JP6427225B1 - 流動層反応装置及びα,β−不飽和ニトリルの製造方法 - Google Patents

流動層反応装置及びα,β−不飽和ニトリルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流動層反応において、触媒と原料との接触効率を高め、かつ、触媒飛散が低減し、かつ、空時収率を高められる、流動層反応装置及びα,β−不飽和ニトリルの製造方法を提供する。【解決手段】触媒が流動可能に収納されている内部空間を有し、かつ、反応ガスから熱を除去するための冷却コイルと、反応ガスから前記触媒を分離回収するためのサイクロンと、を前記内部空間に有する反応器を備え、前記内部空間の最下点の高さを基準として前記サイクロンの入口部下端の平均高さをhとし、高さhにおける前記反応器の内径を上部内径D1とし、h/2〜h/4の高さh'における前記反応器の平均内径を下部内径D2としたとき、D1/D2が1.000超1.310以下であり、前記高さhにおける有効断面積を上部有効断面積A1とし、前記高さh'における平均有効断面積を下部有効断面積A2としたとき、A1/A2が1.18超1.88以下である、流動層反応装置。【選択図】図1

Description

本発明は、流動層反応装置及びα,β−不飽和ニトリルの製造方法に関する。
流動層反応器を用いたアンモオキシデーションは、古くから工業的に実施されている。α,β−不飽和ニトリルの反応収率の向上を目的として、触媒の開発及び反応器内部装置の改良として、例えば、原料ガス分散管や分散板の改良がなされている。鞭巌・森滋勝・堀尾正靭「流動層の反応工学」(倍風館(1984)発行)や、Fluidization Engineering(流動層工学);DAIZO KUNII・OCTAVE LEVENSPIEL(JOHNWILEY & SONS.INC,(1969)発行)には、ごく一般的な流動層反応技術について述べられている。
工業規模での装置においては、長期連続で生産運転を行うため、反応収率に影響を及ぼす触媒の活性低下及び触媒流出による触媒充填量の減少や触媒粒径分布の変化等が生じる。このため、連続運転中に、これら触媒活性・充填量・粒径分布などの調整が一般的に行われている。例えば、反応収率維持を目的として、流動層反応器の外へ飛散する触媒分の補填や、触媒中の活性成分の濃度低下防止のために、触媒を新たに追加したり、一部を抜き出して再生後、戻したり、あるいは触媒全量の交換を行っている。また、反応器外へ飛散する触媒については回収処理が要求される。
上述した操作の繁雑さや設備負担を解消するための技術として、特許文献1においては、流動層反応器を用いて流動反応を行う方法であって、流動層反応器中の粒状触媒の一部を抜き取り、この抜き取られた触媒を分級して得るファイン粒子径触媒を前記流動層反応器内に返還すると共に、未使用の粒状触媒を補充して粒状触媒全体に占めるファイン粒子径触媒量の割合を調整することを特徴とする流動反応方法及びその方法を実施するための装置が開示されている。
特開2005−193172号公報
特許文献1に記載の技術によれば、可及的に少量の未使用触媒を補給することで反応器内の触媒の流動性を改善し、これにより長期にわたりアクリロニトリルの生産効率を高く維持できるとされているが、触媒の飛散に伴い触媒の抜出と補充を行う操作自体は必要となる。すなわち、特許文献1に記載の技術は、触媒の飛散を防止のための根本的な解決手段とはならない。さらに、α,β−不飽和ニトリルの生産効率を高める観点からも、特許文献1に記載の技術には、未だ改善の余地がある。
本発明は、上記の従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、流動層反応中において、触媒と原料との接触効率が高く、かつ、触媒飛散が低減され、かつ、空時収率の高い、流動層反応装置及びα,β−不飽和ニトリルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、流動層反応装置の上部及び下部の構成を調整することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]
触媒が流動可能に収納されている内部空間を有し、かつ、反応ガスから熱を除去するための冷却コイルと、反応ガスから前記触媒を分離回収するためのサイクロンと、を前記内部空間に有する反応器を備え、
前記内部空間の最下点の高さを基準として前記サイクロンの入口部下端の平均高さをhとし、高さhにおける前記反応器の内径を上部内径D1とし、h/2〜h/4の高さh'における前記反応器の平均内径を下部内径D2としたとき、D1/D2が1.000超1.310以下であり、
