JP2002105039A - シクロヘキサノンオキシムの蒸発方法とこれに使用する蒸発器、ならびにε−カプロラクタムの製造方法とその製造装置 - Google Patents

シクロヘキサノンオキシムの蒸発方法とこれに使用する蒸発器、ならびにε−カプロラクタムの製造方法とその製造装置

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JP2002105039A
JP2002105039A JP2000300264A JP2000300264A JP2002105039A JP 2002105039 A JP2002105039 A JP 2002105039A JP 2000300264 A JP2000300264 A JP 2000300264A JP 2000300264 A JP2000300264 A JP 2000300264A JP 2002105039 A JP2002105039 A JP 2002105039A
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fluidized bed
mixture
evaporating
inert
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Hoelderich Wolfgang
ヘルデリッヒ ヴァルフガング
Dahlhoff Gerd
ダールホッフ ゲルト
Andre Sbresny
スブレスニー アンドレ
Hiroshi Ichihashi
宏 市橋
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D201/00Preparation, separation, purification or stabilisation of unsubstituted lactams
    • C07D201/02Preparation of lactams
    • C07D201/04Preparation of lactams from or via oximes by Beckmann rearrangement
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    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07D201/02Preparation of lactams
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副生物の生成を低減したシクロヘキサノンオ
キシムの蒸発方法とこれに使用する蒸発器を提供するこ
とである。 【解決手段】 シクロヘキサノンオキシムとこれを希釈
する溶剤との混合物を導入管6から、該混合物の蒸発に
必要な熱を供給するのに充分な熱容量を有する粒状の不
活性物質が不活性ガスによって流動化された流動層11
内に吐出させて蒸発させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にε−カプロラ
クタムの製造原料等に使用されるシクロヘキサノンオキ
シムの蒸発方法に関し、より詳しくは逐次反応であるベ
ックマン転位反応において生成するε−カプロラクタム
の品質に大きな問題を与える望ましくない副生物の生成
を低減することができる、シクロヘキサノンオキシムの
蒸発方法とこれに使用する蒸発器、ならびにε−カプロ
ラクタムの製造方法とその製造装置に関する。
【従来の技術】
【0002】ε−カプロラクタムは,主に繊維やエンジ
ニアリングプラクチックスの製造に使用されるナイロン
―6の合成に用いられるモノマーである。しかし、ε−
カプロラクタムがシアノペンテン類、オクタヒドロフェ
ナジン、カプレノラクタムおよび重合生成物などの副生
物を比較的多く含有する場合には、上記製品の製造に使
用することができない。
【0003】シクロヘキサノンオキシムを出発原料とす
るε−カプロラクタムの製造には、液相ベックマン転位
反応と気相ベックマン転位反応の方法とが知られてい
る。気相ベックマン転位反応では、反応物を蒸発させる
必要があるため,蒸発工程が採用される。
【0004】ドイツ特許(DE―PS)第119531
8号には、不均一触媒によりシクロヘキサノンオキシム
を転位反応させる方法が記載されており、液体シクロヘ
キサノンオキシムを酸性触媒の流動層にて蒸発させてい
る。しかし,この方法では,シクロヘキサノンオキシム
の一部がクラッキング物、すなわち副生物に変換される
ことを回避できないため、当該クラッキング物を後処理
にて除去しなければならない。また、ドイツ特許(DE
―PS)第1195318号から、シクロヘキサノンオ
キシムを別工程において落下式薄膜蒸発器を用いて蒸発
させることも知られている。蒸発したシクロヘキサノン
オキシムは、ついで第2工程で転位反応に供される。
【0005】しかしながら、落下式薄膜蒸発器の使用は
副生物の生成を低減する上で十分ではない。一方、ドイ
ツ公開特許(DE―OS)第2641414号には、落
下式薄膜蒸発器を用いるシクロヘキサノンオキシムの蒸
発条件を改善することが記載されているが、多量のシク
ロヘキサノンオキシムを高温で循環させなければならな
