JP6232482B2 - 吸収性物品及びその表面シート - Google Patents

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本発明は、体液の拡散性に富み、高いクッション性を有する表面シートを使用した吸収性物品及びその表面シートに関する。
従来より、吸収性物品の表面材として、肌への接触面積を低減させることにより湿り感を抑える、吸収した体液の拡散を促すなどの種々の目的に応じて適宜の凹凸パターンが付与されたものが市場に提供されている。この種のものとしては、例えば下記特許文献1〜3などを挙げることができる。
下記特許文献1では、着用者の肌側に向けられた上層と吸収体側に配された下層とを有し、該上層と下層とが部分的に接合されて多数の接合部が形成され、該上層が該接合部以外の部分において着用者の肌側に向けて突出して、内部が空洞となっている多数の凸部が形成された吸収性物品用の表面シートが開示されている。
また、下記特許文献2では、不織布シートに平面部を有しないように多列の畝部と溝部が交互に配列され、上記畝部は凸状に湾曲し、上記溝部は凹状に湾曲しており、上記溝部は、上記不織布シートの表面から裏面に向けて延在するリブ付き開孔を有しており、そして上記リブは、上記リブ以外の部分よりも硬く形成されている吸収性物品の表面シートが開示されている。
さらに下記特許文献3では、肌側に配される第1層と吸収体側に配される第2層とが積層されて部分的に接合されており、該肌側に凹凸形状が形成され、第1及び第2層は、それぞれ繊維集合体からなり、両者の接合部以外の部分の全域にわたって接触している吸収性物品の表面シートが開示されている。
特開2004−174234号公報 特開平7−119012号公報 特許第3611838号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の表面シートのように、内部が空洞となっている多数の凸部を一様に設けた場合には、装着時の体圧で空洞が潰れやすく、これに伴い前記凸部に対して相対的に凹んだ接合部(凹部)が消失するため、この凹部を通じた体液の拡散が維持できなくなるという問題があった。また、凸部が潰れると凸部によるクッション性が失われるという問題も生じていた。さらに、上記特許文献2記載の表面シートでは、リブが硬く形成されているため、装着時に体圧を受けると、このリブが柔らかい吸収体に入り込んでしまい、表面シートの凹凸が維持されにくく、体液の拡散が維持できなくなるとともに、クッション性が失われるといった問題があった。
また、上記特許文献3記載の表面シートでは、第1層と第2層が積層されて肌側に凹凸形状を形成しているが、第1層と第2層との間が全域にわたって接触しているため、必ずしも十分なクッション性が得られないとともに、体液の拡散性に欠けるという問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、装着時においても体液の拡散性に富み、クッション性を維持した吸収性物品及びその表面シート並びに表面シートの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性の表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在した吸収性物品において、
前記表面シートは、少なくとも肌当接面層を構成する不織布からなる表面材層と、この表面材層の非肌当接面側に積層された不織布からなるセカンドシート層とから構成され、
前記表面材層とセカンドシート層との間に空間部を形成しながら相対的に肌側に隆起するとともに、吸収性物品の長手方向に沿って形成された第1の凸部と、前記表面材層とセカンドシート層とが接触した状態で相対的に肌側に隆起するとともに、吸収性物品の長手方向に沿って形成された第2の凸部とが吸収性物品の幅方向に交互に配置され、且つ前記第1の凸部と第2の凸部との間に吸収性物品の長手方向に沿って圧搾された凹部が設けられ、この凹部は連続的又は間欠的な直線状のパターンで形成されていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明では、表面シートとして肌当接面側の表面材層と非肌当接面側のセカンドシート層とから構成するとともに、前記表面材層とセカンドシート層との間に空間部を形成しながら相対的に肌側に隆起する第1の凸部と、前記表面材層とセカンドシート層とが接触した状態で相対的に肌側に隆起する第2の凸部とを交互に配置し、且つ前記第1の凸部と第2の凸部との間に前記表面材層の表面側からの圧搾により相対的に凹んだ凹部を設けている。このため、装着時に体圧によって前記第1の凸部が潰れても、前記表面材層とセカンドシート層とが接触した第2の凸部が支えとなって、この第2の凸部の高さよりさらに潰れることが大幅に抑制できる。従って、表面シートのクッション性が維持できるようになる。