前記高さhにおける有効断面積を上部有効断面積A1とし、前記高さh'における平均有効断面積を下部有効断面積A2としたとき、A1/A2が1.18超1.88以下である、流動層反応装置。
[2]
前記反応器が、前記内部空間に原料ガスを導入する複数の原料ガス分散器をさらに備え、
前記内部空間の最下点が、最も低い位置に配置された原料ガス分散器のノズル上面上の点である、[1]に記載の流動層反応装置。
[3]
前記下部内径D2が3m〜10mである、[1]又は[2]に記載の流動層反応装置。
[4]
前記下部有効断面積A2が6m2〜70m2である、[1]〜[3]のいずれかに記載の流動層反応装置。
[5]
前記サイクロンの入口部下端の平均高さhが10m〜25mである、[1]〜[4]のいずれかに記載の流動層反応装置。
[6]
前記反応器が、前記高さhからh'にかけての領域の少なくとも一部において、内径が漸減するように構成された部分を有し、
前記部分の内壁面と鉛直線とのなす角度Θが25°〜40°である、[1]〜[5]のいずれかに記載の流動層反応装置。
[7]
[1]〜[6]のいずれかに記載の流動層反応装置の内部空間に、プロピレン、プロパン、イソブチレン及び第三級ブチルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つの物質と、アンモニア及び酸素含有ガスとを導入し、前記触媒の存在下で反応させる工程を有し、
前記触媒が、モリブデンを含有する、α,β−不飽和ニトリルの製造方法。
[8]
前記サイクロンの入口部下端の平均高さhにおける、前記内部空間に存在する前記触媒の空間密度が24kg/m3以上73kg/m3以下である、[7]に記載のα,β−不飽和ニトリルの製造方法。
本発明によれば、流動層反応において、触媒と反応原料との接触効率を高め、かつ、触媒飛散が低減し、かつ、空時収率を高められる、流動層反応装置及びα,β−不飽和ニトリルの製造方法が提供される。
図1は、本実施形態の一態様に係る流動層反応装置を例示する概略断面図である。 図2は、実施例1で用いた流動層反応装置の概略断面図である。 図3は、実施例2で用いた流動層反応装置の概略断面図である。 図4は、実施例3で用いた流動層反応装置の概略断面図である。 図5は、比較例1〜2で用いた流動層反応装置の概略断面図である。 図6は、比較例3〜4で用いた流動層反応装置の概略断面図である。 図7は、比較例5〜6で用いた流動層反応装置の概略断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態の流動層反応装置は、触媒が流動可能に収納されている内部空間を有し、かつ、反応ガスから熱を除去するための冷却コイルと、反応ガスから前記触媒を分離回収するためのサイクロンと、を前記内部空間に有する反応器を備え、前記内部空間の最下点の高さを基準として前記サイクロンの入口部下端の平均高さをhとし、高さhにおける前記反応器の内径を上部内径D1とし、h/2〜h/4の高さh'における前記反応器の平均内径を下部内径D2としたとき、D1/D2が1.000超1.310以下であり、前記高さhにおける有効断面積を上部有効断面積A1とし、前記高さh'における平均有効断面積を下部有効断面積A2としたとき、A1/A2が1.18超1.88以下である。このように構成されているため、本実施形態の流動層反応装置は、流動層反応において、触媒と原料との接触効率を高め、かつ、触媒飛散が低減し、かつ、空時収率を高めることができる。
本実施形態の一態様に係る流動層反応装置を図1に例示する。
流動層反応装置1における反応器2は、流動層反応の反応系と外部とを分画する気相反応装置の本体部分に相当し、その形状としては特に限定されず種々公知の形状を適用することができる。
反応器2は、その内部空間において、例えば、
該反応器2の底部に接続され、反応系内に空気(酸素)を導入する空気(酸素)導入管3と、
該反応器2内部空間の下部に設けられ、原料である空気(酸素)を反応系内で分散させる空気(酸素)分散板4と、
後述する原料分散管6上部に接続され、空気(酸素)以外の原料を反応系内に導入する原料導入管5と、
該反応器2内部空間の下部に設けられ、反応熱を除熱して内部空間の温度(反応温度)を制御する冷却コイル7A、7B及び7Cと、
該反応器2内部空間の下部に設けられ、原料を反応系内で分散させる原料分散管6と、
該空気(酸素)分散板4上部に充填された流動層触媒から構成される触媒層(図示せず)と、
該反応器2内部空間の上部に配置されたサイクロン8A、8B及び8Cと、
該サイクロン8Aの入り口に相当するサイクロン入口9と、
該サイクロン8A、8B及び8Cに接続されたディプレッグ10A、10B及び10Cと、
を備える構成とすることができる。
