔料がある。
【0016】前記顔料は公知の分散剤で分散するか、皮
膜形成性樹脂によって被覆されたマイクロカプセル顔料
として用いることが出来る。
【0017】このような顔料に対して、本発明の洗浄剤
は確かな洗浄効果を発揮する。また本発明が効果を発揮
するような洗浄対象としているインクに用いられる前記
エマルジョン樹脂、分散剤、皮膜形成性樹脂としては、
酸価を有する一般的なアクリル酸樹脂やポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、マレイン酸樹脂等特に限られるもの
ではないが、スチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂、例
えば、スチレンあるいはα−メチルスチレンのような置
換スチレンと、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸
エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル
酸2−エチルヘキシルエステル等のアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチル
エステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステルから選ば
れる少なくとも一つ以上のモノマー単位と、アクリル
酸、メタクリル酸から選ばれる少なくとも一つ以上のモ
ノマー単位とを含む共重合体に対して特に著しい洗浄効
果を発揮する。
【0018】かかる水分散性樹脂や顔料、あるいは皮膜
形成性樹脂で被覆された顔料のような水分散性着色粒子
を含有するインクジェット記録用インクには、乾燥防止
のための水溶性有機溶媒を乾燥防止剤として併用される
場合が一般的で、かかる乾燥防止剤としては、インクジ
ェットの噴射ノズル口でのインクの乾燥を防止する効果
を与えるものであり、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンの如
き多価アルコール類;N−メチル−2−ピロリドン、2
−ピロリドンの如きピロリドン類;アミド類;ジメチル
スルホオキサイド、イミダゾリジノン等水の沸点以上の
沸点を有するものが使用されるが、特に前記着色粒子に
用いる樹脂のガラス転移温度が低い場合にはノズル目詰
まりを生じやすいことから本発明の洗浄液が有効であ
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。なお、以下の実施例中における
「部」は、特に断りがない限り、『質量部』を表わす。
【0020】(実施例1) <洗浄液例>クエン酸カリウム0.1部、グルコン酸カ
リウム0.2部、ポリオキシエチレン(10)ドデシル
エーテル0.3部、ポリオキシエチレン(20)ラウリ
ルエーテル0.3部、ポリオキシエチレン(1)・ポリ
オキシプロピレン(8)セチルエーテル0.2部、リモ
ネン0.2部、エタノール0.1部、防腐剤0.1部を
純水98.6部に溶解し、0.5μmフィルターでろ過
を行い洗浄液とした。
【0021】<インク例>カーボンブラック20部及び
スチレン−アクリル酸−メタクリル酸樹脂(スチレン/
アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13;分子量
5万・酸価160・ガラス転移温度107℃)20部を
二本ロールを用いて混練した混練物を、水210部、グ
リセリン35部、トリエタノールアミン8部、メチルエ
チルケトン90部及びイソプロピルアルコール40部か
らなる混合溶液に入れ、室温で3時間撹拌して着色剤懸
濁液を得た。得られた懸濁液に撹拌しながら、グリセリ
ン30部と水210部の混合液を毎分5mlの速度で滴
下して、黒色着色樹脂粒子水分散液を得た。得られたカ
プセル液をロータリーエバポレーターを用いてメチルエ
チルケトンとイソプロピルアルコールと水の一部を留去
し、顔料分14重量%の黒色着色樹脂粒子水分散液を得
た。
【0022】前記着色樹脂粒子水分散液25部を、ジエ
チレングリコール10部、プロピレングリコールプロピ
ルエーテル5部、エマルジョン樹脂(PDX−7111
B;ジョンソンポリマー製)0.5部を純水59.5部
に加えた後混合して、0.5μmメンブランフィルター
を用いてろ過を行いインクジェット記録用水性インクと
した。
【0023】得られた水性インクはピエゾ式インクジェ
ットプリンタ(セイコーエプソン製MJ−8000C)
を用いて印刷を行ったところ記録メディアに対して強力
な密着性を示したが、休止中にノズルキャップにも拘わ
らず一部のノズルに目詰まりを生じた。洗浄液例の洗浄
液を用いて洗浄を行った結果、ノズル付着物は容易に除
去され安定噴射が可能となった。
【0024】(比較例1)実施例1の洗浄液例におい
て、界面活性剤を除いて配合したが、水相上にリモネン
の油相が形成され、洗浄液とならなかった。
【0025】(比較例2)実施例1の洗浄液例におい
て、リモネンを除いて配合し同様に洗浄液とした。実施
例1と同様に目詰まりノズルを洗浄液を用いて洗浄を行
った結果、ノズル付着物は完全に除去されず、インクの
吐出方向が安定しなかった。
【0026】(比較例3)実施例1の洗浄液例におい
て、クエン酸カリウムとグルコン酸カリウムを除いて配
合し同様に洗浄液とした。実施例1と同様に目詰まりノ
ズルを洗浄液を用いて洗浄を行った結果、ノズル付着物
は完全に除去されず、インクの吐出方向が安定しなかっ
た。
【0027】
【発明の効果】本発明の洗浄液は、エマルジョン樹脂、
顔料、顔料が樹脂で被覆されたマイクロカプセル顔料を
含有する水性インクを用いたインクジェットプリンタ用
として、優れた洗浄効果によりノズル目詰まり障害を容
易に回復させることが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 3/43 B41J 3/04 102H Fターム(参考) 2C056 FC01 KB21 4H003 AB01 AC08 AC23 BA12 DA12 DB01 EB04 EB08 ED02 ED03 FA21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、ヒドロキシカルボン酸の水
    可溶性塩とリモネンを含有し、かつ界面活性剤を含有す
    ることを特徴とするインクジェットプリンタ用洗浄液。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシカルボン酸がクエン酸又はグ
    ルコン酸であることを特徴とする請求項1記載のインク
    ジェットプリンタ用洗浄液。
  3. 【請求項3】 界面活性剤がノニオン性又はアニオン性
    界面活性剤であることを特徴とする請求項1、2記載の
    インクジェットプリンタ用洗浄液。
  4. 【請求項4】 ノニオン性界面活性剤がポリオキシアル
    キレンアルキルエーテルであることを特徴とする請求項
    3記載のインクジェットプリンタ用洗浄液。
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