JP4732495B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、主には生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッド、医療用パッド、トイレタリー等に使用される吸収性物品であって、詳しくは吸収した体液の拡散性を向上させた吸収性物品に関する。
従来より、パンティライナー、生理用ナプキン、失禁パッドなどの吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性裏面シートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性表面シートとの間に綿状パルプ等からなる吸収体を介在したものが知られている。
他方で、この種の吸収性物品にも幾多の改良が重ねられ、体液の漏れを防止するために種々の手段が講じられている。これら体液漏れ防止手段の一つとして、前記透液性表面シートの表面側からエンボスを付与することにより、吸収した体液を前記エンボスに沿って拡散させる技術が存在する。例えば、下記特許文献1〜4では、横漏れを防止するために、吸収性物品の長手方向に沿う表面エンボスを形成することにより横漏れしようとする体液をエンボス溝内に流入させ、前記エンボス溝に沿って前後方向に拡散させるようにしている。
特開平8−117277号公報 特開平10−328233号公報 特開平11−358号公報 特開平11−33054号公報
しかしながら、前述のように、透液性表面シートの上から掛けたエンボスの場合には、図13に示されるように、エンボスの溝底部50は熱により塑性化しており体液を通過させることができないか困難な状態となっており、体液はエンボスの側壁部を通過して吸収体51側に吸収されるようになる。その結果、エンボスの側壁部に隣接した吸収体部分52,52部分(以下、滞留ゾーンという。)が体液の滞留空間となることが知見された。一方で、吸収体51の高圧縮領域53はエンボスの溝底部50の下側に存在するため、前記滞留ゾーン52に吸収された体液をエンボス溝に沿って迅速かつ効果的に拡散できない問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、吸収された体液をエンボス溝方向に沿って迅速かつ効果的に拡散させることにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性表面シートと、裏面シートとの間に吸収体が介在され、前記透液性表面シートの表面側から付与した表面エンボスを有する吸収性物品において、
前記透液性表面シートの表面側から付与した表面エンボスとは別に、この表面エンボスの直下又はその近傍に、前記透液性表面シートを積層する前に吸収体に上面側から付与した吸収体エンボスを有し、前記表面エンボスはドット状エンボスとされ、前記吸収体エンボスは線状エンボスとされることを特徴とする吸収性物品が提供される。
請求項2に係る本発明として、前記表面エンボス及び吸収体エンボスは吸収性物品の前部側及び/又は後部側に存在している請求項1記載の吸収性物品が提供される。
請求項に係る本発明として、前記表面エンボスは吸収体エンボスに対して重なることなく隣接して形成されている請求項1〜いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
請求項に係る本発明として、前記表面エンボスは吸収体エンボスに対して重ねて形成されている請求項1〜2記載の吸収性物品が提供される。
請求項に係る本発明として、前記表面エンボスは吸収体エンボスに対して重なることなく隣接して形成されている部分と、吸収体エンボスに重ねて形成されている部分とが混在している請求項1〜2記載の吸収性物品が提供される。
請求項に係る本発明として、前記透液性表面シートと吸収体との間に親水性繊維シートが配置されている請求項1〜いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
請求項に係る本発明として、前記裏面シートの外面に形成されるショーツへの粘着層は、少なくとも吸収性物品の前後両側部を除く領域に形成されている請求項1〜いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項1〜記載の本発明においては、透液性表面シートの表面側から付与した表面エンボスとは別に、この表面エンボスの付与領域に、前記透液性表面シートを積層する前に吸収体に上面側から付与した吸収体エンボスを有するようにする。従って、表面エンボスに流入した体液が該表面エンボスの側壁部から吸収されると、その直下又はその近傍に吸収体に形成した吸収体エンボスが存在するため、前記体液が迅速且つ効果的に吸収体エンボスに移行し、吸収体エンボスに沿って拡散されるようになる。