また、体圧によって第1の凸部が潰れて第2の凸部の高さまで変形したとしても、第1の凸部と第2の凸部との間に表面側からの圧搾により相対的に凹んだ凹部が設けられているため、この凹部を通じた体液の拡散性が維持できる。さらに、体圧によって第1の凸部が潰れても、前述の通り第2の凸部が支えとなるので第1の凸部の内部の空間部が完全に潰れずに若干の隙間が残るため、この隙間を通じた体液の拡散性が維持できるようになる。
つまり、本発明では、内部に空間部を有する凸部と層間が接触した凸部とが交互に形成された構造であるため、上記特許文献1のように全ての凸部の内部が空洞となっているものに比べて、体圧が加わったときでもクッション性が維持されやすく、空洞が潰れたときの体液拡散性が保持されやすいとともに、上記特許文献3のように全ての凸部が接触しているものに比べて、空間部が形成された凸部による効果としてクッション性が高く体液拡散性に優れるようになる。
さらに、本発明では、前記第1の凸部第2の凸部及び凹部はそれぞれ吸収性物品の長手方向に沿って配置され体液を吸収性物品の長手方向(前後方向)に拡散させやすくし、横漏れを防止するため、前記第1の凸部及び第2の凸部をそれぞれ、吸収性物品の長手方向に沿って配置するようにしているとともに、体液の通り道となる前記凹部を、連続的又は間欠的な直線状のパターンで形成することによって、体液の拡散性を向上させるようにしている。
請求項に係る本発明として、前記第1の凸部は、前記第2の凸部より大きな幅で形成されている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項記載の発明では、前記第1の凸部を第2の凸部より大きな幅で形成することによって、装着時のクッション性が向上するとともに、体圧により第1の凸部が潰れたときに内部の空間部に残る若干の隙間を大きくできるので体液の拡散性が向上する。
請求項に係る本発明として、少なくとも肌当接面層を構成する不織布からなる表面材層と、この表面材層の非肌当接面側に積層された不織布からなるセカンドシート層とからなるとともに、前記表面材層とセカンドシート層との間に空間部を形成しながら相対的に肌側に隆起するとともに、吸収性物品の長手方向に沿って形成された第1の凸部と、前記表面材層とセカンドシート層とが接触した状態で相対的に肌側に隆起するとともに、吸収性物品の長手方向に沿って形成された第2の凸部とが吸収性物品の幅方向に交互に配置され、且つ前記第1の凸部と第2の凸部との間に吸収性物品の長手方向に沿って圧搾された凹部が設けられ、この凹部は連続的又は間欠的な直線状のパターンで形成されていることを特徴とする吸収性物品のための表面シートが提供される。
以上詳説のとおり本発明によれば、装着時においても体液の拡散性に富み、クッション性を維持した吸収性物品及びその表面シートが提供できるようになる。
本発明に係る軽失禁ライナー1の一部破断展開図である。 そのII−II線矢視図である。 表面シート3の斜視図である。 (A)は使用前、(B)は装着時を示す、表面シート3の断面図である。 凹部13の熱圧着パターンを示す平面図である。 他の形態に係る表面シート3の断面図である。 表面シート3の製造工程を示す図である。 他の形態に係る第1エンボスロール20と第2エンボスロール21の噛み合わせ状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔軽失禁ライナー1の基本構成〕
本発明に係る軽失禁ライナー1は、図1及び図2に示されるように、不透液性裏面シート2と、透液性表面シート3(以下、単に表面シートともいう。)との間に、吸収体4または同図に示されるように、クレープ紙5によって囲繞された吸収体4が介在され、表面側両側部にサイド不織布7、7が設けられた構造となっている。
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他に防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には、防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが好適に用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。
