JP2002103498A - 吸収性物品用の透液性フィルム、前記透液性フィルムを用いた吸収性物品、および前記透液性フィルムの製造方法 - Google Patents
吸収性物品用の透液性フィルム、前記透液性フィルムを用いた吸収性物品、および前記透液性フィルムの製造方法Info
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Abstract
られる開孔フィルムは、表面が改質されていないため、
肌へのべたつき感があり、また蒸気が滞留しやすく蒸れ
感を減少させることに限界がある。 【解決手段】 内部にフィラー13を混合した開孔フィ
ルムの表面に線状の傷14を形成し、傷14の縁部に、
薄い膜状、微細な突起状、微細繊維状などの樹脂の隆起
部14aを形成する。この隆起部14aを設けることで
フィルム表面が改質され、肌への当りが柔らかく、べた
つき感や蒸れ感が生じ難くなる。
Description
使い捨ておむつ、尿取りパッド、パンティライナーなど
の吸収性物品に用いられる透液性フィルム、前記透液性
フィルムを用いた吸収性物品、および前記透液性フィル
ムの製造方法に関する。
吸収性物品の受液側表面材として、開孔フィルムが用い
られているものがある。
を有するスクリーンドラムにオレフィン系などの樹脂フ
ィルムを供給し、熱風により樹脂を軟化させるとともに
スクリーンドラムの内部の吸引圧によって、前記樹脂フ
ィルムに前記ドラム孔に対応した孔を形成し、同時に開
孔の周囲をフィルムの一方の側へ突出させて導液管を形
成している。
側表面材として使用する場合に、フィルム表面が装着者
の肌に密着することで不快感を感じ、またフィルム表面
と肌との間に湿気が溜まることで装着者に蒸れ感を生じ
させるおそれがある。
孔フィルムの表面に細かな凹凸を形成することが行なわ
れている。このような開孔フィルムは、表面に凹凸を有
する成形ロールなどに、溶融または半溶融の状態のフィ
ルムを加圧させ、フィルムそのものを細かな凹凸形状と
なるように成形し、凹凸をフィルムに記憶させる行程に
より形成されているのが一般的である。
成することで、開孔フィルムの表面と装着者の肌との接
触面積を低減させ、これにより肌への密着感を低減し、
またフィルム表面と肌との間での蒸気の滞留を低減させ
ようとしている。
凸形状を記憶させたものでは、フィルム表面そのものを
改質したものではないため、肌への接触面積が低減され
てはいるが、依然として肌と密着しやすく、不快感や蒸
れ感を完全に解消できていなかった。
あり、フィルムの表面を改質することで、肌との密着性
を低減させ、装着者に与える不快感や蒸れ感をさらに低
減できる透液性フィルム、前記透液性フィルムを用いた
吸収性物品、および前記透液性フィルムの製造方法を提
供することを目的としている。
する吸収性物品の受液側に設置される透液性フィルムに
おいて、多数の液透過路が貫通して形成されたフィルム
の表面に、前記表面が裂かれることにより形成された微
細な樹脂片が複数突出形成されていることを特徴とする
ものである。
品の受液側に設置される透液性フィルムにおいて、多数
の液透過路が貫通して形成されたフィルムの表面に、多
数の陥没部が点在しており、前記陥没部の縁部の少なく
とも一部で、樹脂がフィルム表面から隆起していること
を特徴とするものである。
の少なくとも一部分を囲むように前記樹脂が隆起してい
るものである。
も、前記フィルムの表面に、前記表面が裂かれることに
より形成された微細な樹脂片が複数突出形成されている
ことが好ましい。
方向が主として製品の長手方向に延びているものであっ
てもよいし、あるいは、前記表面が裂かれる方向が製品
の各方向へランダムに延びているものであってもよい。
記表面では、樹脂が薄い膜状、微細な突起状、または微
細繊維状の少なくとも1つの形態で突出しているものと
なることが好ましい。
との混合体で形成され、前記フィラーの一部が前記フィ
ルム表面から突出しているものが好ましい。
は、樹脂とフィラーとの混合体で形成され、前記陥没部
には、前記フィラーがフィルム表面から離脱して形成さ
れたものが含まれているものであってもよい。
有する吸収性物品において、前記液吸収層を覆う領域の
表面に前記のいずれかに記載の透液性フィルムが用いら
れていることを特徴とするもの、および/または、液吸
収層を有する吸収性物品において、液吸収層を覆う領域
