WO2005099641A1

WO2005099641A1 - 生理用ナプキン

Info

Publication number: WO2005099641A1
Application number: PCT/JP2005/006750
Authority: WO
Inventors: Wataru Yoshimasa; Yuuki Noda; Megumi Tokumoto; Noritatsu Tamagawa
Original assignee: Uni-Charm Corporation
Priority date: 2004-04-15
Filing date: 2005-04-06
Publication date: 2005-10-27
Also published as: JP2005296481A; JP4738754B2; TW200534832A; US20050234418A1

Abstract

【課題】　経血の吸収速度が高く、また加圧時の肌側表面への経血の戻りが少なく、また液吸収層に吸収されて経血の色が肌側表面から目立ちにくい生理用ナプキンを得る。【解決手段】　表面シート５は多数の液透過孔５ａを有する樹脂フィルムで形成されており、表面シート５と液吸収層７との間には、樹脂フィルムで細幅に形成されたバリヤー材１１が多数介在している。バリヤー材１１は帯状に形成され、隣り合うバリヤー材１１の間に空隙１２が形成されている。表面シート５の液透過孔５ａを透過した経血は、前記空隙１２を通過して液吸収層７に吸収されるようになる。またバリヤー材１１が液の戻りを防止し、また経血の色を隠蔽するように機能する。

Description

明細書

生理用ナプキン

技術分野

[0001] 本発明は、横漏れ防止効果が高く且つ液吸収層に吸収された経血の色の隠蔽効果の高い生理用ナプキンに係わる。本発明は特に、与えられた液体を表面シート下で縦方向に拡散させ、液吸収層へ速やかに吸収させる生理用ナプキンに関する。背景技術

[0002] 生理用ナプキンは一般に、液透過性の表面シート、裏面シート、及び表面シートと裏面シートの間に配置された液吸収層（吸収コア)からなる。生理用ナプキンには、経血が速やかに吸収されること、与えられた液の横方向への洩れが生じにく!、こと、液吸収層に吸収された経血が表面シート肌側表面に戻りにく、ことなどが要求され、さらに液吸収層に吸収された経血の色が外から見えにくいことが好まれて、る。これらの要求を満たすために、様々な構造の表面シートや表面シートと液吸収層の間に配置されるその他の部材が開発されてきた。

[0003] 以下の特許文献 1には、液体の取り入れを容易とし、且つ表面シート肌側表面に液が戻りにくぐさらに液体の色の隠蔽機能を向上させることを目的とした生理用ナプキンが開示されている。すなわち特許文献 1に記載の生理用ナプキンは、肌側表面に位置する第 1通過層（表面シート）が個々の開孔面積が 1. 4〜3. 0mm²の大きな開孔が形成された榭脂フィルムであり、第 1通過層の下に位置する第 2通過層が、空隙率の高い高ロフト弾性繊維材料により形成されている。また発明と対照させる構造として、同じ第 1通過層が用いられて、るものの第 2通過層は小さ、開孔の形成された榭脂フィルムで置き換えられて、るものが開示されて、る。

[0004] 以下の特許文献 2には、表面シートと液吸収層との間に倦縮繊維の集合体を介在させた生理用ナプキンが開示されている。前記倦縮繊維は互いに絡み合って所定の弾性率を発揮できるようにしている。表面シートと液吸収層との間に前記倦縮繊維の集合体が存在することで、生理用ナプキンは膣口に合致しやすくなる。

[0005] また、以下の特許文献 3の図 11および図 12には、生理用ナプキン縦方向に延びて且つ着用者の肌に向けて隆起した一対の肌当接部を有する生理用ナプキンが開示されている。前記各肌当接部では、表面シートと液吸収層との間に、 TOWから開繊された連続繊維の束がその繊維長方向を前記縦方向に合わせた状態で配置されている。この発明では、女性の股間部に当接するものとされた一対の肌当接部がクッシヨン性を有する。また膣ロカ排泄された経血を前記肌当接部と肌当接部との間の溝部で受け止めて液吸収層に吸収させることができるため、生理用ナプキンの肌側表面において前記経血が横方向へ流れるのを阻止し、経血の横漏れを防止できるというものである。