いために副生物の生成が避けられず、また工業的規模で
蒸発条件を調整することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、副生
物の生成を可能な限り低減することができるシクロヘキ
サノンオキシムの蒸発方法とこれに使用する蒸発器、な
らびにε−カプロラクタムの製造方法とこれに使用する
製造装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明にかかるシクロヘキサノンオキシムの蒸発方法
は、シクロヘキサノンオキシムとこれを希釈する溶剤と
の混合物を、該混合物の蒸発に必要な熱を供給するのに
充分な熱容量を有する粒状の不活性物質を不活性ガスに
よって流動化させた流動層内に吐出させて蒸発させるこ
とを特徴とする。
【0008】ここで、不活性ガスとは、シクロヘキサノ
ンオキシムと実質的に反応せず且つ該シクロヘキサノン
オキシムを出発原料とする気相ベックマン転位反応に対
して不活性な物質である。このような不活性ガスとして
は、例えば窒素、アルゴン、メタノール、エタノールな
どがあげられ、中でも窒素あるいはメタノールを使用す
るのが好ましい。
【0009】上記本発明によれば、シクロヘキサノンオ
キシムは溶剤で希釈した混合物の形態で使用されるの
で、液の沸点が低下し、その結果,低い温度でシクロヘ
キサノンオキシムを蒸発させることができるため、副生
物の生成を低減することができる。
【0010】また、流動層内では、熱源から熱を受けて
充分に加熱された不活性物質が循環しているため、流動
層内に吐出された新しい混合物は常にこの充分に加熱さ
れた不活性物質の表面に接触して、すばやく蒸発する。
このため副生物の生成も低減することができる。つま
り、混合物の吐出口では、不活性物質は連続的に入れ替
わり、熱源によって再加熱される。このように不活性物
質の循環と再加熱とを円滑に行わせるうえで、前記流動
層は激しく流動するバブリングないしスラッギング状態
にあるのが好ましい。
【0011】さらに、本発明方法では、シクロヘキサノ
ンオキシムとこれを希釈する溶剤との混合物を、該混合
物の蒸発に必要な熱を供給するのに充分な熱容量を有す
る粒状の不活性物質を不活性ガスによって流動化させた
流動層内に吐出させて蒸発させる蒸発工程と、前記不活
性物質を300〜600℃で焼成して不活性物質に付着
した炭素質物質を除去する再生工程とを含む。
【0012】すなわち、蒸発工程を継続して実施する
と、不活性物質の表面に炭素質物質(タール状物)が付
着し、このためにシクロヘキサノンオキシムの気化時に
該オキシムが分解されたり、炭素質物質がオキシムの蒸
気に混入するなどの問題が生じるおそれがある。そこ
で、再生工程により不活性物質を焼成して再生させる。
蒸発工程と再生工程とは交互に行ってもよいが、不活性
物質を連続的あるいは断続的に両工程間を循環させるの
が生産効率を高めるうえから好ましい。
【0013】本発明の方法に使用するのに適した蒸発器
は、蒸発塔の内部に粒状の不活性物質からなる流動層が
形成されると共に、この流動層内にシクロヘキサノンオ
キシムとこれを希釈する溶剤との混合物を吐出するため
の導入管が該蒸発塔より流動層内に挿入され、さらに前
記蒸発塔の外部および/または内部に、前記混合物を蒸
発させるのに必要な熱を前記不活性物質に供給するため
の熱源を設けたことを特徴とする。前記導入管は、粒状
不活性物質の流動を妨げないように前記混合物を垂直に
導入するために、該蒸発塔の上部あるいは下部より流動
層内に挿入されるのが好ましい。
【0014】蒸発したシクロヘキサノンオキシムは、気
相ベックマン転位反応によりε−カプロラクタムの製造
に使用される。このため、本発明では、シクロヘキサノ
ンオキシムの蒸発と気相ベックマン転位反応とを組み合
わせた、ε−カプロラクタムの製造方法およびこれに使
用する製造装置をも提供する。
【0015】すなわち、本発明に係るε−カプロラクタ
ムの製造方法は、シクロヘキサノンオキシムとこれを希
釈する溶剤との混合物を、該混合物の蒸発に必要な熱を
供給するのに充分な熱容量を有する粒状の不活性物質を
不活性ガスによって流動化させた流動層内に吐出させて
蒸発させる蒸発工程と、蒸発したシクロヘキサノンオキ
シムを、触媒を用いる気相ベックマン転位反応によりε
−カプロラクタムに転位させる気相反応工程とを含むも
のである。
【0016】また、本発明のε−カプロラクタムの製造
装置は、シクロヘキサノンオキシムとこれを希釈する溶
剤との混合物を、粒状の不活性物質を不活性ガスによっ
て流動化させた流動層内に吐出させて蒸発させる蒸発部
と、この蒸発部にて蒸発したシクロヘキサノンオキシム
と蒸発した希釈溶剤と不活性ガスとを、触媒粒子を流動
化させた流動層内に導入し、前記シクロヘキサノンオキ
シムをε−カプロラクタムに転位させる気相ベックマン
転位反応を行わせる気相反応部とが1つの塔の下部と上
部とにそれぞれ設けられることを特徴とする。
【0017】この製造装置によれば、蒸発部で蒸発した
シクロヘキサノンオキシムは希釈溶剤や不活性ガスと共
に塔内を上昇し、気相反応部に入り、触媒粒子の流動層
内でε−カプロラクタムに転位する。前記蒸発部と気相
反応部とは、上下に分離した状態で塔内に収容されるほ
か、積層状態で塔内に収容されていてもよい。積層状態
