JP2020200274A - アクリロニトリルの製造方法 - Google Patents

アクリロニトリルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020200274A
JP2020200274A JP2019108793A JP2019108793A JP2020200274A JP 2020200274 A JP2020200274 A JP 2020200274A JP 2019108793 A JP2019108793 A JP 2019108793A JP 2019108793 A JP2019108793 A JP 2019108793A JP 2020200274 A JP2020200274 A JP 2020200274A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
acrylonitrile
bed reactor
amount
fluidized bed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019108793A
Other languages
English (en)
Inventor
剛輔 大山
Gosuke OYAMA
剛輔 大山
圭 杉浦
Kei Sugiura
圭 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2019108793A priority Critical patent/JP2020200274A/ja
Publication of JP2020200274A publication Critical patent/JP2020200274A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】 触媒活性の変動を最小限に抑えることで収率を向上させることと、アクロレインの収率を低くすることの両立が可能なアクリロニトリルの製造方法を提供すること。【解決手段】 流動床反応器内で、金属酸化物触媒の存在下、炭化水素を気相接触アンモ酸化反応に供することにより対応するアクリロニトリルを製造する方法であって、反応中の触媒を流動床反応器内から抜き出す工程と、未反応の触媒を流動床反応器に投入する工程と、を含み、アクリロニトリルの生成量1トンに対する、前記流動床反応器内から反応中の触媒を抜き出した抜出量をXkgとし、前記流動床反応器内から外部へ飛散した飛散量をYkgとしたとき、以下の式(1)及び(2)を満たし、X>0 (1)0.1≦X+Y≦1.5 (2)アクリロニトリルの生成量1トンに対する、前記未反応の触媒を反応器に投入する投入量をZkgとしたとき、以下の式(3)を満たす、0.3≦Z/(X+Y)≦2.5 (3)アクリロニトリルの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、流動床反応器内で、金属酸化物触媒の存在下、炭化水素を気相接触アンモ酸化反応に供することにより対応するアクリロニトリルを製造する方法に関する。
従来、炭化水素と、アンモニア及び酸素含有ガスとを原料とし、流動床反応器内でアンモ酸化反応に供することによりアクリロニトリル類を製造する方法が知られている。中でもプロピレンのアンモ酸化反応によるアクリロニトリルの製造は、工業的に広く実施されている。
一般的にアンモ酸化反応には流動床反応器用の酸化物触媒が使用されている。流動床反応器では反応器内のガス流速を触媒の終末速度以上の状態にして反応を行うため、流動床反応器から触媒の微粉の一部が反応塔内のガスに同伴され、反応器外に飛散する。このため微粉を多く含んだ触媒を反応中に補給しながら、反応器内の触媒の粒径分布を好ましい範囲に保つことで、長期にわたり良好な触媒の流動状態を維持する反応方法が採用されている(特許文献1)。
また、触媒充填を開始してからガス流速を増加させるような操作を行なうことで、反応器外に飛散する触媒量を抑制し、触媒の流動状態の悪化を引き起こさずに高い目的生成物収率で反応を行うことが可能となることも知られている(特許文献2)。
さらに、流動床反応器中の触媒の一部を抜き取り、この抜き取られた触媒を分級して得られるファイン粒子径触媒を流動床反応器内に返還すると共に、未使用の触媒を補充することで、反応器内の触媒の流動性を改善し、アクリロニトリルの生産効率を高く維持できることが報告されている(特許文献3)。
特開昭63−36831号公報 国際公開2016/147950号パンフレット 特開2005−193172号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載された方法は、飛散した触媒に相当する分しか新たな触媒を補填していないため、触媒活性の変動が大きく、アクリロニトリルの収率が低下するという課題がある。一方、特許文献3は、使用済み触媒を効率的に再利用することによって未使用触媒の補給量を減らすことを課題としているため、使用済み触媒の抜出量と比較して未使用触媒の補給量が相対的に少なく、触媒活性の変動を十分に抑えることができていない。
また、アクリロニトリルの製造工程において、意図しない重合反応を容易に引き起こすアクロレインが反応不純物として生成する。アクロレインは、精製系でのトレイ詰まりの原因となり、アクリロニトリルの製品スペックを悪化させる要因となる。このため、反応不純物としてのアクロレインの生成(収率)を抑制することが求められている。これについては、特許文献3には何ら検討されていない。