特許文献 1：特表平 11― 507573号公報

特許文献 2：特開 2001 - 340382号公報

特許文献 3：特開 2002 - 345887号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 前記特許文献 1に記載の発明では、大きな開孔によって第 1通過層の液透過性が高められ、繊維材料でできた第 2通過層が第 1通過層と液吸収層の間に配置されている。よって肌側表面に体圧が作用したときに、液吸収層に吸収されている経血が、前記第 2通過層を透過しさらに大きな開孔を通じて第 1通過層の肌側表面に戻りやすい。また、第 2通過層の空隙内に経血が保持可能となっているため、第 1通過層の大きな開孔を通して前記経血の色が外力見えてしまう。

[0007] また、前記特許文献 1に記載された対照構造では、第 1通過層の下に、第 2通過層として小さな開孔が形成された榭脂フィルムが配置されて、る。この第 2通過層により、液吸収層に吸収された経血の色を外力見えにくくすることが可能と考えられる。し力しながら、この第 2通過層はまた、第 1通過層を通過した後に液吸収層へと向かう経血に対して抵抗物として作用する。そのため、第 1通過層と第 2通過層との間に経血が滞留しやすぐ滞留した経血は第 1通過層と第 2通過層の間の面に沿って広がりやすい。そのために横洩れを生じさせやすくなつている。さらには滞留した経血が大きな開孔を通じて第 1通過層の肌側表面に戻りやすい。

[0008] 一方、前記特許文献 2に記載の生理用ナプキンでは、倦縮繊維の集合体が肌側表面を身体の形状に合わせて変形しやすくするものである力経血を液吸収層に浸透させやすぐまた液吸収層力肌側表面への液の戻りを阻止できる機能については特に開示されていない。表面シートの下に設けられた倦縮繊維の集合体は、表面シートを透過した比較的粘度の高、経血の凝集体を倦縮繊維が断ち切るように作用し、その結果、経血が液吸収層に向けて移行しに《なる心配がある。

[0009] 前記特許文献 3に記載の生理用ナプキンでは、一対の前記肌隆起部が、その間に位置する溝部に沿って経血を導くように設けられている。し力しながら、液吸収層へと経血を移行させる効果が高くなるものとして個々の肌当接部が作られている訳ではない。

[0010] 本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、比較的粘度の高い経血を速や力に取り込むことができ、横方向への拡散防止機能ならびに経血の色の隠蔽機能の高、生理用ナプキンを提供することを目的として!/、る。

課題を解決するための手段

[0011] 本発明は、着用者の膣口に対向する液透過性の表面シートと、

前記表面シートの反対側に位置する裏面シートと、

前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置された液吸収層とを有する生理用ナプキンにおいて、

前記表面シートと前記液吸収層との間に、複数のバリヤー材がさらに設けられ、個々の前記バリヤー材は、生理用ナプキン縦方向に延びており、平坦な断面を有し、その主表面の一方が表面シートに向けられ且つ合成樹脂製であり、

前記バリヤー材は、空隙力 Sバリヤー材間に残り前記液吸収層に通じるように重ねられていることを特徴とするものである。好ましくは、前記バリヤー材は互いに結合されていないものである。

[0012] 本発明の生理用ナプキンでは、表面シートの下に設けられた前記バリヤー材力液吸収層力表面シートへの液の戻りを防止し、且つ液吸収層に吸収された経血の色を隠蔽するものとして機能する。また、縦方向に延びるバリヤー材間の空隙により、表面シートを透過した経血が前記空隙に沿って縦方向に拡散しながら液吸収層に吸収される。したがって、経血を液吸収層に速やかに移行できる。これはまた経血の横方向への拡散を防止し、経血の横漏れ防止効果を高くする。