を形成するには、例えば不活性物質と触媒粒子との密度
差あるいは粒径差を利用する。すなわち、粒状の不活性
物質の密度および/または粒径を触媒粒子の密度および
/または粒径よりも大きくすると、流動状態では密度お
よび/または粒径の大きい不活性物質が触媒粒子よりも
下になって、それぞれ下層と上層とに分離するという性
質に基づいて積層状態が形成される。
【0018】さらに、本発明の他の製造装置では、シク
ロヘキサノンオキシムとこれを希釈する溶剤との混合物
を、粒状の不活性物質を不活性ガスによって流動化させ
た流動層内に吐出させて蒸発させる蒸発器と、蒸発した
シクロヘキサノンオキシムと蒸発した希釈溶剤と不活性
ガスとを搬送する配管で前記蒸発器と接続され、内部に
触媒粒子の流動層を有しこの流動層にて前記シクロヘキ
サノンオキシムをε−カプロラクタムに転位させる気相
ベックマン転位反応を行わせる気相反応器とを備える。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1を参照
して説明する。図1は、この実施形態にかかる蒸発塔の
断面図である。同図に示す蒸発塔はミニプラント用に作
製されたものである。この蒸発塔は3つの部材1,2,
3からなり、それらのフランジ同士をシーリング材4,
5を介してネジまたはボルトで締結することにより一体
に接続されている。シーリング材4,5としては、例え
ば四フッ化エチレン樹脂などが挙げられる。
【0020】最下部の部材3は不活性ガスを導入するた
めのガス・ディストリビュターであって、部材2で示さ
れる中央部の流動層容器に対してドーム状でなく平坦で
ある。これは流動層11内でバブルを形成しやすくする
ためであり、流動する不活性物質(不活性担体、ここで
はガラス球を使用)を混合する作用を有する。ガスの導
入速度は,ガラス球からなる流動層の均一な流動に影響
する。
【0021】充分に加熱されたガラス球の表面に液体シ
クロヘキサノンオキシムおよび溶剤が接触することによ
って蒸発が行われる。ガラス球の混合が緩慢であると、
導入管6(細管)の吐出口7近傍のガラス球は蒸発によ
る連続的なエネルギーロスにより冷却されてしまう。従
って、ガス流量は不活性物質(ガラス球)が適切な速度
で流動するように選択されなければならない。一般に
は、ガス流量は、流動化開始速度(superficial fluid
velocity at minimum fluidizing conditions)より大
きく終末速度(terminal velocity of a falling partic
le)より小さい範囲が選ばれる。
【0022】流動層11はバブリングまたはスラッギン
グ状態であるのが好ましく,これによってガラス球は連
続的に入れ替わり、蒸発器の外部熱源および/または内
部熱源によって再加熱される。その結果、流動層11内
では、流動層11内に吐出された新しい混合物は常に、
充分に加熱されたガラス球の表面に広がるため、すばや
く蒸発し、このため副生物の生成も低減することができ
る。流動層11内のガラス球の運動を図2に矢印で概略
的に示す。
【0023】外部熱源としては、例えば蒸発器の外周面
に付設され内部に熱媒体を通すヒート・ジャケットなど
が挙げられる。内部熱源としては、例えば流動層11内
に挿入された熱交換パイプなどが挙げられる。
【0024】蒸発器中央の部材2はスチールパイプなど
からなり、上端の径は広げられている。部材2の上端お
よび下端には、ガラス球が層から離脱するのを防止する
ためにメッシュ8,9(または通気性の多孔板)が取り
付けられる。上部の部材1は、塊状のシリンダーを切削
加工して円錐形に形成されている。これは、蒸発器上部
の面積を小さくしてガス流が凝縮するのを防止するため
である。ガス流の凝縮を防止するために、上部の部材1
は外部から加熱され、部材1を構成する塊状の金属材は
熱容量の高いものを使用するのが望ましい。
【0025】蒸発器内には上部の蒸発口10から2本の細
い導入管6,6が挿入されている。シクロヘキサノンオ
キシムと溶剤との混合物は、この2本の導入管6,6を
通って流動層11内に直接吐出される。混合物の吐出は
ポンプなどによって行われる。混合物は導入管6,6下
端の吐出口7,7に移送される間に流動層11によって
予熱される。
【0026】前記溶剤としては、シクロヘキサノンオキ
シムを溶解し希釈できるものであれば使用可能であり、
例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ターシ
ャリーブタノール、1−ヘキサノ−ル、1−オクタノー
ル等から選ばれる炭素数1〜8の飽和アルコール、ベン
ゼン、トルエンなどが挙げられ、中でもメタノールある
いはエタノールが好ましい。また、シクロヘキサノンオ
キシムと溶剤との混合割合は重量比で1:0.5〜1:
10であるのがよい。
【0027】予熱温度は,使用するオキシムの沸点より
も低くなるように導入管6,6の長さによって調節され
る。予熱温度がオキシムの沸点よりも高くなると、オキ
シムが導入管内で気化するようになり、蒸発器の機能を
低下させる。予熱温度は,オキシムの沸点よりも少し低
い程度が好ましく、これにより加熱されたガラス球に接
触した混合物の液体を速やかに蒸発させることができ
る。
【0028】導入管6,6を使用するのは、前記した予