また、前記吸収体に付与した吸収体エンボスは製品状態では透液性表面シートによって隠蔽され、外側から視認できないため、前記吸収体エンボスはどのようなパターンで付与しても外部に露出せず外観も良好となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係る吸収性物品1の一部破断平面図であり、図2はその平面図、図3は図1のIII−III線矢視図である。
吸収性物品1は、主にはパンティライナー、生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッドなどの用途に供されるもので、例えば図1に示されるように、不透液性裏面シート2と、透液性表面シート3(以下、単に表面シートともいう。)との間に、吸収体ユニット4が介在されるとともに、前記透液性表面シート3と前記吸収体ユニット4との間に、吸収拡散性、装着感、隠蔽性を向上するために親水性繊維シート7を配置した構造となっている。なお、前記吸収体ユニット4の周囲においては、前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3とがホットメルト接着剤等の接着手段またはヒートシールによって接合されている。
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には、防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが好適に用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。
前記表面シート3としては、無孔または有孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが用いられるが、本生理用ナプキン1に好適に使用される表面シートは多孔性プラスチックシートである。
前記不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができる。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド−バイ−サイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維も好適に用いることもできる。加工法については、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。また、エンボス加工が施しやすい点では合成繊維からなる不織布が好適に使用される。
前記多孔性プラスチックシートの素材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂が好適に使用されるが、ポリエステルや、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、EVAなども使用することができる。この多孔プラスチック表面シート3の開孔3a、3a…の径は、0.05〜3.0mm、好ましくは0.1〜2.0mm、より好ましくは0.5〜1.5mmとし、その開孔数は100〜500個/cm、好ましくは200〜400個/cm程度とするのが望ましい。前記開孔3aを形成するには、合成樹脂シートを軟化温度付近に軟化させて、多数の開孔を有する支持体の上面に位置させた状態で、支持体の下方から吸引したり、支持体の上面から空気圧を加圧したりする方法や、合成樹脂シート素材に多数のスリットを刻印した後にシート素材を延伸して開孔させる方法などがあるが、適宜の方法によって形成することができる。
また、前記多孔プラスチック表面シート3の場合には、開孔径にもよるが、その疎水性から開孔部から親水性繊維シート7に移行しづらい現象が見られる場合がある。そこで、多孔プラスチックシート3の裏面側に界面活性剤を1.20g/m以上の目付けで塗布し、体液が開孔3aから親水性繊維シート7に移行し易いようにするのが望ましい。
前記吸収体ユニット4は、パルプシートからなる下層側吸収体5と、この下層側吸収体5の略中央部上面側に積層された解繊パルプからなり、表面側に突出する中高部を形成するための上層側吸収体6とから構成されている。
前記下層側吸収体5は、高吸水性樹脂を混入したパルプ繊維を予めシート状に加工した、所謂パルプシートであり、厚み1〜3mm、配合はパルプ繊維10〜200g/m、高吸水性樹脂0〜100g/mのものが好適に使用される。
前記高吸水性樹脂としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力と吸水速度の調整が可能である。なお、高吸水性樹脂含有率が50%を超える場合にはパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、シート強度が低下し破れや割れ等が発生し易くなる。前記下層側吸収体5の平面形状は、図示されるように、小判状としてもよいし、或いは股間部への当たりを和らげるためにフィットカット形状(ひょうたん形状)としてもよい。