の両側部に、縦方向へ延びて表面側へ立ち上がり可能な
壁部が設けられ、前記壁部の少なくとも表面が、前記い
ずれかに記載の透液性フィルムで形成されていることを
特徴とするものである。
脂とフィラーとの混合体でフィルムを成形する行程と、
前記フィルムの表面を裂いて、前記表面の少なくとも一
部に、薄い膜状、微細な突起状、または微細繊維状の少
なくとも1つの形態で樹脂を突出させる行程と、前記表
面を裂く行程の前または後の行程で、前記フィルムに多
数の液透過路を貫通させる行程と、を有することを特徴
とするものである。
法は、樹脂とフィラーとの混合体でフィルムを成形する
行程と、前記フィルムの表面に多数の突起を摺動させ
て、前記フィルムの表面に陥没部を点在させると共に、
前記陥没部の縁部に樹脂を隆起させる行程と、前記陥没
部を形成する行程の前または後の行程で、前記フィルム
に多数の液透過路を貫通させる行程と、を有することを
特徴とするものである。
に突起を摺動させる際に、フィルムの表面に突出する前
記フィラーを剥ぎ取ることで、前記陥没部を形成するこ
とも可能である。
の表面を裂くことで、前記表面に傷またはき裂などを形
成し、あるいは前記表面に点在する陥没部を形成し、前
記傷、き裂、または陥没部の周囲に、樹脂を隆起させる
ことで、フィルムの表面そのものを改質している。前記
樹脂の隆起は、薄い膜、微細な突起、または微細な繊維
状であるため、肌への密着感をきわめて低減でき、装着
者の不快感や蒸れ感を低減できる。
たはき裂と、陥没部の双方を形成することで、さらに肌
への当りを柔らかくでき、また蒸れ感を低減できる。
例として生理用ナプキンを縦方向を二分する中央の切断
線で切断した断面図である。
性の裏面シート2の上面の中央領域に吸収性コア3が設
置されており、この吸収性コア3の表面が表面シート4
により覆われている。生理用ナプキン1の受液側表面の
左右両側部にはサイドシート5,5が設けられている。
このサイドシート5,5は、左右両側部において前記裏
面シート2と接合されており、さらに吸収性コア3の左
右外側で折り曲げられて、防漏壁6,6が形成されてい
る。そして前記防漏壁6,6を構成するために2つ折り
された前記サイドシート5,5は、前記表面シート4の
左右両側部の上面に接合されている。
(Y方向)に延びる弾性部材7が接合されている。この
弾性部材7の収縮力により、生理用ナプキン1は縦方向
へ向けて湾曲形状を成し、その結果、防漏壁6は生理用
ナプキン1の受液側表面から立ち上がることが可能とな
る。
性コア3が設けられている幅W1の領域が吸収領域、前
記吸収性コア3の左右両縁部よりも所定寸法内側に位置
している幅W2の領域が中央領域、前記吸収性コア3の
左右両縁部よりも外側で、表面シート4の左右両縁部ま
での幅W3の領域が非吸収領域である。
シート4または、前記サイドシート5の少なくとも防漏
壁6を形成している部分が、以下に説明する透液性フィ
ルム10Aまたは10Bにより形成されている。あるい
は表面シート4と前記防漏壁6を形成している部分の双
方が透液性フィルム10Aまたは10Bによって形成さ
れている。
フィルムや、疎水性の不織布、好ましくは撥水処理され
たスパンボンド、ポイントボンド、メルトブロン、サー
マルボンドなどの不織布で形成されている。また、前記
吸収性コア3はパルプなどの吸収性素材と高吸収性樹脂
などで形成されている。また、前記サイドシート5は、
前記透液性フィルム10Aまたは10Bで形成されない
場合には、疎水性の不織布、好ましくは撥水処理された
不織布で形成される。
である透液性フィルム10Aと10Bをそれぞれ示す拡
大斜視図、図4と図5はさらに前記透液性フィルムの表
面を拡大して示す斜視図である。
図3に示す透液性フィルム10Bは、そのX方向が、フ
ィルム成形行程や表面改質行程の際の流れ方向(MD)
であってもよいし、前記X方向と直交する方向が前記流
れ方向(MD)であってもよい。また図1に示す生理用
ナプキン1に使用された場合に、前記X方向が生理用ナ
プキン1の縦方向(Y方向)と一致していてもよいし、
前記X方向が前記縦方向と直交する向きに設置されても
よい。
A,10Bには、フィルムを貫通する液透過路となる多
数の開孔11が形成されている。この開孔11は規則的
または不規則に配列して形成されたものであり、開孔1
1の周囲にはフィルムの下面方向へ突出する導液管12