熱のほかに、流動層11内に直接吐出させるためであ
る。このようにすることによってオキシムは不活性物質
の表面で熱を受けて速やかに蒸発するのでオキシムの分
解が起こり難い。混合物の吐出量は、流動層の1m3当り
50kg〜1,000kg/時間であるのが適当である。
【0029】流動層11内に直接吐出された混合物は、
バブリング状態またはスラッギング状態にある流動層1
1内のガラス球の運動により、加熱された当該ガラス球
の表面に薄膜となって分布される。これらのガラス球
は、それらの表面にある薄膜に比較して多量の熱エネル
ギーを有しているため、該エネルギーが混合物の蒸発の
ために使用される。また、液体―固体間の熱伝導性は気
体―液体間のそれよりも高いため、多量のエネルギーを
薄膜の蒸散に効率よく利用できる。
【0030】窒素ガスなどの不活性ガスは蒸発器底部の
ガス導入管12より強制的に流動層11内に供給され,
流動層11内を上方に流れる。不活性ガスが流動層11
内を流れるに従って圧力が低下するが、この圧力低下が
流動層11内のガラス球の重量を支えるのに充分である
とき、流動層11はいわゆる初期流動の状態にある。ガ
ス圧力がさらに増加すると、流動層11はこれに対応し
て膨張する。このようにして形成された流動層11は液
体と類似の性質を有しており、例えば装置を傾斜させて
も流動層11の上面は水平であり、かつ表面に浮遊する
物体の運動を殆ど妨げることがない。
【0031】流動システムは多数の有用な特性を有して
おり、重要な特性は温度制御と熱伝導である。理想的な
流動システムでは、流動層内に温度勾配は存在しない。
この特性は、本発明において非常に重要である。
【0032】本発明における不活性物質としては、前記
したガラス球のほか、シリカ、炭化ケイ素、アルミナな
どが使用可能である。不活性物質はなるべくオキシムを
吸着しないことが有利であり、このため不活性物質の比
表面積は1m2/g以下であるのが望ましい。不活性物
質の粒径および密度は,流動層11の形成を容易なものに
するうえで重要である。不活性物質の粒径は約0.02〜1
mmであるのがよい。また、不活性物質の密度(嵩密度)
は0.8〜3g/mlであるのがよい。
【0033】蒸発操作を行う上で,流動層11はバブリ
ング状態にあるのが好ましい。このとき、ガラス球は蒸
発器の外周部で外部熱源および/または内部熱源(図示
していない)により加熱され、ついで流動層11の循環
により蒸発器の中心部に搬送され、蒸発に必要なエネル
ギーを放出する。循環は流動層11内を通過する不活性
ガスの流れによって引き起こされる。不活性ガスの気泡
は蒸発器の中心部においてのみ形成される。そして、不
活性ガスの気泡が流動層11内を上昇するとき、ガラス
球も上方に引き上げられる(図2を参照)。蒸発過程で
は、混合物である液体の相変化により追加ガスが生成さ
れる。この追加ガスはガス速度を速め、流動層11を膨
張状態からバブリング状態、あるいはバブリング状態か
らスラッギング状態へと変化させうる。
【0034】蒸発操作時の流動層11の温度は温度セン
サ13により監視される。流動層11の温度は約120
〜250℃、より好ましくは120〜180℃の範囲内
で所定温度に設定するのが好ましい。温度のばらつきを
小さくするうえで、混合物および不活性ガスは予熱され
るのが好ましい。不活性ガスの予熱は、流動層11の高
さ方向に沿って温度勾配ができるのを防止し、流動層1
1のより正確な温度管理を可能とする。
【0035】流動層をバブリング状態またはスラッギン
グ状態にするには,構造や流動層の高さなどが異なる蒸
発器ごとに調整されなければならない。例えば、不活性
ガスの供給量を種々変えることにより、あるいは流動さ
せる不活性物質の粒径あるいは密度を変えることにより
バブリング状態またはスラッギング状態を調整すること
ができる。工業的には流動層はバブリング状態であるの
が好ましい。
【0036】一方、前記流動層を用いてシクロヘキサノ
ンオキシムの蒸発を長期間継続して行うと、不活性物質
の表面に炭素質物質(タール状)が付着し、シクロヘキ
サノンオキシムの気化時に該オキシムが分解されたり、
炭素質物質がオキシムの蒸気に混入するなどの問題が生
じるおそれがある。そこで、不活性物質が付着した不活
性物質を300〜600℃で焼成して不活性物質から炭
素質物質を除去する。このような再生工程は、例えば、
所定時間の蒸発操作を行った後、蒸発操作を停止し、蒸
発塔より不活性物質を取り出し、焼成して再生させる方
法を採用してもよいが、蒸発工程と再生工程との間で不
活性物質を連続的あるいは断続的に循環させるのが生産
効率を高めるうえから好ましい。
【0037】具体的には、蒸発塔と再生塔との間で不活
性物質を循環させる。再生塔では、塔内に空気を送って
流動状態を保ちながら不活性物質を再生する。流動層に
代えて、焼成炉(例えばロータリーキルンなど)を用いて
もよい。
【0038】次に、シクロヘキサノンオキシムの蒸発と
気相ベックマン転位反応とを組み合わせてε−カプロラ
クタムを製造する本発明の実施形態を図3および図4に
基づいて説明する。図3および図4はそれぞれ異なる実
施形態の製造装置を示している。
【0039】図3に示す製造装置は、シクロヘキサノン
オキシムの蒸発部15と、蒸発したシクロヘキサノンオ