次いで、前記表面シート3は、図3に示されるように、少なくとも肌当接面層を構成する表面材層8と、この表面材層8の非肌当接面側に積層されたセカンドシート層9とから構成されている。表面シート3の上面には、排尿部位Hを囲むように小判形状のフィットエンボス17が形成されている。この表面シート3については、後段でさらに具体的に詳述する。
前記表面材層8は不織布からなる。この不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、エアスルー法、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、嵩高でクッション性があるエアスルー法によって得られた不織布を用いるのが好ましい。不織布の繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよいが、好ましくはタオル地の風合いを出すため短繊維を使用するのがよい。また、エンボス処理を容易とするために、比較的低融点のポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系繊維のものを用いるのがよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド−バイ−サイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維を好適に用いることもできる。
一方、前記セカンドシート層9は、体液に対して親水性を有するものであればよい。具体的には、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることにより素材自体に親水性を有するものを用いるか、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維を親水化剤によって表面処理し親水性を付与した繊維を用いることができる。セカンドシート層9を構成する素材繊維としては、嵩高でクッション性があるエアスルー法によって得られた不織布を用いるのが好ましい。
前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえばフラッフ状パルプと吸水性ポリマーとにより構成されている。前記吸水性ポリマーは吸収体を構成するパルプ中に、例えば粒状粉として混入されている。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。本例のように、吸収体4を囲繞するクレープ紙5を設ける場合には、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間にクレープ紙5が介在することになり、吸収性に優れる前記クレープ紙5によって体液を速やかに拡散させるとともに、これら経血等の逆戻りを防止するようになる。
また、前記吸収体4には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、体液に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
前記高吸水性樹脂としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力と吸水速度の調整が可能である。前記高吸水性樹脂の含有率は吸収体重量の10〜60%とするのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が10%未満の場合には、十分な吸収能を与えることができず、60%を超える場合にはパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、シート強度が低下し破れや割れ等が発生し易くなる。
本軽失禁ライナー1の表面がわ両側部にはそれぞれ長手方向に沿って、かつ軽失禁ライナー1の全長に亘ってサイド不織布7,7が設けられているとともに、このサイド不織布7,7の外側部分が側方に延在されるとともに、前記不透液性裏面シート2が側方に延在され、これら側方に延在されたサイド不織布7部分と不透液性裏面シート2部分とをホットメルト接着剤等により接合して側部フラップが形成されている。
前記サイド不織布7としては、重要視する機能の点から撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、尿やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましく、体液の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるのが望ましい。かかるサイド不織布7としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができるが、好ましくは目付け量を抑えて通気性を持たせた不織布を用いるのがよい。