[0013] また、前記各バリヤー材の少なくとも肌側表面が榭脂製であるため、体圧で変形したときに弾性復元力を発揮できる。よって、経血が通過可能なように空隙が維持される。

[0014] 好ましくは、前記ノリヤー材はその一部が前記表面シートと結合されているものである。この構造により、たとえ生理用ナプキンに体圧が作用しても表面シート下でバリヤー材が位置ずれを起こしにくい。よって前記バリヤ一材の積層体内に前記空隙が適度に分散し、経血透過性を効果的に維持できるようになる。

[0015] 前記バリヤ一材の積層体内に前記空隙が適度に分散するように、好ましくは、前記ノリヤー材が蛇行または倦縮しているものである。

[0016] 好ましくは、前記バリヤー材の平坦な断面は、幅寸法が 0. l〜5mmであり、厚みが 0. 02〜3. Ommである。

[0017] 好ましくは、前記表面シートは、榭脂製の肌側表面および複数の液透過孔を有しており、前記バリヤー材の平坦な断面は、幅寸法が、前記液透過孔の生理用ナプキン横方向に測った開孔寸法よりも小さいものである。この構造においては、液透過孔がノリヤー層で完全に塞がれることがないため、表面シートから液吸収層へと経血が容易に移行可能となる。

[0018] 液吸収層に吸収されている経血の色を外部力も見えにくくする効果をさらに高めるために、好ましくは、前記バリヤー材は白色化処理されている。

発明を実施するための最良の形態

[0019] ここで生理用ナプキンおよびその各要素には 2つの主表面がある力そのうち着用者の股間に向けて着用される表面を「肌側表面」と呼び、反対側の表面を「着衣側表面」と呼ぶ。

[0020] 図 1は本発明の第 1の実施の形態の生理用ナプキン 1を肌側表面を手前に向けて示す平面図、図 2は図 1の II II線の断面図、図 3は表面シートとバリヤ一材が液吸収層上にどのように配置されているかを模式的に示す部分斜視図、図 4は図 2の部分拡大図である。

[0021] 図 1に示すように、生理用ナプキン 1は、 Y方向（縦方向）に長く縦方向中心線 Oyを介して左右対称形状である本体部を有する。本体部は前縁部 laと後縁部 lbを有し、これらはそれぞれ前後に向け湾曲（突出）している。本体部の左右両側部からはウイング部 2, 2が外方向に突出している。このウィング部 2, 2は、横方向中心線 Oxと同心ではなぐ後縁部 lbよりも前縁部 la側に近い位置に設けられている。本体部は、ゥイング部 2, 2よりも前方には、前方右縁部 lcと前方左縁部 Idを、ウィング部 2, 2よりも後方には、後方右縁部 leと後方左縁部 Ifを有している。

[0022] 図 2に示すように、この生理用ナプキン 1は基本的には、生理用ナプキン 1の肌側表面に現れる液透過性の表面シート 5、生理用ナプキン 1の着衣側表面に現れる液遮断性の裏面シート 6、および前記表面シート 5と前記裏面シート 6との間に配置された液吸収層 7からなる。図 1において破線で示すように、液吸収層 7は、前方に湾曲（突出）し生理用ナプキン 1の前縁部 laから内側に離間した前縁部 7aと、後方に湾曲 (突出）し生理用ナプキン 1の後縁部 lbから内側に離間した後縁部 7bとを有している。また液吸収層 7は、生理用ナプキン 1の前方右縁部 lcおよび後方右縁部 leから内側に離間した右縁部 7cと、生理用ナプキン 1の前方左縁部 Idおよび後方左縁部 If から内側に離間した左縁部 7dとを有している。前記液吸収層 7の外側では、前記表面シート 5と裏面シート 6とがホットメルト型接着剤で接着されている。

[0023] 必要であれば、生理用ナプキン 1の肌側表面において、縦方向中心線 Oyから所定距離を空けて、左右両側を覆うように追加の液不透過性の側部シートが設けられていてもよい。またこの側部シートによって、縦方向に延びて肌側表面から立ち上がる防漏壁 (カフ）が形成されてヽてもよヽ。