キシムを気相ベックマン転位反応によりε−カプロラク
タムに転位させる気相反応部16とを1つの塔内に備え
たものである。蒸発部15および気相反応部16は、塔
の下部および上部にそれぞれ分離して設けられる。これ
により、蒸発部15で蒸発したシクロヘキサノンオキシ
ムはそのまま気相反応部16に送られる。蒸発部15と
気相反応部16との分離が不充分であると、シクロヘキ
サノンオキシムの液滴が気相反応部16内の転位触媒に
接触して該オキシムの選択率を低下させるおそれがあ
る。
【0040】蒸発部15の内部には、前記と同様に粒状
の不活性物質が充填されており、底部からガス分散器1
7を経て導入される不活性ガスによって流動層18が形
成される。不活性物質としては、前記と同様にガラス球
等の、比表面積が小さく、密度が大きく、かつ熱容量の
大きいものが使用される。不活性ガスは導入前にあらか
じめ前記オキシムの蒸発温度近くまで予熱されているの
が好ましい。
【0041】流動層18には、加熱のための熱交換パイ
プ19,19(内部熱源)が挿入されている。熱交換パイ
プ19,19には高温の熱媒体を通して流動層18内の
不活性物質やガスに前記オキシムの気化に必要な熱を供
給する。高温の熱媒体としては、例えば水蒸気が適して
いる。また、熱交換パイプ19,19に代えて、または
熱交換パイプ19,19と共に、外部熱源を使用しても
よい。外部熱源としては、例えば蒸発部15の外周面に
ヒートジャケットを付設し、これに高温の熱媒体を通
す。
【0042】気相反応部16は底部にガス分散器20が
設けられており、蒸発部15で気化したシクロヘキサノ
ンオキシムおよび希釈溶剤が不活性ガスと共にこのガス
分散器20を通って気相反応部16に供給され、気相反
応部16内の触媒粒子と接触してε−カプロラクタムに
転位する。触媒粒子は不活性ガスおよび上記気化ガスに
よって流動する流動層22を形成する。反応生成はサイ
クロン23を経て気相反応部16から排出される。
【0043】触媒粒子としては結晶性ゼオライト触媒が
好適に使用可能であり、これには結晶性アルミノシリケ
ートや結晶性メタロシリケート等が包含される。結晶性
メタロシリケートとしては、例えばSi/M原子比(こ
こにMはB,Al,Ga,Fe,TiおよびZrからな
る群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を示す)が
通常5以上、好ましくは50以上のものが挙げられる。
Si/M原子比は、原子吸光分析、蛍光X線分析等によ
り測定することができる。
【0044】実質的にゼオライト骨格を構成する金属成
分がSiのみからなる所謂高シリカゼオライトあるいは
金属成分としてBを含有するMFIゼオライトは特に好
ましい結晶性ゼオライトの一つである。固体触媒は粒径
が0.02〜1mm、好ましくは0.02〜0.5mm
のものが挙げられる。
【0045】気相反応部16では、シクロヘキサノンオ
キシムをε−カプロラクタムに転位させる気相ベックマ
ン転位反応が行われる。反応は、蒸発部15から送られ
る不活性ガスおよび気化ガスによって固体触媒を流動さ
せる流動層式の気相接触反応である。反応温度は、通常
250〜500℃程度がよく、250℃未満では反応速
度が充分でなく、かつε−カプロラクタムの選択率も低
下する傾向がある。一方、温度が500℃を超えると、
シクロヘキサノンオキシムの熱分解が無視できなくな
り、またε−カプロラクタムの選択率が低下する傾向が
ある。特に好ましい温度範囲は約300〜400℃であ
る。また、反応圧力は特に限定されるものではないが、
減圧下であるのが好ましく、通常約5kPa〜0.2M
Pa、より好ましくは約5kPa〜0.1MPaであ
る。
【0046】反応温度の制御は、気相反応部16の内部
に設置した熱交換パイプ21および/または外部に設置
した熱交換用ヒートジャケット(図示せず)によって行わ
れる。この場合、気相ベックマン転位反応は発熱反応で
あるために、これらの熱交換器は除熱用として使用され
る。そして、気相反応部16で除熱された熱は、熱媒体
を用いて蒸発部15で放熱させるのが好ましい。
【0047】原料シクロヘキサノンオキシムの空間速度
は、通常WHSV=約0.1〜20h-1(すなわち、触
媒1g当たりシクロヘキサノンオキシムの供給速度が約
0.1〜20g/時間)、好ましくは約0.2〜10h
-1の範囲から選ばれる。また、シクロヘキサノンオキシ
ムの転位反応に際して、反応系にシクロヘキサノンオキ
シムと共に低級アルコールなどの希釈溶剤が共存する
が、希釈溶剤の使用によりε−カプロラクタムの選択率
および触媒寿命が改善されうる。
【0048】図3では、シクロヘキサノンオキシムの液
滴が触媒に触れるのを防止するために気相反応部16を
蒸発部15よりも上方に設けているが、気相反応部16
と蒸発部15とを分離できる限り、いかなる形態で分離
されていてもよい。例えば、密度の高い粒子と密度の低
い粒子とを混合し流動させると、密度の高い粒子は下部
に集まり、密度の低い粒子は上部に集まるという性質を
利用して、蒸発部15に使用される不活性物質粒子の密
度を、気相反応部16に使用される触媒粒子のそれより
も大きくして、両者を混合し流動させると、気相反応部
16と蒸発部15とを上下に分離することができる。
【0049】すなわち、触媒粒子の密度を0.5〜0.