前記サイド不織布7の内方側は、図2に示されるように、前記サイド不織布7をほぼ二重に折り返すとともに、この二重シート内部に、その高さ方向中間部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された1または複数の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材16,16が配設され、その収縮力によって前記二重シート部分を表面側に起立させた立体ギャザーG、Gが形成されている。
〔表面シート3〕
前記表面シート3は、図3に示されるように、前記表面材層8とセカンドシート層9との間に空間部11を形成しながら相対的に肌側に隆起する第1の凸部10と、前記表面材層8とセカンドシート層9とが接触した状態で相対的に肌側に隆起する第2の凸部12とが交互に多数配置され、且つ前記第1の凸部10と第2の凸部12との間に前記表面材層8の表面側からの圧搾により前記表面材層及びセカンドシート層9が熱圧着され相対的に凹んだ凹部13が設けられている。前記第1の凸部10及び第2の凸部12が相対的に肌側に隆起するとは、前記第1の凸部10の頂部及び第2の凸部12の頂部が前記凹部13の底部と比較して相対的に肌に近い側(肌側)に位置していることを意味し、前記凹部13が相対的に凹んだとは、前記凹部13の底部が前記第1の凸部10頂部及び第2の凸部12の頂部と比較して相対的に肌から遠い側(非肌側)に位置していることを意味している。
前記第1の凸部10は、図4(A)に示されるように、表面材層8がセカンドシート層9より肌側に突出した凸状のエンボス加工処理が施されることによって、内部に表面材層8とセカンドシート層9とが離間した空間部11が設けられている。一方、前記第2の凸部12は、表面材層8とセカンドシート層9とが接触した状態で配置され、隣り合う両側の第1の凸部10、10との境界部分に前記凹部13、13が設けられることによって、前記凹部13より相対的に肌側に隆起した凸状に形成されている。前記第1の凸部10と第2の凸部12の各頂点の高さは、第1の凸部10の頂点の方が第2の凸部12の頂点より相対的に肌側に高く形成され、第2の凸部12の頂点の方が第1の凸部10の頂点より相対的に低く形成されている。前記表面シート3の肌当接面側は前記第1の凸部10、第2の凸部12及び凹部13によって凹凸状に形成される一方、表面シート3の非肌当接面側はほぼ平坦に形成されている。
本表面シート3では、図4に示されるように、装着時に肌当接面側からの体圧によって第1の凸部10が潰れても、表面材層8とセカンドシート層9とが接触した第2の凸部12が支えとなるため、第1の凸部10がこれ以上潰れることが大幅に抑制できる。具体的には、表面シート3が肌と接触した当初は、図4(A)に示されるように、相対的に肌側に高く隆起した第1の凸部10のみが接触し、肌当たりが柔らかく、内部の空間部11によってクッション性にも優れるが、体圧がかかると第1の凸部10が潰れ、肌との接触レベルが徐々に吸収体4に近づく。ところが、同図4(B)に示されるように、肌との接触レベルが第2の凸部12の頂部にまで達すると、これまで第1の凸部10の表面材層8のみで支えていたものが第2の凸部12も支えとなるとともに、第1の凸部10においても表面材層8とセカンドシート層9とが接触して支えとなるため、体圧に対する抵抗力が大幅に増大する。従って、表面シート3のクッション性が維持できるようになる。
また、同図4(B)に示されるように、装着時に体圧が作用した状態で第1の凸部10が第2の凸部12の高さまで潰れても、第1の凸部10と第2の凸部12との間にこれら凸部10、12より相対的に凹んだ凹部13が設けられているため、この凹部13を通じて体液の拡散性が維持できるようになる。
さらに、第1の凸部10が体圧によって潰されても、前述の通り第2の凸部12が支えとなるため、第1の凸部10の内部の空間部11が完全に潰れるわけではなく、頂部が潰れるだけでその両側に若干の空間部11’、11’が残るので、この空間部11’を通じて体液の拡散性が維持できるようになる。
なお、前記第2の凸部12は、両側に圧搾された凹部13、13が設けられ、第2の凸部12の表面材層8及びセカンドシート層9の各構成繊維が突っ張った状態で配設されているため、通常のものよりクッション性が増加している。このことも、肌との接触レベルが第2の凸部12まで低下した際のクッション性維持の一因となっている。