が形成されている。そして前記導液管12の開口端12
aは、吸収性コア3側に向けられており、また吸収性コ
ア3に向かうにしたがって径が小さくなるテーパ形状で
ある。
は、0.3〜1.0mmであり、この範囲であれば、吸
収性コア3に吸収された液体のフィルム表面への逆戻り
を防止しやすい。また、個々の開孔11の面積は0.1
25〜1.766mm2の範囲で、開孔11の占有面積
率は25〜70%が好ましく、さらに40〜65%が好
ましい。個々の開孔11の面積が前記範囲で且つ占有面
積率が前記範囲であると、フィルム表面に与えられた液
体を吸収性コア3に透過させやすくなり、また吸収性コ
ア3に吸収された液体のフィルム表面への逆戻りを防止
しやすい。
レフィン系樹脂で形成されており、エチレン、プロピレ
ンの重合体または共重合体から選ばれたものあるいはそ
の混合物である。例えば前記オレフィン系樹脂は、LD
PE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(超低密度ポ
リエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)あるい
はこれらの混合物により形成可能である。
0.925g/cm3である。またスクリーンドラムで
開孔11を安定して成形できるための最適なメルトフロ
ーレートは4〜20g/10分が好ましい。
ルム10A,10Bには、多数のフィラー13が混合さ
れている。このフィラー13は、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、燐酸カルシウム、タルク、シリカ、ベントナ
イトなどから選ばれた無機フィラーが好ましく、不溶性
であり、樹脂を溶融押出ししてフィルムを成形する際の
溶融温度により樹脂内において溶融または軟化しないも
のが使用される。
3に示す透液性フィルム10Bは、前記導液管12が延
びる方向と逆側の表面を引っ掻いて裂くことで、X方向
へ線状に延びる多数の傷14が形成されている。この傷
14は、フィルム表面を引っ掻くように粗削りすること
で形成されるものであり、その深さはフィルム表面から
わずかであってもよいし、フィルムの厚みの中間部分ま
でき裂状に深く形成されたものであってもよい。
縁部の少なくとも一部には、フィルム表面の樹脂がめく
り上げられて持ち上げられた隆起部14aが形成されて
いる。前記傷14は、フィルムよりも硬質な突起でフィ
ルム表面をX方向へ擦ることにより形成されるもので、
この際、線状の傷14がフィルムの表面内に食い込むよ
うにして形成され、このとき傷14の縁部の樹脂が表面
方向へ捲られる。
い膜状、微細な突起状、あるいは微細繊維状(フィブリ
ル状)、またはこれらが組み合わされた状態で突出して
いる。透液性フィルム10Aまたは透液性フィルム10
Bの表面に、前記のように薄い膜状、微細な突起状、あ
るいは微細繊維状(フィブリル状)の隆起部14aが形
成されていると、この隆起部14aが軟質であるため、
装着者の肌に当たったときの感触が柔らかく、布との当
りのような感触を得ることができ、従来のフィルム表面
との接触に比べて密着感が生じ難い。また、フィルム表
面と肌との間に残る水分や蒸気は、線状に延びる傷14
内を通過して移動することで蒸発しやすくなる。よって
蒸れ感も低減できる。
ム10A,10Bの表面にはフィラー13の一部が突出
している。このようにフィラー13の一部がフィルム表
面から突出していると、装着者の肌に与えるフィルムの
べたつき感をさらに低減できる。また前記フィラー13
として、吸着性の多孔質無機充填剤を使用すると、フィ
ラー13が吸湿性を持つようになり、さらに蒸れ感を低
減できる。
に混合されていると、フィルムの伸度が低下する。よっ
て表面に傷14を与えたときに、図4において符号16
で示す箇所のように、フィラー13と樹脂との間が分離
することで、深い傷やき裂が形成されやすく、その結果
傷14の周囲に高く隆起する隆起部14aを形成しやす
くなる。
は、フィルム表面に、前記傷14(またはき裂)と共
に、多数の陥没部15が点在して形成されている。この
陥没部15は、フィルム表面に突起を押し当てた圧痕で
形成されており、陥没部15の平均最大径(個々の陥没
部の最大径の平均値)および平均深さは、傷14の平均
最大幅寸法(個々の傷の最大幅の平均値)および平均深