7kg/Lとし、不活性物質の密度を1〜3kg/Lと
すると、両者を上下に分離することができる。ここで、
密度とは嵩密度をいい、100mLの容器に充填したと
きの粉体の重量から算出される。また、粒径の大きい粒
子と粒径の小さい粒子とを混合し流動させると、粒径の
大きい粒子は下部に集まり、粒径の小さい粒子は上部に
集まるという性質を利用して、蒸発部15に使用される
不活性物質の粒径を、気相反応部16に使用される触媒
粒子のそれよりも大きくして、両者を混合し流動させて
も、気相反応部16と蒸発部15とを上下に分離するこ
とができる。密度差あるいは粒径差だけでは分離が不充
分な場合には、蒸発部15に使用される不活性物質の密
度および粒径の両方を触媒粒子のそれよりも大きくすれ
ばよい。
【0050】一方、この実施形態における蒸発部15に
おいても、流動層18はバブリング状態ないしスラッギ
ング状態であるので、流動層18内の粒子の運動が激し
く、従ってガスに伴われて粒子が上昇し、気相反応部1
6に到達するおそれがある。蒸発用の不活性物質の粒子
が気相反応部16に入ると、シクロヘキサノンオキシム
またはε−カプロラクタムが好ましくない反応を起こす
おそれがあるので、このような状況は極力避けなければ
ならない。このため、この実施形態では、気相反応部1
6の塔径を蒸発部15のそれよりも大きくして、ガスが
上昇する線速度を低下させ、これによって蒸発用の不活
性物質の粒子が気相反応部16に入るのを防止してい
る。
【0051】特に、気相反応部16では、触媒粒子の流
動層22がバブリングやスラッギングを起こさないよう
に、触媒粒子は流動しやすい良好な流動状態を得る必要
があるので、上記のように塔径を大きくすることはバブ
リングやスラッギングの起こらない良好な流動状態を得
るために好都合である。
【0052】また、蒸発部15における不活性物質及び
気相反応部16の触媒粒子の表面には、時間の経過とと
もに次第に炭素質物質が付着するので、これらを塔内か
ら連続的または断続的に排出し、不活性ガスあるいは酸
素含有ガスの雰囲気下で焼成することによって炭素質物
質を除去して繰り返し使用することが出来るようにな
る。
【0053】次に、図4に示すε−カプロラクタムの製
造装置を説明する。この製造装置は、蒸発器24と気相
ベックマン転位反応を行わせる反応器25とが配管26
で接続されたものである。
【0054】蒸発器24には、前記と同様に、底部から
ガス分散器33を通って不活性ガスが導入され、内部に
不活性物質の流動層27が形成される。この流動層18
の下部からシクロヘキサノンオキシムおよび希釈溶剤が
供給される。不活性ガス、前記オキシムおよび希釈溶剤
はあらかじめ前記オキシムの蒸発温度近くまで予熱され
ている。流動層27は前記と同様にバブリングないしス
ラッギング状態にあるのが好ましい。
【0055】蒸発器24の内部には、加熱用の熱交換パ
イプ28が設けられる。蒸発器24内で気化したシクロ
ヘキサノンオキシムおよび希釈溶剤は不活性ガスと共に
サイクロン29から配管26を経て反応器25に送られ
底部から反応器25内に導入される。底部にはガス分散
器34が設けられる。反応器25では、触媒粒子の流動
層30が形成されており、さらに除熱用の熱交換パイプ
31が流動層30内に設けられている。流動層30で
は、気相ベックマン転位反応によりシクロヘキサノンオ
キシムがε−カプロラクタムに転位される。得られた反
応生成物はサイクロン32を経て排出される。
【0056】この実施態様においても、加熱用の熱交換
パイプ28と除熱用の熱交換パイプ31とは接続され、
熱媒体により反応器25で発熱反応にて発生した熱を蒸
発部24に搬送し蒸発のために利用している。その他は
図3に示す装置と同じである。本発明にかかるオキシム
の蒸発器やε−カプロラクタムの製造装置は図1,3お
よび4に示されるものに限定されるものではなく、種々
の変更や改良が可能である。
【0057】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明の方法を詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるも
のではない。
【0058】実施例1 図1に示すような蒸発器をミニプラント規模で作製し
た。中央部の部材2は外径20mm、内径16mm、長
さ120mmのスチールパイプを使用した。このスチー
ルパイプの上部は外径30mm、内径26mmに拡大さ
れている。部材2内には、平均粒径が500〜700μ
m、充填密度2.4〜2.6g/mlのガラス球50g
が充填されている。2本の導入管6,6(毛細管)は部
材2上端から11cmの深さまで挿入した。シクロヘキ
サノンオキシムとエタノールとを1:9(重量比)で混
合した混合物を導入管6,6を通して流動層11内に吐
出させた。また、不活性ガス(窒素ガス)は120〜1
80℃に予熱して蒸発器内に供給した。主な蒸発条件は
以下の通りである。 (1)流動層11内の温度:120〜180℃ (2)混合物の流量:10〜45g/時間 (3)不活性ガスの流量:45〜130L/時間 これら(1) 〜(3)の各パラメータを変化させて、シクロ
ヘキサノンオキシムから5―シアノペンタ―1―エンな
どの副生物が生成される変換率を調べた。その結果を図
5 〜図8に示す。各図において、グラフ内の数字は変
換率を示している(以下同じ)。これらの試験による平均
変換率は0.69%であった。シクロヘキサノンオキシ
ムの副生物への変換率は、蒸発の前後に混合物の組成を
ガスクロマトグラフィーで測定することによって求め
た。
【0059】実施例2 エタノールに代えてメタノールを使用した他は、実施例
1と同様にして流動層型蒸発器にてシクロヘキサノンオ
キシムを蒸発させた。その結果、オキシムの副生物への
平均変換率は0.78%であった。
【0060】比較例1 (パイプ蒸発器)外径20mm、内径16mm、長さ2
00mmのパイプの内部にガーゼを充填してパイプ蒸発
器を作製した。実施例で使用したのと同じ混合物をガー