一方、前記上層側吸収体6は、ドラム積繊機等によってパルプ原反を解繊した解繊パルプを主とする吸収体層であり、前記下側吸収体5の略中央部上面側に積層されることにより中高部吸収体を形成するものである。
前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶融パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。また、上層側吸収体6の平面形状は、図示では略矩形状としたが、小判状に形成してもよい。前記上層側吸収体6の厚みは1.5〜8.0mm、好ましくは2.0〜4.0mmとするのがよい。なお、前記上層側吸収体6には積繊時に所定割合で、例えば10〜60%の割合で高吸水性樹脂の粉粒体を混入するのが望ましい。
前記透液性表面シート3と吸収体ユニット4との間に配置される親水性繊維シート7は、前記透液性表面シート3上に排出された体液を移行させるために使用される。この親水性繊維シート7としては、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることにより素材自体に親水性を有するものを用いるか、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維を親水化剤によって表面処理し親水性を付与した繊維を用いることにより親水性を有するようにする。体液の逆戻りの原因の一つとして前記親水性繊維シート7の繊維間の微小空間に体液が保留され、圧力を受けた際にこの体液が表面シート3側に移行することが挙げられる。従って、前記親水性繊維シート7の繊維間空間を微小化するために3.0d以下、好ましくは2.5d以下の極細繊維からなる繊維層とすることにより体液の逆戻り防止を図るようにするのが望ましい。
本吸収性物品1において、前記上層側吸収体6は、クレープ紙によって囲繞されることなく、前記親水性繊維シート7と下層側吸収体5との間に介在された3層状態時に、前記上層側吸収体6の外側隣接位置に付与された吸収体保持用エンボス8,8…によって保持されているものである。
前記吸収体保持用エンボス8は、前記上層側吸収体6の位置ズレや型崩れを防止するために、図示の如く、上層側吸収体6の左右部にそれぞれ付与されているが、前記上層側吸収体6の前後左右の各辺毎に1つずつ付与するようにしてもよいし、各辺毎に複数づつ付与してもよい。また、線状のエンボスとしてもよい。すなわち、前記吸収体保持用エンボス8のエンボス形状及びパターンは任意である。
前記生理用ナプキン1を得るための製造手順は、概略的に、図4(ステップ1)に示されるように、先ず製造ラインの最初の工程又は別工程で、下層側吸収体5と、親水性繊維シート7との間に上層側吸収体6が介在されるとともに、前記上層側吸収体6がその外側隣接位置に付与された吸収体保持用エンボス8,8…によって保持された、吸収体を含む積層体12を得た後、図4(ステップ2)に示すように、この積層体12の下面側に裏面シート2を積層し、次いで図4(ステップ3)に示すように、前記積層体の上面側に透液性表面シート3を積層する手順による。前記図4(ステップ2)と図4(ステップ3)の手順は逆であってもよい。なお、前記手順には表面側両側部にサイド不織布を配設する手順、立体ギャザーを形成する手順、弾性伸縮材を配置する手順等を含んでいてもよい。要は、前記積層体12が裏面シート2や表面シート3と組み立てられる前に、製造されていればよい。
前記積層体12の具体的製造工程例としては、例えば図11に示されるように、パルプシート原反から下層側吸収体5となるパルプシートを繰出し、その搬送過程でドラム積繊機14において、上層側吸収体6となる解繊パルプを前記下側吸収体5上に積繊する。そして、親水性繊維シート7を前記上層側吸収体6,6…側に積層させたならば、エンボス付与部15において、前記上層側吸収体6,6…の外側隣接位置に吸収体保持用エンボス8,8…を付与することにより吸収体を含む前記積層体12を得るようにする。この積層体12は、所定形状に裁断された後、裏面シート2の積層工程、表面シート3の積層工程へと送られる。なお、前記製造工程では、最初にパルプシートからなる下層側吸収体5を繰出しこの上に解繊パルプからなる上層側吸収体6を積繊したが、親水性繊維シート7を繰出してこの上に解繊パルプからなる上層側吸収体6を積繊し、その後に下層側吸収体5となるパルプシートを積層するようにしてもよい。
上記吸収性物品1においては、特に、吸収性物品1の前側領域及び後側領域において、前記透液性表面シート3の表面側から付与した表面エンボス10、10…とは別に、この表面エンボス10,10…の付与領域に、前記透液性表面シート3を積層する前に下層側吸収体5に付与した吸収体エンボス9,9…を有するようにし、吸収した体液を前記吸収体エンボス9,9…の溝方向に沿って迅速かつ効果的に拡散させるようにしている。