上記事情に鑑み、本発明は、触媒活性の変動を最小限に抑えることで収率を向上させることと、アクロレインの収率を低くすることの両立が可能なアクリロニトリルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、反応中の触媒の抜出量と飛散量の合計に対し、一定の割合の未反応の触媒を追添することによって、触媒活性の変動を最小限に抑えることができ、それによってアクリロニトリルの収率を維持でき、且つ、反応不純物(アクロレイン)の収率を減らせることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
[1]
流動床反応器内で、金属酸化物触媒の存在下、炭化水素を気相接触アンモ酸化反応に供することにより対応するアクリロニトリルを製造する方法であって、
反応中の触媒を流動床反応器内から抜き出す工程と、
未反応の触媒を流動床反応器に投入する工程と、
を含み、
アクリロニトリルの生成量1トンに対する、前記流動床反応器内から反応中の触媒を抜き出した抜出量をXkgとし、前記流動床反応器内から外部へ飛散した飛散量をYkgとしたとき、以下の式(1)及び(2)を満たし、
X>0 (1)
0.1≦X+Y≦1.5 (2)
アクリロニトリルの生成量1トンに対する、前記未反応の触媒を反応器に投入する投入量をZkgとしたとき、以下の式(3)を満たす、
0.3≦Z/(X+Y)≦2.5 (3)
アクリロニトリルの製造方法。
[2]
以下の式(4)
0.3≦X+Y≦1.0 (4)
を更に満たす、上記[1]に記載の製造方法。
[3]
前記Xが0.1〜1.0である、上記[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]
前記Xが0.3〜0.9である、上記[1]又は[2]に記載の製造方法。
[5]
前記炭化水素がプロピレンである、上記[1]〜[4]のいずれか記載の製造方法。
本発明によれば、触媒活性の変動を最小限に抑えることでアクリロニトリルの収率を向上することと、不純物であるアクロレインの収率を低くすることの両立が可能となる。
本実施形態のアクリロニトリルの製造方法に用いる反応装置の一例を示す概略図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明は下記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態のアクリロニトリルの製造方法は、
流動床反応器内で、金属酸化物触媒の存在下、炭化水素を気相接触アンモ酸化反応に供することにより対応するアクリロニトリルを製造する方法であって、
反応中の触媒を流動床反応器内から抜き出す工程と、
未反応の触媒を流動床反応器に投入する工程と、
を含み、
アクリロニトリルの生成量1トンに対する、前記流動床反応器内から反応中の触媒を抜き出した抜出量をXkgとし、前記流動床反応器内から外部へ飛散した飛散量をYkgとしたとき、以下の式(1)及び(2)を満たし、
X>0 (1)
0.1≦X+Y≦1.5 (2)
アクリロニトリルの生成量1トンに対する、前記未反応の触媒を反応器に投入する投入量をZkgとしたとき、以下の式(3)を満たす。
0.3≦Z/(X+Y)≦2.5 (3)
本実施形態の製造方法においては、流動床反応器において、金属酸化物触媒の存在下、炭化水素をアンモニアと共に酸素の存在下で気相接触アンモ酸化反応に供することにより対応するアクリロニトリルを製造する。気相接触アンモ酸化反応に用いられる原料である炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン等のアルカン;エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン等のアルケンが挙げられる。これらの中では、生成するニトリル化合物の化学品中間原料としての価値の観点から、プロパン、イソブタン、プロピレン、イソブチレンが好ましく、プロパン及び/又はプロピレンがより好ましい。
また、炭化水素及びアンモニアの供給原料は必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのガスを使用できる。供給酸素源としては、空気、純酸素又は純酸素で富化した空気を用いることができる。さらに、希釈ガスとしてヘリウム、ネオン、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気、窒素等を供給してもよい。
炭化水素としてプロパン又はイソブタンを用いる場合、気相接触アンモ酸化反応は、以下の条件で行うことができる。
反応に供給する酸素のプロパン又はイソブタンに対するモル比は好ましくは0.1〜6、より好ましくは0.5〜4である。反応に供給するアンモニアのプロパン又はイソブタンに対するモル比は好ましくは0.3〜1.5、より好ましくは0.7〜1.2である。反応温度は好ましくは350〜500℃、より好ましくは380〜470℃である。反応圧力は好ましくは5×104〜5×105Pa、より好ましくは1×105〜3×105Paである。原料ガスと触媒との接触時間は好ましくは0.1〜10(sec・g/cc)、より好ましくは0.5〜5(sec・g/cc)である。
炭化水素としてプロピレンまたはイソブチレンを用いる場合、気相接触アンモ酸化反応は、以下の条件で行うことができる。
反応に供給するプロピレンとアンモニアと酸素とのモル比(プロピレン/アンモニア/酸素)は、好ましくは1.0/1.0〜1.5/1.6〜2.2である。反応温度は、好ましくは380〜480℃である。また、反応圧力は、好ましくは1×105〜3×105Paである。原料ガスと触媒との接触時間は、好ましくは2〜7sec・g/ccであり、より好ましくは3〜6sec・g/ccである。