[0024] この生理用ナプキン 1では破線で囲まれた領域を主受液領域 10と称する。主受液領域 10は、図 1に示すように、縦方向中心線 Oyと横方向中心線 Oxの両方に関して対称であり、長さ寸法 L1と幅寸法 W1を有する。この主受液領域 10では、表面シート 5と液吸収層 7との間にノリヤー材 11が配置されている。

[0025] 図 3に示すように、前記バリヤー材 11は、幅寸法が Waで、前記主受液領域 10の長さ寸法 L1にわたつて連続して延びる榭脂フィルムの短冊片である。必要なら個々のノリヤー材 11が前記主受液領域 10の長さ寸法 L1よりも短くてもよい。

[0026] 前記ノ^;ヤー材 11は、表面シート 5と液吸収層 7との間において、生理用ナプキン 1 の z方向（厚さ方向）に重ねられ多層構造とされている。特に明記しない限り、このように重ねられたノリヤー材 11どうしは結合されて、な、状態のままである。

[0027] ノリヤー材 11の間には、多数の空隙 12が形成されている。個々のバリヤー材 11が全体としては Y方向に向けて延びて!/ヽるため、個々の空隙 12も Y方向に細長くなつている。前記空隙 12は、表面シート 5から液吸収層 7へと経血が移行する経路を提供する。なお、空隙 12のうちの一部は、ノリヤー材 11の積層体を Z方向に貫通する貫通孔をもたらし、表面シート 5から液吸収層 7に向けての経血の直接的な移行を可能とする。より詳しくは、図 3に示すように、個々のノリヤー材 11は Y方向に平行な直線的な短冊片ではなぐ湾曲部（突出部） 11aが Y方向にランダムに繰り返される蛇行した短冊片である。湾曲部 11aは空隙 12による空隙率を高めるのに役立つ。

[0028] 個々のバリヤー材 11の幅寸法 Waは 0. 1〜5. Ommの範囲であり、好ましくは 0. 5 〜3. Ommの範囲である。前記範囲であると、表面シート 5から液吸収層 7への経血の移行をバリヤー材 11が阻害しな、。

[0029] 個々のバリヤー材 11の厚みは 0. 02〜3. Ommの範囲であり、好ましくは 0. 5〜2.

Ommの範囲である。生理用ナプキン 1の肌側表面に体圧が作用するとバリヤー材 1 1が変形して空隙 12が消えることがある。しかしながら個々のバリヤー材 11の厚みが前記範囲内であると、前記体圧が緩和されたときに、変形したバリヤー材 11が弾性復元力により元の状態に戻りやすくなる。

[0030] 前記主受液領域 10における前記表面シート 5の着衣側表面と前記液吸収層 7の肌側表面の間の空間に対する前記空隙 12の体積比、すなわち前記空隙 12による前記ノリヤー材 11の積層体の空隙率は、 20%以上で 100%未満の範囲である。前記ノリヤー材 11の積層体は、高さ寸法が 0. 5〜： LOmmの範囲であり、好ましくは 2〜7 mmの範囲である。

[0031] 前記バリヤー材 11の積層体の高さ寸法が前記範囲内であると、表面シート 5を通過した粘度の高い経血が凝集した状態で空隙 12内を通過して液吸収層 7に至ることができる。また、空隙 12による空隙率が前記範囲内であると、表面シート 5を通過した経血がバリヤー材 11を伝わって液吸収層 7に到達しやすくなる。

[0032] この生理用ナプキン 1が女性の股間部に装着されたときに、前記主受液領域 10が容易に膣口に対向できるように、主受液領域 10の長さ寸法 L1と幅寸法 W1が定められて、る。前記長さ寸法 L1の好まし、範囲は（これに限定されるものではな、が） 40 〜70mmであり、前記幅寸法 W1の好ましい範囲は（これに限定されるものではない力 20〜30mmである。