図1において、線分X−X’と線分Y−Y’の距離として示されているhは、反応器2の内部空間の最下点の高さを基準として前記サイクロンの入口部下端の平均高さを示す。すなわち、図1では、線分Y−Y’で示される位置が内部空間の最下点の高さ(0m)に対応し、線分X−X’で示される位置がサイクロンの入口部下端の平均高さ(hm)に対応する。
サイクロンの入口部下端の「平均高さ」とは、サイクロンが複数系列ある場合には複数存在するサイクロン入口9の下端の高さを平均値として算出することを意味するものである。図1に例示する態様においては、サイクロンは3つが直列になった1系列のみであるため、線分Y−Y’の位置から反応器高さ方向のサイクロン入口9の位置をサイクロンの入口部下端の平均高さとする。
なお、図1に例示する態様においては、原料ガス分散器とは、空気(酸素)分散板4と原料分散管6の2つである。反応器2の内部空間の最下点は、最も低い位置に配置された原料ガス分散器のノズルまたは開口部(以下単に「ノズル」という。)上面、すなわち、空気(酸素)分散板4上の点である。このように、本実施形態においては、反応効率の観点から、反応器が、前記内部空間に原料ガスを導入する複数の原料ガス分散器をさらに備え、前記内部空間の最下点が、最も低い位置に配置された原料ガス分散器のノズル上面上の点であることが好ましい。この場合、触媒は当該原料ガス分散器のノズル上面よりも上部に存在することとなる。
本実施形態における内部空間の最下点は、上記に限定されず、例えば、原料ガス分散器のノズルよりも下部に位置するものであってもよい。
本実施形態において、サイクロンの入口部下端の平均高さhは、特に限定されないが、好ましくは10m〜25mであり、より好ましくは12m〜20mである。
本実施形態において、平均高さhにおける反応器2の内径を上部内径D1とし、h/2〜h/4の高さh'における反応器2の平均内径を下部内径D2としたとき、D1/D2が1.000超1.310以下である。図1に例示する態様においては、線分X−X’に対応する位置の内径が上部内径D1である。反応器2の下部内径D2は、h/2に対応する位置の内径とh/4に対応する位置の内径の平均値として求めることができる。
D1/D2が1.000以下である場合、触媒層のガス線速(LV)が大きくなり、流動性が良化するが、LV上昇によって反応器上部における触媒の空間密度が高くなり、サイクロンへの負荷が高くなり、触媒飛散が大きくなる。触媒飛散を防止する上ではLVを低減することが考えられる。ここで、反応器のLV調整は一般に反応器の圧力により調整できるが、LVを下げるためには圧力を上げることとなる。その結果、反応圧力が上昇することに伴う反応成績低下が生ずる傾向にある。
一方、D1/D2が1.000超であることにより、触媒層のLVを高く保った状態で、すなわち反応成績を犠牲にすることなく反応器上部における触媒の空間密度を低くすることができ、流動性改善と触媒飛散防止の両立が可能となる。
また、D1/D2が1.310を超える場合、空時収率が低下する傾向にあるため、スペース効率の向上(機器費の低減)の観点から、D1/D2を1.310以下とする。
上述した観点から、D1/D2は、1.030〜1.200が好ましく、より好ましくは1.050〜1.150である。
D1/D2は、例えば、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態において、上部内径D1は、特に限定されないが、好ましくは3.1m〜12.0mであり、より好ましくは5.3m〜11.5mである。また、下部内径D2は、特に限定されないが、好ましくは3m〜10mであり、より好ましくは5.0m〜10.0mである。
本実施形態において、平均高さhにおける有効断面積を上部有効断面積A1とし、高さh'における平均有効断面積を下部有効断面積A2としたとき、A1/A2が1.18超1.88以下である。
なお、有効断面積とは、流動層反応器における内挿物部分等を除いた、内容物(すなわち触媒)が実際に流動可能な断面積のことをいう。
すなわち、高さhからh'の範囲について上述した観点から、流動層反応器における触媒が実際に流動可能な領域を考慮し、A1/A2を1.18超1.88以下とする。同様の観点から、A1/A2は、1.25〜1.65が好ましく、より好ましくは1.35〜1.50である。
A1/A2は、例えば、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態において、上部有効断面積A1は、特に限定されないが、好ましくは7m2〜115m2であり、より好ましくは20m2〜98m2である。また、下部有効断面積A2は、特に限定されないが、好ましくは6m2〜70m2であり、より好ましくは15m2〜63m2である。