以下、前記吸収体エンボス9,9…と表面エンボス10,10…について、図5〜図10に基づいて詳述する。
前記吸収体エンボス9,9…は、連続線又は間欠線として付与される線状エンボスであり、図1に示す例では、前部側部分に形成される吸収体エンボス9,9…は前部方向にやや放射状に複数条で形成され、後部側部分に形成される吸収体エンボス9,9…は後部方向に向けてやや放射状に複数条で形成されている。この吸収体エンボス9は、後述のように、ある程度の幅をもった線状エンボスとして形成することもできるし、ハニカム状、格子状、斜め格子状等の網の目状に形成することもできる。
前記吸収体エンボス9は、前記透液性表面シート3を積層する前に下層側吸収体5に付与されるエンボスである。すなわち、図5(積層体12の平面図)に示されるように、前述した積層体12の製造工程時に、エンボス付与部15において、吸収体保持用エンボス8と共に付与されるものである。
一方、前記表面エンボス10,10…は、前記積層体12の上面側に透液性表面シート3が積層された後、透液性表面シート3の表面側から付与されるドット状エンボスである。このドット状エンボス10の形状は、図示例では円形としたが楕円形状、三角形状、四角形状等の任意の多角形状とすることができる。図6は前記透液性表面シート3の表面側から付与されるエンボスのみを図示した平面図であるが、前部側部分に形成される表面エンボス10,10…は前部方向にやや放射状に列を成して複数条形成され、後部側部分に形成される表面エンボス10,10…は後部方向に向けてやや放射状に列を成して複数条形成されている。また、本吸収性物品1では、前記上層側吸収体6の両側部にそれぞれサイドエンボス11、11が形成されている。
前記吸収体エンボス9,9…と、表面エンボス10,10…との相対的位置関係は、図2に示されるように、表面エンボス10,10…の列間に前記吸収体エンボス9,9…が位置するようになっている。すなわち、前記表面エンボス10,10…は吸収体エンボス9,9…に対して重なることなく隣接して配置されている位置関係とする。前記表面エンボス10と吸収体エンボス9との離間距離は0.5〜10mm、好ましくは1〜5mm程度とするのが望ましい。
図7は(A)にそのエンボスパターンを示し、(B)に吸収メカニズムを模式的に示すための(A)のB-B矢視図を示した図であるが、表面エンボス10内に流入した体液は、その溝底部10aが熱により塑性化しており体液を通過させることができないか困難な状態となっているため、体液は側壁部を通過して親水性繊維シート7側に吸収されるようになる。その結果、表面エンボス10の溝側壁部に隣接した領域が体液の一次的滞留箇所となるが、その直下又はその近傍には吸収体エンボス9,9…が存在しているため、この体液はすぐに吸収体エンボス9,9…側に移行するため、表面エンボス10に流入した体液を迅速かつ効果的に吸収体エンボス9に沿って拡散させることができるようになる。
ところで、前記吸収体エンボス9,9…と、表面エンボス10,10…との相対的位置関係は、図8に示されるように、表面エンボス10,10…の列と、前記吸収体エンボス9,9…とをほぼ合致させて形成することでもよい。この場合には、図8(A)のB-B線矢視図を示す図8(B)を見れば明らかなように、表面エンボス10に流入した体液は、表面エンボス10,10間の親水性繊維シート7部分を経由して吸収体エンボス9に迅速に移行し、吸収体エンボス9に沿って拡散させることができる。図9に示されるように、表面エンボス10の径よりも大きい幅で形成した吸収体エンボス9の場合も同様である。
更には、図10に示されるように、前記吸収体エンボス9は、ハニカム状に形成し、表面エンボス10に対して重なることなく隣接して形成されている部分と、表面エンボス10に重ねて形成されている部分とが混在しているように形成することもできる。上記網の目状の吸収体エンボス9は、ハニカム状以外に例えば、格子状、斜め格子状等の任意の形状群とすることができる。網の目状に形成した吸収体エンボス9は、横方向の漏れを遮るエンボス線と、縦方向の漏れを遮るエンボス線とが存在することになるため、横漏れ及び縦漏れに対して同時的に効果を奏しうるものとなる。
ところで、本吸収性物品1においては、下層側吸収体5の前後部分にそれぞれ略長手方向に沿う複数の吸収体エンボス9,9…を形成するものであり、該前後部において下層吸収体5の剛性が低下しヨレ易くなっている。通常、この種の吸収性物品1の場合は、裏面シート2の外面側にショーツへの固定のために粘着層が形成されているが、前記下層吸収体5の前後部分が逆V字状に拠れた際、前記粘着層がショーツから剥がれ粘着層同士が接着してしまうことが懸念されるが、このような事態を回避するため、図12に示されるように、前記粘着層17は、裏面シート2外面側の前後両側部16,16…を除く領域に形成されていることが望ましい。