図1に、本実施形態のアクリロニトリルの製造方法において用いられ得る流動床反応器を備えた反応装置の一例を概略的に示す。反応装置100は、気相接触アンモ酸化反応を行う流動床反応器1と、その流動床反応器1に供給する触媒の粉末(以下、単に「触媒粉末」という。)等を貯蔵するホッパー10と、流動床反応器1とホッパー10とを接続し、ホッパー10から流動床反応器に上記粉末を供給するための供給管11とを備える。
ホッパー10は、図1においては一つしか示されていないが、複数のホッパーであってもよい。また、供給管11内では、ホッパー11から流動床反応器1に向かって、触媒粉末と共にキャリアガスが流通している。そのキャリアガスによって上記粉末が、供給管11を介して、流動床反応器1に形成されている粉末供給口12から流動床反応器1内の濃厚層3bに供給される。粉末供給口12は、反応器1の側壁に設けられてもよいし、反応器1の内部空間にまで供給管11を敷設することにより、その内部空間に設けられてもよい。キャリアガスとしては特に限定されないが、例えば、窒素、ヘリウム及びアルゴンなどの不活性ガス、空気、並びに二酸化炭素等が挙げられる。これらの中では、気相接触アンモ酸化反応に影響を与え難い観点から、気相接触アンモ酸化反応に対して不活性な不活性ガスが好ましい。
流動床反応器1は、触媒粉末2が流動可能に収納された内部空間3と、内部空間3に炭化水素を含む原料ガスAを供給する原料供給口4と、内部空間3から反応生成ガスCを排出する排出口6と、ホッパー10から供給された触媒粉末を内部空間に供給する粉末供給口12とを有する。内部空間3は、下側に、主に気相接触アンモ酸化反応が進行し触媒粉末2が密に存在する濃厚層3bを有し、上側に触媒粉末2が疎に存在する希薄層3aを有する。ホッパー10からの粉末を濃厚層3bに供給することにより、アクリロニトリルの収率をより高めることができる。触媒粉末2は、その大部分が触媒そのものであるが、一部にMo含有粉末及びW含有粉末を少量含んでいてもよい。
また、流動床反応器1は、内部空間3に酸素を含む酸素含有ガスBを供給する分散板5と、内部空間3内で反応生成ガスから触媒粉末2を分離回収するサイクロン7とを有していてもよい。炭化水素を含む原料ガスAは、分散管8を介して原料供給口4から内部空間3内に供給される。また、流動床反応器1は、酸素含有ガスBを供給するガス供給口9を有していてもよい。ガス供給口9から内部空間3内に導入された酸素含有ガスBは、分散板5により分散される。複数の原料供給口4から供給される原料ガスAと、分散板5により分散されて供給される酸素含有ガスBは、互いに対向するように供給され、交絡しつつ混合される。
触媒粉末2は、それ自体の自重及び嵩密度、並びに、原料ガスA及び酸素含有ガスBの供給量(矢印F方向の流量)等のバランスの中で、内部空間3内で流動している。触媒粉末2の単位空間あたりの存在量(分布)は、内部空間3の下から上(矢印F方向)に行くにつれて減少する。
流動床反応器1は、内部空間3に、反応生成ガスから触媒粉末2を分離回収するサイクロン7を有する。流動床反応器1は、そのほか、必要に応じて、主に内部空間3の濃厚層3bの反応熱を除去し反応温度を制御するための冷却コイル(不図示)や、内部空間3内のガス空塔速度を調整するための部材(不図示)を有していてもよい。サイクロン7には、入口7aから触媒粉末2を同伴させた反応生成ガスが入る。サイクロン7に入った触媒粉末2は、サイクロン7の円錐部分で螺旋を描くように内部空間3の下方に落下する。一方、当該粉末に同伴していた反応生成ガスは、サイクロン7の上部から上方に延びる管より排出口6へと導かれていく。サイクロン7の円錐部分の下方には、さらに内部空間3の下方に向けて管が伸びており、この管の中を通って触媒粉末2は内部空間3の下方に導かれる。
本実施形態のアクリロニトリルの製造方法において、粉末供給口12におけるキャリアガスの供給角度(図1中の符号θ)が、鉛直方向に対して15°以上85°以下であると好ましい。その供給角度θが鉛直方向に対して15°以上であると、粉末供給口12から供給された触媒粉末が、その粉末供給口12付近に偏在することをより有効かつ確実に抑制することができる。その結果、気相接触アンモ酸化反応が局所的に進行したり進行しなかったりすることをより十分に防止することが可能となり、反応の制御を更に容易にできると共にアクリロニトリルの収率をより高めることができる。また、供給角度θが鉛直方向に対して85°以下であることにより、触媒粉末の存在密度の高い濃厚層3bにより有効かつ確実に粉末を供給することができるので、流動床反応器1内に存在する触媒粉末2全体に新たに添加した粉末をより均一に混合することができる。これらの結果、気相接触アンモ酸化反応が局所的に進行したり進行しなかったりすることをより十分に防止することが可能となり、反応の制御を更に容易にできると共にアクリロニトリルの収率をより高めることができる。
ここで、通常、流動床反応器では反応器内のガス流速を触媒の終末速度以上の状態にして反応を行うため、流動床反応器から触媒の微粉の一部が反応塔内のガスに同伴され、反応器外に飛散する。流動床反応器内から外部へ飛散した飛散量は、反応器内のガス流速の大きさによって変動し、ガス流速が大きいほど飛散量は大きくなる。また、例えば、図1に示すようなサイクロンを備えた流動床反応器を用いた場合、アクリロニトリルの連続製造工程において流動床反応器から反応器の空間部分に飛び出した触媒は、通常、サイクロンで捕集されて流動(触媒)層内に返還される。しかしながら、このようなサイクロンを有する反応器では、粒度および比重が大きい触媒粒子は反応器の下部へ戻される一方で、粒度および比重の小さい微粒子については、サイクロンで捕集されずに反応器外部へ飛散し、微粒子が減少することによって流動化状態が悪化する。