本実施形態において、触媒堆積を防止すると共に流動性をより向上させる観点から、反応器が、前記高さhからh'にかけての領域の少なくとも一部において、内径が漸減するように構成された部分(以下、接続部分ともいう)を有し、当該部分の内壁面と鉛直線とのなす角度Θが25°〜40°であることが好ましい。同様の観点から、角度Θは、25°〜30°であることがより好ましい。
本実施形態において、上述した接続部分の下部に反応器下部が存在し、接続部分の上部に反応器上部が存在する。反応器下部及び反応器上部は、それぞれ、内径が略一定である領域A及びBを有することが好ましい。略一定とは、当該領域における最下部から最上部までの内径の変化率が1%以下であることをいう。
ここで、上記接続部分は、内部空間の最下点の高さを基準(0m)とし、5〜15mの間に位置することが好ましく、より好ましくは、8〜12mの間に位置する。
本実施形態に係るα,β−不飽和ニトリルの製造方法は、本実施形態の流動層反応装置を用いるものであり、当該流動層反応装置の内部空間に、プロピレン、プロパン、イソブチレン及び第三級ブチルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つの物質と、アンモニア及び酸素含有ガスとを導入し、前記触媒の存在下で反応させる工程を有し、前記触媒が、モリブデンを含有することが好ましい。
すなわち、本実施形態における流動層反応は、プロピレン、プロパン、イソブチレン及び第三級ブチルアルコールから選ばれる少なくとも1つの物質(以下、炭化水素または第3級アルコールともいう)と、アンモニア及び酸素含有ガスを、共に気相で反応器下部に供給し、対応するα,β−不飽和ニトリルを製造するものである。
流動層反応は、具体的には、触媒層を含む流動層反応器に原料ガスを供給し、触媒層を流動させる工程と、原料ガスを触媒層に通過させて反応生成ガスを得る工程と、生成ガスを触媒層から排出してサイクロンに導入したのち、反応生成ガスを流動層反応器から排出する工程と、反応生成ガスがサイクロンに導入される際に同伴される触媒を回収して、当該触媒をディプレッグより触媒層へ戻す工程と、を含むものとすることができる。
反応器に供給する酸素含有ガスとしては、特に限定されないが、例えば、空気、酸素を含有する不活性ガスなどが挙げられ、一般には空気が用いられる。酸素含有ガスの供給量は、炭化水素または第3級アルコールに対して、好ましくは5〜15モル比、更に好ましくは、7〜14モル比である。アンモニアの供給量は、炭化水素または第3級アルコールに対して、好ましくは0.5〜2モル比、更に好ましくは1〜1.5モル比の範囲で用いうる。
触媒層中の温度は、好ましくは300〜600℃、更に好ましくは400〜500℃、圧力は、好ましくは3Kg/cm2−G以下、更に好ましくは0.2〜1.5Kg/cm2−Gの条件で行われる。流動層触媒に関しては、清宮豊他「アクリロニトリル」(化学工学,vol.48,11号,873−881頁(1984))や、特開昭51−40391号公報等、多くの文献や特許に述べられているモリブデンを含有する担持触媒を使用することができ、例えば、モリブデン−ビスマス−鉄系触媒が挙げられる。
本実施形態において流動層反応を行う間、反応器下部には触媒濃厚層が存在し、反応器上部には触媒希薄層が存在する。すなわち、反応器内で流動層触媒が流動状態となったとき、上方ほど触媒の空間密度は小さくなる傾向にある。国井大蔵「流動化法」(日刊工業新聞社(1962)発行)に述べられているように、ガス系においては、流動層高さは必ずしも液面のように確然と定められるものではなく、大小のあわだちによる突出があるので、あくまで近似的・平均的に特定されるものである。
本実施形態において、触媒濃厚層の上下限範囲は、反応器に取り付けた圧力ノズルから測定できる差圧を用いて、下式から計算される触媒層高さを上限とし、下限は空気(酸素)分散板の設置位置として特定できる。
触媒層高さLr=(b−h間差圧)/((b−c間差圧)/(b−c間距離))+(a−b間距離)
ここで、aは空気(酸素)分散板の設置高さ、bは空気(酸素)分散板と原料分散管の中間点の高さ、cはbの上方1mの高さ、hはサイクロン入口高さである。
反応器内部空間において、該触媒濃厚層よりも上部は、流体中の触媒密度が比較的小さく、触媒希薄層と呼ぶ。反応器内において、触媒希薄層域は、触媒濃厚層域より広い領域を有しているのが一般的である。反応生成ガスに同伴する触媒は、反応器上部に設置されているサイクロンに流入する。同伴された触媒のほとんどがそこで反応生成ガスから分離され、該サイクロンに取り付けられているディプレッグにより、反応器内部空間の下部に戻される。なお、触媒から分離された反応生成ガスは、図1において示していないが、サイクロン上部に取り付けられた導出管より反応器外に導出することができる。また、図1では、サイクロンは1系列(3つ)しか描かれていないが、サイクロンの数は、反応器の大きさ、触媒粒径及び反応生成ガス量によって決められ、通常、複数個設置される。また、サイクロンは2つ以上直列に設置されると、触媒の捕集効率が高まる傾向にある。