さよりも大きくなっている。前記圧痕で陥没部15が形
成されると、陥没部15の縁部に、少なくとも陥没部1
5の一部を囲むように隆起部15aが形成されている。
この隆起部15aは陥没部15の縁部が盛り上がって形
成されたものであり、山状に盛り上がっている部分もあ
り、または薄い膜状や微細な突起状に隆起している部分
もある。
は、フィルム表面に一部が露出しているフィラー13ま
たはフィルムの表面近くに埋没しているフィラー13が
剥ぎ取られることにより陥没部15が形成されている。
そしてフィラー13がフィルム表面から剥ぎ取られる際
に、フィルム表面の樹脂が捲くれ上げられて、陥没部1
5の周囲を囲むように薄い膜状の隆起部15aが形成さ
れている。
部15を設け、陥没部15の周囲から隆起する隆起部1
5aを形成すると、肌への当りが柔らかくなる。なお、
図3に示す透液性フィルム10Bでは、前記傷14と前
記陥没部15の双方が形成されているため、フィルム表
面の改質度が高くなり、肌への当りが非常に柔らかくな
る。なお、図2に示す透液性フィルム10Aのようにフ
ィルム表面に傷14のみが形成されていてもよいし、ま
たはフィルム表面に、陥没部15のみを点在させてもよ
い。
μmであることが好ましく、さらに1〜20μmが好ま
しく、さらに好ましくは2〜10μmである。フィラー
の平均粒径が1μm以上であれば、フィルム表面で、フ
ィラー13と樹脂との間が分離しやすくなり、深い傷1
4(またはき裂)が形成されやすい。また1μm以上で
あると、フィラー13がフィルム表面から剥ぎ取られた
ときに陥没部15の周囲に薄い膜状の隆起部15aを形
成しやすい。フィラー13の平均粒径が30μmを越え
ると、フィラーの分散密度が低下し、傷14をフィラー
13と隣接して形成できる確率が低下し、またフィラー
13を剥ぎ取って陥没部15を形成できる確率が低下す
る。
は5〜65質量%であることが好ましい。さらには15
〜65質量%が好ましく、さらに好ましくは30〜60
質量%である。この範囲であると、フィルム表面にフィ
ラー13が露出しやすく、傷14をフィラー13と樹脂
との境界部に形成しやすく、またフィラー13を剥ぎ取
って陥没部15を形成できる確率が高くなる。また多く
のフィラー13がフィルム表面に露出して、肌とのフィ
ルム表面との接触確率を低減でき、べたつき感を低減で
きる。
白色化して、吸収性コア3に吸収された経血などの色を
隠蔽するために、染料物質を含ませることができる。こ
の染料物質の平均粒径は0.1〜0.5μmであり、そ
の含有量は、2〜7質量%である。また、透液性フィル
ム10A,10Bの全体の坪量は、開孔11の成形性を
良好にするために、20〜60g/m2が好ましく、さ
らに好ましくは25〜40g/m2である。
に、樹脂内にフィラー13を混合させることにより、フ
ィルム表面に前記傷14や陥没部15を形成しやすくな
るが、前記傷14、陥没部15を効果的に形成するため
には、フィラー13が少なくともフィルム表面側の層内
に位置していればよい。
押出し行程によって形成した多層フィルムとし、表面に
現れる表面層にのみフィラー13を含ませ、または表面
層でのフィラー13の含有率を、それ以外の層でのフィ
ラーの含有率よりも多くしてもよい。樹脂フィルムに多
くのフィラーを含ませると、引張り強度や伸度が低下す
るが、多層フィルムを用い、2層の場合の裏面層や、3
層での中間層と裏面層にフィラーを含ませず、または裏
面層などに少量のフィラーのみを含ませることで、フィ
ルム全体の引張り強度や伸度の低下を防止できる。その
結果、装着者の肌圧が与えられたときに、開孔11の周
囲の導液管12の潰れを抑制したり、また開孔11と開
孔11との間の樹脂のリブ部18の破断も防止しやす
い。さらに裏面層などが十分な伸度を有するため、肌と
の摩擦が与えられたときに透液性フィルムが柔らかく追
従して変形し、肌への刺激を与え難くなる。
可塑性樹脂により形成してフィラー13を5〜65質量
%含ませ、裏面層や中間層をフィラーを含ませないオレ
フィン系などの熱可塑性樹脂で形成することが可能であ
るが、透液性フィルム全体を柔軟性や弾性に富むものと
するために、前記裏面層または中間層を、SEBS、S
IS、ウレタン、SEEPSなどの合成エラストマー樹
脂で形成し、あるいは低密度のオレフィン系樹脂である
LDPE,LLDPE(密度0.88〜0.90g/c