ところで、前記第1の凸部10及び第2の凸部12はそれぞれ、軽失禁ライナー1の長手方向(前後方向)に沿って配置することが好ましい。すなわち、軽失禁ライナー1の幅方向に対し、第1の凸部10及び第2の凸部12がそれぞれ凹部13を介して交互に配列された縦縞状に配置されたものとすることが好ましい。これにより、前記凹部13を通じた体液の拡散、並びに第1の凸部10の内部の空間部11を通じた体液の拡散が、軽失禁ライナー1の長手方向に沿って生じやすくなり、吸収効率が良好になるとともに、体液の横漏れが防止できるようになる。
前記凹部13は、体液の拡散を促進するため、連続的又は間欠的な概ね直線状のパターンで形成することが好ましい。概ね直線状のパターンとは、図5(A)に示される直線の他、(B)の波状線や(C)の線幅を変化させたものなど、体液の凹部13に沿った拡散を阻害しないパターンを含む概念である。また、これら連続線の他、(D)の点線や(E)の一点鎖線など圧着部と非圧着部とが交互に配置された間欠的なパターンでもよい。間欠的なパターンでは、連続パターンより熱圧着面積が減少するため、表面シート3が全体として硬くなるのを防ぐことができる。間欠的なパターンとした場合、凹部13に沿った長さが非圧着部より圧着部の方が長くなるようにすることが好ましい。
前記第1の凸部10の幅と第2の凸部12の幅とは、図4(A)に示されるように、ほぼ等幅で形成してもよいし、図6に示されるように、異なる幅で形成してもよい。異なる幅とした場合、第1の凸部10を第2の凸部12より大きな幅で形成することが好ましい。この場合には、第1の凸部10による装着時のクッション性が向上するとともに、体圧により第1の凸部10が潰れた場合でも、内部に残る若干の空間部11’(図4(B)参照)を大きくとることができるので、この空間部11’を通じた体液の拡散性が向上する。なお、装着時のクッション性を考慮すると、第1の凸部10は第2の凸部12より小さな幅で形成するのはあまり好ましくない。
続いて、前記表面シート3の各部の好ましい寸法について、図6に基づいて説明する。第1の凸部10の幅Bは2〜20mmが好ましく、第2の凸部12の幅Bは2〜10mmが好ましい。凹部13の幅Bは0.3〜3mmが好ましい。第1の凸部10の高さH(第1の凸部10部分の表面シート3の厚み)は、0.5〜10mmが好ましく、第2の凸部12の高さHは、0.2〜8mmの範囲で前記Hより小さくすることが好ましい。また、第1の凸部10部分の表面材層8の厚みTUは0.08〜4mmが好ましく、セカンドシート層9の厚みTLは0.1〜3mmが好ましい。第2の凸部12部分の表面材層8の厚みTUは0.1〜5mmが好ましく、セカンドシート層9の厚みTLは0.1〜3mmが好ましい。
次に、前記表面シート3の製造方法について、図7に基づいて説明する。本表面シート3の製造に用いられる製造装置としては、前記第1の凸部10に対応して多数のエンボス凸状部23、23…が形成された第1エンボスロール20と、この第1エンボスロール20に対向配置されるとともに、前記第1の凸部10に対応する多数の第1のエンボス凹状部24、24…及び前記第2の凸部12に対応する多数の第2のエンボス凹状部25、25…が形成され、且つ前記凹部13に対応する多数のエンボス凸状部26、26…が形成された第2エンボスロール21と、この第2エンボスロール21に対向配置されたフラットロール22とがそれぞれ上下に直列的に配置されたものとすることができる。
上段に位置する第1エンボスロール20は、多数のエンボス凸状部23、23…が配置された凸側エンボスロールである。中段に位置する第2エンボスロール21は、前記第1エンボスロール20のエンボス凸状部23との噛み合わせにおいては、多数の第1のエンボス凹状部24、24…が配置された凹側エンボスロールであり、一方前記フラットロール22との圧搾処理工程においては、多数のエンボス凸状部26、26…が配置された凸側エンボスロールである。下段に位置するフラットロール22は、表面がフラットの平坦ロールである。
前記第1エンボスロール20と第2エンボスロール21とは対向する組関係にあり、図7に示されるように、第1エンボスロール20に形成されたエンボス凸状部23と第2エンボスロール21に形成された第1のエンボス凹状部24とが互いに噛み合う関係にある。また同時に、第2エンボスロール21とフラットロール22とが対向する組関係にあり、前記第2エンボスロール21に形成されたエンボス凸状部26の先端がフラットロール22の表面に近接する関係にある。すなわち、中段に位置する第2エンボスロール21は、上段に位置する第1エンボスロール20と組を成す対向ロールとしての機能と、下段に位置するフラットロール22と組を成す対向ロールとしての機能とを兼用する構造となっている。
