JP2002104290A - 飛行機の旅客ドア制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回及びストローク装置を備えた飛行機の旅
客ドア用に、単純かつ極めて安価で、しかも安全要件に
応じた制御装置を使用する。 【解決手段】 旅客ドアが支持アームによって胴体部に
可動に取り付けられ、ストローク及び旋回装置が旅客ド
アを開放状態と閉鎖状態の間で動かし、ロック装置がロ
ック状態を誘引し、制御装置に、ドア機能のためのセン
サとアクチュエータ部材を配設した飛行機の旅客ドアの
制御装置であって、旅客ドアのドア機能の制御装置を１
つのドア機能に割り当てられたセンサ（１１１、１２
１、３１、４１）が次のドア機能への後続切換を制御す
る操作シーケンス制御（３００）を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、旅客ドアが支持ア
ームによって胴体部に可動に取り付けられ、ストローク
及び旋回装置が、この旅客ドアを開放状態と閉鎖状態の
間を案内し、ロック装置がロック状態となるように作用
し、ドア機能用の制御装置にセンサとアクチュエータ手
段が配設された、飛行機の旅客ドア制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＤＥ１９７０２０８４Ｃ１によると、飛
行機の旅客ドアは、旋回動作の終わりに、閉鎖プロセス
中、飛行機の外側輪郭にほぼ沿って湾曲したストローク
動作経路に導かれる。このストローク動作経路は旅客ド
アの旋回方向に対しほぼ垂直である。

【０００３】旋回動作経路の終わり及びストローク動作
経路の始めに、旅客ドアはストローク装置によって下げ
られ、閉鎖状態に案内される。この閉鎖状態は、ドア側
に固定した止め部材と、ドア枠に固定した係止部材の形
状が連結式係合（ｆｏｒｍ−ｌｏｃｋｉｎｇ ｅｎｇａ
ｇｅｍｅｎｔ）に相当する。閉鎖状態では旅客ドアはロ
ック装置によってロックされる。則ち、ロック位置に保
持される。旅客ドア用のロック装置は、旅客ドアのスト
ローク装置および旋回装置とは無関係に作動する。旅客
ドアのロック装置は、設計上、最も単純な場合には、駆
動軸からロック又は拘束位置へ可動のストッパを備え
る。ロックは、例えば回転可能な駆動軸により動作、又
は非動作される。

【０００４】ＥＰ４６５７８５Ａ１は、旅客ドアの操作
手段に独立した電動の駆動装置を提供する概念的な示唆
が開示されている。

【０００５】この電動動作は、既知の自動化コンピュー
タ制御手段により達成される。プログラム制御された電
動モータの組込みは既知である。当業者は、これが対応
する計算プログラムを実行するためのホスト又はマスタ
コンピュータを必要とすることを知っている。これは複
雑且つ費用がかかり、必ずしも必要な解決方法ではな
い。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、旋回
及びストローク装置を備えた飛行機の旅客ドアに、単純
でコスト的に極めて有利でしかも安全要件に応じた制御
装置を使用することにある。また、コンピュータ制御手
段を必要とすることなしに、旅客ドアの開閉プロセスを
シーケンシャルに実行することができることを課題とす
る。さらに、本発明は、従来の課題を克服することがで
き、さらなる利点を備えるものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この課題は、請求項１の
特徴部分に記載の特徴により解決される。旅客ドアは制
御装置によって制御される。この制御装置は、旅客ドア
のドア機能を制御する操作シーケンス制御である。この
操作シーケンス制御では、１つのドア機能に割り当てら
れたセンサが、次のドア機能への後続切換を制御する。
これは、能動的且つ強制的に段階的方法で実行される機
能シーケンスに関連し、その時々に１つのセンサが対応
する１つのドア機能に割り当てられる。このセンサは、
あるドア機能の開始および／または終了を認識し、異な
るドア機能のセンサを作動させる。よって、動作中のド
ア機能のセンサのみが作動状態にあることとなる。

【０００８】一実施形態によればこのセンサは、進んだ
経路または旅客ドアの所定の角度の位置またはストロー
ク及び旋回装置の部材に応じて、後続切換を誘引する。

【０００９】操作シーケンス制御は主に、次のドア機能
への後続切換を監視し、初期化および作動させるセンサ
を必要とする。そのため装置に関する費用が極めて少な
くなる。それと共にこの制御装置は非常に頑丈でほとん
ど故障が起こらない。総じてこの解決法は、コンピュー
タ制御による解決法に比べて非常に安価である。飛行機
の旅客ドアへの使用が企図される。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下に本発明を、実施形態および
図に則して詳しく説明する。