本実施形態の製造方法においては、上述した反応器から外部への触媒の飛散を加味して反応中の触媒の抜出量を適切な範囲に設定し、これに応じて一定の割合の未反応の触媒を追添することによって、触媒活性の変動を最小限に抑えることができ、アクリロニトリルの収率を維持できる。さらに、精製系でのトレイ詰まりの原因となり、アクリロニトリルの製品スペックを悪化させる要因となるアクロレインの収率を減らせることが可能となる。
本実施形態の製造方法においては、アクリロニトリルの生成量1トンに対する、流動床反応器内から反応中の触媒を抜き出した抜出量をXkgとし、流動床反応器内から外部へ飛散した飛散量をYkgとしたとき、XとYは以下の式(1)及び(2)を満たす。
X>0 (1)
0.1≦X+Y≦1.5 (2)
本実施形態の製造方法においては、アクリロニトリルの生成量1トンに対する、流動床反応器内から反応中の触媒を抜き出した抜出量をXkgとした場合、X>0を満たす。抜出量Xkgは、好ましくは0.1〜1.0kg、より好ましくは0.3〜0.9kg、さらに好ましくは0.5〜0.8kgである。抜出量Xが0.1kg以上であると、本発明のアクリロニトリルの収率向上及びアクロレインの収率低減効果がより顕著となる傾向にあり、1.0kg以下であると、未反応触媒の投入量が抑制され、製造コストが低減する傾向にある。
また、本実施形態の製造方法においては、アクリロニトリルの生成量1トンに対する、流動床反応器内から反応中の触媒を抜き出した抜出量をXkgとし、流動床反応器内から外部へ飛散した飛散量をYkgとした場合、0.1≦X+Y≦1.5を満たす。X+Yは、好ましくは0.1≦X+Y≦1.2、より好ましくは0.3≦X+Y≦1.1、さらに好ましくは0.3≦X+Y≦1.0、特に好ましくは0.5≦X+Y≦1.0である。X+Yが0.1kg未満であると、アクリロニトリルの収率向上及びアクロレインの収率低減効果が不十分となり、1.5kgを超えると、未反応の触媒の投入量が過大となり、製造コスト増大する。
流動床反応器内の触媒の存在量は、流動床反応器の内部空間において、図1のG、Hの高さに設置された圧力計によって圧力を測定し、触媒の存在量を算出することができる。Gの位置は3aで示した範囲にあればよく、Hの位置は分散板5と分散管8の間であればよい。
すなわち、Gの位置は、希薄層3aにあればよく、Hの位置は、濃厚層3bのうち、分散管8より下側にあればよい。ここで、希薄層3aは、流動層反応器100の内部において、触媒密度が150kg/m3以下の領域をいい、濃厚層3bは、触媒密度が350kg/m3以上の領域をいう。Gの反応器下部からの高さをh1(m)、測定圧力をPh1(Pa)、Hの反応器下部からの高さをh2(m)、測定圧力をPh2(Pa)、高さh1〜h2の単位体積当たりの触媒の存在量をD(kg/m3)、反応器内の触媒量をW(kg)、鉛直方向からみた際の反応器の断面積の内、最も広い部分をA(m2)、重力加速度g=9.8(m/s2)とすると、D及びWは、
D=(Ph2−Ph1)/(g×(h2−h1))
W=D×(h2−h1)×A
により算出することができる。
ここで、アクリロニトリルの生成量1トンに対する流動床反応器内から外部へ飛散した飛散量Ykgは、アクリロニトリルの生成量1トンに対する、流動床反応器内から反応中の触媒を抜き出した抜出量をXkgとし、上記方法により算出された反応開始直後の触媒量をW0kg、上記方法により算出された反応開始T日後の反応器内の触媒量をW1kgとし、反応開始からT日後までに生産されたアクリロニトリルの量をWANトンとすると、
Y=(W0−W1)/WAN―X
により算出することができる。
反応中の触媒を流動床反応器内から抜き出す方法は特に限定されないが、例えば、反応器外のホッパーなどから配管を経して流動床反応器の触媒濃厚層部分から抜き出すことができる。また、反応中の触媒の抜き出しは、連続的にも、間欠的にも行うことができる。ここで、反応中とは、流動床反応器において目的化合物の生産を行っている状態を指し、反応の停止、起動時に触媒を抜き出し、投入することは含まれない。
本実施形態の製造方法においては、アクリロニトリルの生成量1トンに対する、未反応の触媒を反応器に投入する投入量をZkgとした場合、0.3≦Z/(X+Y)≦2.5を満たす。Z/(X+Y)は、好ましくは、0.5≦Z/(X+Y)≦2.0、より好ましくは0.7≦Z/(X+Y)≦1.5、さらに好ましくは0.9≦Z/(X+Y)≦1.2である。Z/(X+Y)が0.3未満であると、アクリロニトリルの収率向上及びアクロレインの収率低減効果が不十分となり、Z/(X+Y)が2.5を超えると、未反応の触媒の投入量が過大となり、製造コスト増大する。
また、本実施形態の製造方法においては、以下の式(4)
0.17≦X/Z≦1.0 (4)
を更に満たすことが好ましい。
Z/X+Yは、より好ましくは0.20≦Z/X≦0.9、さらに好ましくは0.40≦Z/X≦0.80である。X/Zが0.17以上である場合、本発明のアクリロニトリルの収率向上及びアクロレインの収率低減効果がより顕著となる傾向にあり、1.0以下である場合、未反応触媒の投入量が抑制され、製造コストが低減する傾向にある。
反応器に投入する未反応の触媒は、反応器内の触媒の流動性が良好となる観点から、微粒子触媒を含有するものであることが好ましい。ここで、投入する触媒の平均径は、好ましくは20〜100μmであり、より好ましくは30〜80μmであり、さらに好ましくは40〜60μmである。また、同様の観点から、反応器に投入する未反応の触媒全体に占める45μm以下の微粒子の割合は、好ましくは20〜90質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、さらに好ましくは40〜70質量%である。
ここで、触媒の平均径と45μm以下の微粒子の割合は、レーザ回折・散乱法 粒度分布測定装置を用いて測定した値をいう。