ゼ上に散布し、形成された比較的大きな液滴にて蒸発さ
せた。この方法は信頼性に優れ、より大きな工業的な装
置に対応しうるものである。主な蒸発条件は以下の通り
である。 (1) パイプ内の温度:120〜180℃ (2)混合物の流量:10〜45g/時間 (3)不活性ガスの流量:20〜130L/時間 これら(1) 〜(3)の各パラメータを変化させて、シクロ
ヘキサノンオキシムの副生物への変換率を調べた。その
結果を図9〜図12に示す。これらの試験による平均変
換率は3.6%であった。
【0061】比較例2 (フラッシュ蒸発器)ミニプラント型のフラッシュ蒸発
器を用いた。フラッシュ蒸発器では、溶液はポンプで注
入され蒸気圧を超える圧力に加熱される。そして、溶液
がチョークを通過する際、圧力が高圧レベルから大気圧
まで降下することにより溶液の一部を瞬間的に蒸発させ
る。加熱温度は過去の実験結果から160℃を最高値と
した。主な蒸発条件は以下の通りである。 (1) パイプ内の温度:120〜160℃ (2)混合物の流量:10〜45g/時間 (3)不活性ガスの流量:15〜130L/時間 これら(1) 〜(3)の各パラメータを変化させて、シクロ
ヘキサノンオキシムの副生物への変換率を調べた。その
結果を図13 〜図15に示す。これらの試験による平
均変換率は2.75%であった。以上のように、フラッ
シュ蒸発器を使用することにより、平均変換率はパイプ
蒸発器の3.6%から2.75%に低下した。また、流
動層蒸発器を使用する場合には、平均変換率は0.69
%まで低下した。これらの結果は、流動層蒸発器が、均
一な内部温度分布とガラス球の有する大きな表面積とに
より、副反応を殆ど起こさせることなく混合物を蒸発さ
せていることを示している。すなわち、加熱されたガラ
ス球は運動が一定しているので、必要な蒸発エネルギー
が浪費されることになるクールスポットの発生が防止さ
れ、大きな表面上に混合物の薄膜が形成されることによ
り、速やかな蒸発が可能となる。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、シクロヘキサノンオキ
シムの蒸発時に副生物が生成するのを低減することがで
きる。このような副生物の低減は、シクロヘキサノンオ
キシムからε−カプロラクタムを製造するベックマン転
位反応における原料の使用量削減と副生物を除去するた
めの後処理の軽減に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる流動層蒸発器を示す概略断面図
である。
【図2】流動層内のガラス球の運動を示す模式図であ
る。
【図3】本発明にかかるε−カプロラクタムの製造装置
を示す概略断面図である。
【図4】本発明にかかるε−カプロラクタムの他の製造
装置を示す概略断面図である。
【図5】実施例の流動層蒸発器において、温度120℃
で混合物の流量と不活性ガスの流量とがシクロヘキサノ
ンオキシムの副生物への変換率に及ぼす影響を調べたグ
ラフである。
【図6】実施例の流動層蒸発器において、温度140℃
で混合物の流量と不活性ガスの流量とがシクロヘキサノ
ンオキシムの副生物への変換率に及ぼす影響を調べたグ
ラフである。
【図7】実施例の流動層蒸発器において、温度160℃
で混合物の流量と不活性ガスの流量とがシクロヘキサノ
ンオキシムの副生物への変換率に及ぼす影響を調べたグ
ラフである。
【図8】実施例の流動層蒸発器において、温度180℃
で混合物の流量と不活性ガスの流量とがシクロヘキサノ
ンオキシムの副生物への変換率に及ぼす影響を調べたグ
ラフである。
【図9】比較例1のパイプ蒸発器において、温度120
℃で混合物の流量と不活性ガスの流量とがシクロヘキサ
ノンオキシムの副生物への変換率に及ぼす影響を調べた
グラフである。
【図10】比較例1のパイプ蒸発器において、温度14
0℃で混合物の流量と不活性ガスの流量とがシクロヘキ
サノンオキシムの副生物への変換率に及ぼす影響を調べ
たグラフである。
【図11】比較例1のパイプ蒸発器において、温度16
0℃で混合物の流量と不活性ガスの流量とがシクロヘキ
サノンオキシムの副生物への変換率に及ぼす影響を調べ
たグラフである。
【図12】比較例1のパイプ蒸発器において、温度18
0℃で混合物の流量と不活性ガスの流量とがシクロヘキ
サノンオキシムの副生物への変換率に及ぼす影響を調べ
たグラフである。
【図13】比較例2のフラッシュ蒸発器において、温度
120℃で混合物の流量と不活性ガスの流量とがシクロ
ヘキサノンオキシムの副生物への変換率に及ぼす影響を
調べたグラフである。
【図14】比較例2のフラッシュ蒸発器において、温度
140℃で混合物の流量と不活性ガスの流量とがシクロ
ヘキサノンオキシムの副生物への変換率に及ぼす影響を
調べたグラフである。
【図15】比較例2のフラッシュ蒸発器において、温度
160℃で混合物の流量と不活性ガスの流量とがシクロ
ヘキサノンオキシムの副生物への変換率に及ぼす影響を
調べたグラフである。
【符号の説明】
1 部材 2 部材 3 部材 6 導入管 7 吐出口 11 流動層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 223/10 C07D 223/10 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 アンドレ スブレスニー ドイツ連邦共和国 グロッセ ブッシュ 17 59348 ロイディングハオゼン (72)発明者 市橋 宏 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4C034 DE03 4D076 AA07 AA16 AA22 BA24 BA50 CB02 DA03 DA10 DA18 EA02Z EA10Z EA11Z EA12Z EA16Z EA20Z FA03 FA04 FA12 FA25 FA37 GA10 JA03 4H006 AA02 AD11 BB14 BB61 BD82 BW18 BW30 4H039 CA42 CH40