[0033] 前記ノリヤー材 11に好適な熱可塑性榭脂材料は、 LLDPE (直鎖状低密度ポリエチレン）、 LDPE (低密度ポリエチレン）、 HDPE (高密度ポリエチレン）、 PP (ポリプロピレン)、三井ィ匕学株式会社製タフマー (登録商標）、及びその混合物が含まれるが、これに限定されるものではない。これらの榭脂材料はまた、組み合わされて多層フィルムを形成してもよい。前記榭脂材料に酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラーを 10〜40質量％の範囲で練り込んで榭脂フィルムを白色化してもよい。表面シート 5とバリヤー材 11を白色化させることにより、液吸収層 7に吸収された経血の色を効果的に隠蔽することができる。前記ノリヤー材 11に使用される榭脂材料には開孔が設けられていてもよい。また、前記バリヤー材 11に使用される榭脂材料は、エステル系などの親水剤を 0. 1〜2. 5質量％与えることで親水化処理されてもよい。

[0034] 前記バリヤー材 11は、例えば図 9に示す方法によって製造される。

所定幅寸法のフィルム 20が前記榭脂材料の、ずれかで形成され、 1枚または複数枚重ねられて、一対の裁断ロール 21, 21の間に供給され、多数の短冊片 (バリヤ一材 11)【こ裁断される。裁断後【こ、ニップ P一ノレ 22, 22お Jびニップ P一ノレ 23, 23【こ挟持されて短冊片が送り出される。ここで、下流側のニップロール 23, 23の周速度を上流側の-ップロール 22, 22の周速度よりも速くしておくと、 -ップロール 22, 22とニップロール 23, 23の間で、短冊片に張力が与えられ、前記ニップロール 23, 23を通過した後に前記張力から開放される。この工程により、バリヤー材 11が互いに密着しないように分離できる。

[0035] 個々のノリヤー材 11を図 3の蛇行形状にするため、前記裁断ロール 21, 21はそのロール表面に蛇行した切断刃（図示せず）を有するものとできる。すなわち、ロール表面に垂直な方向から見たときにエッジが蛇行するよう、個々の切断刃が裁断ロール 2 1, 21の全周を廻るものとできる。または、裁断ロール 21, 21を用いてフィルムを直線状の短冊片に裁断し、その後にニップロールを用いての張力の付与と開放を数回受けることによっても、個々のバリヤー材 11を蛇行形状とすることができる。

[0036] また、前記バリヤー材 11は、合成樹脂フィルムを延伸し、延伸方向と直交する方向へ引き裂ぐ榭脂フィルムを延伸してウォータジェットの圧力や熱風の圧力で引き裂く、榭脂フィルムを互いに嚙み合った状態の一対のエンボスロール間に供給して嚙み合ったロールによって及ぼされた張力で引き裂ぐなどによっても製造可能である。

[0037] 第 1の実施の形態の生理用ナプキン 1では、前記表面シート 5が開孔合成樹脂フィルム、すなわち多数の液透過孔 5aが規則的にまたはランダムに配置された合成樹脂フィルムで形成されて、る。

[0038] 少なくとも前記バリヤー材 11が設けられている前記主受液領域 10では、図 3に示すように、個々の液透過孔 5aが開孔径（開孔寸法) Dxを有し、これは生理用ナプキン 1の X方向（横方向 Z横断方向）に測定したものであり、個々のバリヤー材 11の幅寸法 Waよりも大き、ことが好まし、。個々のノリヤー材 11の幅寸法 Waが前記開孔径 Dxよりも小さくと、各液透過孔 5aに前記空隙 12が現れるようになる。図 3では、液透過孔 5aがほぼ円形である。

[0039] 液透過孔 5aは X方向に細長い長円形であってもよい。例えば、個々が所定の開孔面積を有する液透過孔により所定の開孔面積率を有する榭脂フィルムを延伸して個々の開孔面積および開孔面積率の両方を大きくし、延伸方向を X方向に向けてバリヤー材 11上に配置することができる。このような表面シート 5は、バリヤー材 11の幅寸法 Waよりも液透過孔 5aの開孔径 Dxを大きくするのに便利である。