本実施形態の製造方法においては、流動床反応器内から抜き出された触媒は、分級した後、微粒子触媒のみを反応器内の流動層に返還することが好ましい。これによって流動層において流動性改善に特に有用な微粒子触媒が抜き取りに伴って廃棄されることなく再利用され、その分だけ未反応の触媒の投入量を減らすことが可能となる。すなわち、比較的高価な未反応の触媒を多量に補給しなくても、流動層から抜き取られた触媒の分級された微粒子触媒を用い、これに未反応の触媒を比較的少量混ぜて補給するだけで、微粒子触媒の割合を高めて補給することができ、これにより新品の触媒の添加量が節約されて低費用であり、かつ反応器内の触媒の流動性を改善できる傾向にある。
流動床反応器への未反応の触媒の投入方法は特に限定されないが、所定の速度になるよう、反応器外のホッパーなどから配管を経由して流動床反応器の触媒濃厚層部分へ圧送して供給することができる。この場合、圧送に用いるガスは、空気、不活性ガスが用いられ、特に窒素が好ましい。
未反応の触媒の投入は、連続的にも、間欠的にも行うことができる。間欠的に投入する場合の投入頻度は、上述した式(1)〜(3)を満たす限り特に限定されないが、触媒活性の維持と、投入の手間のバランスの観点から、好ましくは3〜10日に1回であり、より好ましくは4〜8日に1回、さらに好ましくは5〜7日に1回である。また、1回当たりの投入量は、アクリロニトリル生産量1トンに対して、好ましくは0.4〜1.5kgであり、より好ましくは0.5〜1.0kgである。
本実施形態のアクリロニトリルの製造方法では、炭化水素とアンモニアと酸素含有ガスを含む原料ガスを流動床反応器に供給し、この反応器内で金属酸化物触媒を流動層に用いた気相接触アンモ酸化反応に供し、その際に生成したガス中からアクリロニトリル成分を回収し、精製する。
金属酸化物触媒としては、反応系に応じて種々のものを用いることができ、例えばリン、モリブデン、鉄、アンチモン等の元素を含む周知の触媒を用いることができる。一般的には粒子密度1〜2g/cm3で平均粒径は50〜80μm程度のものである。これには、流動性を良好にする微粒子触媒も含有されており、そのような微粒子触媒の好ましい含有量は20〜60質量%、好ましくは20〜50質量%である。
金属酸化物触媒としては、気相接触アンモ酸化反応に対して活性であれば特に限定されないが、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、少なくとも元素としてモリブデンを含む金属酸化物触媒であると好ましい。
より具体的には、プロパン又はイソブタンのアンモ酸化反応に対しては、下記式(1)で表される組成を有する触媒が挙げられる。
MoVaNbbcden・・・(1)
ここで、式(1)中、a、b、c、d、e及びnは、Mo1原子当たりのそれぞれの原子の原子比を示し、0.01≦a≦1、0.01≦b≦1、0.01≦c≦1、0≦d<1、0≦e<1の範囲にあり、nは原子価のバランスを満たす値である。
Mo1原子当たり、Vの原子比aは0.1以上0.4未満、Nbの原子比bは0.01以上0.2未満がそれぞれ好ましい。また、Mo1原子当たりのX成分の原子比cは、0.01以上0.6未満が好ましく、0.1以上0.4未満がより好ましい。
Xで示される元素としては、例えば、Sb(アンチモン)及びTe(テルル)より選択される1種以上の元素が挙げられる。これらの元素を含む化合物としては、例えば、硝酸塩、カルボン酸塩、カルボン酸アンモニウム塩、ペルオキソカルボン酸塩、ペルオキソカルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、ハロゲン化物、アセチルアセトナート、アルコキシドが挙げられる。これらの中では、好ましくは硝酸塩及びカルボン酸塩に代表される水性原料が使用される。
一般的に、アクリロニトリルの工業的製造方法においては、400℃以上での長期使用に耐えうる特性が必要であり、Xで示される元素としてはSbを用いることが特に好ましい。一方、不飽和酸の工業的製造方法においては、400℃以下での反応も可能なため、長期運転時のTeの逃散の影響が小さく、Teも好適に使用可能である。
Tで示される元素のMo1原子当たりの原子比であるdは、0以上1未満が好ましく、0.001以上0.1未満がより好ましく、0.002以上0.08未満が更に好ましい。Tで示される元素としては、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Ta(タンタル)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Mn(マンガン)、Re(レニウム)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Pd(パラジウム)、Pt(白金)、Ag(銀)、Au(金)、Zn(亜鉛)、B(ホウ素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、Pb(鉛)、P(リン)及びBi(ビスマス)からなる群より選択される1種以上の元素が好ましく、Ti、W及びMnがより好ましい。
Zで示される元素のMo1原子当たりの原子比であるeは、0以上1未満が好ましく、0.0001以上0.5未満がより好ましい。Zで示される元素としては、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)及びYb(イッテルビウム)が好ましく、Ceが特に好ましい。アンモ酸化反応におけるアクリロニトリルの収率向上の観点で、金属酸化物触媒はZで示される元素を含有するのが好ましく、触媒粒子内で均一に分散されていることが一層好ましい。ただし、Zで示される元素は、特開平11−244702号公報に教示されているように、スラリー中で好ましくない反応を生じるおそれがあるため、含有量は微量であることが好ましい。