【００１１】旅客ドアは、周知のようにＤＥ１９７０２
０８４Ｃ１に記載されるような構造である。図１に、飛
行機の旅客ドアの閉鎖プロセスを示すシーケンスステッ
プ（ドア機能）を示す。このシーケンスステップは、順
序が逆になると、ドアの開放プロセスを示すものとな
る。

【００１２】閉鎖プロセスは、例えばドアを開放状態１
の最終位置から手動で旋回することにより誘引される。
これは開始位置１００に相当する。閉鎖プロセスの際に
ドアは、旋回装置１１０によって開放状態１から旋回動
作１１の終わりまで案内される。しかし別法として、ボ
タンを押すことによって、これを誘引することもでき、
その結果、電動モータが旅客ドアを旋回する。センサ１
１１が旋回動作の終了を感知する。このセンサは、例え
ば旋回経路の終わりに配設される。もし、このセンサに
旅客ドアが接触すると、ストローク装置１２０を始動さ
せる信号が出力される。それからストローク装置１２０
によって、旋回方向に対してほぼ垂直に進むストローク
動作経路に沿って（下降又は低下に相当する）ストロー
ク動作１２が行われる。旅客ドアは閉鎖状態２へ下降す
る。ストローク動作１２の終わりは、到達した閉鎖状態
２に相当する。センサ１２１はストローク動作１２の終
わりを感知し、それと同時に閉鎖状態２への到達又は実
行を感知する。これは機械的に作用するセンサ、例えば
閉鎖状態２への到達と共に電気接点に押し付けられる可
動ピンでよく、その結果、電流ループ又は回路が開路ま
たは閉路し、ロック装置３０への始動信号が出力され
る。旋回装置１１０とストローク装置１２０は、通常１
つの共通の装置を形成するが、これは必須条件ではな
い。旋回装置１１０とストローク装置１２０は、機械的
または電気機械的に作用する構造群を有し、支持アーム
で支持されるドアが閉鎖状態２に案内される。

【００１３】閉鎖状態２ではドア開口部は閉鎖してい
る。ロック装置３０によってドアのロックが開始され
る。ロックの間、旅客ドアは、閉鎖状態２で胴体部に対
してロックされる。そのために、例えばフックのような
ドアに設けられたロック手段が、フレームに設けられた
係止手段の後側に到達して、旅客ドアを停止又は拘束さ
せる。このロック状態３が、センサ３１によって感知さ
れる。このセンサは信号を出力し、安全装置４０を始動
させる。例えば、拘束手段又は移動止めが安全装置４０
のために駆動軸からの解除を行うので、駆動軸はさらに
回転し、それにより安全手段の位置決めが可能となる。
安全装置の安全手段が、ロック状態４を保持する。それ
により、ロック装置３０の欠陥による、意図しない旅客
ドアの開放を避けることができる。安全装置４０は、ロ
ック装置３０と１つの装置に組み合わせることができ
る。これは同じく機械的または電気機械的に作用するよ
うに設計することもできる。個々の装置の技術的機構を
厳密に分けて設計し配置する必要はない。

【００１４】旅客ドアを閉鎖または開放するための制御
装置は、これらの機能をドア機能２００の確立した順序
（プロセスステップ）で実行し処理しなければならな
い。ドア機能の開始状態および終了状態は、センサ１１
１、１２１、３１、４１により確実に認識され信号とし
て出力される。よって、センサは対応する次のドア機能
を実行するために対応する装置１１０，１２０，３０，
４０を作動又は非作動するための信号を出力する。最も
単純な場合、これは、旅客ドアに付随のピンが例えば可
動ストッパに当たる場合に起こり、位置変化の結果、あ
る装置のアクチュエータ手段に対する力の伝達が解除さ
れ、それにより次のドア機能が実現する。あるドア機能
の次のドア機能への後続切換は、定められた時間または
プロセスによって案内される後続切換条件が満たされた
場合に行われる。そのような後続切換条件の１つは、セ
ンサ１１１、１２１、３１、４１によって出力される信
号に対応する。そのため計算プログラムまたはコンピュ
ータ階層構造を備えたコンピュータは必要ない。この方
法で、制御装置は単純且つ強固で故障が少ないものに設
計することができる。旅客ドアの装置に対する制御装置
は、操作シーケンス制御３００に関連する。操作シーケ
ンス制御３００は、制御ステップのシーケンス操作の連
鎖を表す。装置１１０、１２０、３０、４０は例えばア
クチュエータ手段として電動駆動モータを有することが
でき、この装置は機械的力伝達手段によって動作を誘引
したり、あるいは機械要素をロック状態３または確実な
ロック状態４に導く。電動式調整手段を使用しない場合
には、機械的方法で、開始位置１００から終了位置５０
へ手動レバーで機械的に操作することによりロック状態
３および確実なロック状態４が可能となる。