かかる製造装置においては、表面材層8を第1エンボスロール20と第2エンボスロール21との間を通過させることにより、前記第1エンボスロール20のエンボス凸状部23と前記第2エンボスロール21の第1のエンボス凹状部24との噛み合わせによってエンボス加工処理を行い、次いで前記表面材層8のエンボス加工部分を第2エンボスロールの第1のエンボス凹状部24に保持した状態のまま前記第2エンボスロール21側表面を走行させるとともに、その表面側に別途繰り出されたセカンドシート層9を積層させた状態で、前記第2エンボスロール21とフラットロール22との間を通過させることにより、前記第2エンボスロール21のエンボス凸状部26で前記表面材層8及びセカンドシート層9を圧搾する熱圧着処理を施すことによって凹部13を形成すると同時に、前記第1の凸部10及び第2の凸部12を形成する。
前記第1エンボスロール20のエンボス凸状部23と第2エンボスロール21の第1のエンボス凹状部24との噛み合わせについて、図8に示されるように、エンボス凸状部23の側面23aとエンボス凹状部24の側面24aとが平行になるようにすることが好ましい。これにより、エンボス時に均一に熱がかかり、この部分の表面材層8の熱融着が強くなる。これにより、第1の凸部10に体圧がかかったときに表面材層8が潰れにくくなる。
この側面同士が平行な部分の深さDは、前記第1エンボスロール20のエンボス凸状部23とは噛み合わない第2のエンボス凹状部25の深さD以上とすることが好ましい。これにより、第2の凸部12より第1の凸部10が肌側に高く隆起するように設けられ、第2の凸部12より潰れない効果が強化できるようになる。
1…軽失禁ライナー、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート(表面シート)、4…吸収体、5…クレープ紙、7…サイド不織布、8…表面材層、9…セカンドシート層、10…第1の凸部、11…空間部、12…第2の凸部、13…凹部、20…第1エンボスロール、21…第2エンボスロール、22…フラットロール、23…第1エンボスロールのエンボス凸状部、24…第2エンボスロールの第1のエンボス凹状部、25…第2エンボスロールの第2のエンボス凹状部、26…第2エンボスロールのエンボス凸状部

Claims (3)

  1. 透液性の表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在した吸収性物品において、
    前記表面シートは、少なくとも肌当接面層を構成する不織布からなる表面材層と、この表面材層の非肌当接面側に積層された不織布からなるセカンドシート層とから構成され、
    前記表面材層とセカンドシート層との間に空間部を形成しながら相対的に肌側に隆起するとともに、吸収性物品の長手方向に沿って形成された第1の凸部と、前記表面材層とセカンドシート層とが接触した状態で相対的に肌側に隆起するとともに、吸収性物品の長手方向に沿って形成された第2の凸部とが吸収性物品の幅方向に交互に配置され、且つ前記第1の凸部と第2の凸部との間に吸収性物品の長手方向に沿って圧搾された凹部が設けられ、この凹部は連続的又は間欠的な直線状のパターンで形成されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記第1の凸部は、前記第2の凸部より大きな幅で形成されている請求項1記載の吸収性物品。
  3. 少なくとも肌当接面層を構成する不織布からなる表面材層と、この表面材層の非肌当接面側に積層された不織布からなるセカンドシート層とからなるとともに、前記表面材層とセカンドシート層との間に空間部を形成しながら相対的に肌側に隆起するとともに、吸収性物品の長手方向に沿って形成された第1の凸部と、前記表面材層とセカンドシート層とが接触した状態で相対的に肌側に隆起するとともに、吸収性物品の長手方向に沿って形成された第2の凸部とが吸収性物品の幅方向に交互に配置され、且つ前記第1の凸部と第2の凸部との間に吸収性物品の長手方向に沿って圧搾された凹部が設けられ、この凹部は連続的又は間欠的な直線状のパターンで形成されていることを特徴とする吸収性物品のための表面シート。
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