本実施形態において、反応効率の観点から、サイクロンの入口部下端の平均高さhにおける、流動層反応を行う間、前記内部空間に存在する前記触媒の空間密度(すなわち、単位体積当たりの空間に存在する触媒の質量)が24kg/m3以上73kg/m3以下であることが好ましく、より好ましくはより好ましくは30kg/m3〜60kg/m3である。
触媒の空間密度は、例えば、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
触媒濃厚層中では、大部分の供給原料ガスのアンモオキシデーション反応が進行し、反応熱が発生する。該触媒濃厚層は、触媒が高密度で存在しているため熱交換効率が良い。反応温度を制御する設備の負担を軽減するため、効率的に反応熱を除去して温度制御を行える触媒濃厚層中に、冷却コイルが内装される。該冷却コイルの伝熱面積の40%以上は、触媒濃厚層中に存在するように設置することが好ましい。反応温度の局部的な不均衡を低減させるため、冷却コイルは、大小さまざまな伝熱面積を有する複数のそれぞれ独立な系列群で構成することができる。
本実施形態における冷却コイルは、流動層反応器内に設置される種々公知の形式の間接熱交換器を適用することができ、その種類、大きさ及び形状は限定されない。冷却コイルに流通させる低温流体は、アンモオキシデーション反応温度以下、好ましくは100〜300℃の流体であり、例えば、温水、高圧温水、スチーム、前記の混合物または溶融塩が用いられる。
次に、本実施形態を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。ただし、本実施形態はその要旨を逸脱しない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
(平均高さh、上部内径D1、下部内径D2、上部有効断面積A1、及び下部有効断面積A2)
図2〜7に示される略円筒状の反応器について、下記のとおり、平均高さh、上部内径D1、下部内径D2、上部有効断面積A1、及び下部有効断面積A2を算出した。
反応器内部空間の最下点の高さを基準として、サイクロンの入口部下端の平均高さをhとし、高さhにおける前記反応器の内径を上部内径D1とし、h/2〜h/4の高さh'における前記反応器の平均内径を下部内径D2とした。なお、反応器の平均内径は、h/2に対応する位置の内径とh/4に対応する位置の内径の平均値として求めた。
上記h,h/2及びh/4の各高さにおいて、反応器の断面形状はいずれも円であったため、高さhにおける断面積はD1から算出し、また、高さh'における断面積はD2から算出した。
前記高さhにおける有効断面積を上部有効断面積A1とし、前記高さh'における平均有効断面積を下部有効断面積A2とし、以下に基づいて算出した。
A1=(D1/2)2 ×π − A1'
A1':高さhにおけるサイクロンまたはディップレッグの断面積合計+高さhにおける配管等(内部に触媒を有さない物体)の断面積合計
A2=(D2/2)2 ×π − A2'
A2':高さh'におけるサイクロンまたはディップレッグの断面積合計+高さh'における冷却コイル断面積合計+高さh'におけるその他配管等(サイクロン、ディップレッグ、冷却コイル以外の内装物であって、内部に触媒を有さない物体)の断面積合計
(ここで、高さh'における断面積は、高さh/2における断面積と高さh/4における断面積との平均値を意味するものとする。)
(触媒飛散量)
触媒飛散量は下記式で計算された触媒量の1時間あたりの減少量とした。
触媒量Wは以下の式であらわされる。
W=Dr×Lr×A2
Lrは触媒層高さであり、以下の式で表される。
Lr=(b−h間差圧)/((b−c間差圧)/(b−c間距離))+(a−b間距離)
(上記式において、aは空気(酸素)分散板の設置高さ、bは空気(酸素)分散板と原料分散管の中間点の高さ、cはbの上方1mの高さ、hはサイクロン入口高さである。)
Drは触媒層見かけ密度[kg/m3]であり、以下の式であらわされる。
Dr=(b−c間差圧)/(b−c間距離)
(上記式において、a、b及びcは前述と同義である。)
(生産量)
アクリロニトリル生産量は以下の式で求めた。
アクリロニトリル生産量(T/D)=プロピレン(Py)のフィード量(Nm3/h)*アクリロニトリル収率(mol%)/ 100 /22.4*53.06*24/1000
アクリロニトリル、未反応プロピレンの定量分析は、以下の装置及び条件でガスクロマトグラフィーにより行った。