触媒中のMoの原料となるMoを含有する化合物(以下、「Mo含有化合物」という。他の元素についても同様。)としては、例えば、酸化モリブデン酸アンモニウム、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸が挙げられ、それらの中でも、ヘプタモリブデン酸アンモニウム[(NH46Mo724・4H2O]を好適に用いることができる。
触媒中のVの原料となるV含有化合物としては、例えば、五酸化バナジウム、メタバナジウム酸アンモニウム及び硫酸バナジルが挙げられ、中でも、メタバナジウム酸アンモニウム[NH4VO3]を好適に用いることができる。
触媒中のNbの原料となるNb含有化合物としては、例えば、ニオブ酸、ニオブの無機酸塩及びニオブの有機酸塩が挙げられ、中でも、ニオブ酸を好適に用いることができる。
Xで示される元素としてTeを使用する場合、触媒中のTeの原料としてテルル酸[H6TeO6]を好適に用いることができ、Sbを使用する場合、触媒中のSbの原料としてアンチモン酸化物、特に三酸化アンチモン[Sb23]を好適に用いることができる。
プロピレン又はイソブチレンの気相アンモ酸化反応には、例えば、下記式(2)及び式(3)で表される組成を有する触媒が挙げられる。
Mo12BiaFebcdefgn ・・・(2)
ここで、式(2)中、Jは、Ni、Co、Mn、Zn、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群より選ばれる1種以上の元素の元素を示し、Dは、Cr、W、V、Nb、B、Al、Ga、In、P、Sb及びTeからなる群より選ばれる1種以上の元素を示し、Eは、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を示し、Lは、Ru、Rh、Pd、Os、Ir及びPtからなる群より選ばれる1種以上の元素を示し、Gは、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる1種以上の元素を示し、a、b、c、d、e、f、g及びnは、それぞれ、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)、Jで示される元素、Dで示される元素、Eで示される元素、Lで示される元素、Gで示される元素及び酸素(O)のモリブデン(Mo)12原子に対する原子比を示し、aは0.05以上7以下、bは0.1以上7以下、cは0以上12以下、dは0以上5以下、eは0以上5以下、fは0以上0.2以下、gは0.01以上5以下、nは酸素以外の構成元素の原子価を満足する酸素原子の数である。
Mo12(Bi1-aCeabFecdefg ・・・(3)
ここで、式(3)中、Xは、Ni及びCoからなる群より選ばれる1種以上の元素を示し、Tは、Mg、Ca、Zn、Sr及びBaからなる群より選ばれる1種以上の元素を示し、Zは、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる1種以上の元素を示し、aは、BiとCeの合計に対するCeの相対原子比を示し、0.2以上0.8以下であり、bは、モリブデン(Mo)12原子に対するBiとCeの合計原子比を示し、0.5以上1.5以下であり、cは、Mo12原子に対するFeの原子比を示し、0.1以上3以下であり、dは、Mo12原子に対するXの原子比を示し、0.1以上9.5以下であり、eは、Mo12原子に対するTの原子比を示し、0以上9.5以下であり、fは、Mo12原子に対するZの原子比を示し、0.01以上2以下であり、gは、Mo12原子に対する酸素の原子比を示し、存在する他の元素の原子価要求を満足させるのに必要な酸素の原子数である。
これらの元素を含む塩又は化合物としては、通常、アンモニウム塩、硝酸塩、カルボン酸塩、カルボン酸アンモニウム塩、ペルオキソカルボン酸塩、ペルオキソカルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、ハロゲン化物、アセチルアセトナート及びアルコキシドを用いることができ、好ましくは硝酸塩、カルボン酸塩等の水溶性原料である。
触媒中のMoの原料となるMo含有化合物としては、例えば、酸化モリブデン酸アンモニウム、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸が挙げられ、それらの中でも、ヘプタモリブデン酸アンモニウム[(NH46Mo724・4H2O]を好適に用いることができる。
本実施形態における触媒は、シリカを含有する触媒、より具体的にはシリカに担持されたシリカ担持触媒であってもよい。シリカ担持触媒に含まれるシリカの含有量、好ましくは担体シリカの含有量は、触媒の強度を向上させる観点から、SiO2換算で、金属酸化物とシリカとを含むシリカ担持触媒の全質量に対して20質量%以上であることが好ましい。また、その含有量は、十分な活性を付与する観点から、SiO2換算で、金属酸化物とシリカとを含むシリカ担持触媒の全質量に対して70質量%以下であることが好ましい。その含有量は、より好ましくは、SiO2換算で、金属酸化物とシリカとを含むシリカ担持触媒の全質量に対して40質量%以上65質量%以下である。
金属酸化物触媒がシリカに担持されている場合、シリカの原料としてシリカゾル、粉体シリカ等を添加することができる。粉体シリカは、高熱法で製造されたものが好ましく、予め水に分散させて使用することでスラリー中への添加及び混合がより容易となる。分散方法としては特に制限はなく、一般的なホモジナイザー、ホモミキサー及び超音波振動器等を単独又は組み合わせて用いることで粉体シリカを分散させることができる。