[0040] 必要とあらば幅寸法 Waが開孔径 Dxより大きくてもよい。この場合でもやはり、前記バリヤー材 11が親水化処理されている限り、経血を表面シート 5から液吸収層 7へ移行させることが可會である。

[0041] 表面シート 5に用いられる榭脂フィルムは、前記ノリヤー材 11と同種の榭脂材料で形成され、前記バリヤー材 11と同様に白色化処理され、また親水処理されたものが使用される。

[0042] 表面シート 5の個々の液透過孔 5aの開孔径 Dxは、 0. 3〜6. Ommの範囲であり、 1. 0〜3. Ommの範囲が好ましい。液透過孔 5aによる表面シート 5の開孔面積率は 10〜60%であり、好ましくは 20〜50%である。

[0043] 例えば、多数の孔を有する基材上で榭脂フィルムを軟化させ、前記基材の裏側からエアー吸引するパーフォレーシヨン法によって、前記液透過孔 5aを形成することができる。このパーフォレーシヨン法によると、図 4に示すように、各透過孔 5aは、ノリャー材 11に向って徐々に狭くなり、榭脂フィルムの着衣側表面力突出する環 (短い筒状体) 5bが形成される。

[0044] 好ましくは、ノリヤー材 11のいくつかが表面シート 5に結合されている。例えば表面シート 5がバリヤー材 11の積層体に対して、液の移行を妨げないように l〜10gZm² の範囲で横方向に延びるストライプ状またはスパイラル状に塗工されたホットメルト型接着剤で接着されている。

[0045] または表面シート 5がバリヤー材 11の積層体に対して加圧加熱されて熱融着され、ドット状に配列したエンボス部を有するものであってもよ、。このような熱エンボスは、 Z方向に重なったバリヤー材 11どうしの部分的結合にもつながる力好適なエンボス模様を適用することなどによってノリヤー材 11の間にはまだ十分な空隙を残せる。ェンボス部は主受液領域 10の面積（L 1 xW 1 )の 1〜40 %、好ましくは 1〜 15 %を占める。個々のエンボス部の面積は 1. 75〜28. 26mm²であり、好ましくは 7〜 19mm²である。

[0046] 裏面シート 6は、 PE (ポリエチレン)榭脂フィルムなどの液遮断性シートで形成されている。前記液吸収層 7は、粉砕パルプと高吸収性ポリマー（SAP)との混合体がテイツシユーぺーパで包まれて構成されている。液吸収層 7はノリヤー材 11の積層体に対して、液の移行を妨げないように、 1〜： LOgZm²の範囲で塗工されたホットメルト型接着剤で接着されて、る。裏面シート 6もまたホットメルト型接着剤により液吸収層 7に接着されている。

[0047] 着用時、この生理用ナプキン 1は、下着のクロッチ部の内面上に置かれ、生理用ナプキン 1本体の着衣側表面 (裏面シート 6)に設けられた感圧接着剤層により前記クロツチ部に固定される。またウィング部 2, 2が折り返され、ウィング部 2, 2の着衣側表面 (裏面シート 6)に設けられた感圧接着剤層によって下着のクロッチ部の外面に接着される。 [0048] 生理用ナプキン 1が着用者の股間部に装着されると、主受液領域 10が膣口に対向し、膣ロカも排出された経血は主として前記主受液領域 10に与えられる。各液透過孔 5aに空隙 12が現れているため、経血は表面シート 5の肌側表面力液吸収層 7へと容易に移行できる。

[0049] また、前記空隙 12は Y方向に細長いため、この空隙 12は経血の Y方向への拡散を促進する。このように、経血が X方向へ移動しにくぐよって生理用ナプキン 1からの横漏れを防止する。