ガスクロマトグラフィーは、装置として島津GC−17Aを用い、カラムはTC−FFAP 60m×0.32膜厚0.25μmを用いた。
検出器はFID、キャリヤーガスにはヘリウムを用いた。
カラム温度条件は、以下の通りであった。
初期温度:50℃
昇温速度:5℃/分
最終温度1:180℃ 15分HOLD
昇温速度:10℃/分
最終温度2:230℃ 10分HOLD
最終温度3:50℃ 5分HOLD
(接触効率)
接触効率は以下の式で求めた。
接触効率(η)=−LN(未反応Py収率/100)×3.6/接触時間(s)/反応温度における触媒活性(1/hr)×100
未反応Py収率(%)=(反応しなかったプロピレンのモル数)/(供給したプロピレンのモル数)×100
接触時間=触媒量W/(濃厚層LV×A2*触媒バルク密度)
濃厚層LV=F×(273.2+T)×1.033/(273.2×(1.033+P)×3600*A2)
F:トータルフィードガス量(Nm3/h)
T:h/2〜h/4の高さh'における前記反応器の平均温度(℃)
P:Reactor TOP圧力(kg/cm2 G)
触媒バルク密度(kg/L):1L容器に触媒を充填した際の重量(kg)
また、440℃における触媒活性Kを、以下の式により算出した。
k (*10^3/hr)=3.6*LN(100/(100−Py転化率))/接触時間(s)
Py転化率は以下の方法で測定した。
1.0gの触媒を内径10mmの固定床型反応管に充填し、反応温度T=440℃に設定し、プロピレン:アンモニア:酸素:水:ヘリウム=1:1.2:1.89:1.85:12.6のモル比の混合ガスを流量F=40(Ncc/min)で流した。このとき圧力Pはゲージ圧で0MPaであった。
接触時間は、0.60(sec)(=W/F×60×273/(273+T)×((P+0.101)/0.101))(g・s/ml)で算出した。
反応ガスの分析はオンラインガスクロマトグラフィーで行った。
(希薄層における触媒の空間密度(希薄層触媒密度))
前記内部空間の高さhと、h−5[m]における差圧LR’[kg/m2]から以下の式により算出した。
希薄層触媒密度[kg/m3]=LR’[kg/m2]/5[m]
(空時収率)
空時収率[T/D・m3]は反応器単位空塔容積あたりの生産量として求めた。ここでいう容積は反応器の内部構造物を無視した容積(内部構造物の容積も含めた反応器容積)として求めた。すなわち、反応器上部及び下部の断面積と反応器高さを考慮して常法にて算出した。
以下の実施例1〜3及び比較例1〜6で用いた流動層反応装置については、後述するようにD1、D2、A1、A2、hの値に差異があることを除き、図1に示したものと同様とした。
すなわち、反応器の下部には、反応原料であるガスの分散管及び分散板を有し、また、流動層反応器の内部空間の下部には冷却コイルを配置し、流動層反応器の内部空間の上部には反応器から流出する生成ガスに混入した触媒を捕集するサイクロンを配置し、ディプレッグで触媒を下部に返送するように構成した。また、サイクロンは、図1に示すような直列に3段連なったサイクロンとし、同様のものを計8系列配置した。計器、付属設備は通常使用されるものであり、通常の誤差範囲内のものであった。
[実施例1]
プロピレン、アンモニア及び空気を、組成がMo12Bi0.20Ce0.40Fe2.0 Ni5.6 Mg2.20.07Cs0.04で表される酸化物を50重量%のシリカに担持した触媒(特許3214984号の実施例1の記載にしたがって製造した触媒)を充填した上部内径9m、下部内径8m(D1/D2=1.125,A1/A2=1.40,上部と下部の間の接続部分の内壁面が鉛直線となす角は30°)、長さ20m、内部空間の最下点から接続部下端までの高さ10mの縦型円筒型の流動層反応器1−1に供給し、反応器上部ガス速度を0.57m/s(下部ガス速度0.80m/s)とするように、プロピレンのアンモ酸化反応を下記のとおり行った。流動層反応器1−1は、その内部に原料ガス分散管や分散板、除熱管及びサイクロンを有していた。その結果、前述の式を用いて算出した接触効率(η)は70%、触媒飛散量は1.5kg/h、反応器上部における触媒の空間密度(希薄層触媒密度)は47kg/m3であった。また、反応器停止時に内部を確認した結果、上部と下部の間の接続部分に目立った触媒の堆積はなかった。
[実施例2]
プロピレン、アンモニア及び空気を上部内径8.7m、下部内径8m(D1/D2=1.088,A1/A2=1.39)、上部と下部の間の接続部分の内壁面が鉛直線となす角は30°)、長さ20mの縦型円筒型の流動層反応器1−2に供給し、反応器上部ガス速度を0.57m/s (下部ガス速度0.80m/s)とするように、プロピレンのアンモ酸化反応を下記のとおり行った。反応器内径以外の反応器構造は実施例1と同じ条件であった。その結果、下記式を用いて算出した接触効率(η)は70%、触媒飛散量は1.5kg/h、反応器上部における触媒の空間密度は47kg/m3であった。また、反応器停止時に内部を確認した結果、上部と下部の間の接続部分に目立った触媒の堆積はなかった。