〔その他の形態例〕
(1)上記形態例では、下層側吸収体5として既製の若しくはメーカーから入手が可能なパルプシートを使用するようにしたが、解繊パルプからなる吸収体等、吸収性を有するものであればどのようなものであってもよい。また逆に、上層側吸収体6は解繊パルプからなる吸収体としたがパルプシート等、その他の吸収性を有するものであればどのようなものであってもよい。さらに、本例で二層の吸収体構造としたが単層の吸収体であってもよいし、二層とする場合でも上層側吸収体は前後部領域に長く延在する吸収体、或いは下層側吸収体6と同一形状の上層側吸収体を重ねてもよい。すなわち、本発明では吸収体の種別や構造等に何ら問わず適用が可能である。
(2)上記形態例では、吸収性物品の前部側及び後部側にそれぞれ、吸収体エンボス9,9…及び表面エンボス10,10…を付与するようにしたが、領域には何ら限定がなく、中央領域のみ、或いは前部側領域、中央領域及び後部側領域に亘り付与するようにしてもよい。
(3)上記形態例では、透液性表面シート3と吸収体ユニット4との間に、親水性繊維シート7を配置するようにしたが、この親水性繊維シート7は省略が可能である。この場合には、表面エンボス10に流入した体液は、表面エンボス10の側壁部を通過し、直に吸収体エンボス9内に流入し、吸収体エンボス9に沿って拡散されるようになる。
(4)上記形態例では、前記上層側吸収体6は、該上層側吸収体6の外側隣接位置(外側周部)に付与された吸収体保持用エンボス8,8…によって保持されるようにしたが、前記エンボス8,8…は上層側吸収体6の外縁よりも内側の周部に付与するようにしてもよい。
(5)上記形態例では、表面エンボス10はドット状エンボスとしたが、線状エンボスとすることでもよい。この場合には、吸収体エンボス9は線状の表面エンボス10に隣接した位置に平行的に付与するのが望ましい。
本発明に係る吸収性物品1の一部破断斜視図である。 その平面図である。 図1のIII−III線矢視図である。 本吸収性物品1の製造手順図である。 積層体12の製造時に付与するエンボスパターンの平面図である。 透液性表面シート3の表面側から付与するエンボスパターンの平面図である。 (A)は第1例に係るエンボスパターン図であり、(B)は吸収メカニズムを説明するための(A)のB-B矢視図である。 (A)は第2例に係るエンボスパターン図であり、(B)は吸収メカニズムを説明するための(A)のB-B矢視図である。 (A)は第3例に係るエンボスパターン図であり、(B)は吸収メカニズムを示す説明するための(A)のB-B矢視図である。 (A)は第4例に係るエンボスパターン図であり、(B)は吸収メカニズムを説明するための(A)のB-B矢視図である。 積層体12を得るための製造工程例図である。 吸収性物品1の外面側に形成する粘着剤層17のパターン図である。 従来のエンボスによる体液吸収のメカニズムを説明するための模式図である。
1…吸収性物品、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…吸収体ユニット、5…下層側吸収体(パルプシート)、6…上層側吸収体(解繊パルプ)7…親水性繊維シート、8…吸収体保持用エンボス、9…吸収体エンボス、10…表面エンボス

Claims (7)

  1. 透液性表面シートと、裏面シートとの間に吸収体が介在され、前記透液性表面シートの表面側から付与した表面エンボスを有する吸収性物品において、
    前記透液性表面シートの表面側から付与した表面エンボスとは別に、この表面エンボスの直下又はその近傍に、前記透液性表面シートを積層する前に吸収体に上面側から付与した吸収体エンボスを有し、前記表面エンボスはドット状エンボスとされ、前記吸収体エンボスは線状エンボスとされることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記表面エンボス及び吸収体エンボスは吸収性物品の前部側及び/又は後部側に存在している請求項1記載の吸収性物品。
  3. 記表面エンボスは吸収体エンボスに対して重なることなく隣接して形成されている請求項1〜いずれかに記載の吸収性物品。
  4. 前記表面エンボスは吸収体エンボスに対して重ねて形成されている請求項1〜2記載の吸収性物品。
  5. 記表面エンボスは吸収体エンボスに対して重なることなく隣接して形成されている部分と、吸収体エンボスに重ねて形成されている部分とが混在している請求項1〜2記載の吸収性物品。
  6. 前記透液性表面シートと吸収体との間に親水性繊維シートが配置されている請求項1〜いずれかに記載の吸収性物品。
  7. 前記裏面シートの外面に形成されるショーツへの粘着層は、少なくとも吸収性物品の前後両側部を除く領域に形成されている請求項1〜いずれかに記載の吸収性物品。
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