[0050] 一方、図 3に示すように、表面シート 5の液透過孔 5aの下には、前記バリヤー材 11 が重ねられて多層構造とされているため、液吸収層 7に吸収された経血が表面シート 5の肌側表面へと戻ることを効果的に防止できる。さらに、ノリヤー材 11に向けて徐々に狭くなり環 5bを形成する液透過孔 5aは、経血の逆流を起こしにくい。これもまた表面シート 5の肌側表面への経血の戻り防止に貢献する。

[0051] 前記のように表面シート 5とバリヤー材 11は白色化処理され、しかも表面シート 5の液透過孔 5aの下にノリヤー材 11が位置しているため、液吸収層 7に吸収された経血の色が外部から見えにくい。

[0052] 図 5と図 6は前記第 1の実施の形態の生理用ナプキンの変形例を示す拡大断面図である。

[0053] 図 5は、中央領域 Wx (すなわち、縦方向中心線 Oyを中心とする X方向への幅寸法が Wxの領域）に、前記第 1の実施の形態の生理用ナプキン 1と同じ幅寸法 Waのノリヤー材 11が配置された生理用ナプキン 1Aを示している。一方、前記中央領域 Wxの左右両側では、前記ノリヤー材 11の幅寸法 Waの 1Z4〜3Z4の範囲の幅寸法を有するさらに細幅のバリヤー材 11cが配置されている。前記中央領域 Wxに配置されたノリヤー材 11の目付けは、前記中央領域 Wxの外側のノリヤー材 11cの目付けと同等、あるいはやや小さくなつている。したがって、前記中央領域 Wxの個々の空隙 1 2よりも、前記中央領域 Wxの外側の個々の空隙 12aの方が小さくなりがちである。

[0054] 図 6は、表面シート 5と液吸収層 7との間にバリヤー材 l ibが設けられている生理用ナプキン 1Bを示している。このバリヤー材 l ibは同一の幅寸法を有している力前記中央領域 Wxに配置されたノリヤー材 l ibの目付けよりも、前記中央領域 Wxの外側に配置されたバリヤー材 l ibの目付けの方が大きくなるように配置されている。よって、前記中央領域 Wxにおける前記表面シート 5の着衣側表面と前記液吸収層 7の肌側表面の間の空間に対する空隙 12bの体積比が、前記中央領域 Wxの外側における前記表面シート 5の着衣側表面と前記液吸収層 7の肌側表面の間の空間に対する空隙 12dの体積比よりも大きくなつている。

[0055] 図 5に示す生理用ナプキン 1Aと図 6に示す生理用ナプキン 1Bでは、前記中央領域 Wxの方で、経血が液吸収層 7へとより迅速に到達できる。一方、前記中央領域 W Xの外側の方で、液吸収層 7から表面シート 5への経血の戻り防止がより効果的である。前記幅寸法 Wxは 10〜50mmの範囲であり、 15〜35mmの範囲が好ましい。

[0056] 次に、図 7と図 8は、前記バリヤー材の他の実施の形態を示している。

図 7はノリヤー材 111を示しており、これは前記バイヤー材 11と同種の榭脂材料から出来ている力倦縮され、巻き部 11 laを有している。この捲縮したバリヤー材 111 は、積層体内に空隙を形成しやすい。

[0057] 図 8 (A)は、前記実施の形態のバリヤー材 11と同様に白色化され且つ親水処理ィ匕された榭脂フィルム層 112aと、この榭脂フィルム層 112aに重ねられて接合された繊維層 112bとからなるノリヤー材 112を示している。前記ノリヤー材 112は、前記榭脂フィルム層 112aを表面シート 5に向けた状態で配置される。図 8 (B)は、前記榭脂フイルム層 112aと同様の榭脂フィルム層 113a, 113aの間に前記繊維層 112bと同様の繊維層 113bが挟まれて接合されて、るノリヤー材 113を示して、る。