m3)から選ばれる1種以上の樹脂で形成することが好
ましい。
みは、シート全体の1/2〜1/5が好ましく、フィル
ム全体の膜厚は20〜40μmが好ましい。
脂として、フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸、またはコハク酸、アジ
ピン酸等の脂肪族カルボン酸、あるいはエチレングリコ
ール、プロピレングリコール等の脂肪族ジオール等の1
種以上の樹脂をハード成分とし、ポリエーテル、脂肪族
ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレン
アジペート等の1種以上の樹脂をソフト成分とし、前記
ハード成分とソフト成分とのブロック共重合ポリエステ
ル樹脂で形成することもできる。前記ブロック共重合ポ
リエステル樹脂は、透湿性樹脂として使用することがで
きる。
0Bの製造方法の一例を示している。この行程では、樹
脂材料の溶融押出し機および成形ダイを有するフィルム
成形部21によって、オレフィン系樹脂などによるフィ
ルム10aが形成される。
ル22と23の周面を摺動させる。前記面粗しロール2
2と23は、フィルム10aの流れ方向(MD)に対し
て周面が逆向きに移動するように逆向きに100〜10
00rpmの回転数で回転させる。
に示すように、ロール周面に比較的細かな鉱物などの硬
質粒子22aが接着剤などで固定されて、サンドペーパ
状の多数の突起が形成されている。第1段の面粗しロー
ル22の硬質粒子22aがフィルム10aの表面を摺動
することにより、図4に示すようにフィルム10aの表
面に傷14を形成して、傷の縁部に隆起部14aを形成
することができる。前記傷14の縁部に、薄い膜状、微
細な突起状、微細繊維状の隆起部14aを形成するため
には、前記硬質粒子22aの平均粒径は10〜100μ
mが好ましく、形成される傷14の平均最大幅は5〜1
00μmが好ましい。
(B)に示すように、ロール周面に前記硬質粒子22a
よりも径が大きく、また密度が粗く配置された鉱物など
の硬質粒子23aが接着などで固定されて、比較的大き
な多数の突起が形成されている。
に摺動させると、フィルム表面に、図4に示す傷14よ
りもさらに深い傷が形成され、あるいは図5に示すよう
に硬質粒子23aが樹脂表面に食い込んで、陥没部15
が形成され、同時に陥没部15の周囲に隆起部15aが
形成される。また、フィルム表面または表面近くに存在
しているフィラー13が硬質粒子23aにより剥ぎ取ら
れることによっても前記陥没部15が形成される。この
ような陥没部15を形成するためには、硬質粒子23a
の平均粒径が100〜700μmであることが好まし
く、形成される隆起部15aの平均最大径は90〜70
0μmである。
成し、特に前記陥没部15を確実に形成するためには、
面粗しロール22と23を摺動させるフィルムに80〜
130℃の予熱を与えて樹脂を軟化させておくことが好
ましい。
3により表面が粗面化された面粗しフィルム10bが、
スクリーンドラム24に供給される。図8に示すよう
に、前記スクリーンドラム24には、開孔11の配置パ
ターンに対応する成形孔24aが形成されている。スク
リーンドラム24の周囲に供給された面粗しフィルム1
0bは、熱風により加熱され、またスクリーンドラム2
4の内からの吸引圧により成形孔24a内に引かれ、開
孔11および導液管12が形成され、透液性フィルム1
0A,10Bが得られる。
管12を形成した後に、前記面粗しロール22と23に
より、フィルム表面を粗面化してもよい。
ル23を除去すれば、図2に示すように傷14のみが形
成された透液性フィルム10Aを得ることができ、図6
において、第1段の面粗しロール22を除去すれば、表
面に陥没部15のみを有する透液性フィルムを得ること
ができる。また前記第1段の面粗しロール22として、
表面が梨地状に粗された硬質金属のロールを用いてもよ
い。
クリーンドラム24により、テーパ形状の導液管12を
形成するものに限られず、例えばエンボスロールをフィ
ルムに押し当て、フィルムにエンボスを加圧して、開孔
および導液管を形成してもよい。またはフィルムに細か
なスリットを形成して後にフィルムを横方向(CD)に
拡幅し、ネット状に形成して多数の目を開孔させて液透
過路を形成するものであってもよい。
部15は、図1に示す生理用ナプキン1の表面シート4
の中央領域(幅W2)のみに形成し、または液吸収領域