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロヘキサノンオキシムとこれを希釈す
    る溶剤との混合物を、該混合物の蒸発に必要な熱を供給
    するのに充分な熱容量を有する粒状の不活性物質を不活
    性ガスによって流動化させた流動層内に吐出させて蒸発
    させることを特徴とするシクロヘキサノンオキシムの蒸
    発方法。
  2. 【請求項2】前記不活性ガスが、前記シクロヘキサノン
    オキシムと実質的に反応せず且つ該シクロヘキサノンオ
    キシムを出発原料とする気相ベックマン転位反応に対し
    て不活性な物質である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記流動層がバブリングまたはスラッギン
    グ状態にある請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】前記混合物および不活性ガスは、流動層内
    への供給に先だって、予熱される請求項1〜3のいずれ
    かに記載の方法。
  5. 【請求項5】シクロヘキサノンオキシムを希釈する溶媒
    が、炭素数1〜8の飽和アルコールである請求項1〜4
    のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】シクロヘキサノンオキシムとこれを希釈す
    る溶剤との混合物を、該混合物の蒸発に必要な熱を供給
    するのに充分な熱容量を有する粒状の不活性物質を不活
    性ガスによって流動化させた流動層内に吐出させて蒸発
    させる蒸発工程と、前記不活性物質を300〜600℃
    で焼成して不活性物質に付着した炭素質物質を除去する
    再生工程とを含むシクロヘキサノンオキシムの蒸発方
    法。
  7. 【請求項7】前記不活性物質を連続的あるいは断続的に
    蒸発工程と再生工程との間を循環させる請求項6記載の
    蒸発方法。
  8. 【請求項8】蒸発塔の内部に粒状の不活性物質からなる
    流動層が形成されると共に、この流動層内にシクロヘキ
    サノンオキシムとこれを希釈する溶剤との混合物を吐出
    するための導入管が該蒸発塔より流動層内に挿入され、
    さらに前記蒸発塔の外部および/または内部に、前記混
    合物を蒸発させるのに必要な熱を前記不活性物質に供給
    するための熱源を設けたことを特徴とするシクロヘキサ
    ノンオキシムの蒸発器。
  9. 【請求項9】前記導入管は、前記混合物を微細な液滴と
    して流動層内に噴霧する吐出口を有する請求項8記載の
    蒸発器。
  10. 【請求項10】シクロヘキサノンオキシムとこれを希釈
    する溶剤との混合物を、該混合物の蒸発に必要な熱を供
    給するのに充分な熱容量を有する粒状の不活性物質を不
    活性ガスによって流動化させた流動層内に吐出させて蒸
    発させる蒸発工程と、 蒸発したシクロヘキサノンオキシムを、触媒を用いる気
    相ベックマン転位反応によりε−カプロラクタムに転位
    させる気相反応工程とを含むε−カプロラクタムの製造
    方法。
  11. 【請求項11】前記気相ベックマン転位反応が、蒸発し
    た前記シクロヘキサノンオキシムと蒸発した希釈溶剤と
    不活性ガスとによって触媒粒子を流動化させた流動層内
    で行われる請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】前記不活性物質を焼成して不活性物質に
    付着した炭素質物質を除去する不活性物質再生工程と、
    前記触媒粒子を焼成して触媒粒子に付着した炭素質物質
    を除去する触媒粒子再生工程とを含む請求項10または
    11記載の方法。
  13. 【請求項13】シクロヘキサノンオキシムとこれを希釈
    する溶剤との混合物を、粒状の不活性物質を不活性ガス
    によって流動化させた流動層内に吐出させて蒸発させる
    蒸発部と、 この蒸発部にて蒸発したシクロヘキサノンオキシムと蒸
    発した希釈溶剤と不活性ガスとを、触媒粒子を流動化さ
    せた流動層内に導入し、前記シクロヘキサノンオキシム
    をε−カプロラクタムに転位させる気相ベックマン転位
    反応を行わせる気相反応部とを備え、 前記蒸発部と気相反応部とが1つの塔の下部と上部とに
    それぞれ設けられたε−カプロラクタムの製造装置。
  14. 【請求項14】前記蒸発部と気相反応部とが塔の下部と
    上部とにそれぞれ分離して設けられた請求項13記載の
    製造装置。
  15. 【請求項15】粒状不活性物質の流動層からなる蒸発部
    と、触媒粒子の流動層からなる気相反応部とが積層状態
    で塔内に収容されている請求項13記載の製造装置。
  16. 【請求項16】前記粒状不活性物質は、前記触媒粒子よ
    りも密度および/または粒径が大きい請求項15記載の
    製造装置。
  17. 【請求項17】シクロヘキサノンオキシムとこれを希釈
    する溶剤との混合物を、粒状の不活性物質を不活性ガス
    によって流動化させた流動層内に吐出させて蒸発させる
    蒸発器と、 蒸発したシクロヘキサノンオキシムと蒸発した希釈溶剤
    と不活性ガスとを搬送する配管を介して前記蒸発器と接
    続され、内部に触媒粒子の流動層を有し、この流動層に
    て前記シクロヘキサノンオキシムをε−カプロラクタム
    に転位させる気相ベックマン転位反応を行わせる気相反
    応器とを備えたε−カプロラクタムの製造装置。
  18. 【請求項18】前記蒸発器に加熱用熱交換器を、気相反
    応器に除熱用熱交換器をそれぞれ設け、除熱用熱交換器
    で除熱した熱を熱媒体にて加熱用熱交換器に送って放熱
    させる請求項17記載の製造装置。
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