[0058] 前記繊維層 112b, 113bは親水性の不織布であり、前記榭脂フィルム層 112a, 11 3aに接着ゃ熱融着によって接合されている。例えば、繊維層 112b, 113bが前記榭脂フィルム層 112a, 113aに熱融着されドット模様のエンボス部を有するものとできる。前記繊維層 112b, 113bに好適な繊維は、 PE、 PP、 PET (ポリエチレンテレフタレート）などの親水処理された合成樹脂繊維である。前記繊維層 112b, 113bはさら〖こセルロース系繊維を含むものであってもよい。図 8 (A)および（B)に示すように、バリヤー材 112, 113の側縁部に親水性の繊維層 112b, 113bが現れているため、表面シート 5の液透過孔 5aを透過した経血は、隣り合うバリヤー材の間の空隙へと強く引き付けられる。 [0059] なお、前記各実施の形態の様々なノリヤー材が互いに混合されてもよいし、または異なる場所へと分配されてもょヽ。

[0060] 図 10は、本発明の他の構造の生理用ナプキン 40を示す平面図である。この生理用ナプキン 40はさらに、前記ノリヤー材 11が存在している主受液領域 10の左右両側に重なる縦方向圧縮溝 41, 41と、主受液領域 10の前方と後方に離れて位置する横方向圧縮溝 42, 42を有している。

[0061] ここまで本発明の実施の形態について例示及び説明を行った力本発明の精神及び範囲から逸脱することなく前述及びその他の種々の変更、省略、追カ卩を成し得ることは当業者には自明のことである。よって本発明は、ここに記載の特定の実施例に限定して理解されるべきものではなぐ添付のクレームに記載の特徴に関し、それの取り巻く範囲内及び均等な範囲内において具体化され得る全ての可能な実施の形態を包含するものである。

図面の簡単な説明

[0062] [図 1]本発明の第 1の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図、

[図 2]図 1に示す生理用ナプキンの II II線の断面図、

[図 3]表面シートとバリヤ一材が液吸収層上にどのように配置されているかを模式的に示す部分斜視図、

[図 4]図 2の部分拡大図、

[図 5]図 1に示す生理用ナプキンの変形例を示す拡大断面図、

[図 6]図 1に示す生理用ナプキンの他の変形例を示す拡大断面図、

[図 7]バリヤー材の他の実施の形態を示す拡大斜視図、

[図 8] (A) (B)はバリヤー材の他の実施の形態を示す拡大斜視図、

[図 9]バリヤー材の製造工程の一例を模式的に示す図、

[図 10]本発明の他の構造の生理用ナプキンを示す平面図。

Claims

請求の範囲

[1] 着用者の膣口に対向する液透過性の表面シート (5)と、

前記表面シートの反対側に位置する裏面シート (6)と、

前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置された液吸収層（7)とを有する生理用ナプキンにおいて、

前記表面シートと前記液吸収層との間に、複数のバリヤー材（11)がさらに設けられ

、個々の前記ノリヤー材は、生理用ナプキン縦方向に延びており、平坦な断面を有し、その主表面の一方が表面シートに向けられ且つ合成樹脂製であり、

前記バリヤー材は、空隙（12)力バリヤー材間に残り前記液吸収層に通じるように重ねられて!/、ることを特徴とする生理用ナプキン。

[2] 前記バリヤー材（11)は互いに結合されていない請求項 1記載の生理用ナプキン。

[3] 前記バリヤー材（11)はその一部が前記表面シート (5)と結合されて、る請求項 1 記載の生理用ナプキン。

[4] 前記ノリヤー材（11)が蛇行または倦縮して、る請求項 1記載の生理用ナプキン。

[5] 前記バリヤー材（11)の平坦な断面は、幅寸法 (Wa)が 0. l〜5mmであり、厚みが

0. 02〜3. Ommである請求項 1記載の生理用ナプキン。

[6] 前記表面シート (5)は、榭脂製の肌側表面および複数の液透過孔 (5a)を有しており、前記バリヤー材（11)の平坦な断面は、幅寸法 (Wa)が、前記液透過孔の生理用ナプキン横方向に測った開孔寸法 (Dx)よりも小さい請求項 1記載の生理用ナプキン

[7] 前記バリヤー材（11)は白色化処理されている請求項 1記載の生理用ナプキン。