(幅W1)のみに形成して、非吸収領域W3に形成しな
くてもよい。
で形成することに限られるものではなく、表面に多数の
突起を有する平面的なサンドペーパのようなものを用
い、フィルム表面を平面的に多方向へ裂くことで形成す
ることもできる。この場合、傷14はランダムな方向に
向けて形成され、またはジグザク状や曲線状に傷14が
形成されるものもある。
ンのみならず、使い捨ておむつまたは尿取りパッド、さ
らにはパンティライナーの表面材として使用することが
可能である。
に用いられる透液性フィルムは、フィルム表面を改質し
ているため、肌への当りが柔らかく、また蒸気の滞留を
抑制して、肌へのべたつき感の少ないものにできる。
図、
図、
図、
Claims (14)
- 【請求項1】 液吸収層を有する吸収性物品の受液側に
設置される透液性フィルムにおいて、 多数の液透過路が貫通して形成されたフィルムの表面
に、前記表面が裂かれることにより形成された微細な樹
脂片が複数突出形成されていることを特徴とする透液性
フィルム。 - 【請求項2】 液吸収層を有する吸収性物品の受液側に
設置される透液性フィルムにおいて、 多数の液透過路が貫通して形成されたフィルムの表面
に、多数の陥没部が点在しており、前記陥没部の縁部の
少なくとも一部で、樹脂がフィルム表面から隆起してい
ることを特徴とする透液性フィルム。 - 【請求項3】 前記陥没部の縁部では、前記陥没部の少
なくとも一部分を囲むように前記樹脂が隆起している請
求項2記載の透液性フィルム。 - 【請求項4】 前記フィルムの表面に、前記表面が裂か
れることにより形成された微細な樹脂片が複数突出形成
されている請求項2または3記載の透液性フィルム。 - 【請求項5】 前記表面が裂かれる方向が主として製品
の長手方向に延びている請求項1または4記載の透液性
フィルム。 - 【請求項6】 前記表面が裂かれる方向が製品の各方向
へランダムに延びている請求項1または4記載の透液性
フィルム。 - 【請求項7】 前記表面が裂かれることにより、前記表
面では、樹脂が薄い膜状、微細な突起状、または微細繊
維状の少なくとも1つの形態で突出している請求項1,
4,5,6のいずれかに記載の透液性フィルム。 - 【請求項8】 前記フィルムは、樹脂とフィラーとの混
合体で形成され、前記フィラーの一部が前記フィルム表
面から突出している請求項1ないし7のいずれかに記載
の透液性フィルム。 - 【請求項9】 前記フィルムは、樹脂とフィラーとの混
合体で形成され、前記陥没部には、前記フィラーがフィ
ルム表面から離脱して形成されたものが含まれている請
求項2ないし4のいずれかに記載の透液性フィルム。 - 【請求項10】 液吸収層を有する吸収性物品におい
て、前記液吸収層を覆う領域の表面に請求項1ないし9
のいずれかに記載の透液性フィルムが用いられているこ
とを特徴とする吸収性物品。 - 【請求項11】 液吸収層を有する吸収性物品におい
て、液吸収層を覆う領域の両側部に、縦方向へ延びて表
面側へ立ち上がり可能な壁部が設けられ、前記壁部の少
なくとも表面が、請求項1ないし9のいずれかに記載の
透液性フィルムで形成されていることを特徴とする吸収
性物品。 - 【請求項12】 樹脂とフィラーとの混合体でフィルム
を成形する行程と、 前記フィルムの表面を裂いて、前記表面の少なくとも一
部に、薄い膜状、微細な突起状、または微細繊維状の少
なくとも1つの形態で樹脂を突出させる行程と、 前記表面を裂く行程の前または後の行程で、前記フィル
ムに多数の液透過路を貫通させる行程と、 を有することを特徴とする透液性フィルムの製造方法。 - 【請求項13】 樹脂とフィラーとの混合体でフィルム
を成形する行程と、 前記フィルムの表面に多数の突起を摺動させて、前記フ
ィルムの表面に陥没部を点在させると共に、前記陥没部
の縁部に樹脂を隆起させる行程と、 前記陥没部を形成する行程の前または後の行程で、前記
フィルムに多数の液透過路を貫通させる行程と、 を有することを特徴とする透液性フィルムの製造方法。 - 【請求項14】 前記フィルムの表面に突起を摺動させ
る際に、フィルムの表面に突出する前記フィラーを剥ぎ
取ることで、前記陥没部を形成する請求項13記載の透
液性フィルムの製造方法。
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