本発明を実施例及び比較例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すのと同様の構成を備える反応装置を用いてアクリロニトリルの製造を行った。流動床反応器1は、内径8m、長さ20mの縦型円筒形を有していた。内部空間3の下端(分散板5)から0.40mの高さに粉末供給口12の中心が位置するように、ホッパー10と流動床反応器1とを、粉末の供給管11を介して接続した。流動床反応器1内に、WO2018/211858A1の実施例1と同様の方法により得られた触媒(Mo12.00Bi0.37Fe1.42Co4.47Ni3.30Ce0.91Rb0.14/40wt%SiO2)100tを充填した。
反応温度440〜450℃、反応圧力40〜60kPaでプロピレン:アンモニア:空気=1:1〜1.2:8〜9のモル比となるように、反応原料であるプロピレン及びアンモニアを原料供給口4から供給し、ガス供給口9を介して空気を分散板5から供給し、気相接触アンモ酸化反応を開始した。
反応開始後、流動床反応器1から、粉末の供給管11を介してホッパー10から、目的生産物であるアクリロニトリル1トン当たり0.31kg相当の反応中の触媒を抜き出し、また、流動床反応器から外部への触媒の飛散量を上述した方法により測定した。
上記触媒の抜出量及び飛散量を加味した上で、ホッパー10に反応器内に一度も投入されていない未反応(新)触媒をアクリロニトリルの生産量1トン当たり0.42kg相当充填し、供給管11を介して流動床反応器1に投入した。
その後、20日間反応を継続し、ガス出口配管6から出てきたガスを採取し、アクリロニトリル、アクロレインの収率を次のように求めた。生成したアクリロニトリル、アクロレインのモル数を、予め濃度既知のアクリロニトリル、アクロレインのガスをガスクロマトグラフィー(GC:島津製作所社製の製品名「GC2014」)にて分析して検量線を採った後に、アンモ酸化反応によって生成したガスをGCに定量注入し、測定した。測定したアクリロニトリル、アクロレインのモル数から、下記式に従い、アクリロニトリル、アクロレインの収率を求めた。
アクリロニトリルの収率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(供給したプロピレンのモル数)×100
アクロレインの収率(%)=(生成したアクロレインのモル数)/(供給したプロピレンのモル数)×100
(実施例2〜5)
触媒抜出量X、飛散量Y、投入量Zを表1に記載の値に変更した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例1)
反応器からの触媒の抜き出しは行わず、飛散量Y、触媒投入量Zを表1に記載の値に変更した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例2及び3)
飛散量Y、触媒投入量Zを表1に記載の値に変更した以外は比較例1と同様に行った。
本発明のアクリルニトリルの製造方法により、目的物であるアクリロニトリルの収率向上と、不純物であるアクロレインの収率低減を両立することができる。
1…流動床反応器、2…触媒粉末、3…内部空間、3a…希薄層、3b…濃厚層、4…原料供給口、5…分散板、6…排出口、7…サイクロン、7a…入口、8…分散管、9…ガス供給口、10…ホッパー、11:供給管、12…粉末供給口、100…反応装置、A…原料ガス、B…酸素含有ガス、C…反応生成ガス。

Claims (5)

  1. 流動床反応器内で、金属酸化物触媒の存在下、炭化水素を気相接触アンモ酸化反応に供することにより対応するアクリロニトリルを製造する方法であって、
    反応中の触媒を流動床反応器内から抜き出す工程と、
    未反応の触媒を流動床反応器に投入する工程と、
    を含み、
    アクリロニトリルの生成量1トンに対する、前記流動床反応器内から反応中の触媒を抜き出した抜出量をXkgとし、前記流動床反応器内から外部へ飛散した飛散量をYkgとしたとき、以下の式(1)及び(2)を満たし、
    X>0 (1)
    0.1≦X+Y≦1.5 (2)
    アクリロニトリルの生成量1トンに対する、前記未反応の触媒を反応器に投入する投入量をZkgとしたとき、以下の式(3)を満たす、
    0.3≦Z/(X+Y)≦2.5 (3)
    アクリロニトリルの製造方法。
  2. 以下の式(4)
    0.3≦X+Y≦1.0 (4)
    を更に満たす、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記Xが0.1〜1.0である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記Xが0.3〜0.9である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 前記炭化水素がプロピレンである、請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
JP2019108793A 2019-06-11 2019-06-11 アクリロニトリルの製造方法 Pending JP2020200274A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019108793A JP2020200274A (ja) 2019-06-11 2019-06-11 アクリロニトリルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019108793A JP2020200274A (ja) 2019-06-11 2019-06-11 アクリロニトリルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020200274A true JP2020200274A (ja) 2020-12-17