[実施例3]
プロピレン、アンモニア及び空気を上部内径9m、下部内径8m(D1/D2=1.125,A1/A2=1.40,上部と下部の間の接続部分の内壁面が鉛直線となす角は60°)、長さ20mの縦型円筒型の流動層反応器1−3に供給し、反応器上部空塔速度を0.57m/s (下部空塔速度0.80m/s)とするように、プロピレンのアンモ酸化反応を下記のとおり行った。流動層反応器1−3は、その内部に原料ガス分散管や分散板、除熱管及びサイクロンを有していた。その結果、下記式を用いて算出した接触効率(η)は70%、触媒飛散量は1.5kg/h、反応器上部における触媒の空間密度は49kg/m3であった。また、反応器停止時に内部を確認した結果、上部と下部の間の接続部分に失活した触媒の堆積が確認された。
[比較例1]
プロピレン、アンモニア及び空気を上部内径8m、下部内径8m(D1/D2=1.000,A1/A2=1.10)、長さ20mの縦型円筒型の流動層反応器1−4に供給し、反応器上部ガス速度を0.57m/s(下部空塔速度0.63m/s)とするように、プロピレンのアンモ酸化反応を下記のとおり行った。反応器内径以外の反応器構造は実施例1と同じ条件であった。その結果、下記式を用いて算出した接触効率(η)は55%、触媒飛散量は1.5kg/h、反応器上部における触媒の空間密度は47kg/m3であった。また、反応器停止時に内部を確認した結果、反応器内壁に目立った触媒の堆積はなかった。
[比較例2]
プロピレン、アンモニア及び空気を上部内径8m、下部内径8m(D1/D2=1.000,A1/A2=1.10)、長さ20mの縦型円筒型の流動層反応器1−4に供給し、反応器上部空塔速度を0.73m/s(下部空塔速度0.80m/s)とするように、プロピレンのアンモ酸化反応を下記のとおり行った。反応器内径以外の反応器構造は実施例1と同じ条件であった。その結果、下記式を用いて算出した接触効率(η)は70%、触媒飛散量は2.5kg/h、反応器上部における触媒の空間密度は103kg/m3であった。また、反応器停止時に内部を確認した結果、反応器内壁に目立った触媒の堆積はなかった。
[比較例3]
プロピレン、アンモニア及び空気を上部内径10.5m、下部内径8m(D1/D2=1.313,A1/A2=1.88)、上部と下部の間の接続部分の内壁面が鉛直線となす角は30°)、長さ20mの縦型円筒型の流動層反応器1−5に供給し、反応器上部空塔速度を0.43m/s(下部空塔速度0.80m/s)とするように、プロピレンのアンモ酸化反応を下記のとおり行った。反応器内径以外の反応器構造は実施例1と同じ条件であった。その結果、下記式を用いて算出した接触効率(η)は70%、触媒飛散量は3.8kg/h、反応器上部における触媒の空間密度は24kg/m3であった。また、反応器停止時に内部を確認した結果、上部と下部の間の接続部分に目立った触媒の堆積はなかった。
[比較例4]
プロピレン、アンモニア及び空気を上部内径10.5m、下部内径8m(D1/D2=1.313,A1/A2=1.88)、上部と下部の間の接続部分の内壁面が鉛直線となす角は30°)、長さ20mの縦型円筒型の流動層反応器1−5に供給し、反応器上部空塔速度を0.57m/s(下部空塔速度1.07m/s)とするように、プロピレンのアンモ酸化反応を下記のとおり行った。反応器内径以外の反応器構造は実施例1と同じ条件であった。その結果、下記式を用いて算出した接触効率(η)は70%、触媒飛散量は1.5kg/h、反応器上部における触媒の空間密度は47kg/m3であった。また、反応器停止時に内部を確認した結果、上部と下部の間の接続部分に目立った触媒の堆積はなかった。接触効率や触媒飛散の悪化はなかったが、上部塔径を大きくした分、空時収率が悪く、スペース効率が悪化したものと評価された。
[比較例5]
プロピレン、アンモニア及び空気を上部内径8.7m、下部内径8m(D1/D2=1.088,A1/A2=1.18)、上部と下部の間の接続部分の内壁面が鉛直線となす角は30°)、長さ20mの縦型円筒型の流動層反応器1−6に供給し、反応器上部空塔速度を0.68m/s(下部空塔速度0.80m/s)とするように、プロピレンのアンモ酸化反応を下記のとおり行った。反応器内径以外の反応器構造は実施例1と同じ条件であった。その結果、下記式を用いて算出した接触効率(η)は70%、触媒飛散量は2.0g/h、反応器上部における触媒の空間密度は73kg/m3であった。また、反応器停止時に内部を確認した結果、上部と下部の間の接続部分に目立った触媒の堆積はなかった。