【００１５】閉鎖過程での他の追加ステップは、非常シ
ュート装置６０の作動により非常シュート６を作動させ
ることである。これはロック状態４とは独立したドア機
能であり、センサ１２１によって閉鎖状態２を認識する
ことで始動される。センサ１２１により作動された非常
シュート装置６０は、非常シュート６を作動状態にす
る。

【００１６】

【発明の効果】本発明では、旋回及びストローク装置を
備えた飛行機の旅客ドアに、単純でコスト的に極めて有
利でしかも安全要件に応じた制御装置を提供することが
できる。また、本発明は、コンピュータ制御手段を必要
することなしに、旅客ドアの開閉プロセスをシーケンシ
ャルに実行することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ドア機能に関連する制御流れを示す図である。

【符号の説明】

１ 開放状態 ２ 閉鎖状態 ３ ロック状態 ４ ロック状態 ６ 非常シュート １１ 旋回動作 １２ ストローク動作 ３０ ロック装置 ３１ センサ ４０ 安全装置 ４１ センサ ５０ 終了位置 ６０ 非常シュート装置 １００ 開始位置 １１０ 旋回装置 １１１ センサ １２０ ストローク装置 １２１ センサ ２００ ドア機能 ３００ 操作シーケンス制御

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 旅客ドアが支持アームにより胴体部に可
   動に取り付けられ、ストローク及び旋回装置（ａ ｐｉ
   ｖｏｔ ａｎｄ ｓｔｒｏｋｅ ａｒｒａｎｇｅｍｅｎ
   ｔ ）が旅客ドアを開放状態と閉鎖状態の間で案内し、
   ロック装置がロック状態となるように作用し、ドア機能
   ( ｄｏｏｒ ｆｕｎｃｔｉｏｎ ) 用の制御装置にセン
   サとアクチュエータ手段が配設された、飛行機の旅客ド
   ア制御装置であって、旅客ドアのドア機能の制御装置が
   操作シーケンス制御（３００）であり、１つのドア機能
   に割り当てられたセンサ（１１１、１２１、３１、４
   １）が次のドア機能への後続切換を誘引することを特徴
   とする飛行機の旅客ドア制御装置。
2. 【請求項２】 センサ（１１１、１２１、３１、４１）
   が、旅客ドアのまたはストローク及び旋回装置（１１
   ０、１２０、３０、４０）の進んだ経路または特定の角
   位置に応じて後続切換を誘引することを特徴とする請求
   項１に記載の飛行機の旅客ドア制御装置。
3. 【請求項３】 飛行機の旅客ドア制御装置において、 旅客機の胴体のドア開口部に取り付けられたドア枠と、 ドアと、 上記ドア枠に対応する上記ドアを可動に接続する少なく
   とも１つの支持アームと、 上記ドア開口において、開口位置から旋回位置（ｐｉｖ
   ｏｔｅｄ−ｉｎｐｏｓｉｔｉｏｎ）にドアを旋回させる
   ようにドアに接続された旋回装置と、 上記ドア開口において、ドアの旋回位置から閉鎖位置ま
   でドアをシフト移動するようにドアに接続されたシフト
   装置と、 ドアが閉鎖位置にある間、上記ドア枠に対応して上記ド
   アがロック状態になるようにロックするロック装置と、 上記ドアの閉鎖位置を検知する第２のセンサと、上記ド
   アの旋回位置を検知する第１のセンサを備える操作シー
   ケンス制御と、を備え、 上記第１のセンサは、上記ドアを上記旋回位置から閉鎖
   位置に移動するように対応する上記ドアの上記旋回位置
   を検知し、 上記第２のセンサは、上記ドアを上記閉鎖位置にロック
   するように対応する上記ドアの上記閉鎖位置を検知する
   ようにしたことを特徴とする飛行機の旅客ドア制御装
   置。
4. 【請求項４】 請求項３のドア制御装置において、さら
   に、上記ドアがロック状態のときに、上記ドアを安全位
   置に保持する安全装置を備え、 上記操作シーケンス制御は、上記ドアの上記ロック状態
   を検知する第３のセンサを備え、上記第３のセンサは、
   上記ドアを安全位置に保持する安全装置を作動するため
   に、対応する上記ドアのロック状態を検知するようにし
   たことを特徴とする飛行機の旅客ドア制御装置。