Family

ID=73742432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019108793A Pending JP2020200274A (ja) 2019-06-11 2019-06-11 アクリロニトリルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020200274A (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09187641A (ja) * 1995-11-08 1997-07-22 Mitsubishi Chem Corp 流動床反応器の運転方法
JP2002233768A (ja) * 2001-02-06 2002-08-20 Daiyanitorikkusu Kk アンモ酸化触媒及びそれを用いたニトリル化合物の製法
JP2005194234A (ja) * 2004-01-08 2005-07-21 Daiyanitorikkusu Kk アクリロニトリルの製造方法
JP2005193172A (ja) * 2004-01-08 2005-07-21 Daiyanitorikkusu Kk 流動反応方法およびアクリロニトリルの製造方法
JP2010168331A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Asahi Kasei Chemicals Corp 気相反応方法及び気相反応装置
JP2013136540A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Daiyanitorikkusu Kk 含窒素化合物の製造方法
WO2016147950A1 (ja) * 2015-03-13 2016-09-22 三菱レイヨン株式会社 流動床反応器に触媒を充填する方法及びニトリル化合物の製造方法
JP6427225B1 (ja) * 2017-05-19 2018-11-21 旭化成株式会社 流動層反応装置及びα,β−不飽和ニトリルの製造方法
JP2019031448A (ja) * 2017-08-04 2019-02-28 旭化成株式会社 (メタ)アクリロニトリルの製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09187641A (ja) * 1995-11-08 1997-07-22 Mitsubishi Chem Corp 流動床反応器の運転方法
JP2002233768A (ja) * 2001-02-06 2002-08-20 Daiyanitorikkusu Kk アンモ酸化触媒及びそれを用いたニトリル化合物の製法
JP2005194234A (ja) * 2004-01-08 2005-07-21 Daiyanitorikkusu Kk アクリロニトリルの製造方法
JP2005193172A (ja) * 2004-01-08 2005-07-21 Daiyanitorikkusu Kk 流動反応方法およびアクリロニトリルの製造方法
JP2010168331A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Asahi Kasei Chemicals Corp 気相反応方法及び気相反応装置
JP2013136540A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Daiyanitorikkusu Kk 含窒素化合物の製造方法
WO2016147950A1 (ja) * 2015-03-13 2016-09-22 三菱レイヨン株式会社 流動床反応器に触媒を充填する方法及びニトリル化合物の製造方法
JP6427225B1 (ja) * 2017-05-19 2018-11-21 旭化成株式会社 流動層反応装置及びα,β−不飽和ニトリルの製造方法
JP2019031448A (ja) * 2017-08-04 2019-02-28 旭化成株式会社 (メタ)アクリロニトリルの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101741888B1 (ko) 복합 산화물 촉매 및 그의 제조 방법, 및 불포화 니트릴의 제조 방법
KR101524392B1 (ko) 불포화 니트릴의 제조 방법
JP7352692B2 (ja) 不飽和ニトリルの製造方法
US10894762B2 (en) Process for producing unsaturated nitrile
JP6373523B1 (ja) 化合物の製造方法
JP2020200274A (ja) アクリロニトリルの製造方法
JP6427723B1 (ja) 不飽和ニトリルの製造方法
TWI668204B (zh) Method for producing unsaturated nitrile
JP7294401B2 (ja) 青酸の製造方法及び青酸の製造装置
TWI685380B (zh) 不飽和腈之製造方法
JP4447336B2 (ja) アクリロニトリルの製造方法
WO2022145394A1 (ja) 気相接触アンモ酸化反応用触媒及び気相接触アンモ酸化反応用触媒の製造方法
JP2018187579A (ja) 触媒の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20230516

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230727