[比較例6]
プロピレン、アンモニア及び空気を上部内径8.7m、下部内径8m(D1/D2=1.088,A1/A2=1.18)、上部と下部の間の接続部分の内壁面が鉛直線となす角は30°)、長さ20mの縦型円筒型の流動層反応器1−6に供給し、反応器上部空塔速度を0.57m/s(下部空塔速度0.67m/s)とするように、プロピレンのアンモ酸化反応を下記のとおり行った。反応器内径以外の反応器構造は実施例1と同じ条件であった。その結果、下記式を用いて算出した接触効率(η)は59%、触媒飛散量は1.5g/h、反応器上部における触媒の空間密度は47kg/m3であった。また、反応器停止時に内部を確認した結果、上部と下部の間の接続部分に目立った触媒の堆積はなかった。
上記した実施例1〜3及び比較例1〜6の評価結果を次の表1にまとめて示す。
本発明は、流動層反応装置を用いて流動層反応を実施する際に、有効に利用できる。
1 流動層反応装置
2 反応器
3 空気(酸素)導入管
4 空気(酸素)分散板
5 原料導入管
6 原料分散管
7A 冷却コイル
7B 冷却コイル
7C 冷却コイル
8A サイクロン
8B サイクロン
8C サイクロン
9 サイクロン入口
10A ディプレッグ
10B ディプレッグ
10C ディプレッグ

Claims (10)

  1. 触媒が流動可能に収納されている内部空間を有し、かつ、反応ガスから熱を除去するための冷却コイルと、反応ガスから前記触媒を分離回収するためのサイクロンと、を前記内部空間に有する反応器を備え、
    前記内部空間の最下点の高さを基準として前記サイクロンの入口部下端の平均高さをhとし、高さhにおける前記反応器の内径を上部内径D1とし、h/2〜h/4の高さh'における前記反応器の平均内径を下部内径D2としたとき、D1/D2が1.000超1.310以下であり、
    前記高さhにおける有効断面積を上部有効断面積A1とし、前記高さh'における平均有効断面積を下部有効断面積A2としたとき、A1/A2が1.18超1.88以下である、流動層反応装置。
  2. 前記反応器が、前記内部空間に原料ガスを導入する複数の原料ガス分散器をさらに備え、
    前記内部空間の最下点が、最も低い位置に配置された原料ガス分散器のノズル上面上の点である、請求項1に記載の流動層反応装置。
  3. 前記下部内径D2が3m〜10mである、請求項1又は2に記載の流動層反応装置。
  4. 前記下部有効断面積A2が6m2〜70m2である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の流動層反応装置。
  5. 前記サイクロンの入口部下端の平均高さhが10m〜25mである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の流動層反応装置。
  6. 前記反応器が、前記高さhからh'にかけての領域の少なくとも一部において、内径が漸減するように構成された部分を有し、
    前記部分の内壁面と鉛直線とのなす角度Θが25°〜40°である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の流動層反応装置。
  7. D1/D2が1.050以上1.150以下であり、A1/A2が1.35以上1.50以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の流動層反応装置。
  8. プロピレン、プロパン、イソブチレン及び第三級ブチルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つの物質と、アンモニア及び酸素含有ガスとを、前記触媒の存在下で反応させるアンモ酸化反応用である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の流動層反応装置。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の流動層反応装置の内部空間に、プロピレン、プロパン、イソブチレン及び第三級ブチルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つの物質と、アンモニア及び酸素含有ガスとを導入し、前記触媒の存在下で反応させる工程を有し、
    前記触媒が、モリブデンを含有する、α,β−不飽和ニトリルの製造方法。
  10. 前記サイクロンの入口部下端の平均高さhにおける、前記内部空間に存在する前記触媒の空間密度が24kg/m3以上73kg/m3以下である、請求項に記載のα,β−不飽和ニトリルの製造方法。
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